分野名を押すと問題を開けます。各問の答えは折りたたんであるので、まず自分で考えてから確認しましょう。資料・会話・数値例は、特記がない限りロジカが学習用に作成したものです。
公共・思想・合意形成 50問公共性・幸福と公正・思想の比較・対話と判断
PE001 / 300公共・思想・合意形成事例判断
公共的な空間
商店街の空き店舗を誰でも利用できる交流拠点にする。公共的な空間をつくる取組として、最も適切なものはどれか。
- 運営団体の所有物なので、地域に及ぶ影響は団体の内部だけで判断する。
- 利用者だけでなく近隣住民にも意見を聞き、利用条件と負担の分担を話し合う。
- 公共性を保つため、異なる意見を述べる利用者の参加を控えてもらう。
- 行政から補助金が出なければ、公共的な役割を持つ場にはならない。
答えと全選択肢の解説
正解:2 利用者だけでなく近隣住民にも意見を聞き、利用条件と負担の分担を話し合う。
- 選択肢1:不正解
所有権の所在と公共性は別の論点。騒音や利用条件など他者に及ぶ影響も検討する必要がある。 - 選択肢2:正解
立場の異なる人が関わる課題を、相互の理由を示して考える点に公共性がある。所有者が民間でも公共的役割を担える。 - 選択肢3:不正解
公共的な対話は異なる立場の参加を前提とする。意見の相違だけを理由に排除してはならない。 - 選択肢4:不正解
公共性は財源だけで決まらない。市民や民間団体が自主的に担う公共的活動もある。
復習のポイント:公共性は「国や自治体の所有」と同義ではなく、他者との関係から考える。
関連する一次資料:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編
PE002 / 300公共・思想・合意形成事例判断
ホッブズの社会契約説
架空の討論:A「約束をしても、相手が守る保証がなければ先に身を守ろうとする。安心して暮らすには、約束を守らせる共通の力が必要だ。」
次の考え方と最も関連が深い思想家と説明の組合せはどれか。
- ロック――生命や自由への自然権は政府が成立してから初めて与えられると考える。
- ルソー――主権は人民から君主へ恒久的に譲渡されると考える。
- ミル――他人を害さない行為も、多数派の好みに合わせて強制すべきだと考える。
- ホッブズ――相互の不信による闘争を抑え、生命の安全を確保する共通の権力を重視する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 ホッブズ――相互の不信による闘争を抑え、生命の安全を確保する共通の権力を重視する。
- 選択肢1:不正解
ロックでは自然権は政府に先立つ。政府はそれを保護するために設けられる。 - 選択肢2:不正解
ルソーは人民主権を主張し、主権の譲渡を認めない。君主への恒久的譲渡ではない。 - 選択肢3:不正解
ミルは多数者の圧力による自由の抑圧にも注意を向けた。他者への危害と単なる好みの相違を区別する。 - 選択肢4:正解
ホッブズは共通の権力がない自然状態での不安定さを考え、自己保存と平和のための社会契約を論じた。
復習のポイント:ホッブズは、共通の権力による安全の確保と結びつける。
関連する一次資料:ホッブズ Leviathan 原典公開版ロック Second Treatise of Government 原典公開版ルソー The Social Contract & Discourses 原典公開版ミル On Liberty 原典公開版
PE003 / 300公共・思想・合意形成正誤判断
ロックの抵抗権
ロックの社会契約説に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- 政府は自然権の保護を委ねられた存在であり、その信託を損なう場合には人民の抵抗が正当化されうる。
- 政府をつくる契約によって、人民は生命・自由・財産への権利を永久に失う。
- 抵抗権は、政府が人民の意思に従いすぎる場合に君主が用いる権利である。
- 自然状態には道徳上の規則が存在しないため、政府だけが善悪を決定する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 政府は自然権の保護を委ねられた存在であり、その信託を損なう場合には人民の抵抗が正当化されうる。
- 選択肢1:正解
ロックの政府は権利保護という目的に拘束される。権力が信託を裏切る場合の抵抗権が、その制約を支える。 - 選択肢2:不正解
失うのではなく保護を確実にするために政治社会を設ける。自然権の恒久的放棄とは区別する。 - 選択肢3:不正解
抵抗権の主体を逆にしている。権利を侵害する統治に対して人民が抵抗することが論点である。 - 選択肢4:不正解
ロックの自然状態にも自然法がある。政府成立の目的には、公平な裁判や法執行の不確かさを補うことがある。
復習のポイント:ロックは「自然権の保護・政府への信託・抵抗権」を一組で押さえる。
関連する一次資料:ロック Second Treatise of Government 原典公開版
PE004 / 300公共・思想・合意形成正誤判断
ルソーの一般意志
ルソーがいう「一般意志」の説明として、最も適切なものはどれか。
- 投票で最も多く票を集めた私的要求を、その内容にかかわらず一般意志と呼ぶ。
- 統治者が人民に代わって所有し、相続できる意志をいう。
- 共同体の共通の利益を目指す意志であり、個々の私的利益を寄せ集めた全体意志とは区別される。
- 対立を避けるために、人々が公共の問題への判断を放棄することをいう。
答えと全選択肢の解説
正解:3 共同体の共通の利益を目指す意志であり、個々の私的利益を寄せ集めた全体意志とは区別される。
- 選択肢1:不正解
多数という数だけで一般意志になるわけではない。共通の利益を目指しているかが必要な区別となる。 - 選択肢2:不正解
一般意志は人民の主権に関わる。君主の私有財産として相続するものではない。 - 選択肢3:正解
共通善への志向が重要である。人数を足しただけの私的意志の総和とは同じではない。 - 選択肢4:不正解
ルソーは市民による公共への関与を重視する。判断の放棄とは反対の方向である。
復習のポイント:一般意志は共通の利益、全体意志は私的意志の総和という違いを押さえる。
関連する一次資料:ルソー The Social Contract & Discourses 原典公開版
PE005 / 300公共・思想・合意形成資料読解
社会契約説の比較
社会契約説の説明を比べる学習用表| 記号 | 説明 |
|---|
| A | 相互不信の下での闘争を避けるため、共通の権力を設ける。 |
| B | 自然権の保護を政府に委ね、信託を裏切る統治への抵抗を認める。 |
| C | 共通の利益を目指す一般意志に基づく人民主権を考える。 |
次の説明をそれぞれの思想家に対応させた組合せとして、正しいものはどれか。
- A:ロック、B:ホッブズ、C:ルソー
- A:ルソー、B:ロック、C:ホッブズ
- A:ホッブズ、B:ロック、C:ルソー
- A:ホッブズ、B:ルソー、C:ロック
答えと全選択肢の解説
正解:3 A:ホッブズ、B:ロック、C:ルソー
- 選択肢1:不正解
Aの相互不信と共通権力はホッブズ、Bの信託と抵抗権はロック。両者が逆になっている。 - 選択肢2:不正解
Cの一般意志はルソーの用語。ホッブズの説明であるAとの入替えはできない。 - 選択肢3:正解
安全のための強い共通権力、権利保護の信託、一般意志という着眼点を順に対応させると、この組合せになる。 - 選択肢4:不正解
Bの信託・抵抗権はロック、Cの一般意志はルソー。政府の制約の論じ方が異なる。
復習のポイント:三者とも契約を論じるが、自然状態の見方と政治権力の位置づけは異なる。
関連する一次資料:ホッブズ Leviathan 原典公開版ロック Second Treatise of Government 原典公開版ルソー The Social Contract & Discourses 原典公開版
PE006 / 300公共・思想・合意形成計算
功利主義と幸福の総量
3人に及ぶ利益・不利益。学習用仮想データ| 案 | 甲 | 乙 | 丙 |
|---|
| A | 5 | 5 | 5 |
| B | 8 | 5 | 3 |
| C | 12 | 2 | −1 |
表の数値を各人の利益・不利益を共通尺度で表した仮想値とする。全員の値の合計だけを最大にする判断では、どの案を選ぶか。
- B案。合計は16で、他の案を上回る。
- A案。3人全員の値が同じなので、合計も最大になる。
- C案。1人の値が最も高いので、社会全体の合計も最大になる。
- A案。功利主義では分配が均等な案を、合計に優先して選ぶ。
答えと全選択肢の解説
正解:1 B案。合計は16で、他の案を上回る。
- 選択肢1:正解
Aは15、Bは16、Cは13。合計の最大化という指定された基準ではBとなる。現実には数値化や比較自体にも検討が必要。 - 選択肢2:不正解
均等かどうかと合計の大小は異なる。Aの合計は15で、Bの16より小さい。 - 選択肢3:不正解
Cの最大値は12だが、残り2人の値も含める。合計は12+2−1=13である。 - 選択肢4:不正解
功利主義の代表的な着眼点は社会全体の幸福・効用であり、均等配分を常に優先する原理ではない。
復習のポイント:幸福の総量を問う問題では、最も得をする1人や賛成人数だけを見ない。
関連する一次資料:UCL Bentham Project
PE007 / 300公共・思想・合意形成知識確認
ミルの質的功利主義
ベンサムと比較したミルの功利主義の特徴として、最も適切なものはどれか。
- 快楽の質は比較できないため、持続時間だけを唯一の基準とした。
- 幸福を道徳の判断から除外し、行為の結果を評価しない立場へ移った。
- 社会全体の幸福より、行為者本人の快楽を常に優先するよう求めた。
- 快楽の量に加えて質の違いにも注目し、人間の高い能力を用いる喜びを重視した。
答えと全選択肢の解説
正解:4 快楽の量に加えて質の違いにも注目し、人間の高い能力を用いる喜びを重視した。
- 選択肢1:不正解
持続時間だけに限定する説明は誤り。ミルを識別するポイントは快楽の質への着目である。 - 選択肢2:不正解
幸福を基準から除外してはいない。ミルも功利主義の思想家であり、カントの義務論との混同に注意する。 - 選択肢3:不正解
功利主義は利己主義ではない。関係する人々の幸福を視野に入れる。 - 選択肢4:正解
ミルは功利主義を維持しつつ、知的・精神的な快楽などの質を考慮した。量だけの比較への修正である。
復習のポイント:ベンサムの量的な捉え方に対し、ミルは快楽の質にも注目した。
関連する一次資料:ミル Utilitarianism 原典公開版UCL Bentham Project
PE008 / 300公共・思想・合意形成事例判断
カントの自律
カントのいう「自律」に最も近い判断はどれか。
- 上司の命令なら、自分で理由を考えず従う。
- 自分にも他人にも通用する道徳的な原則を理性で考え、それに従って行動する。
- その時の欲求を最優先し、したいと思うことを選ぶ。
- 評判がよくなるかを計算し、評価されるときに約束を守る。
答えと全選択肢の解説
正解:2 自分にも他人にも通用する道徳的な原則を理性で考え、それに従って行動する。
- 選択肢1:不正解
他人の権威を理由に従うのは、この意味での自律ではない。命令内容を道徳的に吟味する必要がある。 - 選択肢2:正解
自律は、理性によって自ら立てる道徳法則に従うこと。単に外から干渉されない状態や気ままさとは違う。 - 選択肢3:不正解
欲求に動かされることと理性による自己立法は異なる。「自由=欲望のまま」としない。 - 選択肢4:不正解
評判という外的な利益を動機としている。カントは義務であるから行うという動機を重視する。
復習のポイント:カントの自律は「好きにすること」ではなく、理性による道徳法則に従うこと。
関連する一次資料:カント Fundamental Principles of the Metaphysic of Morals 原典公開版
PE009 / 300公共・思想・合意形成事例判断
人格を目的として扱う
研究協力を依頼する場面で、カントの「人間を単なる手段として扱わない」という考えに最も沿うのはどれか。
- 研究の目的や負担を説明し、相手が参加を断る判断も尊重する。
- 成果が社会に役立つと確信できれば、参加目的を知らせず協力させる。
- 断られると研究が遅れるため、拒否した人には不利益を与えると伝える。
- 研究協力への謝礼を出せば、本人の意思の確認は省略できると考える。
答えと全選択肢の解説
正解:1 研究の目的や負担を説明し、相手が参加を断る判断も尊重する。
- 選択肢1:正解
相手を意思を持つ主体として尊重する。協力してもらうこと自体ではなく、意思を無視して利用することが問題になる。 - 選択肢2:不正解
社会的利益が見込めても、相手を意思決定から排除してよい理由にはならない。目的・負担を説明する。 - 選択肢3:不正解
不利益をほのめかして従わせれば、相手の自由な判断が損なわれる。拒否も尊重する必要がある。 - 選択肢4:不正解
謝礼と意思の尊重は別問題。対価があることだけで、相手を単なる手段として扱ってよいとはいえない。
復習のポイント:人を目的として扱うとは、相手の尊厳と主体的な判断を尊重すること。
関連する一次資料:カント Fundamental Principles of the Metaphysic of Morals 原典公開版厚生労働省 インフォームド・コンセント
PE010 / 300公共・思想・合意形成事例判断
ミルの他者危害原則
判断能力のある成人の自由に関して、ミルの他者危害原則に最も沿う説明はどれか。
- 周囲が不快に思う少数派の趣味は、具体的な危害がなくても強制的に改めさせる。
- 本人に不利益な選択は、本人が理解して選んでも原則として禁止する。
- 他人への具体的な危害を防ぐための制限と、単に本人のためを思う干渉を区別する。
- 他人に損害を与える行為でも、本人が望む限り社会は制限できない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 他人への具体的な危害を防ぐための制限と、単に本人のためを思う干渉を区別する。
- 選択肢1:不正解
多数派の不快感や好みの違いだけで自由を制限することは、原則の趣旨に合わない。 - 選択肢2:不正解
本人の幸福のための強制はパターナリズムの論点。自律した成人の自己に関わる選択とは区別する。 - 選択肢3:正解
ミルは他者への危害の防止を自由制限の重要な根拠とし、本人の利益だけを理由とする強制と区別した。 - 選択肢4:不正解
自由を無制限にする原則ではない。他人への危害が問題となる場合には制限を検討できる。
復習のポイント:他者への危害と、本人の利益のための干渉を区別する。
関連する一次資料:ミル On Liberty 原典公開版
PE011 / 300公共・思想・合意形成事例判断
ロールズの無知のヴェール
奨学金制度を考える授業で、ロールズの「無知のヴェール」を参考にする方法として、最も適切なものはどれか。
- 社会に貧富の差があること自体を知らない条件で、偶然に制度を選ぶ。
- 自分の家庭の豊かさや能力、将来の立場が分からないという条件で、制度の原則を考える。
- 豊かな家庭の参加者だけに、貧しい家庭の事情を推測してもらう。
- 参加者の家庭状況を公開し、最も発言力のある人が制度を決める。
答えと全選択肢の解説
正解:2 自分の家庭の豊かさや能力、将来の立場が分からないという条件で、制度の原則を考える。
- 選択肢1:不正解
一般的な社会の仕組みまで知らないという意味ではない。隠されるのは自分の地位や資質などである。 - 選択肢2:正解
自分に都合のよい原則を選ぶことを抑えるため、個別の立場を知らない原初状態を想定する。 - 選択肢3:不正解
特定の階層だけを優位にする方法ではない。誰も自分の階層を知らないという条件を置く。 - 選択肢4:不正解
個別事情と発言力で決めると、自己利益に有利な制度を選ぶ可能性がある。ヴェールの意図とは逆である。
復習のポイント:無知のヴェールが隠すのは自分の個別的な立場であり、社会の一般知識ではない。
関連する一次資料:国立社会保障・人口問題研究所掲載 ジョン・ロールズ正義の理論
PE012 / 300公共・思想・合意形成資料読解
ロールズの格差原理
制度から得られる利益の指標。学習用仮想データ| 制度案 | 甲 | 乙 | 丙 |
|---|
| A | 7 | 7 | 7 |
| B | 8 | 11 | 15 |
| C | 6 | 12 | 24 |
基本的自由と公正な機会均等はどの案でも保障され、数値以外の条件も同じとする。最も不利な立場の人の利益を最大にする格差原理の観点では、どの案を選ぶか。
- A案。全員の値が等しいので、最小値の比較をする必要はない。
- C案。3人の値の合計が最大なので選ぶ。
- C案。最も有利な人の値を増やせば、最も不利な人の利益も最大になる。
- B案。最も低い値が8であり、他の案の最小値を上回る。
答えと全選択肢の解説
正解:4 B案。最も低い値が8であり、他の案の最小値を上回る。
- 選択肢1:不正解
均等配分だけが判断基準ではない。不平等があっても最も不利な人がよりよくなる場合がある。 - 選択肢2:不正解
Cは合計が大きいが、最小値は6。総量の最大化と格差原理は異なる。 - 選択肢3:不正解
Cの最高値24に対し最低値は6。最高値の増加から最低値の改善を推測することはできない。 - 選択肢4:正解
各案の最小値はAが7、Bが8、Cが6。設定された条件の下ではBが最も不利な人の利益を最大にする。
復習のポイント:格差原理を使うときは、自由・機会の条件を確認してから最も不利な人の利益を見る。
関連する一次資料:国立社会保障・人口問題研究所掲載 ジョン・ロールズ正義の理論
PE013 / 300公共・思想・合意形成資料読解
同じ扱いと公正
研修参加者の状況。学習用仮想事例| 参加者 | 資料利用上の状況 |
|---|
| 甲 | 通常の印刷資料を読める。 |
| 乙 | 文字を拡大すると読みやすい。 |
| 丙 | 読み上げに対応する電子資料を利用している。 |
次の研修会で、参加機会の公正を高める対応として最も適切なものはどれか。
- 同じ印刷物を全員に配れば、内容を読めるかにかかわらず参加条件は公正である。
- 参加者の違いを考慮すると不公平になるため、支援の要望は受け付けない。
- 支援が必要な人だけ内容の異なる簡単な研修に移し、本人の希望は確認しない。
- 資料の形式を複数用意し、それぞれが内容を理解できる参加方法を確保する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 資料の形式を複数用意し、それぞれが内容を理解できる参加方法を確保する。
- 選択肢1:不正解
形式的に同じ扱いでも、資料を利用できなければ実質的な機会は同じにならない。 - 選択肢2:不正解
違いへの配慮が公正を高める場合がある。支援の必要性と内容を検討すべきである。 - 選択肢3:不正解
本人の希望や同じ内容を学ぶ機会を尊重する必要がある。支援と一方的な分離を混同している。 - 選択肢4:正解
同一の配布方法では参加に障壁が残る場合がある。理解への機会を確保するため、必要に応じて方法を調整する。
復習のポイント:形式的に同じ扱いかだけでなく、実際に参加できる条件かを見る。
関連する一次資料:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編
PE014 / 300公共・思想・合意形成資料読解
効率と公正
移動相談会の実施案。学習用仮想データ| 案 | 1回の総費用 | 中心地区の移動時間 | 遠方地区の移動時間 |
|---|
| A:1会場に集約 | 10万円 | 10分 | 60分 |
| B:2会場で開催 | 15万円 | 25分 | 25分 |
表だけから判断できる内容として、最も適切なものはどれか。
- A案は総費用が低いため、公正さについての追加検討は必要ない。
- A案は1回当たりの総費用が低いが、遠方地区の住民の負担はB案より大きい。
- B案は総費用が高いため、利用者にとってもA案より不利である。
- B案は移動時間が等しいため、あらゆる面で最も効率的である。
答えと全選択肢の解説
正解:2 A案は1回当たりの総費用が低いが、遠方地区の住民の負担はB案より大きい。
- 選択肢1:不正解
費用が低いことだけでは、負担が特定の住民に偏る問題は解決しない。公正の検討が別に必要。 - 選択肢2:正解
総費用はAが低く、遠方地区の移動時間はAが60分でBの25分より長い。費用と負担の分布を分けて読む。 - 選択肢3:不正解
総費用と個々人の利便性は一致しない。遠方地区の移動時間はBの方が短い。 - 選択肢4:不正解
移動時間の均等さは公正に関する一面。Bの費用は高く、全ての面で効率的とはいえない。
復習のポイント:効率は資源の使い方、公正は負担や機会の偏りにも注目する。
関連する一次資料:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編
PE015 / 300公共・思想・合意形成事例判断
手続の公正
応募が定員を上回った無料講座で、事前に「資格要件を満たす応募者から抽選」と公表していた。手続の公正に最も沿う運営はどれか。
- 主催者の知人を優先し、残りの席だけを抽選する。
- 締切後に選考を先着順へ変更し、変更理由は伝えない。
- 公表した条件で抽選し、抽選方法や結果の確認方法を応募者に示す。
- 当選者の満足が得られれば、募集時の条件との違いは説明しない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 公表した条件で抽選し、抽選方法や結果の確認方法を応募者に示す。
- 選択肢1:不正解
公表していない優先枠を設けると、同じ条件の応募者を異なる基準で扱うことになる。 - 選択肢2:不正解
応募後の説明のないルール変更は予測可能性を損なう。変更の必要があれば理由や影響を検討する。 - 選択肢3:正解
あらかじめ示したルールの一貫した適用と、その検証可能性が手続への信頼を支える。 - 選択肢4:不正解
結果に満足した人だけで公正は判断できない。選ばれなかった人も納得できる手続が必要。
復習のポイント:公正は結果だけでなく、基準の公開・一貫した適用・説明の機会にも関わる。
関連する一次資料:文部科学省 特別活動ワーキンググループ第4回 議事録
PE016 / 300公共・思想・合意形成事例判断
対立の理由を探る
架空の地域会議:音楽団体「集会所は夕方に練習できるようにしたい。」学習支援団体「夕方は静かな自習の場所にしたい。」両団体は利用日や終了時刻についてまだ相談していない。
次の話合いを進める方法として、最も適切なものはどれか。
- 希望する時間帯の理由と譲れる条件を聞き、利用区分や時間帯の組合せを検討する。
- 両者の要望の中間として、理由を聞かずに音量だけ半分にする。
- 最初に発言した団体の案を優先し、対立が続くのを避ける。
- 人数の多い団体に決定を委ね、もう一方の事情は議題から外す。
答えと全選択肢の解説
正解:1 希望する時間帯の理由と譲れる条件を聞き、利用区分や時間帯の組合せを検討する。
- 選択肢1:正解
表面上の賛否の背後にある必要や制約を知れば、両立できる条件を探せる。理由に着目した合意形成である。 - 選択肢2:不正解
数値を中間にするだけでは、静かな学習や活動時間の必要を満たすか分からない。目的の確認が先である。 - 選択肢3:不正解
発言順に合理的な優先理由はない。影響を受ける双方の事情を検討する必要がある。 - 選択肢4:不正解
人数は決定方法の一要素でも、少数者の事情を排除する理由にはならない。
復習のポイント:対立する「結論」の奥にある目的・事情・譲れない条件を確かめる。
関連する一次資料:文部科学省 特別活動ワーキンググループ第4回 議事録
PE017 / 300公共・思想・合意形成正誤判断
多数決の前提
話合いで多数決を用いる際の説明として、最も適切なものはどれか。
- 多数派が判明した時点で、反対理由を聞く必要はなくなる。
- 必要な情報と発言機会を確保し、少数意見への配慮や基本的権利への影響も検討する。
- 多数決で選ばれた案は、内容の正しさまで証明されたことになる。
- 一度可決した案は、実施後に問題が分かっても再検討できない。
答えと全選択肢の解説
正解:2 必要な情報と発言機会を確保し、少数意見への配慮や基本的権利への影響も検討する。
- 選択肢1:不正解
少数意見には案の欠点や見落としを示す情報が含まれうる。人数が判明しても検討する意義がある。 - 選択肢2:正解
多数決は意思決定の手続の一つ。十分な討議や少数者の尊重と組み合わせることで正当性を支える。 - 選択肢3:不正解
可決は支持が多いことを示すが、事実認識や価値判断が正しいことを保証しない。 - 選択肢4:不正解
新たな事実や影響が判明すれば見直せる。決定の安定性と再検討の可能性を両立させる。
復習のポイント:多数決は討議を経た決定の方法であり、内容の正しさの証明ではない。
関連する一次資料:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編文部科学省 特別活動ワーキンググループ第4回 議事録
PE018 / 300公共・思想・合意形成事例判断
合意後の見直し
公園の利用ルールを試行したところ、想定外に一部の利用者が参加しにくくなった。合意形成の考え方として最も適切な対応はどれか。
- 試行結果と当事者の意見を確認し、ルールの目的を踏まえて修正を話し合う。
- 一度合意したこと自体を理由に、当初のルールを維持する。
- 不満を申し出た人だけ利用対象から外して、当初の合意を守る。
- 新しいルールは不便が生じた当事者だけで決め、他の利用者には知らせない。
答えと全選択肢の解説
正解:1 試行結果と当事者の意見を確認し、ルールの目的を踏まえて修正を話し合う。
- 選択肢1:正解
合意は問題解決のためのもの。実施後の情報を反映する手続が、合意の質を高める。 - 選択肢2:不正解
合意した事実は重要だが、予想外の不利益を検討しない理由にはならない。 - 選択肢3:不正解
排除によって不満を見えなくしても問題は解決しない。参加できない原因を確かめるべきである。 - 選択肢4:不正解
当事者の意見を重視しつつ、変更で影響を受ける他の人への説明や意見聴取も必要。
復習のポイント:合意は、実施後の検証と必要な見直しまで含めて考える。
関連する一次資料:文部科学省 特別活動ワーキンググループ第4回 議事録
PE019 / 300公共・思想・合意形成資料読解
価値の対立と両立
防犯カメラをめぐる意見。学習用仮想事例| 話者 | 意見 |
|---|
| A | 夜間のいたずらを減らし、安心して施設を利用したい。 |
| B | どこで誰と過ごしたかが、必要以上に記録・閲覧されるのは心配だ。 |
施設への防犯カメラ設置をめぐる意見について、両者の重視する点を踏まえた提案はどれか。
- 安全のための設置なので、映像は目的を限らず自由に利用できるようにする。
- プライバシーへの懸念は設置への反対と同じなので、防犯効果の議論を中止する。
- 両者が対立しているため、担当者が根拠を示さず最終判断する。
- 設置範囲・保存期間・閲覧できる人を定め、防犯上の効果と私生活への影響を検証する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 設置範囲・保存期間・閲覧できる人を定め、防犯上の効果と私生活への影響を検証する。
- 選択肢1:不正解
防犯目的があることから、無限定な二次利用は正当化されない。利用範囲の検討が必要。 - 選択肢2:不正解
懸念の表明は全面反対とは限らない。管理方法次第で両立できる余地を確かめる。 - 選択肢3:不正解
価値の対立こそ説明と対話を要する。判断根拠のない決定では正当性を確認できない。 - 選択肢4:正解
安全とプライバシーという二つの価値を捉え、目的に必要な範囲や管理方法を検討している。
復習のポイント:対立する価値を特定したうえで、目的・範囲・管理方法による両立を探す。
関連する一次資料:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編文部科学省 情報モラル教育ポータル
PE020 / 300公共・思想・合意形成資料読解
事実判断と価値判断
架空の市民会議:A「昨年度、この図書館の利用者は延べ2万人だった。」B「今年は利用者が多い施設を優先して改修すべきだ。」
発言AとBを比較した説明として、最も適切なものはどれか。
- AもBも数値があるので、同じ調査をすれば優先順位まで一意に決まる。
- Bには根拠を示せないため、公共的な話合いでは扱えない。
- Aは調査結果によって真偽を確かめる事実判断で、Bは何を優先するかという価値判断を含む。
- Aは過去の事実なので、将来の計画を考える材料にはできない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Aは調査結果によって真偽を確かめる事実判断で、Bは何を優先するかという価値判断を含む。
- 選択肢1:不正解
利用人数の多さだけで優先順位は決まらない。緊急性や少数者の必要など、別の基準も考えられる。 - 選択肢2:不正解
価値判断でも、重視する原則や予想される影響を理由として示し、討議できる。 - 選択肢3:正解
Aは人数についての記述、Bは予算配分の望ましさを述べる。事実の確認と価値基準の検討を分ける。 - 選択肢4:不正解
過去のデータは予測の材料になる。ただし条件の変化などを確認して使う必要がある。
復習のポイント:「どうなっているか」と「どうすべきか」を分け、両者を理由でつなぐ。
関連する一次資料:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編
PE021 / 300公共・思想・合意形成事例判断
寛容と対話
自分とは異なる生活上の信念を持つ人と地域活動を行う。寛容についての理解として最も適切なものはどれか。
- 相手を尊重するため、自分の意見や疑問は話合いで述べない。
- 自分と異なる信念がある場合、共通のルールをつくることはできない。
- 相手の信念に同意しなくても、その人を対等な参加者として扱い、共通の活動条件を話し合う。
- 多数派の習慣に従わせれば、異なる信念を尊重したことになる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 相手の信念に同意しなくても、その人を対等な参加者として扱い、共通の活動条件を話し合う。
- 選択肢1:不正解
尊重しながら疑問や異論を述べられる。発言を全て控えることは対話を弱める。 - 選択肢2:不正解
信念が異なっても、安全や参加方法などについて共有できる条件を探せる。 - 選択肢3:正解
寛容は同意や無関心と同義ではない。異なる立場の共存と、理由を交わす対話が両立する。 - 選択肢4:不正解
同化の強制は違いを認めることとは異なる。多数派の慣行も公共的な理由から検討する。
復習のポイント:相手への尊重と、その意見への同意を区別する。
関連する一次資料:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編ミル On Liberty 原典公開版
PE022 / 300公共・思想・合意形成事例判断
自己決定を支える条件
進路選択の自己決定を支える対応として、最も適切なものはどれか。
- 自己決定なので、選択肢に関する情報や相談の機会は与えない。
- 周囲が最良だと思う進路を決め、本人には自分で決めたと記入させる。
- 本人が最初に述べた希望は、その後に情報が増えても変更させない。
- 複数の進路の費用や学ぶ内容を示し、本人の希望と事情を聞いて考える機会を設ける。
答えと全選択肢の解説
正解:4 複数の進路の費用や学ぶ内容を示し、本人の希望と事情を聞いて考える機会を設ける。
- 選択肢1:不正解
情報が不足すると選択の意味を理解しにくい。放任と自己決定の尊重を区別する。 - 選択肢2:不正解
選択の主体は本人である。形式的な署名や記入だけで自己決定にはならない。 - 選択肢3:不正解
情報や経験によって希望が変わることもある。再考の機会を尊重する必要がある。 - 選択肢4:正解
情報と相談を得ることは自分で決めることを支える。自律は支援を受けないことと同義ではない。
復習のポイント:自己決定は、理解できる情報・相談・再考の機会に支えられる。
関連する一次資料:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編
PE023 / 300公共・思想・合意形成知識確認
社会化
人が家族、学校、地域などとの関わりを通して言葉や規範、役割を学ぶ過程を説明するものはどれか。
- 機械化。人間の仕事が機械による生産に置き換わる過程である。
- 社会化。社会生活に必要な考え方や行動の仕方を身に付ける過程である。
- 都市化。人口や機能が都市に集中する過程である。
- 私有化。共同で使う財産を個人の所有に移す過程である。
答えと全選択肢の解説
正解:2 社会化。社会生活に必要な考え方や行動の仕方を身に付ける過程である。
- 選択肢1:不正解
機械化は作業・生産の方法の変化。社会の規範を学ぶ人の成長過程を指す語ではない。 - 選択肢2:正解
言語や生活上の規範、他者との関わり方を学ぶことが社会化に当たる。学校教育だけに限られない。 - 選択肢3:不正解
都市化は人口や生活様式の都市への集中・変化。個人が規範を学ぶ過程とは区別する。 - 選択肢4:不正解
私有化は所有形態の変化。社会的な振る舞いを学ぶことの説明ではない。
復習のポイント:社会化は家庭だけでも学校だけでもなく、様々な関係を通して進む。
関連する一次資料:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編
PE024 / 300公共・思想・合意形成事例判断
アイデンティティ
ある生徒は転校後、以前と異なる活動を経験して、自分の得意なことや将来像を捉え直した。この変化の説明として最も適切なものはどれか。
- 他者との出会いや経験を通じて、自分がどのような存在かという理解を形成し直している。
- アイデンティティは幼少期に完成するため、この変化とは関係しない。
- 新しい役割を持つと、それまでの経験は自己理解に影響しなくなる。
- 周囲に合わせて行動することだけが、アイデンティティ形成の目的である。
答えと全選択肢の解説
正解:1 他者との出会いや経験を通じて、自分がどのような存在かという理解を形成し直している。
- 選択肢1:正解
自己理解は他者との関係や経験を通して問い直されうる。青年期のアイデンティティ形成にも関わる。 - 選択肢2:不正解
幼少期に固定されるわけではない。青年期を含め、経験に応じて探求や再構成が起こる。 - 選択肢3:不正解
新たな経験と過去の経験を結び付けて自分を理解することもある。過去が消えるわけではない。 - 選択肢4:不正解
自己理解には周囲との違いや自分の価値観を考えることも含む。同調だけを目標とはしない。
復習のポイント:アイデンティティは、他者との関係の中で自分をどう捉えるかという問いに関わる。
関連する一次資料:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編
PE025 / 300公共・思想・合意形成事例判断
固定観念と個人の尊重
外国出身の友人が地域活動に加わる。固定観念を避ける対応として最も適切なものはどれか。
- 出身地域の一般的な情報は参考にしつつ、本人の希望や得意なことを個別に聞く。
- 同じ国の人の経験談を読んだので、本人にも同じ役割が合うと判断する。
- 文化を尊重するため、本人が述べる希望より国別の特徴を優先する。
- 国による文化の違いを認めたら、個人差を検討する必要はなくなる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 出身地域の一般的な情報は参考にしつつ、本人の希望や得意なことを個別に聞く。
- 選択肢1:正解
集団に関する知識だけで個人を決め付けないことが重要。本人の説明を聞いて具体的に理解する。 - 選択肢2:不正解
1人の経験を同じ国の人全体へ一般化している。本人にも同じ特徴があるとは限らない。 - 選択肢3:不正解
文化の尊重は本人の意思の無視を正当化しない。文化内の多様性も考える。 - 選択肢4:不正解
集団間の違いと集団内の違いは両方ある。文化を単一で固定的なものとして扱わない。
復習のポイント:集団の傾向から個人の希望や能力を決め付けない。
関連する一次資料:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編
PE026 / 300公共・思想・合意形成事例判断
公共的な理由
地域の施設利用ルールを説明する発言として、公共的な理由を最も明確に示しているものはどれか。
- 役員の私が好まない配置なので、私物を置かないルールにしたい。
- 入口をふさぐと避難や移動の妨げになるため、私物を置かないルールにしたい。
- 以前から禁止してきたので、理由を改めて検討する必要はない。
- 反対する人は協調性がないので、意見を聞かずに禁止したい。
答えと全選択肢の解説
正解:2 入口をふさぐと避難や移動の妨げになるため、私物を置かないルールにしたい。
- 選択肢1:不正解
個人的な好みだけでは、他の利用者を拘束する根拠として不十分。共通の目的を示す必要がある。 - 選択肢2:正解
立場の違う人も検討できる安全・移動の理由を示している。ルールと目的の関係を確かめられる。 - 選択肢3:不正解
慣行の存在だけで現在の合理性は証明できない。目的や状況との関係を確かめる。 - 選択肢4:不正解
人格への評価で意見を退けている。提案への反論は内容や根拠に向けるべきである。
復習のポイント:公共的な理由は、異なる立場の人にも説明し検討してもらえる形にする。
関連する一次資料:文部科学省 特別活動ワーキンググループ第4回 議事録
PE027 / 300公共・思想・合意形成事例判断
確証バイアス
架空の調査:Aさんは「朝の学習が一番よい」と考え、朝型学習を勧める記事だけを保存した。夜型が合う条件を検討する記事は、結論に合わないので読まずに閉じた。
次の調べ方の問題点と改善策の組合せとして最も適切なものはどれか。
- 反対意見を読んだ経験があるため、自分の結論を支える情報は集めない。
- 好みの結論に達したため、情報源の確認は十分にできている。
- 自分の考えを支持する情報だけを集める傾向があるため、反対の結果や異なる調査条件も確かめる。
- 記事を多数集めたため、それらが同じ元資料に基づいていても問題ない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 自分の考えを支持する情報だけを集める傾向があるため、反対の結果や異なる調査条件も確かめる。
- 選択肢1:不正解
賛成側の根拠を排除することも偏りになる。賛否双方の証拠の質を比較する。 - 選択肢2:不正解
結論への納得と情報の信頼性は別。発信者や調査方法の確認が必要である。 - 選択肢3:正解
初めの考えを補強する情報に偏る確証バイアスが考えられる。反証や条件の違いを探すことが改善につながる。 - 選択肢4:不正解
記事数が多くても独立した証拠が増えたとは限らない。元資料をたどって確かめる。
復習のポイント:結論に合う情報の数より、反証を含めた根拠の質と独立性を確認する。
関連する一次資料:文部科学省 情報モラル教育ポータル文部科学省 情報モラル動画教材等
PE028 / 300公共・思想・合意形成資料読解
相関と因果
生徒の図書館利用と読書力テスト。学習用仮想データ| 群 | 月の平均利用回数 | 平均得点 |
|---|
| A群 | 1回 | 52点 |
| B群 | 4回 | 64点 |
| C群 | 8回 | 73点 |
表を見て「図書館利用が多いほど読書力が高くなる」と結論付けた。資料の読み方として最も適切なものはどれか。
- 3群の数値が順に増えているので、利用回数の増加が得点上昇の原因だと確定する。
- 正の関連がある場合には、他の要因が関係する可能性は小さいので調べなくてよい。
- 因果関係が確定しないため、表からは関連の有無も読み取れない。
- 正の関連は見られるが、読書への関心など他の要因も考えられ、この表だけでは因果関係は断定できない。
答えと全選択肢の解説
正解:4 正の関連は見られるが、読書への関心など他の要因も考えられ、この表だけでは因果関係は断定できない。
- 選択肢1:不正解
一緒に変化することから、どちらが原因かは決まらない。条件をそろえた比較などが必要。 - 選択肢2:不正解
他の要因が両方に影響する場合がある。相関があることは追加検討を不要にしない。 - 選択肢3:不正解
因果を断定できなくても、表の3群の平均には正の関連が見られる。分かる範囲を適切に述べる。 - 選択肢4:正解
読書好きな人ほど図書館を使う可能性などがある。関連の観察と原因の特定を区別する。
復習のポイント:一緒に増減するという相関と、原因・結果の関係を区別する。
関連する一次資料:総務省統計局 なるほど統計学園 散布図
PE029 / 300公共・思想・合意形成計算
人数と割合
地域説明会への参加。学習用仮想データ| 地区 | 対象者数 | 参加者数 |
|---|
| A地区 | 1000人 | 300人 |
| B地区 | 200人 | 100人 |
説明会の参加状況について、表から正しくいえることはどれか。
- A地区の参加者数が多いので、参加率もAが高い。
- A地区の参加率は30%、B地区は50%で、参加者数はA、参加率はBが高い。
- B地区の参加率は、200÷100で200%である。
- 両地区を合わせた参加率は、30%と50%の単純平均で40%である。
答えと全選択肢の解説
正解:2 A地区の参加率は30%、B地区は50%で、参加者数はA、参加率はBが高い。
- 選択肢1:不正解
参加人数だけでは参加率は比較できない。対象者数を分母にした割合が必要である。 - 選択肢2:正解
Aは300÷1000=30%、Bは100÷200=50%。分母の違いを踏まえ、実数と割合を分けて比べる。 - 選択肢3:不正解
分子と分母が逆。参加者数を対象者数で割り、100を掛けると50%となる。 - 選択肢4:不正解
対象者数が異なるので単純平均できない。合計は400÷1200で約33.3%である。
復習のポイント:割合は分子・分母を確認し、人数の大小と区別する。
関連する一次資料:総務省統計局 Data StaRt データに基づく分析
PE030 / 300公共・思想・合意形成事例判断
情報源の確認
架空の投稿:「この地域の給水所は午後に閉鎖する」と書かれた画像が届いた。画像には日付がなく、知人が別のグループから転送したものだという。
災害に関する投稿を共有する前の確認として、最も適切なものはどれか。
- 共有数が多ければ、多くの人が検証済みと判断して共有する。
- 写真が鮮明で具体的なら、撮影日時や場所を確認せず共有する。
- 知人が送ってきた情報なら、元の発信者を確認せず共有する。
- 発信元、発信日時、対象地域を確認し、自治体などの一次情報と照合する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 発信元、発信日時、対象地域を確認し、自治体などの一次情報と照合する。
- 選択肢1:不正解
共有の多さは真偽の検証数ではない。未確認情報が広く拡散することもある。 - 選択肢2:不正解
過去や別地域の写真が使われる可能性がある。鮮明さは文脈の正しさを保証しない。 - 選択肢3:不正解
知人に悪意がなくても、元情報が誤っている場合がある。情報の経路と根拠を確認する。 - 選択肢4:正解
正しい情報でも日時や地域が異なると誤解を生む。一次情報への照合は文脈の確認にもなる。
復習のポイント:発信元・日時・対象地域を確かめ、拡散の多さを信頼性と取り違えない。
関連する一次資料:文部科学省 情報モラル動画教材等
PE031 / 300公共・思想・合意形成事例判断
生成AIと根拠確認
生成AIがレポート用に、著者名と書名を添えた説明を提示した。利用方法として最も適切なものはどれか。
- 挙げられた文献が実在するか確認し、原資料で内容を確かめた上で自分の主張に使う。
- 書名とページ数が具体的なので、実在や内容を確かめず参考文献に載せる。
- 同じAIに同じ質問を繰り返し、同じ回答が出れば原資料の確認を省く。
- 読みやすい説明であれば、内容の根拠より文章の自然さを優先する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 挙げられた文献が実在するか確認し、原資料で内容を確かめた上で自分の主張に使う。
- 選択肢1:正解
生成AIは実在しない文献や誤った説明を出す場合がある。引用元と内容の確認は利用者の判断を支える。 - 選択肢2:不正解
具体性は正確さの保証ではない。文献情報そのものが誤っている可能性もある。 - 選択肢3:不正解
同じ仕組みが同じ誤りを再出力することもある。独立した原資料で確認する必要がある。 - 選択肢4:不正解
文章の自然さと事実の正確さは別。根拠を確認して使う。
復習のポイント:生成AIの回答も、出典の実在と原資料の内容まで検証する。
関連する一次資料:文部科学省 情報モラル動画教材等内閣府 人間中心のAI社会原則
PE032 / 300公共・思想・合意形成事例判断
写真とプライバシー
友人と撮った写真を、誰でも見られるSNSに投稿したい。プライバシーに配慮した対応はどれか。
- 撮影時に笑顔だったので、世界中への公開にも同意していると判断する。
- 顔を隠せば、制服や位置情報が残っていても本人は特定されないと考える。
- 写っている人に公開先や範囲を説明して意思を確認し、背景の住所などにも注意する。
- 自分の端末で撮った写真なので、他人の意向より投稿者の判断を優先する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 写っている人に公開先や範囲を説明して意思を確認し、背景の住所などにも注意する。
- 選択肢1:不正解
撮影に応じたことから、不特定多数への公開まで同意したとはいえない。別途確認する。 - 選択肢2:不正解
制服、建物、位置情報などの組合せで特定されることがある。顔だけで判断しない。 - 選択肢3:正解
撮影への同意と公開への同意は別。公開範囲と、顔以外から特定される可能性も考える。 - 選択肢4:不正解
撮影者の権利だけの問題ではない。写る人のプライバシーや意思にも配慮する。
復習のポイント:撮影と公開を区別し、顔以外から分かる情報にも注意する。
関連する一次資料:文部科学省 情報モラル教育ポータル
PE033 / 300公共・思想・合意形成正誤判断
匿名性と責任
インターネット上の匿名の発言について、最も適切な説明はどれか。
- 実名を出していなければ、他人に損害を与えても発言の責任を問われない。
- 匿名の発言は内容にかかわらず価値が低いため、根拠を検討する必要がない。
- 匿名性は発言しやすさを支える場合があるが、他人への加害や虚偽の拡散への責任がなくなるわけではない。
- 実名の発言なら、差別的な決め付けも公正な議論として認められる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 匿名性は発言しやすさを支える場合があるが、他人への加害や虚偽の拡散への責任がなくなるわけではない。
- 選択肢1:不正解
匿名であることは免責の根拠にならない。発言内容によって責任を問われる場合がある。 - 選択肢2:不正解
匿名でも有用な情報や根拠が示されることはある。発信者表示だけで内容の真偽は決めない。 - 選択肢3:正解
匿名性には相談や意見表明を助ける面がある。発言の内容や影響を考える責任とは区別される。 - 選択肢4:不正解
実名かどうかで差別や加害が正当化されるわけではない。内容と根拠を検討する。
復習のポイント:匿名性の利点と、発言内容に伴う責任を分けて考える。
関連する一次資料:文部科学省 情報モラル教育ポータル
PE034 / 300公共・思想・合意形成正誤判断
引用と無断転載
公開するレポートに他人の文章を利用する。著作権に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 出典の表示だけで足りるとは限らず、引用の目的、必要な範囲、本文との関係なども確認する。
- 作者名を書けば、公開中の文章は分量や目的を問わず転載できる。
- 購入した本の文章は所有物になるため、本文を自由に公開できる。
- ネット上の文章には著作権がないため、出典はマナーとして記すだけでよい。
答えと全選択肢の解説
正解:1 出典の表示だけで足りるとは限らず、引用の目的、必要な範囲、本文との関係なども確認する。
- 選択肢1:正解
適法な引用には公正な慣行や目的上正当な範囲などの条件がある。出所の明示だけで全て満たすわけではない。 - 選択肢2:不正解
作者名を書くだけでは、無制限な転載の許可にはならない。引用等の条件や利用許諾を確認する。 - 選択肢3:不正解
本という物の所有権と著作権は別。購入によって文章の公表・複製の権利まで取得するわけではない。 - 選択肢4:不正解
ネット上の創作的な文章にも著作権は生じうる。無料公開と自由利用は同じではない。
復習のポイント:出典を書いたことと、著作物を適法に利用できることは別の確認事項。
関連する一次資料:文化庁 著作権テキスト 令和7年度版
PE035 / 300公共・思想・合意形成事例判断
エコーチェンバー
架空のSNSグループ:同じ政策に反対する人だけが集まり、賛同する投稿を互いに共有している。参加者は「みんなが言っているから自分の考えは確実だ」と感じるようになった。
次の状況を説明する概念として最も適切なものはどれか。
- デジタルデバイド。通信機器を持つ人と持たない人の差が直接の原因である。
- インフォームド・コンセント。十分な説明に基づく自由な同意が成立している。
- ユニバーサルデザイン。多様な人に利用しやすい情報環境ができている。
- エコーチェンバー。同じ意見の人同士で情報を交換し、考えが繰り返し強化されている。
答えと全選択肢の解説
正解:4 エコーチェンバー。同じ意見の人同士で情報を交換し、考えが繰り返し強化されている。
- 選択肢1:不正解
デジタルデバイドは情報通信技術の利用機会・能力等の格差。意見の相互強化を直接表す語ではない。 - 選択肢2:不正解
十分な説明と自由な同意をいう概念。集団内で意見が反復されることとは異なる。 - 選択肢3:不正解
多様な利用者が使いやすい設計を指す。異論に触れにくい集団の現象とは別である。 - 選択肢4:正解
閉じた集団で似た意見が反響し、確信が強まる現象がエコーチェンバー。反対の証拠に触れにくくなる。
復習のポイント:似た意見の人同士による反復・強化がエコーチェンバーの手掛かり。
関連する一次資料:消費者庁掲載 総務省 フィルターバブル・エコーチェンバー教材
PE036 / 300公共・思想・合意形成事例判断
フィルターバブル
動画サービスが過去の視聴履歴を基に似た内容を勧め続け、利用者が別の見方に触れにくくなった。この説明として最も適切なものはどれか。
- 表示された情報はその人向けに選ばれているため、社会全体の意見分布を正確に表す。
- 個人に合わせた情報の選別が、見える情報の範囲を狭めるフィルターバブルの例である。
- 情報量が増えたので、情報の種類や見方の多様性も同じ割合で増えている。
- 利用者が自分で反対意見を削除していなければ、情報の偏りは生じない。
答えと全選択肢の解説
正解:2 個人に合わせた情報の選別が、見える情報の範囲を狭めるフィルターバブルの例である。
- 選択肢1:不正解
個別に選別された一覧は、社会全体を代表する標本ではない。見えていない情報を考える。 - 選択肢2:正解
本人が意識しなくても、推薦の仕組みが情報環境を偏らせる場合がある。表示の仕組みに気付くことが重要。 - 選択肢3:不正解
似た内容が増えても多様性が増えるとは限らない。量と種類を区別する。 - 選択肢4:不正解
機械的な選別でも偏りは生じうる。本人が直接削除したかどうかだけでは判断できない。
復習のポイント:履歴などに応じた推薦による情報の囲い込みがフィルターバブルの手掛かり。
関連する一次資料:消費者庁掲載 総務省 フィルターバブル・エコーチェンバー教材
PE037 / 300公共・思想・合意形成資料読解
標本の偏り
架空の市民調査:市のスポーツ施設を平日の正午に利用していた500人へ、「施設の開館時間に満足していますか」と質問し、市民全体の満足度として発表した。
市民全体の意見を推測する際、この調査の限界として最も適切なものはどれか。
- 回答数が500人あれば、対象者の選び方にかかわらず市民全体を代表する。
- 全数調査でない以上、社会の傾向を推測することには意味がない。
- 回答した人が正直に答えていれば、対象者の偏りは問題にならない。
- 施設の利用者や平日昼に来られる人に偏る可能性があり、人数を増やすだけでは解消しない。
答えと全選択肢の解説
正解:4 施設の利用者や平日昼に来られる人に偏る可能性があり、人数を増やすだけでは解消しない。
- 選択肢1:不正解
標本数だけで代表性は確保できない。同じ場所で対象を増やしても選択の偏りは残りうる。 - 選択肢2:不正解
適切に設計された標本調査から全体の傾向を推測できる。問題は一部を調べること自体ではない。 - 選択肢3:不正解
回答の正確さと標本の代表性は別問題。正直な回答でも調査対象が偏っていれば一般化に限界がある。 - 選択肢4:正解
施設利用や生活時間に関わる選択の偏りがある。幅広い対象からの無作為抽出など、選び方を改善する。
復習のポイント:調査の信頼性は回答数だけでなく、誰をどう選んだかで判断する。
関連する一次資料:総務省統計局 全数調査・標本調査
PE038 / 300公共・思想・合意形成事例判断
予防的な考え方
新素材が生態系に深刻で回復困難な影響を与えるおそれが指摘されたが、因果関係には未解明の部分がある。予防的な考え方として適切なものはどれか。
- 因果関係が完全に確定するまで、監視や影響軽減を含む対策を控える。
- 危険が少しでも指摘されたら、代替手段や根拠を検討せず永久禁止する。
- 科学的な不確実性があることだけを対策延期の理由にせず、被害のおそれや対策の効果・負担を検討する。
- 専門家の見解が一致しなければ、安全が証明されたものとして扱う。
答えと全選択肢の解説
正解:3 科学的な不確実性があることだけを対策延期の理由にせず、被害のおそれや対策の効果・負担を検討する。
- 選択肢1:不正解
不確実性を一律に不作為の理由とする点が誤り。監視や段階的な対策も選択肢となる。 - 選択肢2:不正解
予防的対応は根拠や対策の比較を不要にしない。不確実性と被害の重大さに応じて検討する。 - 選択肢3:正解
深刻・不可逆的な被害のおそれがある場合、完全な確実性を待つ間に被害が拡大しうる。合理的な予防策を検討する。 - 選択肢4:不正解
意見の不一致は安全の証明ではない。何が分かり、何が不明かを区別して評価する。
復習のポイント:不確実だから放置するのでも、一律禁止するのでもなく、被害と対応を評価する。
関連する一次資料:環境省 予防的方策・予防原則のあり方に関する研究会報告書環境省 不確実性を伴う環境問題への対応
PE039 / 300公共・思想・合意形成計算
リスクの大きさ
1年間の損失発生を仮定した学習用仮想データ| 事象 | 発生確率 | 発生した場合の損失 |
|---|
| A | 10% | 100万円 |
| B | 1% | 1000万円 |
表の仮定で、金銭的な期待損失を「発生確率×発生時の損失額」で計算する。正しい比較はどれか。
- Aは発生確率が高いので、期待損失はBの10倍である。
- AとBの期待損失はいずれも10万円だが、起きたときの被害の大きさは異なる。
- Bは発生時の損失が大きいので、期待損失はAの10倍である。
- 期待損失が等しければ、被害の偏りや回復可能性を検討する必要はない。
答えと全選択肢の解説
正解:2 AとBの期待損失はいずれも10万円だが、起きたときの被害の大きさは異なる。
- 選択肢1:不正解
確率だけでは比較できない。損失額も掛け合わせると、Aの期待損失はBと等しい。 - 選択肢2:正解
Aは0.10×100万円、Bは0.01×1000万円で、どちらも10万円。期待値が等しくても被害の性質は違う。 - 選択肢3:不正解
損失額だけでは比較できない。Bの確率はAの10分の1なので期待損失は同じになる。 - 選択肢4:不正解
期待値は判断材料の一つ。被害を受ける人や不可逆性など、別の観点も必要である。
復習のポイント:リスクの比較は確率と影響を合わせて行い、期待値だけでは捉えない点も確認する。
関連する一次資料:環境省 不確実性を伴う環境問題への対応
PE040 / 300公共・思想・合意形成事例判断
インフォームド・コンセント
意思表示のできる成人に研究への参加を依頼する。インフォームド・コンセントの趣旨に最も沿うものはどれか。
- 目的や方法、予想される負担等を分かるように説明し、質問の機会を設けて自由な意思を確認する。
- 説明文書を渡して署名を得れば、本人が理解していなくても十分である。
- 担当者が有益と判断した研究なら、参加しない選択肢は示さなくてよい。
- 本人が迷っている場合、研究者が本人の利益を理由に参加を決定する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 目的や方法、予想される負担等を分かるように説明し、質問の機会を設けて自由な意思を確認する。
- 選択肢1:正解
理解を伴う説明と自由な意思による同意が要点。単に書類をそろえることではない。 - 選択肢2:不正解
署名という形式だけでは十分でない。分からない点を質問し、理解できる機会を保障する。 - 選択肢3:不正解
専門家の有益性の判断は、本人の参加意思に代わらない。断る自由も尊重する。 - 選択肢4:不正解
本人の自己決定を支える説明や相談が必要。迷いを理由に研究者が決定を代行するものではない。
復習のポイント:インフォームド・コンセントは、理解できる説明と自発的な同意の過程。
関連する一次資料:厚生労働省 インフォームド・コンセント
PE041 / 300公共・思想・合意形成事例判断
パターナリズム
架空の討論:A「十分な判断能力のある成人が、事情を理解してある趣味を選んでいる。でも将来本人が後悔しそうだから、本人が希望しても禁止すべきだ。」この発言の妥当性ではなく、介入理由の種類を問う。
次の発言の根拠を説明するものとして、最も適切なものはどれか。
- 本人の利益のために本人の意思へ介入する、パターナリズムの考え方である。
- 本人の行動が第三者へ及ぼす損害を防ぐ、他者危害原則だけに基づく考え方である。
- 全員の幸福の合計を計算し、その最大化を求める考え方である。
- 最も不利な人の所得を最大にする、格差原理に基づく考え方である。
答えと全選択肢の解説
正解:1 本人の利益のために本人の意思へ介入する、パターナリズムの考え方である。
- 選択肢1:正解
本人のためという理由で、本人が望む選択に介入することをパターナリズムという。妥当性は状況に応じて検討する。 - 選択肢2:不正解
発言は第三者への害ではなく、本人の不利益を理由にしている。介入の根拠を区別する。 - 選択肢3:不正解
幸福の合計を比較する情報は示されていない。本人保護という理由に着目する。 - 選択肢4:不正解
所得分配や最も不利な人の地位に関する議論ではない。異なる原理の混同である。
復習のポイント:介入の理由が「他人への害」か「本人のため」かを見分ける。
関連する一次資料:ミル On Liberty 原典公開版
PE042 / 300公共・思想・合意形成事例判断
エシカル消費
エシカル消費に当たる判断として、最も適切なものはどれか。
- 売上が大きい企業の商品であれば、生産過程の確認は必要ないと考える。
- 高価な商品であることだけを根拠に、人や環境に配慮した商品だと判断する。
- 価格や品質に加え、生産者の労働条件や環境への影響を調べて商品を選ぶ。
- 買い物は私的行為なので、社会への影響は選択の基準から除く。
答えと全選択肢の解説
正解:3 価格や品質に加え、生産者の労働条件や環境への影響を調べて商品を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
企業の規模や売上だけで配慮の有無は分からない。具体的な取組や根拠を確認する。 - 選択肢2:不正解
高価格は倫理性の証明ではない。生産条件や認証の対象などを確かめる必要がある。 - 選択肢3:正解
消費が人・社会・地域・環境に及ぼす影響を考える点に特徴がある。価格や品質との両立も考えられる。 - 選択肢4:不正解
個々の購入が生産のあり方に影響しうる。消費を通じた社会への関わりも検討対象となる。
復習のポイント:エシカル消費は、価格・品質に加え、人や社会・環境への影響を見る。
関連する一次資料:消費者庁 エシカル消費とは
PE043 / 300公共・思想・合意形成資料読解
環境表示を読み解く
同じ用途の商品に付された表示。学習用仮想事例| 商品 | 表示 |
|---|
| A | 地球にやさしい新製品 |
| B | 同容量の自社2020年製品比で容器の樹脂使用量を20%削減。算定条件をウェブで公開。 |
表の広告を比較した説明として、最も適切なものはどれか。
- Aは広い意味で環境への配慮を示しているため、Bより根拠が強い。
- Bは比較条件と根拠を確認しやすいが、記載された削減だけで製品全体の環境優位まで断定はできない。
- Bは容器の使用量が少ないので、輸送や製造を含む全ての環境負荷が小さいと分かる。
- AもBも環境に関する広告なので、表現の具体性を比較する意味はない。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Bは比較条件と根拠を確認しやすいが、記載された削減だけで製品全体の環境優位まで断定はできない。
- 選択肢1:不正解
「地球にやさしい」は対象や根拠が曖昧。広い表現であることが証拠の強さになるわけではない。 - 選択肢2:正解
対象・基準年・範囲が明示されると検証しやすい。ただし容器の削減という一側面と製品全体の評価を区別する。 - 選択肢3:不正解
容器使用量だけでは他の工程の負荷は分からない。評価範囲を超えた一般化を避ける。 - 選択肢4:不正解
何がどれだけ改善したか、検証できる根拠があるかを比べる意義がある。
復習のポイント:環境表示は、対象・比較基準・数値の範囲・確かめられる根拠を読む。
関連する一次資料:環境省 環境表示のここを見よう
PE044 / 300公共・思想・合意形成事例判断
世代間倫理
長期間残る廃棄物の処分方法を決める際、世代間倫理の観点として最も適切なものはどれか。
- 将来の人は現在の会議に参加しないので、意思決定の対象から外す。
- 将来の技術進歩を期待できるため、将来の負担は現在の判断から除く。
- 現在の世代の負担を最小にすることが、将来世代に対しても常に公正である。
- 現在の利益だけでなく、将来の人が負担する管理や利用可能な資源への影響も検討する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 現在の利益だけでなく、将来の人が負担する管理や利用可能な資源への影響も検討する。
- 選択肢1:不正解
参加できないことは影響を受けないことを意味しない。その利益を考慮する仕組みが課題となる。 - 選択肢2:不正解
技術進歩は不確実であり、それだけで負担を無視できない。複数の可能性を検討する必要がある。 - 選択肢3:不正解
今の費用の削減が、将来の費用や環境悪化を増やすこともある。世代間の負担移転に注目する。 - 選択肢4:正解
現在の選択が、まだ交渉や発言のできない将来世代に及ぼす影響を考えることが世代間倫理の要点。
復習のポイント:現在の決定に参加できない将来世代への影響も、公正の問題として考える。
関連する一次資料:国立環境研究所 将来世代への責任をどう考える?
