源氏物語「御法」定期テスト対策|紫の上の死・萩の上露の人物相関図・現代語訳・敬語・和歌・web予想問題ツール

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源氏物語「御法」定期テスト対策|紫の上の死・萩の上露

紫の上の最期を、人物関係・場面の流れ・現代語訳・三首の和歌・重要古語・助動詞・敬語・記述問題まで、高校教科書の範囲に絞って整理します。

紫の上の死萩の上露三首の贈答歌露の比喩光源氏の悲嘆
最初に人物を固定

「御法」の登場人物相関図

源氏物語「御法(紫の上の死・萩の上露)」の人物相関図。紫の上・光源氏・明石の中宮の関係と、萩の上露の意味を整理

本文前半は紫の上・光源氏・明石中宮、死後の場面では夕霧が加わります。「宮」は明石中宮、「院」は光源氏、「大将の君」は夕霧です。

まずはここだけ

「御法」で最初に押さえる3点

1

紫の上は死を予感している

源氏が小康状態を喜ぶ一方、紫の上は自分の死後に源氏がどれほど悲しむかを思い、萩の露に自分の命を重ねます。

2

三首が「露」でつながる

紫の上は命のはかなさ、源氏は共に死にたい願い、明石中宮は無常が誰にとっても他人事ではないことを詠みます。

3

悲嘆と現実対応が対照的

源氏は悲しみに耐えられず、夕霧は悲しみながらも僧を呼び、死後の儀礼を取り仕切ります。

作品・人物

基本情報と呼び名

作品
『源氏物語』
作者
紫式部
第四十帖「御法」
中心時期
光源氏五十一歳の秋
本文中の呼び名人物立場とテストで押さえる点
紫の上光源氏の最愛の女性長く病み、死を予感している。明石中宮の養母でもある
光源氏紫の上の回復を願うが、死後は深い悲嘆に陥る
中宮・宮明石中宮紫の上に育てられた養女。宮中へ戻る前に病床を訪れる
大将の君・この君夕霧光源氏の子。出家の扱いや死後の儀礼を冷静に進める
最重要:「宮」は明石中宮です。紫の上と明石中宮は実の母娘ではありませんが、紫の上が幼い明石の姫君を引き取って育てました。『薄雲』から続く関係です。
全体の流れ

教科書範囲を7ステップで整理

1

紫の上の病が長引く

秋の涼しさで少し気分がよくなったように見えても、すぐに具合が悪くなります。

2

明石中宮が病床を訪れる

紫の上は宮中へ戻ろうとする中宮を引き止めたいと思いますが、遠慮して口には出しません。

3

源氏が小康状態を喜ぶ

わずかな回復を喜ぶ源氏を見て、紫の上は自分の死後の源氏の悲しみを思いやります。

4

三人が和歌を詠み交わす

紫の上・光源氏・明石中宮が、「風」「露」「消える」という語を受け継ぎながら心を伝えます。

5

紫の上の容態が急変する

中宮に退出を勧めた直後に横になり、夜通し祈祷を尽くしても、夜明けに亡くなります。

6

源氏が剃髪を願う

生前に出家を望んでいた紫の上の願いを、せめて最期にかなえたいと考えます。

7

夕霧が死後の儀礼を進める

源氏が悲しみに沈むなか、夕霧は僧を手配します。紫の上の亡骸は生前以上に美しく描かれます。

本文・現代語訳

「紫の上の死/萩の上露」重要場面

全文を丸暗記するより、誰の視点・心情かを確定しながら読みましょう。特に「源氏が喜ぶ → 紫の上はその後の悲しみを思う」というずれが重要です。

1|「秋待ちつけて」― 小康状態に見えても不安定

秋待ちつけて、世の中少し涼しくなりては、御心地もいささかさはやぐやうなれど、なほともすれば、かごとがまし。さるは、身にしむばかり思さるべき秋風ならねど、露けき折がちにて過ぐしたまふ。

現代語訳:待っていた秋になり、世の中が少し涼しくなると、紫の上のご気分も少しさわやかになるようだが、やはりどうかすると具合が悪くなりがちである。身にしみるほどの秋風ではないのに、涙にぬれる時が多いままお過ごしになる。

