問1. 項羽の叔父で、宴席では体で劉邦をかばった人物は誰ですか。
問1の解答・解説
正解:1. 項伯
項伯は項羽の叔父で、張良と旧交があります。項荘と同じく剣を抜きますが、目的は劉邦を守ることです。
高校漢文 · 史記 · 項羽本紀
鴻門之会こうもんのかい/鴻門の会
定期テスト対策50問・書き下し文・現代語訳
『史記』「鴻門之会」のテスト対策50問と、原文・書き下し文・現代語訳を無料公開。劉邦の謝罪、項荘の剣舞、樊噲の弁論、劉邦の脱出を11場面で読み比べ、語句・句法・人物関係を解答と解説で確かめられます。
掲載範囲は「沛公旦日従百余騎」から「立誅殺曹無傷」。原文・書き下し文・現代語訳を、同じ場面ごとに見比べられます。
「剣の舞」などの教材名や採録範囲は教科書によって異なります。場面名と本文の冒頭句を照らし合わせてください。宴席以前の密告・項伯の夜訪は、あらすじで紹介しています。
選択問題40問は、答えを選ぶとその場で採点・解説を確認できます。記述問題10問は、解答例と解説で自己採点しましょう。
一覧でも全問を学習できます。答えを考えてから、各問の解答を開きましょう。
正解:1. 項伯
項伯は項羽の叔父で、張良と旧交があります。項荘と同じく剣を抜きますが、目的は劉邦を守ることです。
正解:1. 力を合わせる
臣与将軍戮力而攻秦
「戮力」は「力を戮(あ)はす」と読み、力を合わせることです。劉邦は、項羽と協力して秦を攻めた関係を述べています。「戮」を一字だけ見て「殺す」と解さないようにします。
正解:1. 黄河
将軍戦河北、臣戦河南
ここで「河」は黄河です。「河北」は黄河の北、「河南」は黄河の南を指します。現代の行政区画名として読むのではなく、両者が戦った場所を黄河との位置関係で捉えます。
正解:4. 然らずんば、籍何を以てか此に至らん。
不然、籍何以至此
「不然」は「然らずんば(そうでなければ)」、「何以」は「何を以て」と読みます。曹無傷の密告がなければ、どうしてこのような事態に至ろうか、と項羽が反語で述べています。
正解:1. 劉邦は翌日、百騎余りを引き連れた
旦日は翌日。従はここでは『従える』という意味で、劉邦が騎兵を引き連れる側です。
正解:4. 将軍と私との間に不和を生じさせた
令は〜させる。郤は仲たがい・不和です。劉邦は、告げ口によって項羽との関係が悪くなったと弁明しています。
正解:4. 亜父と呼ばれる人物が范増だと説明する
亜父者、范増也
「A者、B也」は「Aとは、Bなり」と読み、Aが何者であるかを説明する判断の形です。「者」を「人」と訳して、亜父と范増を別の人物として捉えないようにします。
正解:3. 范増は何度も項羽に目配せした
数は『しばしば』、目は動詞で『目配せする』。劉邦殺害を促す合図です。
正解:1. 人を殺すことをかわいそうに思い、実行するに忍びない人物
君王為人不忍
「為人」は人柄、「不忍」はここでは残酷なことをするに忍びないという意味です。范増は、劉邦殺害の合図に項羽が応じなかったことを、この性格と結び付けて説明しています。
正解:2. 〜するための手段・ものがない
軍中無以為楽
「無以〜」は「以て〜する無し」と読み、〜するための手段やものがないことを表します。項荘は陣中に楽しませるものがないと述べ、剣舞を申し出る口実にしています。
正解:3. 剣舞の機会に劉邦を襲わせるため
直後に『因撃沛公於坐、殺之』とあります。剣舞は余興を装った殺害の機会です。
正解:1. お前たち/捕虜にされる
若はお前、属は仲間。為〜所…は受身を表し、ここでは捕らえる側の劉邦が省略されています。
正解:1. 自分の体で翼を広げるように劉邦をかばう
