地図・GIS・地形 50問緯度経度・時差・縮尺・投影法・等高線・地形
GE001 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
緯経度・南中高度・地方時
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
北が上。Pは北緯40度・東経140度、Qは北緯20度・東経130度。緯経線は模式的な格子。
図のP・Qで、春分の日に太陽を観測する。大気による屈折を無視し、太陽の赤緯を0°とする。南中高度の大小と、世界時で比べた南中の順序の組合せはどれか。
- Pの方が低い/Qの方が先に南中する。
- Pの方が低い/Pの方が先に南中する。
- Pの方が高い/Pの方が先に南中する。
- Pの方が高い/Qの方が先に南中する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Pの方が低い/Pの方が先に南中する。
使う地理の知識:春分・秋分の南中高度は90°から緯度の絶対値を引く。地方時は東ほど進む。
判断の手順:緯度からPとQの南中高度を求め、次に経度の東西関係から南中の順序を判定する。
- 選択肢1:不正解
南中高度の比較は正しいが、QはPより西にあるので、南中はPより後になる。 - 選択肢2:正解
Pの南中高度は50°、Qは70°。PはQより東に10°離れており、同じ世界時で追うと約40分早く南中する。 - 選択肢3:不正解
PはQより高緯度なので、春分の南中高度は低い。東にあるPが先に南中する点は正しい。 - 選択肢4:不正解
高緯度ほど南中高度が低いことと、東ほど先に南中することの両方が逆になっている。
復習のポイント:緯度で太陽高度、経度で時刻を分けて判断する。
関連する一次資料:国土地理院:緯度・経度と標準時に関する学習資料国立天文台:私が行く場所と日本の時差はどうすればわかる?国立天文台:太陽の南中高度はどうやって計算する?
GE002 / 300地図・GIS・地形地図読解基礎確認
対蹠点と最短距離
地点Pの座標(学習用仮想データ)| 地点 | 緯度 | 経度 |
|---|
| P | 北緯25° | 東経40° |
地球を半径一定の球とし、大円の全周を40000kmとする。地点Pの対蹠点Rの座標と、地表に沿うP–R間の最短距離の組合せはどれか。
- 北緯25°・西経140°/10000km
- 南緯25°・西経140°/20000km
- 南緯25°・西経40°/10000km
- 南緯65°・西経140°/20000km
答えと全選択肢の解説
正解:2 南緯25°・西経140°/20000km
使う地理の知識:対蹠点は緯度が南北逆、経度差が180°になる。大円は球面上の最短経路を表す。
判断の手順:北緯25°を南緯25°にし、180−40=140から西経140°を求める。距離は40000÷2で求める。
- 選択肢1:不正解
緯度の南北も反転する必要があり、対蹠点間の距離は大円の4分の1ではなく半周になる。 - 選択肢2:正解
対蹠点では緯度の南北を反転し、経度を180°ずらす。両地点は大円の半周だけ離れるので20000kmとなる。 - 選択肢3:不正解
東経40°の反対側は西経140°。東西の符号だけを変えた西経40°は対蹠点ではない。 - 選択肢4:不正解
南北を反転すると南緯25°であり、90°から25°を引く操作はしない。最短距離20000kmは正しい。
復習のポイント:反対側の点は緯度の符号と経度差180°を別々に処理する。
関連する一次資料:国土地理院:緯度・経度と標準時に関する学習資料
GE003 / 300地図・GIS・地形計算複合演習
緯経線メッシュと人口密度
資料(学習用モデル値)| メッシュ | 中心の緯度 | 緯度1°の南北距離 | 経度1°の東西距離 |
|---|
| A | 赤道付近 | 111km | 111km |
| B | 北緯60°付近 | 111km | 55.5km |
同じ1°×1°の緯経線メッシュA・Bに、それぞれ10万人が住む。表の近似値を用いると、Bの人口密度はAの何倍か。また、この比較で面積の違いが生じる理由はどれか。
- 約1倍/緯度差と経度差が同じ範囲であるため。
- 約2倍/高緯度ほど経線の間隔が狭くなるため。
- 約2倍/高緯度ほど緯線の間隔が狭くなるため。
- 約0.5倍/高緯度ほど経線の間隔が狭くなるため。
答えと全選択肢の解説
正解:2 約2倍/高緯度ほど経線の間隔が狭くなるため。
使う地理の知識:緯線は高緯度ほど短く、同じ経度差でも地表の東西距離が小さい。人口密度は人口を地表面積で割る。
判断の手順:メッシュの南北距離と東西距離を掛けて面積比を求め、その逆数が同人口の密度比になると判断する。
- 選択肢1:不正解
角度の広がりが等しくても地表面積は等しくない。経度1°に対応する東西距離は高緯度ほど短くなる。 - 選択肢2:正解
Aの面積は約111×111、Bは約111×55.5でAの半分。同じ10万人ならBの人口密度はAの約2倍になる。 - 選択肢3:不正解
密度の倍率は正しい。球体では南北の緯度1°分はほぼ一定で、縮むのは同じ経度差に対応する東西方向の距離である。 - 選択肢4:不正解
経線間隔が狭まる説明は正しいが、同じ人口がより小さい面積に住むので、人口密度は小さくならず大きくなる。
復習のポイント:同じ角度のメッシュを同面積と扱わず、緯度による東西幅の違いを確認する。
関連する一次資料:国土地理院:緯度・経度と標準時に関する学習資料
GE004 / 300地図・GIS・地形計算標準演習
標準時と太陽の南中
東経135°の地方時を標準時として用いる地域を考える。東経120°の地点Aと東経150°の地点Bで太陽が南中する標準時の組合せはどれか。均時差と夏時間は無視する。
- A:13時/B:11時
- A:13時/B:12時
- A:11時/B:13時
- A:12時/B:12時
答えと全選択肢の解説
正解:1 A:13時/B:11時
使う地理の知識:経度15°の差は地方時1時間に相当する。同一標準時の地域でも南中時刻は経度によって異なる。
判断の手順:AとBを東経135°と比較し、各々15°差と分かる。西のAは南中が遅れ、東のBは早まる。
- 選択肢1:正解
15°の経度差は1時間。Aは基準子午線の西にあるため13時、Bは東にあるため11時に南中する。 - 選択肢2:不正解
Aの13時は正しいが、Bは基準子午線より東へ15°なので、標準時11時に南中する。 - 選択肢3:不正解
西にあるAの南中は基準子午線より遅く、東にあるBは早い。東西と時刻の対応が逆になっている。 - 選択肢4:不正解
同じ標準時を採用しても各地点の地方時は異なる。時計の12時と太陽の南中が一致するのは基準子午線上である。
復習のポイント:地方時が進む東の地点ほど、共通の時計では早い時刻に南中する。
関連する一次資料:国立天文台:私が行く場所と日本の時差はどうすればわかる?
GE005 / 300地図・GIS・地形計算複合演習
日付変更線と標準時
資料(学習用モデル値)| 島 | 位置 | 採用標準時 |
|---|
| A | 東経175° | UTC+12 |
| B | 西経175° | UTC−12 |
太平洋上のA島からB島へ東向きに20分かけて移動する。A島を5月1日0時10分に出発したとき、B島の到着日時はどれか。採用標準時は表の通りで、夏時間はない。
- 5月2日0時30分
- 4月30日0時30分
- 5月1日0時30分
- 4月30日23時50分
答えと全選択肢の解説
正解:2 4月30日0時30分
使う地理の知識:日付変更線付近では隣接した地域でも暦日が異なる。日時の換算はUTCとの差と経過時間を分ける。
判断の手順:Aの日時をUTCへ直し20分加え、BのUTC−12へ換算する。東向きの横断と日付が戻る結果も照合する。
- 選択肢1:不正解
東向きに日付変更線を越える場合は日付を戻す。この選択肢は進行方向と日付調整の関係を逆にしている。 - 選択肢2:正解
AはUTCより12時間進み、Bは12時間遅れる。Aの出発時刻に20分を加えて24時間戻すと、4月30日0時30分になる。 - 選択肢3:不正解
所要時間だけを加えた値であり、日付変更線を挟む両島の24時間の標準時差を反映していない。 - 選択肢4:不正解
Aの出発時刻から20分だけ戻すとこの日時になるが、移動時間は足す必要がある。さらにAとBの標準時差24時間も反映し、到着はBで4月30日0時30分となる。
復習のポイント:日付変更線の近くでは経度差だけで標準時差を決めず、UTCとの差を使う。
関連する一次資料:国立天文台:私が行く場所と日本の時差はどうすればわかる?
GE006 / 300地図・GIS・地形計算複合演習
乗り継ぎと時差
資料(学習用モデル値)| 都市 | 採用標準時 |
|---|
| 東京 | UTC+9 |
| L(北米西部の想定都市) | UTC−8 |
| N(北米東部の想定都市) | UTC−5 |
東京を10月14日22時に出発し、10時間後に都市Lへ到着する。Lで2時間待ち、4時間の飛行で都市Nに着く。Nの到着日時はどれか。表の標準時を使い、夏時間は考えない。
- 10月15日0時
- 10月15日3時
- 10月15日14時
- 10月14日21時
答えと全選択肢の解説
正解:1 10月15日0時
使う地理の知識:経過時間は場所に関係なく加算し、表示する地域の標準時を最後に換算できる。東向きに移ると標準時は一般に進む。
判断の手順:10+2+4=16時間を出発日時に加え、目的地と東京のUTC差14時間を引く。途中のLの時計を基準にした計算とも照合する。
- 選択肢1:正解
経過時間は計16時間。東京の時計なら15日14時で、UTC+9からUTC−5へ14時間戻すと15日0時になる。 - 選択肢2:不正解
LからNへの時差を二重に加えた計算に相当する。出発地から目的地への時差を一度適用すればよい。 - 選択肢3:不正解
これは到着時の東京の日時である。目的地Nの標準時は東京より14時間遅れている。 - 選択肢4:不正解
UTC−8のLの時計のまま全行程を計算すると14日21時になる。NはLより3時間進んでいるので、さらに3時間を加える。
復習のポイント:乗り継ぎでは経過時間を合計し、最初と最後の標準時の差を一度適用する。
関連する一次資料:国立天文台:私が行く場所と日本の時差はどうすればわかる?
