更級日記「門出・東路の道の果て」定期テスト対策|現代語訳・品詞分解・助動詞・敬語

古文・更級日記|定期テスト対策

更級日記「門出(東路の道の果て)」定期テスト対策|現代語訳・品詞分解・助動詞・敬語

「東路の道の果て」から始まる更級日記の冒頭を、内容理解・現代語訳・品詞分解・助動詞・敬語まで確認できます。物語へのあこがれ、薬師仏への祈り、門出での別れの悲しみを、本文に沿って押さえます。

門出 東路の道の果て 現代語訳 品詞分解 助動詞・敬語

更級日記「門出(東路の道の果て)」でまず押さえること

作者の菅原孝標女は、東国で育った少女時代を振り返ります。姉や継母から物語の一部分を聞くうちに、物語を自分の思うままに読みたいという願いが強まり、薬師仏に上京を祈ります。十三歳の年に門出を迎えると、長年過ごした場所と薬師仏を残して行くことが悲しくなり、人知れず泣きます。

東国で育った作者

「東路の道の果てよりも、なほ奥つ方」と述べ、都から遠く離れた場所で育ったことを強調しています。

物語へのあこがれ

姉や継母が物語や光源氏について部分的に語るのを聞き、作者の「ゆかしさ」はいっそう募ります。

薬師仏との別れ

物語を読めるよう上京させてほしいと祈った薬師仏を置いて行くことが悲しく、自然と涙がこぼれます。

「東路の道の果て」から「人知れずうち泣かれぬ」までの流れ

本文は、物語を読みたいという願いが強まる前半と、上京の門出で別れを悲しむ後半に分けて捉えると理解しやすくなります。

「東路の道の果て」で見るところ
作者は、都から遠く離れた東国の、さらに奥の方で育った人として昔の自分を振り返ります。「いかばかりかはあやしかりけむ」には、当時の自分がどれほど田舎びて見苦しかったことだろう、という回想が表れています。
物語へのあこがれが強まる理由
姉や継母は、さまざまな物語や「光源氏のあるやう」をところどころ語るだけで、作者が望むままに物語の全体を暗唱してくれるわけではありません。そのため、作者の「ゆかしさ」はいっそう強くなります。
薬師仏への祈りと門出
作者は自分と同じ背丈の薬師仏を造り、人目のないときに「私を早く京へ上らせ、あるだけの物語を見せてください」と祈ります。十三歳の年に上京することになって門出を迎えますが、最後の場面では、薬師仏を残して行く悲しみが描かれます。

品詞分解・助動詞・敬語でよく出る表現

特に「あやしかりけむ」「あんなる」「見ばや」「上げ給ひて」「つる」「給へる」「奉る」「泣かれぬ」を、意味と活用形まで確認しましょう。

いかばかりかはあやしかりけむ けむは過去推量の助動詞で、係助詞「かは」の結びとなる連体形。「どれほどまあ田舎びて見苦しかったことだろう」と、昔の自分を振り返る。
物語といふもののあんなるを あんなるは「あるなる」の「ある」が撥音便化した形。伝聞の助動詞「なり」が関わり、「物語というものがあるそうなのを」と訳す。
いかで見ばや いかでは「どうにかして」、終助詞ばやは自己の願望。「どうにかして見たい・読みたい」と訳す。
京にとく上げ給ひて 上げは「上ぐ」の連用形、給ひは尊敬の補助動詞「給ふ」の連用形。薬師仏への敬意を表し、「(私を)早く京へ上らせてくださって」と訳す。
遊び慣れつる所 つるは完了の助動詞「つ」の連体形。「長年遊び慣れてきた場所」の意。
薬師仏の立ち給へるを 給へは尊敬の補助動詞「給ふ」の已然形、は存続の助動詞「り」の連体形。薬師仏が立っていらっしゃることを表す。
見捨て奉る 奉るは謙譲の補助動詞で、薬師仏への敬意を表す。「お見捨て申し上げる」と訳し、連体形の後には「こと」が省略されている。
人知れずうち泣かれぬ は自発、は完了。「人に知られないで、自然と泣けてしまった」と訳す。
心情と文法をつなげる
物語を読みたい願望は「ばや」、昔の自分を振り返る表現は「けむ」、薬師仏への敬意は「給ふ」「奉る」、別れの悲しみから自然と泣ける様子は自発の「れ」とつなげて覚えましょう。

