源氏物語「桐壺」光源氏の誕生・飽かぬ別れ|現代語訳・品詞分解・テスト対策

ロジカ(LOGIQA)|高校古文・定期テスト対策

「光源氏の誕生」「飽かぬ別れ」を、原文と現代語訳で読む。
『源氏物語』「桐壺」の人物関係から、冒頭・重要箇所の品詞分解、敬語、和歌、テスト問題まで確認できます。「光る君誕生」と題する教材の学習にも使えます。

原文対訳・四択40問・記述6問は、登録せず無料で利用できます。

「光源氏の誕生」「飽かぬ別れ」のあらすじ・人物関係

「桐壺」は、紫式部の『源氏物語』第一帖です。帝が桐壺更衣を深く愛したこと、そのために更衣が周囲の反感を受けたこと、光源氏の誕生と母の死が描かれます。身分・寵愛・後ろ盾の違いを押さえると、人物の行動や敬語を読み取りやすくなります。

光源氏の誕生

特別に高い身分ではない桐壺更衣に帝の寵愛が集中し、他の妃や廷臣の反感が強まります。更衣の父は亡くなり、有力な後見人はいません。やがて、帝と更衣の間に美しい皇子が生まれます。

飽かぬ別れ

幼い皇子を残して、病気の桐壺更衣が宮中を退出します。帝は別れを受け入れられず、更衣は帝と共に生きたいと和歌に託します。しかし更衣は実家で亡くなり、帝と母君は深い悲しみに沈みます。

最初に確認する5点
  1. 桐壺更衣は「身分の低い庶民」ではなく、大納言の娘です。
  2. 身分の高い女御だけでなく、同程度・下位の更衣たちも反感を抱きます。
  3. 第一皇子は弘徽殿女御の子、光源氏は桐壺更衣の子です。
  4. 「御息所」はこの場面では桐壺更衣を指します。
  5. 敬語は帝にだけ使われるわけではありません。動作主と受け手を分けて読みます。
人物関係・立場本文で確認する点
桐壺帝桐壺更衣を愛する帝。光源氏と第一皇子の父。桐壺更衣への寵愛と、死別への悲しみ。
桐壺更衣大納言の娘。帝の妃。光源氏の母。強い寵愛に対し、政治的な後ろ盾は弱い。
光源氏桐壺帝と桐壺更衣の間に生まれた皇子。美貌への評価と、母方の支援の弱さ。
弘徽殿女御右大臣の娘。第一皇子の母。母方の家の政治力と、桐壺更衣への警戒。
第一皇子(一の皇子)後の朱雀帝。光源氏の異母兄。将来の皇太子として世間に大切にされる。
桐壺更衣の母亡き大納言の妻。教養ある女性。娘の退出を願い、葬送では悲しみを抑えられない。

第一皇子と光源氏の比較

比べる点第一皇子光源氏
母弘徽殿女御(右大臣の娘)桐壺更衣(亡き大納言の娘)
母方の後ろ盾右大臣の支援がある有力な後見人を欠く
本文の呼び方・評価疑ひなき儲けの君世になく清らなる玉の男御子
帝の思い将来の皇太子として公的に大切にするわが子としての私的な愛情を深く注ぐ

光源氏の誕生の原文・現代語訳

掲載範囲:「いづれの御時にか」〜「御局は桐壺なり。」。教科書により表記・採録範囲が異なります。ここでは掲載した原文に対応する訳を示します。

1. 帝の寵愛を受ける更衣

原文

いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。

現代語訳

どの帝の治世であっただろうか。女御や更衣が大勢お仕えになっていた中に、それほど高貴な家柄ではない方で、ひときわ帝に愛されていらっしゃる方がいた。

読解のポイント:「いづれの御時にか」は「ありけむ」などの結びが省略された形。「さぶらひ」は語り手から帝への謙譲語、「たまひ」は語り手から女御・更衣への尊敬語。「いと〜ぬ」は「それほど〜ない」。

2. 女御たちと更衣たちの嫉妬

原文

はじめより我はと思ひ上がりたまへる御方がた、めざましきものにおとしめ嫉みたまふ。同じほど、それより下臈の更衣たちは、ましてやすからず。

現代語訳

入内した当初から、自分こそはと誇り高くしていらっしゃった女御たちは、その更衣を目障りな者として見下し、ねたみなさる。その更衣と同じくらいの身分や、それより低い身分の更衣たちは、女御たちにも増して心穏やかではない。

読解のポイント:『めざまし』は、ここでは『気にくわない・目障りだ』。『やすからず』は心が穏やかでないこと。『同じほど、それより』の比較相手は桐壺更衣。

3. 恨みを受けて病気がちになる

原文

朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、

現代語訳

日々、帝のおそばにお仕えするにつけても、ほかの女性たちの心を波立たせることばかりで、恨みを受けることが積み重なったためだったのだろうか、桐壺更衣はひどく病気がちになっていった。そして、何となく心細そうに実家へ下がっていることが多いので、

読解のポイント:『篤し』は病気が重いこと。『里』は実家。『や〜けむ』は、過去の事情・原因についての推量を疑問の形で述べる。

4. 帝の愛情はさらに深まる

原文

いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚らせたまはず、世のためしにもなりぬべき御もてなしなり。

現代語訳

帝は更衣を、ますます離れていては物足りず、いとおしい人とお思いになって、人からの非難をも気にしてお控えになることができない。後の世の語り草にもきっとなってしまいそうな、お扱いぶりである。

読解のポイント:主語は帝へ切り替わる。『え〜ず』は不可能。『なりぬべき』の『ぬ』は完了の助動詞の強意用法で、『きっと〜だろう』の意味を強める。

5. 臣下たちも帝を批判する

原文

上達部、上人なども、あいなく目を側めつつ、「いとまばゆき人の御おぼえなり。唐土にも、かかる事の起こりにこそ、世も乱れ、悪しかりけれ」と、

現代語訳

高位の公卿や殿上人なども、困ったことだと顔をそむけながら、『見ていられないほどの、あの方へのご寵愛だ。中国でも、このようなことがきっかけとなって、世の中が乱れ、悪い状態になったのだ』と言い、

読解のポイント:『御おぼえ』は帝からの寵愛・評価。『まばゆし』はここでは程度が甚だしく、見ていられないという批判。『こそ〜けれ』は係り結び。

6. 楊貴妃の例を持ち出される

原文

やうやう天の下にもあぢきなう、人のもてなやみぐさになりて、楊貴妃の例も引き出でつべくなりゆくに、いとはしたなきこと多かれど、かたじけなき御心ばへのたぐひなきを頼みにてまじらひたまふ。

現代語訳

次第に世間でも、困ったこととして人々の悩みや非難の種になり、楊貴妃の例まで持ち出されそうになっていく。桐壺更衣には、たいそう居づらく思うことが多かったが、帝の身に余るありがたいお気持ちがほかに比べようもないほど深いことを頼みに、宮仕えを続けなさる。

読解のポイント:『はしたなし』は居心地が悪い・いたたまれない。『まじらふ』は、ここでは宮中で交際し宮仕えすること。楊貴妃の故事は、寵愛が政治への批判にもつながることを示す。

7. 父はすでに亡くなっている

原文

父の大納言は亡くなりて、母北の方なむいにしへの人のよしあるにて、親うち具し、さしあたりて世のおぼえはなやかなる御方がたにもいたう劣らず、なにごとの儀式をももてなしたまひけれど、

現代語訳

桐壺更衣の父である大納言は亡くなっていた。母の北の方は、由緒ある家柄の、昔風の教養を備えた人で、両親がそろい、今まさに世間で華やかな評判を得ているほかの方々にも大して劣らないよう、どのような儀式の支度もお整えになったが、

読解のポイント:『親うち具し』以下は比較相手の女御・更衣たちの説明。更衣自身の両親がそろっているのではない。『いたう』は『いたく』のウ音便。

8. 頼れる後見人がいない

原文

とりたててはかばかしき後見しなければ、事ある時は、なほ拠り所なく心細げなり。

現代語訳

これといって頼もしい後見人がいないので、何か事があるときには、やはり頼る先がなく、桐壺更衣は心細そうである。

読解のポイント:『はかばかし』は、しっかりしていて頼もしいこと。『し』は強意の副助詞。父の死による後ろ盾の弱さは、単に貧しいという意味ではない。

9. 美しい皇子の誕生

原文

先の世にも御契りや深かりけむ、世になく清らなる玉の男御子さへ生まれたまひぬ。いつしかと心もとながらせたまひて、急ぎ参らせて御覧ずるに、めづらかなる稚児の御容貌なり。

現代語訳

前世でもお二人のご縁は深かったのだろうか、この世にまたとないほど美しい、玉のような男の御子までお生まれになった。帝は早く会いたいと待ち遠しくお思いになり、急いで宮中へ参らせてご覧になると、その御子はめったにないほど美しい赤子のお顔立ちである。

読解のポイント:『先の世』は前世。『心もとなし』はここでは待ち遠しい。『参らせて』は帝が御子を参内させることを表す。『清ら』は際立って美しいさま。

10. 第一皇子の強い後ろ盾

原文

一の皇子は、右大臣の女御の御腹にて、寄せ重く、疑ひなき儲の君と、世にもてかしづききこゆれど、

現代語訳

第一皇子は、右大臣の娘である女御がお産みになった子で、後ろ盾が強く、間違いなく将来の皇太子になる方として、世間の人々は大切にお世話申し上げていたが、

読解のポイント:『右大臣の女御』は右大臣の娘である弘徽殿女御。『寄せ』は後ろ盾。『儲の君』は皇太子・皇位継承者を指し、ここでは将来の立太子を期待される立場。

11. 帝にとっての二人の皇子

原文

この御にほひには並びたまふべくもあらざりければ、おほかたのやむごとなき御思ひにて、この君をば、私物に思ほしかしづきたまふこと限りなし。

現代語訳

第一皇子は、この若宮の輝くような美しさには、お並びになれそうもなかったので、帝の第一皇子への思いは、皇子として当然寄せる尊いものにとどまっていた。一方、この若宮を、ご自身だけの大切な子としてお思いになり、限りなくかわいがり、大切にお育てになる。