項伯が、自分の体を使って劉邦を覆い守ります。そのため項荘は劉邦を襲えませんでした。
正解:4. 今日の事何如(いかん)/今日の様子はどうか
今日之事何如。良曰、甚急
「何如」は「いかん」と読み、状態や様子を尋ねます。張良の「甚急(非常に危険だ)」という返答からも、樊噲が宴席の状況を聞いていると分かります。
正解:1. 自分が入ることについて、相手の許可を求める
臣請入
「請」は、自分がこれから行うことについて許可を求める表現です。「臣請ふ入らん」は「どうか私を入らせてください」と訳します。
正解:2. 中へ入れる
交戟之衛士欲止不内
「内」は「納」に通じ、ここでは中へ入れるという意味です。戟を交差させた衛兵たちが、樊噲を止め、入れまいとした場面です。入場を妨げられた側は樊噲です。
正解:2. 樊噲が盾を横にして突き当たり、衛兵が地面に倒れた
樊噲側其盾以撞、衛士仆地
「側其盾以撞」の主語は樊噲ですが、「仆地」の主語は衛士です。樊噲が盾を横向きにして突き当たり、衛兵を倒して中へ進みます。文の途中で主語が変わる点に注意します。
正解:4. 怒って目を大きく見開く様子
瞋目視項王、頭髪上指、目眥尽裂
「瞋目」は怒って目を見開くことです。樊噲は幕を開いて立ち、項羽をにらみます。続く髪や目尻の描写と合わせて、樊噲の激しい怒りと迫力を読み取ります。
正解:1. 方向を表す修飾語/髪が上に向かって逆立つ
頭髪上指
「上」は「上に」と動作の方向を示します。「指」はここでは指を使う動作ではなく、まっすぐ向くこと。怒りによって樊噲の髪が上へ逆立つ様子を描いています。
正解:3. 盾を地面に伏せて肩肉を載せ、剣で切って食べた
樊噲覆其盾於地、加彘肩上、抜剣切而啗之
樊噲は盾を地面に伏せ、その上に豚の肩肉を置き、抜いた剣で切って食べています。「啗」は食べること。「之」は直前の剣ではなく、食べる対象である肩肉を指します。
正解:4. 秦の財物にほんのわずかも手を付けなかった
豪毛不敢有所近、封閉宮室
「豪毛」は細い毛から、ごくわずかなものをたとえます。「不敢有所近」は、手を出そうとしなかったということ。宮殿を封鎖した行動と合わせ、劉邦が私欲で財物を奪わなかったと弁護しています。
正解:2. つまらない告げ口
而聴細説、欲誅有功之人
「細説」はここでは、つまらない告げ口・讒言です。現代語の「詳しい説明」の意味で読むと、樊噲が項羽を批判する理由を取り違えます。
正解:1. 軍を駐屯させる
還軍霸上、以待大王来
「軍」はここでは動詞で、軍を駐屯させることです。「還りて霸上に軍す」と読み、劉邦が霸上に戻って駐屯したことを表します。
正解:4. 人をむやみに殺し、厳罰を加える残酷さ
夫秦王有虎狼之心、殺人如不能挙、刑人如恐不勝
後続の「殺人如不能挙」「刑人如恐不勝」は、人を殺し尽くし、罰し尽くそうとする秦王の行動を述べます。この文脈で虎や狼にたとえられるのは、勇敢さではなく残酷さです。
正解:2. 死すら避けないのだから、一杯の酒など断らない
死でさえ避けないという強調に続き、一杯の酒をどうして辞退しようか、と反語で述べています。
正解:2. 不測の事態
古典の『非常』は、ここでは予期しない異変・不測の事態。関所を守る理由を説明しています。
正解:1. 功績のある劉邦を告げ口によって殺そうとすること
樊噲は、劉邦の功績に報いず、つまらない告げ口を聞いて殺そうとするのは、滅びた秦のやり方と同じだと批判します。
正解:1. 項羽が陳平に命じて、劉邦を呼び戻させる
項王使都尉陳平召沛公
「使A〜」は「Aをして〜しむ」という使役です。「項王、都尉陳平をして沛公を召さしむ」と読みます。命じるのは項羽、実際に呼びに行くのは陳平、呼ばれるのは劉邦です。