PE045 / 300公共・思想・合意形成正誤判断
環境倫理の立場
自然の保全理由に関する二つの考え方を区別した説明として、最も適切なものはどれか。
- 自然を守る理由を人間の利益から考える立場は、自然保護には賛成できない。
- 人間への便益を中心とする立場と、人間の利用価値だけでは測れない自然の価値を重視する立場がある。
- 自然そのものの価値を認める立場では、人間が自然と関わる方法を議論する必要はない。
- 二つの立場は異なるため、同じ保全策を支持することはない。
答えと全選択肢の解説
正解:2 人間への便益を中心とする立場と、人間の利用価値だけでは測れない自然の価値を重視する立場がある。
- 選択肢1:不正解
人間の生活を守るために自然保護を支持することは可能。人間中心の立場と保護への反対は同義ではない。 - 選択肢2:正解
飲み水や防災など人への利益を重視する考えと、生物・生態系自体の価値を重視する考えを区別できる。 - 選択肢3:不正解
自然の価値を認めた上でも、利用や共存の具体的な範囲を検討する課題は残る。 - 選択肢4:不正解
理由が違っても同じ森林保全などを支持しうる。根拠の違いと結論の違いを同一視しない。
復習のポイント:自然を守るという同じ結論でも、人への便益と自然自体の価値では理由が異なる。
関連する一次資料:環境省 環境に配慮した消費行動やレジャー活動等の促進
PE046 / 300公共・思想・合意形成事例判断
科学技術と社会の判断
新しい交通技術の導入を検討する会議で、科学的知見と社会的判断の関係として最も適切なものはどれか。
- 専門家が効果やリスクを示し、住民も費用負担や利用条件について理由を交わして検討する。
- 技術的に実現可能と分かれば、導入すべきかという社会的判断も確定する。
- 住民の不安が示されたら、測定結果や専門家の説明は判断に使わない。
- 価値観が異なる問題は科学では解けないので、事実の確認も不要になる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 専門家が効果やリスクを示し、住民も費用負担や利用条件について理由を交わして検討する。
- 選択肢1:正解
科学は効果やリスクを確かめる重要な手段。一方、何を優先し誰が負担するかは社会的な討議も必要となる。 - 選択肢2:不正解
実現可能性と望ましさは別の問い。安全性、負担、公正などを追加して検討する。 - 選択肢3:不正解
不安の理由を受け止めつつ、科学的知見も共有する。どちらか一方を排除する必要はない。 - 選択肢4:不正解
価値判断に事実の確認が不要になるわけではない。選択が及ぼす影響の把握は討議を支える。
復習のポイント:「できる」という科学技術上の判断と、「どう使うべきか」という社会的判断を分ける。
関連する一次資料:環境省 不確実性を伴う環境問題への対応文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編
PE047 / 300公共・思想・合意形成正誤判断
ロールズと基本的自由
ロールズの正義論について、最も適切な説明はどれか。
- 社会の所得総額が増えるなら、一部の人だけ基本的自由を失わせてもよいとする。
- 格差原理は、基本的自由や公正な機会均等を考慮せずに用いる原理である。
- 最も裕福な人の利益が増えれば、どのような不平等も正当化されるとする。
- 平等な基本的自由の保障を重視し、それを単なる経済的利益の増加と引き換えにしてよいとは考えない。
答えと全選択肢の解説
正解:4 平等な基本的自由の保障を重視し、それを単なる経済的利益の増加と引き換えにしてよいとは考えない。
- 選択肢1:不正解
自由を社会全体の所得と交換する発想ではない。基本的自由の保障が重要な制約になる。 - 選択肢2:不正解
格差原理だけを取り出して全制度を判断するのは不十分。自由と機会の保障との関係を確認する。 - 選択肢3:不正解
着目するのは最も不利な立場の人の利益。最も裕福な人の利益だけでは正当化できない。 - 選択肢4:正解
ロールズでは平等な基本的自由が優先される。経済的な分配の原理を用いる際もこの前提を外さない。
復習のポイント:ロールズは「最小値を上げる」だけでなく、平等な基本的自由の優先も押さえる。
関連する一次資料:国立社会保障・人口問題研究所掲載 ジョン・ロールズ正義の理論
PE048 / 300公共・思想・合意形成資料読解
義務と結果の比較
共同作業に参加する理由。学習用仮想事例| 話者 | 発言 |
|---|
| A | 私が加われば作業が早く終わり、皆の負担を減らせるから参加する。 |
| B | 参加すると約束した以上、その約束を守るべきだから参加する。 |
表の二人の行動理由を説明したものとして最も適切なものはどれか。
- Aは義務だけを重視し、Bは幸福の合計だけを重視している。
- 二人が同じ行動を選んだので、道徳的な判断基準も同一である。
- Aは行動が生む利益を重視し、Bは守るべき原則への義務を重視している。
- Bは行動の理由を述べておらず、道徳的判断をしていない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Aは行動が生む利益を重視し、Bは守るべき原則への義務を重視している。
- 選択肢1:不正解
対応が逆である。Aの困難軽減は結果への着目、Bの約束への従順は義務への着目。 - 選択肢2:不正解
同じ行動でも理由は異なりうる。結果が変わる場面では判断が分かれる可能性がある。 - 選択肢3:正解
Aは結果、Bは約束を守る義務を理由にしている。結論だけでなく正当化の基準を読む。 - 選択肢4:不正解
「約束を守るべきだから」は規範に基づく理由。利益の計算だけが道徳的判断ではない。
復習のポイント:同じ結論に達した人でも、結果を重視するか義務を重視するかは異なりうる。
関連する一次資料:カント Fundamental Principles of the Metaphysic of Morals 原典公開版ミル Utilitarianism 原典公開版
PE049 / 300公共・思想・合意形成資料読解
AIの公平性
架空の試行:過去の参加者データで学習したAIが、研修の参加候補者を選ぶ。担当者が確認すると、同程度の条件でも特定の出身地域の人が選ばれにくい傾向が見つかった。
次の試行結果への対応として、最も適切なものはどれか。
- 人が直接判断していないので、出力に不当な偏りが含まれることはない。
- 過去の結果を学習しているため、過去の差を再現することを公平とみなす。
- 判断に使うデータや基準に偏りがないか調べ、人が結果を検証し説明できる仕組みを用意する。
- 処理速度が人より速ければ、判断理由を説明できなくても問題はない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 判断に使うデータや基準に偏りがないか調べ、人が結果を検証し説明できる仕組みを用意する。
- 選択肢1:不正解
自動処理だから中立とは限らない。過去のデータに含まれる偏りが出力に反映されうる。 - 選択肢2:不正解
過去に差別的な取扱いがあった可能性もある。再現の正確さと公正さは別の評価である。 - 選択肢3:正解
AIもデータや設計の影響を受ける。公平性・説明責任・透明性を確保するための検証が必要。 - 選択肢4:不正解
効率性だけでは不当な取扱いの問題は解決しない。影響に応じて説明や異議申立ての機会も検討する。
復習のポイント:AIの処理の速さ・予測の正確さと、判断の公正さを区別する。
関連する一次資料:内閣府 人間中心のAI社会原則
PE050 / 300公共・思想・合意形成資料読解
公共の問題を探究する手順
架空の学校会議:A「自転車通学者が多いので、空き地を駐輪場にしたい。」B「歩くのがつらい人が休めるベンチを置いてほしい。」空き地の広さ、時間帯ごとの利用実態、予算はまだ調べていない。
生徒たちが次に行う探究として、最も適切なものはどれか。
- 利用の実態とそれぞれの必要を確かめ、複数案の効果・負担を比べて関係者と話し合う。
- Aの利用頻度が高いので、それだけを根拠にAの案を最終決定する。
- 二人の意見が対立しているため、実態調査を行わず問題を先送りする。
- 担当者が経験だけで案を一つ決め、賛成する意見だけを集める。
答えと全選択肢の解説
正解:1 利用の実態とそれぞれの必要を確かめ、複数案の効果・負担を比べて関係者と話し合う。
- 選択肢1:正解
事実の調査と価値・利害の検討を組み合わせ、比較可能な案をつくることが探究の基本となる。 - 選択肢2:不正解
頻度は材料の一つだが、移動の困難さなど別の必要もある。1指標だけで優先順位を決めない。 - 選択肢3:不正解
対立の原因を調べることで共通点や代替案が見つかりうる。対立自体を中止の理由にしない。 - 選択肢4:不正解
案を先に固定して賛成情報だけを集めると、問題点を見落としやすい。代替案や反対理由も検討する。
復習のポイント:公共の探究は、実態把握・価値の検討・代替案の比較・対話を結び付ける。
関連する一次資料:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 公民編文部科学省 特別活動ワーキンググループ第4回 議事録
日本の政治・憲法 50問人権・国会・内閣・裁判所・選挙・地方自治
PE051 / 300日本の政治・憲法事例判断
立憲主義
学習用の仮想討論。議員A「私たちの政党は選挙で多数の議席を得た。したがって、公約を法律にするときに憲法上の制約を考慮する必要はない。」
立憲主義の観点から、議員Aの発言を評価したものとして最も適切なものを選びなさい。
- 法律の成立後に政府が必要だと判断すれば、憲法より法律を優先できる。
- 選挙で多数の支持を得た政党は、任期中に限って憲法上の制限を受けない。
- 憲法は国民相互の生活規則なので、国会の立法活動は主な拘束対象ではない。
- 多数派が成立させた法律でも、憲法に適合する必要がある。
答えと全選択肢の解説
正解:4 多数派が成立させた法律でも、憲法に適合する必要がある。
- 選択肢1:不正解
政府の必要性判断によって最高法規の順位は変わりません。憲法を変更する場合は、96条の改正手続が必要です。 - 選択肢2:不正解
立憲主義は、その時々の多数派を含む国家権力を拘束します。政権の任期と憲法の効力は別の問題です。 - 選択肢3:不正解
憲法には国民の権利や統治機構が定められ、国会の立法活動も拘束されます。私人間の生活規則だけを定めたものではありません。 - 選択肢4:正解
選挙による多数の支持は、憲法の制限を外す根拠にはなりません。憲法98条は、憲法に反する法律等の効力を否定しています。
復習のポイント:立憲主義では、民主的に選ばれた権力も憲法による制限を受けます。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE052 / 300日本の政治・憲法資料読解
憲法制定の順序
日本国憲法成立に関する出来事(並べ替え用)| 記号 | 出来事 |
|---|
| A | 日本国憲法の施行 |
| B | 帝国議会における憲法改正案の審議・議決 |
| C | 日本国憲法の公布 |
表の出来事を古いものから並べたものとして正しいものを選びなさい。
- C → B → A
- B → A → C
- A → B → C
- B → C → A
答えと全選択肢の解説
正解:4 B → C → A
- 選択肢1:不正解
公布は成立した法を国民に知らせる段階です。この場合、帝国議会での審議・議決は公布より前に行われました。 - 選択肢2:不正解
施行は法が効力を持つ段階です。日本国憲法では、公布が先、施行が後です。 - 選択肢3:不正解
日本国憲法の施行を先頭に置くと、その成立手続より効力の発生が先になってしまいます。審議・議決、公布、施行の順です。 - 選択肢4:正解
日本国憲法は、帝国議会での審議・議決を経て1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行されました。公布と施行には半年の間隔があります。
復習のポイント:公布は法を知らせること、施行は法の効力を発生させることです。
関連する一次資料:国立国会図書館|日本国憲法の誕生・年表衆議院|日本国憲法
PE053 / 300日本の政治・憲法正誤判断
新旧憲法の比較
大日本帝国憲法と日本国憲法の比較として正しいものを選びなさい。
- 大日本帝国憲法の法律の留保は、法律による権利制限を禁止する仕組みであった。
- 大日本帝国憲法では衆議院と参議院、日本国憲法では衆議院と貴族院が設けられた。
- 大日本帝国憲法では国務大臣が国会に連帯責任を負い、日本国憲法では天皇を輔弼する。
- 大日本帝国憲法では天皇が統治権を総攬する建前であり、日本国憲法では国民主権が採用された。
答えと全選択肢の解説
正解:4 大日本帝国憲法では天皇が統治権を総攬する建前であり、日本国憲法では国民主権が採用された。
- 選択肢1:不正解
法律の留保は、法律の定める範囲内で権利を保障するという構造です。法律による制限を禁止するという意味ではありません。 - 選択肢2:不正解
院名が逆です。帝国議会は貴族院と衆議院、現在の国会は衆議院と参議院で構成されます。 - 選択肢3:不正解
責任関係を逆にしています。旧憲法では国務大臣が天皇を輔弼し、新憲法では内閣が国会に対して連帯責任を負います。 - 選択肢4:正解
主権の所在が大きな違いです。旧憲法は天皇を統治権の中心に置き、新憲法は国民に主権があることを明らかにしました。
復習のポイント:新旧憲法は、主権・議会の構成・内閣の責任先を組にして比較します。
関連する一次資料:国立国会図書館|大日本帝国憲法衆議院|日本国憲法
PE054 / 300日本の政治・憲法正誤判断
天皇の国事行為
日本国憲法の下での天皇と政治の関係について、正しいものを選びなさい。
- 天皇は国会の指名した候補者の中から、政策を比較して首相を選ぶ。
- 国会で成立した法律は、天皇が内容に同意することによって成立する。
- 天皇が行う国事行為については、助言をした国会が責任を負う。
- 天皇は国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 天皇は国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命する。
- 選択肢1:不正解
天皇には国政に関する権能がありません。国会の指名を受けて任命するのであり、政策判断により候補者を選び直すものではありません。 - 選択肢2:不正解
日本国憲法は天皇に法律への実質的な拒否権を与えていません。法律の公布という国事行為と、立法内容の決定を混同しないようにします。 - 選択肢3:不正解
国事行為に助言と承認を与え、責任を負うのは内閣です。国会の首相指名と内閣の助言・承認を区別します。 - 選択肢4:正解
首相に誰を選ぶかという指名は国会が行い、天皇はその指名に基づく任命を行います。国事行為には内閣の助言と承認が必要です。
復習のポイント:首相は国会が指名し、天皇が任命します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE055 / 300日本の政治・憲法資料読解
人権の分類
権利を使う場面(学習用の仮想事例)| 記号 | 求めていること |
|---|
| A | 政府に批判的な考えを持つだけで処罰されないこと |
| B | 健康で文化的な最低限度の生活が保障されること |
| C | 選挙で代表者を選ぶこと |
表のA・B・Cを、教科上の人権の分類に当てはめた組合せとして正しいものを選びなさい。
- A=参政権、B=社会権、C=自由権
- A=社会権、B=自由権、C=参政権
- A=自由権、B=社会権、C=参政権
- A=自由権、B=参政権、C=社会権
答えと全選択肢の解説
正解:3 A=自由権、B=社会権、C=参政権
- 選択肢1:不正解
政治的な意見を持つ自由と、選挙で代表者を選ぶ権利は区別します。Aは思想・良心の自由、Cは参政権です。 - 選択肢2:不正解
AとBが逆です。国家の干渉を抑える権利が自由権、生活や教育の保障を求める権利が社会権です。 - 選択肢3:正解
Aは国家から不当に干渉されない自由、Bは人間らしい生活を支える保障、Cは政治の形成への参加に対応します。 - 選択肢4:不正解
最低限度の生活の保障は社会権です。選挙への参加は、社会保障を受ける権利ではなく参政権に位置づけられます。
復習のポイント:国家からの自由・生活保障・政治参加のどれを求める権利かに注目します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE056 / 300日本の政治・憲法事例判断
法の下の平等
法の下の平等についての説明として最も適切なものを選びなさい。
- 一度法律で定められた区別であれば、平等原則による検討は不要である。
- 障害のある人に利用上の配慮をすることは、他の人と違う扱いなので平等に反する。
- 収入にかかわらず同額の税を課す制度だけが、平等原則に適合する。
- 扱いに差を設ける場合、その目的と区別に合理的な理由があるかを検討する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 扱いに差を設ける場合、その目的と区別に合理的な理由があるかを検討する。
- 選択肢1:不正解
法律も憲法に適合する必要があります。立法されたという事実だけで、合理的理由のない差別が正当化されるわけではありません。 - 選択肢2:不正解
利用条件の違いを補う配慮は、実際に同じ機会を得るための措置となり得ます。違う扱いであるという理由だけで不平等とは判断できません。 - 選択肢3:不正解
負担能力に応じて課税することには合理的な理由があり得ます。平等は、事情が異なる人にも金額を同じにすることと同義ではありません。 - 選択肢4:正解
平等原則は、合理的理由のない差別を禁じます。事情の違いを踏まえた支援まで一律に禁止するものではありません。
復習のポイント:同じ扱いかどうかだけでなく、区別の理由と実際の機会を考えます。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE057 / 300日本の政治・憲法事例判断
思想・良心の自由
学習用の仮想事例。ある行政機関が住民に政策への賛否を書かせ、「政策に反対だと思っている」という理由だけで、不利益な扱いをした。住民は抗議活動などの外部的な行為はしていない。
次の仮想事例で、最も直接に問題となる憲法上の自由を選びなさい。
- 居住・移転の自由
- 学問の自由
- 思想及び良心の自由
- 職業選択の自由
答えと全選択肢の解説
正解:3 思想及び良心の自由
- 選択肢1:不正解
居住・移転の自由は、住む場所や移動を選ぶ自由です。事例では場所の選択ではなく政治的信念が問題となっています。 - 選択肢2:不正解
学問の自由は研究やその成果の発表などを保障します。この事例には学術研究の活動が示されておらず、直接には思想・良心の自由が問題です。 - 選択肢3:正解
政策への賛否を心の中で持つことは、憲法19条の保障に関わります。考えそのものを理由に不利益を与える点が問題です。 - 選択肢4:不正解
職業選択の自由は、どの職業に就くかなどの経済活動に関する自由です。この事例の直接の対象は内心の考えです。
復習のポイント:心の中の考えへの介入は、まず思想・良心の自由との関係を検討します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE058 / 300日本の政治・憲法正誤判断
信教の自由と政教分離
信教の自由と政教分離に関する説明として正しいものを選びなさい。
- 信教の自由には信仰しない自由も含まれ、宗教上の行事への参加を強制されない。
- 国から特権を受ける宗教団体を一つに限れば、政教分離に適合する。
- 住民の多数が信仰する宗教であれば、行政はその信仰を住民の義務にできる。
- 政教分離は、宗教を信仰する個人が政治的意見を述べることを禁止する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 信教の自由には信仰しない自由も含まれ、宗教上の行事への参加を強制されない。
- 選択肢1:正解
信教の自由は特定の信仰を選ぶことだけでなく、信仰を持たないことも保障します。憲法20条2項は宗教上の行為等への参加強制を禁じています。 - 選択肢2:不正解
憲法20条は宗教団体が国から特権を受けることを禁じています。一団体だけに特権を与えることは、むしろ国家による宗教の優遇です。 - 選択肢3:不正解
多数派の信仰であることは、少数者に信仰を強制する根拠になりません。信教の自由は個人ごとに保障されます。 - 選択肢4:不正解
政教分離は主に国家と宗教の関係に関する原則です。信仰する個人の表現の自由や政治参加を一律に奪う原則ではありません。
復習のポイント:宗教を信じる自由・信じない自由と、国家の宗教的中立性を区別します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE059 / 300日本の政治・憲法資料読解
表現の自由と人権調整
公開情報をめぐる意見(学習用の仮想討論)| 生徒 | 意見 |
|---|
| A | 行政の不正を調べた記事を自由に発表できることが必要だ。 |
| B | 記事に関係のない家族の住所まで拡散することには問題がある。 |
二人の意見を踏まえた検討として最も適切なものを選びなさい。
- 政治批判の保障と、個人の私生活上の利益への不必要な侵害を区別して検討する。
- 他人の私生活に触れる可能性がある表現は、公共性を検討せず事前に禁止する。
- 政府に批判的な情報は公共の利益を害するので、他の表現より広く禁止できる。
- 公開済みの情報であれば、その組合せや再拡散による私生活への影響は考えなくてよい。
答えと全選択肢の解説
正解:1 政治批判の保障と、個人の私生活上の利益への不必要な侵害を区別して検討する。
- 選択肢1:正解
表現の自由は民主政治の基盤ですが、他者の名誉や私生活上の利益との調整も必要です。表現の内容・目的・侵害の程度を具体的に検討します。 - 選択肢2:不正解
公益目的の報道などまで一律に排除することになります。公共性や必要性を具体的に検討することが必要です。 - 選択肢3:不正解
政府批判は民主政治で特に重要な表現です。「政府に不都合」ということだけで公共の利益への害と扱うのは適切ではありません。 - 選択肢4:不正解
既に公開された情報でも、集約・再拡散の方法によって新たな侵害が生じ得ます。公開の有無だけで判断を終えるのは不適切です。
復習のポイント:人権同士が関わる問題は、保護する利益と制約の必要性を具体的に比べます。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE060 / 300日本の政治・憲法正誤判断
経済的自由と財産権
日本国憲法が定める経済活動と財産について、正しいものを選びなさい。
- 財産権の内容は、憲法ではなく所有者が単独で決定する。
- 私有財産を公共のために用いる場合、憲法は正当な補償を求めている。
- 職業選択の自由は、許認可による規制を憲法上認めないという意味である。
- 公共目的で土地を使う場合は、補償するかどうかを行政が自由に決められる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 私有財産を公共のために用いる場合、憲法は正当な補償を求めている。
- 選択肢1:不正解
憲法29条2項は、財産権の内容を公共の福祉に適合するように法律で定めるとしています。所有者の意思だけでは決まりません。 - 選択肢2:正解
憲法29条3項は、公共のための財産利用と正当な補償を結びつけています。財産権の保障と公共目的の調整に関する規定です。 - 選択肢3:不正解
職業選択の自由にも公共の福祉による制約があり得ます。許認可があるという理由だけで直ちに違憲とはいえません。 - 選択肢4:不正解
憲法は公共のための私有財産利用に正当な補償を要求しています。行政の任意の好意による給付とは異なります。
復習のポイント:経済的自由の保障と、公共目的のための合理的な制約を合わせて学びます。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE061 / 300日本の政治・憲法事例判断
社会権
次のうち、社会権の保障と最も直接に関わる政策を選びなさい。
- 生活に困窮する人が最低限度の生活を送れるよう、公的な支援制度を設ける。
- 政府の政策に反対する意見を、処罰を恐れずに発表できるようにする。
- 本人に不利益な供述を、捜査機関が強制しないようにする。
- 国会議員の選挙において、投票先を他人に知られないようにする。
答えと全選択肢の解説
正解:1 生活に困窮する人が最低限度の生活を送れるよう、公的な支援制度を設ける。
- 選択肢1:正解
人間らしい生活の基盤を保障する政策は、生存権という社会権に直接関わります。憲法25条は国の社会福祉等の向上・増進への努めも定めています。 - 選択肢2:不正解
これは表現の自由の保障です。国家による不当な干渉を防ぐ自由権に位置づけられます。 - 選択肢3:不正解
これは黙秘権など刑事手続上の人権保障です。最低限度の生活を支える社会権の保障とは区別します。 - 選択肢4:不正解
これは秘密投票の保障であり、政治参加に関する権利を守る仕組みです。生活保障を直接の目的とする社会権とは分類が異なります。
復習のポイント:生存権・教育を受ける権利・勤労や労働に関する権利は、社会権の主要項目です。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE062 / 300日本の政治・憲法正誤判断
教育を受ける権利と義務
憲法26条についての説明として正しいものを選びなさい。
- 教育を受ける権利と、保護する子女に普通教育を受けさせる義務が定められている。
- 義務教育とは、子どもが国に対して労働力を提供する準備をする義務である。
- 教育を受ける権利は、納税額に応じた教育機会を保障するものである。
- 憲法26条は、義務教育を有償とすることを原則としている。
答えと全選択肢の解説
正解:1 教育を受ける権利と、保護する子女に普通教育を受けさせる義務が定められている。
- 選択肢1:正解
権利と義務の主体を区別します。義務教育の「義務」は、子どもに学習を強制するという説明だけでは不十分で、保護者の教育を受けさせる義務が定められています。 - 選択肢2:不正解
憲法26条の義務は、保護する子女に普通教育を受けさせる義務です。国への労働力提供を目的とする義務という規定ではありません。 - 選択肢3:不正解
憲法は能力に応じてひとしく教育を受ける権利を定めています。納税額を教育機会の基準とする規定ではありません。 - 選択肢4:不正解
憲法26条2項は義務教育を無償とすると定めています。ただし、教育に伴うあらゆる費用が憲法上当然に無償となる、という意味まで広げないようにします。
復習のポイント:「教育を受ける権利」と「子女に教育を受けさせる義務」を取り違えないことが大切です。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE063 / 300日本の政治・憲法事例判断
自白と刑事手続
学習用の仮想事例。被告人は犯罪を認める供述をしているが、本人に不利益な証拠はその自白だけであり、他の証拠による裏づけが得られていない。
次の仮想事例に対する判断として、憲法38条に照らして正しいものを選びなさい。
- 自白が本人に不利益なので、自発的な自白であっても証拠にできない。
- 本人の自白しか不利益な証拠がない場合、その自白だけで有罪にはできない。
- 自白が詳細であれば、裏づけとなる証拠の有無を問わず有罪にできる。
- 捜査機関が有罪だと確信していれば、供述を拒む権利は制限できる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 本人の自白しか不利益な証拠がない場合、その自白だけで有罪にはできない。
- 選択肢1:不正解
不利益な自白をすべて排除する規定ではありません。強要等による自白の排除と、自白だけで有罪にできないことを区別します。 - 選択肢2:正解
憲法38条3項は、本人の自白だけを唯一の不利益な証拠として有罪とすることを禁じています。自白以外の証拠による裏づけが必要です。 - 選択肢3:不正解
自白の詳しさだけでは、唯一の証拠が本人の自白であるという問題を解消できません。詳細な自白にも誤りが含まれる可能性があります。 - 選択肢4:不正解
憲法38条1項は自己に不利益な供述を強要されないことを保障します。捜査機関の確信を理由に供述を強制することはできません。
復習のポイント:「自白を証拠にできるか」と「自白だけで有罪にできるか」は別の問題です。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE064 / 300日本の政治・憲法事例判断
遡及処罰の禁止
学習用の仮想事例。Aはある行為をした。当時、その行為は適法だった。翌年、同種の行為に刑罰を科す法律が新たに施行された。
仮想事例に対する説明として正しいものを選びなさい。
- Aが現在もその行為を支持していれば、過去の行為を新しい規定で処罰できる。
- 新しい刑罰法規をさかのぼって適用し、当時適法だった行為を処罰することはできない。
- 成立した法律は過去にも効力を持つので、Aを新しい規定で処罰できる。
- 国会が全会一致で法案を可決した場合に限り、過去の適法行為を処罰できる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 新しい刑罰法規をさかのぼって適用し、当時適法だった行為を処罰することはできない。
- 選択肢1:不正解
現在の意見と、過去の行為時点で犯罪が成立したかは別です。支持する考えを持つことによって遡及処罰が認められるわけではありません。 - 選択肢2:正解
憲法39条は、行為をした時点で適法だった行為について刑事責任を問うことを禁じています。後から犯罪と定めても、過去の適法行為は処罰できません。 - 選択肢3:不正解
刑罰法規には遡及処罰の禁止が働きます。法律の成立によって過去の適法行為まで犯罪になるとはいえません。 - 選択肢4:不正解
採決が全会一致であっても憲法の人権保障には従う必要があります。通常の立法によって憲法39条の制限を外すことはできません。
復習のポイント:刑罰は、行為をした時点での法に照らして考えます。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE065 / 300日本の政治・憲法資料読解
国家賠償と刑事補償
救済を求める場面(学習用の仮想事例)| 事例 | 事情 |
|---|
| A | 公務員が職務上違法に行った行為により損害を受け、国に賠償を求める。 |
| B | 拘禁された後に無罪の裁判を受け、国にその拘禁について補償を求める。 |
A・Bの事例で中心となる憲法上の請求を正しく組み合わせたものを選びなさい。
- A=国家賠償請求、B=請願権のみ
- A=国家賠償請求、B=刑事補償請求
- A=請願権のみ、B=刑事補償請求
- A=刑事補償請求、B=国家賠償請求
答えと全選択肢の解説
正解:2 A=国家賠償請求、B=刑事補償請求
- 選択肢1:不正解
Bには刑事補償を求める憲法上の規定があります。一般的な要望を行政等へ伝える請願権だけの問題ではありません。 - 選択肢2:正解
Aは公務員の不法行為による損害の救済で、憲法17条に対応します。Bは身体の拘束後に無罪となった場合の補償で、40条に対応します。いずれも具体的要件は法律により定められます。 - 選択肢3:不正解
Aについても、憲法17条に国家賠償請求の規定があります。損害が出ても要望を伝えるしかないという説明は誤りです。 - 選択肢4:不正解
名称が逆です。刑事補償は、抑留・拘禁の後に無罪の裁判を受けた場合に関わる制度です。
復習のポイント:公務員の不法行為には国家賠償、拘束後の無罪には刑事補償という出発点を押さえます。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE066 / 300日本の政治・憲法正誤判断
国会の地位と権力分立
国会が「国権の最高機関」とされていることの説明として、適切なものを選びなさい。
- 国会は法律の制定とともに、行政権の行使も原則として自ら担当する。
- 国会は最高機関なので、裁判所に特定の被告人を有罪とするよう命じられる。
- 国会が法律を可決した場合、裁判所は憲法との適合性を審査できない。
- 国会は国民を代表する重要な機関だが、裁判所の個別事件の判断を指揮する権限は持たない。
答えと全選択肢の解説
正解:4 国会は国民を代表する重要な機関だが、裁判所の個別事件の判断を指揮する権限は持たない。
- 選択肢1:不正解
行政権は憲法65条により内閣に属します。国会による立法・監督と、行政の執行を区別します。 - 選択肢2:不正解
裁判官は憲法と法律に拘束され、独立して判断します。「最高機関」という文言から、個別の裁判への指揮権を導くことはできません。 - 選択肢3:不正解
裁判所の違憲審査は権力分立の一部です。国会の議決を経た法律でも、憲法適合性は審査の対象となります。 - 選択肢4:正解
国会の地位を定める41条は、司法権の独立を否定するものではありません。国会・内閣・裁判所には憲法に基づく役割分担があります。
復習のポイント:国会の重要性と、他機関の権限への無制限な介入は同じではありません。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE067 / 300日本の政治・憲法資料読解
衆議院と参議院
両議院の制度比較(2026年10月時点の憲法規定)| 項目 | 衆議院 | 参議院 |
|---|
| 任期 | X(解散で短縮あり) | 6年 |
| 改選 | 任期満了または解散に伴う総選挙 | Y |
| 解散 | あり | なし |
制度比較表のX・Yに入る組合せとして正しいものを選びなさい。
- X=6年、Y=4年ごとに半数
- X=4年、Y=6年ごとに全員
- X=4年、Y=3年ごとに半数
- X=6年、Y=3年ごとに半数
答えと全選択肢の解説
正解:3 X=4年、Y=3年ごとに半数
- 選択肢1:不正解
衆議院の任期と参議院の改選間隔の両方が誤りです。衆議院は4年、参議院は3年ごとに半数改選です。 - 選択肢2:不正解
衆議院の任期は正しいですが、参議院は6年ごとの一斉改選ではありません。3年ごとに半数ずつ入れ替わる仕組みです。 - 選択肢3:正解
衆議院の任期は4年ですが、解散があれば満了前に終了します。参議院は任期6年で、3年ごとに半数を改選します。 - 選択肢4:不正解
参議院の改選方法は正しいものの、衆議院の任期は4年です。任期6年は参議院の規定です。
復習のポイント:衆議院は4年・解散あり、参議院は6年・3年ごとに半数改選です。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE068 / 300日本の政治・憲法計算
定足数と特別多数
衆議院を想定した議員数(計算練習用の仮想データ。実際の定数ではありません)| 項目 | 人数 |
|---|
| 総議員 | 300人 |
| 出席議員 | 180人 |
表の仮想条件について、憲法56条と59条の基準を用いた説明として正しいものを選びなさい。
- 定足数を満たせば、参議院と異なる議決となった法律案も出席議員の過半数で再可決できる。
- 法律案の再可決には、総議員300人の3分の2である200人の賛成が必要である。
- 議事・議決に必要な出席者数を満たし、法律案の再可決には出席議員の3分の2以上が必要である。
- 定足数は総議員の3分の2なので、180人の出席では議事を開けない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 議事・議決に必要な出席者数を満たし、法律案の再可決には出席議員の3分の2以上が必要である。
- 選択肢1:不正解
通常の議決の原則は出席議員の過半数ですが、この再可決は例外です。出席議員の3分の2以上という特別多数が必要です。 - 選択肢2:不正解
法律案の再可決の分母は出席議員です。総議員の3分の2以上を要求する憲法改正の発議と混同しています。 - 選択肢3:正解
180人は総議員300人の3分の1である100人を上回ります。参議院と異なる議決となった法律案の衆議院での再可決は、総議員数ではなく出席議員を基準に3分の2以上です。 - 選択肢4:不正解
通常の定足数は総議員の3分の1以上です。3分の2という数値は、再可決などの特別多数の場面と区別する必要があります。
復習のポイント:「3分の1か3分の2か」に加えて、分母が総議員か出席議員かを確認します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE069 / 300日本の政治・憲法事例判断
法律案の再可決
学習用の仮想事例。ある法律案を衆議院が可決し、参議院が否決した。両議院の議決が異なる状態である。
次の状況の後、憲法に基づいて法律案を成立させる方法として正しいものを選びなさい。
- 衆議院で最初の可決に賛成した人数を確認すれば、再採決をせず成立する。
- 参議院が否決した日から30日待つと、自動的に成立する。
- 衆議院で、出席議員の3分の2以上の多数により再び可決する。
- 内閣が政令を出せば、同じ法律案が国会で成立したものと扱われる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 衆議院で、出席議員の3分の2以上の多数により再び可決する。
- 選択肢1:不正解
先の衆議院議決の賛成人数だけでは、再可決の手続を代用できません。59条2項は再び可決することを要求しています。 - 選択肢2:不正解
参議院が議決した場合と、一定期間議決しない場合は区別します。法律案に、否決後30日で自動成立する仕組みはありません。 - 選択肢3:正解
法律案について両院の議決が異なる場合、憲法59条2項の再可決が認められます。予算のように衆議院の先の議決がそのまま国会の議決になるわけではありません。 - 選択肢4:不正解
政令は法律案の可決に代わる手段ではありません。内閣は国会の立法手続を政令で置き換えられません。
復習のポイント:法律案の衆議院優越は、原則として特別多数による再可決が必要です。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE070 / 300日本の政治・憲法事例判断
予算と衆議院の優越
学習用の仮想事例。予算について衆議院と参議院が異なる議決をし、両院協議会を開いたが、意見は一致しなかった。
この場合の予算の扱いとして正しいものを選びなさい。
- 衆議院の議決が国会の議決となる。
- 参議院の議決が国会の議決となる。
- 衆議院で出席議員の3分の2以上による再可決をしなければならない。
- 両院協議会の議長が、どちらの議決を採用するか決定する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 衆議院の議決が国会の議決となる。
- 選択肢1:正解
予算について両院の議決が異なり、両院協議会でも一致しない場合は、憲法60条2項により衆議院の議決が国会の議決となります。再可決は必要ありません。 - 選択肢2:不正解
予算について優越が認められているのは衆議院です。参議院が後に議決したから優先されるという仕組みではありません。 - 選択肢3:不正解
これは法律案についての要件です。予算では、示された手続を経れば衆議院の議決が国会の議決になります。 - 選択肢4:不正解
両院協議会の議長に最終決定を委ねる制度ではありません。合意に至らない場合の効果を憲法が定めています。
復習のポイント:予算の不一致は、両院協議会を経ても一致しなければ衆議院の議決が優先します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE071 / 300日本の政治・憲法正誤判断
条約承認と予算先議権
予算と条約承認の違いについて正しいものを選びなさい。
- 条約承認について両院の議決が異なるときは、憲法改正と同じく国民投票で決める。
- 条約承認にも衆議院の優越はあるが、予算のような憲法上の衆議院先議の規定はない。
- 条約承認は、予算と同じく憲法上必ず衆議院に先に提出しなければならない。
- 条約を締結する権限は国会にあり、内閣は締結後の公布だけを担当する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 条約承認にも衆議院の優越はあるが、予算のような憲法上の衆議院先議の規定はない。
- 選択肢1:不正解
条約承認は、予算と同様の衆議院優越の手続によります。憲法改正の承認に必要な国民投票とは異なります。 - 選択肢2:正解
憲法61条が準用するのは60条2項の優越規定です。予算を先に衆議院に提出するという60条1項まで準用しているわけではありません。 - 選択肢3:不正解
憲法の明文で衆議院先議が定められているのは予算です。条約承認に予算と同じ優越があることから、先議権まで導いてはいけません。 - 選択肢4:不正解
条約を締結するのは内閣で、国会はその承認を行います。公布は天皇の国事行為です。
復習のポイント:「衆議院の優越」と「衆議院の先議権」は別々に確認します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE072 / 300日本の政治・憲法事例判断
内閣総理大臣の指名
学習用の仮想事例。衆議院は国会議員A、参議院は国会議員Bを首相として指名した。両院協議会を開いたが、意見は一致しなかった。
次の状況で、国会の指名となるものを選びなさい。
- 天皇がAとBの政策を比較して選んだ者
- 衆議院が指名したA
- 参議院が指名したB
- 両院の投票を合計し、得票数が多かった者
答えと全選択肢の解説
正解:2 衆議院が指名したA
- 選択肢1:不正解
天皇は国会の指名に基づいて任命します。両院の対立を政治判断で裁定する権限はありません。 - 選択肢2:正解
首相指名で両院の議決が異なり、両院協議会でも一致しない場合は、衆議院の議決が国会の議決となります。憲法67条2項の規定です。 - 選択肢3:不正解
参議院の任期が長いことなどを理由に、参議院の指名が優先するわけではありません。首相指名では衆議院の優越があります。 - 選択肢4:不正解
衆参の投票数を通算して決める制度ではありません。両院の議決が異なる場合の手続が憲法に定められています。
復習のポイント:首相指名の両院不一致は、協議会で一致しなければ衆議院の指名が優先します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE073 / 300日本の政治・憲法計算
憲法改正の発議
両議院を想定した採決(学習用の仮想データ。実際の定数ではありません)| 議院 | 総議員 | 出席者 | 賛成者 |
|---|
| 甲院 | 300人 | 240人 | 205人 |
| 乙院 | 180人 | 150人 | 110人 |
表の仮想条件で、憲法96条の国会発議の要件について正しいものを選びなさい。
- 甲院で3分の2以上が賛成しているので、甲院の優越により国会は発議できる。
- 両院の賛成者の合計が総議員の合計の過半数を超えるので、国会は発議できる。
- 甲院は要件を満たすが、乙院は満たさないため、国会は発議できない。
- 両院とも出席者の3分の2以上が賛成しているので、国会は発議できる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 甲院は要件を満たすが、乙院は満たさないため、国会は発議できない。
- 選択肢1:不正解
憲法改正の発議には両院それぞれの賛成が必要です。法律案の再可決や予算の優越のような仕組みはありません。 - 選択肢2:不正解
各議院がそれぞれ総議員の3分の2以上を満たす必要があります。両院の人数の合計や過半数で判定してはいけません。 - 選択肢3:正解
総議員を基準に、甲院は300×2/3=200人、乙院は180×2/3=120人が必要です。甲院の205人は足りますが、乙院の110人は足りません。 - 選択肢4:不正解
憲法改正の発議の分母は出席議員ではなく総議員です。乙院は110人が賛成していても、必要な120人に達していません。
復習のポイント:憲法改正の発議は、各議院それぞれで総議員の3分の2以上です。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE074 / 300日本の政治・憲法正誤判断
国会の召集
日本国憲法に定める国会の召集について正しいものを選びなさい。
- いずれかの議院の総議員の4分の1以上が要求した場合、内閣は臨時会の召集を決定しなければならない。
- 参議院の緊急集会で採られた措置には、次の国会で衆議院の同意を得る必要がない。
- 衆議院解散後の総選挙が終わった場合、1年以内に国会を召集すればよい。
- 常会は、内閣が必要と認めた年に限って召集する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 いずれかの議院の総議員の4分の1以上が要求した場合、内閣は臨時会の召集を決定しなければならない。
- 選択肢1:正解
憲法53条では、一方の議院だけでも総議員の4分の1以上の要求があれば要件を満たします。両院同時の要求は必要ありません。 - 選択肢2:不正解
緊急集会の措置は臨時のものです。次の国会開会後10日以内に衆議院の同意がなければ効力を失います。 - 選択肢3:不正解
憲法54条は、総選挙の日から30日以内の召集を定めています。1年以内ではありません。 - 選択肢4:不正解
憲法52条は常会を毎年1回召集すると定めています。開催する年を内閣が任意に選ぶことはできません。
復習のポイント:常会・臨時会・解散後の特別会・参議院の緊急集会を区別します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE075 / 300日本の政治・憲法事例判断
国政調査権
学習用の仮想事例。参議院の委員会が、行政機関の事業に関する問題を調べるため、関係者に出頭・証言を求め、記録の提出も求めた。
この調査の憲法上の根拠と位置づけとして正しいものを選びなさい。
- 証人を呼ぶと裁判と同じ効力が生じ、議院が刑罰を言い渡せる。
- 国会が行政権を持つことを根拠に、担当省庁の業務を直接執行している。
- 各議院の国政調査権により、行政の実態を調べて立法や監督に役立てる。
- 国会全体にのみ認められる権限なので、一方の議院だけでは調査できない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 各議院の国政調査権により、行政の実態を調べて立法や監督に役立てる。
- 選択肢1:不正解
国政調査は刑事裁判ではありません。証人から説明を求めることと、犯罪の有無や刑罰を裁判で判断することは別です。 - 選択肢2:不正解
行政権は内閣に属します。調査し監督することと、行政事務そのものを執行することは区別されます。 - 選択肢3:正解
憲法62条は、両議院がそれぞれ国政を調査し、証人の出頭・証言や記録の提出を求められると定めています。行政の実態を把握する機能です。 - 選択肢4:不正解
国政調査権は「両議院は、各々」と定められています。衆議院・参議院のそれぞれが行使できます。
復習のポイント:国政調査権は各議院に認められ、行政監督や立法のために働きます。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE076 / 300日本の政治・憲法正誤判断
議院内閣制
日本の議院内閣制の説明として正しいものを選びなさい。
- 内閣は、国務大臣ごとに天皇に対して独立に政治責任を負う。
- 内閣総理大臣は国民による直接選挙で選ばれるため、国会に責任を負わない。
- 内閣は行政権を行使し、その行使について国会に連帯して責任を負う。
- 内閣が国会に責任を負うため、国会は国務大臣を一人ずつ任命する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 内閣は行政権を行使し、その行使について国会に連帯して責任を負う。
- 選択肢1:不正解
現在の憲法では、内閣が国会に対して連帯責任を負います。天皇に対する各大臣の責任という説明は現在の制度に合いません。 - 選択肢2:不正解
日本の首相は国会の議決によって国会議員から指名されます。国民による首相の直接選挙を採用しているわけではありません。 - 選択肢3:正解
憲法65条は行政権を内閣に属させ、66条3項は国会に対する連帯責任を定めています。内閣と国会の信任関係が議院内閣制の基本です。 - 選択肢4:不正解
国会が指名するのは首相であり、国務大臣を任命するのは首相です。国会への政治責任と任命の権限を区別します。
復習のポイント:議院内閣制では、内閣と国会の信任関係、国会に対する連帯責任を押さえます。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE077 / 300日本の政治・憲法事例判断
国務大臣の任命
首相以外の国務大臣を16人置くと仮定した場合、憲法68条に適合する説明を選びなさい。
- 16人のうち8人を国会議員から選べば、過半数の要件を満たす。
- 16人のうち9人以上を国会議員から選ぶ必要がある。
- 国会議員から選ぶ9人は、衆議院議員に限られる。
- 国会議員でない者を含める場合、その者だけは天皇が自由に任命する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 16人のうち9人以上を国会議員から選ぶ必要がある。
- 選択肢1:不正解
8人は16人のちょうど半数です。過半数は半数を超える数なので、少なくとも9人が必要です。 - 選択肢2:正解
国務大臣の過半数は国会議員でなければなりません。16人の過半数は9人以上です。半数の8人では足りません。 - 選択肢3:不正解
憲法は「国会議員」と定めており、参議院議員も含まれます。首相以外の閣僚を衆議院議員に限定する規定はありません。 - 選択肢4:不正解
国務大臣は国会議員かどうかにかかわらず首相が任命します。天皇は任免を認証するのであり、人選を自由に決定するわけではありません。
復習のポイント:国務大臣は首相が任命し、その過半数を国会議員から選びます。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE078 / 300日本の政治・憲法事例判断
内閣不信任決議
衆議院が内閣不信任決議案を可決した。憲法69条が定める内閣の対応として正しいものを選びなさい。
- 10日以内に衆議院が解散されない限り、内閣は総辞職しなければならない。
- 10日以内に参議院が同意した場合に限り、内閣は総辞職する。
- 30日以内に参議院を解散しなければ、首相のみが辞職する。
- 次の参議院通常選挙まで職務を続け、その結果を見て総辞職するか決める。
答えと全選択肢の解説
正解:1 10日以内に衆議院が解散されない限り、内閣は総辞職しなければならない。
- 選択肢1:正解
不信任決議は、内閣と衆議院の信任関係に関わります。10日以内の衆議院解散がない場合、内閣には総辞職が求められます。 - 選択肢2:不正解
参議院の同意は69条の要件ではありません。衆議院の不信任決議が、この効果を生むことを押さえます。 - 選択肢3:不正解
参議院には解散がありません。また、69条の期間は10日であり、求められる辞職は内閣全体の総辞職です。 - 選択肢4:不正解
不信任可決後の対応は、将来の参議院選挙まで延期する制度ではありません。憲法は10日という期間で衆議院解散の有無を区切っています。
復習のポイント:不信任は衆議院、期間は10日、解散しなければ内閣総辞職です。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE079 / 300日本の政治・憲法正誤判断
内閣の仕事と政令
内閣の職務について正しいものを選びなさい。
- 予算案の作成は会計検査院の仕事であり、内閣は作成に関与しない。
- 内閣は法律を執行し、その実施のために政令を制定できる。
- 内閣は政策を実行するため、法律と矛盾する内容の政令を優先させられる。
- 内閣は国会からの委任がなくても、政令で自由に罰則を新設できる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 内閣は法律を執行し、その実施のために政令を制定できる。
- 選択肢1:不正解
予算案を作成して国会に提出するのは内閣です。会計検査院は国の収入支出の決算を検査します。 - 選択肢2:正解
憲法73条は内閣の法律執行と政令制定を定めています。政令は憲法・法律を実施するためのもので、国会の立法権を自由に代替するものではありません。 - 選択肢3:不正解
政令は憲法や法律の範囲内で制定されます。法律と矛盾する政令を法律より上位に置くことはできません。 - 選択肢4:不正解
憲法73条6号は、法律の特別な委任がある場合を除いて、政令に罰則を設けられないとしています。
復習のポイント:法律を定める国会、法律を執行し政令を定める内閣を区別します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE080 / 300日本の政治・憲法事例判断