読解のポイント:『にほひ』は香りではなく、目に見える美しさ。『おほかたの〜御思ひ』と『私物』は、第一皇子への公的な重んじ方と若宮への格別な私情の対比。

12. 更衣の扱いが軽く見られた事情

原文

初めよりおしなべての上宮仕へしたまふべき際にはあらざりき。おぼえいとやむごとなく、上衆めかしけれど、わりなくまつはさせたまふあまりに、さるべき御遊びの折々、何事にもゆゑある事のふしぶしには、まづ参う上らせたまふ。

現代語訳

桐壺更衣は、もともと普通の女房と同じように、帝のおそばで日常のお仕えをなさるはずの身分ではなかった。帝からのご寵愛はとても深く、高貴な方らしい様子であったが、帝がむやみにおそばへ付き添わせなさるあまり、ふさわしい管弦のお遊びの折や、何か風情のある催しの機会には、まず更衣を御前へお呼び寄せになる。

読解のポイント:『上宮仕へ』は帝の身近で日常のお世話をすること。后妃としての身分と、常にそばに置かれるため女房のように見られる扱いとの食い違いがある。

13. 皇子誕生後の特別な配慮

原文

ある時には大殿籠もり過ぐして、やがてさぶらはせたまひなど、あながちに御前去らずもてなさせたまひしほどに、おのづから軽き方にも見えしを、この御子生まれたまひて後は、いと心ことに思ほしおきてたれば、

現代語訳

あるときには帝がお寝過ごしになって、更衣をそのままおそばに控えさせるなど、無理にでも御前から離さないようお扱いになっていたので、更衣は自然と身分の軽い者のようにも見られていた。しかし、この御子がお生まれになった後は、帝が更衣に格別のご配慮をなさるようになったので、

読解のポイント:『大殿籠もる』は寝ることの尊敬語で、主語は帝。『やがて』はここでは『そのまま』。『心ことに』は格別に。

14. 弘徽殿女御の不安と帝の気兼ね

原文

「坊にも、ようせずは、この御子の居たまふべきなめり」と、一の皇子の女御は思し疑へり。人より先に参りたまひて、やむごとなき御思ひなべてならず、皇女たちなどもおはしませば、この御方の御諌めをのみぞ、なほわづらはしう心苦しう思ひきこえさせたまひける。

現代語訳

『皇太子の座にも、ひょっとすると、この御子がお就きになることになるようだ』と、第一皇子の母である女御は疑い、不安にお思いになっている。この女御はほかの方よりも先に入内し、帝からの重んじられ方もひととおりではなく、皇女たちもお産みになっていたので、帝はこの方のおいさめだけは、やはり面倒で、心苦しくお思い申し上げになっていた。

読解のポイント:『坊』は東宮・皇太子の地位。『なめり』は『なるめり』の撥音便『なんめり』の撥音が表記されない形。帝も弘徽殿女御に気兼ねしている。

15. 桐壺更衣の苦悩と住まい

原文

かしこき御蔭をば頼みきこえながら、落としめ疵を求めたまふ人は多く、わが身はか弱くものはかなきありさまにて、なかなかなるもの思ひをぞしたまふ。御局は桐壺なり。

現代語訳

桐壺更衣は、恐れ多い帝の庇護を頼りに申し上げながらも、自分を見下し、欠点を探しなさる人は多く、自身は体が弱く、どことなく頼りない様子なので、かえって深い物思いをなさる。お住まいの部屋は桐壺である。

読解のポイント:『なかなか』はかえって。帝の愛情があるために、他の女性たちの嫉妬によって苦しむ。桐壺は住まいの呼び名で、そこから『桐壺更衣』と呼ばれる。

飽かぬ別れの原文・現代語訳

掲載範囲:「その年の夏」〜「野分立ちて、にはかに肌寒き夕暮のほど、常よりも思し出づること多くて、靫負命婦といふを遣はす。」。教科書により表記・採録範囲が異なります。ここでは掲載した原文に対応する訳を示します。

前の範囲との間には、更衣への嫌がらせや皇子の袴着などが描かれます。ここからは更衣の病気・退出・死去を読み、続けて葬送と死後の帝の様子まで確認します。後続の使者の訪問や魂のありかを詠む和歌と、死別そのものの場面を混同しないようにしましょう。

1. 更衣の病と退出の願い

原文

その年の夏、御息所、はかなき心地にわづらひて、まかでなむとしたまふを、暇さらに許させたまはず。

現代語訳

光源氏が三歳になったその年の夏、御息所である桐壺更衣は、何となく気分がすぐれない病気になり、宮中から退出しようとなさるが、帝はお暇をまったくお許しにならない。

読解のポイント:『御息所』はここでは桐壺更衣。『まかづ』は退出するの謙譲語。『さらに〜ず』はまったく〜ない。『なむ』は完了の助動詞『ぬ』の未然形+意志の『む』。

2. 母君が帝に退出を願い出る

原文

年ごろ、常の篤しさになりたまへれば、御目馴れて、「なほしばしこころみよ」とのみのたまはするに、日々に重りたまひて、ただ五六日のほどにいと弱うなれば、母君泣く泣く奏して、まかでさせたてまつりたまふ。

現代語訳

ここ数年、病気がちであることがいつものことになっていらっしゃったので、帝はそれを見慣れて、『やはり、もうしばらく様子を見なさい』とばかりおっしゃる。そのうちに更衣の病は日に日に重くなり、わずか五、六日のうちにひどく衰弱したので、母君は泣きながら帝にお願い申し上げ、更衣を退出させ申し上げなさる。

読解のポイント:『奏す』は帝に申し上げる謙譲語。『まかでさせたてまつりたまふ』の『させ』は母君が更衣を退出させる使役、『たてまつり』は更衣への謙譲、『たまふ』は母君への尊敬。

3. 若宮を宮中に残す

原文

かかる折にも、あるまじき恥もこそと心づかひして、御子をば留めたてまつりて、忍びてぞ出でたまふ。

現代語訳

このようなときにも、あってはならない恥ずかしい目に遭うことがあってはと気を配り、御子は宮中にお残し申し上げて、更衣は人目を避けてお出になる。

読解のポイント:『もこそ』は、望ましくない事態を心配する表現。『あるまじき恥』は、退出時の妨害や死の穢れなど解釈に幅があるため、教科書の注釈も確認する。

4. 帝にも越えられない宮中の決まり

原文

限りあれば、さのみもえ留めさせたまはず、御覧じだに送らぬおぼつかなさを、言ふ方なく思ほさる。

現代語訳

宮中には守るべき決まりがあるので、帝もただご自分のお気持ちのままに引き留めてばかりはいらっしゃれない。更衣を見送ることさえできない、そのもどかしさを、言いようもなくお感じになる。

読解のポイント:ここでの『限り』は宮中の掟・制約。重病者を宮中から退出させることや、帝が自由に見送れない事情を背景とする。後の葬送場面の『限りあれば』と混同しない。

5. やつれ、言葉も出ない更衣

原文

いとにほひやかにうつくしげなる人の、いたう面痩せて、いとあはれとものを思ひしみながら、言に出でても聞こえやらず、あるかなきかに消え入りつつものしたまふを御覧ずるに、

現代語訳

つややかで愛らしかった更衣が、ひどく顔がやせ、何とも悲しいことだと心の底で思いながらも、言葉に出して帝に十分申し上げることもできず、生きているかどうかも分からないほど、息も絶えだえでいらっしゃる。その様子を帝がご覧になると、

読解のポイント:『人』は桐壺更衣。『御覧ずる』から主語が帝に替わる。『聞こえやらず』は申し上げきれない。『にほひやか』は目に見える華やかな美しさ。

6. 帝は別れを受け入れられない

原文

来し方行く末思し召されず、よろづのことを泣く泣く契りのたまはすれど、御いらへもえ聞こえたまはず、まみなどもいとたゆげにて、いとどなよなよと、我かの気色にて臥したれば、いかさまにと思し召しまどはる。輦車の宣旨などのたまはせても、また入らせたまひて、さらにえ許させたまはず。

現代語訳

帝は過去のこともこれからのこともお考えになれず、さまざまなことを泣きながら約束しておっしゃるが、更衣はお返事を申し上げることもおできにならない。目つきなどもひどくだるそうで、ますます弱々しく、正気を失ったような様子で横たわっているので、帝はどうすればよいのかと途方に暮れなさる。宮中で輦車を用いてよいというご命令などをお出しになっても、また更衣の部屋へお入りになり、どうしても退出をお許しになれない。

読解のポイント:『御いらへもえ聞こえたまはず』の動作主は更衣、返答の相手は帝。『聞こえ』は帝への謙譲、『たまは』は更衣への尊敬。輦車の許可を出しても別れられない帝の葛藤を読む。