正解:3. 行く
如はここでは行く。劉邦は便所へ行くために立ち、その機会に樊噲を呼び出します。
正解:2. 刀俎=項羽側、魚肉=劉邦側
相手が切る道具、こちらが切られる食材という比喩で、項羽側が劉邦側の生死を左右できる危険な状況を示します。
正解:2. どうして別れの挨拶をする必要があろうか、いや、ない
何〜為は反語。ここで辞は、酒を断ることでも謝罪でもなく、辞去の挨拶をすることです。
正解:1. 大王来たるに何をか操る/大王は何を持って来られたか
大王来何操
「操」は携える・持つという意味です。目的語になる疑問代名詞「何」が、動詞「操」の前に置かれています。劉邦が白璧と玉斗について答えることからも、持参した品を尋ねていると分かります。
正解:2. たまたま出くわす
会其怒、不敢献
「会」はここでは、たまたま出くわす・遭うという意味です。劉邦は、相手が怒っていたため、用意した贈り物を差し出せなかったと張良に説明しています。
正解:4. 項羽に白璧、范増に玉斗
白璧一双は項羽、玉斗一双は亜父こと范増へ。受け取った後の両者の行動の違いも確認しましょう。
正解:2. 劉邦一人が騎乗し、四人が徒歩で付き添った
独騎だけを見て完全な単独行動と読まないようにします。続く文では四人が剣と盾を持って歩走したとあります。
正解:2. 安全に帰営する時間を確保してから、張良に宴席で挨拶させるため
劉邦が自軍へ着いたと見計らってから、張良が宴席へ入ります。脱出の安全を確保するための時間差です。
正解:2. 酒に耐えられず、酔ってしまった
沛公不勝桮杓、不能辞
「桮杓」は杯とひしゃくから酒を表し、「不勝」は「勝(た)へず」と読みます。張良は酒に耐えられなかったと説明していますが、実際の劉邦は命の危険を避けて脱出しています。
正解:4. 沛公安(いづ)くにか在る/劉邦はどこにいるのか
安はここでは『いづくに』と読み、場所を尋ねます。疑問と反語を形だけで決めず、項羽が劉邦の所在を尋ねる文脈で判断します。
正解:1. 劉邦を逃した項羽への怒りと、将来への危機感
『豎子不足与謀』に項羽への失望、『奪項王天下者、必沛公也』に劉邦への警戒が表れています。
正解:1. ただちに/曹無傷が密告者だと項羽が明かしていたため
立は『ただちに』。謝罪の場面で項羽が密告者の名を明かしたことが、曹無傷の処刑へつながります。
問41〜50は記述問題です。人物の目的や本文の根拠を具体的に示し、解答例と意味が合うか確かめましょう。授業で指定された解釈がある場合は、そちらを優先してください。
解答例:項荘は剣舞に乗じて劉邦を殺そうとし、項伯は自分の体で劉邦をかばって、その殺害を防ごうとした。
「因撃沛公於坐、殺之」と「常以身翼蔽沛公」を根拠に、同じ動作と反対の目的を対応させます。
解答例:秦を破った劉邦に大きな功績があるのに褒賞を与えず、つまらない告げ口を聞いて殺そうとする行動が、秦の暴政と同じだと批判するため。
「労苦而功高」「未有封侯之賞」「聴細説」「欲誅有功之人」の関係を押さえます。単に『項羽が残酷だから』で終わらせません。
解答例:項羽側が劉邦側の生死を左右できる立場にあり、劉邦側は抵抗しにくく、殺されかねない危険な状態にあるという関係。
刀俎=項羽側、魚肉=劉邦側と対応させ、単なる勢力差だけでなく、目前の命の危険を説明します。
解答例:自分が安全に自軍へ戻るまで、宴席に戻らないことを項羽側へ正式に伝えるのを遅らせ、脱出の安全を確保するため。
劉邦は危険な宴席から逃れる途中です。張良が挨拶に戻る時点と、劉邦の帰営の時点との順序が重要です。