GE007 / 300地図・GIS・地形計算標準演習
縮尺と斜面の比較
資料(学習用モデル値)| 斜面 | 縮尺 | 地図上の水平距離 | 標高差 |
|---|
| P | 1:25000 | 4.0cm | 60m |
| Q | 1:50000 | 3.0cm | 75m |
異なる縮尺の地図で二つの直線的な斜面P・Qを測った。表から、水平距離が短い方と、平均勾配が大きい方の組合せはどれか。
- 短いのはP/急なのはQ
- 短いのはQ/急なのはP
- 短いのはP/急なのはP
- 短いのはQ/急なのはQ
答えと全選択肢の解説
正解:3 短いのはP/急なのはP
使う地理の知識:大縮尺の地図ほど同じ実距離が長く描かれる。平均勾配は標高差を水平距離で割る。
判断の手順:縮尺を使ってP・Qの水平距離を同じ単位へ直し、その距離を分母にして勾配を比較する。
- 選択肢1:不正解
水平距離の比較は正しいが、標高差の大きさだけでは勾配は比較できない。Qは高低差が大きくても長い斜面なのでPより緩い。 - 選択肢2:不正解
Pの方が急である点は正しい。図上長だけでは実距離を比べられず、縮尺換算後はPの方が短い。 - 選択肢3:正解
Pは4.0cm×25000=1000m、Qは3.0cm×50000=1500m。勾配はPが60/1000=6%、Qが75/1500=5%になる。 - 選択肢4:不正解
地図上で短いQを実距離でも短いとし、標高差の大きいQを急とする二重の取り違えである。
復習のポイント:図上の長さと標高差を直接比べず、縮尺をそろえてから勾配を求める。
関連する一次資料:国土地理院:距離と縮尺国土地理院:等高線
GE008 / 300地図・GIS・地形計算複合演習
地図面積と集落密度
資料(学習用モデル値)| 地図 | 縮尺 | 調査区の図上面積 | 調査区の集落数 |
|---|
| A | 1:25000 | 16cm² | 12 |
| B | 1:50000 | 16cm² | 24 |
地図A・Bに示された各調査区内の集落数を比較する。投影のひずみは無視し、集落密度を実面積1km²当たりの集落数とする。Aの集落密度はBの何倍か。
- 4倍
- 1倍
- 0.5倍
- 2倍
答えと全選択肢の解説
正解:4 2倍
使う地理の知識:縮尺の分母が2倍になると同じ図上面積に対応する実面積は4倍になる。密度の比較には実面積が必要。
判断の手順:各縮尺で1cm²の実面積を求め16倍する。その後、集落数を実面積で割って比をとる。
- 選択肢1:不正解
Bの実面積がAの4倍である点だけを用いた値。集落数もBがAの2倍なので、密度比は4倍にならない。 - 選択肢2:不正解
両区の地図上面積が同じでも、Bは縮尺の分母が2倍なので実面積は4倍になる。 - 選択肢3:不正解
Aは1km²に12集落、Bは4km²に24集落なので、Aの密度は高い。集落数だけの比12/24は密度比ではない。 - 選択肢4:正解
Aは1cmが250mで16cm²=1km²、Bは1cmが500mで16cm²=4km²。密度は12対6で2倍となる。
復習のポイント:縮尺と面積の換算では長さの倍率を二乗し、その後に密度を計算する。
関連する一次資料:国土地理院:距離と縮尺
GE009 / 300地図・GIS・地形事例判断標準演習
画像の拡大と地図の情報量
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
元の地図で4cmが実距離1kmを表す縮尺棒を、地図と同じ倍率で拡大する模式図。
縮尺1:25000の地図画像を縦横とも2倍で印刷した。地図内容を追加せず、縮尺棒も同時に拡大する。印刷後の縮尺と、判読できる地物の情報量の説明として適切なものはどれか。
- 1:50000/元の画像にない細い道路も判読できる。
- 1:12500/元の画像にない細い道路も判読できる。
- 1:12500/元の画像にない道路情報は増えない。
- 1:50000/元の画像にない道路情報は増えない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 1:12500/元の画像にない道路情報は増えない。
使う地理の知識:縮尺は図上距離と実距離の比である。画像の拡大と、測量・データ取得による地物情報の詳細化は別である。
判断の手順:25000÷2から印刷後の縮尺を求め、次にデータ自体は更新していない条件から情報量の限界を判断する。
- 選択肢1:不正解
図を大きくした場合、縮尺の分母は小さくなる。また拡大だけでは、元画像にない道路情報は追加されない。 - 選択肢2:不正解
拡大後の縮尺は正しいが、1:12500で新たに測量した地図と同じ精度になるわけではない。元の画素と地物表現が拡大される。 - 選択肢3:正解
同じ実距離の図上長が2倍になるため縮尺は1:12500。ただし元画像に含まれない細部や測量精度は、単純拡大では得られない。 - 選択肢4:不正解
情報量が増えない点は正しいが、図上の1cmが表す実距離は半分になり、縮尺は1:12500となる。
復習のポイント:地図の表示倍率が上がっても、元データの精度や細部の情報が増えるとは限らない。
関連する一次資料:国土地理院:距離と縮尺国土地理院:GISとは
GE010 / 300地図・GIS・地形地図読解基礎確認
回転した地図と太陽の方位
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
北向き矢印は右向き。PとQは同じ高さにあり、QがPより右側に位置する。
図は北が右を向いている。北緯35°の駅Pで、春分の日の太陽の南中時に垂直な柱の影を観察した。影の伸びる方向と、学校Qのある方向の関係はどれか。大気の屈折は無視する。
- 影は画面左へ伸び、Qとは反対方向になる。
- 影は画面右へ伸び、Qと同じ方向になる。
- 影は画面上へ伸び、Qの方向と直交する。
- 影は画面下へ伸び、Qの方向と直交する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 影は画面右へ伸び、Qと同じ方向になる。
使う地理の知識:北回帰線より北では春分の太陽は南に南中し、垂直な物体の影は北を向く。地図の方位は北向き矢印から読む。
判断の手順:まず現地の影が北向きであることを決め、その北を回転した地図の右方向へ対応させる。
- 選択肢1:不正解
北緯35°の春分には南側の空で南中するため、影は北へ伸びる。画面左は南に対応し、影の向きが逆である。 - 選択肢2:正解
春分の太陽は南側の空で南中し、柱の影は北へ伸びる。北は画面右なので、影はPからQへ向かう方向と一致する。 - 選択肢3:不正解
画面上はこの図では西である。北が上の通常の地図と混同して、影を画面上へ向けてはならない。 - 選択肢4:不正解
画面下はこの図では東である。朝夕の太陽や、図の通常の上下方向と混同した判断になる。
復習のポイント:自然現象から得た方位を、地図の北矢印に合わせて読み替える。
関連する一次資料:国立天文台:太陽の南中高度はどうやって計算する?国土地理院:緯度・経度と標準時に関する学習資料
GE011 / 300地図・GIS・地形事例判断基礎確認
用途に応じた投影法
世界各地の森林の分布面積を色の付いた領域の広さで比較する地図Xと、東京から各都市への最短距離・出発時の方位を読む地図Yを作る。図法の組合せとして適切なものはどれか。
- X:正積図法/Y:メルカトル図法
- X:正積図法/Y:東京中心の正距方位図法
- X:メルカトル図法/Y:東京中心の正距方位図法
- X:メルカトル図法/Y:正積図法
答えと全選択肢の解説
正解:2 X:正積図法/Y:東京中心の正距方位図法
使う地理の知識:正積図法は面積比、正距方位図法は中心からの距離と方位を保つ。正角性は面積や全地点間の距離を保証しない。
判断の手順:Xで比較する量が面積、Yで読む量が中心からの距離・方位であると分け、各図法の保存する性質に対応させる。
- 選択肢1:不正解
Xは適切だが、メルカトル図法上の2点間の直線長を、そのまま最短距離へ換算することはできない。 - 選択肢2:正解
Xは面積比を保つ正積図法、Yは中心からの距離と方位を保つ正距方位図法が目的に合う。 - 選択肢3:不正解
Yは適切だが、メルカトル図法では高緯度の面積が拡大するため、Xの面積比較にそのまま利用できない。 - 選択肢4:不正解
Xでは面積のひずみ、Yでは距離・方位のひずみが目的に合わない。保存する性質を用途ごとに選ぶ必要がある。
復習のポイント:図法を選ぶときは、地図で比較する量が面積・角度・距離のどれかを先に決める。
関連する一次資料:ESRIジャパン:地図投影法Esri公式ドキュメント:正距方位図法
GE012 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
正距方位図法と大圏航路
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
Oを中心に半径1000kmと2000kmの円。PはOの北1000km、QはOの東2000km。上と右はOでの方位。
図はOを中心とする正距方位図法である。図法の性質として正しい二つの判断を組み合わせたものはどれか。距離とは球面上の最短距離を指す。
- O–Qの距離はO–Pの2倍/OからQへの出発方位は東である。
- O–Qの距離はO–Pの4倍/P–Qの距離は図上の直線長から同じ縮尺で求められる。
- O–Qの距離はO–Pの2倍/P–Qの距離は図上の直線長から同じ縮尺で求められる。
- O–Qの距離はO–Pの4倍/OからQへの出発方位は東である。
答えと全選択肢の解説
正解:1 O–Qの距離はO–Pの2倍/OからQへの出発方位は東である。
使う地理の知識:正距方位図法で正しいのは中心から各地点への最短距離と方位であり、中心以外の2点間では一般にひずむ。