本文理解と現代語訳の要点

全体の流れを確認したうえで、重要語句・助動詞・敬語を本文の場面と結びつけて押さえましょう。

更級日記「門出」|あらすじ・全体の流れ

更級日記「門出」は、東国で育った作者が、少女時代の物語への強いあこがれと、上京の門出で薬師仏を残して行く悲しみを振り返る場面です。

全体の流れ
作者は、都から遠い東国で育った昔の自分を振り返ります。姉や継母が物語や光源氏について部分的に語るのを聞き、物語を読みたい気持ちを募らせます。自分と同じ背丈の薬師仏を造って上京を祈り、十三歳の年の九月三日に門出をします。長年遊び慣れた場所を離れるとき、これまで祈ってきた薬師仏を残して行くことが悲しくなり、人知れず自然と泣けてしまいます。
作者 菅原孝標女。東国で育ち、物語への強いあこがれを抱く。
場所 「東路の道の果てよりも、なほ奥つ方」。都から非常に遠い東国で育ったことを強調する。
中心テーマ 物語へのあこがれ、薬師仏への祈り、門出で薬師仏を残して行く悲しみ。
「東路の道の果て」|現代語訳・内容理解

「東路の道の果て」は、京都から東国へ向かう道の最果てを表します。本文では、作者がそこよりもさらに奥で育ったと述べ、都から非常に遠い場所で育ったことを強調しています。

東路 東国へ向かう道。都から東国方面へ向かう道筋。
道の果て 道の終わりのような遠い場所。都から非常に遠い印象を与える。
なほ奥つ方 さらに奥の方。作者が田舎で育ったことを強調する。
問われやすいこと 作者がどのような場所で育ったか。また、「あやしかりけむ」で昔の自分をどう捉えているか。
テストで答えたいこと
「いかばかりかはあやしかりけむ」は、「どれほどまあ田舎びて見苦しかったことだろう」と、成長した作者が少女時代の自分を振り返る表現です。「かは」の結びで「けむ」が連体形になっていることも確認しましょう。
物語へのあこがれ|「いかで見ばや」の意味

作者は、世の中には物語というものがあるそうだと知り、どうにかして読みたいと強く願います。ここで出る「ばや」は、自分の願望を表す終助詞です。

いかで どうにかして。なんとかして。
見ばや 見たい。読みたい。ばやは自己の願望を表す。
作者の心情 姉や継母から一部分を聞くだけでなく、物語を自分の思うままに読みたいという強い願い。
現代語訳の型 「どうにかして見たいものだ」「なんとかして読みたい」など。
反語「いかでかおぼえ語らむ」も重要
「どうして何も見ずに思い出して語ることができようか、いや、できない」という反語です。姉や継母の話だけでは満足できず、作者の「ゆかしさ」がいっそう増した理由を表します。
薬師仏との別れ|門出の日の心情

門出の日、作者は長年遊び慣れた場所を離れます。車に乗ろうとして振り返ると、これまで人目のないときに参って祈ってきた薬師仏が残されています。それを置いて行くことが悲しく、自然と涙がこぼれます。