解答例:劉邦を殺す機会を項羽が逃したことに怒り、劉邦が将来、項羽の天下を奪って自分たちを捕虜にすると考えたから。
「豎子不足与謀」に表れる項羽への失望と、「奪項王天下者、必沛公也」に表れる劉邦への警戒を両方入れます。
解答例:項羽と力を合わせて秦を攻めてきたことを述べて協力関係を強調し、自分が先に関中へ入って秦を破ったことは予想外だったと説明して、項羽に対抗したわけではないと伝えようとしている。
臣与将軍戮力而攻秦/然不自意能先入関破秦
「戮力」は力を合わせること、「不自意」は自分でも思いがけなかったことです。二つの語の意味だけで終わらず、協力してきた関係と、先に秦を破ったことについての弁明を結び付けます。劉邦の説明の仕方を問う問題なので、それが本心だったとまで断定する必要はありません。
解答例:入場を妨げる兵士を盾で突き倒して宴席へ進み、さらに、与えられた生の豚の肩肉を地面に伏せた盾に載せ、剣で切って食べている。このように、危険な場でもひるまず大胆に振る舞っている。
樊噲側其盾以撞、衛士仆地/樊噲覆其盾於地、加彘肩上、抜剣切而啗之
「勇敢だ」「強い」だけでなく、本文にある具体的な行動を根拠にします。項羽をにらみつけたことや、大きな杯の酒を立ったまま飲んだことを挙げても、豪胆さとのつながりを説明できていればよいでしょう。
解答例:初めは剣に手をかけて身構え、突然入ってきた樊噲を警戒して身元を尋ねているが、張良の紹介を受けると、樊噲を勇ましい男だと認め、酒を与えてもてなす態度に変わっている。
項王按剣而跽曰、客何為者/項王曰、壮士、賜之卮酒
「按剣而跽」という動作と、「客何為者」という問いを、初めの警戒の根拠にします。その後の「壮士」という評価と、酒を与える命令を対応させます。この場面だけから、項羽が劉邦側を全面的に信用したとまではいえません。
解答例:財物に少しも手を付けず宮殿を封じ、霸上へ戻って項羽の到着を待っていると述べている。また、関所を守らせたのは項羽を拒むためではなく、盗賊の侵入や不測の事態に備えるためだと説明している。
豪毛不敢有所近、封閉宮室、還軍霸上、以待大王来/備他盗出入与非常也
「豪毛不敢有所近」「還軍霸上、以待大王来」「備他盗出入与非常也」を、樊噲が弁護のために挙げた根拠として整理します。これは樊噲の説明を読み取る設問であり、劉邦の実際の動機を断定する設問ではありません。
解答例:張良は、劉邦が酒に耐えられず挨拶をできなかったと説明している。一方、本文では劉邦が挨拶をしていないことを気にかけたものの、樊噲から目前の命の危険を指摘され、挨拶より安全な脱出を優先して立ち去っている。
沛公不勝桮杓、不能辞/今者出、未辞也/如今人方為刀俎、我為魚肉、何辞為/於是遂去
張良の「沛公不勝桮杓、不能辞」と、劉邦・樊噲の退出時の会話を比べます。酒に耐えられなかったという説明の真偽を断定するのではなく、張良が宴席で述べた理由と、本文が描く脱出の判断を区別します。
『史記』巻七・項羽本紀の「沛公旦日従百余騎」から「立誅殺曹無傷」まで、宴席から帰営までの場面を掲載しています。それ以前の曹無傷の密告・項伯の夜訪などは、あらすじで紹介しています。原文の一部を日本の通用字体に改め、句読点を補いました。書き下し文・現代語訳・問題は本ページ用に作成したものです。教科書によって採録範囲・字体・訓読・解釈が異なるため、授業の指定を優先してください。
場面別の目次へ / 人名の確認:沛公(はいこう)=劉邦、項王=項羽、亜父(あほ)=范増。人物関係を見る