判断の手順:同心円の半径の値からO–PとO–Qを比較し、中心から引いた放射線だけに方位の保証を適用する。
- 選択肢1:正解
中心OからPは1000km、Qは2000kmなので2倍。OからQへ引く放射線の方位も保たれるため、出発方位は東である。 - 選択肢2:不正解
半径と面積の倍率を取り違え、さらに中心以外の2点間にも距離の性質を広げてしまっている。 - 選択肢3:不正解
中心Oからの距離比は2倍でよいが、中心を通らないP–Q間に同じ距離の保証はない。正距は任意の2地点間が等しく正しいという意味ではない。 - 選択肢4:不正解
中心からの距離は半径に比例し、円の面積には比例しない。半径2倍を面積4倍と取り違えている。
復習のポイント:図法の名称だけで判断せず、保存される性質の基準点を確認する。
関連する一次資料:Esri公式ドキュメント:正距方位図法
GE013 / 300地図・GIS・地形統計読解標準演習
メルカトル図法の面積補正
資料(学習用モデル値)| 領域 | 位置 | 図上面積(共通単位) | 局所的な面積拡大率 |
|---|
| P | 赤道付近 | 200 | 1倍 |
| Q | 北緯60°付近 | 400 | 4倍 |
メルカトル図法上で小領域P・Qの面積を測った。表の局所的な面積拡大率を使って補正すると、実面積のP:Qはどれか。各領域内では拡大率一定とみなす。
- 2:1
- 1:1
- 4:1
- 1:2
答えと全選択肢の解説
正解:1 2:1
使う地理の知識:メルカトル図法は正角図法で、高緯度ほど面積が大きく描かれる。図上面積から実面積へ戻すには局所的な拡大率で割る。
判断の手順:P・Qそれぞれの図上面積を拡大率で補正し、補正後の値の比を約分する。
- 選択肢1:正解
実面積は図上面積を拡大率で割る。Pは200、Qは100の共通単位となり、実面積比は2:1である。 - 選択肢2:不正解
Pは200/1=200、Qは400/4=100になる。同じ図法に描かれていても緯度によって拡大率が異なる。 - 選択肢3:不正解
面積拡大率の比4:1だけを比較した値で、元の図上面積がQで2倍あることを使っていない。 - 選択肢4:不正解
図上面積200:400をそのまま用いた比であり、高緯度側で面積が過大に表されることを補正していない。
復習のポイント:高緯度の大きさは図上の印象で比べず、面積を保存する図かを確認する。
関連する一次資料:ESRIジャパン:地図投影法
GE014 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
等高線・縮尺・斜面方位
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
両図とも北が上で同じ縮尺。A・Bとも北から130m、120m、110m、100mの等高線が平行に並ぶ。Aの等高線間隔はBの半分である。水平距離300mの縮尺棒は両図で同じ長さ。
図のA・Bで、100mの等高線から130mの等高線へ最短で進む斜面を比べる。斜面が低くなる方位と、平均勾配A:Bの組合せはどれか。
- 北/2:1
- 北/1:2
- 南/1:2
- 南/2:1
答えと全選択肢の解説
正解:4 南/2:1
使う地理の知識:斜面の向きは等高線の標高が低くなる側から読む。同じ標高差では水平距離が短い方ほど急である。
判断の手順:等高線の数値から低くなる側を南と読み、A・Bの同じ30m差に対する水平距離を比べる。
- 選択肢1:不正解
勾配比は正しいが、北側の等高線の方が高いので下る向きは南である。等高線の数値と方位を照合する必要がある。 - 選択肢2:不正解
高低の向きも勾配比も逆。標高値の増える向きと等高線間隔を別々に読むと修正できる。 - 選択肢3:不正解
下る方位は正しいが、等高線間隔が狭いAの方が急になる。水平距離が半分なので勾配は半分ではなく2倍である。 - 選択肢4:正解
両斜面とも北側が130m、南側が100mなので南へ下る。Aは30mの高度差をBの半分の水平距離で上るため、勾配は2倍になる。
復習のポイント:等高線は間隔だけでなく標高の増減と北向きも組み合わせて読む。
関連する一次資料:国土地理院:等高線
GE015 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
等高線と河川の左右
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
北が上。北側から140m、120m、100mの3本の等高線が並び、各線の中央部分は北へ屈曲する。南北方向の中央補助線に沿って北から140m、120m、100mの順に交わる。
図の中央の補助線を流路とする小河川を考える。中央の地形と、川の右岸に当たる側の組合せはどれか。右岸・左岸は下流を向いて区別する。
- 尾根/西側
- 谷/西側
- 谷/東側
- 尾根/東側
答えと全選択肢の解説
正解:2 谷/西側
使う地理の知識:谷では等高線が高い側へ入り込む。水は低い方へ流れ、右岸は下流を向いた右側である。
判断の手順:中央の屈曲と標高から谷を判読し、流下方向を南と決めて、下流を向く姿勢で右岸を西に対応させる。
- 選択肢1:不正解
下流は南向きなので右岸は西側でよいが、等高線が高い方へ入り込む中央は尾根ではなく谷である。 - 選択肢2:正解
中央では等高線が高い北側へ入り込むので谷になる。水は140m側から100m側の南へ流れ、下流を向いた右岸は西側となる。 - 選択肢3:不正解
谷の判読は正しいが、南を向いたとき右手は西になる。地図を正面から見た右と、川の右岸を混同している。 - 選択肢4:不正解
等高線の屈曲を尾根と読み、さらに地図上の右を右岸とした判断である。地形判読と下流向きの確認が必要。
復習のポイント:川の左右は紙面の左右ではなく、流下方向を基準に判定する。
関連する一次資料:国土地理院:地図を見て尾根と谷を読み解く国土地理院:日本の典型地形・河川の作用による地形
GE016 / 300地図・GIS・地形地図読解基礎確認
等高線と雨水の流れ
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
北が上。北側から140m、120m、100mの3本の等高線が並び、各線の中央部分は南へ屈曲する。南北方向の中央補助線に沿って北から140m、120m、100mの順に交わる。
図の中央の補助線を境にした雨水の流れを調べる。微細な凹凸を無視したとき、中央の地形と、両側斜面での地表水の動きの組合せはどれか。
- 谷/中央から両側へ分かれる。
- 谷/両側から中央へ集まる。
- 尾根/中央から両側へ分かれる。
- 尾根/両側から中央へ集まる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 尾根/中央から両側へ分かれる。
使う地理の知識:尾根では等高線が低い側へ張り出し、尾根筋は周囲より高い。尾根は地表水を分ける線になりやすい。
判断の手順:等高線の数値から低い側を確認し、屈曲がそこへ張り出すため尾根と判定する。さらに水が高所から低所へ流れることを適用する。
- 選択肢1:不正解
谷と判定するなら、水は両側から谷底へ集まる。図は等高線が低い側へ張り出しており、そもそも中央は尾根になる。 - 選択肢2:不正解
谷では水が集まるが、図では等高線の突き出す向きが低い南側なので尾根である。高低を反対に読んでいる。 - 選択肢3:正解
中央は等高線が低い側へ張り出す尾根で、同じ東西方向の周囲より高い。雨水は尾根から両側の低い斜面へ分かれて流れる。 - 選択肢4:不正解
尾根の判読は正しいが、尾根は周囲より高い筋になる。雨水は両側斜面へ分かれ、中央へ集まる谷とは異なる。
復習のポイント:V字に見える形だけで決めず、標高値と屈曲の向きで谷と尾根を区別する。
関連する一次資料:国土地理院:地図を見て尾根と谷を読み解く
GE017 / 300地図・GIS・地形地図読解基礎確認
等高線の標高範囲と比高
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
北が上。山頂Sを囲む同心の閉じた等高線は外から100m、120m、140m。160m線はなく、山頂まで内側ほど高い。Rは外側の100m等高線上にある。
図の山頂Sと、外側の100m等高線上にある地点Rとの比高として、あり得る範囲はどれか。20m間隔の等高線は全て描かれ、Sの標高は等高線の標高と一致しない。
- 60mより大きく80m未満
- 20mより大きく40m未満
- 40mより大きく60m未満
- 100mより大きく140m未満
答えと全選択肢の解説
正解:3 40mより大きく60m未満
使う地理の知識:等高線の間隔と閉曲線の内外から山頂標高の範囲を限定できる。比高は二地点間の標高差である。
判断の手順:最内側140mと次の160m線がないことから山頂範囲を求め、両端からRの100mを引く。
- 選択肢1:不正解
山頂が160mを超えるなら160m等高線も描かれる。図にない等高線を想定した範囲になっている。 - 選択肢2:不正解
最も内側の140m等高線より山頂は高いので、100m地点との比高は40mを超える。内側の等高線を一つ読み落としている。 - 選択肢3:正解
山頂は140mより高く160m未満。100m地点との差を取ると、40mより大きく60m未満になる。 - 選択肢4:不正解
比高は二地点の標高差で、標高そのものではない。山頂の標高範囲からRの100mを差し引く必要がある。
復習のポイント:等高線から得られる範囲と、地点間の比高を区別する。
関連する一次資料:国土地理院:等高線
GE018 / 300地図・GIS・地形地図読解複合演習
断面図の視通と鉛直倍率
地表の断面(学習用模式図、数値は表に対応)図の内容を文章で確認