7. 帝が呼びかける生死の約束

原文

「限りあらむ道にも、後れ先立たじと、契らせたまひけるを。さりとも、うち捨てては、え行きやらじ」とのたまはするを、女もいといみじと、見たてまつりて、

現代語訳

『命の尽きる旅路にも、一方が遅れたり先立ったりはしないと、お約束なさったのに。いくら何でも、私を置き去りにして行ってしまうことはできないでしょう』と帝がおっしゃるので、更衣もたいそう悲しく思い、帝のお顔を見申し上げて、

読解のポイント:『女』は更衣。身分を示す呼び名ではなく、一人の女性として描いている。引用範囲や『契らせたまひける』の敬意の対象には注釈上の違いがあるため、教科書の区切りを優先する。

8. 更衣の歌:なお生きていたい

原文

「限りとて別るる道の悲しきに いかまほしきは命なりけり いとかく思ひたまへましかば」と、息も絶えつつ、聞こえまほしげなることはありげなれど、

現代語訳

「命の終わりだと、あなたと別れてゆく道が悲しいので、なお生きたいと願うのは、この命なのですね。このような別れになると存じておりましたなら……」と、更衣は息も絶えだえにおっしゃる。まだ帝に申し上げたそうなことはある様子だが、

読解のポイント:歌の詠み手は更衣、相手は帝。『いか』には『行く』『生く』を響かせ、『まほし』は願望、『けり』は詠嘆。『いとかく〜』には複数の解釈があり、ここでは死別を予想していたならという読みを示す。

9. 祈祷を理由に退出を促される

原文

いと苦しげにたゆげなれば、かくながら、ともかくもならむを御覧じはてむと思し召すに、「今日始むべき祈りども、さるべき人びとうけたまはれる、今宵より」と、聞こえ急がせば、わりなく思ほしながらまかでさせたまふ。

現代語訳

更衣はたいそう苦しそうで気力もなさそうなので、帝は、このままそばに置いて、たとえどのような最期を迎えることになっても見届けようとお考えになる。ところが、母君の側から『今日始める予定のご祈祷を、しかるべき僧侶たちが承っております。今夜からでございます』と申し上げて退出を急がせるので、帝はどうしようもなくつらくお思いになりながら、更衣を退出させなさる。

読解のポイント:『ともかくもならむ』は、更衣の死を直接言わずに表す。『まかでさせたまふ』の『させ』は使役で、退出するのは更衣、退出させるのは帝。

10. 更衣を案じて眠れない帝

原文

御胸つとふたがりて、つゆまどろまれず、明かしかねさせたまふ。御使の行き交ふほどもなきに、なほいぶせさを限りなくのたまはせつるを、

現代語訳

帝は胸がすっかりふさがる思いがして、少しもうとうとすることができず、夜を明かすのもつらくていらっしゃる。使者が行って戻ってくるだけの時間もたたないうちから、それでも気がかりでたまらないと、しきりにおっしゃっていたところ、

読解のポイント:この時点では、帝はまだ更衣の死を知らない。『つゆ〜ず』は少しも〜ない。『まどろまれず』の『れ』は可能。『明かしかねさせたまふ』の『させ』は尊敬。

11. 真夜中過ぎの死を知らされる

原文

「夜半うち過ぐるほどになむ、絶えはてたまひぬる」とて泣き騒げば、御使もいとあへなくて帰り参りぬ。聞こし召す御心まどひ、何ごとも思し召しわかれず、籠もりおはします。

現代語訳

更衣の実家では、『真夜中を少し過ぎたころに、お亡くなりになりました』と言って人々が泣き騒ぐので、帝の使者もすっかり力を落とし、宮中へ帰参した。それをお聞きになった帝は心が乱れ、何も分別がおつきにならず、お部屋に引きこもっていらっしゃる。

読解のポイント:『絶えはてたまひぬる』の主語は更衣。『ぬる』は完了の『ぬ』の連体形で、『なむ』の結び。『帰り参りぬ』の『ぬ』は完了の終止形。
ここからは死別後の補足です。若宮の退出・葬送・帝の悲しみを続けて読めます。学校の試験範囲が「籠もりおはします」までの場合は、上の11までを先に復習してください。

12. 母の死を理解できない幼い御子

原文

御子は、かくてもいと御覧ぜまほしけれど、かかるほどにさぶらひたまふ、例なきことなれば、まかでたまひなむとす。何事かあらむとも思したらず、さぶらふ人びとの泣きまどひ、主上も御涙のひまなく流れおはしますを、あやしと見たてまつりたまへるを、よろしきことにだに、かかる別れの悲しからぬはなきわざなるを、ましてあはれに言ふかひなし。

現代語訳

帝は、更衣を失った今も、御子だけはぜひおそばに置いてご覧になっていたい。しかし、母の喪に服するこのような時期に宮中にいらっしゃることは前例がないので、御子は退出なさろうとする。御子は、何があったのかともお分かりにならず、お仕えする人々が泣き乱れ、父帝も絶え間なく涙を流していらっしゃるのを、不思議だと見申し上げていらっしゃる。普通の場合でさえ、このような別れが悲しくないことはないのに、ましてこの幼い御子の場合はいたわしく、何とも言いようがない。

読解のポイント:『御覧ぜまほし』の主語は帝、『まかでたまひなむとす』の主語は御子。『あやし』は不思議だ。幼すぎて死を理解できないことが、語り手の悲しみを深める。

13. 葬送に付き添う母君

原文

限りあれば、例の作法にをさめたてまつるを、母北の方、同じ煙にのぼりなむと、泣きこがれたまひて、御送りの女房の車に慕ひ乗りたまひて、愛宕といふ所にいといかめしうその作法したるに、おはし着きたる心地、いかばかりかはありけむ。

現代語訳

いつまでも亡きがらをとどめておくわけにはいかず、定まった作法に従って更衣の葬儀を執り行い申し上げる。母の北の方は、娘と一緒に火葬の煙となって上ってしまいたいと激しくお泣きになり、葬送に付き添う女房の車へ後を追うようにお乗りになる。そして、愛宕という場所で、たいそう厳かに葬儀を行っている所へ到着なさったときのお気持ちは、どれほどのものであっただろうか。

読解のポイント:ここでの『限りあれば』は葬送の文脈。『同じ煙』には娘とともに死にたいという母の思いが表れる。『いかばかりかはありけむ』は語り手が母君の心情を推し量る表現。

14. 理性では抑えられない母君の悲しみ

原文

「むなしき御骸を見る見る、なほおはするものと思ふが、いとかひなければ、灰になりたまはむを見たてまつりて、今は亡き人と、ひたぶるに思ひなりなむ」と、さかしうのたまひつれど、車よりも落ちぬべうまろびたまへば、さは思ひつかしと、人びともてわづらひきこゆ。

現代語訳

『命のないお体を見ていながら、まだ生きていらっしゃるように思ってしまうのが、どうにもむなしいので、灰におなりになるのを見申し上げて、今はもう亡くなった人なのだと、すっかり思い定めよう』と、母君は分別のあるようにおっしゃっていた。しかし、車から落ちてしまいそうなほど身をよじってお泣きになるので、人々は、やはりそうなると思っていたことだと、お世話に困り申し上げる。

読解のポイント:『見る見る』は見ながら。『さかしう』は理性的・分別ありげな様子。『落ちぬべう』は強意の『ぬ』+推量の『べし』の連用形『べく』のウ音便。

15. 死後の贈位と、消えない嫉妬

原文

内裏より御使あり。三位の位贈りたまふよし、勅使来てその宣命読むなむ、悲しきことなりける。女御とだに言はせずなりぬるが、あかず口惜しう思さるれば、いま一階の位をだにと、贈らせたまふなりけり。これにつけても憎みたまふ人びと多かり。

現代語訳

宮中から使者が来る。帝が更衣に三位の位をお贈りになる旨を、勅使がやって来て宣命として読み上げるのは、悲しいことであった。帝は、更衣を女御とさえ呼ばせることなく亡くしてしまったのが、心残りで残念にお思いになるので、せめてもう一階上の位だけでもと、お贈りになるのであった。このことについても、更衣を憎みなさる人々は多かった。

読解のポイント:『だに』はせめて〜だけでも。生前に女御へ昇格させられなかった帝の後悔と、死後も続く周囲の嫉妬を対比する。

16. 亡くして初めて気づく更衣の人柄

原文

もの思ひ知りたまふは、様、容貌などのめでたかりしこと、心ばせのなだらかにめやすく、憎みがたかりしことなど、今ぞ思し出づる。さま悪しき御もてなしゆゑこそ、すげなう嫉みたまひしか、人柄のあはれに情けありし御心を、主上の女房なども恋ひしのびあへり。なくてぞとは、かかる折にやと見えたり。

現代語訳

人の情を理解なさる方々は、更衣の姿や顔立ちなどがすばらしかったこと、気立てが穏やかで感じがよく、憎みきれなかったことなどを、今になって思い出しなさる。帝の見苦しいほどの特別扱いのためにこそ、そっけなくねたんでいらしたのだが、更衣のしみじみ心ひかれる人柄や思いやりのある心を、帝付きの女房たちなども皆で恋しく思い出している。亡くなって初めて人のよさが分かるというのは、このようなときのことかと思われる。

読解のポイント:『こそ〜しか』は係り結び。ねたみの原因は帝の扱いであり、更衣自身の人柄とは区別して描かれる。『なくてぞ』は古歌を踏まえた表現。

17. 喪失の悲しみが深まる日々

原文

はかなく日ごろ過ぎて、後のわざなどにもこまかにとぶらはせたまふ。ほど経るままに、せむ方なう悲しう思さるるに、御方がたの御宿直なども絶えてしたまはず、ただ涙にひちて明かし暮らさせたまへば、見たてまつる人さへ露けき秋なり。