内閣の総辞職
衆議院議員総選挙で与党が引き続き多数を確保した。選挙後初めて国会が召集されるときの説明として正しいものを選びなさい。
- 総辞職が必要なのは、参議院通常選挙後初めて国会が召集される場合である。
- 総辞職すると新首相が任命されるまで内閣の職務は全面的に停止する。
- 与党が多数を維持していても、内閣は総辞職しなければならない。
- 与党が多数を維持したので、内閣の総辞職も首相指名も省略される。
答えと全選択肢の解説
正解:3 与党が多数を維持していても、内閣は総辞職しなければならない。
- 選択肢1:不正解
70条が定めるのは衆議院議員総選挙後です。参議院選挙後というだけで同じ総辞職義務が生じるわけではありません。 - 選択肢2:不正解
憲法71条により、新たな首相が任命されるまで引き続き職務を行います。行政の継続を確保するための規定です。 - 選択肢3:正解
憲法70条は、総選挙後初めて国会の召集があったときの総辞職を定めています。与党が勝ったかどうかによって、この手続が省略されることはありません。 - 選択肢4:不正解
選挙結果と総辞職の憲法上の要件は別です。同じ人が再び首相に指名される場合でも、必要な手続を経ます。
復習のポイント:衆議院総選挙後の最初の国会では、選挙の勝敗にかかわらず内閣は総辞職します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE081 / 300日本の政治・憲法事例判断
司法権の独立
学習用の仮想事例。行政機関の担当者が、係争中の事件を担当する裁判官に対して「政策を円滑に進めたいので、国の主張を認める判決にしてほしい」と求めた。
次の仮想事例に対する説明として正しいものを選びなさい。
- 司法が独立しているため、裁判官は憲法や法律に反する個人的信念を優先する。
- 国の政策に関わる事件では、裁判官は行政機関の判断をそのまま採用する義務がある。
- 行政機関は裁判官を任命しているため、気に入らない判決を理由に懲戒できる。
- 裁判官は行政機関の指示に従う義務を負わず、憲法と法律に従って独立に判断する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 裁判官は行政機関の指示に従う義務を負わず、憲法と法律に従って独立に判断する。
- 選択肢1:不正解
独立とは法から自由になることではありません。憲法76条は、裁判官が憲法と法律に拘束されることも定めています。 - 選択肢2:不正解
政策との関係があることだけで司法の独立は失われません。法令等の解釈・適用は裁判所が独立して判断します。 - 選択肢3:不正解
裁判官の任命への内閣の関与と、個別裁判への支配は別です。憲法78条は行政機関による裁判官の懲戒を禁じています。 - 選択肢4:正解
憲法76条3項は裁判官の独立を保障しています。政策への影響が大きい事件でも、行政の望む結論を出すよう指示を受ける関係にはありません。
復習のポイント:裁判官は行政や世論の指示から独立しますが、憲法と法律には従います。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE082 / 300日本の政治・憲法正誤判断
違憲審査制
日本の違憲審査制について正しいものを選びなさい。
- 通常の裁判所とは別に、憲法裁判所が設けられている。
- 違憲審査は最高裁判所だけが行うため、地方裁判所は憲法問題を判断できない。
- 法律の憲法適合性は、国会が成立時に確認すれば裁判所の審査対象から外れる。
- 下級裁判所も違憲審査を行うことができ、最高裁判所は憲法判断の終審裁判所である。
答えと全選択肢の解説
正解:4 下級裁判所も違憲審査を行うことができ、最高裁判所は憲法判断の終審裁判所である。
- 選択肢1:不正解
日本は独立した憲法裁判所を設けていません。通常の司法裁判所が具体的事件の解決に伴って違憲審査を行います。 - 選択肢2:不正解
「終審」という規定は、下級裁判所の審査を排除する意味ではありません。最終的な判断を担うことと、審査を独占することは異なります。 - 選択肢3:不正解
国会の審議で合憲と考えられていても、裁判所による違憲審査を妨げません。立法機関自身の確認だけで審査が完了する制度ではありません。 - 選択肢4:正解
憲法81条は最高裁判所を終審裁判所としますが、違憲審査権を最高裁だけに独占させた規定ではありません。下級裁判所も具体的事件の裁判で憲法適合性を判断します。
復習のポイント:最高裁は「唯一の違憲審査機関」ではなく「終審裁判所」です。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法国立国会図書館|日本国憲法の誕生・違憲審査制
PE083 / 300日本の政治・憲法資料読解
裁判官の任命
裁判官の任命手続(憲法規定の整理)| 対象 | 手続 |
|---|
| 最高裁判所長官 | Xの指名に基づき、天皇が任命 |
| その他の最高裁判所裁判官 | Yが任命 |
| 下級裁判所裁判官 | 最高裁判所が指名した名簿により、内閣が任命 |
表のX・Yに入る組合せとして正しいものを選びなさい。
- X=内閣、Y=国会
- X=最高裁判所、Y=天皇
- X=国会、Y=内閣
- X=内閣、Y=内閣
答えと全選択肢の解説
正解:4 X=内閣、Y=内閣
- 選択肢1:不正解
最高裁長官の指名者は正しいですが、他の最高裁裁判官を任命するのも内閣です。国会による任命制ではありません。 - 選択肢2:不正解
最高裁が指名名簿を作るのは下級裁判所の裁判官です。また、天皇が任命する最高裁裁判官は長官であり、その他は内閣が任命します。 - 選択肢3:不正解
首相を指名するのは国会ですが、最高裁長官を指名するのは内閣です。両者が天皇によって任命されることから混同しないようにします。 - 選択肢4:正解
最高裁長官は内閣の指名に基づき天皇が任命し、その他の最高裁裁判官は内閣が任命します。下級裁判所の裁判官も、最高裁の指名した名簿によって内閣が任命します。
復習のポイント:最高裁長官の「内閣が指名・天皇が任命」を、首相の任命と比べて覚えます。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE084 / 300日本の政治・憲法正誤判断
最高裁判所裁判官の国民審査
最高裁判所裁判官の国民審査について正しいものを選びなさい。
- 国民審査は、新たな最高裁判所裁判官を候補者から選出する選挙である。
- 任命後初めての衆議院議員総選挙の際に審査し、その後は10年経過後初めての総選挙の際に再び審査する。
- 任命後初めての衆議院議員総選挙では審査せず、必ず10年間在任してから初回審査を行う。
- すべての裁判官が、3年ごとの参議院通常選挙の際に審査される。
答えと全選択肢の解説
正解:2 任命後初めての衆議院議員総選挙の際に審査し、その後は10年経過後初めての総選挙の際に再び審査する。
- 選択肢1:不正解
国民審査は任命された裁判官について罷免の可否を審査する仕組みです。候補者の中から新たに選ぶ選挙ではありません。 - 選択肢2:正解
憲法79条は、この二段階の時期を定めています。任命直後に単独で投票を行うのでも、毎回の総選挙で全員を審査するのでもありません。 - 選択肢3:不正解
初回は任命後初めての総選挙です。10年経過後という基準は、その後の再審査に関する規定です。 - 選択肢4:不正解
対象は最高裁判所裁判官であり、機会は衆議院議員総選挙の際です。下級裁判所裁判官の全国的な国民審査制度ではありません。
復習のポイント:国民審査は、最高裁裁判官の任命後の審査であり、裁判官を選ぶ選挙ではありません。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE085 / 300日本の政治・憲法正誤判断
三審制と上訴
三審制について正しいものを選びなさい。
- 裁判は、当事者が不服を申し立てなくても三回繰り返される。
- 三審制のため、日本の裁判所の種類は地方裁判所・高等裁判所・最高裁判所の三つに限られる。
- 第一審判決への不服申立てを控訴、第二審判決への不服申立てを上告というのが基本である。
- 第二審は、同じ裁判官が第一審と同じ裁判所でもう一度裁判する手続である。
答えと全選択肢の解説
正解:3 第一審判決への不服申立てを控訴、第二審判決への不服申立てを上告というのが基本である。
- 選択肢1:不正解
当事者が上訴しなければ、所定の条件で判決は確定します。三審制は、自動的に全事件を三回審理する制度ではありません。 - 選択肢2:不正解
三審は審級の段階を示します。裁判所の種類には、家庭裁判所や簡易裁判所もあるため、三種類という意味ではありません。 - 選択肢3:正解
控訴・上告は上訴の種類です。三審制は裁判の誤りを防ぎ、当事者の権利を守るため、原則として段階的な不服申立てを認める仕組みです。 - 選択肢4:不正解
上訴は上級審の審査を求める制度です。元の裁判官による単純なやり直しという説明ではありません。
復習のポイント:「三審」は不服申立ての段階であり、裁判所が三種類という意味ではありません。
関連する一次資料:裁判所|組織の概要・審級制度裁判所|裁判所の組織
PE086 / 300日本の政治・憲法事例判断
裁判員制度
裁判員制度を学ぶ生徒の発言として正しいものを選びなさい。
- 一定の重大な刑事事件の第一審で、裁判員は裁判官とともに有罪・無罪や刑の内容を判断する。
- 裁判員は被告人の有罪・無罪だけを決め、刑の内容については評議に参加しない。
- 裁判員制度は、すべての民事事件を国民の投票で解決する制度である。
- 裁判員は法律の専門資格を持つ人の中から選ばれる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 一定の重大な刑事事件の第一審で、裁判員は裁判官とともに有罪・無罪や刑の内容を判断する。
- 選択肢1:正解
裁判員制度は対象となる刑事事件で国民が裁判官と協働する仕組みです。民事事件全般に参加する制度ではありません。 - 選択肢2:不正解
裁判員は犯罪事実の認定に加え、有罪の場合の量刑にも参加します。「有罪・無罪だけ」と限定する点が誤りです。 - 選択肢3:不正解
対象は一定の刑事事件であり、裁判官と裁判員が証拠に基づいて評議します。民事紛争を一般投票で解決する制度ではありません。 - 選択肢4:不正解
法律の専門資格が選任の要件ではありません。裁判官の説明を受け、国民としての視点を生かして審理・評議に参加します。
復習のポイント:裁判員は一定の刑事事件の第一審に参加し、事実認定と量刑に関わります。
関連する一次資料:裁判所|裁判員制度Q&A
PE087 / 300日本の政治・憲法資料読解
選挙権と被選挙権
立候補できる年齢についての発言(学習用の仮想討論)| 生徒 | 発言 |
|---|
| A | 満18歳なら衆議院議員に立候補できる。 |
| B | 満25歳なら参議院議員に立候補できる。 |
| C | 満25歳なら都道府県知事に立候補できる。 |
| D | 満25歳なら市町村長に立候補できる。 |
年齢以外の要件は満たしているものとする。表の生徒の発言のうち、正しいものを選びなさい。
- Cの発言
- Bの発言
- Aの発言
- Dの発言
答えと全選択肢の解説
正解:4 Dの発言
- 選択肢1:不正解
都道府県知事の被選挙権は満30歳以上です。市町村長と同じ満25歳以上と考えると誤りになります。 - 選択肢2:不正解
衆議院議員の被選挙権は満25歳以上ですが、参議院議員は満30歳以上です。両院で同じではありません。 - 選択肢3:不正解
満18歳は選挙権の年齢要件です。衆議院議員の被選挙権は満25歳以上なので、18歳では年齢要件を満たしません。 - 選択肢4:正解
市町村長の被選挙権の年齢要件は満25歳以上です。参議院議員や都道府県知事の満30歳以上と区別します。
復習のポイント:投票は18歳、立候補は衆議院・市町村長25歳、参議院・知事30歳が基本です。
関連する一次資料:大分市|選挙権と被選挙権
PE088 / 300日本の政治・憲法事例判断
普通選挙と秘密選挙
学習用の仮想提案。A「一定額以上の税金を納めた人だけに選挙権を与えよう。」B「投票先を確認できるよう、投票用紙に有権者の氏名も記載させよう。」
二つの提案が主に損なう選挙原則を正しく組み合わせたものを選びなさい。
- A=秘密選挙、B=普通選挙
- A=平等選挙、B=直接選挙
- A=普通選挙、B=秘密選挙
- A=直接選挙、B=平等選挙
答えと全選択肢の解説
正解:3 A=普通選挙、B=秘密選挙
- 選択肢1:不正解
Aは投票内容の秘密ではなく投票できる人の資格、Bは有権者の資格ではなく投票先の秘密の問題です。 - 選択肢2:不正解
Aは財産によって有権者を選別する制限選挙への変更です。Bは選挙人を介して代表者を選ぶ提案ではなく、秘密投票の侵害です。 - 選択肢3:正解
財産・納税額を選挙権の条件にしないのが普通選挙の重要な内容です。また、誰に投票したかを本人の氏名と結びつけて記録させることは投票の秘密を侵します。 - 選択肢4:不正解
Aは代表者を直接選ぶかという選挙方法の問題ではありません。Bも主には票の重みではなく、投票先を知られないという保障の問題です。
復習のポイント:誰に投票資格を認めるかと、誰に投票したかを秘密にすることを区別します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE089 / 300日本の政治・憲法計算
小選挙区の得票と議席
3小選挙区の得票(学習用の仮想データ。単位:千票)| 選挙区 | A党 | B党 | C党 |
|---|
| 第1区 | 40 | 35 | 25 |
| 第2区 | 40 | 35 | 25 |
| 第3区 | 10 | 80 | 10 |
各選挙区で最多得票の政党の候補者1人を当選させる。この仮想選挙について正しいものを選びなさい。
- A党は総得票でB党を下回るが、3議席のうち2議席を得る。
- B党は総得票が最も多いため、3議席すべてを得る。
- A党とB党は同じ選挙区数で最多となるため、議席数は同じになる。
- A党は総得票の30%なので、議席占有率も30%となる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 A党は総得票でB党を下回るが、3議席のうち2議席を得る。
- 選択肢1:正解
A党の合計は40+40+10=90、B党は35+35+80=150です。一方、A党は第1・第2区で最多なので2議席、B党は第3区で1議席を得ます。 - 選択肢2:不正解
小選挙区では全国の合計得票ではなく、各選挙区の結果で当選者を決めます。B党が最多なのは第3区だけです。 - 選択肢3:不正解
最多の選挙区数はA党が2、B党が1です。表を区ごとに比較すれば、議席数が同じにならないと分かります。 - 選択肢4:不正解
A党の得票率は90/300=30%ですが、議席占有率は2/3です。小選挙区制では得票率と議席占有率は一致するとは限りません。
復習のポイント:小選挙区は各区の勝者を数えます。総得票率をそのまま議席率に置き換えません。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE090 / 300日本の政治・憲法計算
ドント式の議席配分
比例代表の得票(学習用の仮想データ。単位:千票)| 政党 | 得票数 |
|---|
| A党 | 120 |
| B党 | 70 |
| C党 | 50 |
定数5の比例代表選挙で、表の得票をドント式により配分する。A党・B党・C党の議席数として正しいものを選びなさい。
- A党3議席・B党2議席・C党0議席
- A党2議席・B党2議席・C党1議席
- A党2議席・B党1議席・C党2議席
- A党3議席・B党1議席・C党1議席
答えと全選択肢の解説
正解:4 A党3議席・B党1議席・C党1議席
- 選択肢1:不正解
C党の最初の商50は全体の4番目に大きいため、C党にも1議席が配分されます。A・Bの二党だけを計算してはいけません。 - 選択肢2:不正解
B党の2番目の商は70÷2=35で、A党の3番目の商40より小さいため、5番目の議席はA党に配分されます。 - 選択肢3:不正解
C党の2番目の商は25で、A党の3番目の商40を下回ります。C党に2議席目が回る前に5議席が配分されます。 - 選択肢4:正解
各党の得票を1、2、3…で割った商の上位5個は、A120、B70、A60、C50、A40です。したがってA3、B1、C1となります。
復習のポイント:ドント式は各党の商を一つの順位表にまとめ、定数分だけ上から選びます。
関連する一次資料:栃木県選挙管理委員会|ドント方式
PE091 / 300日本の政治・憲法計算
一票の格差
選挙区の比較(学習用の仮想データ)| 選挙区 | 有権者数 | 定数 |
|---|
| A区 | 10万人 | 1人 |
| B区 | 20万人 | 1人 |
表では、各選挙区の有権者が同じ割合で投票すると仮定する。議員1人当たりの有権者数を基準にした一票の格差の説明として正しいものを選びなさい。
- A区の一票の重みはB区の2倍である。
- B区の定数を2人に増やすと、一票の格差は4倍に拡大する。
- 両区とも1人1票なので、一票の重みの格差はない。
- B区の一票の重みはA区の2倍である。
答えと全選択肢の解説
正解:1 A区の一票の重みはB区の2倍である。
- 選択肢1:正解
A区は議員1人当たり10万人、B区は20万人です。同じ1議席を選ぶ人数がA区では半分なので、一票の相対的な重みはA区が2倍となります。 - 選択肢2:不正解
B区が2人なら議員1人当たり10万人となり、A区と一致します。示された人数を前提にすると、格差は縮小します。 - 選択肢3:不正解
形式的に1人1票であっても、1人の議員を選ぶ有権者数が違えば投票価値に差が生じます。投票価値の平等はこの点も問題にします。 - 選択肢4:不正解
有権者数が多いほど一票の重みが大きい、とは考えません。同じ議席数なら、少ない人数で選ぶ側の一票が相対的に重くなります。
復習のポイント:一票の重みは議員1人当たりの有権者数と逆向きに動きます。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE092 / 300日本の政治・憲法正誤判断
衆参の比例代表
日本の国政選挙の比例代表について正しいものを選びなさい。
- 衆議院も参議院も比例代表の当選順位は、候補者が選挙後に抽選して決める。
- 参議院の比例代表では候補者名または政党名等で投票し、特定枠の候補者を優先して当選させる仕組みもある。
- 参議院の比例代表は非拘束名簿式なので、特定枠を設けることはできない。
- 衆議院の比例代表では、投票用紙に候補者個人の名前を書くのが原則である。
答えと全選択肢の解説
正解:2 参議院の比例代表では候補者名または政党名等で投票し、特定枠の候補者を優先して当選させる仕組みもある。
- 選択肢1:不正解
当選順位は法定の名簿や得票等に基づいて決まります。比例代表の通常の当選順位を候補者の抽選で決める制度ではありません。 - 選択肢2:正解
参議院の比例代表は非拘束名簿式を基本としつつ、優先順位を付ける特定枠を設けることができます。非拘束名簿式だから例外なく個人票順、と覚えないことが大切です。 - 選択肢3:不正解
非拘束名簿式を基本としますが、特定枠という例外が設けられています。制度名だけから個人得票順が常に優先すると判断してはいけません。 - 選択肢4:不正解
衆議院の比例代表は政党名等を記載します。参議院比例代表の候補者名投票と混同しています。
復習のポイント:参議院比例は候補者名でも投票でき、特定枠という例外にも注意します。
関連する一次資料:厚木市|比例代表選挙の拘束名簿式・非拘束名簿式参議院|参議院議員選挙制度の変遷
PE093 / 300日本の政治・憲法計算
投票率と投票者構成
二つの集団の投票(学習用の仮想データ)| 集団 | 有権者数 | 投票率 |
|---|
| X層 | 400人 | 30% |
| Y層 | 600人 | 60% |
有権者は表の2集団だけで構成されるとする。表から読み取れることとして正しいものを選びなさい。
- 全体の投票率は、30%と60%を単純平均した45%である。
- X層は有権者の40%だが、投票者に占める割合は25%である。
- Y層の投票者はX層の2倍である。
- X層は有権者の40%なので、投票者に占める割合も40%である。
答えと全選択肢の解説
正解:2 X層は有権者の40%だが、投票者に占める割合は25%である。
- 選択肢1:不正解
集団の人数が異なるので単純平均は使えません。投票者480人を有権者1000人で割り、全体の投票率は48%です。 - 選択肢2:正解
X層の投票者は400×0.30=120人、Y層は600×0.60=360人です。全投票者480人に占めるX層は120/480=25%となります。 - 選択肢3:不正解
投票率だけなら2倍ですが、有権者数も異なります。投票者数は360人と120人なので、3倍です。 - 選択肢4:不正解
集団によって投票率が異なるため、有権者構成と投票者構成は一致しません。人数にそれぞれの投票率を掛ける必要があります。
復習のポイント:集団別投票率の表は、先に投票者数を出してから全体に占める割合を計算します。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE094 / 300日本の政治・憲法正誤判断
地方の二元代表制
日本の地方自治における二元代表制について正しいものを選びなさい。
- 住民が首長と議会議員をそれぞれ直接選挙で選ぶ。
- 都道府県知事は内閣が、市町村長は都道府県知事が任命する。
- 首長と地方議会は、それぞれ一つずつ法律を制定する権限を持つ。
- 地方議会がその議員の中から首長を指名し、首長が議員を任命する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 住民が首長と議会議員をそれぞれ直接選挙で選ぶ。
- 選択肢1:正解
首長と議会の双方が住民から直接選ばれ、異なる役割を担います。国の議院内閣制との比較で押さえると理解しやすくなります。 - 選択肢2:不正解
地方公共団体の長は住民の直接選挙で選ばれます。国から地方へ任命が連なる仕組みという説明は誤りです。 - 選択肢3:不正解
国の法律を制定する立法機関は国会です。地方公共団体には条例制定権がありますが、二元代表制は首長と議会の二つの代表機関を指します。 - 選択肢4:不正解
首長も議会議員も住民が直接選びます。国会による首相指名と同じ制度ではなく、議員を首長が任命する制度でもありません。
復習のポイント:国は議院内閣制、地方は首長と議会を別々に選ぶ二元代表制です。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE095 / 300日本の政治・憲法事例判断
条例制定権
ある市が地域の課題に対応する条例を制定しようとしている。憲法94条に照らした説明として正しいものを選びなさい。
- 住民の多数が賛成すれば、憲法や法律に反する条例でも有効になる。
- 条例は国会が制定するため、市の議会が内容を議決することはできない。
- 同じ課題に対応する国の法律があれば、条例による規制はどのような内容でも禁止される。
- 地方公共団体は、法律の範囲内で条例を制定できる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 地方公共団体は、法律の範囲内で条例を制定できる。
- 選択肢1:不正解
住民の支持があっても、条例は憲法や法律に適合する必要があります。多数決だけで上位の法規範への違反を解消することはできません。 - 選択肢2:不正解
国会が制定する法律と、地方公共団体が制定する条例は異なります。条例の制定・改廃は地方議会の重要な役割です。 - 選択肢3:不正解
同じ分野に法律があるだけで条例を一律に禁止するわけではありません。法律の目的や規制の趣旨との関係を具体的に検討する必要があります。 - 選択肢4:正解
地方公共団体に条例制定権が認められています。ただし、法律と無関係に独自の法体系を作れるという意味ではありません。
復習のポイント:条例は地域のルールですが、憲法・法律との適合性が必要です。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE096 / 300日本の政治・憲法計算
条例制定の直接請求
直接請求の計画(学習用の仮想データ)| 項目 | 内容 |
|---|
| 町の有権者数 | 50,000人 |
| 求める条例 | 町の情報公開の仕組みに関する条例 |
| 前提 | 税の賦課徴収など、直接請求の対象外の事項ではない。署名数以外の条件は満たす。 |
有権者数を5万人とする仮想の町で、表の条例の制定を直接請求したい。必要な有効署名数と請求先の組合せとして正しいものを選びなさい。
- 有権者の3分の1以上の署名を集め、町長に請求する。
- 1,000人以上の署名を集め、監査委員に請求する。
- 1,000人以上の署名を集め、町長に請求する。
- 1,000人以上の署名が集まれば、議会の議決を経ずに条例が成立する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 1,000人以上の署名を集め、町長に請求する。
- 選択肢1:不正解
3分の1という基準は、一定規模以下の自治体における議会解散や解職の請求で用います。条例制定・改廃は原則50分の1以上です。 - 選択肢2:不正解
署名数は合っていますが、条例制定・改廃の請求先は長です。監査委員は事務監査請求などの請求先です。 - 選択肢3:正解
条例の制定・改廃の直接請求は、原則として有権者総数の50分の1以上の連署で長に行います。5万人÷50=1,000人です。必要数を集めても条例が直ちに成立するわけではありません。 - 選択肢4:不正解
署名によってできるのは制定を求める請求です。その後、長が意見を付して議会に付議するなどの手続を経るため、自動成立ではありません。
復習のポイント:条例の直接請求は50分の1以上で長へ。請求の成立と条例の成立を区別します。
関連する一次資料:豊浦町|直接請求制度について標茶町|住民直接請求制度について
PE097 / 300日本の政治・憲法事例判断
住民監査請求と事務監査請求
学習用の仮想事例。市民Aは、市が違法・不当に公金を支出したと考え、証拠書類を添えて監査と必要な措置を求めたい。A以外の住民の署名は集めていない。期間など他の法定要件は満たしているものとする。
Aが利用を検討する制度として最も適切なものを選びなさい。
- 住民監査請求。住民1人でも、要件を満たせば監査委員に請求できる。
- 国政調査権。市の住民であれば個人で行使して公金支出を調査できる。
- 事務監査請求。有権者の署名を集めず、住民1人で事務全般の監査を請求できる。
- 条例制定請求。公金支出を取り消す条例が署名なしで自動的に成立する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 住民監査請求。住民1人でも、要件を満たせば監査委員に請求できる。
- 選択肢1:正解
違法・不当な公金支出など財務会計上の問題を対象とする住民監査請求は、直接請求による事務監査と異なり、住民1人でも利用できます。 - 選択肢2:不正解
国政調査権は各議院に認められる権限です。地方の住民が個人として行使する監査制度の名称ではありません。 - 選択肢3:不正解
直接請求としての事務監査請求は、有権者総数の50分の1以上の連署が必要です。1人で行える住民監査請求と区別します。 - 選択肢4:不正解
条例制定請求は条例の制定を求める制度であり、公金支出の適否を監査する制度ではありません。また、署名なしで条例が自動成立することもありません。
復習のポイント:住民監査請求は財務会計上の問題を住民1人でも請求でき、50分の1の事務監査請求とは別です。
関連する一次資料:恵那市|住民監査請求と事務監査請求
PE098 / 300日本の政治・憲法正誤判断
地方自治特別法
一つの地方公共団体だけに適用される憲法95条の特別法を国会が制定する場合、必要となる手続として正しいものを選びなさい。
- 全国の有権者による国民投票で3分の2以上の賛成を得る。
- その地方公共団体の住民投票で過半数の同意を得る。
- 首長が同意すれば、住民投票を省略できる。
- 地方議会の過半数が賛成すれば、国会は審議せずに法律を成立させられる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 その地方公共団体の住民投票で過半数の同意を得る。
- 選択肢1:不正解
対象は当該地方公共団体の住民であり、必要なのは過半数の同意です。全国の国民投票と国会での3分の2という別制度の数値を混ぜています。 - 選択肢2:正解
憲法95条は、当該地方公共団体の住民の同意を必要とします。国会の議決だけで一方的に特別法を制定することを防ぐ仕組みです。 - 選択肢3:不正解
首長の同意を住民投票の代わりにするという規定ではありません。住民の投票における過半数の同意が必要です。 - 選択肢4:不正解
地方議会の議決が国会の立法手続を置き換えることはありません。この場合は国会での手続に加えて、住民投票の同意が必要です。
復習のポイント:一つの自治体だけに適用される特別法では、その自治体の住民投票が必要です。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE099 / 300日本の政治・憲法事例判断
地方自治と住民の参加
学習用の仮想討論。A「過疎地域と都市部では交通の課題が違う。地域に合った事業を自治体で決めたい。」B「賛成だが、首長だけで決めず、住民の意見や議会での議論が見える仕組みも必要だ。」
この議論を地方自治の観点から評価したものとして、最も適切なものを選びなさい。
- 地方が地域の事情に応じて決定することと、住民がその決定に参加・監視することの両方が重要である。
- 住民の意見を聞く機会を設ければ、予算や条例を地方議会で議決する必要はなくなる。
- 地域によって課題が異なっても、各自治体は同一内容の事業を行うのが地方自治の原則である。
- 首長が住民に選ばれていれば、議会による審議や住民への情報公開は不要になる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 地方が地域の事情に応じて決定することと、住民がその決定に参加・監視することの両方が重要である。
- 選択肢1:正解
地方自治は、国からの自主性だけで完結するものではありません。住民が選挙や意見表明などを通じて地域の意思決定に関わる視点も必要です。 - 選択肢2:不正解
意見聴取は意思決定を助けますが、議会の法定の議決手続を置き換えません。参加の機会と権限を持つ機関の手続を区別します。 - 選択肢3:不正解
地方自治は、地域の事情を踏まえた運営を可能にします。法律等による共通の枠組みがあることと、事業内容をすべて同一にすることは別です。 - 選択肢4:不正解
首長の直接選挙は、議会の役割や住民による継続的な監視をなくすものではありません。地方自治には双方の代表機関が設けられています。
復習のポイント:地方の自主性と住民の政治参加を、地方自治の二つの面として考えます。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法
PE100 / 300日本の政治・憲法資料読解
権力分立と相互抑制
統治機構の働き(憲法に基づく制度比較)| 記号 | 働き |
|---|
| A | 国会議員の中から内閣総理大臣を指名する。 |
| B | 具体的事件の裁判で、法律が憲法に適合するか判断する。 |
| C | 最高裁判所長官を指名する。 |
表のA・B・Cを行う機関の組合せとして正しいものを選びなさい。
- A=内閣、B=国会、C=裁判所
- A=国会、B=裁判所、C=内閣
- A=国会、B=内閣、C=裁判所
- A=天皇、B=裁判所、C=国会
答えと全選択肢の解説
正解:2 A=国会、B=裁判所、C=内閣
- 選択肢1:不正解
首相は内閣の内部だけで指名するのではなく国会が指名します。Bの司法審査は裁判所、Cの指名は内閣です。 - 選択肢2:正解
首相指名は国会、具体的事件での憲法適合性判断は裁判所、最高裁長官の指名は内閣の権限です。機関相互の関係を具体的な権限で確認します。 - 選択肢3:不正解
首相指名だけは正しいですが、裁判の中での違憲審査は内閣の仕事ではありません。最高裁長官の指名も裁判所ではなく内閣です。 - 選択肢4:不正解
天皇が行うのは国会の指名に基づく首相の任命です。最高裁長官を指名するのは内閣であり、国会ではありません。
復習のポイント:権力分立は三機関を分けるだけでなく、指名・監督・審査などで相互に抑制する仕組みです。
関連する一次資料:衆議院|日本国憲法国立国会図書館|日本国憲法の誕生・違憲審査制
経済のしくみ 50問市場・需要と供給・企業・GDP・景気・物価
PE101 / 300経済のしくみ事例判断
機会費用
学習用仮想事例。ある企業は購入済みの倉庫について、自社利用なら月12万円の純収益、他社への賃貸なら月8万円の純収益を得られる。用途はどちらか一方に限り、ほかの利用方法はない。購入費1,000万円はどちらを選んでも回収できない。
次の条件で、倉庫を自社で使うことの機会費用として最も適切なものはどれか。
- 他社に貸せば得られた月8万円の賃料
- 倉庫を購入した際に支払った1,000万円
- 自社で使って得られる月12万円の収益
- 二つの利用方法の収益を足した月20万円
答えと全選択肢の解説
正解:1 他社に貸せば得られた月8万円の賃料
- 選択肢1:正解
自社利用を選ぶと、実行可能な次善の選択肢である賃貸収入8万円を失う。この失われる利益が機会費用である。 - 選択肢2:不正解
すでに支払って回収できない購入費は、この先の用途選択では埋没費用となる。機会費用は選ばなかった用途で得られた利益である。 - 選択肢3:不正解
12万円は選んだ用途から得る利益であり、失った利益ではない。機会費用として比べるのは賃貸した場合の8万円である。 - 選択肢4:不正解
二つの用途は同時に実行できないため、収益を合計しない。断念した最善の代替案の利益を数える。
復習のポイント:機会費用は、選ばなかった実行可能な選択肢のうち最も価値の高いものから得られた利益。
関連する一次資料:知るぽると「機会費用」
PE102 / 300経済のしくみ正誤判断
需要曲線上の移動
ある商品の価格だけが下がり、購入希望量が増えた。所得・好み・関連商品の価格は変化していない。この変化の表し方として適切なものはどれか。
- 需要曲線全体が左へ移動する
- 同じ需要曲線上を、価格が低く需要量が多い点へ移動する
- 供給曲線全体が右へ移動したことを必ず意味する
- 需要曲線全体が右へ移動する
答えと全選択肢の解説
正解:2 同じ需要曲線上を、価格が低く需要量が多い点へ移動する
- 選択肢1:不正解
左方シフトは同じ価格での購入希望量が減る場合である。今回は価格以外の需要条件は変わっていない。 - 選択肢2:正解
需要曲線は、価格以外の条件を一定にした価格と需要量の関係を示す。当該商品の価格だけの変化は同じ曲線上で表す。 - 選択肢3:不正解
価格低下の原因は設問からは特定できない。観察された需要量の反応と、その価格変化を引き起こした供給要因を区別する。 - 選択肢4:不正解
需要曲線の右方シフトは、好みや所得など価格以外の条件が変わり、同じ価格でも以前より多く買う場合に用いる。
復習のポイント:当該商品の価格の変化は曲線上の移動、価格以外の需要条件の変化は需要曲線のシフト。
関連する一次資料:セントルイス連邦準備銀行「Demand」
PE103 / 300経済のしくみ事例判断
需要の増加
猛暑で冷却グッズの人気が高まり、どの価格でも以前より購入希望量が増えた。右下がりの需要曲線と右上がりの供給曲線を想定し、供給条件が不変なら、新しい均衡はどうなるか。
- 均衡価格は上昇し、均衡取引量は減少する
- 均衡価格は上昇し、均衡取引量も増加する
- 均衡価格は低下し、均衡取引量も減少する
- 均衡価格は低下し、均衡取引量は増加する
答えと全選択肢の解説
正解:2 均衡価格は上昇し、均衡取引量も増加する
- 選択肢1:不正解
価格上昇と数量減少は、需要一定のもとで供給が減った場合の典型である。今回は供給条件を不変としている。 - 選択肢2:正解
需要曲線が右へ移り、元の価格では品不足となる。価格上昇に応じて同じ供給曲線上で供給量が増え、新しい均衡に達する。 - 選択肢3:不正解
価格と数量の両方が下がるのは需要が減った場合である。猛暑による購入意欲の高まりは逆方向に働く。 - 選択肢4:不正解
価格低下と数量増加は、需要一定のもとで供給が増えた場合の典型である。今回は購入側の条件が変わっている。
復習のポイント:需要増加だけが起こる標準的な市場では、均衡価格・均衡取引量ともに上がる。
関連する一次資料:セントルイス連邦準備銀行「Demand」
PE104 / 300経済のしくみ事例判断
供給の増加
製造技術が改善され、どの販売価格でも企業が従来より多くの商品を供給できるようになった。他の条件が一定の標準的な需給モデルで適切な説明はどれか。
- 供給曲線が右へ移り、均衡価格は低下する
- 需要曲線が右へ移り、均衡価格は上昇する
- 同じ供給曲線上を移動するだけで、曲線は移らない
- 供給曲線が左へ移り、均衡取引量は減少する
答えと全選択肢の解説
正解:1 供給曲線が右へ移り、均衡価格は低下する
- 選択肢1:正解
技術改善は価格以外の供給条件の変化であり、同じ価格で供給できる量を増やす。需要一定なら価格低下・数量増加につながる。 - 選択肢2:不正解
製造技術の改善は、直接には売り手の供給条件を変える。消費者の好みや所得が変わったという条件はない。 - 選択肢3:不正解
曲線上の移動は当該商品の価格だけが変わる場合である。今回は同じ価格での生産可能量そのものが変化した。 - 選択肢4:不正解
左方シフトは費用増などで供給しにくくなる場合である。技術改善による供給増加は右方シフトで表す。
復習のポイント:生産技術の改善は供給曲線の右方シフトとして捉える。
関連する一次資料:セントルイス連邦準備銀行「Supply and Demand」
PE105 / 300経済のしくみ資料読解
供給の減少
パン市場の条件(学習用仮想データ)| 項目 | 変化前 | 変化後 |
|---|
| 小麦粉1kgの仕入価格 | 200円 | 300円 |
| 消費者の所得・好み | 一定 | 一定 |
| 生産技術 | 同じ | 同じ |
パン市場について、表の変化だけが起きたとする。右下がりの需要曲線・右上がりの供給曲線を想定した説明として適切なものはどれか。
- 需要曲線が右へ移り、均衡価格も取引量も上昇する
- 供給曲線が左へ移り、均衡価格は上昇、取引量は減少する
- 供給曲線が右へ移り、均衡価格は低下、取引量は増加する
- 需要曲線が左へ移り、均衡価格も取引量も低下する
答えと全選択肢の解説
正解:2 供給曲線が左へ移り、均衡価格は上昇、取引量は減少する
- 選択肢1:不正解
需要増加を示す所得や好みの変化はない。原材料価格と最終商品の需要条件を混同しない。 - 選択肢2:正解
原材料費が上がると、同じ販売価格では採算の合う供給量が減る。供給減少により価格は上がり、需要曲線上で購入量が減る。 - 選択肢3:不正解
供給の右方シフトは原材料費が下がる場合などに起こる。表は1kg当たりの小麦粉代が上がっている。 - 選択肢4:不正解
パンを買いたい側の条件は不変である。需要曲線そのものが動くのではなく、価格上昇に応じて需要量が減る。
復習のポイント:原材料費の上昇は供給を減らし、標準的には価格上昇と取引量減少をもたらす。
関連する一次資料:セントルイス連邦準備銀行「Supply and Demand」
PE106 / 300経済のしくみ事例判断
代替財
茶とコーヒーを代わりに飲む消費者が多い。コーヒーの価格だけが上がり、茶の価格などは変わらないとき、茶の市場への影響として最も適切なものはどれか。
- 茶の需要曲線が左へ移動しうる
- 茶の需要曲線上を、茶の価格が高い点へ移動する
- 茶の需要曲線が右へ移動しうる
- 茶の供給曲線が左へ移動しうる
答えと全選択肢の解説
正解:3 茶の需要曲線が右へ移動しうる
- 選択肢1:不正解
代替財が値上がりすると茶へ乗り換える誘因が生じる。左方シフトが起こりやすいのは代替財が値下がりした場合である。 - 選択肢2:不正解
設問では茶自体の価格は変化していない。関連商品の価格変化は茶の需要条件を変え、曲線全体を動かす。 - 選択肢3:正解
代替関係にあるコーヒーが割高になると、同じ茶の価格でも茶を選ぶ人が増える。これは茶の需要曲線の右方シフトである。 - 選択肢4:不正解
茶の生産費や技術に変化は示されていない。コーヒーとの代替は、ここでは購入側の選択に作用する。
復習のポイント:代替財の値上がりは、当該商品の需要を増やす方向に働く。
関連する一次資料:セントルイス連邦準備銀行「Demand」
PE107 / 300経済のしくみ事例判断
補完財
家庭用プリンターと専用インクを一緒に使う消費者を考える。プリンター本体の大幅な値上げで新規購入者が減った場合、ほかの条件が一定なら専用インクの需要はどう変わりやすいか。
- インクの需要曲線が左へ移りやすい
- インクの価格だけによる需要曲線上の移動である
- インクの需要曲線が右へ移りやすい
- インクの供給曲線が右へ移りやすい
答えと全選択肢の解説
正解:1 インクの需要曲線が左へ移りやすい
- 選択肢1:正解
本体とインクは補完関係にある。本体を使う新規利用者が減ると、同じインク価格での購入希望量も減る方向に働く。 - 選択肢2:不正解
変化したのは関連商品の価格と利用者数であり、インク自体の価格ではない。したがって需要曲線のシフトで捉える。 - 選択肢3:不正解
需要の右方シフトは本体の普及拡大などで起こりやすい。設問では新規利用者が減っている。 - 選択肢4:不正解
インクの製造技術や費用は変わっていない。本体購入者の減少はインクを買う側の条件変化である。
復習のポイント:補完財の利用減少は、組み合わせて使う商品の需要を減らす方向に働く。
関連する一次資料:セントルイス連邦準備銀行「Demand」
PE108 / 300経済のしくみ資料読解
市場均衡
ある商品の需給表(学習用仮想データ)| 価格 | 需要量 | 供給量 |
|---|
| 200円 | 80個 | 40個 |
| 300円 | 60個 | 60個 |
| 400円 | 40個 | 80個 |
表の市場に価格規制がないとき、需要量と供給量が一致する価格・取引量の組合せはどれか。
- 価格300円・取引量60個
- 価格300円・取引量120個
- 価格200円・取引量80個
- 価格400円・取引量80個
答えと全選択肢の解説
正解:1 価格300円・取引量60個
- 選択肢1:正解
300円の行では需要量・供給量とも60個で一致する。売りたい60個と買いたい60個が対応して取引される。 - 選択肢2:不正解
需要量と供給量を足すと同じ取引を二重に数えてしまう。売れた60個は、買われた60個と同じものである。 - 選択肢3:不正解
200円では需要80個に対して供給40個しかなく、40個の超過需要がある。80個の取引は供給側の希望と一致しない。 - 選択肢4:不正解
400円では供給80個に対して需要40個で、40個の超過供給がある。均衡価格ではない。
復習のポイント:均衡は需要量と供給量の一致する行を探し、取引量は両者を足さない。
関連する一次資料:セントルイス連邦準備銀行「Supply and Demand」
PE109 / 300経済のしくみ資料読解
上限価格と品不足
価格と購入・販売の希望量(学習用仮想データ)| 価格 | 需要量 | 供給量 |
|---|
| 200円 | 80個 | 40個 |
| 300円 | 60個 | 60個 |
| 400円 | 40個 | 80個 |
表の市場で価格の上限を200円に設定し、実際の価格も200円になった。需要・供給の条件が変わらなければ、どの状態になるか。
- 需要・供給とも40個となる
- 需要・供給とも80個となる
- 40個の超過供給が生じる
- 40個の超過需要が生じる
答えと全選択肢の解説
正解:4 40個の超過需要が生じる
- 選択肢1:不正解
実際の取引は供給量に制約されるが、購入希望量は80個のままである。取引実績と需要量を区別する。 - 選択肢2:不正解
安く買いたい人が増えても、企業の供給希望量は表の40個である。需要量をそのまま供給量とみなしてはいけない。 - 選択肢3:不正解
超過供給は売りたい量が買いたい量を上回る状態である。200円の行では大小関係が逆である。 - 選択肢4:正解
200円での購入希望80個から供給希望40個を引くと、40個の品不足となる。価格上限だけでは供給量は増えない。
復習のポイント:均衡より低い上限価格では、需要量が供給量を上回ることがある。
関連する一次資料:セントルイス連邦準備銀行「Supply and Demand」
PE110 / 300経済のしくみ事例判断
需給の同時変化
右下がりの需要曲線と右上がりの供給曲線をもつ市場で、需要曲線と供給曲線の両方が右へ移った。移動幅は不明で、新旧の均衡が存在する。この情報だけでいえることはどれか。
- 均衡価格も均衡取引量も増える
- 均衡取引量は増えるが、均衡価格が上がるか下がるかは決められない
- 均衡価格は上がるが、均衡取引量の増減は決められない
- 均衡価格は下がり、均衡取引量も減る
答えと全選択肢の解説
正解:2 均衡取引量は増えるが、均衡価格が上がるか下がるかは決められない
- 選択肢1:不正解
数量増加は判断できるが、供給増加による価格低下圧力が需要増加の圧力を上回る可能性もある。 - 選択肢2:正解
需要増も供給増も取引量を増やす方向に作用する。一方、価格には需要増が上昇圧力、供給増が低下圧力を与える。 - 選択肢3:不正解
価格には相反する圧力があり、上昇とは断定できない。数量には両方の変化が増加方向に働く。 - 選択肢4:不正解
需要・供給の両方が右へ動く条件では取引量は増える。価格低下の可能性と数量減少を混同しない。
復習のポイント:同時シフトは、それぞれが価格と数量に与える方向を分けて考える。
関連する一次資料:セントルイス連邦準備銀行「Supply and Demand」
PE111 / 300経済のしくみ計算
需要の価格弾力性
他の需要条件が不変の商品の販売量(学習用仮想データ)| 時点 | 単価 | 需要量=販売量 |
|---|
| 値下げ前 | 1,000円 | 100個 |
| 値下げ後 | 900円 | 120個 |
表について、需要の価格弾力性の絶対値を「値下げ前を基準にした需要量の増加率÷価格の下落率」と定義する。弾力性と売上高の変化の組合せはどれか。
- 弾力性2・売上高は増加
- 弾力性2・売上高は減少
- 弾力性0.5・売上高は減少
- 弾力性0.5・売上高は増加
答えと全選択肢の解説
正解:1 弾力性2・売上高は増加
- 選択肢1:正解
需要量は20%増、価格は10%下落なので20÷10=2。売上高は10万円から900円×120個=10万8,000円に増える。 - 選択肢2:不正解
弾力性2は正しいが、売上高は価格と数量の積で求める。900×120は値下げ前の1,000×100を上回る。 - 選択肢3:不正解
比率を逆にしたうえ、単価だけで売上減を判断している。弾力性は2、売上高は10万8,000円である。 - 選択肢4:不正解
計算の分子は需要量の変化率、分母は価格の変化率である。10÷20ではなく20÷10とする。売上高増加の部分は正しい。
復習のポイント:弾力性は数量の変化率を価格の変化率で割り、売上高は価格×数量で別に確かめる。
関連する一次資料:米連邦準備制度の経済教育「Understanding Price Elasticity」
PE112 / 300経済のしくみ計算
価格と売上高
農産物の販売実績(学習用仮想データ)| 時点 | 1個の価格 | 販売数量 |
|---|
| 豊作前 | 200円 | 100個 |
| 豊作後 | 160円 | 110個 |
表の農産物について、豊作後の生産者全体の売上高は豊作前と比べてどうなったか。
- 4,000円減少した
- 変化しなかった
- 2,400円増加した
- 2,400円減少した
答えと全選択肢の解説
正解:4 2,400円減少した
- 選択肢1:不正解
4,000円は価格差40円に旧数量100個を掛けた値で、新たに10個売れた分を落としている。 - 選択肢2:不正解
売上を維持するには160円で125個を売る必要がある。実際の110個では価格低下分を補えていない。 - 選択肢3:不正解
数量は増えたが価格が下落している。数量だけで判断せず二つの時点の価格×数量を比べる。 - 選択肢4:正解
豊作前は200×100=20,000円、豊作後は160×110=17,600円。差は−2,400円となる。
復習のポイント:豊作で数量が増えても、価格下落が大きければ売上高は減る。
関連する一次資料:米連邦準備制度の経済教育「Understanding Price Elasticity」
PE113 / 300経済のしくみ事例判断
価格の情報機能
ある原材料が不足して価格が上がったとき、その価格変化が資源配分に果たす働きとして最も適切なものはどれか。
- 価格上昇は原材料の物理的な不足を直ちに解消する
- 原材料が必要な人への公平な配分が価格上昇だけで実現する
- 利用企業には使用量を増やす誘因を与え、生産者には減産を促す
- 利用企業に節約や代替材への切替えを促し、生産者には増産の誘因を与える
答えと全選択肢の解説
正解:4 利用企業に節約や代替材への切替えを促し、生産者には増産の誘因を与える
- 選択肢1:不正解
増産には設備や時間が必要であり、価格だけで物量が瞬時に増えるわけではない。価格は調整を促す信号として働く。 - 選択肢2:不正解
支払える金額と必要性の高さは一致しない。効率的な利用を促す価格機能と、公平な分配は別の論点である。 - 選択肢3:不正解
価格上昇で使用費用は増える一方、生産者の販売収入は増えうる。通常の誘因の方向を逆にしている。 - 選択肢4:正解
価格は相対的な希少性の情報を伝える。使う側は節約を、売る側は採算改善を見込んだ増産を検討するようになる。
復習のポイント:価格の調整機能と、分配の公平さや増産に必要な時間は分けて評価する。
関連する一次資料:セントルイス連邦準備銀行「Supply and Demand」
PE114 / 300経済のしくみ資料読解
公共財の性質
財・サービスの利用条件(学習用仮想事例)| 財・サービス | 未払い者を排除できるか | 一人の利用が他人の利用分を減らすか |
|---|
| A 地域防災サイレンの警報 | できない | 減らさない |
| B 会員制動画サービス | できる | ここでは減らさない |
| C 売店のおにぎり | できる | 減らす |
| D 自由利用の漁場の魚 | できない | 減らす |
公共財を、非排除性と非競合性をともにもつ財と定義する。表で公共財に当たるものはどれか。
- Aの地域防災サイレンの警報
- Bの定員に余裕のある会員制動画サービス
- Cの売店のおにぎり
- Dの漁獲量に限りがある自由利用の漁場
答えと全選択肢の解説
正解:1 Aの地域防災サイレンの警報
- 選択肢1:正解
Aは料金を払わない住民も聞けて、一人が聞いてもほかの人が聞ける量は減らない。非排除性と非競合性の両方に当たる。 - 選択肢2:不正解
Bは同時利用に余裕があっても、会員以外をアクセス制限で排除できる。表の条件では非排除性を欠く。 - 選択肢3:不正解
Cは代金を払わない人を排除でき、一人が食べれば他人はその一個を食べられない。私的財の性質である。 - 選択肢4:不正解
Dは利用者の排除が難しくても、誰かの漁獲が他人の漁獲可能量を減らす。共有資源であり純粋な公共財とは区別する。
復習のポイント:公共財かどうかは、政府が提供するかではなく排除可能性と利用の競合性で判断する。
関連する一次資料:内閣府・経済白書「企業・市場と政府の関係」経済産業研究所「市場の失敗と政府の失敗」
PE115 / 300経済のしくみ資料読解
外部不経済
商品をもう1個生産する効果(学習用仮想データ)| 項目 | 金額 |
|---|
| 購入者が得る便益・支払価格 | 1,000円 |
| 工場が負担する追加生産費 | 700円 |
| 騒音で周辺住民が受ける損失 | 500円 |
表の工場が、住民の被害を負担せず私的な利益だけで追加生産を判断する場合と、社会全体で判断する場合の違いとして適切なものはどれか。
- 工場も社会全体も追加生産した方がよい
- 工場は追加生産を避けるが、社会全体では追加生産した方がよい
- 工場は追加生産を選びうるが、社会全体では追加生産をしない方がよい
- 工場も社会全体も追加生産をしない方がよい
答えと全選択肢の解説
正解:3 工場は追加生産を選びうるが、社会全体では追加生産をしない方がよい
- 選択肢1:不正解
住民の500円の被害も社会的費用に含める必要がある。工場の利益300円だけでは社会全体の望ましさを判断できない。 - 選択肢2:不正解
工場の私的利益は正で、社会の純便益は負である。両者の判断の方向を逆にしている。 - 選択肢3:正解
工場は1,000−700=300円得る。一方、社会全体では700+500=1,200円の費用が便益1,000円を上回り、純便益は−200円となる。 - 選択肢4:不正解