折れ線の断面図。Pから0・1・2・3・4kmの地表標高は順に100・130・140・160・200m。鉛直方向は水平より拡大している。
資料(学習用モデル値)| Pからの水平距離 | 0km(P) | 1km | 2km | 3km | 4km(Q) |
|---|
| 地表の標高 | 100m | 130m | 140m | 160m | 200m |
P(標高100m)からQ(標高200m)を見通せるか調べる。表と図の折れ線を地表断面とし、建物・植生・地球の丸み・目の高さを無視する。判定とその根拠として正しいものはどれか。
- 見通せない/PとQの標高差が100mあるから。
- 見通せる/距離2kmの地表が視線より低いから。
- 見通せる/途中の地表はQの200mより低いから。
- 見通せない/距離1kmの地表が視線より高いから。
答えと全選択肢の解説
正解:4 見通せない/距離1kmの地表が視線より高いから。
使う地理の知識:断面図の視通は、両端を結ぶ視線と途中の地表の高さの比較で決まる。標高差そのものや最高地点だけでは判定できない。
判断の手順:視線が1kmごとに25mずつ高くなると求め、各距離の地表と照合する。1km地点で地表が視線を上回る。
- 選択肢1:不正解
両端の標高差そのものは遮蔽の条件ではない。P–Qを結ぶ直線と途中の地表を同じ距離位置で比べる必要がある。 - 選択肢2:不正解
2km地点では視線150mに対し地表140mで下にあるが、1km地点で遮られる。一地点だけの判定では足りない。 - 選択肢3:不正解
Qより低いだけでは見通しは保証されない。P–Qを結ぶ視線は途中で200m未満となり、それより地表が高い場所で遮られる。 - 選択肢4:正解
P–Qは4kmで100m上がるので、1km地点の視線は125m。その地表130mは視線を5m上回り、見通しを遮る。
復習のポイント:見通しは途中の地表高と同じ位置の視線高を比べ、全区間で確認する。
関連する一次資料:国土地理院:等高線
GE019 / 300地図・GIS・地形計算標準演習
河床縦断と勾配の変化
資料(学習用モデル値)| 地点 | Pからの水平距離 | 河床標高 |
|---|
| P | 0km | 250m |
| Q | 2km | 130m |
| R | 7km | 100m |
河川の縦断測量で表の値を得た。上流側P–Qと下流側Q–Rについて、平均河床勾配の組合せと、それに対応する典型的な変化として適切なものはどれか。
- P–Q:6%、Q–R:0.6%/下流側で運搬中の粒子が粗くなる。
- P–Q:0.6%、Q–R:6%/下流側で礫の割合が増える。
- P–Q:6%、Q–R:0.6%/下流側で運搬中の粒子が細かくなる。
- P–Q:0.6%、Q–R:6%/下流側で運搬中の粒子が細かくなる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 P–Q:6%、Q–R:0.6%/下流側で運搬中の粒子が細かくなる。
使う地理の知識:河川の平均勾配は河床の標高差を水平距離で割る。河床材料は一般に上流の粗粒から下流の細粒へ変わる。
判断の手順:P–Q、Q–Rごとに高度差と距離を出し、勾配を%へ直す。その上で下流方向の運搬・堆積の傾向と照合する。
- 選択肢1:不正解
勾配の計算は正しいが、一般には下流ほど細粒化する。支流から新たに粗い礫が入るような個別の例外は、この資料では示していない。 - 選択肢2:不正解
P–Qは120/2000=6%、Q–Rは30/5000=0.6%であり数値が逆。一般的な下流方向の粒径変化も逆である。 - 選択肢3:正解
P–Qは6%、Q–Rは0.6%。下流へ運ばれる間の摩耗や選択的な運搬・堆積によって、河床材料は一般に細かくなる傾向がある。 - 選択肢4:不正解
下流で細粒化する傾向は正しいが、勾配の数値が逆。kmをmへ換算して標高差を水平距離で割る。
復習のポイント:縦断図・測量表は区間ごとの標高差と水平距離で勾配を求め、河床材料の知識と結ぶ。
関連する一次資料:国土地理院:等高線国土地理院:日本の典型地形・河川の作用による地形
GE020 / 300地図・GIS・地形地図読解複合演習
分水界を越える導水
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
北が上。中央に南北の尾根、西側に河川A、東側に河川B。Pは尾根の西側で、西のAへ下る矢印がある。
図のP付近の支流から取水し、尾根を貫く導水路を通じて河川Bの流域へ毎秒2m³を送り続ける。他の条件は同じで、取水・放水地点より下流の流量を比較する。導水前後の変化と自然の分水界について正しいものはどれか。
- Aは減りBは増える/尾根にある自然の分水界は変わらない。
- Aは減りBは増える/自然の分水界が導水路に移動する。
- Aは変わらずBは増える/自然の分水界が河川Aに移動する。
- Aは増えBは減る/尾根にある自然の分水界は変わらない。
答えと全選択肢の解説
正解:1 Aは減りBは増える/尾根にある自然の分水界は変わらない。
使う地理の知識:流域は降水が一つの河川へ集まる範囲で、分水界は隣接流域の境になる。導水はこの自然の区分を越えて水を移すことがある。
判断の手順:図でPが尾根の西側、A流域内にあると確認する。取水と放水の増減を考え、地形自体は変わらないため分水界を維持する。
- 選択肢1:正解
PはAの流域内なので取水でAが減り、放水でBが増える。導水路は人為的に水を移す施設で、地表の高低から定まる自然の分水界を変更しない。 - 選択肢2:不正解
流量の増減は正しいが、導水路の経路が新たな自然の分水界になるわけではない。地形による流域と人為的な水移動を区別する。 - 選択肢3:不正解
Pから取水するためAの下流流量は減る。川の本流は集水する流路で、両側の流域を分ける尾根とは役割が異なる。 - 選択肢4:不正解
Pの自然流下先はAである。取水元Aの流量は減り、放水先Bの流量は増えるので増減が逆になる。
復習のポイント:自然の集水範囲と、用水路などによる人為的な水の移動を区別する。
関連する一次資料:国土地理院:地図を見て尾根と谷を読み解く国土地理院:日本の典型地形・河川の作用による地形
GE021 / 300地図・GIS・地形統計読解複合演習
GISと地形条件の重ね合わせ
資料(学習用モデル値)| 候補 | 駅からの直線距離 | 徒歩経路 | 地形 |
|---|
| A | 400m | 1100m | 自然堤防 |
| B | 450m | 600m | 後背湿地 |
| C | 600m | 700m | 段丘面 |
| D | 500m | 750m | 段丘崖 |
地域資料館の候補地を、駅への徒歩経路が800m以内で、平坦な自然堤防または段丘面にある土地から選ぶ。切土・盛土は行わない。表で対象となる候補と、判定に必要な処理の組合せはどれか。
- A・C/駅中心の半径800mの円と標高値の抽出
- C・D/駅中心の半径800mの円と傾斜区分の抽出
- C/徒歩経路の計算と地形分類の重ね合わせ
- A・D/徒歩経路の計算と土地利用面積の集計
答えと全選択肢の解説
正解:3 C/徒歩経路の計算と地形分類の重ね合わせ
使う地理の知識:自然堤防は氾濫原の微高地、段丘面は旧河床などが離水した平坦面、段丘崖はその縁の急斜面である。徒歩到達圏と直線バッファーは異なる。
判断の手順:道路による距離800m以内でB・C・Dを残し、地形の知識から平坦な対象地形に該当するCを選ぶ。
- 選択肢1:不正解
Aは直線距離では近いが徒歩経路が1100mあり、条件を超える。標高が高いか低いかだけで自然堤防や段丘面を区別することもできない。 - 選択肢2:不正解
Dは平坦面の条件を満たさない。駅からの直線円は道路の迂回を反映せず、条件指定された徒歩距離と異なる。 - 選択肢3:正解
Cは徒歩700mで段丘面にある。道路網に基づく徒歩経路と、地形分類ポリゴンを組み合わせて二つの条件を判定する。 - 選択肢4:不正解
Aは徒歩条件を外れ、Dは段丘面ではなく段丘崖にある。土地利用の面積集計では、必要な微地形の区分を得られない。
復習のポイント:GISの選定条件は、距離の定義と地形分類の意味まで確かめて適用する。
関連する一次資料:国土地理院:GISとは国土地理院:地形分類
GE022 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
直線の到達圏と道路の到達圏
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
北が上。駅Sを中心とする半径500mの円。AとDは内側、Cは円の最南点上、Bは東側の円外。
資料(学習用モデル値)| 地点 | 駅からの徒歩道路距離 |
|---|
| A | 450m |
| B | 900m |
| C | 650m |
| D | 700m |
図の直線距離500m以内の圏域には入るが、表の徒歩道路距離500m以内の圏域には入らない地点の組合せはどれか。円周上の地点も直線500m以内に含め、徒歩距離は橋や踏切による迂回を含む表の値を用いる。
- A・D
- A・B
- B・C
- C・D
答えと全選択肢の解説
正解:4 C・D
使う地理の知識:GISでの直線距離のバッファーは円となるが、道路網に沿う到達圏には道路の屈曲や横断箇所の制約が反映される。
判断の手順:図で直線500m以内のA・C・Dを抽出する。次に表で徒歩500mを超えるC・Dを選び、二種類の圏域の差を求める。
- 選択肢1:不正解
Dは条件を満たすが、Aは徒歩450mなので徒歩圏にも入る。直線の円内だけを見てAも選ばないようにする。 - 選択肢2:不正解
Aは直線圏・徒歩圏の両方に入り、Bは直線圏の外にある。求めている「直線圏には入るが徒歩圏には入らない」地点とはどちらも違う。 - 選択肢3:不正解