遊び慣れつる所 長年遊び慣れてきた場所。つるは完了の助動詞「つ」の連体形。
薬師仏 作者が自分と同じ背丈に造り、人目のないときに上京と物語を読めることを祈っていた対象。
見捨て奉る 薬師仏を置いて行くこと。奉るは謙譲語で、仏への敬意を表す。
人知れずうち泣かれぬ 人に知られないで、自然と泣けてしまった。は自発、は完了。
ここでの心情
この場面で直接描かれているのは、長く祈ってきた薬師仏を残して行く悲しみです。「なぜ泣いたのか」と問われたら、物語を読めるよう上京させてほしいと祈ってきた薬師仏を、置いて行かなければならないから、と本文に即して答えます。
品詞分解|テストで狙われやすい語句
生ひ出でたる 「生ひ出づ」の連用形+完了の助動詞「たり」の連体形。ここでは「育った」と訳す。
あやしかりけむ 形容詞「あやし」の連用形+過去推量の助動詞「けむ」の連体形。「かは」の結びで連体形になる。
あんなる 「あり」の連体形「ある」が撥音便化した「あん」+伝聞の助動詞「なり」の連体形「なる」。「あるそうな」と訳す。
見ばや 動詞「見る」の未然形「見」+願望の終助詞「ばや」。自分の願望。
上げ給ひて 「上ぐ」の連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」の連用形。動作主である薬師仏への敬意を表す。
遊び慣れつる 「遊び慣る」+完了の助動詞「つ」の連体形。「遊び慣れてきた」と訳す。
立ち給へる 「立つ」+尊敬の補助動詞「給ふ」の已然形+存続の助動詞「り」の連体形。「立っていらっしゃる」と訳す。
見捨て奉る 「見捨つ」+謙譲の補助動詞「奉る」の連体形。薬師仏への敬意を表し、後に「こと」が省略されている。
泣かれぬ 「泣く」+自発の助動詞「る」+完了の助動詞「ぬ」。「自然と泣けてしまった」。
品詞分解のコツ
更級日記「門出」では、助動詞を意味だけで覚えるより、本文中の気持ちとつなげると強いです。けむ=昔を振り返るばや=読みたい願望れ=自然と泣けるのように、場面とセットで押さえましょう。
助動詞・敬語|問われやすいポイント
けむ 過去推量。「〜ただろう」。作者が幼いころの自分を振り返る場面で出る。
なり 伝聞推定。「〜そうだ」「〜らしい」。本文では「あんなる」の形に注意。
ばや 自己の願望。「〜したい」。作者自身が物語を見たい・読みたいと願う。
完了。「〜た」「〜てしまった」。連体形「つる」の形で出やすい。
自発・受身・尊敬・可能があるが、「泣かれぬ」の「れ」は自発。「自然と泣ける」。
存続。「立ち給へる」の「る」は助動詞「り」の連体形で、「立っていらっしゃる」と訳す。
完了。「〜てしまった」。打消の「ず」と混同しない。
給ふ 尊敬の補助動詞。「上げ給ひて」「見せ給へ」「立ち給へる」では、動作主である薬師仏への敬意。
奉る 謙譲語。薬師仏に対して、作者側の行為をへりくだって表す。
敬語で見るべきこと
「給ふ」は薬師仏の動作を高める尊敬語、「奉る」は作者の動作を低めて対象の薬師仏を高める謙譲語です。どちらも敬意の対象は薬師仏ですが、尊敬語と謙譲語では敬意の表し方が異なります。
定期テストで聞かれやすい問題
内容理解 姉や継母から物語や光源氏の話を部分的に聞き、物語を自分の思うままに読みたいという気持ちが強まったことを押さえる。
現代語訳 「いかで見ばや」「物語といふもののあんなるを」「人知れずうち泣かれぬ」など。
心情説明 「人知れずうち泣かれぬ」の理由を、長く祈ってきた薬師仏を残して行く悲しみと結びつける。
品詞分解 「あんなる」「見ばや」「遊び慣れつる」「泣かれぬ」などの助動詞・助詞。
敬語 「給ふ」「奉る」が誰への敬意かを確認する。
答案で差がつくところ
心情だけを想像で広げず、本文中の行動と表現を根拠にします。物語へのあこがれなら姉や継母の話・「いとどゆかしさまされど」・薬師仏への祈り、別れの悲しみなら「見捨て奉る悲しくて」を根拠に答えましょう。

仕上げの10問チェック

上の解説で本文の流れと重要語句を確認できたら、内容理解と文法を1問ずつ解いて定着を確かめましょう。

10問チェック
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