工場自身には300円の利益が残るため、被害を負担しないなら生産する誘因がある。社会的費用と私的費用を分ける。
復習のポイント:外部不経済があるときは、私的費用に第三者の被害を加えて社会的費用を考える。
関連する一次資料:経済産業研究所「市場の失敗と政府の失敗」内閣府・経済白書「企業・市場と政府の関係」
PE116 / 300経済のしくみ事例判断
外部経済
ある企業が研究成果を公開し、対価を受け取らずに他企業の技術向上にも貢献した。このような外部経済に関する説明として適切なものはどれか。
- 研究費を使った企業は、第三者の利益が発生した分だけ必ず赤字になる
- 他企業に利益が及ぶため、自社はその利益の全額を売上として計上する
- 外部経済がある研究投資は、社会的に望ましい水準より多くなりやすい
- 自社が回収できる利益だけで決める研究投資は、社会的に望ましい水準より少なくなりうる
答えと全選択肢の解説
正解:4 自社が回収できる利益だけで決める研究投資は、社会的に望ましい水準より少なくなりうる
- 選択肢1:不正解
自社が得る利益と研究費の関係によって損益は異なる。第三者に便益が及ぶことだけで赤字とは決まらない。 - 選択肢2:不正解
設問では対価を受け取っていないため、他社の利益は自社の売上ではない。市場取引外で便益が及ぶ点が外部経済である。 - 選択肢3:不正解
外部便益が私的判断に含まれないため、通常は投資が過少になる方向に働く。外部不経済による過大生産と区別する。 - 選択肢4:正解
他社の利益を自社が回収できない場合、自社が比べる便益は社会全体の便益より小さい。投資を増やす社会的意義が私的判断に反映されにくい。
復習のポイント:外部経済では社会的便益が私的便益を上回り、供給や投資が過少になりうる。
関連する一次資料:経済産業研究所「市場の失敗と政府の失敗」
PE117 / 300経済のしくみ事例判断
情報の非対称性
中古自転車市場で、売り手は故障歴を知っているが買い手は確認できず、良品にも低い価格しか提示しなくなった。良品を売る人が市場から退出する問題への対策として最も直接的なものはどれか。
- すべての売り手に同じ価格で販売するよう申し合わせさせる
- 売り手が品質情報を開示する費用を節約できるよう、点検を廃止する
- 第三者の点検と故障歴の開示により、品質を判断できる情報を増やす
- 買い手が疑わないように、過去の取引評価を非公開にする
答えと全選択肢の解説
正解:3 第三者の点検と故障歴の開示により、品質を判断できる情報を増やす
- 選択肢1:不正解
価格の一律化だけでは品質が見分けられない原因が残る。さらに売り手間の価格協定は競争政策上の問題になりうる。 - 選択肢2:不正解
点検廃止は売り手の費用を減らしても、買い手が品質を確かめにくい状況を強める。情報の偏りの対策としては逆方向である。 - 選択肢3:正解
品質情報の偏りを小さくすれば、良品と不良品を区別して価格を付けやすくなる。良品の売り手が退出する逆選択の緩和につながる。 - 選択肢4:不正解
評価の非公開は取引相手を判断する手掛かりを減らす。正確な情報にアクセスできる仕組みを検討する方が直接的である。
復習のポイント:取引前の品質情報の偏りで良品が退出する逆選択には、信頼できる情報提供が重要。
関連する一次資料:内閣府・経済白書「企業・市場と政府の関係」
PE118 / 300経済のしくみ正誤判断
独占禁止法の目的
独占禁止法と企業の競争について適切な説明はどれか。
- 高品質の商品で市場占有率を高めた企業は、その事実だけで処罰される
- 競争を不当に制限する行為を規制し、公正で自由な競争を促進する
- 同じ業界の企業の利益率を均等にすることを主な目的とする
- 消費者の購入価格を政府が一律に決めることを主な目的とする
答えと全選択肢の解説
正解:2 競争を不当に制限する行為を規制し、公正で自由な競争を促進する
- 選択肢1:不正解
大規模であることや高シェアだけで直ちに違法とはならない。競争を制限する行為や市場の状況などを検討する。 - 選択肢2:正解
独占禁止法はカルテルや私的独占、不公正な取引方法などを規制する。事業者の自主的な活動と消費者の利益を守る競争条件を確保する。 - 選択肢3:不正解
企業の成果を均一にする制度ではない。品質や価格などで競争できる条件を整え、事業者の自主的判断を尊重する。 - 選択肢4:不正解
一律の公定価格を設ける法律ではない。事業者が競争のもとで価格等を決められるよう、競争制限を規制する。
復習のポイント:独禁法は大企業であること自体ではなく、競争を不当に妨げる行為などを問題にする。
関連する一次資料:公正取引委員会「独占禁止法の概要」公正取引委員会「独占禁止法の規制内容」
PE119 / 300経済のしくみ資料読解
カルテル
同じ地域で営業する企業の記録(学習用仮想事例)| 記録 | 行動 |
|---|
| A | 競合3社が会合で最低販売価格を共同決定した |
| B | 原材料の共通の値上がりを受け、各社が独立に価格を上げた |
| C | 競合の公表価格を見て、自社だけで価格を決めた |
| D | ある企業が顧客との交渉で個別に値引きした |
次の記録のうち、価格カルテルに当たる行動として最も適切なものはどれか。
- 記録A
- 記録D
- 記録C
- 記録B
答えと全選択肢の解説
正解:1 記録A
- 選択肢1:正解
競争関係にある企業が連絡を取り、本来自主的に決める販売価格を共同で取り決めている。価格カルテルの典型である。 - 選択肢2:不正解
顧客との個別交渉による値引きは、競争企業間で価格を共同決定する行動と異なる。 - 選択肢3:不正解
他社の公表価格を参考に自社で決める行動は、ここでは共同の価格取決めではない。連絡・合意の有無を読む。 - 選択肢4:不正解
同じ費用上昇に反応して価格が一致することもある。価格が同じという結果だけで、企業間の合意があったとはいえない。
復習のポイント:カルテルは価格が似ていることではなく、競争者同士の共同の取決めに着目する。
関連する一次資料:公正取引委員会「独占禁止法の規制内容」
PE120 / 300経済のしくみ事例判断
入札談合
市の工事発注に参加する複数の会社が、入札前に受注予定会社を決め、ほかの会社はそれより高い価格で入札することを約束した。この行為の説明として適切なものはどれか。
- 公共工事の入札では、参加企業が事前に受注順序を調整するのが原則である
- 価格や受注者をめぐる競争を妨げる入札談合である
- 市の予算内で落札された場合には、競争は妨げられていない
- 同じ会社が連続して受注することを防ぐための法定手続である
答えと全選択肢の解説
正解:2 価格や受注者をめぐる競争を妨げる入札談合である
- 選択肢1:不正解
入札は参加者の競争を通じた調達を目的とする。企業間で受注順序を取り決めることは、その競争を損なう。 - 選択肢2:正解
受注予定者等を事前に取り決めることで、各社の独立した競争が失われる。入札談合は不当な取引制限として規制される。 - 選択肢3:不正解
予算内であることと競争が実際に行われたことは別である。談合がなければさらに有利な条件となった可能性がある。 - 選択肢4:不正解
公平な機会は発注者の制度によって確保すべきもので、企業間の受注調整を正当化する法定手続ではない。
復習のポイント:入札前に企業間で受注者や価格を取り決める行為は、入札談合として問題になる。
関連する一次資料:公正取引委員会「独占禁止法の規制内容」
PE121 / 300経済のしくみ事例判断
企業結合と競争
同じ商品を扱う大手2社が合併を計画している。競争政策上の検討として最も適切なものはどれか。
- 合併により生産費が下がる見込みがあれば、競争への影響の検討を省略する
- 合併後の市場占有率が上がれば、効率化の有無にかかわらず直ちに違法とする
- 合併は企業の内部事項なので、独占禁止法の対象から外れる
- 市場占有率だけでなく、競争相手や新規参入の可能性などを考慮して競争への影響を判断する
答えと全選択肢の解説
正解:4 市場占有率だけでなく、競争相手や新規参入の可能性などを考慮して競争への影響を判断する
- 選択肢1:不正解
効率化の可能性があっても、価格引上げなどの力が強まるかを検討する必要がある。費用低下だけで審査は不要にならない。 - 選択肢2:不正解
市場占有率は重要な材料だが、それだけで自動的に違法とは決まらない。市場構造や競争圧力も確認する。 - 選択肢3:不正解
合併や株式取得などの企業結合も、一定の条件で独占禁止法による規制の対象になる。 - 選択肢4:正解
企業結合は市場で競争が実質的に制限されるかが問題となる。競争者、参入、利用者の選択肢などを踏まえる必要がある。
復習のポイント:企業結合は効率化と競争制限の両面を見て、市場の状況に即して判断する。
関連する一次資料:公正取引委員会「独占禁止法の規制内容」
PE122 / 300経済のしくみ資料読解
株式と社債
会社の資金調達案(学習用仮想事例)| 案 | 方法 |
|---|
| A | 新たに普通株式を発行し、投資家に引き受けてもらう |
| B | 5年後に元本を返し、毎年決められた利息を支払う社債を発行する |
表の資金調達について、株式と一般的な社債の基本的な違いとして適切なものはどれか。
- AもBも出資なので、会社は元本を返す約束をしない
- Aは出資で原則として返済期限がなく、Bは負債で利払い・償還の約束がある
- Aは負債で返済期限があり、Bは出資で返済期限がない
- AもBも負債なので、保有者は会社経営に同じ議決権をもつ
答えと全選択肢の解説
正解:2 Aは出資で原則として返済期限がなく、Bは負債で利払い・償還の約束がある
- 選択肢1:不正解
社債は出資ではなく会社の債務である。ただし返済の約束があることは、倒産時も全額戻る保証とは異なる。 - 選択肢2:正解
新株の発行は自己資本の調達、社債は借入れに当たる他人資本の調達である。株式の配当は社債の約定利息と性質が異なる。 - 選択肢3:不正解
株式と社債の関係が逆である。社債には通常、満期の元本償還や利払いの条件が定められる。 - 選択肢4:不正解
株式は負債ではない。また社債を持つだけで株主総会の議決権が付くわけではない。
復習のポイント:株式は出資、社債は負債であり、返済義務と議決権を混同しない。
関連する一次資料:日本取引所グループ「会社って何のためにあるの?」金融庁・アクセスFSA第3号「直接金融と間接金融」
PE123 / 300経済のしくみ事例判断
株主の有限責任
学習用仮想事例。株式購入額は20万円。Aさんは経営者ではなく、会社債務の保証人にもなっていない。
Aさんは会社の株式を20万円で購入しただけで、会社の借金について個人保証等をしていない。この会社が倒産した場合の株主の責任として適切なものはどれか。
- 株式の購入額が必ず返還される代わりに、配当を受け取れなくなる
- 会社の借金を持株比率に応じて個人財産から追加返済する
- 株主は会社の借金を全額返済した後で、出資を取り戻せる
- 株式の価値が失われる可能性はあるが、株主という理由だけで会社の借金の追加返済を求められない
答えと全選択肢の解説
正解:4 株式の価値が失われる可能性はあるが、株主という理由だけで会社の借金の追加返済を求められない
- 選択肢1:不正解
有限責任は元本保証ではない。倒産により株式の価値がなくなり、購入額を失う場合がある。 - 選択肢2:不正解
株主という立場だけで会社の負債を個人財産から追加負担するわけではない。個人保証がある場合とは条件が異なる。 - 選択肢3:不正解
会社と株主の財産は区別される。株主全員が会社の借金を個人的に完済することが出資返還の前提ではない。 - 選択肢4:正解
株主は出資の範囲で損失を負担する有限責任である。出資額の損失と、会社債務についての追加の個人責任を区別する。
復習のポイント:有限責任は損失がないという意味ではなく、株主としての責任が出資の範囲に限られること。
関連する一次資料:日本取引所グループ「株主とは?」
PE124 / 300経済のしくみ事例判断
所有と経営の分離
多くの株主が出資し、専門の経営者が日々の事業を担当する会社で、コーポレートガバナンスを考える理由として適切なものはどれか。
- 株主と経営者の利害が一致しない場合があるため、経営を監督し説明を求める仕組みが必要になる
- 経営者が会社の所有者になるので、株主には経営に関わる権利がなくなる
- 株主が日常の業務をすべて担当するため、経営者を置く必要がなくなる
- 利益が出ていれば、経営の不正や法令違反は監督の対象から外れる
答えと全選択肢の解説
正解:1 株主と経営者の利害が一致しない場合があるため、経営を監督し説明を求める仕組みが必要になる
- 選択肢1:正解
資金の出し手と経営の担い手が分かれると、経営者の自己利益と会社・株主の利益のずれが生じうる。監督や情報開示が重要になる。 - 選択肢2:不正解
経営を委ねても株主の権利はなくならない。普通株主は原則として株主総会の議決権などを通じて関与する。 - 選択肢3:不正解
所有と経営の分離は、日常の経営を専門の担い手に委ねる形である。出資した株主全員が業務を行うという意味ではない。 - 選択肢4:不正解
利益の有無とは別に、法令遵守や不正防止も企業統治の課題となる。収益性だけでは健全な経営を判断できない。
復習のポイント:所有と経営が分かれる企業では、経営者の裁量と監督・説明責任の両方が重要。
関連する一次資料:日本取引所グループ「株主とは?」日本取引所グループ「会社って何のためにあるの?」
PE125 / 300経済のしくみ計算
売上高と利益
店の1か月の実績(学習用仮想データ)| 項目 | 数値 |
|---|
| 販売単価 | 800円 |
| 販売個数 | 1,000個 |
| 材料費 | 1個当たり320円 |
| 人件費 | 合計24万円 |
| 家賃 | 合計8万円 |
ほかの収益・費用がないものとして、表の店の今月の利益はいくらか。
- 80万円
- 32万円
- 16万円
- 48万円
答えと全選択肢の解説
正解:3 16万円
- 選択肢1:不正解
80万円は費用を引く前の売上高である。販売収入の全額が利益になるわけではない。 - 選択肢2:不正解
32万円は材料費の合計であり利益ではない。売上高から材料費・人件費・家賃を差し引く。 - 選択肢3:正解
売上高は800円×1,000個=80万円。材料費32万円、人件費24万円、家賃8万円を引くと利益は16万円となる。 - 選択肢4:不正解
48万円は売上高から材料費だけを引いた値で、人件費と家賃を引いていない。設問で示された費用をすべて考慮する。
復習のポイント:売上高=単価×販売量、利益=売上高−費用であり、売上の大きさだけでは利益は分からない。
関連する一次資料:日本取引所グループ「会社って何のためにあるの?」
PE126 / 300経済のしくみ資料読解
規模の経済
学習用仮想モデル。各生産規模に適した設備を選べる長期の費用を比較し、品質や原材料の価格は同じとする。
生産規模別の平均費用(学習用仮想データ)/数値は下表にも掲載しています。
生産規模と費用(学習用仮想データ)| 生産量 | 総費用 | 平均費用 |
|---|
| 100個 | 120,000円 | 1,200円/個 |
| 200個 | 200,000円 | 1,000円/個 |
| 300個 | 270,000円 | 900円/個 |
表とグラフから読み取れることとして適切なものはどれか。
- 生産量が増えるほど平均費用が上昇し、規模の不経済がみられる
- 生産量の増加に伴って平均費用が低下し、この範囲で規模の経済がみられる
- 生産量が増えるほど総費用も減少している
- 平均費用が下がっているので、総費用はどの生産量でも等しい
答えと全選択肢の解説
正解:2 生産量の増加に伴って平均費用が低下し、この範囲で規模の経済がみられる
- 選択肢1:不正解
グラフの平均費用は上昇ではなく低下している。規模の不経済は、生産規模拡大で平均費用が上がる場合を指す。 - 選択肢2:正解
平均費用は総費用÷生産量で求める。1,200円、1,000円、900円と低下しており、生産規模を大きくする費用上の利点がある。 - 選択肢3:不正解
総費用は12万円から20万円、27万円へ増えている。総額の増加と1個当たり費用の低下は同時に起こりうる。 - 選択肢4:不正解
1個当たり費用が下がっても、生産する個数が増えるため総費用は一定にならない。平均と総額を区別する。
復習のポイント:規模の経済は、総費用の減少ではなく生産量拡大に伴う平均費用の低下で判断する。
関連する一次資料:内閣府・経済白書「企業・市場と政府の関係」
PE127 / 300経済のしくみ事例判断
イノベーション
需要が増えていない製造業で、企業が工程を改良し、同じ人数・労働時間で品質を維持しながらより多く生産できるようになった。この変化の説明として適切なものはどれか。
- 生産量が増えたので、販売利益が同じ割合で増えたと断定できる
- 需要が増えたため、需要曲線が右へ移ったことを意味する
- 生産方法の革新により、労働投入量当たりの生産量が増えた
- 労働投入量が増えたため、生産量も増えたことを意味する
答えと全選択肢の解説
正解:3 生産方法の革新により、労働投入量当たりの生産量が増えた
- 選択肢1:不正解
利益は販売価格、実際の販売量、費用にも左右される。生産可能量が増えただけで利益の増加率は決まらない。 - 選択肢2:不正解
設問では需要は増えていない。生産側の技術革新と、購入希望が増える需要拡大を区別する。 - 選択肢3:正解
投入する労働が同じで産出量が増えるのは生産効率の改善である。工程の革新は、供給能力を高める要因になる。 - 選択肢4:不正解
人数も労働時間も一定なので、労働投入量の増加では説明できない。労働1単位が生み出す量が増えている。
復習のポイント:産出量の増加が投入量の増加によるものか、生産性の向上によるものかを区別する。
関連する一次資料:日本取引所グループ「会社って何のためにあるの?」中小企業庁「中小企業のライフサイクルと生産性に係る分析について」
PE128 / 300経済のしくみ計算
貸借対照表
決算日時点の簡略な貸借対照表(学習用仮想データ)| 資産側 | 金額 | 負債・純資産側 | 金額 |
|---|
| 現金・預金 | 200万円 | 借入金 | 400万円 |
| 設備 | 400万円 | 純資産 | 空欄 |
| 資産合計 | 600万円 | 負債・純資産合計 | 600万円 |
ある企業の貸借対照表は次のとおりである。「資産=負債+純資産」に基づく純資産の額と、この表が示す情報の組合せはどれか。
- 純資産200万円・決算日時点の財産と資金調達の状態
- 純資産1,000万円・1年間の売上高と費用
- 純資産200万円・1年間の売上高と費用
- 純資産1,000万円・決算日時点の財産と資金調達の状態
答えと全選択肢の解説
正解:1 純資産200万円・決算日時点の財産と資金調達の状態
- 選択肢1:正解
純資産は資産600万円−負債400万円=200万円。貸借対照表は特定時点の資産・負債・純資産を示す。 - 選択肢2:不正解
600+400という計算も、一定期間の損益を示すという説明も誤りである。純資産は200万円で時点の情報を示す。 - 選択肢3:不正解
純資産の計算は正しいが、一定期間の売上や費用を示すのは損益計算書である。時点と期間を区別する。 - 選択肢4:不正解
資産と負債を足すのではなく、資産から負債を引いて純資産を求める。負債は資金の調達側に位置する。
復習のポイント:貸借対照表は特定時点のストックを示し、資産−負債=純資産が成り立つ。
関連する一次資料:金融庁「経理の状況・貸借対照表」様式内閣府「国民経済計算とは」
PE129 / 300経済のしくみ資料読解
直接金融と間接金融
学習用仮想事例。A:家計が証券会社を通じて企業の新発社債を購入する。B:家計が銀行に預金し、その銀行が審査をして企業に融資する。
資料のAとBを直接金融・間接金融に分類したものとして適切なものはどれか。
- Aは直接金融、Bは間接金融
- AもBも直接金融
- AもBも間接金融
- Aは間接金融、Bは直接金融
答えと全選択肢の解説
正解:1 Aは直接金融、Bは間接金融
- 選択肢1:正解
Aでは家計が企業発行の証券を取得するため、証券会社が仲介しても直接金融である。Bでは銀行が預金を受け入れ、銀行の判断で貸し出す。 - 選択肢2:不正解
Bで家計が保有するのは銀行への預金であり、融資先企業への直接の債権ではない。この資金の流れは間接金融に分類する。 - 選択肢3:不正解
Aでは家計が企業の社債を持つ。証券会社の売買仲介と、銀行による預金・貸出の仲介は区別する。 - 選択肢4:不正解
証券会社の窓口を通すことだけで間接金融とはしない。銀行が自ら負債として預金を受け入れて貸し出すBが間接金融である。
復習のポイント:金融機関の窓口を使うかではなく、家計が誰への債権・証券を持つかで区別する。
関連する一次資料:金融庁・アクセスFSA第3号「直接金融と間接金融」
PE130 / 300経済のしくみ事例判断
発行市場と流通市場
Aさんが証券取引所で、Bさんの保有する既発行の株式を買った。この取引について適切な説明はどれか。
- 売買代金は基本的に売り手Bさんに渡り、この売買自体で発行企業が新たな資金を調達するわけではない
- 売買代金は発行企業に入り、Bさんには新しい株式が渡る
- 流通市場で換金しやすくなっても、企業が新株を発行して資金を集めることには関係しない
- 既発行株式の売買でも、売買代金の全額が企業の新たな資本金になる
答えと全選択肢の解説
正解:1 売買代金は基本的に売り手Bさんに渡り、この売買自体で発行企業が新たな資金を調達するわけではない
- 選択肢1:正解
既発行の株式を投資家間で売買するのが流通市場である。企業が新株発行で投資家から資金を集める発行市場とは区別する。 - 選択肢2:不正解
Bさんが持つ株式をAさんに売る取引であり、代金の受取人は基本的にBさんとなる。企業の新株発行ではない。 - 選択肢3:不正解
換金のしやすさは投資家が株式を引き受ける判断にも影響する。流通市場は発行市場での資金調達を支える役割をもつ。 - 選択肢4:不正解
投資家間の売買では企業の資本金がその都度増えるわけではない。売買価格の変化と新たな出資の受入れは別である。
復習のポイント:発行市場は企業の資金調達、流通市場は既発行証券の売買を担う。
関連する一次資料:日本取引所グループ「証券取引所の役割」日本取引所グループ「会社って何のためにあるの?」
PE131 / 300経済のしくみ計算
付加価値とGDP
学習用仮想モデル。すべて同じ期間に国内で生産・販売され、農家には中間投入がなく、ほかの仕入れや税はない。パンは家計が最終消費する。
小麦からパンまでの取引(学習用仮想データ)| 事業者 | 売上 | 原材料の購入額 |
|---|
| 農家 | 200円 | 0円 |
| 製粉業者 | 300円 | 200円 |
| パン店 | 600円 | 300円 |
この経済に表の3事業者だけが存在するとき、付加価値の合計はいくらか。
- 1,100円
- 600円
- 300円
- 900円
答えと全選択肢の解説
正解:2 600円
- 選択肢1:不正解
200+300+600は各段階の売上を単純に足しており、小麦や小麦粉の価値を重複して数えている。 - 選択肢2:正解
農家200円、製粉業者300−200=100円、パン店600−300=300円なので、合計600円。最終財の価格とも一致する。 - 選択肢3:不正解
300円はパン店だけの付加価値である。農家と製粉業者が生み出した付加価値も国内生産として加える。 - 選択肢4:不正解
300+600では小麦粉代がパン価格にも含まれる点を除けていない。各事業者の売上から中間投入を差し引く。
復習のポイント:付加価値=産出額−中間投入で求め、生産段階をまたいだ二重計上を避ける。
関連する一次資料:内閣府「GDPとGNI(GNP)の違いについて」デジタル庁「GDPダッシュボードを読み解くための事前知識」
PE132 / 300経済のしくみ事例判断
GDPの国内概念
日本のGDPに含まれる生産として適切なものはどれか。事業所は各国で継続的に営業しているものとする。
- 海外生産の利益が日本へ送金された額そのもの
- 日本人が海外に長期移住し、現地で営む店が生み出した付加価値
- 外国企業が日本国内の工場で生み出した付加価値
- 日本企業が外国の現地法人の工場で生み出した付加価値
答えと全選択肢の解説
正解:3 外国企業が日本国内の工場で生み出した付加価値
- 選択肢1:不正解
海外から得た所得はGNIとの違いを考える際の項目であり、送金自体を国内で新たに生み出した付加価値とはしない。 - 選択肢2:不正解
国籍ではなく生産の行われる経済領域に着目する。海外に拠点を置く店舗の生産は原則として所在地のGDPに含まれる。 - 選択肢3:正解
GDPは企業の国籍よりも国内で生産されたかを基準にする。外国企業でも日本国内の工場による付加価値は日本のGDPに含まれる。 - 選択肢4:不正解
外国の現地法人による生産は原則としてその国のGDPに含まれる。日本企業の出資であることだけでは日本のGDPに含めない。
復習のポイント:GDPのDはDomesticであり、日本企業か外国企業かではなく国内生産かに着目する。
関連する一次資料:内閣府「GDPとGNI(GNP)の違いについて」
PE133 / 300経済のしくみ計算
GDPとGNI
国内生産と海外との所得(学習用仮想データ)| 項目 | 金額 |
|---|
| GDP | 500兆円 |
| 海外からの第一次所得受取 | 30兆円 |
| 海外への第一次所得支払 | 15兆円 |
表の条件でGNI(国民総所得)はいくらか。海外との所得の受取・支払は、ここでは第一次所得の受取・支払を指す。
- 500兆円
- 515兆円
- 485兆円
- 545兆円
答えと全選択肢の解説
正解:2 515兆円
- 選択肢1:不正解
海外との純所得がゼロなら一致するが、表では受取超過が15兆円ある。その分だけGNIがGDPを上回る。 - 選択肢2:正解
GNI=GDP+海外からの所得受取−海外への所得支払。500+30−15=515兆円である。 - 選択肢3:不正解
受取と支払の符号が逆になっている。受け取る30兆円を加え、支払う15兆円を引く。 - 選択肢4:不正解
受取と支払を両方加算している。海外へ支払う所得は国内居住者に残る所得ではないため控除する。
復習のポイント:GNI=GDP+海外からの純所得であり、受取と支払の差を加える。
関連する一次資料:内閣府「GDPとGNI(GNP)の違いについて」
PE134 / 300経済のしくみ計算
支出面のGDP
1年間の支出(学習用仮想データ)| 項目 | 金額 |
|---|
| 民間最終消費支出 C | 300兆円 |
| 総資本形成 I(在庫変動を含む) | 90兆円 |
| 政府最終消費支出 G | 60兆円 |
| 財・サービスの輸出 | 100兆円 |
| 財・サービスの輸入 | 85兆円 |
表の金額から支出面のGDPを求めるといくらか。ここではIが民間・政府の総資本形成をすべて含み、Gは政府最終消費支出だけを表す。
- 445兆円
- 550兆円
- 465兆円
- 635兆円
答えと全選択肢の解説
正解:3 465兆円
- 選択肢1:不正解
純輸出は100−85=15であり、マイナス5ではない。国内最終支出450に純輸出15を加える。 - 選択肢2:不正解
550はC・I・G・輸出の合計であり、そこに含まれる海外生産分を除いていない。輸入85を差し引く。 - 選択肢3:正解
C+I+G+輸出−輸入=300+90+60+100−85=465兆円。輸入は国内最終支出等に含まれる外国産を除くため差し引く。 - 選択肢4:不正解
300+90+60+100+85=635では輸入を加えてしまっている。GDPは国内生産なので輸入を控除する。
復習のポイント:GDPはC+I+G+輸出−輸入で考え、設問ごとのIとGの定義を確認する。
関連する一次資料:デジタル庁「GDPダッシュボードを読み解くための事前知識」
PE135 / 300経済のしくみ正誤判断
三面等価
GDPの三面等価について適切な説明はどれか。
- 家計消費・企業投資・政府支出が同額であることを意味する
- 生産した企業の売上高と最終利益が同額であることを意味する
- 生産額・分配額・支出額をすべて足した値がGDPになる
- 生産された付加価値は所得として分配され最終支出に対応するため、生産・分配・支出の額は概念上等しい
答えと全選択肢の解説
正解:4 生産された付加価値は所得として分配され最終支出に対応するため、生産・分配・支出の額は概念上等しい
- 選択肢1:不正解
支出の内訳が等しいという意味ではない。消費・投資などを合計した支出面と、生産面・分配面が対応する。 - 選択肢2:不正解
売上には仕入れなどの費用が含まれ、利益とは異なる。三面等価は企業の売上と利益の一致を述べた原則ではない。 - 選択肢3:不正解
三つは同じ付加価値を異なる面から測るため、足せば重複する。GDPは三つのうちどの面からも概念的に同じ額を求める。 - 選択肢4:正解
三面等価は同じ経済活動を三つの側面から捉える考え方である。実際の統計では資料や推計方法の差による不突合が生じることがある。
復習のポイント:三面等価は、同じ付加価値を生産・分配・支出の三方向から見る関係。
関連する一次資料:デジタル庁「GDPダッシュボードを読み解くための事前知識」
PE136 / 300経済のしくみ計算
名目と実質
一種類の財を生産する経済(学習用仮想データ)| 時点 | パン1個の価格 | 生産数量 |
|---|
| 基準年 | 100円 | 100個 |
| 比較年 | 120円 | 110個 |
パンだけを生産する経済を考える。基準年価格を用いる単純な固定基準方式で、比較年の名目GDPと実質GDPを求めた組合せはどれか。
- 名目GDP13,200円・実質GDP13,200円
- 名目GDP11,000円・実質GDP13,200円
- 名目GDP12,000円・実質GDP10,000円
- 名目GDP13,200円・実質GDP11,000円
答えと全選択肢の解説
正解:4 名目GDP13,200円・実質GDP11,000円
- 選択肢1:不正解
同じ額になるのはここでは価格が変わらない場合である。実質値からは100円から120円への値上がり分を除く。 - 選択肢2:不正解
実質化では価格上昇の影響を除くため、基準年の100円を使う。名目と実質を逆にしている。 - 選択肢3:不正解
どちらも基準年の数量100個を使っている。比較年の生産額を測るので、数量には110個を使う。 - 選択肢4:正解
名目は比較年価格120円×比較年数量110個=13,200円。実質は基準年価格100円×比較年数量110個=11,000円である。
復習のポイント:名目は当年価格×当年数量、単純な実質計算は基準年価格×当年数量。
関連する一次資料:デジタル庁「GDPダッシュボードを読み解くための事前知識」
PE137 / 300経済のしくみ資料読解
経済成長率
実質GDPの推移(学習用仮想データ)/数値は下表にも掲載しています。
実質GDPの推移(学習用仮想データ)| 年 | 実質GDP |
|---|
| A年 | 400兆円 |
| B年 | 420兆円 |
| C年 | 441兆円 |
表とグラフの実質GDPについて、A年からB年、B年からC年の成長率を比較した説明として適切なものはどれか。
- A年からB年は5%、B年からC年は5.25%である
- いずれも20兆円ずつ増えている
- 増加額が大きいので、B年からC年の成長率の方が高い
- いずれも5%であり、増加額は後の期間の方が大きい
答えと全選択肢の解説
正解:4 いずれも5%であり、増加額は後の期間の方が大きい
- 選択肢1:不正解
後の期間の分母にも400を使うと5.25%になるが、前年に対する成長率の分母はB年の420である。 - 選択肢2:不正解
A年からB年は20兆円、B年からC年は21兆円である。絶対額と割合を別々に確かめる。 - 選択肢3:不正解
増加額だけでは成長率を比べられない。比較する各期間の出発点のGDPで割る必要がある。 - 選択肢4:正解
20÷400×100=5%、21÷420×100=5%。同じ成長率でも基準となるGDPが大きくなれば増加額も大きくなる。
復習のポイント:成長率=増加額÷比較の出発点の額×100であり、増加額が違っても成長率は同じになりうる。
関連する一次資料:デジタル庁「GDPダッシュボードを読み解くための事前知識」
PE138 / 300経済のしくみ計算
GDPデフレーター
学習用仮想データ。名目GDP550兆円、実質GDP500兆円。実質GDPの基準年におけるデフレーターは100とする。
ある年の名目GDPが550兆円、実質GDPが500兆円だった。GDPデフレーターを「名目GDP÷実質GDP×100」で求めた値と解釈の組合せはどれか。
- 90.9・価格水準が基準年より約9.1%低い
- 50・名目GDPと実質GDPの差が物価指数になる
- 110・基準年を100とした国内生産物の総合的な価格水準が10%高い
- 110・実質GDPの前年比成長率が10%である
答えと全選択肢の解説
正解:3 110・基準年を100とした国内生産物の総合的な価格水準が10%高い
- 選択肢1:不正解
分子と分母が逆である。物価の影響を含む名目GDPを、影響を除いた実質GDPで割る。 - 選択肢2:不正解
50兆円という差額と、基準年100の指数は別の概念である。指数は差ではなく比率を使って求める。 - 選択肢3:正解
550÷500×100=110。基準年100との比較で、GDPの対象となる財・サービスの総合的な価格水準が10%高いことを示す。 - 選択肢4:不正解
110は価格水準の指数であり、生産量の前年比成長率ではない。前年の実質GDPが示されていないため成長率は求められない。
復習のポイント:デフレーターは名目÷実質×100であり、価格水準の指数と成長率を区別する。
関連する一次資料:デジタル庁「GDPダッシュボードを読み解くための事前知識」
PE139 / 300経済のしくみ資料読解
ストックとフロー
経済活動の記録(学習用仮想データ)| 項目 | 記録 |
|---|
| A | 企業の1年間の売上高1億円 |
| B | 家計の年末の預金残高300万円 |
| C | 国の1年間のGDP500兆円 |
| D | 企業の年末の設備資産額2,000万円 |
表の数値をストックとフローに正しく分類したものはどれか。
- A・Bはフロー、C・Dはストック
- A・Cはフロー、B・Dはストック
- A・Dはフロー、B・Cはストック
- A・Cはストック、B・Dはフロー
答えと全選択肢の解説
正解:2 A・Cはフロー、B・Dはストック
- 選択肢1:不正解
預金残高Bは一定時点の蓄積でストック、GDPのCは一定期間の生産でフローである。金額の大小による分類ではない。 - 選択肢2:正解
1年間に発生する売上高とGDPはフロー。年末時点に保有する預金残高と設備資産額はストックである。 - 選択肢3:不正解
設備資産額Dは年末という時点のストック。GDPのCは1年間という期間のフローであり、分類が逆である。 - 選択肢4:不正解
期間内の動きを表すものと、時点で存在する量を逆に分類している。「年間」と「年末時点」を手掛かりにする。
復習のポイント:「一定期間に発生した量」はフロー、「特定時点で存在する量」はストック。
関連する一次資料:内閣府「国民経済計算とは」
PE140 / 300経済のしくみ資料読解
GDPと生活の豊かさ
学習用仮想事例。ある地域は災害で住宅や自然環境に大きな被害を受けた。翌年、修復工事などの生産が増え、地域の生産額は前年を上回った。しかし、避難生活や健康への影響は続いている。
資料について、GDPを生活の豊かさの評価に用いる際の注意として最も適切なものはどれか。
- GDPが経済活動を測る指標なので、生活の豊かさを考える資料には使えない
- 生産額の増加に加えて、被害、健康、余暇、所得分配なども確認する必要がある
- 修復工事でGDPが増えるので、災害は社会全体を豊かにしたと結論づけられる
- 所得分配が不明でも、1人当たりGDPの上昇から全住民の所得増加を推定できる
答えと全選択肢の解説
正解:2 生産額の増加に加えて、被害、健康、余暇、所得分配なども確認する必要がある
- 選択肢1:不正解
GDPには生産規模を把握する意義がある。限界があることは無意味であることではなく、ほかの指標で補う必要を意味する。 - 選択肢2:正解
GDPは一定期間の生産を測る有用な指標だが、被災による損失や生活の質を一つで十分に表すものではない。他の指標と併せて読む。 - 選択肢3:不正解
修復サービスの生産と、災害による資産・健康の被害は別に考える必要がある。修復額の増加だけで社会全体の改善とはいえない。 - 選択肢4:不正解
1人当たり値は平均であり、増加分の配分を示さない。一部の所得増により平均が上がる可能性もある。
復習のポイント:GDPは経済活動の規模を測る重要な指標だが、分配や生活の質まで一つで判断しない。
関連する一次資料:内閣府「GDPの発展とビヨンドGDP」
PE141 / 300経済のしくみ計算
物価指数とウエイト
固定した買い物かご(学習用仮想データ)| 品目 | 基準年価格 | 比較年価格 | 基準年購入数量 |
|---|
| パン | 100円 | 120円 | 10個 |
| 牛乳 | 200円 | 200円 | 15本 |
表の2品目だけからなる簡略な物価指数を、基準年の購入数量を固定して計算する。基準年を100とした比較年の指数はいくらか。
- 115
- 110
- 120
- 105
答えと全選択肢の解説
正解:4 105
- 選択肢1:不正解
基準年購入額でパンは25%、牛乳は75%の重みをもつ。20%×25%=5%上昇なので、指数は115でなく105である。 - 選択肢2:不正解
パンの値上がり20%と牛乳の0%を単純平均している。購入額の重みが異なるため、ここでは単純平均できない。 - 選択肢3:不正解
120はパンだけの価格指数である。物価指数は値上がりしていない牛乳も含め、購入構成に応じて集計する。 - 選択肢4:正解
基準年の購入額は100×10+200×15=4,000円。比較年価格で同じ数量を買うと120×10+200×15=4,200円なので105となる。
復習のポイント:総合物価は品目別の変化率の単純平均ではなく、支出構成による重みを考慮する。
関連する一次資料:総務省統計局「消費者物価指数に関するQ&A」総務省統計局「2025年基準 消費者物価指数の解説」
PE142 / 300経済のしくみ資料読解
物価水準と上昇率
総合物価指数(学習用仮想データ)| 年 | 指数 |
|---|
| A年 | 100 |
| B年 | 104 |
| C年 | 106.08 |
表のように物価指数が変化した。C年について適切な説明はどれか。
- B年とC年はどちらも前年より4%上がっている
- 物価は前年より上がっているが、前年比の上昇率はB年より低い
- 物価上昇率が下がったので、物価水準もB年より低い
- C年の物価水準はA年と同じになった
答えと全選択肢の解説
正解:2 物価は前年より上がっているが、前年比の上昇率はB年より低い
- 選択肢1:不正解
C年はA年ではなくB年の104を分母にして計算する。2.08÷104=0.02なので2%の上昇である。 - 選択肢2:正解
B年の上昇率は4%、C年は(106.08−104)÷104×100=2%である。値上がりの速度が鈍っても、物価水準は上昇している。 - 選択肢3:不正解
上昇率の低下と物価水準の低下は異なる。C年の指数106.08はB年の104を上回る。 - 選択肢4:不正解
基準の100に戻ったわけではない。C年の指数は106.08で、A年より6.08%高い。
復習のポイント:インフレ率が下がっても、プラスの率なら物価水準は上がり続けている。
関連する一次資料:総務省統計局「消費者物価指数に関するQ&A」
PE143 / 300経済のしくみ計算
名目賃金と実質賃金
学習用仮想データ。前年を100として名目賃金指数102、消費者物価指数104。計算結果は小数第1位までの概数とする。
名目賃金指数が前年100から102へ、消費者物価指数が前年100から104へ変化した。実質賃金指数を「名目賃金指数÷消費者物価指数×100」とすると、実質賃金はどうなったか。
- 約6.1%上昇した
- 2%上昇した
- 約1.9%低下した
- 4%低下した
答えと全選択肢の解説
正解:3 約1.9%低下した
- 選択肢1:不正解
名目と物価の伸びを掛け合わせると購買力を正しく表せない。実質化では名目を物価指数で割る。 - 選択肢2:不正解
2%は名目賃金の上昇率である。実質賃金では物価の変化も考慮するため、名目の増加率をそのまま使えない。 - 選択肢3:正解
102÷104×100≒98.08なので、前年100より約1.92%低い。給与の額は増えても、物価上昇に追いつかず購買力が下がっている。 - 選択肢4:不正解
4%は物価の上昇率であり、名目賃金も2%増えている点を落としている。両方の指数の比から求める。
復習のポイント:実質賃金は給与額そのものではなく、その給与で買える財・サービスの量に着目する。
関連する一次資料:総務省統計局「消費者物価指数に関するQ&A」
PE144 / 300経済のしくみ事例判断
需要増による物価上昇
経済全体で家計消費や企業投資が増え、短期的な生産能力に対して需要が強くなった結果、幅広い商品の価格が上がった。この状況の説明として最も適切なものはどれか。
- 生産性上昇で費用が低下したための物価上昇
- 原材料費の上昇を主因とするコスト・プッシュ型の物価上昇
- 総需要の拡大を主因とするディマンド・プル型の物価上昇
- 需要の減少により在庫が増えたための物価上昇
答えと全選択肢の解説
正解:3 総需要の拡大を主因とするディマンド・プル型の物価上昇
- 選択肢1:不正解
生産性の上昇による費用低下は、他条件が同じなら供給を増やし価格を下げる方向に働く。原因の方向が逆である。 - 選択肢2:不正解
コスト・プッシュ型は原材料やエネルギーなどの費用増加が出発点となる。設問は需要側の拡大を示している。 - 選択肢3:正解
供給能力に比べて需要が強まり、価格を押し上げる型である。設問の変化の出発点は消費・投資の増加にある。 - 選択肢4:不正解
需要減少や売れ残り増大は通常、価格を引き下げる圧力となる。設問では需要が増えている。
復習のポイント:物価上昇の原因は、需要の拡大か、生産費・供給制約の変化かを確認する。
関連する一次資料:経済産業省・通商白書2023「供給サイドの強化」
PE145 / 300経済のしくみ資料読解
費用増による物価上昇
学習用仮想事例。海外の供給混乱でエネルギー価格が上昇し、国内企業の生産費が増えた。企業は製品価格を上げたが、生産や雇用の伸びは弱く、家計消費も伸び悩んだ。
資料の経済状況について適切な説明はどれか。
- 物価が上がっているので、総需要の増加が原因だと断定できる
- エネルギー費用の上昇は、企業の供給能力を拡大させる要因である
- 費用上昇が物価を押し上げ、景気停滞とインフレが併存する可能性がある
- 生産と物価は同じ方向に動くため、記述された状況は成立しない
答えと全選択肢の解説
正解:3 費用上昇が物価を押し上げ、景気停滞とインフレが併存する可能性がある
- 選択肢1:不正解
価格上昇には需要増以外の原因もある。資料ではエネルギー価格の上昇が企業の生産費に波及している。 - 選択肢2:不正解
ほかの条件が一定なら、費用増加は同じ販売価格で生産できる量を減らす。供給拡大ではなく供給抑制の方向に働く。 - 選択肢3:正解
原材料費等の増加は供給側から価格を押し上げる。生産低迷と物価上昇が同時に進む状態はスタグフレーションと呼ばれる。 - 選択肢4:不正解
供給面の悪化では、生産減少と物価上昇が同時に起こりうる。好況とインフレを一対一に対応させない。
復習のポイント:供給側の費用上昇では、景気の弱さとインフレが併存しうる。
関連する一次資料:経済産業省・通商白書2023「供給サイドの強化」
PE146 / 300経済のしくみ正誤判断
デフレスパイラル
物価下落が経済全体の悪循環につながる過程として適切なものはどれか。
- 売上・収益の悪化から賃金や雇用が抑えられ、需要の減少がさらに物価を押し下げる
- 物価が下がれば企業の売上総額は増えるため、賃金も同じ割合で増える
- 個別商品の技術革新による値下がりがあれば、経済全体は必ず悪循環に陥る
- 物価が下がるほど借金の名目元本も自動的に減り、家計の負担が軽くなる
答えと全選択肢の解説
正解:1 売上・収益の悪化から賃金や雇用が抑えられ、需要の減少がさらに物価を押し下げる
- 選択肢1:正解
物価下落、収益悪化、所得・需要の弱まりが相互に影響する悪循環がデフレスパイラルである。単なる一商品の値下げとは区別する。 - 選択肢2:不正解
売上高は価格と数量の積であり、値下がりだけで総額は増えない。販売量が補えなければ収益や賃金に下押し圧力がかかる。 - 選択肢3:不正解
技術改善による個別価格の低下は、生産性向上の成果である場合もある。経済全体の持続的な物価下落と区別する。 - 選択肢4:不正解
固定された名目債務は物価に連動して自動的に減らない。物価下落時には実質的な返済負担が重くなる場合がある。
復習のポイント:デフレスパイラルは、物価・企業収益・所得・需要が互いを押し下げる連鎖。
関連する一次資料:日本銀行「わが国の経済・物価情勢と金融政策」2026年2月13日日本銀行「量的・質的金融緩和とわが国の金融経済情勢」
PE147 / 300経済のしくみ事例判断
物価と固定債務
返済する名目金額が固定され、物価に連動しない借金がある。ほかの条件を変えず、物価水準が下落した場合の借金の実質価値はどうなるか。
- 名目返済額が変わらないので、実質価値も変わらない
- 物価が下がった割合だけ、契約上の返済額も減る
- 同じ返済額で買える財・サービスが減るため、実質価値は下がる
- 同じ返済額で買える財・サービスが増えるため、実質価値は高まる
答えと全選択肢の解説
正解:4 同じ返済額で買える財・サービスが増えるため、実質価値は高まる
- 選択肢1:不正解
名目は金額、実質は購買力で見た価値である。金額が一定でも物価が変われば実質価値は変化する。 - 選択肢2:不正解
設問では返済額は固定されている。物価が動いても名目額は自動調整されないことが実質負担の変化につながる。 - 選択肢3:不正解
財・サービスを買える量が減るのは物価上昇時である。物価下落時には同じ貨幣額の購買力が増える。 - 選択肢4:正解
物価下落で貨幣の購買力が上がるため、一定の名目返済額の実質価値は増える。債務者から見れば実質負担が重くなる方向である。
復習のポイント:固定された名目債務の実質価値は、物価下落で増え、物価上昇で減る。
関連する一次資料:日本銀行「量的・質的金融緩和とわが国の金融経済情勢」
PE148 / 300経済のしくみ資料読解
在庫と景気
学習用仮想事例。企業は1万個売れると予想して1万個を生産したが、実際の販売は8,000個にとどまった。期首に在庫はなく、残り2,000個は期末の製品在庫として保管した。翌期の販売見込みも強くない。
資料の企業について、当期のGDP上の扱いと翌期の生産判断に関する説明として適切なものはどれか。
- 当期の売れ残りは在庫増として当期の生産に対応し、翌期には在庫調整のため生産を減らす可能性がある
- 当期に生産した在庫を翌期に販売すると、同じ財の生産額を翌期にも加える
- 売れ残りが増えるほど需要が強いと判断し、翌期の増産が合理的になる
- 売れ残りは当期のGDPから除き、販売できるまで生産がなかったものとする
答えと全選択肢の解説
正解:1 当期の売れ残りは在庫増として当期の生産に対応し、翌期には在庫調整のため生産を減らす可能性がある
- 選択肢1:正解
当期に生産されたものは売れ残っても在庫投資として捉える。一方、意図しない在庫増は翌期の生産縮小を促すことがある。 - 選択肢2:不正解
翌期に在庫を売ると消費等は増えるが在庫は減るため、過去の生産を二重には計上しない。新たな流通サービス等とは区別する。 - 選択肢3:不正解
販売が計画に届かないため意図しない在庫が増えている。需要の強さではなく、需要に比べた生産過多の手掛かりとなる。 - 選択肢4:不正解
GDPは販売されたものだけでなく当期に生産された付加価値を測る。未販売品も在庫増加として計上する。
復習のポイント:GDPには当期の在庫増も含まれ、意図しない在庫増は後の減産につながりうる。
関連する一次資料:内閣府「GDP統計による三面不等価の経済変動分析」デジタル庁「GDPダッシュボードを読み解くための事前知識」
PE149 / 300経済のしくみ計算
成長率への寄与度
GDP成長率への寄与度(学習用仮想データ)| 項目 | 寄与度 |
|---|
| 民間消費 | +1.0ポイント |
| 総資本形成 | +0.5ポイント |
| 政府消費 | +0.2ポイント |
| 純輸出 | −0.7ポイント |
表の寄与度だけで成長率の全体が説明されるとする。GDP成長率と純輸出の影響の組合せとして適切なものはどれか。
- 成長率0.25%・純輸出は成長率を0.7ポイント押し下げた
- 成長率1.0%・純輸出そのものが前年比0.7%減少した
- 成長率1.0%・純輸出は成長率を0.7ポイント押し下げた
- 成長率2.4%・純輸出は成長率を0.7ポイント押し上げた
答えと全選択肢の解説
正解:3 成長率1.0%・純輸出は成長率を0.7ポイント押し下げた
- 選択肢1:不正解
寄与度は全体への貢献として算出されているので、合計後に項目数で割らない。単純平均の0.25%ではない。 - 選択肢2:不正解
GDP成長率への寄与度と、その項目自体の増減率は異なる。純輸出の前年比変化率は表だけでは求められない。 - 選択肢3:正解
寄与度を合計すると1.0+0.5+0.2−0.7=1.0%。純輸出のマイナス寄与はGDP成長率を0.7ポイント引き下げたことを表す。 - 選択肢4:不正解
純輸出の−0.7を+0.7として足している。符号は全体を押し上げたか押し下げたかを表す重要な情報である。
復習のポイント:寄与度は足して全体の成長率を求め、項目自体の増減率と混同しない。
関連する一次資料:デジタル庁「GDPダッシュボードを読み解くための事前知識」
PE150 / 300経済のしくみ資料読解
労働生産性
時間当たり労働生産性(学習用仮想データ)/数値は下表にも掲載しています。
工程改善前後の実績(学習用仮想データ)| 時点 | 付加価値額 | 総労働時間 | 時間当たり労働生産性 |
|---|
| 改善前 | 120万円 | 240時間 | 5,000円/時間 |
| 改善後 | 120万円 | 192時間 | 6,250円/時間 |
時間当たり労働生産性を「付加価値額÷総労働時間」とする。表とグラフから読み取れることとして適切なものはどれか。
- 時間当たり労働生産性の上昇率25%は、付加価値額の上昇率でもある
- 付加価値額が同じなので、時間当たり労働生産性は変わらない
- 労働時間が20%減ったので、時間当たり労働生産性も20%低下した
- 付加価値額を維持しながら労働時間が減り、時間当たり労働生産性は25%上昇した
答えと全選択肢の解説
正解:4 付加価値額を維持しながら労働時間が減り、時間当たり労働生産性は25%上昇した
- 選択肢1:不正解
付加価値額は両時点とも120万円であり増えていない。生産性の上昇は、この例では時間の節約によるものである。 - 選択肢2:不正解
生産性は産出だけでなく投入との比率で測る。同じ付加価値でも投入時間が減れば、時間当たりの値は上がる。 - 選択肢3:不正解
分母の時間が減り分子が一定なら、比率は上がる。時間の20%減と生産性の25%増は計算の基準も異なる。 - 選択肢4:正解
改善前は120万円÷240時間=5,000円、改善後は120万円÷192時間=6,250円。増加率は1,250÷5,000=25%となる。
復習のポイント:労働生産性は産出÷労働投入であり、投入を減らして同じ価値を生めても向上する。
関連する一次資料:中小企業庁「中小企業のライフサイクルと生産性に係る分析について」
金融・財政・社会保障 50問中央銀行・金融政策・税・財政・再分配・社会保険
PE151 / 300金融・財政・社会保障事例判断
日本銀行の役割
金融機関Aから金融機関Bへの資金決済に、日本銀行にある当座預金の振替が使われた。この事例に最も直接対応する日本銀行の役割を選ぼう。
- 家計の住宅購入に直接融資する役割
- 銀行間の決済を支える「銀行の銀行」の役割
- 国の税率を決定する「政府の銀行」の役割
- 民間銀行の株主として配当を配分する役割
答えと全選択肢の解説
正解:2 銀行間の決済を支える「銀行の銀行」の役割
- 選択肢1:不正解
個人向け住宅ローンは通常、民間金融機関などが扱う。ここで使われたのは金融機関が日本銀行に持つ口座である。 - 選択肢2:正解
金融機関同士の債権・債務を、日本銀行の当座預金の振替で決済している。銀行に対する決済サービスという点が判断の根拠になる。 - 選択肢3:不正解
「政府の銀行」には国庫金の出納などが含まれるが、税率を決めることは日本銀行の業務ではない。税の制定・変更は法律に基づく。 - 選択肢4:不正解
当座預金の振替は資金決済であり、株式保有や配当の配分ではない。決済と所有関係を分けて考える。
復習のポイント:日本銀行の機能は、発券・金融機関間の決済・国庫金の取扱いを具体的な行為と結び付ける。
関連する一次資料:日本銀行はどのような業務を行っていますか?