現代語訳

むなしく日々が過ぎ、帝は更衣の死後の法要などについても、細やかにお気遣いなさる。時がたつにつれて、帝はどうしようもなく悲しくお思いになり、ほかの女御や更衣たちにおそばで夜の伺候をさせることも一切なく、ただ涙にぬれて日をお過ごしになるので、その様子を見申し上げる人たちまでも涙にぬれる秋である。

読解のポイント:『後のわざ』は死後の供養・法要。『ひつ』はぬれる。『露けき』には秋の露と涙が重ねられている。

18. 弘徽殿女御の言葉と若宮への思い

原文

「亡きあとまで、人の胸あくまじかりける人の御おぼえかな」とぞ、弘徽殿などにはなほ許しなうのたまひける。一の宮を見たてまつらせたまふにも、若宮の御恋しさのみ思ほし出でつつ、親しき女房、御乳母などを遣はしつつ、ありさまを聞こし召す。

現代語訳

『亡くなった後まで、人の胸のつかえを晴らさせそうにない、あの方へのご寵愛ですこと』と、弘徽殿女御などは、なおも容赦なくおっしゃった。帝は第一皇子をご覧になっても、若宮を恋しく思うお気持ちばかりがわき上がり、親しい女房や乳母などを更衣の実家へお遣わしになって、若宮の様子をお聞きになる。

読解のポイント:『人の胸あくまじ』は、人々の不満が晴れそうにないという意味。『一の宮』は第一皇子、『若宮』は光源氏で、二人を区別する。

19. 秋の夕暮れに命婦を遣わす

原文

野分立ちて、にはかに肌寒き夕暮のほど、常よりも思し出づること多くて、靫負命婦といふを遣はす。

現代語訳

秋の強い風が吹き、急に肌寒くなった夕暮れどき、帝はいつも以上に更衣のことを思い出されることが多く、靫負命婦という女房を、更衣の母君のもとへお遣わしになる。

読解のポイント:『野分』は秋の強風。『靫負命婦』は使者となる女房。この後の母君との対話や『魂のありか』の歌は、ここに掲載した訳の範囲より後の場面。

和歌「限りとて別るる道の悲しきに」の意味

限りとて 別るる道の 悲しきに
いかまほしきは 命なりけり

現代語訳:命の終わりだとしてあなたと別れてゆく道が悲しいので、生き続けたいと思うのは、この命なのですね。

詠み手:桐壺更衣/相手:桐壺帝。ここでの「いか」は「生く」の未然形で、「道」とのつながりで「行く」も響きます。

更衣は死が近いと感じながら、帝と別れる悲しさゆえに生きたいと願います。「命は限られている」と知ることと、「なお生きたい」と願うことが一首の中で重なります。現代語訳では、命の終わり・帝との別れ・生への願いを落とさずに書きましょう。

「限りあれば」は、前後の場面で訳し分ける

同じ語が出ても、すべて「葬式の決まり」とは訳せません。

本文場面文脈に即した読み方
限りあれば、さのみもえとどめさせたまはず病気の更衣を宮中から退出させるとき宮中には定めがあり、重病の更衣をいつまでも留められない。
限りあれば、例の作法にをさめたてまつるを亡くなった更衣を葬送するとき葬送のしきたり・定めがあるので、いつもの作法で葬る。解釈の細部は授業の注釈も確認。
限りとて別るる道更衣が帝に詠む歌ここでは「命の終わり」。上の二つと同じ訳にしない。

「桐壺」の重要単語・語句一覧

本文の意味に合わせて覚えます。特に「めざまし」「にほひ」「御おぼえ」は、現代語の感覚だけで訳さないようにしましょう。

語句この場面の意味注意点
御時(おほんとき)帝が国を治める時代・御代「いつの時刻」ではなく、どの帝の治世か。
際(きは)身分・家柄ここで「境目」と訳すと人物の立場を読み違える。
時めく帝の寵愛を受けて栄える現代語の「ときめく=胸が高鳴る」と区別する。
めざまし気にくわない・身の程知らずだ女御たちが桐壺更衣をどう見たかを示す。
篤し(あつし/あづし)病気が重い・病気がちだ「熱い」としない。読みは教科書の表記に合わせる。
里がち実家に帰っていることが多い「里」はここでは桐壺更衣の実家。
あかず満足できず・もっと一緒にいたくて帝の思いが尽きないことを表す。
そしり非難・悪口帝の寵愛の偏りに対する周囲の批判。
御おぼえ帝からの寵愛同じ段落の「世のおぼえ」は世間の評判。
はしたなしいたたまれない・きまりが悪いここでは周囲から冷遇される苦しさ。
かたじけなし恐れ多い・ありがたい帝の深い愛情を頼みとする。
よしあり由緒がある・教養がある桐壺更衣の母の育ちや教養を示す。
後見(うしろみ)後ろ盾・世話をする人父が亡くなり、有力な支援者がいない。
清らなりこの上なく美しい「清潔だ」という意味ではない。
心もとながる待ち遠しく思う・じれったがる早く御子を見たい帝の気持ち。
にほひ輝くような美しさ第一皇子と光源氏の容貌の比較。「におい」ではない。
儲けの君(まうけのきみ)皇太子になるべき皇子この場面では第一皇子。即位後の光源氏ではない。
私物(わたくしもの)私的な愛情の対象皇位継承の立場とは別に、わが子としてかわいがる。
御息所(みやすどころ)帝の妃を敬っていう語この場面では桐壺更衣。六条御息所ではない。
いとま退出の許し「いとま申す」は宮中を退出したいと願い出ること。
え〜ず〜できない「え」は可能の意を持つ副詞。打消と組むと不可能。
つゆ〜ず少しも〜ない打消を強める。「つゆまどろまれず」は少しも眠れない。
いかまほし生きたい和歌では「生く」の未然形「いか」+願望「まほし」。
かぎり限界・定め・しきたり「限りとて」は命の終わり。「限りあれば」は前後で具体化する。
絶えはつ息が絶える・亡くなる「絶えはてたまひぬる」は更衣の死去を伝える。

光源氏の誕生・飽かぬ別れの品詞分解と文法

冒頭二文と重要表現を語ごとに分け、その後に助動詞・係り結びを一覧で確認します。全文すべての語の分解ではなく、文法問題の土台となる箇所を扱います。本文の仮名・漢字表記が違っても、活用と接続を確かめて読みましょう。

冒頭1:「いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひ給ひける中に」
語品詞・活用意味・見分け方
いづれ代名詞どの。
の格助詞連体修飾。
御時名詞帝の御代。
に断定の助動詞「なり」連用形「〜で」。
か係助詞・疑問後に「ありけむ」などが省略。
女御・更衣名詞帝に仕える妃たち。
あまた副詞大勢。
候ひハ行四段動詞「候ふ」連用形謙譲語。語り手から帝への敬意。
給ひハ行四段補助動詞「給ふ」連用形尊敬語。語り手から女御・更衣への敬意。
ける過去の助動詞「けり」連体形「中」を修飾。「か」の結びではない。
中名詞女御・更衣の中。
に格助詞範囲を示す。
冒頭2:「いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり」
語品詞・活用意味・見分け方
いと副詞打消とともに「たいして〜ない」。
やむごとなきク活用形容詞「やむごとなし」連体形高貴な。語尾だけ「なき」と切り離さない。
際名詞身分。
に断定の助動詞「なり」連用形「〜で」。
は係助詞「にはあらぬ」の形。
あらラ変動詞「あり」未然形打消「ず」へ接続。
ぬ打消の助動詞「ず」連体形「ではない」。完了ではない。
が格助詞「〜ではない方で」と続く。同格として説明される。
すぐれて副詞際立って。
時めきカ行四段動詞「時めく」連用形帝の寵愛を受ける。
給ふハ行四段補助動詞「給ふ」連体形尊敬。後に「人・方」などを補う。
ありラ変動詞「あり」連用形存在する。
けり過去の助動詞「けり」終止形物語の過去。「ける」ではない。
重要表現:「え憚らせ給はず」
語品詞・活用意味・見分け方
え副詞後の「ず」と呼応して不可能。
憚らラ行四段動詞「憚る」未然形遠慮する・差し控える。
せ尊敬の助動詞「す」連用形帝の動作を高める。
給はハ行四段補助動詞「給ふ」未然形尊敬。「せ+給ふ」で高い敬意。
ず打消の助動詞「ず」連用形文が続く形。全体で「お控えになることができない」。
和歌:「限りとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり」
語品詞・活用意味・見分け方
限り名詞命の終わり。
とて格助詞引用を示す。「命の終わりだと(思って)」。
別るるラ行下二段動詞「別る」連体形「道」を修飾。
道名詞死へと向かい、帝と別れる道。
の格助詞主格。「道が」。
悲しきシク活用形容詞「悲し」連体形別れが悲しい。
に接続助詞悲しいので。
いかカ行四段動詞「生く」未然形「生く」の意。「道」とのつながりで「行く」も響く。
まほしき願望の助動詞「まほし」連体形生きたい。
は係助詞「いかまほしき」を取り立てる。
命名詞生き続けたい命。
なり断定の助動詞「なり」連用形後に「けり」が続く。
けり詠嘆の助動詞「けり」終止形「〜なのだなあ」という気づき・感慨。