表現:「露けき」は湿っているだけでなく、涙がちであることを表します。冒頭から「露」が紫の上の涙と命を結ぶ語として置かれています。

2|痩せても増して見える気品と美しさ

こよなう痩せ細りたまへれど、かくてこそ、あてになまめかしきことの限りなさもまさりてめでたかりけれ。

現代語訳:この上なく痩せ細っていらっしゃるが、このようになってこそ、高貴で優美な美しさがいっそう増して、すばらしいのであった。

記述対策:衰弱を直接描くだけでなく、死に近づく紫の上を現世離れした美しさとして描くことで、失われるものの尊さと悲劇性を強めています。

3|源氏の喜びを見て、紫の上が思うこと

かばかりの隙あるをも、いとうれしと思ひきこえたまへる御けしきを見たまふも、心苦しく、「つひに、いかに思し騒がむ」と思ふに、あはれなれば、

現代語訳:この程度の病の小康状態さえ、源氏がとてもうれしいと思っていらっしゃるご様子を紫の上が御覧になるのもおいたわしく、「とうとう最期となった時、どれほどお嘆きになるだろう」と思うと、しみじみ悲しいので、

主語:「見たまふ」「思ふ」の主体は紫の上。「いとうれしと思ひきこえたまへる」の主体は光源氏です。

4|命を庭の萩の露に重ねる

げにぞ、折れかへりとまるべうもあらぬ、よそへられたる折さへ忍びがたきを、見出だしたまひても、

現代語訳:なるほど、風に折れ返る萩の枝に露がとどまりそうにもない。その露に紫の上の命がたとえられた時でさえ、源氏は耐えがたいので、庭を御覧になっても、

場面と和歌:庭の萩・秋風・露という現実の景物と、紫の上の命が重なります。「げに」は紫の上の歌を受けて、まさにその通りだと源氏が感じたことを示します。

5|「かくて千年を」― 源氏の願い

と聞こえ交はしたまふ御容貌ども、あらまほしく、見るかひあるにつけても、「かくて千年を過ぐすわざもがな」と思さるれど、心にかなはぬことなれば、かけとめむ方なきぞ悲しかりける。

現代語訳:紫の上と明石中宮が歌を詠み交わされるお姿が理想的で、見る価値があるにつけても、源氏は「このまま千年を過ごす方法があればよいのに」とお思いになるが、思い通りにならないことなので、命を引き止める方法がないのが悲しいのであった。

主語:「思さるれど」の主体は光源氏。「かくて」は、紫の上・明石中宮と共にいる現在の状態を指します。

6|紫の上の死

先々も、かくて生き出でたまふ折にならひたまひて、御もののけと疑ひたまひて、夜一夜さまざまのことをし尽くさせたまへど、かひもなく、明け果つるほどに消え果てたまひぬ。

現代語訳:以前にもこのような状態から息を吹き返されたことに慣れていらっしゃったので、源氏は物の怪のしわざかと疑い、一晩中さまざまな祈祷などをし尽くさせなさったが、効果もなく、夜がすっかり明けるころに紫の上は亡くなってしまった。

表現:「消え果て」は死を表す婉曲表現で、和歌の「露」「消え」と結びつきます。先ほどの歌が現実になる構成です。

7|源氏の悲嘆と夕霧の役割

などのたまふ御けしき、心強く思しなすべかめれど、御顔の色もあらぬさまに、いみじく堪へかね、御涙のとまらぬを、ことわりに悲しく見たてまつりたまふ。

現代語訳:そのようにおっしゃる源氏のご様子は、気丈に振る舞おうとしていらっしゃるようだが、お顔の色も普段とは違い、ひどく悲しみに耐えられず、涙が止まらない。その姿を夕霧はもっともなことだと悲しく拝見する。

主語:「見たてまつりたまふ」の主体は夕霧、対象は光源氏。「奉る」は対象である源氏への謙譲、「給ふ」は主体である夕霧への尊敬です。
最頻出

三首の和歌|誰が、何を受け、何を伝えたか

紫の上|自分の命のはかなさ

おくと見るほどぞはかなき
ともすれば
風に乱るる萩の上露

起きているように見えるのも、ほんのわずかな間です。私の命は、どうかすると風に乱されて落ちる萩の露のようにはかないのです。

光源氏|共に消えたい願い

ややもせば消えを争ふ
露の世に
後れ先立つほど経ずもがな

先を争って消えていく露のようにはかない世なら、あなたと後れたり先立ったりせず、間を置かず一緒に消えたいものです。

明石中宮|無常は誰にも及ぶ

秋風にしばしとまらぬ
露の世を
誰か草葉の上とのみ見む

秋風に吹かれて少しもとどまらない露のような命を、誰が草葉の上だけのことと思うでしょう。私たちの命も同じです。

和歌のつながり:紫の上の「風」「萩」「露」を源氏が「消え」「露の世」と受け、明石中宮が「秋風」「露の世」「草葉」と受け継ぎます。三首は、紫の上個人の死から、人間すべての無常へと意味を広げています。
和歌の修辞