PE152 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
銀行券と硬貨
日本で使われる銀行券と硬貨について、発行主体と製造主体を区別した説明として正しいものを選ぼう。
- 銀行券は国立印刷局が発行し、日本銀行が製造する。
- 銀行券も硬貨も日本銀行が発行し、造幣局が製造する。
- 銀行券は政府が発行し、硬貨は日本銀行が発行する。
- 銀行券は日本銀行が発行し、硬貨は政府が発行する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 銀行券は日本銀行が発行し、硬貨は政府が発行する。
- 選択肢1:不正解
国立印刷局は銀行券の製造を担う。製造された銀行券を日本銀行が取引先金融機関に払い出すことで発行される。 - 選択肢2:不正解
銀行券の製造は国立印刷局、硬貨の製造は造幣局である。発行主体も銀行券と硬貨で異なる。 - 選択肢3:不正解
発行主体が逆である。銀行券は日本銀行、硬貨は政府が発行する。 - 選択肢4:正解
発行と製造は別の行為である。銀行券は日本銀行、硬貨は政府が発行し、製造はそれぞれ国立印刷局と造幣局が担当する。
復習のポイント:「誰が作るか」と「誰が発行するか」を分けて覚える。
関連する一次資料:銀行券・貨幣の発行・管理の概要日本銀行大阪支店 お札の発行と管理
PE153 / 300金融・財政・社会保障事例判断
貨幣の機能
A:店頭で、かばん8,000円と靴12,000円の価格を比べた。
B:かばんの代金8,000円を現金で払い、商品を受け取った。
次のA・Bの場面で特に表れている貨幣の機能の組合せとして正しいものを選ぼう。
- A:価値尺度 B:交換手段
- A:交換手段 B:価値保存
- A:価値保存 B:価値尺度
- A:価値尺度 B:価値保存
答えと全選択肢の解説
正解:1 A:価値尺度 B:交換手段
- 選択肢1:正解
Aでは異なる商品を円という共通単位で比較している。Bでは代金を払い商品を受け取っているため、交換を仲立ちする働きが表れている。 - 選択肢2:不正解
Aでは支払い自体はしておらず、価格を比較している。Bは将来に備える貯蓄ではなく、その場での決済である。 - 選択肢3:不正解
価値保存は購買力を将来に持ち越す働きである。Aは比較、Bは決済なので、この組合せではない。 - 選択肢4:不正解
Aは正しいが、Bは将来まで保有する場面ではない。実際の売買を媒介しているので交換手段に当たる。
復習のポイント:価格の比較は価値尺度、支払いは交換手段、将来への保有は価値保存と区別する。
関連する一次資料:通貨の単一性と中央銀行の役割
PE154 / 300金融・財政・社会保障計算
マネタリーベース
通貨関連の残高。学習用仮想データ| 項目 | 残高 |
|---|
| 銀行券発行高 | 120兆円 |
| 貨幣流通高 | 5兆円 |
| 日銀当座預金 | 600兆円 |
| 一般企業・家計の民間銀行預金 | 900兆円 |
表の学習用仮想データから、マネタリーベースの大きさを求めよう。
- 125兆円
- 600兆円
- 725兆円
- 1,625兆円
答えと全選択肢の解説
正解:3 725兆円
- 選択肢1:不正解
125兆円は銀行券120兆円と硬貨5兆円だけの合計である。マネタリーベースには日銀当座預金も含める。 - 選択肢2:不正解
600兆円は日銀当座預金だけである。流通現金である銀行券と硬貨の合計125兆円を加える必要がある。 - 選択肢3:正解
120+5+600=725兆円。一般企業・家計が民間銀行に持つ預金900兆円は、この計算には加えない。 - 選択肢4:不正解
民間銀行の預金900兆円まで加えている。中央銀行の供給する通貨の範囲と、民間が保有する預金通貨の範囲を混同している。
復習のポイント:マネタリーベース=銀行券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金。
関連する一次資料:「マネタリーベース」とは何ですか?
PE155 / 300金融・財政・社会保障資料読解
マネーストックとの区別
マネタリーベースは中央銀行が供給する通貨を捉える。一方、マネーストックは、家計や一般企業などが持つ現金・預金などを、定められた範囲で集計する。
下の説明を踏まえ、マネタリーベースとマネーストックの関係について適切なものを選ぼう。
- 金融機関の日銀当座預金は、家計の保有通貨としてマネーストックに含まれる。
- 日銀当座預金の増加が、同じ金額の家計・企業の預金増加を直ちに意味するわけではない。
- マネーストックは日本銀行が印刷した紙幣だけを集計する。
- 金融機関に預けられた家計の預金は、保有者が金融機関へ移るためマネーストックから除かれる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 日銀当座預金の増加が、同じ金額の家計・企業の預金増加を直ちに意味するわけではない。
- 選択肢1:不正解
日銀当座預金の保有者は金融機関であり、家計ではない。日銀当座預金はマネタリーベースに含まれるが、マネーストックには含まれない。 - 選択肢2:正解
二つの指標は集計対象が違う。中央銀行の資金供給が家計・企業の預金や支出に及ぶ過程には、銀行貸出や取引などが関わる。 - 選択肢3:不正解
マネーストックには家計・企業などが保有する現金通貨に加え、対象となる預金通貨なども含まれる。紙幣だけの統計ではない。 - 選択肢4:不正解
預金は家計から見れば銀行に対する債権であり、通貨保有者は家計である。金融機関自身が保有する通貨との区別が必要になる。
復習のポイント:通貨量の問題では「誰が発行・供給するか」と「誰が保有するか」を確かめる。
関連する一次資料:「マネーストック」とは何ですか?マネタリーベース統計のFAQ
PE156 / 300金融・財政・社会保障事例判断
買いオペレーション
日本銀行が金融機関から既発の国債を買い、代金をその金融機関の日銀当座預金口座に入金した。この取引自体の説明として正しいものを選ぼう。
- 政府への新たな納税によって、金融機関の資金が減る。
- 金融機関は国債を受け取り、日銀当座預金を減らす。
- 日本銀行が国債を保有し、金融機関の日銀当座預金が増える。
- 国債の発行残高が、買入金額と同額だけ自動的に減る。
答えと全選択肢の解説
正解:3 日本銀行が国債を保有し、金融機関の日銀当座預金が増える。
- 選択肢1:不正解
日本銀行と金融機関の資産売買であり、政府への納税ではない。代金の支払いで金融機関側の当座預金は増える。 - 選択肢2:不正解
買い手は日本銀行である。金融機関は国債を渡し、代金として日銀当座預金を受け取るため、向きが逆である。 - 選択肢3:正解
日本銀行の資産に国債が加わり、その対価として金融機関の日銀当座預金が増加する。これは資金供給のオペレーションである。 - 選択肢4:不正解
保有者が金融機関から日本銀行へ変わる取引である。政府が元本を返済して消却する償還とは異なる。
復習のポイント:買いオペでは、中央銀行へ国債が、金融機関へ代金が移る。
関連する一次資料:オペレーション(公開市場操作)にはどのような種類がありますか?
PE157 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
資金吸収の取引
日本銀行が保有する国債を金融機関へ売却し、代金をその金融機関の日銀当座預金から受け取った。この取引の直接の効果として正しいものを選ぼう。
- 金融機関の日銀当座預金が減り、市場から資金を吸収する。
- 金融機関の日銀当座預金が増え、市場へ資金を供給する。
- 政府の税収が売却代金の分だけ増える。
- 家計のすべての預金が、売却代金と同額だけ減る。
答えと全選択肢の解説
正解:1 金融機関の日銀当座預金が減り、市場から資金を吸収する。
- 選択肢1:正解
金融機関が国債の代金を支払うため、日銀当座預金が減少する。取引の直接の資金移動を問うと、資金吸収に当たる。 - 選択肢2:不正解
資金供給となるのは、日本銀行が国債を買い代金を支払う側に立つ場合である。設問はその逆の売却である。 - 選択肢3:不正解
既発国債の売買代金は租税ではない。中央銀行の市場操作と政府の税収を混同しない。 - 選択肢4:不正解
この取引は日本銀行と金融機関の間の資産交換である。家計の預金が同額だけ機械的に減るとはいえない。
復習のポイント:公開市場操作は「中央銀行が買うか売るか」と「代金の移動方向」で判定する。
関連する一次資料:オペレーション(公開市場操作)にはどのような種類がありますか?
PE158 / 300金融・財政・社会保障事例判断
金融緩和の波及
他の条件が同じとき、政策金利の引下げが貸出金利にも波及した場合の一般的な経路として最も適切なものを選ぼう。
- 借入費用が増え、企業の設備投資が進みやすくなる。
- 借入費用が下がるため、企業の売上見通しの検討は不要になる。
- 銀行の貸出金利が下がると、政府の税率も同じ幅で下がる。
- 借入費用が下がり、採算の見込める設備投資を行いやすくなる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 借入費用が下がり、採算の見込める設備投資を行いやすくなる。
- 選択肢1:不正解
金利の引下げが貸出金利に波及すれば、通常は借入費用を下げる方向に働く。投資促進の理由と金利の変化が逆である。 - 選択肢2:不正解
借入費用が下がっても、需要の見込みが弱ければ企業が投資を見送ることはある。金融緩和は投資を保証するものではない。 - 選択肢3:不正解
貸出金利と税率は決定の仕組みが異なる。金融政策によって税率が同じ幅で動く制度はない。 - 選択肢4:正解
必要な資金を借りる費用が軽くなれば、採算の合う投資が増える方向に働く。ただし需要見通しなどにも左右される。
復習のポイント:金融緩和は金利や資金調達を通じて需要に働きかけ、効果の大きさは経済状況で変わる。
関連する一次資料:金融政策は景気や物価にどのように影響を及ぼすのですか?
PE159 / 300金融・財政・社会保障資料読解
金融引締めの影響
利率変更の事例。学習用仮想データ| 人物・取引 | 元本 | 旧年利 | 新年利 |
|---|
| Aさん・変動金利の借入 | 100万円 | 2% | 3% |
| Bさん・預金 | 100万円 | 0.5% | 1.5% |
資料の変化による影響として、最も適切なものを選ぼう。なお、預金・借入の利率の変更はすでに実施されたものとする。
- Aさんの利払いは減り、Bさんの受取利息も減る。
- Aさんの利払いは増え、Bさんの受取利息も増える。
- AさんとBさんの元本が、金利差の分だけ自動的に増える。
- Aさんの利払いは増えるが、Bさんの受取利息は金利にかかわらず一定である。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Aさんの利払いは増え、Bさんの受取利息も増える。
- 選択肢1:不正解
Aさんの借入金利は上昇しているので利払いは増える。Bさんの預金金利も上昇しているので受取利息は増える。 - 選択肢2:正解
借り手は高い利率で利息を払い、預け手は高い利率で利息を受け取る。金利の変化は家計の立場によって異なる影響をもつ。 - 選択肢3:不正解
利率の変更と元本の変更は別である。元本が同じでも、支払利息や受取利息の額は変化する。 - 選択肢4:不正解
利率が変更されたという条件の下では、Bさんの受取利息も増える。既存の固定金利契約との混同に注意する。
復習のポイント:金利上昇の影響は、借り手・預け手のどちらかを確認して考える。
関連する一次資料:金融政策は景気や物価にどのように影響を及ぼすのですか?
PE160 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
公定歩合の位置付け
古い教材にあった「公定歩合操作」の説明を、現在の日本の金融政策の理解に使う際、適切な注意点を選ぼう。
- 公定歩合は、現在では国会が決める所得税率の別名である。
- 現在も民間銀行の預金金利は、公定歩合に法令上すべて連動している。
- 以前の公定歩合の役割と、現在の短期市場金利を誘導する政策運営を区別する。
- 公定歩合という名称が変更されたため、日本銀行による金融機関への貸付けも終了した。
答えと全選択肢の解説
正解:3 以前の公定歩合の役割と、現在の短期市場金利を誘導する政策運営を区別する。
- 選択肢1:不正解
公定歩合は中央銀行の貸出などに関する金利の旧称であり、租税とは異なる。現在は基準割引率・基準貸付利率という名称が用いられる。 - 選択肢2:不正解
預金金利の自由化後、かつてのような規制金利との直接の連動関係はなくなった。旧制度の説明を現行制度へそのまま当てはめない。 - 選択肢3:正解
現在の政策を理解するには、無担保コールレートなどの市場金利への働きかけと、中央銀行の貸出金利の位置付けを区別する必要がある。 - 選択肢4:不正解
名称や制度の変化は貸付業務の廃止を意味しない。日本銀行には金融機関への貸付制度がある。
復習のポイント:「公定歩合を変えて景気を調整する」という旧制度の説明だけで、現行の金融政策を説明しない。
関連する一次資料:以前の「公定歩合」は、現在、どのように位置づけられていますか?無担保コールレート(オーバーナイト物)とは何ですか?
PE161 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
中央銀行の独立性
日本銀行の独立性と説明責任の関係について、適切なものを選ぼう。
- 独立性とは、金融政策の目的を公表せずに決定できることをいう。
- 政府との意思疎通を行った時点で、日本銀行の独立性は失われる。
- 金融政策の判断は、個々の民間銀行の経営者の多数決に委ねられる。
- 金融政策の自主性を尊重するとともに、政策判断の説明や情報の公表も求められる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 金融政策の自主性を尊重するとともに、政策判断の説明や情報の公表も求められる。
- 選択肢1:不正解
独立性は政策判断の自主性に関わる。目的や判断の透明性をなくすことではなく、説明責任と組み合わせて考える。 - 選択肢2:不正解
政府の経済政策との整合性のため、意思疎通は行われる。独立性は政府との連絡を禁止することではない。 - 選択肢3:不正解
日本銀行の政策は日本銀行の政策委員会で決める。取引先の民間銀行が政策を多数決で決定する制度ではない。 - 選択肢4:正解
短期的な政治的要求に左右されない判断を支える自主性と、国会報告などによる説明責任は両立する。
復習のポイント:中央銀行の独立性は、政府との意思疎通や国民への説明責任と両立する。
関連する一次資料:日本銀行の独立性とは何ですか?
PE162 / 300金融・財政・社会保障知識確認
短期金融市場
無担保コールレート(オーバーナイト物)の説明として正しいものを選ぼう。
- 金融機関同士などが、担保なしで翌営業日まで資金を貸借する際の金利
- 個人が銀行から30年間の住宅ローンを借りる際の固定金利
- 政府が国債の償還時に元本へ必ず上乗せする税率
- 中央銀行が発行するすべての銀行券に付される利率
答えと全選択肢の解説
正解:1 金融機関同士などが、担保なしで翌営業日まで資金を貸借する際の金利
- 選択肢1:正解
「無担保」は担保を差し入れないこと、「オーバーナイト」は翌営業日までの取引を表す。短期金融市場の代表的な金利である。 - 選択肢2:不正解
住宅ローンは家計向けの長期融資である。コール市場のごく短期の金融機関間取引とは、取引主体も期間も異なる。 - 選択肢3:不正解
コールレートは資金貸借の金利であり、租税ではない。国債の元利払いの条件とも区別する。 - 選択肢4:不正解
紙幣そのものに保有利息が付くわけではない。銀行券と金融市場での貸借契約を混同している。
復習のポイント:無担保コール翌日物は、金融機関などの間で取引されるごく短期の資金の金利。
関連する一次資料:無担保コールレート(オーバーナイト物)とは何ですか?
PE163 / 300金融・財政・社会保障計算
準備預金の計算
学習用仮想データ。実際の制度にある対象先・預金種類・残高区分や積立期間の違いは捨象し、表面上の比率計算だけを考える。
単純化した制度では、対象預金額の2%を中央銀行に預ける必要がある。対象預金が500億円、実際の当座預金が18億円なら、必要準備額と超過準備額の組合せとして正しいものはどれか。
- 必要準備10億円・超過準備18億円
- 必要準備2億円・超過準備16億円
- 必要準備10億円・超過準備8億円
- 必要準備18億円・超過準備10億円
答えと全選択肢の解説
正解:3 必要準備10億円・超過準備8億円
- 選択肢1:不正解
必要準備は500×0.02=10億円で正しい。超過準備は実際の18億円から必要な10億円を差し引くので、18億円ではない。 - 選択肢2:不正解
準備率2%を2億円と読み替えている。比率を対象預金額500億円に掛けて必要準備を求める。 - 選択肢3:正解
必要準備額は500×2%=10億円、超過準備額は18−10=8億円となる。 - 選択肢4:不正解
18億円は実際の当座預金額である。必要準備は対象預金と準備率から計算し、両者の差が超過準備となる。
復習のポイント:超過準備=実際の準備預金−制度上必要な準備預金。
関連する一次資料:準備預金制度とは何ですか? 超過準備とは何ですか?
PE164 / 300金融・財政・社会保障事例判断
最後の貸し手
健全な金融機関でも、急な資金流出で一時的な支払資金が不足することがある。この不足が他の金融機関へ連鎖するおそれがある場合、中央銀行の「最後の貸し手」機能に当たる対応を選ぼう。
- 預金者が負担する所得税を一律に引き下げる。
- 必要な条件の下で金融機関へ資金を供給し、決済の混乱を抑える。
- 当該金融機関の株主に配当を保証する。
- すべての企業の債務を中央銀行が免除する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 必要な条件の下で金融機関へ資金を供給し、決済の混乱を抑える。
- 選択肢1:不正解
所得税の変更は財政政策の領域である。金融機関の一時的な決済資金の不足に対応する貸付けとは異なる。 - 選択肢2:正解
資金を貸す主体がいなくなった局面で、中央銀行が必要な流動性を供給し、混乱の連鎖を抑える機能である。 - 選択肢3:不正解
金融システムの安定を支えることと、株主の投資収益を保証することは異なる。配当の保証がこの機能の目的ではない。 - 選択肢4:不正解
最後の貸し手は、必要性や条件を判断した資金供給である。企業の借金を一律に帳消しにする制度ではない。
復習のポイント:一時的な支払資金の不足への対応と、損失の無条件な補填を区別する。
関連する一次資料:最後の貸し手とは何ですか?
PE165 / 300金融・財政・社会保障計算
名目金利と実質金利
学習用仮想データ。税金や手数料は考えず、設問で示した近似式を用いる。
年率の名目金利が3%、同じ期間の予想物価上昇率が2%であるとする。「実質金利≒名目金利−予想物価上昇率」という近似式を用いた実質金利はどれか。
- 約5%
- 約6%
- 約−1%
- 約1%
答えと全選択肢の解説
正解:4 約1%
- 選択肢1:不正解
名目金利に物価上昇率を加えている。購買力でみた利息を考えるため、物価上昇による目減り分を差し引く。 - 選択肢2:不正解
3と2を掛けた値であり、示された近似式とは異なる。単位がともに%でも掛け算ではない。 - 選択肢3:不正解
引き算の順序が逆である。予想物価上昇率が名目金利を上回る場合にはマイナスになりうるが、この条件では上回っていない。 - 選択肢4:正解
3%−2%=約1%。名目の利息の増加から、予想される物価上昇による購買力の目減りを除いて考える。
復習のポイント:実質金利の近似計算では、名目金利から同期間の予想物価上昇率を引く。
関連する一次資料:わが国の経済・物価情勢と金融政策(実質金利の説明)
PE166 / 300金融・財政・社会保障資料読解
財政政策と金融政策
景気対策の仮想案| 案 | 内容 |
|---|
| A | 国が防災施設の整備を前倒しし、予算支出を増やす |
| B | 中央銀行が政策金利を引き下げ、借入費用に働きかける |
需要不足への対策として、A・Bの案が示された。実施主体と政策の分類の組合せとして適切なものを選ぼう。
- A:政府の財政政策 B:中央銀行の金融政策
- A:中央銀行の金融政策 B:政府の財政政策
- A・Bとも、政府の財政政策
- A・Bとも、中央銀行の金融政策
答えと全選択肢の解説
正解:1 A:政府の財政政策 B:中央銀行の金融政策
- 選択肢1:正解
公共事業の予算支出は政府の財政政策、政策金利を通じた働きかけは中央銀行の金融政策である。需要を支えるという目的が共通でも手段と主体は異なる。 - 選択肢2:不正解
実施主体が逆である。中央銀行が国の公共事業予算を編成するわけではなく、政府が金融政策の金利誘導を直接実行するわけでもない。 - 選択肢3:不正解
Bは予算支出や課税の変更ではなく、金融環境を通じた政策である。景気対策がすべて財政政策になるわけではない。 - 選択肢4:不正解
Aは政府による財・サービスへの支出である。資金を使う政策だから金融政策、という分類はできない。
復習のポイント:景気対策は、目的よりも「税・支出」か「金利・資金供給」かで分類する。
関連する一次資料:財政とは金融政策は景気や物価にどのように影響を及ぼすのですか?
PE167 / 300金融・財政・社会保障事例判断
財政の資源配分機能
民間の利用料金だけでは十分に整備されにくい地域の堤防を、政府が税を財源として整備した。この事例で特に着目している財政の機能を選ぼう。
- 所得階層間の格差を直接縮める所得再分配機能
- 景気後退に応じて需要を補う景気安定化機能
- 市場だけでは不足する供給を補う資源配分機能
- 金融機関への資金供給による金融調節機能
答えと全選択肢の解説
正解:3 市場だけでは不足する供給を補う資源配分機能
- 選択肢1:不正解
防災の利益が所得階層ごとにどう配分されるかは、この資料では述べていない。焦点は市場だけでは必要な施設が供給されにくい点にある。 - 選択肢2:不正解
公共事業が需要を増やす効果はありうるが、資料は不況への対応を目的としていない。着目している問題は公共サービスの供給不足である。 - 選択肢3:正解
市場だけでは十分に供給されにくい財やサービスに、財政を通じて資源を振り向けている。公共財などへの対応として捉えられる。 - 選択肢4:不正解
金融機関への資金供給は中央銀行の金融政策の手段である。政府が税を財源に施設を整備する財政支出とは異なる。
復習のポイント:市場だけでは不足する公共サービスの供給は、財政の資源配分機能に着目する。
関連する一次資料:財政とは
PE168 / 300金融・財政・社会保障事例判断
財政の所得再分配機能
所得の大きい人により大きな税負担を求め、その財源を生活に困窮する人への給付に用いる政策に、最も直接表れる機能を選ぼう。
- 公共財の供給を通じた資源配分
- 所得再分配
- 景気変動に応じた需要の調整
- 公債発行による負担時期の調整
答えと全選択肢の解説
正解:2 所得再分配
- 選択肢1:不正解
資源配分は市場だけでは十分に供給されない財などへの対応に着目する。この事例では、異なる所得層の間で税負担と給付を配分する点が中心である。 - 選択肢2:正解
市場などで生じた所得の差を、税と給付を通じて緩和している。税だけでなく支出側も確認することが大切である。 - 選択肢3:不正解
再分配が需要にも影響することはあるが、資料は景気の変動を示していない。所得階層の違いを基準とする負担・給付が直接の論点である。 - 選択肢4:不正解
設問の財源は税であり、新たな公債発行や将来の返済時期は示されていない。負担時期ではなく所得層の間の配分を論じている。
復習のポイント:所得再分配は、税の取り方と給付の配り方を合わせて見る。
関連する一次資料:税の意義と役割社会保障とは何か
PE169 / 300金融・財政・社会保障資料読解
自動安定化装置
景気と税・給付。学習用仮想データ| 状態 | 家計の課税前所得の合計 | 税負担の合計 | 失業時の給付の合計 |
|---|
| 不況前 | 1,000億円 | 180億円 | 20億円 |
| 不況期 | 850億円 | 135億円 | 45億円 |
表の変化は、税率や給付のルールを変更せずに生じた。これを説明するものとして最も適切なものを選ぼう。
- 不況になると税率を新たに引き下げる裁量的な政策が自動的に決まる。
- 税収の減少と給付の増加は、家計の所得減少をそのまま拡大する。
- 税収が減少したので、家計の税引後所得は不況前より必ず増える。
- 既存制度による税収減や給付増が、所得や需要の落ち込みを和らげる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 既存制度による税収減や給付増が、所得や需要の落ち込みを和らげる。
- 選択肢1:不正解
設問では税率を変更していない。新たな政策決定による減税と、所得の変化に応じた税負担減少を区別する。 - 選択肢2:不正解
所得が下がる局面で税負担が軽くなり、給付が増えることは、家計の手取りや支出の減少を緩和する方向に働く。 - 選択肢3:不正解
税負担が減っても、元の所得の落ち込みを完全に埋めるとは限らない。制度の働きは変動の緩和であり、所得増加の保証ではない。 - 選択肢4:正解
累進課税や失業時の給付などは、景気悪化に応じて新たな制度変更なしに働く。この働きを自動安定化装置という。
復習のポイント:制度を変えずに働く安定化と、新たに決定する裁量的政策を見分ける。
関連する一次資料:「税」の意義と役割を知ろう
PE170 / 300金融・財政・社会保障事例判断
裁量的財政政策
景気後退を受けて政府が新たに補正予算を組み、公共事業を追加した。この政策の説明として適切なものを選ぼう。
- 既存の税制が所得の減少に応じて自動的に働く仕組みそのものである。
- 裁量的な財政政策であり、決定や実施に時間がかかる可能性も考える。
- 公共事業は企業に発注するため、財政支出には含まれない。
- 補正予算の成立と同じ日に、需要の増加がすべて実現する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 裁量的な財政政策であり、決定や実施に時間がかかる可能性も考える。
- 選択肢1:不正解
この事例には新たな予算編成という意思決定がある。制度を変えずに作用する自動安定化装置とは区別される。 - 選択肢2:正解
支出を政策的に追加する裁量的対応である。計画、審議、発注、工事などに時間を要し、必要な時期とのずれが課題になる。 - 選択肢3:不正解
政府が民間企業へ発注する工事であっても、そのために政府が支出すれば財政支出である。受注者が民間かどうかで分類しない。 - 選択肢4:不正解
予算の成立は支出の実行そのものではない。実際の契約や工事の進行を経て需要が生じる。
復習のポイント:裁量的政策では、対策の規模だけでなく、決定から実施までの時間も検討する。
関連する一次資料:財政とは
PE171 / 300金融・財政・社会保障計算
超過累進課税
学習用仮想税制。日本の実際の税率表ではない| 課税所得の部分 | 税率 |
|---|
| 200万円以下の部分 | 10% |
| 200万円を超える部分 | 20% |
学習用の税制では、課税所得のうち200万円以下の部分に10%、200万円を超える部分に20%を課す。課税所得300万円の人の税額はいくらか。
- 30万円
- 40万円
- 60万円
- 80万円
答えと全選択肢の解説
正解:2 40万円
- 選択肢1:不正解
所得全体に10%を掛けた値である。200万円を超える100万円の部分には、20%を適用する。 - 選択肢2:正解
200万円×10%+100万円×20%=40万円。税率が高くなるのは上の区分に入る部分である。 - 選択肢3:不正解
所得全体に20%を掛けている。超過累進課税では、高い税率を下の区分の所得までさかのぼって適用しない。 - 選択肢4:不正解
最初の200万円に10%を課したうえで、全所得300万円に20%を重ねている。超過部分100万円だけに20%を適用する。
復習のポイント:超過累進課税は、所得を区分ごとに分けて税額を足し合わせる。
関連する一次資料:税の種類と分類「税」の意義と役割を知ろう
PE172 / 300金融・財政・社会保障資料読解
平均税率の読み取り
平均税率の比較(学習用仮想データ)/数値は下表にも掲載しています。
所得と平均税率。学習用仮想データ| 人 | 課税前所得 | 平均税率 |
|---|
| P | 200万円 | 5% |
| Q | 400万円 | 10% |
| R | 800万円 | 20% |
図表の税負担について、最も適切な説明を選ぼう。なお、平均税率は税額を課税前所得で割った割合である。
- P・Q・Rは同じ税額を負担している。
- 所得が高い人ほど平均税率が低いので、逆進的である。
- 所得が高い人ほど税額も所得に対する負担割合も大きい。
- Rの平均税率20%は、次に得る所得への限界税率が20%であることも示す。
答えと全選択肢の解説
正解:3 所得が高い人ほど税額も所得に対する負担割合も大きい。
- 選択肢1:不正解
税額はPが200×5%=10万円、Qが400×10%=40万円、Rが800×20%=160万円で、同じではない。 - 選択肢2:不正解
平均税率は5%、10%、20%と所得の順に高くなっている。割合の方向を逆に読んでいる。 - 選択肢3:正解
税額は10万円、40万円、160万円と増え、平均税率も上昇している。この表は累進的な負担を示している。 - 選択肢4:不正解
平均税率は所得全体に対する負担割合である。追加所得への限界税率は、税率表などの情報がなければ判断できない。
復習のポイント:税額・平均税率・限界税率はそれぞれ異なる指標。
関連する一次資料:税の種類と分類
PE173 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
直接税と間接税
税の制度上の分類について、適切なものを選ぼう。
- 給与から天引きされる所得税は、会社が納めるため間接税である。
- 消費税は、消費者が商品代金とともに支払うため直接税である。
- 所得税は地方税、消費税はすべて地方税である。
- 所得税は直接税、消費税は間接税に分類される。
答えと全選択肢の解説
正解:4 所得税は直接税、消費税は間接税に分類される。
- 選択肢1:不正解
源泉徴収は納付の手続であり、税の種類を間接税へ変えるわけではない。所得税は本人の所得に対して課される直接税である。 - 選択肢2:不正解
消費税は、制度上は消費者が負担し事業者が納付する間接税に分類される。店で支払うという行為だけで直接税とはしない。 - 選択肢3:不正解
国税・地方税という分類軸と、直接税・間接税という分類軸は別である。所得税は国税で、消費税には地方消費税と区別される国税部分がある。 - 選択肢4:正解
税を負担する者と納める者の関係に着目した制度上の分類である。源泉徴収などの手続とは区別する。
復習のポイント:給与天引きや店頭支払いの形ではなく、制度上の負担者・納税者の関係で分類する。
関連する一次資料:税の学習コーナー 用語集暮らしの中の税 身の回りの税
PE174 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
国税と地方税
日本の税を国税と地方税に分けた組合せとして正しいものを選ぼう。
- 所得税:国税 個人住民税:地方税
- 所得税:地方税 個人住民税:国税
- 法人税:地方税 固定資産税:国税
- 相続税:地方税 個人住民税:国税
答えと全選択肢の解説
正解:1 所得税:国税 個人住民税:地方税
- 選択肢1:正解
所得税は国税、個人住民税は道府県民税・市町村民税などの地方税である。同じ所得に関わる税でも課税主体は異なる。 - 選択肢2:不正解
分類が逆である。所得税は国に納め、住民税は地方公共団体に納める税である。 - 選択肢3:不正解
法人税は国税で、固定資産税は市町村税が原則である。法人住民税などの地方税と法人税を混同しない。 - 選択肢4:不正解
相続税は国税である。また個人住民税は地方税なので、両方の分類が逆になっている。
復習のポイント:「何に課税するか」と「国・地方のどちらの税か」は別に確認する。
関連する一次資料:暮らしの中の税 身の回りの税税の種類と分類
PE175 / 300金融・財政・社会保障計算
消費課税の負担割合
所得と消費。学習用仮想データ。実際の消費税の非課税・軽減税率等は考えない| 世帯 | 年間所得 | 年間税抜消費支出 |
|---|
| A | 200万円 | 160万円 |
| B | 600万円 | 360万円 |
表の2世帯が、税抜消費支出の全額に一律10%の仮想消費税を負担する。年間所得に対する税負担の割合について正しいものを選ぼう。
- A世帯は8%、B世帯は6%で、所得に対する割合はAが高い。
- A世帯は10%、B世帯も10%で、所得に対する割合は同じである。
- A世帯は6%、B世帯は8%で、所得に対する割合はBが高い。
- A世帯の税額はB世帯より多く、そのため所得に対する割合も高い。
答えと全選択肢の解説
正解:1 A世帯は8%、B世帯は6%で、所得に対する割合はAが高い。
- 選択肢1:正解
Aの税額は160×10%=16万円で16÷200=8%。Bは36万円で36÷600=6%。消費に同率で課税しても所得に対する負担割合は異なる。 - 選択肢2:不正解
10%は消費支出に対する税率である。ここで問う分母は所得なので、各世帯の消費割合を考慮しなければならない。 - 選択肢3:不正解
税額を所得で割るとAが8%、Bが6%である。金額の大きい世帯の方が割合も高いとは限らない。 - 選択肢4:不正解
税額はA16万円、B36万円なのでAの方が少ない。それでも所得を分母にするとAの負担割合が高いことが読み取れる。
復習のポイント:消費税の逆進性を考えるときは、税額の大小と「所得に対する割合」を分ける。
関連する一次資料:税の種類と分類「税」の意義と役割を知ろう
PE176 / 300金融・財政・社会保障資料読解
水平的公平と垂直的公平
A:「所得や家族状況などの条件が同じなら、職業が違っても同程度の負担とするべきだ。」
B:「経済力が大きい人には、その力に応じてより大きな負担を求めるべきだ。」
税負担についてのA・Bの意見と、公平の考え方との対応として適切なものを選ぼう。
- A:垂直的公平 B:水平的公平
- A:簡素の原則 B:中立の原則
- A:水平的公平 B:垂直的公平
- A:中立の原則 B:簡素の原則
答えと全選択肢の解説
正解:3 A:水平的公平 B:垂直的公平
- 選択肢1:不正解
同じ経済力に同じ負担を求めるAは水平的公平、異なる経済力に応じて負担を変えるBは垂直的公平であり、順序が逆である。 - 選択肢2:不正解
簡素は制度の分かりやすさ、中立は経済活動の選択をゆがめにくいことに関わる。A・Bは誰がどれだけ負担するかを論じている。 - 選択肢3:正解
Aは同等の負担能力の人同士の取扱い、Bは負担能力の異なる人同士の取扱いを問題にしている。それぞれ水平的公平・垂直的公平に対応する。 - 選択肢4:不正解
A・Bの主題は経済活動への影響や手続の複雑さではなく、負担能力に応じた税負担の配分である。
復習のポイント:同じ経済力の人の間は水平、異なる経済力の人の間は垂直という区別で読む。
関連する一次資料:「税」の意義と役割を知ろう
PE177 / 300金融・財政・社会保障事例判断
租税の原則
税制改正の検討会で「類似した商品の間に異なる税率を設けると、品質や必要性ではなく、税の違いだけを理由に商品を選びやすくなる」と指摘された。この指摘が最も直接問題にしている原則はどれか。
- 同じ経済力の人に同等の負担を求める水平的公平
- 経済力の大きい人により大きな負担を求める垂直的公平
- 税制や手続を分かりやすくする簡素の原則
- 経済活動の選択をゆがめにくくする中立の原則
答えと全選択肢の解説
正解:4 経済活動の選択をゆがめにくくする中立の原則
- 選択肢1:不正解
水平的公平は、同じ程度の負担能力の人の間で扱いに差がないかを考える。ここでは同じ人の商品選択が税によって変わる点が論じられている。 - 選択肢2:不正解
垂直的公平は、異なる負担能力の人の間の負担配分に関わる。所得の大小ではなく、税による商品選択への影響が焦点である。 - 選択肢3:不正解
税率の複雑さが手続や理解を難しくするなら簡素の原則に関わるが、この指摘は税による選択の変化を直接問題にしている。 - 選択肢4:正解
税の違いが商品選択を大きく左右することへの懸念なので、中立の原則が中心になる。手続の複雑さだけなら簡素の原則にも関わる。
復習のポイント:公平は負担配分、中立は行動への影響、簡素は制度や手続の分かりやすさに着目する。
関連する一次資料:「税」の意義と役割を知ろう
PE178 / 300金融・財政・社会保障事例判断
財政投融資
民間だけでは対応が難しい長期事業へ、国が調達した資金を貸し付け、事業の収入などから返済を受ける仕組みが検討されている。財政投融資の説明として適切なものを選ぼう。
- 国が行う融資は、借り手にとって返済義務のない給付と同じである。
- 貸付けや投資を通じた政策手段で、返済可能性や政策的な必要性を検討する。
- 財政投融資は、中央銀行が金融機関から国債を買う操作を意味する。
- 財政投融資の財源は、現在も郵便貯金の全額を国が自動的に預かる仕組みに限られる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 貸付けや投資を通じた政策手段で、返済可能性や政策的な必要性を検討する。
- 選択肢1:不正解
給付と融資は異なる。融資では原則として返済を受けるため、事業収入などの返済財源の検討が重要になる。 - 選択肢2:正解
財政投融資は政策目的を持つ投融資活動である。単なる支出ではなく、貸付金の回収や投資の収益性なども検討の対象になる。 - 選択肢3:不正解
国債買入れによる市場への資金供給は中央銀行の金融政策である。国による長期の投融資活動とは区別する。 - 選択肢4:不正解
現在の財政投融資は財投債の発行などにより資金を調達する。郵便貯金等の義務預託を前提とする旧制度を現行制度と混同している。
復習のポイント:財政投融資は「返済不要の支出」と区別し、政策目的と回収・収益の見通しを考える。
関連する一次資料:財政投融資(国からの資金の貸付・投資)
PE179 / 300金融・財政・社会保障計算
予算の歳入と歳出
仮想国の予算。学習用仮想データ| 項目 | 金額 |
|---|
| 歳出総額 | 120兆円 |
| 税収 | 75兆円 |
| 税外収入 | 5兆円 |
仮想国の予算で、歳出総額は120兆円、税収は75兆円、税外収入は5兆円である。不足額をすべて新たな国債収入で賄う場合、必要な国債収入はいくらか。
- 40兆円
- 45兆円
- 80兆円
- 120兆円
答えと全選択肢の解説
正解:1 40兆円
- 選択肢1:正解
国債以外の収入は75+5=80兆円。120−80=40兆円が不足するので、この分を国債で調達する。 - 選択肢2:不正解
120−75だけを計算し、税外収入5兆円を落としている。国債以外のすべての収入を差し引く。 - 選択肢3:不正解
80兆円は税収と税外収入の合計である。問われているのは、それでは足りない部分である。 - 選択肢4:不正解
歳出総額をそのまま国債で賄う必要はない。すでに税収と税外収入で80兆円を賄える。
復習のポイント:新たに必要な借入額は、歳出から借入れ以外の歳入を差し引いて求める。
関連する一次資料:財政に関する資料
PE180 / 300金融・財政・社会保障計算
公債依存度
学習用仮想データ。この問題は1年間の予算の財源構成を扱い、過去から積み上がった国債残高は計算に用いない。
ある年度の一般会計歳入総額が100兆円、そのうち公債金が30兆円である。公債依存度を「公債金÷歳入総額×100」で求めると、何%になるか。
- 3%
- 約43%
- 30%
- 70%
答えと全選択肢の解説
正解:3 30%
- 選択肢1:不正解
30÷100=0.3であり、百分率に直すと30%になる。小数点の位置と百分率への換算を確認する。 - 選択肢2:不正解
30÷70を計算した値に近いが、分母は公債金以外の歳入ではない。設問の定義では歳入総額100兆円を使う。 - 選択肢3:正解
30÷100×100=30%。一般会計の歳入のうち、どの程度を新たな公債収入に依存しているかを示している。 - 選択肢4:不正解
70%は公債金以外の歳入の割合である。借入れに依存する部分30兆円を分子に置く。
復習のポイント:公債依存度と債務残高のGDP比は、分子も分母も異なる。
関連する一次資料:財政に関する資料
PE181 / 300金融・財政・社会保障計算
基礎的財政収支
仮想予算。学習用仮想データ| 項目 | 金額 |
|---|
| 歳出総額 | 120兆円 |
| うち国債費 | 25兆円 |
| 税収 | 90兆円 |
| 税外収入 | 10兆円 |
| 国債収入 | 20兆円 |
表の仮想予算について、国債費を除く歳出と、税収・税外収入を比較した基礎的財政収支(プライマリーバランス)を求めよう。
- 20兆円の赤字
- 5兆円の赤字
- 20兆円の黒字
- 5兆円の黒字
答えと全選択肢の解説
正解:4 5兆円の黒字
- 選択肢1:不正解
国債収入20兆円をそのまま基礎的財政収支の赤字としている。基礎的財政収支では、歳出から国債費を除いて比較する。 - 選択肢2:不正解
国債費を除く歳出は120−25=95兆円、税収等は100兆円なので、赤字ではなく5兆円の黒字となる。 - 選択肢3:不正解
20兆円は国債による収入額である。借入れである国債収入は、基礎的財政収支の収入側に加えない。 - 選択肢4:正解
税収90+税外収入10=100兆円。国債費を除く歳出120−25=95兆円との差は+5兆円である。
復習のポイント:基礎的財政収支では、国債収入を除き、国債費を除いた歳出と比べる。
関連する一次資料:基礎的財政収支とは何ですか。何が分かりますか
PE182 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
基礎的財政収支と債務
基礎的財政収支が黒字になったという情報から、直ちに断定できないことを選ぼう。
- 対象とする収支の範囲で、税収等が国債費を除く歳出を上回った。
- 国債費を含む財政収支も黒字となり、債務残高が減少した。
- 国債の利払いを含む収支については、追加の確認が必要である。
- 対象とする政策的経費を、その時点の税収等で賄えている。
答えと全選択肢の解説
正解:2 国債費を含む財政収支も黒字となり、債務残高が減少した。
- 選択肢1:不正解
これは基礎的財政収支が黒字であるという意味に対応するため、この情報から読み取れる。ただし統計の対象範囲は確認する。 - 選択肢2:正解
基礎的財政収支の黒字より利払費が大きければ、利払いを含む財政収支は赤字になりうる。債務残高の減少まで保証する情報ではない。 - 選択肢3:不正解
基礎的財政収支は利払費などを除く指標なので、財政全体を見る際に追加確認が必要という判断は適切である。 - 選択肢4:不正解
対象とする政策的経費を税収等で賄えている点は読み取れる。債務残高の減少や将来の財政全体とは分けて評価する。
復習のポイント:プライマリーバランスの黒字と、利払いを含む財政収支の黒字は同じではない。
関連する一次資料:基礎的財政収支とは何ですか。何が分かりますか
PE183 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
建設国債と特例国債
建設国債と特例国債(赤字国債)について、適切な説明を選ぼう。
- 建設国債は、日本銀行の政策金利を変更するために発行される。
- 特例国債は寄付なので、国に返済義務は生じない。
- 建設国債は公共事業費などの財源に充てられ、特例国債は特例法に基づきその他の歳出財源の不足を補う。
- 建設国債と特例国債の違いは、購入できる人の年齢の違いである。
答えと全選択肢の解説
正解:3 建設国債は公共事業費などの財源に充てられ、特例国債は特例法に基づきその他の歳出財源の不足を補う。
- 選択肢1:不正解
建設国債は財政法で認められた公共事業費・出資金・貸付金の財源調達に関わる。政策金利の変更とは目的も主体も異なる。 - 選択肢2:不正解
特例国債も国の債務であり、利払い・償還が必要となる。税や寄付による収入と同じではない。 - 選択肢3:正解
発行の法的根拠や財源の使途に着目する区別である。特例国債は、建設国債を発行してもなお不足する財源を補うために用いられる。 - 選択肢4:不正解
購入者の年齢による区分ではない。発行目的・法的根拠による分類と、販売対象や商品設計の分類を分ける。
復習のポイント:建設国債・特例国債は、国債の使途や発行根拠に着目した分類。
関連する一次資料:赤字国債と建設国債の違いを教えてください国債とは
PE184 / 300金融・財政・社会保障資料読解
フローとストック
国債発行額と残高。学習用仮想データ| 年度 | 新規国債発行額 | 年度末国債残高 |
|---|
| X年度 | 30兆円 | 530兆円 |
| X+1年度 | 20兆円 | 550兆円 |
表の2年間の数値から適切に読み取れるものを選ぼう。なお、借換えなどを除いて単純化している。
- 新規国債発行額は減ったが、年度末の国債残高は増えた。
- 新規国債発行額が減ったため、年度末の国債残高も減った。
- 年度末の国債残高の増加率は、新規国債発行額の減少率と同じである。
- 新規国債発行額と年度末の国債残高は、どちらもその1年間の収入を示す。
答えと全選択肢の解説
正解:1 新規国債発行額は減ったが、年度末の国債残高は増えた。
- 選択肢1:正解
新規発行は30兆円から20兆円へ減少しているが、残高は530兆円から550兆円へ増加している。増える速さが小さくなることと、残高自体が減ることは違う。 - 選択肢2:不正解
発行額が減っても、新たな債務が加わる限り残高が増える場合がある。実際に表では20兆円増えている。 - 選択肢3:不正解
新規発行の減少率は10÷30で約33.3%、残高の増加率は20÷530で約3.8%であり、同じではない。 - 選択肢4:不正解
新規発行額は期間中のフロー、年度末残高は一時点のストックである。両方を年間収入とみなしてはいけない。
復習のポイント:「赤字や発行額が減る」と「債務残高が減る」は別の変化。
関連する一次資料:財政に関する資料
PE185 / 300金融・財政・社会保障計算
金利と利払費
学習用仮想データ。国債の発行価格は額面と同じとし、全額が同時に借り換わり、新利率が1年間適用されるものとする。
単純化して、額面100兆円の国債全額を年利1%から年利2%の国債に借り換えたとする。1年分の利払費はどう変化するか。
- 1兆円から2兆円になり、2兆円増える。
- 1兆円から1.02兆円になり、0.02兆円増える。
- 100兆円から102兆円になり、2兆円増える。
- 1兆円から2兆円になり、1兆円増える。
答えと全選択肢の解説
正解:4 1兆円から2兆円になり、1兆円増える。
- 選択肢1:不正解
利払費の水準は正しいが、増加額は2−1=1兆円である。新しい利払費全額を増加額にしない。 - 選択肢2:不正解
利率が1%から2%へ変わるのであり、旧利払費を2%増やすのではない。新利率2%を元本100兆円に掛ける。 - 選択肢3:不正解
100兆円は元本であり、利払費ではない。利払費は元本に利率を掛けて求める。 - 選択肢4:正解
旧利払費は100×1%=1兆円、新利払費は100×2%=2兆円。差は1兆円である。実際は借換え時期などにより影響が徐々に表れる。
復習のポイント:利払費は元本×利率で求め、既発債の金利と借換え時の金利を区別する。
関連する一次資料:財政に関する資料
PE186 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
一般会計と特別会計
一般会計と特別会計について、適切な説明を選ぼう。
- 特別会計は国会の審議を必要としない、政府外の民間口座である。
- 特別会計は、特定の事業などの収支を一般会計と区分して経理するために設ける。
- 一般会計の歳出と特別会計の歳出を単純に足せば、会計間の移し替えによる重複は生じない。
- 特別会計は国債の利払いだけを扱い、年金などの事業は扱わない。
答えと全選択肢の解説
正解:2 特別会計は、特定の事業などの収支を一般会計と区分して経理するために設ける。
- 選択肢1:不正解
特別会計も国の会計であり、予算は国会の議決の対象となる。一般会計と区分することは、国会の統制から外すことではない。 - 選択肢2:正解
特定の事業や資金運用の収支を分けて示し、状況を明確にするための会計である。法律に基づき設けられる。 - 選択肢3:不正解
一般会計から特別会計への繰入れなどがあるため、単純合計には重複が含まれうる。国全体の規模を見る際は純計に注意する。 - 選択肢4:不正解
国債整理基金特別会計のほか、年金などの特定事業に関する特別会計もある。扱う対象を国債に限定するのは誤りである。
復習のポイント:特別会計は国の会計の区分であり、規模を比較する際は会計間の重複に注意する。
関連する一次資料:一般会計に対して、特別会計とは何ですか
PE187 / 300金融・財政・社会保障資料読解
社会保障の四つの分野
社会保障の事例| 記号 | 事例 |
|---|
| A | 障害のある人の地域生活を福祉サービスで支える |
| B | 地域で感染症の発生状況を把握し、予防に取り組む |
| C | 生活保護によって最低限度の生活を保障する |
表の事例を、社会保障の分野へ対応させた組合せとして正しいものを選ぼう。
- A:社会保険 B:社会福祉 C:公的扶助
- A:公的扶助 B:社会保険 C:社会福祉
- A:社会福祉 B:保健医療・公衆衛生 C:公的扶助
- A:保健医療・公衆衛生 B:公的扶助 C:社会保険
答えと全選択肢の解説
正解:3 A:社会福祉 B:保健医療・公衆衛生 C:公的扶助
- 選択肢1:不正解
Cは適切だが、Aの障害福祉サービスは社会福祉、Bの感染症予防は保健医療・公衆衛生に対応する。 - 選択肢2:不正解
生活保護に当たるのはCである。保険料と保険給付の仕組みかどうかを見ずに、すべての支援を社会保険と扱わない。 - 選択肢3:正解
障害福祉の支援、集団の健康を守る感染症対策、生活保護による最低生活の保障という、目的の違いから分類できる。 - 選択肢4:不正解
Bの感染症予防は所得不足への扶助ではない。Cは事前の保険料拠出を中心とする保険ではなく、生活保護である。
復習のポイント:社会保障は社会保険だけでなく、社会福祉・公的扶助・保健医療公衆衛生も含む。
関連する一次資料:社会保障とは何か
PE188 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
社会保険と公的扶助
社会保険と公的扶助の基本的な違いについて、最も適切な説明を選ぼう。
- 公的扶助の給付額は、本人が過去に納めた保険料の総額だけで決まる。
- 社会保険は保険料だけで運営され、公費が入ることはない。
- 社会保険は、本人の預金残高をそのまま本人へ払い戻す仕組みである。
- 社会保険はリスクを共同で支える仕組みで、公的扶助は生活困窮に対し公費で必要な保護を行う。
答えと全選択肢の解説
正解:4 社会保険はリスクを共同で支える仕組みで、公的扶助は生活困窮に対し公費で必要な保護を行う。
- 選択肢1:不正解
過去の保険料拠出を給付の前提とする説明は、公的扶助に当てはまらない。生活保護では生活の必要と収入・資産等を踏まえて判断する。 - 選択肢2:不正解
日本の社会保険には保険料に加えて公費を用いるものがある。「社会保険だから税は使わない」と決めつけない。 - 選択肢3:不正解
社会保険は加入者のリスクを集団で分担する仕組みであり、個人の預金の単純な引出しではない。給付は制度上の要件に基づく。 - 選択肢4:正解
社会保険は疾病・老齢などのリスクに備える共同の仕組みである。公的扶助は事前の保険料納付を前提とせず、困窮に応じた保障を行う。
復習のポイント:社会保険はリスクの分担、公的扶助は困窮に応じた最低生活の保障という仕組みの違いを押さえる。
関連する一次資料:社会保障教育生活保護制度
PE189 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
公的年金の二階建て
日本の公的年金の基本構造について正しいものを選ぼう。
- 厚生年金保険の加入者は、基礎年金に上乗せする形で厚生年金の給付を受ける仕組みに入る。
- 会社員は厚生年金だけに加入するため、基礎年金の対象にはならない。
- 国民年金は自営業者だけに限られ、学生は制度の対象にならない。
- 国民年金と厚生年金は、本人が好みに応じてどちらか一方を自由に選ぶ制度である。
答えと全選択肢の解説
正解:1 厚生年金保険の加入者は、基礎年金に上乗せする形で厚生年金の給付を受ける仕組みに入る。
- 選択肢1:正解
公的年金は共通の基礎年金と、会社員などが加入する厚生年金の上乗せという構造を持つ。給付の具体的な受給には要件がある。 - 選択肢2:不正解
厚生年金の加入者も基礎年金の仕組みに含まれる。二階部分への加入を、一階部分からの脱退と捉えてはいけない。 - 選択肢3:不正解
国内に住む20歳以上60歳未満の人は国民年金への加入が原則で、学生も対象となる。納付の特例などと加入の有無を区別する。 - 選択肢4:不正解
加入区分は働き方などの制度上の条件で決まる。民間保険の商品を選ぶように自由にどちらか一方を選ぶ仕組みではない。
復習のポイント:厚生年金は基礎年金と切り離された代替制度ではなく、上乗せ部分を持つ。
関連する一次資料:公的年金制度の種類と加入する制度
PE190 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
賦課方式と積立方式
日本の公的年金の財政方式について、適切なものを選ぼう。
- 加入者が納めた保険料を本人専用の口座に全額積み立て、その額だけを老後に返す。
- 賦課方式なので積立金は保有せず、その運用収入も利用しない。
- 現役世代の保険料をその時点の給付に充てる賦課方式を基本とし、公費や積立金も活用する。
- 年金給付の財源は、その年に発行された国債だけに限られる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 現役世代の保険料をその時点の給付に充てる賦課方式を基本とし、公費や積立金も活用する。