読み方のポイント:「旦日」は翌日、「従」は従える、「謝」はここでは謝罪する。「河北・河南」の河は黄河です。「郤」は不和・仲たがい。「令A与B有郤」はAとBとの間に不和を生じさせる使役の表現です。項羽が密告者を明かすことが、最後の曹無傷殺害につながります。
読み方のポイント:「数」は回数を数える動詞ではなく「しばしば・たびたび」、「目」は目配せするという動詞です。范増の合図は劉邦を殺す決断を促すもの。「玉玦」の「玦」は「決」と音が通じるとされます。公開原文には「玉珪」とする本文もありますが、ここは学習用本文にも見られる「玉玦」を採用しています。
読み方のポイント:「若」はここでは「もし」ではなく、お前。「為寿」は長寿を祝うこと。「因」はその機会に乗じて。「為所虜」は捕虜にされるという受身です。「翼蔽」は鳥が翼を広げて覆うようにかばうこと。剣を抜いた二人の目的が正反対である点を読み取ります。
読み方のポイント:「何如」は状態を尋ねる「いかん」。「其」は項荘を指し、「意」は剣舞の背後にある意図です。「請」は、自分が行動することへの許可を求める語。「与之同命」の「之」は本ページでは劉邦と解し、生死を共にする覚悟と読みます。指示対象の解釈が授業・教材で異なる場合は、指定された読みを優先してください。
原文
書き下し文
現代語訳
読み方のポイント:「内」は「入れる」の意味で「いれる」と読みます。「目眥」は目じり。髪や目の描写は樊噲の激しい気迫を強調しています。「跽」はひざをついたまま上体を起こすこと。「参乗」は戦車に同乗する護衛役です。「拝謝」の「謝」は、冒頭の劉邦の謝罪とは異なり、礼を述べて感謝する意味。「彘」は豚、「啗」は食べることです。「斗卮」は大きな杯を指します。現代の一斗の量にそのまま換算しないようにしましょう。
読み方のポイント:「死且不避」は死でさえ避けないという強調。「安足辞」はどうして断るほどのことがあろうかという反語です。「非常」は並外れている意味ではなく、不測の事態。「細説」は詳細な説明ではなく、つまらない告げ口です。
読み方のポイント:「如」はここでは行く。「刀俎」は包丁とまな板で、生殺与奪を握る項羽側を表します。「魚肉」は殺されかねない劉邦側。「何辞為」の辞は辞去の挨拶で、「卮酒安足辞」の辞(辞退する)とは使い方が異なります。「小譲」の譲は、ここでは細かなことで責められることと解しています。
読み方のポイント:白璧は白い玉の円形の器物、玉斗は玉製の酒器です。贈り先は「項羽に白璧、范増に玉斗」。「会」はここでは出くわす・遭うという意味です。「間行」は間道を行くこと。「独騎」は劉邦一人だけが騎乗している意味であり、誰も付き添わず単独で帰ったわけではありません。
読み方のポイント:「沛公安在」は場所を尋ねる疑問です。「安」は「いづくに」と読み、ここでは「安んぞ」と反語にしません。「桮杓」は杯とひしゃくから酒を表し、「不勝」は耐えられない。「督過」は過失を責めること。張良の『一人で帰った』という説明と、実際には四人が護衛したことを区別します。
読み方のポイント:「豎子」は相手を軽蔑する『若造』で、ここでは項羽を指すと読むのが基本です。「不足与謀」は共に計画を立てるに値しない。「吾属」は我々、「之が虜」の之は劉邦です。玉斗を砕く行動と、その直後の発言を結び付けて范増の怒りを説明します。
読み方のポイント:「立」は立つという動作ではなく、ただちに。冒頭で項羽が曹無傷の密告を明かしたことを受けています。劉邦が危機を脱したことと、自陣営の密告者を処断したことが、短い一文で示されます。
楚の有力な将。宴席の主催者で、范増の殺害の合図には応じません。「籍」は項羽自身の名です。
先に関中へ入った将。項羽に謝罪し、宴席での危機を逃れます。後の漢の高祖です。