Cは円周上にあるため直線500m以内に入り、徒歩650mなので条件を満たす。しかしBは直線でも500m圏外である。 - 選択肢4:正解
Cは円周上、Dは円内にある一方、徒歩距離は650m・700mで500mを超える。直線によるバッファーと道路網に沿う到達圏は一致しない。
復習のポイント:直線圏と道路到達圏を別々に判定してから、両者の共通部分や差を読む。
関連する一次資料:国土地理院:GISとは
GE023 / 300地図・GIS・地形計算複合演習
交通ネットワークの結節点
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
S–Aは4分、A–Tは7分、S–Bは6分、B–Tは3分、A–Bは3分。全区間は双方向で通行可。
図の道路網で、平常時とB–T間だけが工事で通れなくなった場合を比べる。SからTへの最短所要時間が増える割合と、そのときの最短経路の組合せはどれか。全区間は双方向で、図の数値は分である。
- 約22%増/S→A→T
- 約56%増/S→B→A→T
- 約78%増/S→B→A→T
- 約11%増/S→A→B→T
答えと全選択肢の解説
正解:1 約22%増/S→A→T
使う地理の知識:交通網では距離の近さだけでなく、辺の接続と所要時間が到達可能性を決める。区間の閉鎖で最短経路が変わる。
判断の手順:平常時の各経路を比較して9分を求め、B–Tを除いたネットワークで11分を求める。増分2分を基準の9分で割る。
- 選択肢1:正解
平常時はS→B→Tの9分。B–T閉鎖後はS→A→Tの11分が最短で、増加率は(11−9)/9×100≒22%となる。 - 選択肢2:不正解
S→B→A→Tは16分であり、S→A→Tの11分より長い。また平常時の最短9分に対する増加率とも一致しない。 - 選択肢3:不正解
16分への増加率は約78%だが、その経路は工事中の最短ではない。Sから直接Aへ向かう経路を比較に入れる必要がある。 - 選択肢4:不正解
S→A→B→Tは平常時10分だが、工事区間B–Tを使うため、工事中の経路としては利用できない。
復習のポイント:道路の一部が失われた場合は元の最短経路に時間を足さず、残るネットワークで最短経路を探し直す。
関連する一次資料:国土地理院:GISとは
GE024 / 300地図・GIS・地形計算複合演習
ラスターの集約と土地利用
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
北が上の3行4列。各セルは100m四方。上段は森林・森林・畑・畑、中段は森林・畑・畑・宅地、下段は森林・森林・宅地・宅地。
図の12セルを、横に隣接する2セルずつの6組へ集約する。各組は多数を占める土地利用で代表し、1対1の場合は「宅地、畑、森林」の順で優先する。集約後の森林面積と、この処理の特徴はどれか。
- 6ha/森林を含む集約セルを森林として数える。
- 4ha/混在する区画で小面積の土地利用が消えることがある。
- 5ha/解像度を変えても土地利用別の面積は保存される。
- 8ha/横幅が2倍になるので森林面積も2倍になる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 4ha/混在する区画で小面積の土地利用が消えることがある。
使う地理の知識:ラスターはセルの代表値で空間を表す。土地利用を粗いセルの一分類へ集約すると、少数の分類や境界が失われる。
判断の手順:横2セルごとに優先ルールを適用し、森林の2組を数える。集約セル面積2haを掛けて、元の森林5haとの違いを確かめる。
- 選択肢1:不正解
森林を少しでも含む組を森林にする方法は、指定された多数決と異なる。この方法なら中段左も森林になり、面積を過大評価する。 - 選択肢2:正解
各行を左2セル・右2セルに分けると、森林となるのは上段左と下段左の2組。各組2haで計4ha。中段左の森林は同数時の畑優先で表現から消える。 - 選択肢3:不正解
元図の森林は5haだが、多数決で集約する方法では分類別面積を保存しない。各組の中の比率まで保つ別のデータ形式が必要である。 - 選択肢4:不正解
集約後のセルは大きくなるが、同じ地表範囲を表す。セル数の減少を無視して面積の倍率だけを掛けてはならない。
復習のポイント:ラスターの粗い集約では、総区域面積と分類別面積の保存を区別する。
関連する一次資料:国土地理院:GISとは
GE025 / 300地図・GIS・地形事例判断標準演習
縮尺・目的と点線面データ
市全体で店舗への徒歩アクセスを分析するGISと、商業施設内の売場面積を測るGISを作る。店舗の表し方として適切な組合せはどれか。
- 徒歩分析:線、売場面積:面/徒歩移動を扱う施設は線で表す。
- 徒歩分析:点、売場面積:線/建物の外周線の長さを面積とする。
- 徒歩分析:面、売場面積:点/広い範囲の分析ほど地物を面で描く。
- 徒歩分析:点、売場面積:面/同じ店舗でも目的に応じて形を変える。
答えと全選択肢の解説
正解:4 徒歩分析:点、売場面積:面/同じ店舗でも目的に応じて形を変える。
使う地理の知識:点・線・面の使い分けは対象そのものだけでなく、縮尺と分析目的によって変わる。点は位置、線は接続、面は範囲を扱う。
判断の手順:徒歩分析で必要な情報を入口位置と道路接続と捉え、面積測定で必要な売場の境界内の広がりと区別する。
- 選択肢1:不正解
徒歩で移動する経路は線に適するが、目的地となる店舗入口は点で表せる。移動の手段と施設の形状表現を混同している。 - 選択肢2:不正解
売場の外周長と面積は異なる量で、線の長さだけでは面積を決められない。閉じた売場範囲の面データが必要である。 - 選択肢3:不正解
面は敷地の広がりを示せるが、売場を点にすると面積を保持できない。対象範囲が広いから面にするという規則もない。 - 選択肢4:正解
徒歩アクセスでは店舗入口の位置を点として道路網につなげると扱いやすい。売場面積の測定には売場の範囲を面として表す必要がある。
復習のポイント:同じ地物でも、位置・経路・面積のうち何を分析するかでデータ形式を選ぶ。
関連する一次資料:国土地理院:GISとは
GE026 / 300地図・GIS・地形統計読解標準演習
土地利用の遷移と都市化
同一区域の土地利用遷移(ha、学習用モデル値)| 旧時点\新時点 | 農地 | 宅地 | 道路 | 森林 |
|---|
| 農地 | 35 | 20 | 5 | 0 |
| 宅地 | 0 | 15 | 5 | 0 |
| 道路 | 0 | 0 | 10 | 0 |
| 森林 | 5 | 0 | 0 | 5 |
同じ100haの区域で、旧時点から新時点への土地利用の移り変わりを表にした。旧農地が宅地になった面積と、区域全体の宅地の純増面積の組合せはどれか。
- 20ha/15ha
- 15ha/20ha
- 15ha/15ha
- 20ha/20ha
答えと全選択肢の解説
正解:1 20ha/15ha
使う地理の知識:時系列の面積差は土地利用の純増減を示し、個々の用途間の転換量とは異なる。GISの重ね合わせで遷移を把握できる。
判断の手順:旧農地の行と新宅地の列の交点を読む。次に新宅地の列を合計し、旧宅地の行の合計を引く。
- 選択肢1:正解
旧農地から新宅地へは20ha。新宅地は農地からの20haと残った宅地15haで35haとなり、旧宅地20haとの差は15haである。 - 選択肢2:不正解
15haは宅地の純増面積で、農地から宅地への転換面積ではない。土地利用の遷移と各分類の差分を逆に扱っている。 - 選択肢3:不正解
宅地の純増15haは正しいが、旧農地から宅地になった区画は20haある。他の用途へ変わった旧宅地も含めて考える。 - 選択肢4:不正解
旧農地から宅地へ20ha移ったが、旧宅地5haが道路へ変わっている。宅地への転入だけでは区域の純増を表せない。
復習のポイント:純増減と転換量を区別し、遷移表の行が旧時点、列が新時点であることを確認する。
関連する一次資料:国土地理院:GISとは
GE027 / 300地図・GIS・地形統計読解複合演習
空間結合と集計単位の限界
資料(学習用モデル値)| 地区 | 店舗数 | 面積 | 人口 |
|---|
| 東 | 80店 | 20km² | 2万人 |
| 西 | 40店 | 5km² | 1万人 |
店舗の点データを行政区の面データと空間結合した結果が表である。地区の商業施設の集中度について、表から適切に判断した説明はどれか。
- 東地区は店舗数が多いので、店舗の面積密度も高い。
- 西地区は面積が小さいので、人口1万人当たり店舗数も東地区より多い。
- 両地区の人口1万人当たり店舗数が等しいので、店舗の面積密度も等しい。
- 西地区は店舗の面積密度が高いが、住民の徒歩アクセスが良いとはまだ言えない。
答えと全選択肢の解説
正解:4 西地区は店舗の面積密度が高いが、住民の徒歩アクセスが良いとはまだ言えない。
使う地理の知識:面積密度と人口当たりの供給量では分母が異なる。行政区集計の平均から地区内部の分布や住民ごとの到達性を決められない。
判断の手順:店舗数を面積で割って西の方が密集すると判断し、人口当たり指標とは区別する。さらに面データに集約すると内部の位置関係が失われる点を確認する。
- 選択肢1:不正解
店舗数は東80、西40で東が多いが、面積密度は東4店/km²、西8店/km²となり、西の方が高い。 - 選択肢2:不正解
人口1万人当たりは東80/2=40店、西40/1=40店で同じ。地区面積が小さいことから人口当たりの店舗数は決まらない。 - 選択肢3:不正解
人口1万人当たりは両方40店で等しいが、面積を分母とする密度とは別の指標である。人口密度が異なれば一致しない。 - 選択肢4:正解
西の面積密度は40/5=8店/km²で東の2倍。ただし地区内の住宅と店舗の分布や道路網が不明なので、個々の住民の徒歩アクセスまでは分からない。