- 選択肢1:不正解
これは個人ごとの積立て・取崩しに近い説明である。日本の公的年金は、本人の保険料をそのまま本人へ返す仕組みではない。 - 選択肢2:不正解
賦課方式を基本としながら、日本の公的年金は積立金も保有・活用している。方式名だけから積立金がゼロだと推定しない。 - 選択肢3:正解
現役世代による支えを基本に、国庫負担や積立金の活用を組み合わせる。純粋な一つの財源だけで運営しているわけではない。 - 選択肢4:不正解
主な財源には保険料や国庫負担があり、積立金も活用する。国債のみを財源とするという説明は誤りである。
復習のポイント:日本の公的年金は賦課方式を基本とするが、積立金も用いる。
関連する一次資料:賦課方式と積立方式年金制度の仕組みと考え方 第4 公的年金制度の財政方式
PE191 / 300金融・財政・社会保障事例判断
公的年金が備えるリスク
高校生が「公的年金は高齢者になってからだけ関係する」と話した。この理解を補う説明として適切なものを選ぼう。
- 公的年金は、病院でかかった医療費をすべて払い戻す制度でもある。
- 老齢に加え、所定の要件を満たす障害や、家計を支える人の死亡に伴う遺族の生活にも備える。
- 公的年金の障害給付は、保険料納付状況や障害の状態に関係なく同額が支給される。
- 公的年金は、失業したときの求職活動中の生活費だけを保障する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 老齢に加え、所定の要件を満たす障害や、家計を支える人の死亡に伴う遺族の生活にも備える。
- 選択肢1:不正解
医療費の給付は主に医療保険の領域である。障害年金は、医療費の領収書をそのまま払い戻す給付ではない。 - 選択肢2:正解
公的年金には老齢年金・障害年金・遺族年金がある。若い世代にも関わるが、それぞれ保険料納付状況や対象者などの受給要件がある。 - 選択肢3:不正解
障害年金には障害の状態や初診日、保険料納付などの要件がある。一律無条件に支給される制度と説明しない。 - 選択肢4:不正解
失業時の求職者給付などは雇用保険の領域である。公的年金と雇用保険を、生活費を支えるという共通点だけで同一視しない。
復習のポイント:公的年金の三つの柱は老齢・障害・遺族であり、受給要件はそれぞれ異なる。
関連する一次資料:年金を受け取る(請求する方)
PE192 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
国民皆保険
日本の国民皆保険について、適切な説明を選ぼう。
- 国内の医療機関はすべて国が直接経営するという意味である。
- 国民全員が同じ一つの保険者へ同額の保険料を納めるという意味である。
- 医療を受けた人に窓口での自己負担がないという意味である。
- 公的医療保険によって幅広く医療へのアクセスを支え、加入先や保険料負担の仕組みは立場により異なる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 公的医療保険によって幅広く医療へのアクセスを支え、加入先や保険料負担の仕組みは立場により異なる。
- 選択肢1:不正解
国民皆保険は医療保険の仕組みに関する概念であり、医療機関の所有・経営形態をすべて国営にすることではない。 - 選択肢2:不正解
被用者保険、国民健康保険などの仕組みがあり、保険者や保険料の決まり方は異なる。皆保険と制度の一本化は同じではない。 - 選択肢3:不正解
公的医療保険の下でも、年齢・所得などに応じた自己負担がある。皆保険は医療費がすべて無料という意味ではない。 - 選択肢4:正解
働き方や年齢などに応じた制度が組み合わされ、医療費のリスクを社会で支える。保険への加入が原則となる仕組みと、負担の一律性は区別する。
復習のポイント:皆保険は医療費リスクを広く支える仕組みであり、国営医療・一律保険料・無料医療と同義ではない。
関連する一次資料:医療保険
PE193 / 300金融・財政・社会保障事例判断
高額療養費制度
病気の治療が長引いた家族が、医療費の負担を心配している。高額療養費制度の基本的な働きとして適切なものを選ぼう。
- 保険診療の自己負担が一定の限度額を超える場合、その超過負担を軽減する。
- 医療機関が自由に決めたすべての料金を、所得にかかわらず全額支給する。
- 前年に払った民間医療保険の保険料を、国が払い戻す。
- 医療費が高額になると、公的医療保険からの給付を停止する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 保険診療の自己負担が一定の限度額を超える場合、その超過負担を軽減する。
- 選択肢1:正解
対象となる医療費について、年齢や所得などに応じた自己負担限度額を設け、家計の過大な負担を軽減する。具体的な対象・手続は制度の条件による。 - 選択肢2:不正解
保険診療を中心とする制度であり、差額ベッド代など対象外の費用もある。所得等による限度額の違いもある。 - 選択肢3:不正解
対象は民間保険料の返還ではなく、公的医療保険の下で生じる医療費の自己負担である。税の控除とも異なる。 - 選択肢4:不正解
高額になると保障を止めるのではなく、一定の限度を超える負担を軽減する仕組みである。
復習のポイント:高額療養費は、医療費の自己負担に上限を設ける仕組みで、対象外費用もある。
関連する一次資料:高額療養費制度を利用される皆さまへ
PE194 / 300金融・財政・社会保障正誤判断
介護保険の主体
介護保険制度について、基本的な説明として適切なものを選ぼう。
- 都道府県だけが保険者となり、市町村は認定に関与しない。
- 65歳になれば要介護状態等の認定を受けなくても介護給付を利用できる。
- 市町村・特別区が保険者となり、認定などの条件に基づき必要な介護サービスを支える。
- 保険料を納めている40歳以上の人は、介護が必要となった原因を問わず同じ条件で給付を受ける。
答えと全選択肢の解説
正解:3 市町村・特別区が保険者となり、認定などの条件に基づき必要な介護サービスを支える。
- 選択肢1:不正解
介護保険の保険者は市町村・特別区である。都道府県の支援・調整などの役割と、地域での保険運営や認定の役割を分ける。 - 選択肢2:不正解
65歳以上は第1号被保険者となるが、介護給付には要介護認定などの条件がある。被保険者になることと、給付を利用できることは同じではない。 - 選択肢3:正解
地域の保険者が要介護・要支援認定などに基づいて、利用者の自立した生活を支えるサービスにつなぐ制度である。 - 選択肢4:不正解
40歳から64歳の第2号被保険者では、特定疾病により要介護・要支援状態になることが給付の条件となる。年齢区分で対象条件が異なる。
復習のポイント:介護保険は市町村等が運営し、対象条件と認定に基づいてサービスを支える。
関連する一次資料:介護保険とは
PE195 / 300金融・財政・社会保障計算
生活保護の不足分給付
給付の仕組みを理解するための学習用仮想データ。実際の支給額の計算例ではない| 項目 | 月額 |
|---|
| 最低生活費 | 15万円 |
| 収入認定される額 | 6万円 |
学習用に単純化すると、ある世帯の最低生活費は月15万円、収入認定される額は月6万円で、他に収入・活用できる資産はない。不足分を補う給付の考え方による月額はいくらか。
- 6万円
- 9万円
- 15万円
- 21万円
答えと全選択肢の解説
正解:2 9万円
- 選択肢1:不正解
6万円は世帯の認定収入である。給付額を求めるには、最低生活費との差額を計算する。 - 選択肢2:正解
15万円−6万円=9万円。認定収入に給付を加えて、必要な最低生活費に届くよう不足分を補うという考え方である。 - 選択肢3:不正解
最低生活費15万円を認定収入にそのまま上乗せするわけではない。収入6万円で満たせる分を差し引く。 - 選択肢4:不正解
最低生活費と収入を足し合わせている。不足分の給付なので、足し算ではなく差額を求める。
復習のポイント:生活保護の基本は、認定された必要額と収入等の差を補うという考え方。
関連する一次資料:生活保護制度
PE196 / 300金融・財政・社会保障資料読解
再分配前後の所得差
2世帯の所得と負担・給付。学習用仮想データ(年額)| 世帯 | 当初所得 | 税・社会保険料 | 現金給付 |
|---|
| A | 200万円 | 20万円 | 40万円 |
| B | 800万円 | 280万円 | 20万円 |
税・社会保険料の負担と現金給付を反映した後の2世帯の所得について、適切なものを選ぼう。世帯人数は同じとする。
- 再分配後の所得はAが220万円、Bが540万円で、差は320万円に縮小する。
- 再分配後の所得はAが180万円、Bが720万円で、差は540万円に拡大する。
- 給付だけを見ると両世帯が増えるため、所得差は変わらない。
- 税・保険料は社会へ払う額なので、再分配後所得の計算では加える。
答えと全選択肢の解説
正解:1 再分配後の所得はAが220万円、Bが540万円で、差は320万円に縮小する。
- 選択肢1:正解
Aは200−20+40=220万円、Bは800−280+20=540万円。差は600万円から320万円へ縮小している。 - 選択肢2:不正解
Aの給付40万円を加えていないうえ、Bの負担280万円も正しく引けていない。各世帯で所得−負担+給付を計算する。 - 選択肢3:不正解
給付の増加幅自体も両世帯で異なり、負担額も違う。給付だけでなく税・社会保険料を含めて比較する必要がある。 - 選択肢4:不正解
家計から外へ出る税・保険料は、再分配後の家計所得では差し引く。社会全体の財源と家計の受取額を区別する。
復習のポイント:再分配後の所得は、当初所得から負担を引き、給付を加えて比較する。
関連する一次資料:所得再分配調査 調査の概要
PE197 / 300金融・財政・社会保障資料読解
ジニ係数の比較
再分配前後の格差(学習用仮想データ)/数値は下表にも掲載しています。
再分配前後のジニ係数。学習用仮想データ| 国・段階 | ジニ係数 |
|---|
| A国・再分配前 | 0.50 |
| A国・再分配後 | 0.30 |
| B国・再分配前 | 0.45 |
| B国・再分配後 | 0.35 |
ジニ係数は、ここでは0から1の範囲で、0に近いほど所得分布の格差が小さい指標とする。図表について正しく読み取ったものを選ぼう。
- 再分配後のB国の方が、A国より格差が小さい。
- A国の改善幅は0.10、B国の改善幅は0.20である。
- 両国とも再分配後にジニ係数が下がり、A国の低下幅の方が大きい。
- 再分配後の係数が0.30のA国では、全世帯が平均所得の30%を得ている。
答えと全選択肢の解説
正解:3 両国とも再分配後にジニ係数が下がり、A国の低下幅の方が大きい。
- 選択肢1:不正解
再分配後はA国0.30、B国0.35で、0に近いA国の方が格差は小さい。この指標では数値の高低の意味を逆に読まない。 - 選択肢2:不正解
A国は0.50−0.30=0.20、B国は0.45−0.35=0.10なので、低下幅の対応が逆である。 - 選択肢3:正解
A国は0.20、B国は0.10下がっている。両国とも再分配後の格差が小さく、低下幅はA国が大きいと読める。 - 選択肢4:不正解
ジニ係数は所得分布の不平等度を集約した指標であり、各世帯の所得が平均の何%かを直接表す数値ではない。
復習のポイント:ジニ係数は低いほど格差が小さく、低下幅と低下後の水準は別々に読む。
関連する一次資料:令和5年所得再分配調査 報告書
PE198 / 300金融・財政・社会保障計算
国民負担率
国民所得と負担。学習用仮想データ| 項目 | 額 |
|---|
| 国民所得 | 400兆円 |
| 国内総生産(GDP) | 480兆円 |
| 租税負担 | 100兆円 |
| 社会保障負担 | 60兆円 |
国民負担率を「(租税負担+社会保障負担)÷国民所得×100」で求める。表の数値から計算した国民負担率として正しいものを選ぼう。
- 25%
- 15%
- 約33.3%
- 40%
答えと全選択肢の解説
正解:4 40%
- 選択肢1:不正解
100÷400×100=25%で、租税負担だけを分子に置いた租税負担率である。社会保障負担60兆円も加える。 - 選択肢2:不正解
60÷400×100=15%で、社会保障負担率だけを示している。国民負担率では租税負担も合わせる。 - 選択肢3:不正解
160÷480×100で約33.3%となるが、分母にGDPを用いている。設問の定義では国民所得400兆円を使う。 - 選択肢4:正解
(100+60)÷400×100=40%。国全体の指標であり、すべての個人が所得の40%を負担するという意味ではない。
復習のポイント:国民負担率は税と社会保障負担の合計を国民所得で割る指標で、個人の天引き率ではない。
関連する一次資料:負担率に関する資料
PE199 / 300金融・財政・社会保障資料読解
負担と給付の国際比較
公的負担率だけで暮らしを比較できるか(学習用仮想データ)/数値は下表にも掲載しています。
2国の制度の比較。学習用仮想データ| 項目 | X国 | Y国 |
|---|
| 公的負担率 | 30% | 45% |
| 医療の公的保障の範囲 | 比較的狭い | 比較的広い |
| 民間保険料や医療の自己負担 | 情報なし | 情報なし |
2国の公的負担を比べるとき、資料から導ける最も適切な考え方を選ぼう。
- 公的負担率が低いX国の方が、家計の医療費を含む総負担も小さいと断定できる。
- Y国は公的負担率が高いため、すべての住民の生活満足度が高いと断定できる。
- 公的負担率には民間保険料や医療の自己負担もすべて含まれるため、追加情報は不要である。
- 公的負担率に加え、給付の範囲や民間負担、所得分布などを調べなければ家計の状況は評価できない。
答えと全選択肢の解説
正解:4 公的負担率に加え、給付の範囲や民間負担、所得分布などを調べなければ家計の状況は評価できない。
- 選択肢1:不正解
X国では公的制度の対象外となる費用を私的に払っている可能性がある。公的負担の低さだけで家計の総負担の低さは分からない。 - 選択肢2:不正解
給付の内容やアクセス、所得階層ごとの負担などを確かめる必要がある。国全体の比率から全員の満足度を断定できない。 - 選択肢3:不正解
国民負担率は租税と社会保障負担を捉える指標で、民間保険料やすべての自己負担を含む総生活費の指標ではない。 - 選択肢4:正解
負担と給付を組み合わせて検討する必要がある。制度の範囲が違う国を一つの比率だけで順位付けしないことが重要になる。
復習のポイント:制度の比較は、公的負担の大きさだけでなく、何が保障され、何を私費で賄うかまで見る。
関連する一次資料:負担率に関する資料社会保障とは何か
PE200 / 300金融・財政・社会保障資料読解
政策の効果と限界
仮想の地域で、大規模災害により工場と輸送路が損傷した。一部の商品の供給が減って価格が上昇し、働ける時間の減少で家計の収入も落ち込んでいる。政府と中央銀行がそれぞれ対応を検討している。
次の状況で、政策の効果と限界を考えた説明として最も適切なものを選ぼう。
- 政策金利の引下げだけで、被災した工場の生産設備を直ちに元通りにできる。
- 物価が上がっているため、生活が苦しい世帯への支援の必要性は検討しなくてよい。
- 金融政策の需要への作用と、財政による復旧・対象を絞った支援の作用を分けて検討する。
- 公共施設の復旧は資源配分の問題なので、雇用や需要への影響は生じない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 金融政策の需要への作用と、財政による復旧・対象を絞った支援の作用を分けて検討する。
- 選択肢1:不正解
金利は資金調達や需要に働きかけるが、損壊した設備や輸送路を直接修復する手段ではない。政策手段が作用する経路を区別する。 - 選択肢2:不正解
物価上昇は家計の購買力を圧迫することがある。影響を受ける層や財源、需要への影響を確かめながら支援を検討する必要がある。 - 選択肢3:正解
供給制約、家計への影響、需要の状態は別々に確認する。金融政策と復旧・給付などの財政政策は手段が違い、それぞれの効果と副作用を考える。 - 選択肢4:不正解
一つの政策が複数の効果を持つことはある。復旧は供給力の回復に加え、発注や雇用を通じて需要にも影響しうる。
復習のポイント:物価や景気の変化は原因を確かめ、政策の手段・対象・波及経路を対応させる。
関連する一次資料:最近の経済・物価情勢と金融政策運営(政策の波及の説明)財政とは
国際政治・経済 50問国連・安全保障・貿易・為替・国際機関・開発
PE201 / 300国際政治・経済事例判断
主権平等
国連加盟国である、人口の少ないA国と人口の多いB国が国連総会に出席した。主権平等と総会の制度について、最も適切な説明はどれか。
- 両国は総会でそれぞれ1票を持つが、経済力や外交上の影響力まで等しいとは限らない。
- 人口を基準に票数を配分することで、国家の主権平等が実現される。
- 総会では平等に1票を持つため、安保理でも全加盟国が同じ権限を持つ。
- 主権平等とは、国連の決定への協力義務を各国が自由に免除できることをいう。
答えと全選択肢の解説
正解:1 両国は総会でそれぞれ1票を持つが、経済力や外交上の影響力まで等しいとは限らない。
- 選択肢1:正解
国家の法的地位の平等と、現実の国力の差は区別する。総会は一国一票だが、軍事力・経済力などは国ごとに異なる。 - 選択肢2:不正解
人口比例は国内の代表制で用いられる発想である。国連総会の投票権は人口比例ではなく、一国につき1票である。 - 選択肢3:不正解
総会の制度を安保理にそのまま当てはめている。安保理は15理事国で構成され、常任理事国には特別の地位がある。 - 選択肢4:不正解
主権平等は条約上の義務を免除する原理ではない。国連加盟国は憲章に基づく義務を誠実に履行する必要がある。
復習のポイント:法的な主権平等と、現実の国力の平等を分ける。
関連する一次資料:国連広報センター:国連憲章テキスト
PE202 / 300国際政治・経済資料読解
拒否権と棄権
安保理15理事国の投票。学習用仮想データ| 区分 | 賛成 | 反対 | 棄権 |
|---|
| 常任理事国 | 4 | 0 | 1 |
| 非常任理事国 | 5 | 3 | 2 |
安保理が第7章に基づく実質事項の決議案を採決した。次の仮想結果の場合、決議案はどうなるか。
- 常任理事国が1か国棄権したため、拒否権が行使され否決される。
- 賛成が9票以上あり、常任理事国の反対がないため採択される。
- 非常任理事国が3か国反対したため、拒否権が行使され否決される。
- 全15理事国の3分の2に達していないため、採択されない。
答えと全選択肢の解説
正解:2 賛成が9票以上あり、常任理事国の反対がないため採択される。
- 選択肢1:不正解
棄権と反対を混同している。実質事項に対する常任理事国の反対票が、通常いう拒否権の行使となる。 - 選択肢2:正解
賛成は4+5=9票で、常任理事国の反対は0票である。慣行上、常任理事国の棄権は拒否権の行使と扱われない。 - 選択肢3:不正解
非常任理事国は反対票を投じられるが、単独の反対で採択を阻止する拒否権を持たない。必要な賛成票数を確認する。 - 選択肢4:不正解
安保理の採択要件は全体の3分の2ではなく、9理事国以上の賛成などである。総会の重要問題の基準と区別する。
復習のポイント:安保理は「9票以上」と「常任理事国の反対の有無」を別々に確認する。
関連する一次資料:国連広報センター:安全保障理事会
PE203 / 300国際政治・経済資料読解
手続事項の採決
2件の決議案への投票。学習用仮想データ| 決議案 | 種類 | 賛成票 | 常任理事国の反対票 |
|---|
| X | 手続事項 | 9 | 1 |
| Y | 実質事項 | 9 | 1 |
安保理の手続事項と実質事項について、表の仮想結果から正しく判断したものはどれか。実質事項は第7章に基づくものとする。
- XもYも、常任理事国の反対により採択されない。
- Xは採択されず、Yは採択される。
- Xは採択され、Yは採択されない。
- XもYも、賛成が9票あるので採択される。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Xは採択され、Yは採択されない。
- 選択肢1:不正解
拒否権を手続事項にまで適用している。Xは手続事項なので、常任理事国の反対があっても9票以上の賛成で採択される。 - 選択肢2:不正解
手続事項と実質事項の扱いが逆である。常任理事国の反対が採択を妨げるのは、この問題では実質事項Yである。 - 選択肢3:正解
手続事項は9理事国の賛成で採択される。実質事項Yでは常任理事国1か国の反対があるため、9票の賛成があっても採択されない。 - 選択肢4:不正解
Yの賛成票数だけを見ている。実質事項には常任理事国の反対がないという条件も必要である。
復習のポイント:拒否権の問題は、最初に手続事項か実質事項かを読む。
関連する一次資料:国連広報センター:国連憲章テキスト国連広報センター:安全保障理事会
PE204 / 300国際政治・経済正誤判断
総会と安保理
国連総会と安全保障理事会の権限の比較として、最も適切なものはどれか。
- 総会の勧告は、国内の法律と同じ仕組みで各国民に直接罰則を科す。
- 安保理は全加盟国の代表で構成され、総会は15か国の代表で構成される。
- 総会は国連予算に関与せず、安保理が予算の承認を専属的に担う。
- 総会は広い分野について勧告でき、安保理は平和と安全に主要な責任を負う。
答えと全選択肢の解説
正解:4 総会は広い分野について勧告でき、安保理は平和と安全に主要な責任を負う。
- 選択肢1:不正解
総会の一般的な勧告を国内法と同一視している。総会には予算などの決定権もあるが、一般的勧告が各国民への罰則を直接作るわけではない。 - 選択肢2:不正解
構成が逆である。総会は全加盟国、安保理は常任理事国5か国と非常任理事国10か国で構成される。 - 選択肢3:不正解
国連予算を審議・承認するのは総会である。安保理の平和・安全分野の権限と、総会の予算権限を分ける。 - 選択肢4:正解
総会は多数の問題を討議し勧告する場であり、安保理は国際の平和と安全の維持に主要な責任を持つ。機関ごとの役割を押さえる。
復習のポイント:総会=全加盟国の討議・勧告、安保理=平和と安全への主要な責任。
関連する一次資料:国連広報センター:国連憲章テキスト
PE205 / 300国際政治・経済事例判断
国連の非軍事的措置
安保理が平和に対する脅威を認定し、加盟国に経済制裁の実施を求める拘束的決定を行った。この仕組みの説明として最も適切なものはどれか。
- 国連憲章第7章には、武力行使を伴わない措置をとる枠組みもある。
- 第7章に基づく措置は軍事行動に限られ、経済制裁は含まれない。
- 安保理の決定を実施するかどうかは、各国が加盟時に負った義務と関係しない。
- 安保理が経済制裁を決定すると、対象国は同時に国連から自動的に除名される。
答えと全選択肢の解説
正解:1 国連憲章第7章には、武力行使を伴わない措置をとる枠組みもある。
- 選択肢1:正解
第41条は経済関係の中断など非軍事的措置を規定している。集団安全保障を軍事行動だけに限定しないことが大切である。 - 選択肢2:不正解
第7章には非軍事的措置と軍事的措置の双方が規定される。第41条の措置と第42条の措置を区別する。 - 選択肢3:不正解
加盟国は憲章に従って安保理の決定を受諾・履行する義務を負う。設問の拘束的決定を、任意の提案と読み替えてはいけない。 - 選択肢4:不正解
制裁と除名は別の制度である。除名には安保理の勧告に基づく総会の決定が必要で、制裁から自動的に生じない。
復習のポイント:集団安全保障の措置には、経済制裁など武力を用いないものもある。
関連する一次資料:国連広報センター:国連憲章テキスト
PE206 / 300国際政治・経済事例判断
集団安全保障と集団的自衛権
学習用の会話。X「国連の枠組みで、平和を破る行為に加盟国が共同で対処する。」Y「武力攻撃を受けた国の要請を受け、その国を他国が防衛する権利が問題になる。」
国際社会の安全保障について、会話のXとYの区別として最も適切なものはどれか。
- Xは集団的自衛権、Yは集団安全保障に関わる説明である。
- Xは集団安全保障、Yは集団的自衛権に関わる説明である。
- XもYも、国連総会が加盟国に軍事行動を命令する仕組みである。
- XもYも、武力攻撃を受けた国の単独の個別的自衛権を意味する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Xは集団安全保障、Yは集団的自衛権に関わる説明である。
- 選択肢1:不正解
分類が逆である。国連の枠組みによる共同の強制措置と、攻撃された他国への支援という自衛の仕組みを分ける。 - 選択肢2:正解
Xは平和を破る行為に共同で対処する仕組みである。Yは武力攻撃を受けた他国を、その要請等の条件の下で助ける集団的自衛権の問題となる。 - 選択肢3:不正解
Yは総会の命令を前提としていない。Xでも安保理の権限が中心となり、両者を総会の命令で説明することはできない。 - 選択肢4:不正解
個別的自衛権は攻撃を受けた自国を守る権利である。複数国による措置や他国の防衛を含む設問とは一致しない。
復習のポイント:「集団」という語だけでなく、共同の制裁か、攻撃された他国の防衛かを見る。
関連する一次資料:国連広報センター:国連憲章テキスト
PE207 / 300国際政治・経済事例判断
PKOの基本原則
停戦後の地域に展開する国連PKOについて、基本原則に沿った説明はどれか。
- 不偏性とは、任務に反する行為にも対応せず、当事者の要求を同じ数だけ受け入れることである。
- 当事者の同意を原則とするため、PKOは軍人を含まず、民間人だけで編成される。
- 主たる紛争当事者の同意や不偏性を重視し、自衛・任務防衛を除く武力不行使を原則とする。
- 国連PKOは、一方の当事者を軍事的に勝利させることを共通の基本任務とする。
答えと全選択肢の解説
正解:3 主たる紛争当事者の同意や不偏性を重視し、自衛・任務防衛を除く武力不行使を原則とする。
- 選択肢1:不正解
不偏性は任務や原則に基づいて公平に対応することを意味する。違反に無対応でいることや、要求の機械的な均等配分とは異なる。 - 選択肢2:不正解
同意原則と要員の職種は別問題である。PKOには軍事要員、警察要員、文民などが参加する。 - 選択肢3:正解
PKOの基本三原則を述べている。任務の具体的内容や武力行使の範囲は、その活動に与えられた権限にもよる。 - 選択肢4:不正解
勝敗を決めるために特定勢力へ加勢することは、不偏性を原則とするPKOの説明にならない。平和への移行の支援が中心となる。
復習のポイント:PKOの不偏性は、違反への無関心や不作為を意味しない。
関連する一次資料:国連広報センター:国連PKOの現場から
PE208 / 300国際政治・経済資料読解
ICJとICC
国際裁判の学習用事例| 事例 | 争われる内容 |
|---|
| X | 2か国が条約上の義務の解釈を争う |
| Y | 個人が人道に対する犯罪を行ったかが争われる |
表の2つの事例に対応する裁判所の組合せとして、最も適切なものはどれか。各裁判所の管轄が成立する条件を満たすとする。
- Xは国際刑事裁判所(ICC)、Yは国際司法裁判所(ICJ)。
- XもYも国際司法裁判所(ICJ)。
- XもYも国際刑事裁判所(ICC)。
- Xは国際司法裁判所(ICJ)、Yは国際刑事裁判所(ICC)。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Xは国際司法裁判所(ICJ)、Yは国際刑事裁判所(ICC)。
- 選択肢1:不正解
対象が逆である。ICJは個人を刑事被告人として処罰する裁判所ではなく、ICCは国家間の条約紛争を一般的に裁く裁判所ではない。 - 選択肢2:不正解
Yは個人の刑事責任を問う事例なのでICJではない。ICJの国家間訴訟と、ICCの刑事裁判を区別する。 - 選択肢3:不正解
Xは国家間の法的紛争なのでICCではない。ICCの対象は国家そのものの刑事責任ではなく、個人の重大犯罪である。 - 選択肢4:正解
ICJの訴訟事件は国家間の法的紛争、ICCは一定の重大犯罪を犯した個人の刑事責任を扱う。誰が当事者・被告人かを確認する。
復習のポイント:ICJは国家間、ICCは個人の刑事責任という軸で区別する。
関連する一次資料:国連広報センター:国際司法裁判所 よくある質問外務省:国際刑事裁判所
PE209 / 300国際政治・経済事例判断
ICJの管轄権
A国がB国との紛争をICJに訴えようとしている。ICJの管轄権について最も適切な説明はどれか。
- 原則として国家の同意に基づき、同意は条約の裁判条項や事前の宣言などでも与えられる。
- 国連加盟国になれば、あらゆる紛争について個別の条件なくICJの管轄を受け入れたことになる。
- 相手国が新たに同意書へ署名しない限り、過去の条約に裁判条項があっても管轄は成立しない。
- 原告国がICJに申立書を提出すると、相手国が関係する全分野の紛争について管轄が成立する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 原則として国家の同意に基づき、同意は条約の裁判条項や事前の宣言などでも与えられる。
- 選択肢1:正解
裁判所への付託合意だけでなく、条約条項や相互主義を伴う強制管轄権受諾宣言なども同意の根拠となる。紛争ごとに根拠と範囲を確認する。 - 選択肢2:不正解
国連加盟によりICJ規程の当事国となることと、全紛争について裁判管轄を受諾することは異なる。 - 選択肢3:不正解
同意は事前にも与えられる。条約に裁判条項があり対象範囲などの条件を満たせば、紛争発生後の新たな署名が常に必要とはいえない。 - 選択肢4:不正解
一方の提訴だけでは、あらゆる分野の管轄は生まれない。同意の根拠となる条約や宣言の対象・留保などが問題となる。
復習のポイント:ICJ規程の当事国であることと、個別紛争への管轄の成立を分ける。
関連する一次資料:国連広報センター:国際司法裁判所 よくある質問
PE210 / 300国際政治・経済正誤判断
国際裁判の役割
ICJとICCに関する説明として、最も適切なものはどれか。
- ICCは各国の通常犯罪について、国内裁判所の判決への上訴を一般的に受け付ける。
- ICJは国連の主要な司法機関であり、ICCはローマ規程に基づく国際刑事裁判所である。
- ICJの判決は、国家間訴訟の当事国にとっても単なる参考意見にとどまる。
- ICCの設置によって、各国の国内裁判所は戦争犯罪を扱う権限を失った。
答えと全選択肢の解説
正解:2 ICJは国連の主要な司法機関であり、ICCはローマ規程に基づく国際刑事裁判所である。
- 選択肢1:不正解
ICCは国内裁判の一般的な上訴審ではない。対象となる重大犯罪と管轄の条件が定められている。 - 選択肢2:正解
両者は名称が似ているが、設立の根拠と扱う事件が異なる。ICJは国連憲章、ICCはローマ規程という対応を覚える。 - 選択肢3:不正解
ICJの訴訟判決は、その事件の当事国を拘束する。勧告的意見の役割と、国家間訴訟の判決を混同している。 - 選択肢4:不正解
ICCは国内の刑事司法を補完する仕組みである。重大犯罪を処罰する国内裁判所の役割が消えるわけではない。
復習のポイント:名称の類似より、設立根拠・対象・国内裁判との関係で判断する。
関連する一次資料:国連広報センター:国際司法裁判所 よくある質問外務省:国際刑事裁判所
PE211 / 300国際政治・経済正誤判断
武力不行使と自衛権
国連憲章における武力と自衛権の説明として、最も適切なものはどれか。
- 武力行使が原則禁止されたため、憲章には自衛権に関する規定は設けられていない。
- 外国との経済的対立が深刻になれば、武力攻撃がなくても第51条による自衛権が当然に発生する。
- 武力による威嚇・武力行使を原則として禁じる一方、武力攻撃が発生した場合の自衛権を規定している。
- 自衛権に基づく措置をとった国は、安保理への報告義務を免除される。
答えと全選択肢の解説
正解:3 武力による威嚇・武力行使を原則として禁じる一方、武力攻撃が発生した場合の自衛権を規定している。
- 選択肢1:不正解
第51条は個別的・集団的自衛権を明記する。武力不行使原則の存在から自衛権規定の不存在を導くことはできない。 - 選択肢2:不正解
第51条は武力攻撃が発生した場合を定めている。通常の経済的対立をそのまま武力攻撃と扱うことはできない。 - 選択肢3:正解
第2条4項の武力不行使原則と、第51条の自衛権の規定を両方押さえる。原則と例外を区別する問題である。 - 選択肢4:不正解
自衛権の行使に当たってとった措置は、安保理へ直ちに報告することが憲章上求められる。
復習のポイント:武力不行使の原則と、自衛権の条件・報告をセットで押さえる。
関連する一次資料:国連広報センター:国連憲章テキスト
PE212 / 300国際政治・経済事例判断
紛争の平和的解決
A国とB国が漁業協定の解釈をめぐって対立し、第三国Cが話合いを仲介した。平和的解決について最も適切な説明はどれか。
- C国が仲介に入ると、その提案は裁判所の判決と同じ拘束力を当然に持つ。
- 国際紛争の平和的解決では、当事国同士の直接交渉は認められていない。
- 仲裁と司法的解決は、当事国間の法的判断を避けるための政治的助言だけを意味する。
- 直接交渉、第三者の仲介、仲裁、司法的解決など、複数の手段がある。
答えと全選択肢の解説
正解:4 直接交渉、第三者の仲介、仲裁、司法的解決など、複数の手段がある。
- 選択肢1:不正解
仲介者の提案は、仲介というだけで裁判判決と同じ拘束力を持たない。受諾や合意による解決と、法的裁定を区別する。 - 選択肢2:不正解
直接交渉も主要な平和的解決手段である。第三者が介在しなければ平和的手段にならないわけではない。 - 選択肢3:不正解
仲裁や司法的解決は、法に基づく拘束的判断につながる手続である。仲介者による解決案の提示と同じではない。 - 選択肢4:正解
国連憲章はさまざまな平和的手段を列挙している。第三者が関与する場合も、仲介と裁判では権限や結果の性質が異なる。
復習のポイント:第三者が登場しても、仲介・仲裁・裁判を一括りにしない。
関連する一次資料:国連広報センター:国連憲章テキスト
PE213 / 300国際政治・経済正誤判断
宣言と人権条約
世界人権宣言と国際人権規約の関係として、最も適切なものはどれか。
- 世界人権宣言が共通の基準を示し、国際人権規約は締約国に条約上の義務を課す。
- 世界人権宣言は批准によって加入する条約であり、国際人権規約は法的拘束力を持たない宣言である。
- 国際人権規約の成立により、世界人権宣言で示された権利の考え方は廃止された。
- 国際人権規約は、国際貿易の関税引下げを主な目的として制定された。
答えと全選択肢の解説
正解:1 世界人権宣言が共通の基準を示し、国際人権規約は締約国に条約上の義務を課す。
- 選択肢1:正解
1948年の宣言と、1966年採択の規約の役割を区別する。規約には条約としての義務があり、宣言はその基礎となる人権の共通基準を示した。 - 選択肢2:不正解
宣言と条約の法形式が逆である。世界人権宣言自体は批准して締約国になる条約ではない。 - 選択肢3:不正解
規約は宣言を具体化する人権保障の発展として位置付けられる。宣言の理念を廃止する関係ではない。 - 選択肢4:不正解
国際人権規約は人権を保障する条約である。貿易自由化を扱うGATT・WTOの協定と区別する。
復習のポイント:世界人権宣言と国際人権規約は、理念の継承と法形式の違いを両方見る。
関連する一次資料:国連広報センター:人権
PE214 / 300国際政治・経済資料読解
自由権規約と社会権規約
学習用の政策課題| 課題 | 内容 |
|---|
| X | 理由を示さずに拘禁し、裁判を受けさせない取扱いの改善 |
| Y | 子どもが基礎教育を受けられる学校制度の充実 |
2つの政策課題について、中心的に対応する国際人権規約の組合せとして適切なものはどれか。
- Xは社会権規約、Yは自由権規約。
- Xは自由権規約、Yは社会権規約。
- XもYも、国家間の通商ルールを定めるGATT。
- XもYも、核物質の軍事転用を防ぐNPT。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Xは自由権規約、Yは社会権規約。
- 選択肢1:不正解
対応が逆である。自由権規約は自由や政治参加など、社会権規約は教育・労働・社会保障などを扱う。 - 選択肢2:正解
恣意的拘禁や公正な裁判は市民的・政治的権利、教育へのアクセスは経済的・社会的・文化的権利に対応する。 - 選択肢3:不正解
GATTは物品貿易のルールを扱う。拘禁や教育の課題を直接分類する人権規約ではない。 - 選択肢4:不正解
NPTは核不拡散・核軍縮・原子力の平和利用を扱う条約であり、設問の人権分類には対応しない。
復習のポイント:自由権規約と社会権規約を、具体的な権利の内容から見分ける。
関連する一次資料:国連広報センター:人権
PE215 / 300国際政治・経済事例判断
難民と国内避難民
学習用事例。Pさんは政治的意見を理由に自国で迫害される十分な理由のあるおそれがあり、隣国へ逃れ、自国の保護を受けられない。Qさんは武力紛争で家を追われ、同じ国の別の地域へ避難した。
資料のPさんとQさんについて、概念上の区別として最も適切なものはどれか。
- Pさんは国内避難民、Qさんは国境を越えた難民に当たる。
- 避難先が違っても、国籍を失わなければ難民という概念には該当しない。
- Pさんは難民条約上の難民に該当し得る状況、Qさんは国内避難民に当たる状況にある。
- 住居を離れた人は、移動理由や国境を越えたかにかかわらず、難民条約上の難民に該当する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Pさんは難民条約上の難民に該当し得る状況、Qさんは国内避難民に当たる状況にある。
- 選択肢1:不正解
国境を越えているのはPさんであり、説明が逆である。紛争や迫害の理由だけでなく避難先も読む。 - 選択肢2:不正解
難民になるために国籍の喪失が必要なわけではない。無国籍者と難民は重なる場合もあるが別の概念である。 - 選択肢3:正解
Pさんには政治的意見を理由とする迫害のおそれと国外への避難が示される。Qさんは自国内に避難しているため国内避難民として区別される。 - 選択肢4:不正解
条約上の難民には迫害のおそれなどの要件がある。留学、通常の転居、国内避難などを一律に同じ分類にはできない。
復習のポイント:避難理由に加え、国境を越えたかを確認する。
関連する一次資料:UNHCR:難民とは
PE216 / 300国際政治・経済事例判断
ノン・ルフールマン
難民保護におけるノン・ルフールマン原則の中心的な内容として、最も適切なものはどれか。
- 受入国が難民に対し、到着と同時に自国の国籍を付与するという原則である。
- 国外に避難した人は、自分の意思でも出身国へ戻ってはならないという原則である。
- 難民の庇護申請を検討する前に、出身国の政府へ本人を引き渡すという原則である。
- 迫害などによって生命や自由が脅かされる場所へ、人を送り返さないという保護に関わる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 迫害などによって生命や自由が脅かされる場所へ、人を送り返さないという保護に関わる。
- 選択肢1:不正解
保護と帰化は別の制度である。送還を制限する原則から、国籍を自動的に与える義務は導かれない。 - 選択肢2:不正解
本人の自由意思による、安全で尊厳ある帰還まで一律に禁じる原則ではない。危険な場所への強制的な送還と区別する。 - 選択肢3:不正解
迫害のおそれを検討しないまま引き渡すことは、むしろ原則との抵触が問題となる。保護の必要性を適切に判断する必要がある。 - 選択肢4:正解
危険な場所への送還を防ぐことが中心となる。条約上の例外などの細部は別にあるが、国籍の自動付与を意味する原則ではない。
復習のポイント:ノン・ルフールマンは、危険な場所への送還を防ぐ原則。
関連する一次資料:UNHCR:難民の権利と義務
PE217 / 300国際政治・経済正誤判断
NPTの三本柱
核兵器不拡散条約(NPT)について、最も適切な説明はどれか。
- 核不拡散、核軍縮、原子力の平和的利用を柱としている。
- 核不拡散を目的とするため、非核兵器国の原子力の平和的利用も禁止している。
- 条約上の核兵器国に核軍縮交渉への義務はなく、非核兵器国だけが義務を負う。
- 核実験の禁止だけを扱い、核兵器の取得や移転は対象としていない。
答えと全選択肢の解説
正解:1 核不拡散、核軍縮、原子力の平和的利用を柱としている。
- 選択肢1:正解
NPTは兵器の拡散防止だけでなく、核軍縮や平和的利用も扱う。3つの柱を互いに排他的なものと考えない。 - 選択肢2:不正解
非核兵器国による原子力の平和的利用を全面禁止する条約ではない。不拡散上の義務や保障措置とともに捉える。 - 選択肢3:不正解
NPT第6条は核軍縮等に関する交渉義務を定める。核兵器国に義務がないという説明は不適切である。 - 選択肢4:不正解
核実験禁止に焦点を当てるCTBTなどと混同している。NPTは核兵器の取得・移転を含む不拡散体制の柱である。
復習のポイント:NPTは「不拡散だけ」とせず、核軍縮と平和利用を併せて覚える。
関連する一次資料:外務省:核兵器不拡散条約の概要
PE218 / 300国際政治・経済資料読解
領海とEEZ
海域の学習用事例| 海域 | 位置・設定 |
|---|
| X | 基線から8海里。沿岸国の領海内 |
| Y | 基線から100海里。領海外で沿岸国がEEZを設定 |
表の海域について、国連海洋法条約の一般的なルールに沿った説明はどれか。隣国との海域の重なりはないものとする。
- XもYも領海であるため、外国船舶の航行の扱いは同一である。
- Xでは沿岸国の主権、Yでは資源の探査・開発等に関する主権的権利が問題となる。
- Yでは沿岸国の資源に関する権利があるため、他国の航行の自由は認められない。
- Xの領海幅は通常、低潮線などの基線から200海里まで設定できる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Xでは沿岸国の主権、Yでは資源の探査・開発等に関する主権的権利が問題となる。
- 選択肢1:不正解
Yは領海の外側にあるEEZとして設定されている。領海とEEZでは沿岸国の権限や他国の自由の内容が違う。 - 選択肢2:正解
領海の主権とEEZの特定分野の主権的権利は異なる。EEZを領土・領海と同じ全面的な主権の空間と考えない。 - 選択肢3:不正解
EEZでは沿岸国の資源上の権利と他国の航行の自由などが併存する。資源を管理できることから航行の全面禁止は導けない。 - 選択肢4:不正解
領海の幅は基線から12海里を超えない範囲である。200海里はEEZの外側の限度に関する数字である。
復習のポイント:12海里の領海と、基線から200海里までのEEZを権限の違いとともに覚える。
関連する一次資料:海上保安庁:排他的経済水域と領海及び公海の違い
PE219 / 300国際政治・経済事例判断
国連とNGO
市民がつくった民間団体が国際会議に情報を提供し、難民支援を行っている。このようなNGOと国連の関係について最も適切なものはどれか。
- 国連と協力するNGOは、その時点で国連加盟国として総会の投票権を得る。
- NGOとは各国政府が条約で設立した機関のみを指し、市民団体は含まれない。
- NGOは政府間機関とは異なる主体であり、国連機関との協議や協力を通じて活動できる。
- 国連憲章は政府以外との協議を認めず、民間団体からの情報提供を禁じている。
答えと全選択肢の解説
正解:3 NGOは政府間機関とは異なる主体であり、国連機関との協議や協力を通じて活動できる。
- 選択肢1:不正解
国連加盟国の地位と民間団体の協議・協力関係は別である。国連と連携しても国家としての投票権は生まれない。 - 選択肢2:不正解
政府が条約などでつくる政府間機関と、非政府組織を逆に説明している。NGOには国際協力を担う民間団体が含まれる。 - 選択肢3:正解
NGOは非政府組織であり、国家や政府間機関と役割が異なる。経済社会理事会とNGOの協議関係は国連憲章にも規定される。 - 選択肢4:不正解
国連憲章第71条は経済社会理事会とNGOとの協議の取極を認めている。国連は政府だけとしか協力できないわけではない。
復習のポイント:国際社会の主体には、国家・政府間機関に加えてNGOもある。
関連する一次資料:国連広報センター:国連憲章テキスト
PE220 / 300国際政治・経済資料読解
比較優位の判定
1単位の生産に必要な労働時間。学習用仮想データ| 国 | 小麦 | 布 |
|---|
| A国 | 2時間 | 4時間 |
| B国 | 6時間 | 8時間 |
各国が労働時間を自由に配分し、同じ品質の2財を生産するとする。表から、比較優位の組合せを選べ。
- A国は布、B国は小麦に比較優位を持つ。
- A国は両方を少ない時間で作るため、両財で比較優位を持つ。
- B国は両財に絶対劣位があるため、貿易から利益を得る余地はない。
- A国は小麦、B国は布に比較優位を持つ。
答えと全選択肢の解説
正解:4 A国は小麦、B国は布に比較優位を持つ。
- 選択肢1:不正解
生産時間そのものではなく比率で比べる。布1単位の機会費用はA国で小麦2単位、B国で小麦4/3単位なので布はB国が有利である。 - 選択肢2:不正解
両財を少ない時間で作れるのは絶対優位である。比較優位は、もう一方の財をどれだけ諦めるかという機会費用で決める。 - 選択肢3:不正解
絶対劣位でも比較優位を持つ財はある。この表ではB国は布に特化し、適切な交換比率で取引する利益を得られる。 - 選択肢4:正解
小麦1単位の機会費用はA国で布0.5単位、B国で布0.75単位である。A国は小麦、逆にB国は布の機会費用が低い。
復習のポイント:比較優位は生産時間の大小ではなく、2財間の機会費用で判定する。
関連する一次資料:IMF:International Trade: Commerce among Nations
PE221 / 300国際政治・経済計算
機会費用の計算
A国で1単位の生産に必要な労働時間。学習用仮想データ| 小麦 | 布 |
|---|
| 4時間 | 8時間 |
表のA国が布の生産を1単位増やすとき、同じ総労働時間の下で諦める小麦の生産量はいくらか。労働は両財に自由に移動できる。
- 小麦2単位
- 小麦0.5単位
- 小麦4単位
- 小麦8単位
答えと全選択肢の解説
正解:1 小麦2単位
- 選択肢1:正解
布1単位に8時間を使う。その8時間で小麦は8÷4=2単位作れるため、機会費用は小麦2単位となる。 - 選択肢2:不正解
4÷8は、小麦1単位を増やす際に諦める布の量である。問われた財と諦める財の方向が逆になっている。 - 選択肢3:不正解
小麦の4時間という数字を、そのまま小麦の数量に置き換えている。時間を数量へ直すには1単位の所要時間で割る。 - 選択肢4:不正解
8は布1単位に必要な時間であり、小麦の単位数ではない。小麦1単位4時間で換算する。
復習のポイント:機会費用では、追加する財の必要時間を、諦める財の必要時間で割る。
関連する一次資料:IMF:International Trade: Commerce among Nations
PE222 / 300国際政治・経済計算
双方が得する交換比率
学習用仮想事例。A国では小麦1単位を作るために布0.5単位、B国では小麦1単位を作るために布1単位を諦める。輸送費などを無視すると、双方が自国生産より有利に交換できる比率はどれか。
- 小麦1単位と布0.25単位を交換する。
- 小麦1単位と布0.75単位を交換する。
- 小麦1単位と布1.25単位を交換する。
- 小麦1単位と布2単位を交換する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 小麦1単位と布0.75単位を交換する。
- 選択肢1:不正解
小麦を売るA国にとって、布0.5単位を諦めて作った小麦の受取が0.25単位では不利である。 - 選択肢2:正解
A国は費用が布0.5単位の小麦を布0.75単位と交換できる。B国は自国生産で布1単位を諦める代わりに0.75単位の布で小麦を得られる。 - 選択肢3:不正解
小麦を買うB国にとって、布1単位で小麦を自国生産できるのに、1.25単位を支払うのは不利である。 - 選択肢4:不正解
B国が小麦1単位を得るための負担が、自国生産時の布1単位より大きい。双方に利益をもたらす範囲ではない。
復習のポイント:双方が得する交換比率は、両国の機会費用の間にある。
関連する一次資料:IMF:International Trade: Commerce among Nations
PE223 / 300国際政治・経済事例判断
最恵国待遇
A・B・CはいずれもWTO加盟国である。A国が同種の輸入品についてB国向け関税を5%に下げ、C国向けには10%を課し続けた。FTAなどの例外を考慮しない場合、まず問題になる原則はどれか。
- 内国民待遇
- 一国一票
- 最恵国待遇
- 主権的権利
答えと全選択肢の解説
正解:3 最恵国待遇
- 選択肢1:不正解
内国民待遇は輸入品と同種の国内産品などの待遇を比べる原則である。この事例は外国Bと外国Cの比較なので最恵国待遇を選ぶ。 - 選択肢2:不正解
一国一票は投票権の数を表す考え方であり、同種の輸入品に対する関税率の国別差を判断する原則ではない。 - 選択肢3:正解
B国とC国という外国同士の待遇差が問題である。最恵国待遇は、ある国に与えた有利な貿易上の待遇を他の加盟国にも及ぼすという原則である。 - 選択肢4:不正解
主権的権利はEEZなどでの資源に関する権利を説明する語である。この関税上の待遇差の論点とは異なる。
復習のポイント:外国同士の待遇差なら最恵国待遇、外国産と国内産の差なら内国民待遇。
関連する一次資料:外務省:関税及び貿易に関する一般協定
PE224 / 300国際政治・経済資料読解
内国民待遇
商品1個当たりの国内物品税。学習用仮想データ| 商品 | 税額 |
|---|
| 国内産の同種商品 | 100円 |
| B国産の輸入商品 | 200円 |
| C国産の輸入商品 | 200円 |
輸入国とB国・C国はいずれもWTO加盟国である。同種の商品について表の国内物品税を課すとする。WTOの基本原則に照らして、最も適切な説明はどれか。税額以外の条件は同じとする。
- すべての外国産品に同額なので、内国民待遇との整合性は問題にならない。
- 国内産品への税が低いことは、最恵国待遇が求める内容そのものである。
- WTOが規律するのは国境での関税だけなので、内国税は対象外である。
- 輸入後の内国税で輸入品を不利に扱っており、内国民待遇との整合性が問題になる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 輸入後の内国税で輸入品を不利に扱っており、内国民待遇との整合性が問題になる。
- 選択肢1:不正解
外国同士に差がないことは最恵国待遇の論点である。国内産品との比較である内国民待遇の問題は残る。 - 選択肢2:不正解
最恵国待遇は外国の取引相手同士の差別を避ける原則であり、国内産品を優遇する原則ではない。 - 選択肢3:不正解
GATTは内国税や国内規制に関する内国民待遇も規定する。関税のみを扱うとする説明は範囲を狭めすぎている。 - 選択肢4:正解
輸入品と同種の国内産品に対する内国税の差に注目する。外国間で同じ税率でも、国内品より不利なら別の無差別原則が問題となる。
復習のポイント:国境を越えた後の税や規制でも、輸入品への差別が問われる。
関連する一次資料:外務省:関税及び貿易に関する一般協定
PE225 / 300国際政治・経済計算
関税の計算
学習用仮想事例。課税価格1個2,000円の商品100個に、10%の従価税が課される。ほかの税・費用を無視した関税総額はいくらか。
- 20,000円
- 2,000円
- 200,000円
- 220,000円
答えと全選択肢の解説
正解:1 20,000円
- 選択肢1:正解
課税価格総額は2,000×100=200,000円。これに税率0.10を掛けて20,000円となる。 - 選択肢2:不正解
1個の価格と数量・税率の関係を再確認する。1個の税額は200円で、100個分は20,000円である。 - 選択肢3:不正解
200,000円は税を掛ける前の課税価格総額であり、関税額ではない。税率10%を掛ける必要がある。 - 選択肢4:不正解
220,000円は課税価格総額に関税額を加えた金額である。問われているのは追加される関税部分のみである。
復習のポイント:従価税の関税額=課税価格×数量×税率。
関連する一次資料:外務省:関税及び貿易に関する一般協定
PE226 / 300国際政治・経済事例判断
関税と利害の違い
輸入品への関税引上げによって輸入品価格が上がり、国内の同種産品も値上がりした。その他の条件が同じ場合、最も適切な説明はどれか。
- 国内で作る企業への保護が目的なので、輸入原材料を使う国内企業の負担は減る。
- 国内生産者を保護する一方、その商品を買う消費者や原材料として使う企業には負担となり得る。
- 商品価格が上がったことから、消費者の実質的な購買力は高まる。
- 関税が引き上げられたことで、国内産品と輸入品の競争は価格面で常に強まる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 国内生産者を保護する一方、その商品を買う消費者や原材料として使う企業には負担となり得る。
- 選択肢1:不正解
関税対象の輸入原材料を使う企業には、仕入費用の増加が生じ得る。国内企業というだけで受益側に分類できない。 - 選択肢2:正解
同じ政策でも立場によって影響が異なる。競合する国内生産者の保護と、購入者・原材料利用者の負担を分けて考える。 - 選択肢3:不正解
所得が同じなら、その商品を買える量は減る。価格上昇を実質購買力の上昇と取り違えない。 - 選択肢4:不正解
輸入品の価格上昇は、その輸入品との価格競争を弱め、国内生産者を保護する方向に働く。常に競争を強めるとはいえない。
復習のポイント:貿易政策は、国内生産者・消費者・原材料を使う企業を分けて考える。
関連する一次資料:IMF:International Trade: Commerce among Nations
PE227 / 300国際政治・経済正誤判断
GATTとWTO
GATTからWTOへの発展について、最も適切な説明はどれか。
- WTO成立後は、GATTに基づく物品貿易のルールが協定体系から除かれた。