助動詞と係り結びを一覧で確認

表現文法解釈の要点
思ひ上がり給へる給へ=四段已然形/る=存続「り」連体形「る」を受身・尊敬の「る」と混同しない。
恨みを負ふ積もりにやありけむけむ=過去推量・連体形(「や」の結び)語り手が、病気がちになった理由を推し量る。
なりぬべき御もてなしぬ=強意「ぬ」終止形/べき=推量「べし」連体形「きっと〜になってしまいそうな」。
悪しかりけれけれ=過去「けり」已然形「こそ」を受ける係り結び。
後見しなければし=副助詞・強意/なけれ=ク活用「なし」已然形/ば=接続助詞「後見人がいないので」。仮定の「もし〜なら」ではない。
深かりけむけむ=過去推量・連体形「御契りや」の「や」を受ける。
生まれ給ひぬぬ=完了「ぬ」終止形「お生まれになった」。「あらぬ」と識別。
参らせて参ら=ラ四「参る」未然形/せ=使役「す」連用形皇子を参内させる。後ろの「御覧ずる」は帝の動作。
御いらへもえ聞こえたまはずえ+打消「ず」=不可能更衣が帝にお返事を申し上げることができない。
つゆまどろまれずれ=可能「る」未然形/ず=打消・連用形「少しも眠ることができない」。ここは尊敬ではない。
絶えはてたまひぬるぬる=完了「ぬ」連体形係助詞「なむ」の結び。更衣が亡くなったとの知らせ。
思ひたまへましかばたまへ=下二段「たまふ」未然形/ましか=反実仮想「まし」未然形/ば=接続助詞更衣が帝にへりくだって言う。「もし〜でしたなら」。続く内容は言いさしている。
「ぬ」と「る」は、前の形を見る。
「あらぬ」は未然形に付く打消。「生まれ給ひぬ」は連用形に付く完了です。「給へる」の「る」は、四段已然形に付く存続「り」の連体形。「まどろまれず」は、未然形に付く可能「る」の未然形です。

敬語一覧|誰から誰への敬意か

地の文では、基本的に語り手が登場人物へ敬意を示します。尊敬語は動作主、謙譲語は動作の受け手などを高めます。会話文・手紙では敬意を示す側が話し手・書き手になるため、場面を分けて判断します。

本文の表現誰が何をするか敬語の種類敬意の向き
候ひ給ひける女御・更衣が帝に仕える候ふ=謙譲/給ふ=尊敬語り手→帝/語り手→女御・更衣
すぐれて時めき給ふ桐壺更衣が寵愛を受ける給ふ=尊敬語り手→桐壺更衣
おとしめそねみ給ふ女御たちが桐壺更衣をねたむ給ふ=尊敬語り手→女御たち
え憚らせ給はず帝が周囲の非難を遠慮できないす+給ふ=尊敬語り手→帝
生まれ給ひぬ光源氏が生まれる給ふ=尊敬語り手→光源氏
急ぎ参らせて御覧ずる帝が皇子を参内させ、ご覧になる参る=謙譲/せ=使役/御覧ず=尊敬参る・御覧ずとも語り手→帝
もてかしづき聞こゆれど世間の人々が第一皇子を大切にする聞こゆ=謙譲の補助動詞語り手→第一皇子
母君泣く泣く奏して母が娘の退出の許しを願う奏す=謙譲語り手→帝
御いらへもえ聞こえたまはず桐壺更衣が帝に返答できない聞こゆ=謙譲/たまふ=尊敬語り手→帝/語り手→桐壺更衣
いみじと見たてまつりて桐壺更衣が帝の様子を見る奉る=謙譲の補助動詞語り手→帝
のたまはする帝が更衣の退出をしばらく待たせるのたまはす=尊敬語(サ行下二段)語り手→帝
思ひたまへましかば更衣が帝に自分の思いを話すたまふ(下二段)=謙譲話し手の桐壺更衣→聞き手の帝
「候ひ給ひける」は敬意の対象が二つ。
「候ふ」で仕える相手の帝を高め、「給ふ」で仕える女御・更衣を高めます。「敬語が二つあるから両方とも帝へ」とまとめず、語ごとに確認してください。

「せ/させ+給ふ」も、形だけで全部を尊敬と決めません。「憚らせ給はず」の「せ」は尊敬ですが、「急ぎ参らせて」の「せ」は皇子を参内させる使役です。誰が誰に何をさせるのかを本文から確かめましょう。

光源氏の誕生・飽かぬ別れのテスト問題40問

内容理解・現代語訳・文法・敬語の四択問題を各10問収録しています。ロジカ(LOGIQA)のオリジナル練習問題です。実際の学校の出題を保証するものではありません。

全40問を問題・解答一覧で確認する

自動出題が表示されない環境でも、ここからすべての問題と解説を読めます。紙に答えを書いてから、各問を開いて確認してください。

問1 光源氏の誕生

「はじめより我はと思ひ上がりたまへる御方がた、めざましきものにおとしめ嫉みたまふ」の人物関係として正しいものはどれか。

  1. 桐壺更衣が、先に入内していた女御たちを見下している。
  2. 女御たちが、格別の寵愛を受ける桐壺更衣を見下している。
  3. 帝が、桐壺更衣をねたむ女御たちを見下している。
  4. 更衣の母が、娘より身分の高い女御たちを見下している。
問1の正解・解説

正解:2. 女御たちが、格別の寵愛を受ける桐壺更衣を見下している。

「御方がた」が「おとしめ嫉みたまふ」の主語で、対象は桐壺更衣です。「我は」は女御たちの自負を表し、更衣自身の高慢さを述べたものではありません。

問2 光源氏の誕生

「もの心細げに里がちなるを、いよいよあかずあはれなるものに思ほして」から読み取れる展開はどれか。

  1. 更衣が里にいることが増え、帝の愛情も次第に薄れていく。
  2. 更衣が里にいることが増え、女御たちの同情も深まっていく。
  3. 更衣が里にいることが増え、帝の更衣への思いが深まっていく。
  4. 更衣が里にいることが増え、母の宮中での権勢が強まっていく。
問2の正解・解説

正解:3. 更衣が里にいることが増え、帝の更衣への思いが深まっていく。

病気がちで実家に下がる更衣を、帝はいっそういとしく思います。「里がち」は里にいることが多いという意味で、帝の冷遇による退去ではありません。

問3 光源氏の誕生

「唐土にも、かかる事の起こりにこそ、世も乱れ、悪しかりけれ」と「楊貴妃の例」の関係として適切なものはどれか。

  1. 一人の妃への偏った寵愛が政治に災いを招くと、周囲が懸念している。
  2. 身分の低い妃を重んじれば政治が安定すると、周囲が期待している。
  3. 帝が中国の制度にならって後宮の身分差をなくそうと考えている。
  4. 更衣が中国の故事を学び、女御たちとの対立を解こうとしている。
問3の正解・解説

正解:1. 一人の妃への偏った寵愛が政治に災いを招くと、周囲が懸念している。

「かかる事」は帝が一人の妃を特別に愛することです。中国の故事を引くのは周囲の批判であり、この時点の日本で実際に反乱が起きたという記述ではありません。

問4 光源氏の誕生

更衣の母が「何事の儀式をももてなしたまひけれど」、更衣が「なほ拠り所なく心細げ」なのはなぜか。

  1. 母に教養がなく、他の妃と同じ儀式を行うことが難しいから。
  2. 父の大納言が健在でも、更衣の宮仕えを認めていないから。
  3. 帝の愛情を失い、宮中の儀式への出席を禁じられたから。
  4. 母が儀式を支えても、父を失った更衣には有力な後見がないから。
問4の正解・解説

正解:4. 母が儀式を支えても、父を失った更衣には有力な後見がないから。

母の教養や儀式の支度と、政治的に支える後見の有無は別の問題です。「けれど」の前後を読み、母の努力がある一方で頼る相手が乏しいと捉えます。

問5 光源氏の誕生

「一の皇子」と「この君」について、「おほかたのやむごとなき御思ひ」と「私物に思ほしかしづきたまふ」の対比は何を示すか。

  1. 帝は第一皇子を個人的に愛し、光源氏には皇位継承者として接する。
  2. 帝は第一皇子を皇子として重んじ、光源氏には格別の私的愛情を注ぐ。
  3. 帝は第一皇子を人目から隠し、光源氏には宮中の儀式だけで接する。
  4. 帝は第一皇子の後見を断ち、光源氏をすでに正式な皇太子と定める。
問5の正解・解説

正解:2. 帝は第一皇子を皇子として重んじ、光源氏には格別の私的愛情を注ぐ。

第一皇子への重んじ方と、光源氏への深い個人的愛情を対比しています。「儲の君」は第一皇子への世間の期待を示し、光源氏の立太子が決定したという意味ではありません。

問6 光源氏の誕生

弘徽殿女御の「坊にも、ようせずは、この御子の居たまふべきなめり」という思いの内容はどれか。

  1. 光源氏が将来、自分の娘と結婚するかもしれないという心配。
  2. 光源氏が母とともに宮中を去ってしまうかもしれないという心配。
  3. 光源氏が自分の息子に代わって皇太子になるかもしれないという心配。
  4. 光源氏が右大臣の後見を受けられなくなるかもしれないという心配。
問6の正解・解説

正解:3. 光源氏が自分の息子に代わって皇太子になるかもしれないという心配。

「坊」はここでは東宮・皇太子の地位です。帝が光源氏を格別に扱うため、第一皇子の母である弘徽殿女御は、自分の息子の立場を不安に思っています。

問7 飽かぬ別れ

「御目馴れて、『なほしばしこころみよ』とのみのたまはするに」とある。帝が当初、退出を許さない背景はどれか。

  1. 更衣が以前から病気がちで、帝がその病状を見慣れていたため。
  2. 更衣の病気が回復したと、母君から正式に報告されたため。
  3. 更衣が退出後に再入内しないと、帝に申し出ていたため。
  4. 更衣の母が里での療養に反対し、帝に引き留めを頼んだため。
問7の正解・解説