復習のポイント:地区平均の比較と、実際の生活圏におけるアクセスの評価を分ける。
関連する一次資料:国土地理院:GISとは
GE028 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
標高データの解像度と集約方法
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
元は20m四方を4つの10m四方セルに区切り、値は100・100・100・180m。平均120mを同じ20m四方の1セルに格納する。
図の4セルを平均で1セルに集約する方法と、4セルの最大値を1セルに格納する方法を比べる。平均値と最大値の地形表現上の特徴として適切な組合せはどれか。
- 平均120mは元の起伏幅を保ち、最大180mは元の4セルの配置を保つ。
- 平均120mは元の最高点を保ち、最大180mは元の平均的な高さを保つ。
- 平均120mは局所的な高まりを強め、最大180mは高い地形の占める面積を狭く表す。
- 平均120mは局所的な高まりを弱め、最大180mは高い地形の占める面積を広く表す。
答えと全選択肢の解説
正解:4 平均120mは局所的な高まりを弱め、最大180mは高い地形の占める面積を広く表す。
使う地理の知識:粗い標高セルへ変換する方法には平均や最大などがあり、保存される値と失われる地形の特徴が異なる。
判断の手順:元の180mセルの広さと、集約後の20m四方を比べる。平均120mと最大180mがそれぞれ全体に適用されるときの表現を考える。
- 選択肢1:不正解
一つの値だけのセルには元の標高の幅や位置関係は残らない。集約により失われる情報がある。 - 選択肢2:不正解
平均は最高値180mを保存せず、最大値は平均120mを保存しない。どの統計量を残す処理かを区別する必要がある。 - 選択肢3:不正解
平均化は極端な値をならし、最大値は高所を粗いセル全体へ拡大するので、両方の特徴が逆になっている。 - 選択肢4:正解
平均化では180mの局所的高所が120mになり弱まる。最大値の180mを全20m四方に割り当てると、もとは4分の1だけだった高所を広く表す。
復習のポイント:解像度の違う標高データを比べるときは、セルの大きさと集約方法を確認する。
関連する一次資料:国土地理院:GISとは
GE029 / 300地図・GIS・地形事例判断標準演習
座標参照系と位置のずれ
データのメタデータ(学習用の設定)| データ | 位置の基準 | 作成時点 |
|---|
| 道路 | 日本測地系 | 旧時点 |
| 建物 | 世界測地系 | 新時点 |
異なる機関の道路データと建物データを重ねたところ、複数の交差点と建物でほぼ一様な位置のずれが見られた。表のメタデータを踏まえ、最初の処理として最も適切なものはどれか。
- 道路データを世界測地系へ座標変換し、共通の基準で重ね直す。
- 道路データの属性項目と建物データの項目名を統一し、属性を結合する。
- 両データを同じ大きさのラスターセルに再標本化し、解像度をそろえる。
- 交差点ごとのずれを別々に手で動かし、局所的に道路を曲げて重ね直す。
答えと全選択肢の解説
正解:1 道路データを世界測地系へ座標変換し、共通の基準で重ね直す。
使う地理の知識:緯度・経度の値は採用する測地系に依存する。測地系が異なるデータは適切に変換してから重ね合わせる。
判断の手順:地域全体で似た向きにずれることと、測地系が不一致である記録を照合する。まず座標の基準を統一し、残りの誤差を確認する。
- 選択肢1:正解
両データは日本測地系と世界測地系で位置の基準が異なる。まず適切な座標変換を行い、その上で残る測量誤差や経年変化を検討する。 - 選択肢2:不正解
属性項目の統一は内容を対応させる処理だが、座標値の基準は変わらない。日本測地系と世界測地系の位置を比較するには座標変換が必要になる。 - 選択肢3:不正解
解像度をそろえる処理と測地系の変換は異なる。セルを同じ大きさにしても、座標の基準が違うままでは一様なずれが残る。 - 選択肢4:不正解
一様なずれと異なる測地系の記録があるため、局所変形より基準の変換を先に行う。手動調整は地物間の位置関係をゆがめるおそれがある。
復習のポイント:位置ずれではメタデータの測地系・座標系を確認し、表示倍率や属性の年代と分けて対処する。
関連する一次資料:国土地理院:GISとは国土地理院:日本測地系と世界測地系
GE030 / 300地図・GIS・地形統計読解標準演習
階級区分図と比例記号図
地区面積と農地面積(km²)(学習用仮想データ)| 地区 | 地区面積 | 農地面積 |
|---|
| A | 10 | 4 |
| B | 20 | 6 |
| C | 5 | 1 |
| D | 8 | 4 |
同じ資料から、農地率を濃淡で示す階級区分図Xと、農地面積を円の面積で示す比例記号図Yを作る。Xが最も濃い地区と、Yの円が最も大きい地区の組合せはどれか。
- X:D/Y:A
- X:B/Y:D
- X:D/Y:B
- X:A/Y:B
答えと全選択肢の解説
正解:3 X:D/Y:B
使う地理の知識:階級区分図で割合や密度を描く場合は分母をそろえて計算する。比例記号図は総量の大小を示すのに適する。
判断の手順:各地区の農地率を計算して濃淡を決め、次に農地面積の列の最大値で円の大きさを判断する。
- 選択肢1:不正解
Xは正しいが、Aの農地面積4km²よりBの6km²の方が大きい。割合と総量は別に比較する。 - 選択肢2:不正解
Bは農地面積6km²で最多だが、農地率は6/20=30%。Dは農地率50%で最多なので、指標の対応が逆になっている。 - 選択肢3:正解
農地率はA40%、B30%、C20%、D50%でDが最大。一方、農地面積そのものはBの6km²が最大である。 - 選択肢4:不正解
Aの農地率40%はDの50%より低い。面積を示す円がBで最大になる点は正しい。
復習のポイント:主題図を読むときは表現法と指標の分母を確認し、総量と割合を混同しない。
関連する一次資料:国土地理院:GISとは
GE031 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
谷口の堆積地と水利用
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
北が上。上部に山地と谷口があり、川は谷口から低地へ分かれ、Xの扇形の砂礫堆積地をつくる。
図のXで、谷口に近い扇頂、中央の扇央、外縁の扇端を調べる。厚い砂礫層が続き、扇央では河川の表流水が減り、扇端に湧水がある。この条件下で考えられる土地利用の説明として適切なものはどれか。
- 扇端は地下水面が地表から深く離れ、集落の井戸が最も深くなる。
- 扇頂から扇端まで表層は粘土主体で、保水性の違いは小さい。
- 扇央は水が地表に滞留しやすく、伝統的に水田を広く作りやすい。
- 扇央は浸透した水を得にくい場合があり、畑や果樹園が立地しやすい。
答えと全選択肢の解説
正解:4 扇央は浸透した水を得にくい場合があり、畑や果樹園が立地しやすい。
使う地理の知識:扇状地は谷口に砂礫が堆積した地形である。透水性の高い扇央と湧水のある扇端では水利用の条件が異なる。
判断の手順:図から谷口の堆積地を捉え、砂礫層と表流水の減少を地下への浸透に結び付ける。その条件と畑・果樹園の立地を照合する。
- 選択肢1:不正解
扇端に湧水があることは地下水面が地表と交わることを示す。地下水面が最も深いとする説明は観察と逆である。 - 選択肢2:不正解
図と記録は砂礫を主体とする扇状地を示す。粘土主体の後背湿地や三角州の特徴を、扇状地全体に当てはめている。 - 選択肢3:不正解
扇央の砂礫層は透水性が高く、この資料でも河川水の地下浸透が示される。自然条件だけなら水田用水の確保が難しい場合がある。 - 選択肢4:正解
砂礫層に水が浸透しやすい扇央では、表面の水利用に制約が生じることがある。排水のよい土地を利用した畑や果樹園と結び付く。
復習のポイント:扇状地では地形名で止めず、粒径・透水性・地下水面と土地利用をつなぐ。
関連する一次資料:国土地理院:日本の典型地形・河川の作用による地形国土地理院:地形分類
GE032 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
河口の堆積地と海岸線の変化
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
北が上。北から来た川は河口で3本に分かれ、砂泥の堆積地が南の海へ張り出す。海は下側、陸地は上側。
図のXを持つ河口で、上流に大きな貯水池ができた後、海岸線が後退した。海面の高さや波の条件は変わっていないとする。変化を説明する因果関係として適切なものはどれか。
- 貯水池で粗い土砂が通過しやすくなり、河口への供給が波による持ち去りを上回るようになった。
- 貯水池で細かな土砂の流出が増え、河口へ届く土砂の総量が少なくなった。
- 貯水池で土砂が捕捉され、河口への供給が波による持ち去りを上回るようになった。
- 貯水池で土砂が捕捉され、河口への供給が波による持ち去りに追いつかなくなった。
答えと全選択肢の解説
正解:4 貯水池で土砂が捕捉され、河口への供給が波による持ち去りに追いつかなくなった。
使う地理の知識:三角州は河川からの土砂供給で形成され、海岸線は供給と侵食・運搬の釣合いで変化する。貯水池は土砂を捕捉する。
判断の手順:河口の堆積地であることを図から確認し、波や海面が不変という条件から土砂供給の変化に注目する。貯水池での堆積を下流の不足へ結び付ける。
- 選択肢1:不正解
貯水池では特に粗い粒子が沈みやすく、下流へ通過しやすくなるという説明は逆である。供給が持ち去りを上回る場合も後退を説明しにくい。 - 選択肢2:不正解