項羽の参謀。劉邦を将来の脅威と考え、項羽や項荘に殺害を促します。「亜父」は父に次いで敬う呼び名です。
項羽側の武将。范増の指示で剣舞を行い、その機会に劉邦を殺そうとします。
項羽の叔父。かつて張良に命を救われた関係があり、事前に危険を知らせます。宴席では剣を抜いて舞い、劉邦を体でかばいます。
劉邦側の参謀。樊噲に危機を伝え、劉邦の脱出後は宴席に戻って謝罪と贈答を引き受けます。
劉邦の部下。宴席へ入り、劉邦の功績を述べて弁護します。退出後には挨拶より脱出を優先するよう勧めます。
劉邦の左司馬。項羽への密告者であると項羽自身の発言で明らかになり、帰営した劉邦に殺されます。
読み:百余騎を従へ
百騎余りを引き連れて
従う側は劉邦ではなく百余騎です。「従」の使役的な用法に注意します。
読み:籍何を以てか此に至らん
私がどうしてこのような事態に至ろうか
「何以」は理由や手段を問う形。ここでは前の「不然」と合わせ、曹無傷の密告がなければこうならなかったと反語で述べています。
読み:若が属皆且に虜にする所と為らんとす
お前たちは皆、今に捕虜にされてしまうだろう
若=お前、属=仲間、且=まさに〜しようとする。「為〜所…」は受身で、ここでは捕らえる側の劉邦が省略されています。
読み:臣請ふ入らん
どうか私を入らせてください
「請」は自分の行動への許可を求める表現。続きの「与之同命」まで読むと「臣請ふ入りて、之と命を同じくせん」となります。
読み:臣、死すら且つ避けず。卮酒安んぞ辞するに足らん
私は死さえ避けない。一杯の酒など、どうして断ろうか
「死すら」と「卮酒」を対比する強調と反語。辞は辞退する意味です。
読み:何ぞ辞するを為さん
どうして別れの挨拶をする必要があろうか、いや、ない
何〜為は反語。末尾の為は反語を表す語気を添えます。辞は辞去の挨拶で、謝罪するという意味ではありません。
読み:大王来たるに何をか操る
大王は何を持って来られましたか
疑問代名詞「何」が目的語として動詞「操」の前に置かれています。操は携える・持つ。
読み:沛公安(いづ)くにか在る
劉邦はどこにいるのか
場所を尋ねる疑問文。「卮酒安足辞」の安(いづくんぞ/なんぞ)との使い分けを、文脈で判断します。
読み:豎子、与に謀るに足らず
あの若造とは一緒に大事を相談する値打ちがない
不足〜は〜するに足りない。「与」の相手は豎子で、項羽を指す読みが基本です。
読み:立ちどころに曹無傷を誅殺す
ただちに曹無傷を処刑する
立は副詞。『立ってから殺す』と訳さないようにします。
同じ漢字でも、誰が何をしている場面かによって意味が変わります。原文と書き下し文を確かめ、文脈に合う訳を選びましょう。
鴻門之会の復習を終えたら、今の評定と志望大学の出願条件も確認してみましょう。まず評定別の一覧で候補を探し、大学別ページで必要な準備を整理できます。
定期テストの勉強とあわせて、今の評定で検討できる出願条件を確認。評定不問から各評定帯へ進めます。
評定3.0・3.1を条件に含む方式を、学部・学科ごとに確認。教科評定や活動などの追加条件も見ておきましょう。
評定3.5〜3.7を条件に含む大学・方式を比較。英語資格・活動実績・専願などもあわせて確認できます。
評定4.0〜4.3の出願条件がある方式を確認。全体評定・教科評定・履修条件の違いも整理しています。
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出典・本文について
出典は司馬遷『史記』項羽本紀です。古典原文を参照し、書き下し文・現代語訳・設問を学習用に作成しています。授業で指定された字体・訓読・解釈がある場合は、それを優先してください。