正解:1. 更衣が以前から病気がちで、帝がその病状を見慣れていたため。

直前の「年ごろ、常の篤しさ」が根拠です。帝は以前からの病気と見て様子を見させますが、その後「日々に重り」と病状が悪化します。回復が確認されたわけではありません。

問8 飽かぬ別れ

「かくながら、ともかくもならむを御覧じはてむ」と思う帝が、結局「まかでさせたまふ」直接のきっかけはどれか。

  1. 光源氏が母について里へ行きたいと、帝に願い出たこと。
  2. 弘徽殿女御が後宮の規則を挙げて、帝を強く諫めたこと。
  3. 更衣が病気の回復を告げて、宮仕えの終了を申し出たこと。
  4. 今宵から始める祈祷があると、里側から退出を急がされたこと。
問8の正解・解説

正解:4. 今宵から始める祈祷があると、里側から退出を急がされたこと。

「今日始むべき祈りども」「今宵より」という申し上げが直接のきっかけです。帝は最期まで見届けたいと思っており、自ら進んで別れを選んだのではありません。

問9 飽かぬ別れ

更衣の歌「限りとて別るる道の悲しきに/いかまほしきは命なりけり」に表れる心情として最も適切なものはどれか。

  1. 帝の愛情に疑いを持ち、宮中での生活を早く終えたいという思い。
  2. 死による別れを感じながらも、なお生きていたいという思い。
  3. 自分の寿命を受け入れ、帝にも早く忘れてほしいという思い。
  4. 里に戻れば病気が治ると確信し、帝を安心させたいという思い。
問9の正解・解説

正解:2. 死による別れを感じながらも、なお生きていたいという思い。

別れの予感と「いかまほしき」という生への願いが重なります。死を意識していることと、生きることを諦めていることは同じではありません。

問10 飽かぬ別れ

葬送で母北の方は「灰になりたまはむを見たてまつりて、今は亡き人と、ひたぶるに思ひなりなむ」と語る。その後の描写との関係はどれか。

  1. 娘の死を確かめようとしたが、実際には悲しみで取り乱してしまう。
  2. 娘の死を確かめようとし、実際に落ち着いて周囲の女房を励ます。
  3. 娘が生き返ると信じており、実際にもその期待を確かめて喜ぶ。
  4. 娘の死を疑っており、実際に葬送を取りやめるよう帝に願う。
問10の正解・解説

正解:1. 娘の死を確かめようとしたが、実際には悲しみで取り乱してしまう。

「さかしうのたまひつれど」に対し、車から落ちそうなほどの様子が続きます。分別ある言葉と抑えきれない悲しみの落差を読み取ります。

問11 光源氏の誕生

「いとやむごとなき際にはあらぬが」の意味として最も適切なものはどれか。

  1. たいへん高貴な身分で、他の妃を近づけない方が。
  2. 宮中に仕える身分ではなく、里で暮らしている方が。
  3. それほど高貴な身分ではない方であって。
  4. 身分について少しも不満を抱いていない方が。
問11の正解・解説

正解:3. それほど高貴な身分ではない方であって。

「やむごとなし」は高貴だ、「際」は身分。「いと」に打消が続くため「それほど高貴ではない」と訳します。「極端に身分が低い」とまでは述べていません。

問12 光源氏の誕生

女御たちが更衣を「めざましきもの」と見る場面の「めざまし」の意味はどれか。

  1. 予想以上に優れていて、称賛したい。
  2. 目を覚まさせるほど、驚くべき音がする。
  3. 身の上が気の毒で、手を差し伸べたい。
  4. 身のほどに合わず、気に入らない。
問12の正解・解説

正解:4. 身のほどに合わず、気に入らない。

ここでは更衣への反感を表し、「おとしめ嫉み」が判断の手がかりです。現代語の「目覚ましい活躍」のような、優秀さを褒める意味で読まないようにします。

問13 光源氏の誕生

「なかなかなるもの思ひをぞしたまふ」の「なかなかなるもの思ひ」として適切なものはどれか。

  1. 寵愛を得たために、かえって深まってしまう物思い。
  2. 寵愛を得るまで、長い間続けなければならない物思い。
  3. 寵愛を失って初めて、そのありがたさを悟る物思い。
  4. 寵愛を受けたので、次第に解消されていく物思い。
問13の正解・解説

正解:1. 寵愛を得たために、かえって深まってしまう物思い。

「なかなか」はここでは「かえって」。帝の庇護があっても周囲の敵意が強いため、寵愛が苦しみにつながっています。「なかなか解決しない」の現代語用法とは異なります。

問14 光源氏の誕生

上達部・上人の言葉「いとまばゆき人の御おぼえなり」の「御おぼえ」が表すものはどれか。

  1. 更衣に対する、女御たちの高い評価。
  2. 更衣に対する、帝の深い寵愛。
  3. 更衣について、帝が持つ昔の記憶。
  4. 更衣について、母が持つ将来の期待。
問14の正解・解説

正解:2. 更衣に対する、帝の深い寵愛。

この「御おぼえ」は帝からの寵愛です。同じ「おぼえ」でも文脈で意味が変わります。ここでは周囲がまぶしく感じるほどの特別な扱いを批判しています。

問15 光源氏の誕生

「世になく清らなる玉の男御子」の「世になく清らなる」を訳すならどれか。

  1. 世間のことを知らず、心が清らかな。
  2. まだ世に名が出ておらず、品行が正しい。
  3. この世に比べるものがなく、たいへん美しい。
  4. この世に未練を持たず、心が澄み切った。
問15の正解・解説

正解:3. この世に比べるものがなく、たいへん美しい。

「清らなり」はここでは容貌の美しさを表します。「世になく」は並ぶものがないほど、という強調で、世間知らずや清潔さの説明ではありません。

問16 飽かぬ別れ

「暇さらに許させたまはず」の現代語訳として適切なものはどれか。

  1. 帝は、これまで以上に休息をお与えになる。
  2. 帝は、更衣が暇を持て余すことをお許しにならない。
  3. 帝は、あらためて退出の許可をお与えになる。
  4. 帝は、退出の許可を少しもお与えにならない。
問16の正解・解説

正解:4. 帝は、退出の許可を少しもお与えにならない。

「暇」はここでは宮中から退出する許し。「さらに」は打消と呼応して「まったく・少しも」の意味です。「いっそう」「あらためて」と訳すと文意が逆になります。

問17 飽かぬ別れ

病床の更衣を述べた「我かの気色にて臥したれば」の意味として適切なものはどれか。

  1. 自分か他人かも分からないように、意識がはっきりせず寝ているので。
  2. 自分の気持ちを隠しているように、帝に背を向けて寝ているので。
  3. 自分と帝を比べているように、相手の顔を見つめて寝ているので。
  4. 自分は回復したと示すように、落ち着いた顔つきで寝ているので。
問17の正解・解説

正解:1. 自分か他人かも分からないように、意識がはっきりせず寝ているので。

「我か」は正気を失いかけた様子を表します。直前の「たゆげ」「なよなよ」も衰弱の描写です。帝への意志的な拒絶や、病状の回復を述べてはいません。

問18 飽かぬ別れ

退出をめぐる「御覧じだに送らぬおぼつかなさ」の意味として適切なものはどれか。

  1. 見送りの使者を出さなかったことを、帝が後悔する気持ち。
  2. 帝が自ら見送ることさえかなわない、気がかりな気持ち。
  3. 見送りに来るはずの母が来ないため、帝がいらだつ気持ち。
  4. 更衣に見送ってもらえないため、帝が寂しく思う気持ち。
問18の正解・解説

正解:2. 帝が自ら見送ることさえかなわない、気がかりな気持ち。

見送る側は帝、見送られる側は更衣です。「だに」はここでは「さえ」。「おぼつかなし」は相手の様子を十分に確かめられない心もとなさを表します。

問19 飽かぬ別れ

更衣退出後の帝について「つゆまどろまれず」とある。適切な訳はどれか。

  1. 涙がこぼれてしまい、眠ろうとはなさらない。
  2. 少しだけお眠りになり、すぐに目をお覚ましになる。
  3. 夜露を気にされて、寝所にはお入りにならない。
  4. 少しもうとうとすることがおできにならない。
問19の正解・解説

正解:4. 少しもうとうとすることがおできにならない。

「つゆ」は打消と呼応して「少しも」。「まどろむ」はうとうとすることです。ここでの「つゆ」を名詞の露や涙と取らず、不可能を表す文として読みます。

問20 飽かぬ別れ

「いかまほしきは命なりけり」の「まほしき」に注意した訳として最も適切なものはどれか。

  1. 生き続けなければならないのは、この命なのだ。
  2. 生き続けられるはずなのは、この命なのだ。
  3. なお生き続けたいと願うのは、この命なのだ。
  4. 生き続けられたと聞いているのは、この命なのだ。
問20の正解・解説

正解:3. なお生き続けたいと願うのは、この命なのだ。

「まほし」は願望を表します。義務・当然・伝聞ではありません。「いか」には「生く」と「行く」が響き合い、別れの道を前にした生への願いが表れています。

問21 光源氏の誕生

「いとやむごとなき際にはあらぬが」の「ぬ」の文法説明として正しいものはどれか。

  1. 完了の助動詞「ぬ」の終止形。
  2. 打消の助動詞「ず」の連体形。
  3. 完了の助動詞「ぬ」の連用形。
  4. 打消の助動詞「ず」の未然形。
問21の正解・解説