貯水池は砂礫などを捕捉し、細粒の一部が通過することはあるが、それを細粒の流出増加と取り違えている。総量が減る主要な説明には捕捉を用いる。 - 選択肢3:不正解
捕捉により下流への供給は減る方向になる。さらに供給が持ち去りを上回る状態は堆積・前進に結び付きやすく、後退の説明と逆である。 - 選択肢4:正解
貯水池内で水の流れが遅くなると土砂が沈みやすい。河口への供給が減り、波などによる持ち去りを補えなくなると海岸線は後退し得る。
復習のポイント:地形変化は堆積場所だけでなく、流域上流からの物質の移動を追って考える。
関連する一次資料:国土地理院:日本の典型地形・河川の作用による地形国土地理院:日本の典型地形・海の作用による地形国土交通省:流砂系の総合的な土砂管理に向けて
GE033 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
氾濫原の微地形と堆積物
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
中央の川の両岸に微高地Aがあり、Aより外側のBは低い。洪水時の堆積による自然地形で人工堤防はない。
図のA・Bについて、洪水時に運ばれた土砂の堆積と、従来の土地利用を比較する。大規模な盛土や排水改良を行う前の典型的な組合せはどれか。
- A:砂質・集落/B:細かな泥・水田
- A:火山灰・畑/B:礫主体・果樹園
- A:細かな泥・水田/B:砂質・集落
- A:礫主体・果樹園/B:海成の砂・塩田
答えと全選択肢の解説
正解:1 A:砂質・集落/B:細かな泥・水田
使う地理の知識:自然堤防は河道近くに砂などが堆積した微高地で、その外側に細粒の後背湿地が広がる。微高地と低湿地で利用条件が違う。
判断の手順:川に接するAを自然堤防、外側で低いBを後背湿地と判読し、洪水時の粒子の沈み方から土質と排水性を推定する。
- 選択肢1:正解
Aは自然堤防で砂質の比較的水はけのよい微高地となり、集落や畑に利用されやすい。Bは後背湿地で細かな泥が堆積し、水田利用と結び付く。 - 選択肢2:不正解
図は河川の氾濫堆積による横断面で、火山灰の台地や谷口の扇状地を示していない。地形の形成過程から土壌・利用を考える。 - 選択肢3:不正解
Aは川の近くに比較的粗い粒子が先にたまる微高地で、Bは細かな泥がたまりやすい低地である。粒径と土地利用の組合せが逆になっている。 - 選択肢4:不正解
Aの位置は山地の谷口ではなく氾濫原の川沿いであり、扇状地の礫主体の特徴とは異なる。Bにも海の作用の証拠は示されていない。
復習のポイント:平野を一様とみなさず、数m程度の比高や土質の違いを集落・農地の立地に結び付ける。
関連する一次資料:国土地理院:地形分類国土地理院:日本の典型地形・河川の作用による地形
GE034 / 300地図・GIS・地形地図読解複合演習
段丘面と火山灰による年代比較
火山灰K・Tはともに調査区域全体へ降下し、離水後の段丘面にはその火山灰が保存されるものとする。
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
中央に現在の川、左右のやや高い段にII、さらに高い段にI。段階的な下刻で旧河床面が取り残された設定。
段丘面の地層観察(学習用の設定)| 面 | 段丘礫層の上を覆う火山灰(下から順) |
|---|
| I | K、T |
| II | T |
図のI・IIは同じ河川の下刻で生じた段丘面である。表の火山灰のうちKはTより古いと分かっている。火山灰の再堆積・侵食除去はなかったとすると、IとIIの離水時期の組合せはどれか。
- I:Kより前/II:Tより後
- I:Kより前/II:KとTの間
- I:Tより後/II:Kより前
- I:KとTの間/II:Tより後
答えと全選択肢の解説
正解:2 I:Kより前/II:KとTの間
使う地理の知識:下刻で残る河岸段丘は一般に高位面ほど古い。再堆積や除去がない場合、段丘面を覆う火山灰の年代で離水時期を制約できる。
判断の手順:段丘礫層を覆う灰の有無を読み、IはK以前、IIはK以後T以前と限定する。高いIが古いという地形の関係とも照合する。
- 選択肢1:不正解
Iの判断は正しいが、IIを覆うTがあるため、IIの離水はT降下より前である。火山灰が載る条件を確認する。 - 選択肢2:正解
IはK・Tの両方に覆われるのでK降下前に離水。IIはKを欠くがTに覆われるのでK降下後、T降下前に離水したと判断できる。 - 選択肢3:不正解
段丘を覆う火山灰は離水後に地表へたまったもので、上にある灰より離水は古い。I・IIの新旧も逆にしている。 - 選択肢4:不正解
IにはKが載っているためK以前に離水している。IIにもTが載るためT以後ではなくT以前に離水している。
復習のポイント:段丘の高さだけでなく、面を覆う地層の上下関係で新旧を確かめる。
関連する一次資料:国土地理院:日本の典型地形・河川の作用による地形
GE035 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
蛇行河川の侵食と流路変化
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
川は左下から上部へ曲がり右下へ流れる。湾曲の外側である上側岸にP、内側である下側岸にQ。
図のP・Q付近で護岸工事がなく、一般的な蛇行が続く場合を考える。河岸の侵食・堆積と、湾曲が拡大する向きの説明として適切なものはどれか。
- Pで侵食しQで堆積するため、川の湾曲はP側へ拡大しやすい。
- Pで侵食しQで堆積するため、川の湾曲はQ側へ拡大しやすい。
- Pで堆積しQで侵食するため、川の湾曲はQ側へ拡大しやすい。
- Pで堆積しQで侵食するため、川の湾曲はP側へ拡大しやすい。
答えと全選択肢の解説
正解:1 Pで侵食しQで堆積するため、川の湾曲はP側へ拡大しやすい。
使う地理の知識:蛇行部では外側で侵食、内側で堆積が起こりやすい。河岸の侵食と砂州の成長によって流路が移動する。
判断の手順:図でPが湾曲外側、Qが内側と確認し、侵食・堆積を対応させる。侵食される岸が後退する側に湾曲が拡大すると判断する。
- 選択肢1:正解
湾曲外側Pの河岸が侵食され、内側Qには砂礫が堆積する。この作用が続くと、湾曲は外側Pへ広がりやすい。 - 選択肢2:不正解
侵食と堆積の位置は正しいが、堆積するQ側へ水路が広がるのではない。岸が削られるP側への移動を考える。 - 選択肢3:不正解
一般的な蛇行では外側Pで流れが強く岸が削られ、内側Qには砂礫がたまる。侵食・堆積の側を逆にしている。 - 選択肢4:不正解
湾曲がP側へ拡大する向きは合うが、原因に挙げた侵食・堆積が逆である。河岸後退は土砂がたまる側ではなく削られる側で生じる。
復習のポイント:侵食・堆積の場所を覚えた後、その作用で流路の形がどう変わるかまで考える。
関連する一次資料:国土地理院:日本の典型地形・河川の作用による地形
GE036 / 300地図・GIS・地形統計読解標準演習
粒径資料からみる堆積環境
資料(学習用モデル値)| 調査項目 | A | B |
|---|
| 位置 | 山地の出口から放射状に広がる | 川沿いの微高地の外側 |
| 地表勾配 | 15m/km | 0.2m/km |
| 礫・砂・泥の割合 | 70%・25%・5% | 5%・20%・75% |
| 地下水 | 地表から比較的深い | 地表近くにある |
日本の同じ平野で、河道から離れた二つの堆積地A・Bを調べた。表の特徴と整合する地形の組合せはどれか。
- A:自然堤防/B:扇状地
- A:後背湿地/B:河岸段丘
- A:三角州/B:自然堤防
- A:扇状地/B:後背湿地
答えと全選択肢の解説
正解:4 A:扇状地/B:後背湿地
使う地理の知識:堆積地形は位置・傾斜・粒径を組み合わせて判定する。扇状地は谷口で粗粒、後背湿地は微高地の背後で細粒になりやすい。
判断の手順:Aの谷口・砂礫・傾斜をまとめて扇状地と判定し、Bの低い位置・泥質・浅い地下水を後背湿地に対応させる。
- 選択肢1:不正解
Aは谷口から広がる礫質の堆積地であり、河道に沿う帯状の自然堤防とは異なる。Bも低地の外側の細粒低湿地で、扇状地ではない。 - 選択肢2:不正解
Aの粗粒で傾斜のある特徴は後背湿地と合わない。Bには河川より高く離水した平坦面という段丘の証拠もない。 - 選択肢3:不正解
Aは河口ではなく山地出口で礫主体なので三角州ではない。Bは川沿いの微高地ではなく、その外側の低湿地である。 - 選択肢4:正解
Aは谷口の勾配が比較的大きく礫の多い扇状地。Bは川沿いの微高地より低く、泥が多く排水しにくい後背湿地に当たる。
復習のポイント:粒径一つで地形を決めず、堆積物と地形の位置・傾斜を照合する。
関連する一次資料:国土地理院:地形分類国土地理院:日本の典型地形・河川の作用による地形
GE037 / 300地図・GIS・地形事例判断標準演習
沈水海岸の形成過程と地域
海岸の観察記録(学習用の設定)| 海岸 | 湾周辺での観察 |
|---|
| A | 湾が樹枝状に分岐し、陸上側へV字状の谷が続く。 |
| B | 湾の側壁が急で水深が大きい。支谷の底が本谷より高く、滝が見られる。 |
表のA・Bは沈水によって生じた海岸の観察記録である。地形名と、同じ成因の海岸が広く見られる地域の組合せとして適切なものはどれか。
- A:リアス海岸・スペイン北西岸/B:フィヨルド・ノルウェー西岸
- A:フィヨルド・ノルウェー西岸/B:リアス海岸・スペイン北西岸
- A:フィヨルド・スペイン北西岸/B:リアス海岸・ノルウェー西岸
- A:リアス海岸・ノルウェー西岸/B:フィヨルド・スペイン北西岸
答えと全選択肢の解説
正解:1 A:リアス海岸・スペイン北西岸/B:フィヨルド・ノルウェー西岸
使う地理の知識:リアス海岸は河川の谷、フィヨルドは氷河に削られた谷が沈水してできる。氷河谷にはU字形断面や懸谷が見られる。