- WTOは為替相場の固定を加盟条件とし、加盟国への国際収支融資を主業務とする。
- WTOの協定体系は、物品貿易に加え、サービス貿易や貿易に関連する知的財産も扱う。
- WTOは貿易交渉の場を設けるが、加盟国間の貿易紛争を扱う制度は持たない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 WTOの協定体系は、物品貿易に加え、サービス貿易や貿易に関連する知的財産も扱う。
- 選択肢1:不正解
GATTのルールはWTOの物品貿易の協定体系に含まれる。WTOの成立は物品貿易規律の廃止ではない。 - 選択肢2:不正解
国際通貨・金融の安定に関わるIMFと混同している。WTOの中心は貿易ルールや交渉・紛争解決である。 - 選択肢3:正解
GATTを基礎とする物品分野に加え、GATSやTRIPSなどへ規律が広がった。単なる機関名の変更として覚えない。 - 選択肢4:不正解
WTOには貿易紛争の解決制度が設けられている。制度の存在と、個別の時期における運用上の問題は区別する。
復習のポイント:WTOの対象は、物品・サービス・貿易関連の知的財産へ広がる。
関連する一次資料:外務省:WTOとは
PE228 / 300国際政治・経済事例判断
貿易救済措置
正常価格より低い輸出価格によるダンピングがあり、それによる国内産業の実質的な損害が調査で確認された。対応する措置として最も直接的なものはどれか。
- 最恵国待遇に基づく関税の一律撤廃
- 為替市場での自国通貨買い介入
- 国際収支危機に対応するIMF融資
- アンチダンピング措置
答えと全選択肢の解説
正解:4 アンチダンピング措置
- 選択肢1:不正解
最恵国待遇は外国間の差別を避ける原則であり、ダンピングへの救済として関税の一律撤廃を求める制度ではない。 - 選択肢2:不正解
為替介入は通貨当局が相場に影響を与えるための取引である。特定の輸入品のダンピングを認定し救済する制度ではない。 - 選択肢3:不正解
IMFの融資は加盟国の国際収支上の困難などに対応する。特定品目のダンピングに対する貿易救済措置とは異なる。 - 選択肢4:正解
ダンピングと国内産業の損害などを調査し、要件を満たせば追加関税などの措置が可能となる。単に安い輸入品であるだけでは足りない。
復習のポイント:ダンピング・損害・因果関係を確認する貿易救済と、一般的な保護政策を分ける。
関連する一次資料:経済産業省:WTO協定上の貿易救済措置の比較
PE229 / 300国際政治・経済正誤判断
FTAと無差別原則
WTOとFTA・EPAの関係について、最も適切な説明はどれか。
- FTAなどによる域内の優遇は、一定の条件の下で最恵国待遇の例外として認められる。
- FTAを締結した国は、その時点でWTOから脱退する必要がある。
- FTAは最恵国待遇と同じなので、締約国以外にも同じ特恵関税を無条件で適用する。
- EPAは関税だけを扱い、投資や知的財産に関する規定を含めることができない。
答えと全選択肢の解説
正解:1 FTAなどによる域内の優遇は、一定の条件の下で最恵国待遇の例外として認められる。
- 選択肢1:正解
無差別原則がある一方、WTOのルールは一定の条件を満たす地域的な貿易協定も認めている。例外が無条件であるとは覚えない。 - 選択肢2:不正解
WTO加盟とFTA・EPAの締結は両立する。多角的ルールと二国間・地域的協定を重ねて活用できる。 - 選択肢3:不正解
域内優遇を認める例外という点がFTAの重要な特徴である。原則と例外を同じ内容にしてはいけない。 - 選択肢4:不正解
EPAは関税に加え、投資や知的財産など幅広い分野を扱う。近年のFTAにも幅広い内容を含むものがあるため、名称だけで厳密に二分しない。
復習のポイント:FTA・EPAはWTOと両立し得るが、域内優遇にはルール上の条件がある。
関連する一次資料:外務省:経済連携協定(EPA/FTA)等の取組外務省:関税及び貿易に関する一般協定
PE230 / 300国際政治・経済資料読解
円高・円安
円と米ドルの交換比率。学習用仮想データ| 時点 | 為替相場 |
|---|
| 変更前 | 1ドル=150円 |
| 変更後 | 1ドル=120円 |
表の為替相場の変化について、最も適切な説明はどれか。
- 円安・ドル高であり、同じ円で買えるドルが減る。
- 円高・ドル安であり、同じ円で買えるドルが増える。
- 円高・ドル高であり、円とドルの相対価値はともに上がる。
- 円安・ドル安であり、同じドルを買うのに必要な円が増える。
答えと全選択肢の解説
正解:2 円高・ドル安であり、同じ円で買えるドルが増える。
- 選択肢1:不正解
円安なら1ドルを買うのに必要な円が増える。表の数字の減少を、そのまま円の価値の低下と読まない。 - 選択肢2:正解
1ドルを買うのに必要な円が150円から120円へ減った。円のドルに対する価値が上がり、同じ円でより多くのドルを買える。 - 選択肢3:不正解
2通貨の相対関係では円高はドル安である。同じ円とドルの組合せについて双方が高くなるとは表現しない。 - 選択肢4:不正解
必要な円は150円から120円に減っている。相場表の向きを見て、1ドルに必要な円で判断する。
復習のポイント:「1ドル=何円」では、円の数値が小さくなるほど円高。
関連する一次資料:日本銀行:円高、円安とは何ですか
PE231 / 300国際政治・経済計算
輸出代金の円換算
学習用仮想事例。輸出企業が受け取る代金は10,000ドルで固定されている。1ドル=100円から125円に変化したとき、円換算の売上高はどう変わるか。為替予約や手数料はない。
- 100万円から80万円へ減る。
- 125万円から100万円へ減る。
- 100万円から125万円へ増える。
- ドル建て代金が固定なので100万円のままである。
答えと全選択肢の解説
正解:3 100万円から125万円へ増える。
- 選択肢1:不正解
ドルから円への換算で逆方向の比率を使っている。円安になると、固定されたドル代金を交換して得る円は増える。 - 選択肢2:不正解
変更前と変更後の相場を逆に適用している。100円から125円は円安であり、円換算の受取は増える。 - 選択肢3:正解
円換算額はドル額×1ドル当たりの円で求める。10,000×100=100万円、10,000×125=125万円である。 - 選択肢4:不正解
固定されているのはドル額である。円とドルの交換比率が変われば、円換算の金額は変化する。
復習のポイント:ドル建ての受取額が固定なら、円安は円換算売上高を増やす。
関連する一次資料:日本銀行:円高、円安とは何ですか
PE232 / 300国際政治・経済計算
輸入費用の円換算
学習用仮想事例。輸入原材料の代金は2,000ドルで固定されている。1ドル=120円から150円へ変化した場合、円での支払額は何円増えるか。手数料などは考えない。
- 30,000円増える。
- 60,000円減る。
- 300,000円増える。
- 60,000円増える。
答えと全選択肢の解説
正解:4 60,000円増える。
- 選択肢1:不正解
1ドル当たり30円の差を2,000ドルに掛ける必要がある。30×2,000=60,000円であり、30,000円ではない。 - 選択肢2:不正解
円安により同じドルを買うために必要な円は増える。金額の差は60,000円だが、増減の向きが逆である。 - 選択肢3:不正解
300,000円は変更後の支払総額である。増加額を問うので、変更前の240,000円を差し引く。 - 選択肢4:正解
変更前は2,000×120=240,000円、変更後は2,000×150=300,000円。差額は60,000円となる。
復習のポイント:円安の輸入負担は「ドル額×為替相場の差」で計算する。
関連する一次資料:日本銀行:円高、円安とは何ですか
PE233 / 300国際政治・経済資料読解
海外旅行の予算
旅行者が両替する時点。学習用仮想データ| 時点 | 為替相場 |
|---|
| A | 1ドル=150円 |
| B | 1ドル=120円 |
旅行者が60,000円をすべてドルに交換する。表の2時点を比べた説明として、最も適切なものはどれか。両替手数料はなく、現地価格も変わらない。
- BではAより100ドル多く受け取れ、現地で購入できる量が増える。
- BではAより100ドル少なく受け取り、現地で購入できる量が減る。
- AでもBでも600ドルを受け取れ、購入量は変わらない。
- Aの受取ドル額はBより多いが、Bでは1ドルの現地購買力が高くなる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 BではAより100ドル多く受け取れ、現地で購入できる量が増える。
- 選択肢1:正解
Aは60,000÷150=400ドル、Bは60,000÷120=500ドルである。現地価格が同じなら、Bで使えるドルと購入量が増える。 - 選択肢2:不正解
ドルへの交換は円額を相場で割る。円高のBの方が受取ドル額は多く、増減の方向が逆である。 - 選択肢3:不正解
円とドルは同じ単位ではない。相場を使って換算すると400ドルと500ドルになり、どちらも600ドルではない。 - 選択肢4:不正解
Aの受取額はBより少ない。また現地価格一定なので、ドル自体の現地購買力が変わったと解釈しない。
復習のポイント:円からドルへの換算は「円額÷1ドル当たりの円」。
関連する一次資料:日本銀行:円高、円安とは何ですか
PE234 / 300国際政治・経済事例判断
外国為替の需給
日本の居住者がドル建ての外国債券を購入するため、円を売ってドルを買う動きを強めた。この取引自体が為替市場に与える方向として適切なのはどれか。他の条件は同じとする。
- 円需要の増加を通じて、円高・ドル安の方向に働く。
- ドル需要の増加を通じて、ドル高・円安の方向に働く。
- 債券の購入はモノの貿易ではないため、通貨の需給には影響しない。
- 円を売る量が増えると円が希少になるため、円高の方向に働く。
答えと全選択肢の解説
正解:2 ドル需要の増加を通じて、ドル高・円安の方向に働く。
- 選択肢1:不正解
増えているのは円の購入ではなく、円を売って行うドルの購入である。売る通貨と買う通貨を逆にしている。 - 選択肢2:正解
円売り・ドル買いは、円の供給とドルの需要を増やす取引である。この取引の方向と、現実の相場が他要因でも動くことは区別する。 - 選択肢3:不正解
為替需要は貿易だけでなく、海外への投資や旅行などからも生じる。資金取引も為替市場に関係する。 - 選択肢4:不正解
売りが増えるのは市場への供給が増えることを意味する。円が市場から買われて希少になる取引とは逆である。
復習のポイント:為替は「何を売り、何を買うか」を先に書き出す。
関連する一次資料:日本銀行:円高、円安とは何ですか日本銀行:為替介入とは何ですか
PE235 / 300国際政治・経済正誤判断
日本の為替介入
日本の為替介入の仕組みとして、最も適切な説明はどれか。
- 日本銀行の政策委員会が、金融政策と同じ権限で為替介入を独自に決定する。
- 財務大臣は相場を公表するだけであり、介入の決定権は民間銀行にある。
- 財務大臣の権限で決定し、日本銀行がその代理人として実務を行う。
- 為替介入は国会の法律制定と同じ行為で、通貨の売買を伴わない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 財務大臣の権限で決定し、日本銀行がその代理人として実務を行う。
- 選択肢1:不正解
日銀の金融政策決定と、財務大臣の為替介入権限を混同している。実務を行うことは介入方針を独自に決めることと同じではない。 - 選択肢2:不正解
民間銀行が国の介入方針を決定する制度ではない。財務大臣の権限に基づき、日本銀行が実務を担う。 - 選択肢3:正解
金融政策の主体と、為替介入を決定する主体を分ける。日本銀行は財務大臣の指示を受け、代理人として介入の実務を遂行する。 - 選択肢4:不正解
為替介入は相場に影響を与える目的で通貨を売買する操作である。法律の制定そのものではない。
復習のポイント:日本の為替介入は、財務大臣が決定し日銀が代理して実行する。
関連する一次資料:日本銀行:為替介入とは何ですか
PE236 / 300国際政治・経済資料読解
経常収支の計算
ある国の収支。学習用仮想データ・BPM6区分| 項目 | 収支 |
|---|
| 貿易収支 | −3兆円 |
| サービス収支 | −2兆円 |
| 第一次所得収支 | +15兆円 |
| 第二次所得収支 | −1兆円 |
表の4項目から経常収支を求めたものとして正しいものはどれか。BPM6に基づく区分で、正数は黒字、負数は赤字を表す。
- 経常収支は3兆円の黒字。
- 経常収支は5兆円の赤字。
- 経常収支は15兆円の黒字。
- 経常収支は9兆円の黒字。
答えと全選択肢の解説
正解:4 経常収支は9兆円の黒字。
- 選択肢1:不正解
表の合計は9兆円である。経常収支を求めるには、黒字の項目だけでなく、赤字の3項目も符号通りに足す。 - 選択肢2:不正解
貿易・サービス収支だけなら−5兆円だが、経常収支には所得収支も含まれる。集計範囲を狭めない。 - 選択肢3:不正解
15兆円は第一次所得収支だけの値である。ほかの項目の赤字を差し引くと、経常収支は9兆円となる。 - 選択肢4:正解
経常収支は貿易・サービス・第一次所得・第二次所得の合計。−3−2+15−1=9兆円である。
復習のポイント:経常収支は貿易・サービス・第一次所得・第二次所得の4つを合計する。
関連する一次資料:日本銀行:国際収支関連統計(BPM6ベース)の解説
PE237 / 300国際政治・経済資料読解
サービス収支と所得収支
日本の居住者と非居住者との取引例| 取引 | 内容 |
|---|
| X | 訪日した外国の居住者が日本のホテルへ宿泊代を支払う |
| Y | 日本の居住者が保有する海外企業の株式から配当を受け取る |
日本の国際収支をBPM6に基づいて考えるとき、表のX・Yの受取に関する正しい組合せはどれか。
- Xはサービス収支、Yは第一次所得収支。
- Xは貿易収支、Yはサービス収支。
- Xは第一次所得収支、Yは金融収支。
- Xは第二次所得収支、Yは貿易収支。
答えと全選択肢の解説
正解:1 Xはサービス収支、Yは第一次所得収支。
- 選択肢1:正解
外国からの旅行者が国内で受ける宿泊などはサービスの受取に当たる。海外投資からの配当は投資収益であり第一次所得に含まれる。 - 選択肢2:不正解
宿泊サービスを財の輸出と同じ貿易収支にしている。また配当はサービス提供の対価ではなく、投資収益である。 - 選択肢3:不正解
Xは労働や投資からの所得ではなく宿泊サービスの対価である。Yも株式の購入代金ではなく配当なので金融収支とは区別する。 - 選択肢4:不正解
Xは対価を伴うサービス取引であり、無償の経常移転ではない。Yは財の輸出入ではなく、投資の収益である。
復習のポイント:旅行代金はサービス、配当・利子など投資の果実は第一次所得。
関連する一次資料:日本銀行:国際収支関連統計(BPM6ベース)の解説
PE238 / 300国際政治・経済事例判断
直接投資と証券投資
日本の企業が海外に100%出資の子会社を新設した。一方、日本の家計は経営への影響を持たない少数の外国株式を資産運用目的で購入した。BPM6での分類として適切なものはどれか。
- 前者は貿易収支、後者は第一次所得収支に、それぞれ投資額を計上する。
- 前者は直接投資、後者は証券投資で、どちらも金融収支に関係する。
- 前者は証券投資、後者は直接投資で、経営への関与が小さいほど直接投資となる。
- どちらも外国に資金を渡すので、無償援助として第二次所得収支に分類する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 前者は直接投資、後者は証券投資で、どちらも金融収支に関係する。
- 選択肢1:不正解
子会社への出資そのものは財の輸出ではない。株式の取得代金と、後に得られる配当という第一次所得も別の取引である。 - 選択肢2:正解
海外子会社への出資は継続的な経営関係を伴う直接投資である。経営関係を持たない少数株式の取得は証券投資として区別する。 - 選択肢3:不正解
直接投資と証券投資の説明が逆である。経営への継続的な関係や影響を伴う出資が直接投資を判定する重要な視点となる。 - 選択肢4:不正解
株式を取得する投資は資産を得る取引で、見返りのない援助ではない。国境を越える資金を一律に移転としない。
復習のポイント:投資元本は金融取引、配当などの収益は所得取引として分ける。
関連する一次資料:日本銀行:国際収支関連統計のFAQ
PE239 / 300国際政治・経済資料読解
貿易赤字と経常黒字
年間の国際収支。学習用仮想データ・BPM6区分| 項目 | 収支 |
|---|
| 貿易収支 | −6兆円 |
| サービス収支 | −1兆円 |
| 第一次所得収支 | +12兆円 |
| 第二次所得収支 | −1兆円 |
表の資料から直接いえることとして、最も適切なものはどれか。BPM6に基づく区分である。
- 貿易収支が赤字なので、経常収支も必ず同額の赤字になる。
- 第一次所得収支が黒字なので、当年に外国株式を買った額が売った額を上回る。
- 貿易収支は赤字でも、経常収支は黒字であり得る。
- サービス収支が赤字なので、訪日旅行者からの受取はゼロである。
答えと全選択肢の解説
正解:3 貿易収支は赤字でも、経常収支は黒字であり得る。
- 選択肢1:不正解
経常収支にはサービスや所得の収支も含まれる。この表では第一次所得の黒字などが貿易赤字を上回っている。 - 選択肢2:不正解
第一次所得は配当・利子などの収益であり、株式元本の売買額ではない。金融収支の情報なしに株式購入額は判断できない。 - 選択肢3:正解
4項目を合計すると−6−1+12−1=4兆円の経常黒字となる。貿易収支と経常収支は集計範囲が異なる。 - 選択肢4:不正解
赤字は受取より支払が多いという純額の状態である。受取がゼロという意味ではなく、旅行以外のサービスも含まれる。
復習のポイント:収支の赤字は「受取ゼロ」ではなく、受取と支払の差で読む。
関連する一次資料:日本銀行:国際収支関連統計(BPM6ベース)の解説
PE240 / 300国際政治・経済資料読解
フローとストック
国際経済統計の読み方| 統計 | 測定するもの |
|---|
| X | 1年間に居住者と非居住者が行った経済取引 |
| Y | 年末時点で保有する対外金融資産・負債の残高 |
表の統計X・Yを比べた説明として、最も適切なものはどれか。
- Xは時点での残高、Yは期間中の取引を示す。
- XとYはいずれも同じ期間の取引を示すため、金額は必ず一致する。
- Yの増減は新規取引だけで決まり、為替相場や資産価格の変化は関係しない。
- Xは期間中の取引というフロー、Yは時点での残高というストックを示す。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Xは期間中の取引というフロー、Yは時点での残高というストックを示す。
- 選択肢1:不正解
フローとストックが逆である。1年間の取引はフロー、年末残高はそれまでの蓄積を示すストックである。 - 選択肢2:不正解
1年間の取引額と年末残高は同じ対象ではない。過去の蓄積があるため、一致するとは限らない。 - 選択肢3:不正解
残高は取引による変化に加え、為替相場や市場価格の変動などによる評価替えでも変化する。 - 選択肢4:正解
国際収支統計は一定期間の取引、対外資産負債残高は特定時点の残高を示す。期間と時点の違いを最初に確認する。
復習のポイント:取引=期間のフロー、残高=時点のストック、残高変動には評価替えもある。
関連する一次資料:日本銀行:国際収支関連統計のFAQ
PE241 / 300国際政治・経済事例判断
IMFの役割
A国は海外への支払いに必要な外貨が不足し、国際収支上の困難に直面した。IMFの役割として最も適切なものはどれか。
- 融資や政策面の助言などにより、国際通貨・金融の安定を支える。
- 加盟国間の関税紛争について、WTO協定違反かを判断することを主な業務とする。
- 難民に対する庇護認定を各国政府に代わって一括して行う。
- 各国の企業に対し、世界共通の法人税率を直接決定する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 融資や政策面の助言などにより、国際通貨・金融の安定を支える。
- 選択肢1:正解
IMFは国際通貨協力を進め、国際収支上の困難を抱える加盟国などに資金面・政策面の支援を行う。 - 選択肢2:不正解
貿易協定に関する紛争解決はWTOの制度である。IMFの国際金融上の役割と区別する。 - 選択肢3:不正解
難民保護はUNHCRや受入国の制度などに関わる分野であり、IMFの中心業務ではない。 - 選択肢4:不正解
IMFは政策助言などを行うが、各国企業に共通税率を直接課す世界政府ではない。国家の税制度と国際機関の役割を分ける。
復習のポイント:国際収支・通貨金融の安定はIMF、貿易ルールはWTO。
関連する一次資料:IMF:What is the IMF?
PE242 / 300国際政治・経済事例判断
世界銀行の役割
開発途上国が、給水設備や教育制度の改善に向けて長期的な資金と専門的知見を必要としている。世界銀行の活動として最も適切なものはどれか。
- 各国の中央銀行に代わって、その国の銀行券を独占発行する。
- 開発や貧困削減を支える融資・助成や、政策・技術面の支援を行う。
- 国際刑事裁判で重大犯罪の被告人に対する刑罰を決定する。
- すべての融資を無償の贈与へ変更し、返済を伴う支援は行わない。
答えと全選択肢の解説
正解:2 開発や貧困削減を支える融資・助成や、政策・技術面の支援を行う。
- 選択肢1:不正解
銀行という名称でも、各国通貨の発券を担う中央銀行ではない。開発資金の供給などを行う国際機関である。 - 選択肢2:正解
世界銀行は開発事業や制度改善などを資金と知見の両面から支援する。対象国や制度に応じ、融資や助成など支援形態は異なる。 - 選択肢3:不正解
刑事責任を裁くICCと混同している。世界銀行は裁判所ではなく、開発を支援する金融機関である。 - 選択肢4:不正解
世界銀行には返済を伴う融資もある。低利融資や助成などの違いをなくして説明してはいけない。
復習のポイント:世界銀行は開発・貧困削減を支援する国際金融機関。
関連する一次資料:世界銀行:Financing
PE243 / 300国際政治・経済資料読解
自由貿易地域と関税同盟
2つの地域統合。学習用仮想事例| 地域 | 域内関税 | 域外国への関税 |
|---|
| X | 原則撤廃 | 各国が独自に設定 |
| Y | 原則撤廃 | 共通の関税を設定 |
表のXとYを、教科上の一般的な区分に当てはめたものとして正しいものはどれか。
- Xは関税同盟、Yは自由貿易地域。
- XもYも、共通通貨の導入まで完了した通貨同盟。
- Xは自由貿易地域、Yは関税同盟。
- XもYも、域外国に同じ関税率を適用することが条件の自由貿易地域。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Xは自由貿易地域、Yは関税同盟。
- 選択肢1:不正解
共通の対外関税を持つYが関税同盟であり、分類が逆である。域内の関税だけでは両者を区別できない。 - 選択肢2:不正解
表には共通通貨の採用は示されていない。貿易面の統合と金融・通貨面の統合は別の段階である。 - 選択肢3:正解
域内関税の撤廃に加えて、域外国への共通関税があるかを見る。自由貿易地域では域外国への関税政策を各国が維持できる。 - 選択肢4:不正解
Xは域外国への関税を各国が決めている。共通関税を条件とするのは関税同盟という区分である。
復習のポイント:域内自由化に「共通の対外関税」が加わると関税同盟。
関連する一次資料:外務省:経済連携協定(EPA/FTA)等の取組EU理事会:The EU customs union
PE244 / 300国際政治・経済正誤判断
ユーロ圏の金融政策
ユーロを採用する国々の金融政策について、最も適切な説明はどれか。
- 同じユーロを使っていても、各国政府は自国のユーロだけを他国のユーロに対して切り下げられる。
- ユーロの導入により、加盟国の財政支出と税率はすべて同額・同率になる。
- ユーロ圏の金融政策は、WTOが各国の関税率と併せて決定する。
- 共通の金融政策を採るため、各国が独自の通貨と政策金利で景気調整する余地は制約される。
答えと全選択肢の解説
正解:4 共通の金融政策を採るため、各国が独自の通貨と政策金利で景気調整する余地は制約される。
- 選択肢1:不正解
共通通貨を使う国同士に、それぞれ別のユーロの為替相場があるわけではない。自国通貨の切下げという手段は使えない。 - 選択肢2:不正解
通貨統合と、各国財政の完全な同一化は異なる。共通ルールや調整はあるが、国ごとの予算・税制度は残る。 - 選択肢3:不正解
WTOは貿易ルールを扱う。ユーロ圏の金融政策を担うECBなどとの機関の対応を確認する。 - 選択肢4:正解
ユーロ圏ではECBを中心とする共通の金融政策が行われる。そのため各国独自の為替切下げや政策金利調整には制約がある。
復習のポイント:共通通貨の利点と、独自の金融・為替政策を使いにくくなる制約を併せて見る。
関連する一次資料:EU理事会:Economic and monetary union
PE245 / 300国際政治・経済資料読解
ODAの形態
ODAの学習用事例| 協力 | 内容 |
|---|
| X | 水道技術者を研修し、維持管理の知識を伝える |
| Y | 返済義務を課さず、学校建設資金を供与する |
| Z | 返済期間と利率を定め、交通基盤の整備資金を貸し付ける |
日本のODAによる協力として表のX・Y・Zを分類した組合せはどれか。
- Xは技術協力、Yは無償資金協力、Zは有償資金協力。
- Xは無償資金協力、Yは有償資金協力、Zは技術協力。
- Xは有償資金協力、Yは技術協力、Zは無償資金協力。
- X・Y・Zは資金や人材を海外へ送るので、すべて民間の直接投資。
答えと全選択肢の解説
正解:1 Xは技術協力、Yは無償資金協力、Zは有償資金協力。
- 選択肢1:正解
人材育成・技術移転、返済を求めない資金供与、返済を伴う貸付という違いで分ける。ODAには複数の支援形態がある。 - 選択肢2:不正解
Xは研修・技術移転が中心なので技術協力。Yは返済義務のない供与であり、有償資金協力ではない。 - 選択肢3:不正解
Zは返済を伴う貸付なので有償資金協力である。名称の印象ではなく支援の中身と返済の有無を確認する。 - 選択肢4:不正解
設問は政府の開発援助の事例であり、企業が経営関与を目的に出資する民間の直接投資とは異なる。
復習のポイント:ODAは「人材・技術」「返済なしの資金」「返済ありの資金」で区別する。
関連する一次資料:外務省:日本の開発協力政策とODA
PE246 / 300国際政治・経済事例判断
援助の持続性
学習用事例。援助で完成した給水設備は、交換部品を買う予算が確保されず、修理を担える人も育っていなかった。住民は再び遠くの水源へ通うようになった。
ある地域に給水設備を建設したが、維持費不足と技術者不足で数年後に停止した。開発協力の改善案として最も適切なものはどれか。
- 設備の建設額だけを成果とし、稼働後の給水状況は評価から外す。
- 施設整備に加え、現地の技術者育成と継続的に運営できる費用負担を検討する。
- 故障を防ぐため、現地の利用者に設備の仕組みや管理方法を知らせない。
- 返済義務がない支援なら、維持費や運営人材の計画は不要と判断する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 施設整備に加え、現地の技術者育成と継続的に運営できる費用負担を検討する。
- 選択肢1:不正解
投入額は事業規模を示すが、実際に水を得られるかという成果とは別である。稼働後の状態も確認する必要がある。 - 選択肢2:正解
設備という物的基盤だけでなく、人材や運営体制がなければ効果が続かない。現地の事情や負担可能性を踏まえた協力が必要となる。 - 選択肢3:不正解
現地で保守・運営できる能力を高めることが課題である。知識を伝えない方法は技術者不足の解決を妨げる。 - 選択肢4:不正解
無償か有償かは資金供与の条件であり、稼働後に費用や人材が不要になることを意味しない。
復習のポイント:開発協力は、設備の完成後に現地で使い続けられるかまで考える。
関連する一次資料:外務省:開発協力大綱
PE247 / 300国際政治・経済事例判断
人間の安全保障
「国境を守る体制は強いが、住民は感染症、飢餓、暴力によって日常生活を脅かされている」という国がある。人間の安全保障の視点から適切な対応はどれか。
- 国家の領土が保全されている以上、住民の生活上の脅威は安全保障の議論から外す。
- 住民を保護するため、意思決定への参加や自ら対処する力を育てる支援は控える。
- 一人ひとりの生命・生活・尊厳に着目し、保護と能力強化を組み合わせる。
- 経済全体の規模だけを測り、脅威を受ける集団ごとの違いは検討しない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 一人ひとりの生命・生活・尊厳に着目し、保護と能力強化を組み合わせる。
- 選択肢1:不正解
領土の安全が確保されても、人々の生命や暮らしが危険な場合はある。国家の安全と個人の安全を同一視しない。 - 選択肢2:不正解
能力強化も重要な柱である。一方的な保護だけに限定すると、住民が自ら課題に対処する可能性を狭めてしまう。 - 選択肢3:正解
人間の安全保障は、国家だけでなく個人に焦点を当てる。危機から守る支援と、人々が選択し行動する力を高める支援の双方が重要である。 - 選択肢4:不正解
経済の総量だけでは、誰が危険にさらされているかを捉えられない。取り残される人や脆弱な状況にも注目する。
復習のポイント:人間の安全保障は、個人の保護と能力強化を組み合わせる。
関連する一次資料:外務省:開発協力大綱
PE248 / 300国際政治・経済資料読解
一次産品依存と価格変動
価格変動前の輸出額。学習用仮想データ・単位は億ドル| 輸出品 | 輸出額 |
|---|
| 一次産品P | 800 |
| その他の輸出品 | 200 |
| 合計 | 1,000 |
輸出数量が変わらず、Pの価格だけが25%下落した。表の国に生じる変化として、正しいものはどれか。他の輸出価格は変化しない。
- 輸出総額は1,000から750へ減り、25%減少する。
- 輸出総額は1,000から975へ減り、2.5%減少する。
- Pの数量が同じなので、輸出総額は変化しない。
- 輸出総額は1,000から800へ減り、20%減少する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 輸出総額は1,000から800へ減り、20%減少する。
- 選択肢1:不正解
25%下がるのはPの価格であり、ほかの輸出品は変化しない。全輸出額に25%を掛けると減少を過大に計算する。 - 選択肢2:不正解
25%を金額25と置き換えている。Pの輸出額800の25%は200であり、25ではない。 - 選択肢3:不正解
輸出額は価格×数量で決まる。数量が変わらなくても価格が下がれば輸出額は減る。 - 選択肢4:正解
Pの輸出額は800×0.75=600。他品目200と合わせて800となり、総額の減少率は200÷1,000=20%である。
復習のポイント:特定産品への依存が高いほど、その価格変動が輸出収入全体へ大きく響く。
関連する一次資料:IMF:International Trade: Commerce among Nations
PE249 / 300国際政治・経済事例判断
人間開発指数
1人当たり所得が似ているA国とB国で、平均寿命や就学状況が異なる。この違いを考える際、人間開発指数(HDI)の説明として最も適切なものはどれか。
- 所得に加え、健康と教育の側面を組み合わせて人間開発の達成を捉える。
- 国のGDP総額だけを使うため、人口が大きい国ほど高くなる。
- 平均寿命だけで決まり、所得や就学状況は算定に含まれない。
- 指数が同じなら、国内の所得格差やすべての人々の生活状況も同じと判断できる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 所得に加え、健康と教育の側面を組み合わせて人間開発の達成を捉える。
- 選択肢1:正解
HDIは健康・教育・生活水準の複数の側面を用いる。所得が近い国でも、寿命や教育の成果の違いによって値が異なり得る。 - 選択肢2:不正解
HDIはGDPの総額ランキングではない。所得には1人当たりの指標を用い、健康と教育も考慮する。 - 選択肢3:不正解
平均寿命は健康面の指標だが、それだけではない。就学年数に関する指標や1人当たり所得も構成要素となる。 - 選択肢4:不正解
HDIは平均的な達成度を表すため、国内格差などを完全には示さない。同じ指数値でも分布や生活状況が異なる場合がある。
復習のポイント:HDIは所得・健康・教育を見るが、一つの指数ですべての格差は分からない。
関連する一次資料:UNDP:Human Development Index
PE250 / 300国際政治・経済資料読解
国際分業と付加価値
製品1個の国境を越える取引。学習用仮想データ| 取引 | 金額 |
|---|
| A国からB国への部品輸出 | 60ドル |
| B国からC国への完成品輸出 | 100ドル |
A国は部品をB国に輸出し、B国は組立後の製品をC国へ輸出した。表の単純化した取引で、B国が付け加えた価値はいくらか。輸入部品以外の中間投入はない。
- 100ドル
- 40ドル
- 160ドル
- 60ドル
答えと全選択肢の解説
正解:2 40ドル
- 選択肢1:不正解
100ドルにはA国で作られた部品の価値60ドルが含まれる。B国が新たに付け加えた分を求めるには差し引く。 - 選択肢2:正解
B国の輸出製品100ドルから、輸入部品60ドルを差し引くと40ドルである。最終製品の輸出額すべてがB国の付加価値ではない。 - 選択肢3:不正解
部品と最終製品を足すと中間財の価値を重複して数えてしまう。この設問で求めるB国の付加価値は差額である。 - 選択肢4:不正解
60ドルは輸入部品の価値であり、A国側で生まれた価値に対応する。B国の組立などで増えた分は40ドルである。
復習のポイント:国際分業では、輸出総額とその国で生み出した付加価値を区別する。
関連する一次資料:IMF:How Global Value Chains Are Transforming Manufacturing
労働・地域・環境 50問労働と契約・人口・地域・消費者・持続可能性
PE251 / 300労働・地域・環境事例判断
労働三権
民間企業の従業員が組合をつくり、賃上げを会社と話し合った。「組合をつくること」と「組合が会社と話し合うこと」に対応する権利の組合せとして適切なものはどれか。
- 団体行動権と団結権
- 勤労の権利と生存権
- 団結権と団体交渉権
- 団体交渉権と団体行動権
答えと全選択肢の解説
正解:3 団結権と団体交渉権
- 選択肢1:不正解
結成と交渉の両方が対応していない。組織をつくる段階と要求を話し合う段階を分けると判断できる。 - 選択肢2:不正解
勤労の権利や生存権も社会権だが、設問の集団的な労使関係を直接保障する労働三権とは異なる。 - 選択肢3:正解
団結権は労働者が組織をつくる権利、団体交渉権はその組織が使用者と労働条件を交渉する権利である。 - 選択肢4:不正解
組合の結成は団結権に当たる。団体行動権はストライキなどの行動に関係し、交渉そのものとは区別する。
復習のポイント:結成は団結権、交渉は団体交渉権、ストライキなどは団体行動権と区別する。
関連する一次資料:厚生労働省:労働組合
PE252 / 300労働・地域・環境事例判断
不当労働行為
組合は勤務時間を議題として団体交渉を申し入れた。会社は「個人面談には応じるが、組合とは話さない」と回答し、ほかの事情や理由を示していない。
次の会社の対応について、労働組合法の考え方に沿う説明はどれか。
- 労働委員会は賃金額を全国一律に決める機関なので、この問題を扱わない。
- 正当な理由のない団体交渉拒否は不当労働行為となり、労働委員会への救済申立ての対象になる。
- 会社が個人面談を用意すれば、組合との交渉を拒む理由として十分である。
- 組合が会社の許可なく結成された場合は、交渉を拒否してよい。
答えと全選択肢の解説
正解:2 正当な理由のない団体交渉拒否は不当労働行為となり、労働委員会への救済申立ての対象になる。
- 選択肢1:不正解
労働委員会は不当労働行為の審査・救済などを担う。最低賃金を全国一律に決める機関ではない。 - 選択肢2:正解
会社に組合の要求を受け入れる義務があるという意味ではない。正当な理由なく交渉を拒む行為が禁止される。 - 選択肢3:不正解
個人面談と団体交渉は別の仕組みである。個別の相談窓口だけで団体交渉権を代替できるわけではない。 - 選択肢4:不正解
労働者の自主的な団結を保障する制度なので、会社の設立許可を前提としない。
復習のポイント:「要求を受け入れない」と「正当な理由なく交渉自体を拒む」は区別する。
関連する一次資料:厚生労働省:不当労働行為救済制度とは厚生労働省:労働組合
PE253 / 300労働・地域・環境正誤判断
労働基準法の最低基準
労働基準法が定める最低基準と労働契約の関係について、適切な説明はどれか。
- 法定の最低基準に達しない契約部分は無効となり、その部分は法定基準による。
- 本人が書面で同意した部分は、法定の最低基準より低くても有効になる。
- 法定の最低基準より有利な労働条件も、法定基準まで引き下げられる。
- 最低基準に達しない部分が一つあれば、雇用関係全体が成立しなかったことになる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 法定の最低基準に達しない契約部分は無効となり、その部分は法定基準による。
- 選択肢1:正解
最低基準は労使の合意だけでは下回れない。問題のある部分を法の基準で補うことで労働者を保護する。 - 選択肢2:不正解
同意の有無だけでは最低基準を免れない。労使の交渉力の違いを踏まえた強行的な規制である。 - 選択肢3:不正解
最低基準は下限であり上限ではない。より高い賃金や充実した休暇を定めることは可能である。 - 選択肢4:不正解
無効になるのは基準に達しない契約部分であり、働いた事実や雇用契約全体が消えるという意味ではない。
復習のポイント:労働基準法の基準は「同意で下回れる目安」ではなく下限である。
関連する一次資料:厚生労働省:労働基準法に違反する契約
PE254 / 300労働・地域・環境資料読解
法定労働時間
ある週の勤務予定。学習用仮想データ| 曜日 | 実労働時間 |
|---|
| 月 | 9時間 |
| 火 | 8時間 |
| 水 | 8時間 |
| 木 | 8時間 |
| 金 | 7時間 |
変形労働時間制や法定の特例がない職場で、休憩を除く実労働時間を下表のように予定した。法定時間外労働に当たる時間について、適切な説明はどれか。
- 週合計が40時間なので、どの曜日にも法定時間外労働はない。
- 金曜日が7時間なので、月曜日の超過1時間と自動的に相殺される。
- 法定時間外労働は、1日8時間と週40時間の両方を同時に超えた場合に限られる。
- 週合計は40時間だが、月曜日の1時間は1日8時間を超えるため法定時間外労働になる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 週合計は40時間だが、月曜日の1時間は1日8時間を超えるため法定時間外労働になる。
- 選択肢1:不正解
週の基準を満たしても日ごとの基準を確認する。月曜日は9時間なので1時間分が超過している。 - 選択肢2:不正解
変形労働時間制などの要件を満たさずに、別の日の短い勤務で自由に相殺することはできない。 - 選択肢3:不正解
日または週の基準を超える時間が対象であり、両方同時の超過を必要とするわけではない。 - 選択肢4:正解
原則は1日8時間・週40時間である。特別な制度を設けていない前提では、週合計だけで日単位の超過を消せない。
復習のポイント:労働時間は「1日」と「1週」を別々に確認する。
関連する一次資料:厚生労働省:労働基準法
PE255 / 300労働・地域・環境正誤判断
36協定
法定時間外労働を行わせるための36協定について、適切な説明はどれか。一般的な労働時間規制が適用される職場を考える。
- 協定を届け出ると、その職場では時間外労働の割増賃金が不要になる。
- 協定の期間中は、会社が定めた残業時間が法定の上限より優先する。
- 所定の労使協定の締結・届出が必要で、協定があっても法定の上限などを守らなければならない。
- 従業員一人ひとりが残業に同意すれば、協定の締結・届出に代えられる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 所定の労使協定の締結・届出が必要で、協定があっても法定の上限などを守らなければならない。
- 選択肢1:不正解
残業を行わせるための手続と、行った残業への割増賃金の支払義務は別の問題である。 - 選択肢2:不正解
労使が合意しても法定上限を超えてよいことにはならない。協定自体も法令に適合する必要がある。 - 選択肢3:正解
36協定は法定時間外労働などのための仕組みだが、上限規制や割増賃金など別の義務をなくすものではない。 - 選択肢4:不正解
法で定める過半数労働組合または過半数代表者との協定など、所定の手続が必要である。
復習のポイント:36協定は残業のための手続であり、上限規制や割増賃金を消すものではない。
関連する一次資料:厚生労働省:労働基準法厚生労働省:三六協定
PE256 / 300労働・地域・環境事例判断
解雇の有効性
期間の定めのない労働契約について、会社が「解雇予告手当さえ払えば理由は問われない」と説明した。適切な評価はどれか。
- 正社員について解雇を規制する法律はなく、契約書の文言だけで判断する。
- 手当の支払とは別に解雇理由などが問われ、客観的な合理性と社会通念上の相当性を欠く解雇は無効となる。
- 手当は労働者の将来の賃金をすべて補償する制度なので、理由の審査は不要である。
- 労働者が反対した解雇は、会社側の事情にかかわらず無効となる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 手当の支払とは別に解雇理由などが問われ、客観的な合理性と社会通念上の相当性を欠く解雇は無効となる。
- 選択肢1:不正解
労働契約法などが適用され、契約書に記載すれば法の規制を外せるわけではない。 - 選択肢2:正解
解雇予告に関する手続と解雇の有効性は別である。手当を払っても、権利濫用に当たる解雇を有効にはできない。 - 選択肢3:不正解
解雇予告手当は将来の賃金全額の補償ではない。支払により解雇理由の妥当性が免除されるわけでもない。 - 選択肢4:不正解
本人の反対だけで結論は決まらない。解雇理由、経緯、対応などを踏まえた法的な判断が必要である。
復習のポイント:解雇予告の手続を守ったかと、解雇理由が有効かは別々に判断する。
関連する一次資料:厚生労働省:労働契約の終了に関するルール
PE257 / 300労働・地域・環境事例判断
最低賃金
高校生が飲食店のアルバイトに応募したところ、「研修中は学生だから地域別最低賃金より低くする」と言われた。適切な説明はどれか。
- 学生アルバイトも原則として適用対象であり、研修中というだけでは最低賃金を下回れない。
- 地域別最低賃金は正社員向けなので、学生には店が自由に賃金を決められる。
- 本人が履歴書に希望時給を書けば、それが最低賃金より低くても優先される。
- 試用期間中の賃金は、店長が減額の必要性を認めれば最低賃金未満にできる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 学生アルバイトも原則として適用対象であり、研修中というだけでは最低賃金を下回れない。
- 選択肢1:正解
雇用形態や学生という身分だけで対象外にはならない。減額の特例には所定の要件と労働局長の許可が必要である。 - 選択肢2:不正解
地域別最低賃金はパートやアルバイトにも適用される。正社員限定の制度ではない。 - 選択肢3:不正解
希望や合意によって法の下限を下回ることはできない。本人の申し出があっても同様である。 - 選択肢4:不正解
試用期間であっても自動的に減額できるわけではない。店内の判断と行政による特例許可を区別する。
復習のポイント:学生・アルバイト・研修中という名称だけで最低賃金の対象外にはならない。
関連する一次資料:厚生労働省:最低賃金の適用される労働者の範囲
PE258 / 300労働・地域・環境事例判断
無期転換ルール
Aさんは同じ会社で1年契約を途切れなく更新し、6年目の契約に入った。研究者などの特例には該当しない。契約期間以外の労働条件を変更する特別の定めもない。
次の事例について、原則的な無期転換ルールの説明として適切なものはどれか。
- 通算契約期間がちょうど5年になった日に、申込みなしで正社員へ切り替わる。
- 無期転換では、賃金と役職も同じ会社の正社員と同一になることが保障される。
- 無期転換の申込みを受けても、会社が契約更新を希望しなければ自由に拒否できる。
- Aさんが所定の期間内に申し込めば、現在の契約終了後から期間の定めのない契約になる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Aさんが所定の期間内に申し込めば、現在の契約終了後から期間の定めのない契約になる。
- 選択肢1:不正解
条件は原則として5年を「超える」ことで、労働者の申込みが必要である。正社員という身分への転換とも同義ではない。 - 選択肢2:不正解
無期転換でなくなるのは契約期間の定めである。賃金・役職が自動的に正社員と同じになる制度ではない。 - 選択肢3:不正解
要件を満たす申込みを使用者が自由に拒否できる制度ではない。申込権の成立と転換時期を分けて考える。 - 選択肢4:正解
同一使用者との有期契約が更新され通算5年を超える場合、労働者の申込みにより無期契約へ転換するのが原則である。
復習のポイント:無期転換は「5年超・本人の申込み」が原則で、正社員化とは区別する。
関連する一次資料:厚生労働省:無期転換ルールについて
PE259 / 300労働・地域・環境正誤判断
不合理な待遇差
同一労働同一賃金の考え方に関する説明として、適切なものはどれか。
- 短時間労働者には、基本給以外の待遇差について説明する必要はない。
- 名称がアルバイトであれば、正社員との待遇差に合理的な根拠は求められない。
- 同じ企業の正規・非正規労働者の待遇差について、職務内容などに照らし不合理でないかを検討する。
- 同じ年齢の労働者であれば、職務や責任が違っても同じ賃金額にする制度である。
答えと全選択肢の解説
正解:3 同じ企業の正規・非正規労働者の待遇差について、職務内容などに照らし不合理でないかを検討する。
- 選択肢1:不正解
対象は基本給に限らず、賞与、手当、福利厚生なども含む。待遇ごとに理由を確認する。 - 選択肢2:不正解
呼称だけで待遇差を正当化できない。雇用形態の名前より実際の職務や待遇の目的を見る。 - 選択肢3:正解
職務の内容、責任、配置変更の範囲などを踏まえ、個々の待遇の性質・目的に応じて不合理な差をなくす考え方である。 - 選択肢4:不正解
年齢だけで賃金額をそろえる制度ではない。仕事や責任など、差の理由を吟味する必要がある。
復習のポイント:同一労働同一賃金は、名前だけを理由にした不合理な待遇差をなくす考え方である。
関連する一次資料:厚生労働省:同一労働同一賃金特集
PE260 / 300労働・地域・環境資料読解
育児と就業継続
人事制度についての意見。学習用仮想事例| 発言者 | 意見 |
|---|
| 甲 | 育児休業を利用できるのは出産した女性だけだ。 |
| 乙 | 育児休業を取ったことを理由に降格させてはいけない。 |
| 丙 | 採用後の昇進なら性別で基準を分けてもよい。 |
| 丁 | 育児休業は同僚全員が賛成した場合に認めればよい。 |
企業の人事制度を検討する会議で下表の意見が出た。法の考え方に沿うものはどれか。
- 丁の意見が適切で、制度の利用に同僚の全員一致を条件としてよい。
- 乙の意見が適切で、育児休業の申出・取得を理由とする不利益取扱いを防ぐ必要がある。
- 甲の意見が適切で、育児休業は出産した本人のためだけの制度である。
- 丙の意見が適切で、採用後であれば性別を昇進基準に用いてよい。
答えと全選択肢の解説
正解:2 乙の意見が適切で、育児休業の申出・取得を理由とする不利益取扱いを防ぐ必要がある。
- 選択肢1:不正解
法定制度の利用を同僚全員の賛成に委ねる仕組みではない。職場は業務分担などを工夫して対応する。 - 選択肢2:正解
育児休業制度は男性労働者も要件を満たせば利用でき、利用を理由とする不利益取扱いは禁止される。 - 選択肢3:不正解
産前産後休業と育児休業を混同している。育児休業は母親だけを対象とする制度ではない。 - 選択肢4:不正解
性別による差別の規制は採用だけに限られない。配置や昇進などの段階にも及ぶ。
復習のポイント:産前産後休業と育児休業を区別し、育児休業は男性も対象になり得ると押さえる。
関連する一次資料:厚生労働省:男女雇用機会均等法、育児・介護休業法のあらまし厚生労働省:雇用における男女の均等な機会と待遇の確保
PE261 / 300労働・地域・環境計算
労働力率
地域Aの就業状態。学習用仮想データ| 区分 | 人数 |
|---|
| 15歳以上人口 | 1,000人 |
| 就業者 | 540人 |
| 完全失業者 | 60人 |
| 非労働力人口 | 400人 |
下表の地域における労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)はいくらか。
- 60%
- 54%
- 6%
- 90%
答えと全選択肢の解説
正解:1 60%
- 選択肢1:正解
労働力人口は就業者540人と完全失業者60人の合計600人。600÷1000×100=60%である。 - 選択肢2:不正解
540÷1000は就業率である。労働力率には仕事を求める完全失業者も含める。 - 選択肢3:不正解
60÷1000は15歳以上人口に占める完全失業者の割合であり、労働力率ではない。 - 選択肢4:不正解
540÷600は労働力人口に占める就業者の割合である。分母を15歳以上人口に直す。
復習のポイント:労働力率の分子は就業者+完全失業者、分母は15歳以上人口である。
関連する一次資料:総務省統計局:労働力調査 用語の解説
PE262 / 300労働・地域・環境計算
完全失業率
国Bの人口と就業状態。学習用仮想データ| 区分 | 人数 |
|---|
| 総人口 | 1,667万人 |
| 15歳以上人口 | 1,500万人 |
| 就業者 | 950万人 |
| 完全失業者 | 50万人 |
下表の国の完全失業率を求めたものとして、正しいものはどれか。
- 3%
- 約5.3%
- 約66.7%
- 5%
答えと全選択肢の解説
正解:4 5%
- 選択肢1:不正解
総人口で割る方法ではない。完全失業率は就業しているか仕事を探している人を母集団とする。 - 選択肢2:不正解
50÷950は失業者を就業者だけで割った値である。分母に完全失業者自身も加える必要がある。 - 選択肢3:不正解
1000÷1500×100=約66.7%は労働力率である。完全失業率は労働力人口に占める失業者の割合である。 - 選択肢4:正解
分母は労働力人口950+50=1000万人である。50÷1000×100=5%となる。
復習のポイント:完全失業率=完全失業者÷(就業者+完全失業者)×100。
関連する一次資料:総務省統計局:労働力調査に関するQ&A
PE263 / 300労働・地域・環境資料読解
非正規雇用の割合
役員を除く雇用者の構成。学習用仮想データ| 雇用形態 | 第1年 | 第2年 |
|---|
| 正規 | 60人 | 75人 |
| 非正規 | 40人 | 45人 |
| 合計 | 100人 | 120人 |
下表だけから読み取れることとして、適切なものはどれか。
- 正規の人数が増えたので、非正規から正規へ移った人が15人いた。
- 非正規の割合が低下したため、非正規の労働者の賃金は上昇した。
- 非正規の人数は増えたが、役員を除く雇用者に占める非正規の割合は低下した。
- 非正規の人数が増えたため、非正規の割合も上昇した。
答えと全選択肢の解説
正解:3 非正規の人数は増えたが、役員を除く雇用者に占める非正規の割合は低下した。
- 選択肢1:不正解
人数の純増は人の移動経路を示さない。新規就職や退職もあり、個人の転換人数は判定できない。 - 選択肢2:不正解
人数と雇用形態の表から賃金の変化は分からない。賃金に関する別の資料が必要である。 - 選択肢3:正解
非正規は40人から45人へ増えたが、割合は40÷100=40%から45÷120=37.5%へ下がった。 - 選択肢4:不正解
分子だけでは割合を判断できない。雇用者総数は非正規人数より速い割合で増えている。
復習のポイント:人数の増減、構成比の増減、個人の移動は別の情報である。
関連する一次資料:総務省統計局:労働力調査 用語の解説
PE264 / 300労働・地域・環境資料読解
人口高齢化
地域Cの年齢別人口。学習用仮想データ| 年齢区分 | 第1年 | 第2年 |
|---|
| 15歳未満 | 20人 | 15人 |
| 15〜64歳 | 50人 | 45人 |
| 65歳以上 | 30人 | 30人 |
| 総人口 | 100人 | 90人 |
下表について、適切な読み取りはどれか。
- 高齢化率は、65歳以上人口を15歳未満人口で割って求める。
- 65歳以上人口は同じでも、総人口が減ったため高齢化率は上昇した。
- 65歳以上人口が同じなので、高齢化率も同じである。
- 15〜64歳人口が減ったので、この地域の就業者数も必ず同じ人数だけ減った。
答えと全選択肢の解説
正解:2 65歳以上人口は同じでも、総人口が減ったため高齢化率は上昇した。
- 選択肢1:不正解
15歳未満人口を分母にするのは老年化指数である。高齢化率の分母は総人口を用いる。 - 選択肢2:正解
高齢化率は総人口に占める65歳以上人口の割合で、第1年は30%、第2年は約33.3%である。 - 選択肢3:不正解
高齢化率は割合であり、分子が同じでも分母の総人口が減れば上昇する。 - 選択肢4:不正解
年齢区分は就業状態を表さない。高齢者の就業や就業率の変化もあるため、就業者数は確定できない。