正解:2. 打消の助動詞「ず」の連体形。

「あら」はラ変動詞「あり」の未然形で、その後の「ぬ」は打消「ず」の連体形です。完了「ぬ」は連用形に接続するので、「あら」には付きません。

問22 光源氏の誕生

「恨みを負ふ積もりにやありけむ」の「けむ」が、この文で表すものはどれか。

  1. 現在進行中の動作についての伝聞。
  2. これから起こる出来事についての意志。
  3. 目の前に見える景色についての婉曲。
  4. 過去の事情・原因についての推量。
問22の正解・解説

正解:4. 過去の事情・原因についての推量。

更衣が病気がちになった事情を、語り手が「恨みが積もったためだろうか」と推し量っています。「けむ」は過去に目を向ける助動詞で、未来の意志ではありません。

問23 光源氏の誕生

「世のためしにもなりぬべき御もてなし」の「ぬべき」の説明として正しいものはどれか。

  1. 「ぬ」は強意、「べき」は推量で、きっと例になりそうだと述べる。
  2. 「ぬ」は打消、「べき」は推量で、例にはならないだろうと述べる。
  3. 「ぬ」は強意、「べき」は命令で、後世の例にせよと命じる。
  4. 「ぬ」は打消、「べき」は適当で、後世の例にしない方がよいと述べる。
問23の正解・解説

正解:1. 「ぬ」は強意、「べき」は推量で、きっと例になりそうだと述べる。

連用形「なり」の後の「ぬ」は完了の助動詞で、ここでは推量の「べし」を強めます。「べき」は後ろの名詞「御もてなし」に続く連体形です。打消ではありません。

問24 光源氏の誕生

「かかる事の起こりにこそ、世も乱れ、悪しかりけれ」で「けれ」が已然形になっている理由はどれか。

  1. 直前の形容詞が已然形を要求するため。
  2. 接続助詞「ば」が省略されているため。
  3. 係助詞「こそ」の結びになっているため。
  4. 疑問を表す「か」が文末に省略されるため。
問24の正解・解説

正解:3. 係助詞「こそ」の結びになっているため。

「こそ」は結びを已然形にする係助詞で、「けれ」は過去の助動詞「けり」の已然形です。「ぞ・なむ・や・か」の連体形の結びと区別します。

問25 光源氏の誕生

「先の世にも御契りや深かりけむ」の「や」と「けむ」の組合せとして正しいものはどれか。

  1. 「や」は並列、「けむ」は未来への推量。
  2. 「や」は疑問、「けむ」は過去への推量。
  3. 「や」は反語、「けむ」は話し手の意志。
  4. 「や」は呼びかけ、「けむ」は現在の原因推量。
問25の正解・解説

正解:2. 「や」は疑問、「けむ」は過去への推量。

語り手が前世の縁を「深かったのだろうか」と推測しています。「や」があるだけで反語とは決められません。「先の世」という過去の設定も判断の手がかりです。

問26 飽かぬ別れ

「まかでなむとしたまふ」の「なむ」の文法説明として正しいものはどれか。

  1. 係助詞で、文末を連体形にする。
  2. 終助詞で、他人への願望を表す。
  3. 打消の助動詞と推量の助動詞の組合せ。
  4. 完了の助動詞「ぬ」の未然形と、意志の「む」の組合せ。
問26の正解・解説

正解:4. 完了の助動詞「ぬ」の未然形と、意志の「む」の組合せ。

連用形「まかで」に「ぬ」の未然形「な」が付き、意志の「む」が続きます。退出しようとする更衣の意志を強める形で、係助詞「なむ」とは構造が違います。

問27 飽かぬ別れ

「あるまじき恥もこそと心づかひして」の「もこそ」が表す気持ちはどれか。

  1. 好ましくないことが起こるのではないかという心配。
  2. 実現してほしいことが起こるようにという願い。
  3. 起こった出来事はすべて当然だという納得。
  4. これから起こる出来事を必ず防げるという確信。
問27の正解・解説

正解:1. 好ましくないことが起こるのではないかという心配。

「もこそ」は望ましくない事態への危惧を表します。「恥」の具体的内容には注釈の違いがありますが、心配して用心するという構文上の意味は共通です。

問28 飽かぬ別れ

「忍びてぞ出でたまふ」の「ぞ」と「たまふ」の関係として正しいものはどれか。

  1. 「ぞ」は命令を表し、「たまふ」は命令形である。
  2. 「ぞ」は逆接を表し、「たまふ」は已然形である。
  3. 「ぞ」が係助詞で、「たまふ」は結びの連体形である。
  4. 「ぞ」が文を終えるため、「たまふ」は次の文の終止形である。
問28の正解・解説

正解:3. 「ぞ」が係助詞で、「たまふ」は結びの連体形である。

係助詞「ぞ」の結びは連体形です。四段活用「たまふ」は終止形も連体形も同じ形ですが、ここでは係り結びから連体形と判断します。

問29 飽かぬ別れ

和歌「いかまほしきは命なりけり」の「まほしき」の文法説明として正しいものはどれか。

  1. 推量の助動詞「まほし」の連用形。
  2. 願望の助動詞「まほし」の連体形。
  3. 願望の助動詞「まほし」の已然形。
  4. 打消の助動詞「まほし」の終止形。
問29の正解・解説

正解:2. 願望の助動詞「まほし」の連体形。

「まほし」は未然形に接続する願望の助動詞で、「まほしき」は連体形です。後ろの「は」につながり、「生きたいと思うものは」という意味になります。

問30 飽かぬ別れ

「夜半うち過ぐるほどになむ、絶えはてたまひぬる」の「ぬる」の説明として正しいものはどれか。

  1. 打消「ず」の連体形で、「なむ」と係り結びを作る。
  2. 完了「ぬ」の已然形で、確定条件を示している。
  3. 打消「ず」の終止形で、更衣の死を否定している。
  4. 完了「ぬ」の連体形で、「なむ」と係り結びを作る。
問30の正解・解説

正解:4. 完了「ぬ」の連体形で、「なむ」と係り結びを作る。

この「なむ」は係助詞で、結びは連体形「ぬる」です。先の「まかでなむ」の「なむ」と見かけは同じでも、ここでは完了「ぬ」+意志「む」ではありません。

問31 光源氏の誕生

「女御、更衣あまた候ひ給ひけるなかに」の「候ひ」だけについて、敬語の種類と敬意の対象を正しく述べたものはどれか。

  1. 謙譲語で、語り手が女御・更衣の仕える先である帝を高める。
  2. 尊敬語で、語り手が宮中に仕える女御・更衣を高める。
  3. 丁寧語で、女御・更衣が話の聞き手である帝に丁寧に述べる。
  4. 謙譲語で、帝が自分の仕える相手である女御・更衣を高める。
問31の正解・解説

正解:1. 謙譲語で、語り手が女御・更衣の仕える先である帝を高める。

ここでの「候ふ」は「お仕えする」という謙譲語で、動作主は女御・更衣、敬意の対象は帝です。地の文なので敬意を表す側は語り手。後続の「給ふ」の尊敬とは分けます。

問32 光源氏の誕生

同じ「女御、更衣あまた候ひ給ひけるなかに」の「給ひ」について、敬意の向きを正しく述べたものはどれか。

  1. 謙譲の補助動詞で、語り手から帝への敬意を表す。
  2. 丁寧の補助動詞で、女御・更衣から帝への敬意を表す。
  3. 尊敬の補助動詞で、語り手から女御・更衣への敬意を表す。
  4. 尊敬の補助動詞で、帝から語り手への敬意を表す。
問32の正解・解説

正解:3. 尊敬の補助動詞で、語り手から女御・更衣への敬意を表す。

「給ふ」はここでは四段活用の尊敬の補助動詞で、仕える女御・更衣を高めます。同じ句でも「候ふ」は帝へ、「給ふ」は女御・更衣へと敬意の対象が異なります。

問33 光源氏の誕生

「いよいよあかずあはれなるものに思ほして」の「思ほし」の説明として正しいものはどれか。

  1. 謙譲語で、語り手から思われる相手の桐壺更衣への敬意を表す。
  2. 尊敬語で、語り手から思う動作の主体である帝への敬意を表す。
  3. 尊敬語で、語り手から思う動作の主体である更衣の母への敬意を表す。
  4. 丁寧語で、桐壺更衣から話を聞く相手である帝への敬意を表す。
問33の正解・解説

正解:2. 尊敬語で、語り手から思う動作の主体である帝への敬意を表す。

「思ほす」は「思ふ」の尊敬語で、主語は帝です。帝が更衣をいとしく思う文なので、思われる対象の更衣ではなく、思う主体の帝を高めています。

問34 光源氏の誕生

「疑ひなき儲の君と、世にもてかしづききこゆれど」の「きこゆれ」の説明として正しいものはどれか。

  1. 尊敬の補助動詞で、語り手から世間の人々への敬意を表す。
  2. 謙譲の補助動詞で、語り手から光源氏への敬意を表す。
  3. 尊敬の補助動詞で、語り手から右大臣への敬意を表す。
  4. 謙譲の補助動詞で、語り手から第一皇子への敬意を表す。
問34の正解・解説