掛詞・縁語・表現効果

語・表現修辞・関係答案に書く内容
おく「起く」と「置く」の掛詞病床から起きている紫の上と、葉の上に置く露を重ねる
置く・露縁語露が草葉に置くという関係から、命のはかなさを印象づける
風・乱るる・露景物と心情の一致秋風に乱され落ちそうな露を、死に近い紫の上の命にたとえる
後れ・先立つ対になる語源氏が紫の上と死別して一人残る時間を望まないことを表す
草葉の上露の所在と人の世の対比無常は草葉の露だけのことではなく、人間全体に及ぶと示す
教師用発問の定番

病床と死後|紫の上の美しさはどう描かれるか

死の直前

  • 「こよなう痩せ細りたまへれど」と、衰弱が明示される
  • 同時に「あてになまめかしき」美しさが増したと描かれる
  • 現世を仮のものと見る様子が、現世離れした気品を強める

死後

  • 「飽かずうつくしげに、めでたうきよら」と描かれる
  • 髪は豊かでつややか、少しも乱れていない
  • 生前以上に完全な美として見えることで、喪失の大きさが際立つ
記述答案例:紫の上は、病によって痩せ細りながらも高貴で優美な美しさを増し、死後も髪や顔に少しの乱れもない完全な美として描かれる。これにより、現世を離れていく紫の上の尊さと、失われた悲しみが強調されている。
人物の対比

光源氏と夕霧|悲しみへの向き合い方

光源氏

  • 紫の上の死を受け入れられず、物の怪のしわざかと疑う
  • 生前の出家の願いを思い、死の直後に剃髪させようとする
  • 気丈に振る舞おうとしても、顔色を失い涙が止まらない

夕霧

  • 源氏の悲しみを当然だと受け止め、自身も深く悲しむ
  • 死後の剃髪では功徳にならず、遺族の悲しみを増すと諫める
  • 僧を選び、死後に必要な仏事や儀礼を取り仕切る
語句問題

重要古語

古語本文中の意味注意点
さはやぐ気分がさっぱりする・病状が少しよくなる現代語の「爽やか」だけで訳さない
かごとがまし何かにつけて具合が悪い・恨み言を言いたげだこの場面では病状がまた悪くなりがちなこと
かたはらいたしきまりが悪い・気が引ける中宮を自分の病室へ迎えることへの遠慮
こよなしこの上ない・格段である「こよなう」は連用形のウ音便
なまめかし上品で優美だ現代語の「色っぽい」に限定しない
らうたげなりかわいらしい・いとおしい様子だ保護したくなる美しさ
かりそめなり一時的だ・はかない紫の上が現世を一時のものと見る
心苦し気の毒だ・心配だ自分が苦しい、ではなく相手を思いやる語
かひなし効果がない・どうにもならない「夜一夜」の祈祷も効果がない
ことわりなりもっともだ・当然だ夕霧が源氏の悲嘆を当然だと見る
本意以前からの願いここでは紫の上が望み続けた出家
とぶらひ弔い・死後の導き「冥き途のとぶらひ」は来世への導き
文法問題

助動詞・識別・音便

本文文法意味・ポイント
参り給ひなむとする「ぬ」未然形+意志「む」中宮が宮中へ参内しようとする。「なむ」を係助詞としない
聞こえまほしう願望の助動詞「まほし」連用形のウ音便申し上げたい。主体は紫の上、相手は明石中宮
とまるべうもあらぬ「べく」のウ音便+打消「ず」連体形とどまりそうにもない
ほど経ずもがな終助詞「もがな」願望。「間を置かずに一緒に死にたいものだ」
渡らせ給ひね尊敬「す」+「給ふ」+完了・強意「ぬ」命令形中宮に対する高い敬意。「もうお戻りください」
消え果て給ひぬ完了「ぬ」終止形すっかり亡くなってしまった
限りのさまなめる「なるめる」の撥音便無表記断定「なり」+推定「めり」。「最期の様子であるようだ」
思しなすべかめれど「べかるめれ」の音便当然・推量「べし」+推定「めり」。「気丈に思おうとしているようだが」
こそはあめれ「あるめれ」の撥音便無表記推定「めり」已然形。夕霧が紫の上の死を推測する
頻出識別:「参り給ひなむ」の「なむ」は、強意・完了の助動詞「ぬ」未然形+意志の助動詞「む」です。「係助詞なむ→連体形」の形ではありません。
敬語問題

誰から誰への敬意か

敬語表現種類主体・対象
参り給ふ「参る」謙譲+「給ふ」尊敬主体は明石中宮。「参る」は参内先への敬意、「給ふ」は中宮への敬意
御覧ぜよ尊敬見る主体は明石中宮。紫の上が中宮に「もう少し滞在して御覧ください」と思う
聞こゆ謙譲申し上げる主体は紫の上、対象は明石中宮
思ひきこえ給ふ「聞こゆ」謙譲+「給ふ」尊敬主体は光源氏、思う対象は紫の上
渡らせ給ひね二重尊敬移動する主体は明石中宮。紫の上から中宮への敬意
御手をとらへ奉りて謙譲手を取る主体は明石中宮、対象は紫の上
見奉り給ふ「奉る」謙譲+「給ふ」尊敬主体は夕霧、見る対象は光源氏
のたまふ尊敬話す主体は光源氏
発問・考査対策