復習のポイント:高齢者の人数が増えなくても、総人口が減れば高齢化率は上がり得る。
関連する一次資料:総務省統計局:人口推計 用語の解説
PE265 / 300労働・地域・環境計算
自然増減と社会増減
ある自治体の人口動態。学習用仮想データ| 項目 | 人数 |
|---|
| 出生 | 120人 |
| 死亡 | 170人 |
| 転入 | 300人 |
| 転出 | 220人 |
ある自治体の1年間の人口動態が下表のとおりだった。他の増減要因を考えない場合、人口はどう変化したか。
- 自然減50人、社会増80人で、人口は30人増えた。
- 自然増50人、社会減80人で、人口は30人減った。
- 社会増80人なので、人口は80人増えた。
- 死亡者が出生者を上回るので、人口は50人減った。
答えと全選択肢の解説
正解:1 自然減50人、社会増80人で、人口は30人増えた。
- 選択肢1:正解
自然増減は120−170=−50人、社会増減は300−220=80人。合計すると30人の増加である。 - 選択肢2:不正解
それぞれの引き算の向きが逆である。出生・転入を増加側、死亡・転出を減少側に置く。 - 選択肢3:不正解
社会増だけを見ている。死亡が出生を上回った50人分を差し引く必要がある。 - 選択肢4:不正解
自然減だけでは全体の増減を決められない。今回は転入超過が自然減を上回っている。
復習のポイント:人口増減は(出生−死亡)+(転入−転出)で考える。
関連する一次資料:総務省統計局:人口推計 用語の解説
PE266 / 300労働・地域・環境正誤判断
合計特殊出生率
ある年の合計特殊出生率の説明として、適切なものはどれか。
- その年に生まれた子どもの数を、男女を合わせた総人口で割った値である。
- その年に出産した女性だけについて、これまでに生んだ子どもの数を平均した値である。
- 現在の出生率が上がれば、その年の出生数も人口構成にかかわらず増加する。
- その年の年齢別出生率を合計し、その出生率が続くと仮定した場合に女性1人が生む子どもの数に相当する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 その年の年齢別出生率を合計し、その出生率が続くと仮定した場合に女性1人が生む子どもの数に相当する。
- 選択肢1:不正解
総人口を分母にした出生率と混同している。合計特殊出生率は年齢別の女性人口を用いて計算する。 - 選択肢2:不正解
出産した人だけの平均ではない。出産していない女性も含む各年齢の人口を分母にする。 - 選択肢3:不正解
出生率が上がっても、出産年齢の女性人口の減少によって出生数が減る場合がある。率と人数を区別する。 - 選択肢4:正解
通常の期間合計特殊出生率は、その年の15〜49歳の年齢別出生率を合計した指標であり、実際の一世代の生涯実績とは異なる。
復習のポイント:合計特殊出生率は、その年の出生状況を年齢構成の影響を調整して見る指標である。
関連する一次資料:厚生労働省:出生統計 用語の解説
PE267 / 300労働・地域・環境事例判断
コンパクトなまちづくり
市では病院や商店が郊外に点在し、バス利用者が減っている。一方、高齢者からは「免許を返した後も買物や通院を続けたい」という意見が寄せられた。
人口減少が進む市が、医療・商業機能を複数の拠点へ誘導する計画を立てた。コンパクト・プラス・ネットワークの考え方に沿う追加策はどれか。
- 効率を高めるため、市内の住民全員を一つの建物へ移住させる。
- 住民の移動手段よりも、拠点に建つ施設の数だけを成果指標にする。
- 拠点と居住地域を結ぶ公共交通を確保し、自動車を運転しない住民の利用も考える。
- 施設を拠点に集めれば移動需要がなくなるため、周辺地域の交通を廃止する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 拠点と居住地域を結ぶ公共交通を確保し、自動車を運転しない住民の利用も考える。
- 選択肢1:不正解
一つの建物への強制移住を意味しない。複数の拠点や居住地域を交通で結ぶことが考えられる。 - 選択肢2:不正解
施設数だけでは到達時間や利用できない住民の状況が分からない。交通アクセスも評価する必要がある。 - 選択肢3:正解
生活機能の集約と交通網の確保を組み合わせる発想である。施設の場所だけでなく、住民が利用できるかが重要となる。 - 選択肢4:不正解
施設までの距離が延びる住民もいる。集約だけでは利用のしやすさを確保できない。
復習のポイント:生活機能の集約は、それを利用するための交通網と合わせて考える。
関連する一次資料:国土交通省:コンパクト・プラス・ネットワーク
PE268 / 300労働・地域・環境資料読解
地域経済循環
同額の観光売上を想定した2案。学習用仮想データ| 項目 | 案A | 案B |
|---|
| 売上 | 1,000万円 | 1,000万円 |
| 地域内の仕入・雇用などへの支払 | 300万円 | 600万円 |
| 地域外への支払など | 700万円 | 400万円 |
二つの観光事業案について、地域内に残る所得に注目した説明として適切なものはどれか。
- 案Bを選べば、地域外との取引を今後なくすことが地域経済の目標になる。
- 売上が同じでも、地域内での仕入れや雇用への支払が多い案Bは、地域内への波及を生みやすい。
- 売上が同じなので、地域内に残る所得も同じになる。
- 地域外への支払が多い案Aの方が、地域内の取引も必ず多くなる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 売上が同じでも、地域内での仕入れや雇用への支払が多い案Bは、地域内への波及を生みやすい。
- 選択肢1:不正解
地域内循環の強化は自給自足の強制ではない。域外需要の獲得や必要な輸入との組合せを考える。 - 選択肢2:正解
所得がどこへ支払われるかに注目すると、地域の事業者や住民への支払の多い案Bに域内循環の利点がある。 - 選択肢3:不正解
売上額だけでは仕入先、従業員の居住地、利益の帰属先などは分からない。総売上と域内所得を区別する。 - 選択肢4:不正解
地域外への支払がそのまま地域内の取引になるわけではない。表では案Aの域内支払は小さい。
復習のポイント:地域経済では売上の大きさに加え、所得が地域の誰へ流れるかを見る。
関連する一次資料:環境省:地域経済循環分析・地域経済波及効果分析
PE269 / 300労働・地域・環境資料読解
男女の賃金格差
企業Dの月額平均賃金。学習用仮想データ| 集団 | 平均賃金 |
|---|
| 男性 | 30万円 |
| 女性 | 24万円 |
下表の平均賃金だけから、適切に言えることはどれか。
- 女性の平均賃金は男性の80%だが、格差の要因分析には職種・役職・労働時間などの追加資料が必要である。
- 女性の平均賃金は男性より20%低いので、同じ仕事の女性全員が20%低く支払われている。
- 女性の平均賃金が低いことだけで、女性の能力が平均20%低いと分かる。
- 平均賃金に差があれば、職種や勤続年数などを調べても意味がない。
答えと全選択肢の解説
正解:1 女性の平均賃金は男性の80%だが、格差の要因分析には職種・役職・労働時間などの追加資料が必要である。
- 選択肢1:正解
24÷30×100=80%である。集団の平均差と、同一条件での差別的取扱いを直接同一視することはできない。 - 選択肢2:不正解
平均値は個人全員の状態を示さない。職務や時間をそろえた比較には別の分析が必要となる。 - 選択肢3:不正解
賃金は能力の直接測定ではない。配置・昇進機会や勤務形態など複数の要因を考える。 - 選択肢4:不正解
要因を分けることで、待遇の差別や機会の偏りなど、どこに改善が必要かを具体的に検討できる。
復習のポイント:平均値の差は課題発見の入口であり、原因の確定には条件をそろえた比較が必要である。
関連する一次資料:厚生労働省:雇用における男女の均等な機会と待遇の確保
PE270 / 300労働・地域・環境計算
相対的貧困
所得の小さい順に並べた10人。学習用仮想データ| 人 | 等価可処分所得 |
|---|
| A | 60万円 |
| B | 80万円 |
| C | 100万円 |
| D | 150万円 |
| E | 200万円 |
| F | 200万円 |
| G | 250万円 |
| H | 300万円 |
| I | 400万円 |
| J | 560万円 |
表に示した10人の等価可処分所得から相対的貧困率を求める。貧困線を中央値の半分、その線に満たない人を貧困状態と定義すると、正しい組合せはどれか。
- 貧困線200万円、相対的貧困率50%
- 貧困線100万円、相対的貧困率30%
- 貧困線115万円、相対的貧困率30%
- 貧困線100万円、相対的貧困率20%
答えと全選択肢の解説
正解:4 貧困線100万円、相対的貧困率20%
- 選択肢1:不正解
200万円は中央値そのものであり貧困線ではない。定義に従って半分にする必要がある。 - 選択肢2:不正解
100万円ちょうどの人を含めている。設問は「満たない」と定義しているので100万円は含まない。 - 選択肢3:不正解
平均所得の半分などを使う方法ではない。貧困線を求める基準は平均値ではなく中央値である。 - 選択肢4:正解
中央の5番目と6番目はいずれも200万円なので中央値は200万円、半分は100万円。100万円未満は2人で2÷10=20%となる。
復習のポイント:相対的貧困率は等価可処分所得の中央値の半分「未満」の人の割合である。
関連する一次資料:国立環境研究所:相対的貧困率
PE271 / 300労働・地域・環境事例判断
成年年齢18歳
18歳になった高校生が、親の同意を得ずに日常生活用の高額商品を契約した。日本の成年年齢に関する説明として適切なものはどれか。
- 成年年齢が18歳になったため、飲酒や喫煙も18歳から可能になった。
- 成年の契約は、だまされた場合でも消費者保護制度の対象にならない。
- 高校在学中でも成年であり、年齢だけを理由に未成年者取消権は使えないが、別の取消し等の制度が使える場合はある。
- 高校を卒業するまでは未成年なので、親が反対すれば未成年者取消権を使える。
答えと全選択肢の解説
正解:3 高校在学中でも成年であり、年齢だけを理由に未成年者取消権は使えないが、別の取消し等の制度が使える場合はある。
- 選択肢1:不正解
成年年齢と個別の年齢制限は同じではない。飲酒・喫煙の年齢制限は20歳のままである。 - 選択肢2:不正解
成年者にも消費者契約法や特定商取引法などが適用され得る。未成年者取消権だけが使えなくなる点を区別する。 - 選択肢3:正解
成年かどうかは在学状況ではなく年齢で判断する。成人でも不当な勧誘などには別の法律による救済が考えられる。 - 選択肢4:不正解
民法の成年年齢は18歳である。学校に在籍していることは未成年者取消権の要件にならない。
復習のポイント:18歳は高校生でも成年だが、成年者も消費者保護制度の対象である。
関連する一次資料:政府広報オンライン:18歳から大人と消費者トラブル法務省:民法(成年年齢関係)改正Q&A
PE272 / 300労働・地域・環境事例判断
未成年者取消権
17歳のBさんが、法定代理人の同意なく高額な教材を契約した。自由に処分を許された財産の範囲ではなく、成年だと偽るなどの事情もない。この契約について適切な説明はどれか。
- 取消しができるのは法定代理人だけで、本人は申し出られない。
- 未成年者である本人または法定代理人が、原則として契約を取り消すことができる。
- 未成年者の契約は成立しないので、取消しの意思表示をする余地はない。
- 契約書に署名している以上、未成年者取消権を使うことはできない。
答えと全選択肢の解説
正解:2 未成年者である本人または法定代理人が、原則として契約を取り消すことができる。
- 選択肢1:不正解
取消しは法定代理人だけでなく未成年者本人からも行うことができる。 - 選択肢2:正解
未成年者の保護のため、同意なしの契約は原則として取消しの対象となる。例外に当たる事情がない点を確認する。 - 選択肢3:不正解
未成年者の契約が最初からすべて不成立になるわけではない。有効に成立しても後から取り消せる場合がある。 - 選択肢4:不正解
署名の有無と未成年者取消権は別の問題である。署名しただけで保護がなくなるわけではない。
復習のポイント:未成年者の契約は「最初から全部無効」ではなく、原則として取り消せる。
関連する一次資料:消費者庁:社会への扉 契約について理解しよう
PE273 / 300労働・地域・環境事例判断
契約の成立
成人同士が中古の自転車について「1万円で売る」「その条件で買う」と合意した。特別な方式を必要としない通常の売買として、適切な説明はどれか。
- 原則として意思の合致で売買契約は成立し、書面がないことだけを理由に自由に撤回できるわけではない。
- 契約書への押印がない限り、売買契約は成立していない。
- 代金を全額支払い終わるまでは、どちらからでも理由なく契約を取り消せる。
- 商品の受渡しが済むまでは、価格についての合意に法的な意味はない。
答えと全選択肢の解説
正解:1 原則として意思の合致で売買契約は成立し、書面がないことだけを理由に自由に撤回できるわけではない。
- 選択肢1:正解
一般の売買契約は申込みと承諾の合致で成立する。書面は内容を確認・証明するために有用だが成立の必須条件とは限らない。 - 選択肢2:不正解
書面や押印を要しない契約も多い。契約成立と証拠を残す方法は区別する。 - 選択肢3:不正解
支払は契約に基づく義務の履行であり、通常は契約成立の後に行われる。未払いだから自由に取消せるわけではない。 - 選択肢4:不正解
引渡しも契約の履行に当たる。合意によって売主・買主それぞれに義務が生じる。
復習のポイント:通常の売買は合意で成立し、支払・引渡しは成立後の履行に当たる。
関連する一次資料:消費者庁:社会への扉 契約について理解しよう
PE274 / 300労働・地域・環境事例判断
訪問販売のクーリング・オフ
訪問販売で商品を購入した成人が、所定の期間内に契約をやめたいと考えた。適用除外や妨害など特別の事情がない場合、クーリング・オフの説明として適切なものはどれか。
- 成人は自分の意思で契約しているため、クーリング・オフを使えない。
- 商品に欠陥があり、事業者が故意に隠したことを証明した場合に限り利用できる。
- 訪問販売に当たる取引でも、契約書に署名した後は利用できない。
- 法律の要件を満たす通知により、商品に欠陥があることを証明しなくても契約を解除できる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 法律の要件を満たす通知により、商品に欠陥があることを証明しなくても契約を解除できる。
- 選択肢1:不正解
成人も対象になる。成年年齢の制度と、販売方法に応じたクーリング・オフの制度は別である。 - 選択肢2:不正解
欠陥や故意の証明はクーリング・オフの一般的要件ではない。取引類型や期間、通知方法などを確認する。 - 選択肢3:不正解
契約後に考え直すための制度であるため、署名したという理由だけで利用を否定することはできない。 - 選択肢4:正解
不意の勧誘などを受けた消費者に再考の機会を保障する制度である。通常の損害賠償や欠陥の救済とは要件が異なる。
復習のポイント:クーリング・オフは、対象取引の契約を一定条件で考え直せる制度である。
関連する一次資料:消費者庁:特定商取引法ガイド 訪問販売
PE275 / 300労働・地域・環境事例判断
通信販売と返品
成人が自分で通販サイトを探し、通常のインターネット通信販売で服を注文した。届いた商品は広告や契約どおりだが、好みが変わったため返品したい。適切な説明はどれか。
- 通信販売にはクーリング・オフがないので、返品できる制度や合意も存在しない。
- 商品を開封する前であれば、返品の条件にかかわらず無料で返品できる。
- 通信販売には一般にクーリング・オフ制度はなく、返品特約や特約がない場合の法のルールを確認する。
- ネット経由の契約はすべて訪問販売と同じクーリング・オフ制度の対象になる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 通信販売には一般にクーリング・オフ制度はなく、返品特約や特約がない場合の法のルールを確認する。
- 選択肢1:不正解
クーリング・オフがないことと、返品できないことは同義ではない。返品特約や法定の返品制度を検討する。 - 選択肢2:不正解
未開封という事情だけで一律に無料返品できるわけではない。商品不適合のない自己都合返品では条件が重要となる。 - 選択肢3:正解
通信販売と訪問販売は異なる。返品特約が適切に表示されているか、特約がない場合の返品ルールがどう定められているかを確認する。 - 選択肢4:不正解
申込みがネットでも勧誘方法によって別類型となる場合はあるが、設問の通常の通信販売にはクーリング・オフがない。
復習のポイント:通信販売は「クーリング・オフなし」と「返品不可」を混同しない。
関連する一次資料:消費者庁:特定商取引法ガイド 通信販売
PE276 / 300労働・地域・環境事例判断
消費者契約法
成人の消費者が、販売員から商品の重要な性能について事実と異なる説明を受け、それを信じて契約した。消費者契約法の考え方として適切なものはどれか。
- 重要事項について虚偽を述べても、契約書に真実を書けば誤認の問題は生じない。
- 不実告知による誤認などの要件を満たす場合、契約を取り消せることがある。
- 成人が説明を信じた責任は本人だけにあるため、契約の取消しはできない。
- 消費者契約法の保護は、訪問販売で契約した消費者だけに限られる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 不実告知による誤認などの要件を満たす場合、契約を取り消せることがある。
- 選択肢1:不正解
口頭の説明や契約時の経緯も検討される。書面があるだけで虚偽の勧誘が一律に正当化されるわけではない。 - 選択肢2:正解
重要事項について事実と異なる説明をし、それにより消費者が誤認して意思表示をした場合などに取消しが認められる。 - 選択肢3:不正解
成人にも同法は適用される。未成年者取消権とは別に、勧誘の問題に着目した制度がある。 - 選択肢4:不正解
一般の店舗販売なども消費者契約に当たり得る。訪問販売という取引類型の限定はない。
復習のポイント:消費者契約法は、消費者と事業者の情報・交渉力の差を踏まえて不当な契約を是正する。
関連する一次資料:消費者庁:消費者契約法 第2章逐条解説
PE277 / 300労働・地域・環境事例判断
製造物責任
家庭用家電の欠陥により火災が発生し、家電以外の家具にも損害が生じた。製造物責任法の考え方として適切なものはどれか。
- 製造業者の過失の証明に代わり、製品の欠陥と損害との因果関係などが問題となる。
- 製造業者の故意を立証できなければ、製造物責任は追及できない。
- 商品を使って損害が生じれば、欠陥や因果関係を確認せず賠償が認められる。
- 製造物責任法が対象にするのは、契約した価格が割高だった場合の損失である。
答えと全選択肢の解説
正解:1 製造業者の過失の証明に代わり、製品の欠陥と損害との因果関係などが問題となる。
- 選択肢1:正解
被害者は製品の欠陥、損害、両者の因果関係などを示す必要があるが、製造業者の過失そのものの立証を要件とはしない。 - 選択肢2:不正解
故意の証明を求める制度ではない。欠陥責任である点を、一般的な過失責任との違いとして押さえる。 - 選択肢3:不正解
損害が発生した事実だけでは足りない。製品の欠陥とその欠陥から損害が生じた関係などを確認する。 - 選択肢4:不正解
中心となるのは製品の安全性の欠如による生命・身体・財産への被害であり、価格の高低の問題ではない。
復習のポイント:製造物責任は過失ではなく欠陥に着目するが、欠陥と被害の関係の立証は必要である。
関連する一次資料:消費者庁:製造物責任法の概要Q&A
PE278 / 300労働・地域・環境事例判断
表示と情報の非対称性
通販会社が、根拠なく「この製品を使えば電気代が半分になる」と広告した。不当表示の規制が必要になる理由として、最も適切なものはどれか。
- 事業者が商品の長所を消費者へ伝える行為そのものをなくすため。
- 高価格の商品を市場から排除し、全事業者の価格を同額にするため。
- 一度広告を出した商品の購入を、消費者に義務づけるため。
- 消費者が性能を十分に確認できない状況で、誤認に基づく選択が起こるのを防ぐため。
答えと全選択肢の解説
正解:4 消費者が性能を十分に確認できない状況で、誤認に基づく選択が起こるのを防ぐため。
- 選択肢1:不正解
適切な根拠に基づく広告は禁止されない。問題は実際より著しく優良・有利であると誤認させる表示などである。 - 選択肢2:不正解
表示規制は価格を一律化する制度ではない。価格や性能を正しく比較できる条件を確保する。 - 選択肢3:不正解
購入するかどうかは消費者が判断する。表示規制は自由な選択のための情報を改善するものである。 - 選択肢4:正解
売り手が品質などをよく知る一方、買い手は判断材料を得にくい場合がある。表示の適正化は選択の前提となる情報を守る。
復習のポイント:消費者の選択を機能させるには、比較できる正確な情報が必要となる。
関連する一次資料:消費者庁:表示規制の概要
PE279 / 300労働・地域・環境事例判断
個人情報と目的
事業者が配送のために集めた顧客の住所・氏名を、無関係な広告会社に名簿として渡そうとしている。法令上の例外や適法なオプトアウト手続等はない。適切な説明はどれか。
- 氏名と住所はよく使う情報なので、個人情報保護の対象にはならない。
- 名簿を無償で渡す場合は、第三者提供のルールを確認しなくてよい。
- 個人データの第三者提供については原則として事前の本人同意が必要で、利用目的にも留意する。
- 配送先を一度入力したことが、以後の第三者提供すべてへの同意を意味する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 個人データの第三者提供については原則として事前の本人同意が必要で、利用目的にも留意する。
- 選択肢1:不正解
氏名や住所などにより特定の生存する個人を識別できる情報は、個人情報に該当し得る。 - 選択肢2:不正解
金銭の授受がないことだけでは規制の対象外にならない。提供するデータや相手、目的を確認する。 - 選択肢3:正解
顧客情報をデータベース化した個人データの提供には原則として本人同意が必要となる。例外の有無と目的も確認する。 - 選択肢4:不正解
配送に必要な情報を渡す意思と、別の会社へ広告用に提供する同意は同じではない。
復習のポイント:情報を集めた目的と、第三者へ渡す条件は別々に確認する。
関連する一次資料:個人情報保護委員会:個人情報保護法ガイドライン 通則編
PE280 / 300労働・地域・環境資料読解
デジタルデバイド
申請完了率(学習用仮想データ)/数値は下表にも掲載しています。
対象者の申請完了率。学習用仮想データ| 区分 | 申請完了率 |
|---|
| 操作に慣れている層 | 90% |
| 操作に不慣れな層 | 45% |
自治体が給付申請をオンライン化したところ、下表の状況となった。デジタルデバイドへの対応として最も適切なものはどれか。
- 端末の所持率だけを確認すれば、操作能力や障害への配慮は検討しなくてよい。
- オンラインの使いやすさを改善し、操作支援や窓口など複数の申請手段も用意する。
- 操作に不慣れな住民にも同じ画面を示しているので、利用機会の格差は存在しない。
- 申請率の低い層への案内を減らし、利用率の高い層に行政サービスを集中する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 オンラインの使いやすさを改善し、操作支援や窓口など複数の申請手段も用意する。
- 選択肢1:不正解
端末があっても利用できるとは限らない。技能、言語、視覚・身体の状態なども確認する。 - 選択肢2:正解
端末・通信環境だけでなく操作の技能やアクセシビリティにも差がある。複数の手段と支援によって利用機会を確保する。 - 選択肢3:不正解
同じ画面の提供だけでは、実際に使える条件がそろわないことがある。形式的な同一性と利用可能性を区別する。 - 選択肢4:不正解
申請しにくいことを理由に案内を減らすと、支援が必要な人に制度が届かなくなる。
復習のポイント:デジタル格差は機器の有無だけでなく、使える能力とサービスの設計にも関係する。
関連する一次資料:デジタル庁:サービスデザイン
PE281 / 300労働・地域・環境事例判断
フィッシングへの対応
メールには銀行のロゴがあり、差出人欄には普段使っている銀行名が表示されている。しかし、利用者はこの確認手続について事前の案内を受けていない。
銀行名を表示したメールが「至急、次のリンクから暗証番号を入力しないと利用停止」と知らせてきた。適切な対応はどれか。
- メール内のリンクを使わず、事前に確認した公式アプリや公式サイトから状況を確認する。
- 銀行のロゴが付いていれば送信者は確認済みなので、入力してよい。
- 表示名が銀行名なら、送信元アドレスやリンク先を確認する必要はない。
- 入力を急がせる文面は本人確認を厳密にしている証拠なので、すぐ従う。
答えと全選択肢の解説
正解:1 メール内のリンクを使わず、事前に確認した公式アプリや公式サイトから状況を確認する。
- 選択肢1:正解
送信者の表示や画面は偽装されることがある。自分が確認していた経路からアクセスして、情報の要求が本物かを確かめる。 - 選択肢2:不正解
ロゴは複製できるため、本人確認の証明にはならない。見た目よりアクセス先の確認が大切である。 - 選択肢3:不正解
表示名は正規の送信者である保証にはならない。疑わしいメール内の操作を続けないことが重要となる。 - 選択肢4:不正解
切迫感を与えて確認する時間を奪うのは詐欺でも使われる手口であり、信頼性の証拠ではない。
復習のポイント:急がせる連絡ほど、連絡内のリンクを離れ、確認済みの公式経路で確かめる。
関連する一次資料:IPA:フィッシングメールへの注意
PE282 / 300労働・地域・環境事例判断
引用と著作権
生徒が公開する研究レポートで、論評の対象である公表済みの文章を一部引用したい。適切な方針はどれか。
- 出典さえ書けば、他人の文章をレポートの大部分として転載できる。
- 営利目的でなければ、インターネットに公開された文章を自由に転載できる。
- 文章中の単語を数か所置き換えれば、引用の条件を検討する必要はなくなる。
- 自分の論評と引用を明確に区別し、目的上必要な範囲と主従関係、出所表示などを確認する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 自分の論評と引用を明確に区別し、目的上必要な範囲と主従関係、出所表示などを確認する。
- 選択肢1:不正解
出典表示だけで引用のすべての条件を満たすわけではない。内容の大部分を他人の文章で構成すれば問題になり得る。 - 選択肢2:不正解
非営利であっても、無条件に転載できるわけではない。公開済みであることと自由利用できることを区別する。 - 選択肢3:不正解
表現を少し変えても他人の創作表現の利用になり得る。改変によって権利上の問題が自動的に解消するわけではない。 - 選択肢4:正解
引用には公正な慣行、目的上正当な範囲などの条件がある。出所の記載だけでなく、自分の文章との関係も重要となる。
復習のポイント:引用は出典表示だけでは足りず、目的・範囲・自分の文章との関係を確認する。
関連する一次資料:文化庁:引用(著作権法第32条)
PE283 / 300労働・地域・環境事例判断
資源循環と製品設計
家電メーカーが廃棄物を減らすため、修理用部品を長く供給し、分解しやすい製品へ設計を変えた。この取組の説明として適切なものはどれか。
- 修理して長く使うことはリサイクル率を下げるため、循環型の経済には反する。
- 新品の販売数を増やすことだけを目的とする、資源投入拡大の取組である。
- 使用期間を延ばし、再使用や再資源化もしやすくすることで、製品の価値を長く保つ取組である。
- 廃棄後のごみ分別だけを改善する取組なので、生産段階との関係はない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 使用期間を延ばし、再使用や再資源化もしやすくすることで、製品の価値を長く保つ取組である。
- 選択肢1:不正解
製品を長く使えば廃棄自体を抑えられる。リサイクルの量だけを成果とみなすのは不十分である。 - 選択肢2:不正解
設問の工夫は、買換えや廃棄による新たな資源投入を減らす方向に働く。販売台数だけで目的を決めつけない。 - 選択肢3:正解
循環型の経済では、廃棄後の処理だけでなく、設計・修理・再使用も通じて資源と製品の価値を保つ。 - 選択肢4:不正解
部品供給や分解のしやすさは生産・設計段階の工夫である。廃棄段階だけを見ないことが重要となる。
復習のポイント:資源循環はごみ処理からだけでなく、製品の設計や修理のしやすさから始まる。
関連する一次資料:環境省:資源循環ポータル
PE284 / 300労働・地域・環境事例判断
炭素税の誘因
仮想の制度として、工場のCO2排出1トンごとに課税することを考える。この政策が排出削減を促す仕組みとして適切なものはどれか。
- 税率を決めれば、各企業の削減量も国が数量として正確に指定したことになる。
- 排出による負担を企業の費用へ反映し、省エネや燃料転換による節税の誘因を与える。
- 企業の売上だけに同額を課税するため、排出量を減らしても負担は変わらない。
- 課税額は排出した企業への補助金として全額自動的に返されるため、削減が進む。
答えと全選択肢の解説
正解:2 排出による負担を企業の費用へ反映し、省エネや燃料転換による節税の誘因を与える。
- 選択肢1:不正解
税は排出の価格面に働きかける手法で、実際の削減量は企業の反応などによって変わる。 - 選択肢2:正解
排出を減らせば税負担が軽くなるため、削減費用との比較を通じて行動が変わる。環境への影響を価格に反映させる発想である。 - 選択肢3:不正解
設問は排出量に応じた課税である。売上への課税と異なり、同じ売上でも排出が少なければ負担は小さくなる。 - 選択肢4:不正解
税収の使途は制度設計による。課税の誘因は、追加的な排出に費用が生じる点にある。
復習のポイント:炭素税は排出に価格を付け、削減すると負担が軽くなる仕組みをつくる。
関連する一次資料:環境省:カーボンプライシング
PE285 / 300労働・地域・環境計算
排出量取引
企業の排出計画。学習用仮想データ| 企業 | 配分された排出枠 | 排出予定 |
|---|
| A社 | 80トン | 60トン |
| B社 | 80トン | 100トン |
仮想の排出量取引制度で、A社とB社にそれぞれ80トン分の排出枠を配分した。表の計画どおり排出し、両社間だけで枠を売買するとき、必要な取引はどれか。
- A社がB社へ20トン分の枠を売る。
- B社がA社へ20トン分の枠を売る。
- A社がB社へ40トン分の枠を売る。
- 両社とも配分枠を超えるので、枠を売る企業はない。
答えと全選択肢の解説
正解:1 A社がB社へ20トン分の枠を売る。
- 選択肢1:正解
A社は80−60=20トン分の余剰、B社は100−80=20トン分の不足となる。AからBへの20トンの移転で一致する。 - 選択肢2:不正解
余剰と不足が逆である。多く排出するB社が枠を購入し、少なく排出するA社が売却する。 - 選択肢3:不正解
40トンは両社の排出予定量の差であり、取引すべき量ではない。各社の配分枠との差を計算する。 - 選択肢4:不正解
A社の排出予定60トンは配分80トンより少ない。合計排出160トンも配分枠の合計160トンと一致する。
復習のポイント:排出枠の取引量は、各社の「排出予定−配分枠」の不足・余剰で判断する。
関連する一次資料:環境省:国内排出量取引制度
PE286 / 300労働・地域・環境資料読解
エネルギー政策の評価
電源構成の比較。学習用仮想データ| 指標 | 案X | 案Y |
|---|
| 費用指数 | 110 | 100 |
| CO2排出量指数 | 80 | 60 |
| 輸入燃料依存度 | 30% | 50% |
発電構成の案X・Yを比較する下表を見て、適切な評価方法を述べたものはどれか。各値は同じ電力量を供給する場合の指標である。
- 排出量が低いYは、燃料供給が途絶するリスクも表から低いと分かる。
- 費用が低いYは、安全性が高いことも表から証明される。
- Xは輸入燃料依存度が低いので、環境負荷も必ずYより低い。
- 費用と排出量ではYが低いが、輸入燃料依存度はXが低いため、安全性も含め複数の観点で検討する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 費用と排出量ではYが低いが、輸入燃料依存度はXが低いため、安全性も含め複数の観点で検討する。
- 選択肢1:不正解
排出量と輸入依存度は別の指標であり、Yの輸入燃料依存度はむしろ高い。供給リスクには調達先なども関係する。 - 選択肢2:不正解
費用から安全性は推論できない。事故対策や設備の安全管理に関する別の情報が必要である。 - 選択肢3:不正解
輸入依存度が低いことと排出量が少ないことは同義ではない。表ではXの排出量指標の方が高い。 - 選択肢4:正解
費用、環境、安定供給には異なる指標がある。表にない安全性の確認も必要で、一つの数値だけでは総合評価できない。
復習のポイント:エネルギーは安全性・安定供給・経済効率・環境の複数軸で比較する。
関連する一次資料:資源エネルギー庁:S+3E
PE287 / 300労働・地域・環境事例判断
再生可能エネルギーと需給調整
太陽光発電と風力発電の割合が高まる地域で、電力を安定して供給するための考え方として適切なものはどれか。
- 年間発電量と年間消費量が同じなら、時刻ごとの需給のずれは問題にならない。
- 再生可能エネルギーの出力は、需要の多い時間帯に合わせて自然に増加する。
- 天候による出力変動に対し、蓄電池、送電網、需要の調整、他の電源などを組み合わせる。
- 太陽光の設備容量を需要の最大値以上にすれば、夜間にも同じ発電量を確保できる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 天候による出力変動に対し、蓄電池、送電網、需要の調整、他の電源などを組み合わせる。
- 選択肢1:不正解
年間の総量が一致しても、必要な時刻に供給できるとは限らない。時間ごとの調整が必要になる。 - 選択肢2:不正解
太陽光や風力の出力は日射や風などに左右され、消費者の需要と自然に一致するわけではない。 - 選択肢3:正解
電気の需要と供給は時々刻々変わる。発電設備を増やすことに加え、貯蔵・地域間融通・需要調整などが重要となる。 - 選択肢4:不正解
設備容量はその時刻に発電できる量を保証しない。太陽光は夜間に発電しないため別の対応が必要である。
復習のポイント:発電量の年間合計だけでなく、「必要な時刻に供給できるか」を確認する。
関連する一次資料:資源エネルギー庁:VPP・DRの意義
PE288 / 300労働・地域・環境計算
省エネ効率と総量
照明の利用条件。学習用仮想データ| 項目 | 交換前 | 交換後 |
|---|
| 消費電力 | 10W | 6W |
| 1日の使用時間 | 10時間 | 15時間 |
照明を交換した後、効率が上がったため使用時間も延びた。下表の場合、1日の電力使用量は交換前と比べてどうなるか。
- 消費電力と使用時間の変化は相殺され、電力使用量は同じになる。
- 100Whから90Whへ減り、削減率は10%になる。
- 消費電力が40%下がったので、電力使用量も40%減る。
- 使用時間が50%増えたので、電力使用量も50%増える。
答えと全選択肢の解説
正解:2 100Whから90Whへ減り、削減率は10%になる。
- 選択肢1:不正解
40%減と50%増を単純に足し引きしない。0.6×1.5=0.9で元の90%になる。 - 選択肢2:正解
交換前は10W×10時間=100Wh、交換後は6W×15時間=90Wh。減少分10Whを100Whで割ると10%となる。 - 選択肢3:不正解
1時間当たりの効率改善だけでは総量は決まらない。使用時間が延びた影響を掛け合わせる必要がある。 - 選択肢4:不正解
使用時間だけで判断している。1時間当たりの電力消費は10Wから6Wへ減っている。
復習のポイント:資源の総使用量は「単位当たりの使用量×利用量」で確かめる。
関連する一次資料:資源エネルギー庁:S+3E
PE289 / 300労働・地域・環境資料読解
緩和策と適応策
自治体の気候変動対策。学習用仮想事例| 対策 | 主な内容 |
|---|
| A | 省エネと低炭素電源への切替えでCO2排出を減らす。 |
| B | 猛暑時に住民が涼める施設を開き、熱中症被害を減らす。 |
下表の対策A・Bを、主な目的によって分類した組合せはどれか。
- Aは緩和策、Bは適応策
- Aは適応策、Bは緩和策
- A・Bとも緩和策
- A・Bとも適応策
答えと全選択肢の解説
正解:1 Aは緩和策、Bは適応策
- 選択肢1:正解
Aは温室効果ガスの排出を減らして原因に働きかけ、Bは暑さによる被害を小さくする。原因と影響のどちらに対応するかで分ける。 - 選択肢2:不正解
分類が逆である。発電由来の排出削減は緩和、猛暑下の健康被害を防ぐ対策は適応に当たる。 - 選択肢3:不正解
Bの主目的は温室効果ガス削減ではなく、既にある・予測される暑さの影響の軽減である。 - 選択肢4:不正解
Aの主目的は気候変動の原因である温室効果ガス排出の抑制なので、緩和策に分類される。
復習のポイント:緩和は気候変動の原因への対策、適応はその影響による被害への対策である。
関連する一次資料:環境省:緩和と適応 2つの気候変動対策
PE290 / 300労働・地域・環境正誤判断
パリ協定
パリ協定の基本的な仕組みについて、適切な説明はどれか。
- 先進国だけが目標を提出し、開発途上国は枠組みに参加しない。
- すべての締約国に、同じ基準年・同じ削減率が一律に割り当てられる。
- 条約に参加すると、温室効果ガスの排出削減より適応策を優先する義務が生じる。
- 各締約国が自国の削減目標などを示し、定期的な更新と進捗の確認を通じて取組を強化する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 各締約国が自国の削減目標などを示し、定期的な更新と進捗の確認を通じて取組を強化する。
- 選択肢1:不正解
特定の先進国だけに削減目標を課す仕組みとの混同である。パリ協定では各締約国がNDCを提出する。 - 選択肢2:不正解
目標は各国が定めるもので、国連が同じ削減率を一律配分する制度ではない。 - 選択肢3:不正解
緩和と適応の両方を扱う。適応を理由に排出削減の取組を置き換える仕組みではない。 - 選択肢4:正解
パリ協定は途上国を含む締約国が参加し、各国の貢献(NDC)と定期的な見直しなどを組み合わせる枠組みである。
復習のポイント:パリ協定は各国の目標提出・更新と国際的な確認を組み合わせる。
関連する一次資料:外務省:2020年以降の枠組み パリ協定
PE291 / 300労働・地域・環境正誤判断
SDGsの普遍性
持続可能な開発目標(SDGs)の特徴として、適切なものはどれか。
- 自然環境の保全だけを扱い、雇用やジェンダーは対象に含まれない。
- 17の目標は独立しているため、一つの政策が他の目標へ与える影響は考えない。
- 先進国を含むすべての国が、貧困・格差・環境など相互に関係する課題に取り組む目標である。
- 主として開発途上国だけが国内政策として取り組み、先進国は資金提供だけを担う。
答えと全選択肢の解説
正解:3 先進国を含むすべての国が、貧困・格差・環境など相互に関係する課題に取り組む目標である。
- 選択肢1:不正解
働きがい、ジェンダー平等、教育なども対象である。環境目標だけの集合ではない。 - 選択肢2:不正解
目標間には相乗効果も対立もある。経済的な対策が環境や格差へどう影響するかも検討する。 - 選択肢3:正解
SDGsは経済・社会・環境の課題を含む普遍的な目標である。国内の課題も国際協力の課題も対象となる。 - 選択肢4:不正解
先進国自身の貧困、格差、消費や生産のあり方なども課題に含まれる。援助だけで役割が完結するわけではない。
復習のポイント:SDGsは先進国にも当てはまり、経済・社会・環境を関連づける。
関連する一次資料:外務省:SDGsとは
PE292 / 300労働・地域・環境事例判断
持続可能性と政策評価
計画では林産物の販売と観光収入が見込まれる。一方、下流の農家は水質への影響を、若い住民は将来も森林を利用できるかを心配している。
森林を開発する計画について、持続可能な発展の視点から最も適切な検討はどれか。
- 住民の意見が割れたら、事業の費用が最大になる案を公平な案として選ぶ。
- 現在の雇用や収入だけでなく、生態系、水源、将来の利用可能性や地域住民への影響を合わせて評価する。
- 現在の売上が増えるなら、将来の利用可能性は計算に入れなくてよい。
- 自然への影響が少しでもある活動は、地域の生活条件を調べる前に一律に排除する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 現在の雇用や収入だけでなく、生態系、水源、将来の利用可能性や地域住民への影響を合わせて評価する。
- 選択肢1:不正解
費用の大きさ自体は公平性を示さない。誰が便益を得て誰が負担するか、参加の機会などを検討する。 - 選択肢2:正解
現在の生活を支える経済と、将来に引き継ぐ環境・社会条件を合わせて見る。短期の売上だけでは長期の影響が分からない。 - 選択肢3:不正解
現在の便益だけでは将来世代への費用移転を見落とす。森林の回復可能性なども評価する必要がある。 - 選択肢4:不正解
持続可能性は生活と環境の関係を検討する考え方である。影響の程度や代替策を調べずに結論を固定しない。
復習のポイント:持続可能性を考えるときは、時間の広がりと便益・負担の分布を見る。
関連する一次資料:外務省:SDGsとは環境省:海洋の生物多様性及び生態系サービス
PE293 / 300労働・地域・環境資料読解
3Rの区別
家庭での行動。学習用仮想事例| 記号 | 行動 |
|---|
| A | 必要な量を確かめて買い、使い残しを減らす。 |
| B | 読み終えた本を別の人に譲り、そのまま読んでもらう。 |
| C | 古紙を回収し、原料に戻して新しい紙を製造する。 |
下表の行動を、リデュース・リユース・リサイクルに対応させた組合せとして正しいものはどれか。
- A=リデュース、B=リユース、C=リサイクル
- A=リユース、B=リデュース、C=リサイクル
- A=リサイクル、B=リユース、C=リデュース
- A=リデュース、B=リサイクル、C=リユース
答えと全選択肢の解説
正解:1 A=リデュース、B=リユース、C=リサイクル
- 選択肢1:正解
Aは発生抑制、Bは製品の再使用、Cは材料としての再生利用に当たる。製品の形を保つかどうかも区別の手掛かりとなる。 - 選択肢2:不正解
Aはごみになる物を減らす行動、Bは既存の製品を使い続ける行動であり、対応が逆になっている。 - 選択肢3:不正解
Aはそもそも廃棄を減らす行動で、Cは廃棄物になった後に材料へ戻す行動である。 - 選択肢4:不正解
Bでは本をそのまま使うためリユース、Cでは紙の材料に戻すためリサイクルである。
復習のポイント:発生を抑える・製品のまま再使用する・材料へ戻す、の順に3Rを区別する。
関連する一次資料:環境省:リユースの推進環境省:資源循環ポータル
PE294 / 300労働・地域・環境事例判断
食品ロス
食品ロスの削減と食品の安全を両立する行動として、最も適切なものはどれか。
- 賞味期限を過ぎた食品は種類や状態にかかわらず直ちに危険なので、必ず廃棄する。
- 食品ロス削減を優先し、消費期限を過ぎた食品も見た目だけで安全と判断する。
- 期限表示は開封後もその日まで安全を保証するので、保存方法を変えてもよい。
- 買物前に在庫を確認し、未開封・保存条件など期限表示の前提を確認して、食べ切れる量を購入する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 買物前に在庫を確認し、未開封・保存条件など期限表示の前提を確認して、食べ切れる量を購入する。
- 選択肢1:不正解
賞味期限は品質が保たれ、おいしく食べられる目安である。過ぎた瞬間に一律に危険になるという意味ではない。 - 選択肢2:不正解
消費期限は安全面に関係する。見た目だけでは判断できない場合があり、期限や保存条件を軽視しない。 - 選択肢3:不正解
開封後や不適切な保存では、表示の前提が崩れる。開封したら期限にかかわらず早めに消費するなどの対応が必要である。 - 選択肢4:正解
買い過ぎを防ぐことは発生抑制になる。期限表示は未開封で表示どおり保存した場合の目安なので、その前提も確認する。
復習のポイント:食品ロス削減は、買い過ぎを防ぎ、期限表示の意味と保存条件を正しく理解して進める。
関連する一次資料:消費者庁:家庭での食品ロスを減らそう
PE295 / 300労働・地域・環境事例判断
共有資源の管理
各漁業者は「自分だけ漁獲を控えても、ほかの人が獲れば損をする」と考えている。近年、漁獲のために遠くへ出る回数が増え、小さな魚の割合も上昇している。
同じ海域を使う漁業者が競って漁獲量を増やし、資源の回復が追いつかなくなった。持続的な利用に向けた対応として適切なものはどれか。
- 魚を獲る権利を多くの人へ広げれば、各人の競争によって総漁獲量が自然に減る。
- 今年の漁獲量が増えたことだけを根拠として、翌年の資源量も多いと判断する。
- 科学的な資源評価を踏まえて漁獲量や漁期などのルールを設け、利用者が守れる仕組みをつくる。
- 一人当たりの漁獲効率だけを上げれば、総漁獲量を管理しなくても資源が回復する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 科学的な資源評価を踏まえて漁獲量や漁期などのルールを設け、利用者が守れる仕組みをつくる。
- 選択肢1:不正解
利用者の増加が競争的な捕獲を強める場合もある。参入人数だけで持続性を保証することはできない。 - 選択肢2:不正解
漁獲量は漁獲努力にも左右される。獲れた量が多くても資源を取り崩している可能性がある。 - 選択肢3:正解
利用者が各自の短期利益を追うと全体の資源が減る場合がある。資源量に応じた共同ルールと実効性の確保が重要となる。 - 選択肢4:不正解
効率だけが上がると、同じ努力でも多く捕獲でき資源への圧力が高まることがある。総量や資源状態の管理が必要である。
復習のポイント:共有資源では、個人の効率や利益と全体の持続性が一致するとは限らない。
関連する一次資料:水産庁:我が国の資源管理
PE296 / 300労働・地域・環境正誤判断
生物多様性
生物多様性の説明として、適切なものはどれか。
- 同じ種の個体差は多様性に含まず、種の数だけを対象とする。
- 生態系の違い、種の違い、同じ種の中の遺伝的な違いという複数の水準を含む。
- ある地域の動物の個体数が増えれば、種構成にかかわらず生物多様性は高まる。
- 農作物など人間に役立つ種の数だけで、生物多様性の高さを評価する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 生態系の違い、種の違い、同じ種の中の遺伝的な違いという複数の水準を含む。
- 選択肢1:不正解
遺伝子の多様性も含まれる。同じ種の中の違いは環境変化への対応などにも関係する。 - 選択肢2:正解
森林・湿地などの生態系、異なる種、同じ種の遺伝的な違いの各水準がある。種数だけに限定しない。 - 選択肢3:不正解
一つの種だけが増えて他の種が減る場合もある。個体数の合計と多様性は同じ指標ではない。 - 選択肢4:不正解
直接利用する種以外も生態系を支える。人間にとって分かりやすい用途のある種だけを数える考え方ではない。
復習のポイント:生物多様性は「生態系・種・遺伝子」の三つの水準で考える。
関連する一次資料:環境省:海洋の生物多様性及び生態系サービス
PE297 / 300労働・地域・環境事例判断
公正な移行
工場は町の主要な雇用先である。設備を変える企業には新たな技能が必要だが、労働者の中には訓練中の収入や通勤先の変化に不安を持つ人もいる。
排出量の多い工場の縮小によって地域の雇用が減る見込みである。「公正な移行」の考え方に最も合う政策はどれか。
- 排出削減を進めるとともに、労働者・企業・行政が対話し、職業訓練や雇用移行、生活保障を支援する。
- 環境政策の効果があるなら、失職する労働者の事情は政策判断に含めない。
- 現在の雇用を守るため、将来も生産方法を変えないことだけを公正さの条件にする。
- 工場への補助金だけを支給し、労働者や地域住民の参加は避ける。
答えと全選択肢の解説
正解:1 排出削減を進めるとともに、労働者・企業・行政が対話し、職業訓練や雇用移行、生活保障を支援する。
- 選択肢1:正解
環境への移行の便益を広げ、特定の人や地域に負担が集中することを抑える。社会的対話と雇用・所得面の支援が重要となる。 - 選択肢2:不正解
社会的費用を特定層に集中させると、公正さや政策への支持を損なう。環境と雇用の双方を検討する。 - 選択肢3:不正解
公正な移行は変化の停止を意味しない。新たな仕事への移行や技能獲得を支えることが考えられる。 - 選択肢4:不正解
事業者への支援に加え、働く人の所得・技能や地域への影響を調べる必要がある。当事者の参加も重要である。
復習のポイント:環境への移行では、誰が負担を負うかを確認し、雇用や生活の支援を組み合わせる。
関連する一次資料:ILO:公正な移行のためのガイドライン
PE298 / 300労働・地域・環境計算
ライフサイクルでの比較
製品1台のCO2排出量。学習用仮想データ| 段階 | 製品X | 製品Y |
|---|
| 製造時 | 100kg | 150kg |
| 使用時(1年当たり) | 40kg | 20kg |
同じ機能を持つ製品X・Yについて、5年間使用する場合のCO2排出量を比較する。表にない排出は考えないとすると、適切な説明はどれか。
- 製造時の排出が小さいXの方が、5年間の合計排出も必ず少ない。
- 使用時の年間排出が半分なので、Yの合計排出もXの半分になる。
- Xは140kg、Yは170kgとなり、Xの方が30kg少ない。
- Xは300kg、Yは250kgとなり、製造時の排出が多いYの方が合計では少ない。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Xは300kg、Yは250kgとなり、製造時の排出が多いYの方が合計では少ない。
- 選択肢1:不正解
製造段階だけでは決まらない。使用時の排出差が5年分積み重なると、製造時の差を上回る。 - 選択肢2:不正解
年間の使用時排出だけが半分であり、製造段階も含む合計の比率は異なる。 - 選択肢3:不正解
これは1年使用した場合の計算である。設問の5年間に合わせ、年間値を5倍する必要がある。 - 選択肢4:正解
Xは100+40×5=300kg、Yは150+20×5=250kg。製造と使用の両方を同じ期間で合計する。
復習のポイント:環境負荷は一つの段階だけでなく、同じ使用期間で製造・使用などを合計して比べる。
関連する一次資料:環境省:サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量算定
PE299 / 300労働・地域・環境計算
地域交通の費用と便益
地域バスの年間実績。学習用仮想データ| 項目 | 値 |
|---|
| 運行費用 | 1,000万円 |
| 運賃収入 | 400万円 |
| 延べ利用回数 | 20,000回 |
地域バスの年間費用と運賃収入が下表のとおりだった。不足分を公費で補う場合の計算と評価として、適切なものはどれか。
- 年間補填額は1,000万円、1利用当たり500円であり、運賃収入は費用計算に使わない。
- 赤字なので利用者に便益はなく、公共交通として維持する理由もない。
- 年間補填額は600万円、1利用当たり300円であり、通院・通学などの便益も含めて是非を検討する。
- 年間補填額は400万円、1利用当たり200円であり、運賃収入をすべて公費として数える。
答えと全選択肢の解説
正解:3 年間補填額は600万円、1利用当たり300円であり、通院・通学などの便益も含めて是非を検討する。
- 選択肢1:不正解
費用全額を補填するのではなく、運賃収入を差し引く。不足分と総費用を区別する。 - 選択肢2:不正解
企業会計上の収支と住民が得る便益は別である。移動を支える価値と負担を比較し、代替案も検討する。 - 選択肢3:正解
不足分は1000−400=600万円。600万円÷2万回=300円である。採算に加え、移動機会などの社会的便益も評価する。 - 選択肢4:不正解
400万円は運賃収入であり、公費補填額ではない。必要な公費は費用から運賃収入を引いて求める。
復習のポイント:公共サービスは収入と費用を正確に計算したうえで、金銭収入以外の便益も評価する。
関連する一次資料:国土交通省:コンパクト・プラス・ネットワーク
PE300 / 300労働・地域・環境資料読解
社会課題の政策比較
地域事業の年間効果の見込み。学習用仮想データ| 案 | CO2削減量 | 新規雇用 | 公費 |
|---|
| 案A | 500トン | 8人 | 500万円 |
| 案B | 450トン | 12人 | 550万円 |
| 案C | 400トン | 15人 | 650万円 |
自治体が「CO2削減量400トン以上」「新規雇用10人以上」「公費600万円以下」をすべて満たす案を候補にする。下表から、条件を満たす案だけを選んだものはどれか。
- 案Aと案C
- 案Bのみ
- 案Aと案B
- 案Bと案C
答えと全選択肢の解説
正解:2 案Bのみ
- 選択肢1:不正解
Aは雇用、Cは公費が条件外である。条件を満たすBを除く根拠はない。 - 選択肢2:正解
Bは450トン、12人、550万円で全条件を満たす。Aは雇用人数、Cは公費が条件を満たさない。 - 選択肢3:不正解
AのCO2削減量は多いが、新規雇用8人は条件の10人以上に届かない。指標の一部だけで判断しない。 - 選択肢4:不正解
Cは削減と雇用の条件を満たすが、公費650万円が上限600万円を超えている。
復習のポイント:政策比較では「以上・以下」の境界を確認し、複数の条件を一つずつ照合する。
関連する一次資料:外務省:SDGsとは環境省:地域経済循環分析・地域経済波及効果分析