正解:4. 謙譲の補助動詞で、語り手から第一皇子への敬意を表す。

世間の人々が第一皇子を大切に扱うことを、「きこゆ」でへりくだって表します。敬意の対象は扱われる第一皇子です。「この御にほひ」の光源氏と取り違えないようにします。

問35 光源氏の誕生

「玉の男御子さへ生まれ給ひぬ」の「給ひ」が表す敬意として正しいものはどれか。

  1. 語り手から、生まれた男御子である光源氏への尊敬。
  2. 語り手から、男御子を産んだ桐壺更衣への尊敬。
  3. 桐壺更衣から、男御子の父である帝への謙譲。
  4. 光源氏から、自分を産んだ桐壺更衣への謙譲。
問35の正解・解説

正解:1. 語り手から、生まれた男御子である光源氏への尊敬。

「生まる」は生まれる側を主語とする動詞なので、動作主は男御子です。「出産」という内容から母を主語にせず、動詞そのものを確かめることが大切です。

問36 飽かぬ別れ

「母君泣く泣く奏して」の「奏し」の説明として正しいものはどれか。

  1. 尊敬語で、語り手から申し上げる母君への敬意を表す。
  2. 謙譲語で、語り手から申し上げる相手の帝への敬意を表す。
  3. 謙譲語で、語り手から申し上げる相手の桐壺更衣への敬意を表す。
  4. 丁寧語で、母君から報告を聞く女房たちへの敬意を表す。
問36の正解・解説

正解:2. 謙譲語で、語り手から申し上げる相手の帝への敬意を表す。

「奏す」は天皇などに申し上げることを表す謙譲語です。動作主は母君、相手は帝。母君が尊い人物でも、この語自体が高めるのは帝です。

問37 飽かぬ別れ

「母君泣く泣く奏して、まかでさせたてまつり給ふ」の最後の「給ふ」は、誰への敬意か。

  1. 語り手から、退出する桐壺更衣への尊敬。
  2. 語り手から、退出を許す帝への尊敬。
  3. 桐壺更衣から、母北の方への謙譲。
  4. 語り手から、更衣を退出させる母北の方への尊敬。
問37の正解・解説

正解:4. 語り手から、更衣を退出させる母北の方への尊敬。

文の主語は「母君」で、「給ふ」は更衣を退出させる母北の方を高めます。途中に更衣への謙譲「たてまつる」があっても、文末の尊敬の対象まで更衣になるわけではありません。

問38 飽かぬ別れ

「母君泣く泣く奏して、まかでさせたてまつり給ふ」の「たてまつり」は、誰への敬意か。

  1. 語り手から、退出の許可を出す帝への謙譲。
  2. 語り手から、更衣を退出させる母北の方への尊敬。
  3. 語り手から、母北の方が退出させる桐壺更衣への謙譲。
  4. 桐壺更衣から、話を聞く母北の方への丁寧。
問38の正解・解説

正解:3. 語り手から、母北の方が退出させる桐壺更衣への謙譲。

「たてまつる」は母が更衣を退出させて差し上げる、という謙譲の補助動詞です。地の文の語り手から更衣への敬意で、「まかづ」が表す帝への敬意とは区別します。

問39 飽かぬ別れ

帝の言葉を受けた「女もいといみじと、見たてまつりて」の「たてまつり」の説明として正しいものはどれか。

  1. 尊敬語で、語り手から見る側の桐壺更衣への敬意を表す。
  2. 謙譲語で、語り手から見られる側の帝への敬意を表す。
  3. 謙譲語で、語り手から見られる側の光源氏への敬意を表す。
  4. 丁寧語で、桐壺更衣から話の聞き手である母への敬意を表す。
問39の正解・解説

正解:2. 謙譲語で、語り手から見られる側の帝への敬意を表す。

「女」は桐壺更衣で、その更衣が帝を拝見します。「見たてまつる」は見られる相手を高める謙譲表現なので、敬意の対象は帝です。

問40 飽かぬ別れ

母北の方の発言「灰になりたまはむを見たてまつりて」の「たてまつり」が表す敬意はどれか。

  1. 発言者の母北の方から、亡くなった桐壺更衣への敬意。
  2. 発言者の母北の方から、宮中に残っている帝への敬意。
  3. 発言者の桐壺更衣から、葬送を見守る母北の方への敬意。
  4. 発言者の女房から、車に乗っている母北の方への敬意。
問40の正解・解説

正解:1. 発言者の母北の方から、亡くなった桐壺更衣への敬意。

これは母北の方自身の発言なので、敬意を表す側も母北の方です。拝見する対象は娘の更衣。母娘の関係でも、帝の妃である更衣に敬語が使われています。

記述問題6問|解答例と押さえる要素

選択肢を選べるようになったら、理由・主語・心情を文章で説明します。解答例と同じ文にする必要はありません。本文の根拠が入っているかを確認してください。

記述1. 「いとやむごとなき際にはあらぬ」とあるのに、桐壺更衣はなぜ宮中で強くねたまれたのか。

解答例と確認ポイント

解答例:とりわけ高い身分ではない桐壺更衣が、身分の高い女御たちや他の更衣たちをしのいで帝の寵愛を集めたから。

確認ポイント:「高い身分ではない」「他の妃以上の寵愛」の両方を書く。「美人だから」だけでは本文の因果関係を説明できません。

記述2. 「後見しなければ」とある。桐壺更衣の境遇を、父と母の記述に触れて説明しなさい。

解答例と確認ポイント

解答例:父の大納言はすでに亡くなっており、教養ある母が儀式などを立派に取り仕切っていても、政治的に支える有力な後見人はいなかった。

確認ポイント:「父の死」と「母の尽力」を区別し、有力な後ろ盾の不在を結論にします。

記述3. 第一皇子と光源氏に対する帝の思いの違いを説明しなさい。

解答例と確認ポイント

解答例:第一皇子には将来の皇太子として公的な立場から大切にする思いを持ち、光源氏にはわが子としての私的な愛情を注いで、限りなくかわいがった。

確認ポイント:「おほかたのやむごとなき御思ひ」と「私物」を対応させます。第一皇子を全く愛さなかったとは書きません。

記述4. 「御子をば留めたてまつりて、忍びてぞ出でたまふ」の場面で、誰がどこに残り、誰が退出するか説明しなさい。

解答例と確認ポイント

解答例:幼い御子である光源氏は宮中に残り、病気の桐壺更衣が人目を避けて宮中を退出し、実家へ下がる。

確認ポイント:光源氏も母と一緒に退出した、としないこと。省略された動作主を具体名で補います。

記述5. 「限りとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり」に込められた桐壺更衣の思いを説明しなさい。

解答例と確認ポイント

解答例:命の終わりを前に帝と死に別れる悲しさを感じ、別れを惜しむからこそ、なお生き続けて帝と共にいたいと願う気持ち。

確認ポイント:詠み手=桐壺更衣、相手=帝。「いか」は「生く」。死を望んでいるという逆の解釈をしないこと。

記述6. 葬送での母君の言葉と実際の様子の違いを説明しなさい。

解答例と確認ポイント

解答例:火葬される娘の姿を見て死を受け入れようと分別ある言葉を述べていたが、実際には悲しみを抑えられず、車から落ちそうになるほど取り乱した。

確認ポイント:「さかしうのたまひつれど」と、その後の身をよじる姿を対比します。火葬によって気持ちを落ち着けられたとは書きません。

「桐壺」の学習でよくある質問

「光源氏の誕生」と「光る君誕生」は同じ場面ですか。

どちらも『源氏物語』第一帖「桐壺」の冒頭を扱う教材名として使われます。ただし教科書によって題名・表記・終わりの位置は異なります。このページの開始句・終了句と、学校の試験範囲を照合してください。

「飽かぬ別れ」は誰と誰の別れですか。

桐壺帝と桐壺更衣の別れが中心です。病気の更衣が宮中を退出し、実家で亡くなります。更衣が帝に詠んだ「限りとて…」の歌には、別れを惜しみ生き続けたい気持ちが表れます。

「候ひ給ひける」は誰から誰への敬語ですか。

地の文の「候ふ」は、女御・更衣が仕える相手である帝への謙譲語です。「給ふ」は、仕える動作をする女御・更衣への尊敬語です。敬意を示す側はいずれも語り手です。

「おぼえ」はいつも「評判」と訳しますか。

文脈で変わります。「御おぼえ」は帝からの寵愛を指し、「世のおぼえ」は世間の評判を指します。前後の語と、誰が評価するのかを確かめて訳します。

「いかまほしき」の「いか」は「行く」ですか。

ここでは「生く」の未然形で、「生きたい」という意味です。願望の助動詞「まほし」の連体形が続きます。「道」とのつながりで「行く」も響きますが、歌の中心は生き続けたいという願いです。

定期テスト前には何から復習すればよいですか。

まず主語を補って現代語訳を確認し、次に「ぬ」「る」の識別と敬意の向きを復習します。四択問題で確認した後、記述問題で理由や心情を自分の言葉で説明してください。学校で指定された範囲と授業の注釈を優先しましょう。

次に読みたい『源氏物語』と古文学習教材

若紫

人物のつながりと、敬語から主語を読む練習に。

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紫の上の死

死別の場面で、和歌と人物の心情を読み取ります。

「紫の上の死」の現代語訳・品詞分解

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原典:紫式部『源氏物語』「桐壺」。原文照合には『源氏物語の世界』第一帖「桐壺」を参照しました。掲載の現代語訳・解説・練習問題は本教材用に作成しています。原文の漢字・仮名・句読点は学習用に一部調整しています。諸本・教科書によって表記や注釈が異なるため、学校の定期テストでは配布された本文と授業の説明も確認してください。