よく問われる記述問題と解答例

学校ワークで頻出の「根拠となる描写」「和歌の役割」「人物の対比」を、答案の形で確認します。

問1|紫の上の死が近いことは、どのような描写から分かるか。

解答例:秋になって少し回復したように見えても病状がすぐ悪化すること、ひどく痩せ細って現世を一時的なものと思っていること、自分の命を風に乱れる萩の露にたとえていることから分かる。

問2|「つひに、いかに思し騒がむ」と考えたのは誰か。何を思っているか。

解答例:考えたのは紫の上である。わずかな小康状態さえ喜ぶ光源氏が、自分が死んだ時にはどれほど激しく嘆くことかと、源氏の悲しみを思いやっている。

問3|紫の上の歌に込められた思いを、掛詞にも触れて説明せよ。

解答例:「おく」に「起く」と「置く」を掛け、病床で起きていられる自分の命を、風に吹かれてすぐ落ちる萩の上の露に重ね、死が近いことを伝えている。

問4|光源氏の返歌は、紫の上の歌をどのように受けているか。

解答例:紫の上の「露」と命が消えるイメージを受け、露のようにはかない世なら、紫の上に後れたり先立ったりせず、間を置かず一緒に死にたいという願いを詠んでいる。

問5|明石中宮の歌には、どのような役割があるか。

解答例:紫の上の「秋風」と源氏の「露の世」を受け継ぎ、露のようにはかない命は紫の上だけのことではなく、自分を含むすべての人に共通すると応じ、紫の上を慰めている。

問6|「露」の表現は、場面全体でどのような効果を持つか。

解答例:冒頭の涙にぬれる生活、三首の和歌、紫の上が「消え果て」る臨終を結び、紫の上の命のはかなさを予告するとともに、人間の世全体の無常を印象づけている。

問7|紫の上の死後、光源氏と夕霧の行動はどのように対照的か。

解答例:光源氏は悲嘆のあまり死を受け入れられず、生前の願いをかなえようと剃髪を急ぐ。一方、夕霧は源氏の悲しみに寄り添いながらも、死後の剃髪の問題を説明し、僧を手配して必要な儀礼を現実的に進める。

問8|死の直前と死後の紫の上の美しさを説明せよ。

解答例:死の直前は痩せ細りながらも高貴で優美な美しさが増したと描かれ、死後も髪や顔に乱れのない完全な美として描かれる。現世を離れる紫の上を理想化し、失われた悲しみを強めている。

テスト前の確認

ここまで言えれば仕上がり

「院」「宮」「大将の君」が誰か言える
紫の上の歌の「おく」の掛詞を説明できる
三首の詠み手と心情を区別できる
「露」が本文全体をつなぐ役割を説明できる
紫の上の美しさの描写を死の前後で比較できる
「参り給ひなむ」の「なむ」を識別できる
「見奉り給ふ」の主体・対象を言える
光源氏と夕霧の行動の違いを説明できる
まとめ

「御法」の核心

  • 紫の上は自分の死だけでなく、残される光源氏の悲しみまで思いやっている。
  • 萩の露は、紫の上の命を表すと同時に、すべての人に共通する無常の象徴である。
  • 三首の和歌は「風」「露」「消える」を受け継ぎ、個人の死から普遍的な無常へ意味を広げる。
  • 死に近づくほど美しさが増す描写が、紫の上の理想性と喪失の大きさを強める。
  • 死後は、悲嘆する光源氏と、現実的に儀礼を進める夕霧が対照的に描かれる。
FAQ

「御法」テスト対策のよくある質問

「紫の上の死」と「萩の上露」は別の場面ですか。

高校教科書・副教材による見出しの違いです。どちらも「御法」のうち、紫の上の病状、萩の露をめぐる和歌、臨終、死後の悲嘆を中心に扱います。学校によって本文の開始・終了が少し異なります。

「荻の上露」ではなく「萩の上露」ですか。

和歌は「風に乱るるの上露」で、教科書の教材名も「萩の上露」です。「荻」と混同しやすいので注意しましょう。

定期テストでは何が最も出やすいですか。

三首の詠み手と心情、「おく」の掛詞、「露」の表現効果、敬語の主体と対象、助動詞の識別、紫の上の美しさ、光源氏と夕霧の行動の対比が中心です。

続けて復習
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