判断の手順:AのV字状に分岐した谷とBのU字・懸谷をそれぞれ河川・氷河の作用に対応させ、世界の代表地域を照合する。
- 選択肢1:正解
Aは河川の谷の沈水によるリアス海岸でスペイン北西岸が代表例。Bは氷河で深く削られた谷の沈水によるフィヨルドでノルウェー西岸に多い。 - 選択肢2:不正解
Aの分岐するV字谷は河川の作用、Bの深いU字谷と懸谷は氷河の作用を示す。地形名と記録の対応が逆である。 - 選択肢3:不正解
A・Bの地形名が逆で、地域との組合せも形成過程に合わない。断面と支谷の高さをもとに河川・氷河の作用を分ける。 - 選択肢4:不正解
地形名は正しいが、典型的な地域の対応が逆。ノルウェー西岸は氷河に削られた深い湾、スペイン北西岸はリアスの名の由来でもある海岸が見られる。
復習のポイント:入り組んだ海岸という外観だけでなく、谷の断面と侵食作用から成因を区別する。
関連する一次資料:国土地理院:日本の典型地形・海の作用による地形国土地理院:氷河・周氷河作用による地形
GE038 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
砂の移動と海岸堆積地形
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
平面図。左上が陸、右と下が海。沿岸方向に右へ運ばれた砂が、陸から右へ伸びる細長いXをつくる。X先端は島や対岸に接しない。
図のXの形成が続く沿岸で、陸地に近い上流側に砂の移動を遮る突堤を設ける。河川からの新たな砂の供給はなく、波の条件は変わらない。Xの地形名と、突堤より下流側の変化として適切なものはどれか。
- 砂嘴/砂の供給が増え、先端が伸びやすくなる。
- 砂嘴/砂の供給が減り、侵食されやすくなる。
- 陸繋砂州/砂の供給が減り、侵食されやすくなる。
- 陸繋砂州/砂の供給が増え、先端が伸びやすくなる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 砂嘴/砂の供給が減り、侵食されやすくなる。
使う地理の知識:砂嘴は一端が陸とつながる細長い堆積地形である。沿岸漂砂を遮る構造物は砂の収支を変え、下流側の侵食を引き起こすことがある。
判断の手順:Xの先端が島や対岸につながらないことから砂嘴と判定し、図の砂の移動方向をたどって突堤下流側の供給減を考える。
- 選択肢1:不正解
地形名は正しいが、突堤が上流側の砂を捕捉すると下流側の供給は減る。突堤の上流側と下流側を取り違えている。 - 選択肢2:正解
Xは片側で陸につながり海へ延びる砂嘴。上流側で沿岸漂砂を遮ると下流へ届く砂が減り、波による持ち去りが勝って侵食されやすくなる。 - 選択肢3:不正解
供給減による侵食の説明は正しいが、Xは島と陸を結んでいない。陸繋砂州は島との接続が地形判定の要点となる。 - 選択肢4:不正解
Xは陸繋砂州ではなく砂嘴であり、上流側で遮られた砂が下流へ増えて届くわけでもない。形と物質移動の両方が逆になっている。
復習のポイント:沿岸地形では、形の名称に加えて漂砂の向きと供給・流出の釣合いを読む。
関連する一次資料:国土地理院:日本の典型地形・海の作用による地形国土交通省:流砂系の総合的な土砂管理に向けて
GE039 / 300地図・GIS・地形地図読解複合演習
海成段丘と地盤の隆起
高さ・年代は計算練習のための学習用モデル値。図は形の模式図で、縦の縮尺は数値の測定に用いない。
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
断面図。海成の堆積物と貝化石を含む旧海岸の平坦面が、右側の現在の海面より上にある。
図の旧汀線は現在の海面から50m上にあり、約12万5千年前に形成された。当時の世界的な海面は現在より約6m高かったとする。堆積後の侵食による高さの変化を無視すると、この間の平均的な隆起速度に最も近い値はどれか。
- 0.35mm/年
- 0.45mm/年
- 0.40mm/年
- 3.5mm/年
答えと全選択肢の解説
正解:1 0.35mm/年
使う地理の知識:旧汀線の現在の高さは地盤の上下変動だけでなく、形成当時の海面の高さも反映する。海成段丘から隆起を読むには相対海水準を分ける。
判断の手順:現在の旧汀線50mから形成時の海面6mを引いて44mを求め、mmへ換算して12万5千年で割る。
- 選択肢1:正解
当時の海面自体が6m高かったため、地盤の隆起量は50−6=44m。44000mm÷125000年=0.352mm/年となる。 - 選択肢2:不正解
50+6=56mとした計算に近い。高海面期にできた汀線なので、現在の高さから当時の海面の6mを引いて地盤の変化を求める。 - 選択肢3:不正解
50mをそのまま12万5千年で割った値に近いが、当時の海面が現在より6m高かったことを補正していない。 - 選択肢4:不正解
隆起量44mの考え方でも、mからmmと年の桁をそろえないと10倍の誤差が生じる。44mは44000mmである。
復習のポイント:海成段丘の高さを全て地盤隆起とせず、形成時の海面変動を補正する。
関連する一次資料:国土地理院:日本の典型地形・海の作用による地形
GE040 / 300地図・GIS・地形事例判断標準演習
岩石の性質と地表・地下の排水
内陸の台地で、円形のくぼみが多く、地表を流れる川が少ない一方、地下洞窟には流水がある。露出する岩石には貝殻などの化石が含まれる。この地形の形成と土地利用上の特徴を説明するものはどれか。
- 石灰岩の溶食で地下排水が発達し、地表の水利用が制約されることがある。
- 砂岩の波食で洞窟ができ、現在も潮の干満で地下水位が変わる。
- 花崗岩の風化でくぼみができ、台地全体に地下河川が均等に広がる。
- 玄武岩の冷却収縮でくぼみができ、地表で水田用水を得やすい。
答えと全選択肢の解説
正解:1 石灰岩の溶食で地下排水が発達し、地表の水利用が制約されることがある。
使う地理の知識:カルストは石灰岩などの溶食で発達し、閉じたくぼみや洞窟、地下排水が特徴になる。岩石の成因も地形判読の手がかりとなる。
判断の手順:化石を含む岩石とくぼみ・洞窟の組合せから石灰岩の溶食を考え、地下への排水と地表水の少なさを結び付ける。
- 選択肢1:正解
化石を含む石灰岩が二酸化炭素を含む水で溶け、ドリーネや洞窟が発達したカルスト地形と考えられる。地下へ排水され、地表での水の確保に制約が生じることがある。 - 選択肢2:不正解
対象は海から離れた内陸台地であり、現在の波や潮汐を地形形成・水位変化の原因とする根拠はない。岩石の溶食を検討すべき条件である。 - 選択肢3:不正解
花崗岩は深成岩で、記録の貝殻化石を含む岩石とは異なる。風化による地形だけでは洞窟と地下流水の組合せを説明できない。 - 選択肢4:不正解
玄武岩の冷却で柱状節理などはできるが、化石を含む岩石と溶食性のくぼみ・地下流水の組合せには合わない。地表水の少なさとも矛盾する。
復習のポイント:地形の形、岩石、排水経路という複数の証拠を照合する。
関連する一次資料:国土地理院:地質を反映した地形
GE041 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
谷の断面と支谷の高さ
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
Aは細い谷底を持つV字状の断面で流水の侵食痕がある。Bは広い谷底と急な側壁を持つU字状の断面で、岩盤に平行な擦痕がある。
図のA・Bのうち、主谷へ合流する支谷の底が高い位置に残り、合流部に滝が形成されやすい谷を選ぶ。そのような高さの差が生じる理由との組合せはどれか。
- A/本流の側方侵食で、支流の流量が増えたため。
- B/主谷に大量の土砂が堆積し、支谷より高くなったため。
- B/厚い氷河があった主谷が、支谷より強く削られたため。
- A/河口で海面が上昇し、本流の堆積が支流より多くなったため。
答えと全選択肢の解説
正解:3 B/厚い氷河があった主谷が、支谷より強く削られたため。
使う地理の知識:氷河谷は広い谷底と急な側壁を持つU字形になりやすい。主谷と支谷の氷河侵食の強さが違うと懸谷が残る。
判断の手順:断面Bを氷河谷と読み、主谷の方が深く削られると支谷が高い位置に残ることを考える。退氷後の水流と滝へ結び付ける。
- 選択肢1:不正解
Aに河川作用は見られるが、側方侵食と支流流量の増大から高い位置に支谷が残ることは説明できない。主谷と支谷の下刻差に注目する。 - 選択肢2:不正解
支谷が主谷より高い条件なのに、主谷が堆積で高くなるとする説明は逆である。Bでは地表を削る氷河作用を考える。 - 選択肢3:正解
BはU字状の氷河谷。主谷の厚い氷河がより深く削るため、合流する小さな支谷の底が高く残り、退氷後に懸谷となることがある。 - 選択肢4:不正解
AはV字状の河川谷である。海面上昇や本流の堆積で主谷底が上がる過程は、支谷が高く残る氷河の懸谷の説明とは異なる。
復習のポイント:谷の断面形から作用を判定し、侵食の強さの差が合流部の高低差を生むと考える。
関連する一次資料:国土地理院:氷河・周氷河作用による地形国土地理院:日本の典型地形・河川の作用による地形
GE042 / 300地図・GIS・地形事例判断標準演習
氷河周辺の堆積物の識別
堆積物の観察記録(学習用の設定)| 堆積物 | 位置・形状 | 粒径と構造 |
|---|
| A | 谷の旧末端付近の弧状の丘 | 粘土から巨礫まで混在し、層理が不明瞭。礫に擦痕がある。 |
| B | その丘より下流へ続く河道状の広がり | 砂と礫が粒径ごとに分かれた層をつくる。 |
かつて氷河のあった谷でA・Bの堆積物を調べた。形成過程の組合せとして適切なものはどれか。
- A:融氷水による運搬・堆積/B:氷河による直接の運搬・堆積
- A:氷河による直接の運搬・堆積/B:風による運搬・堆積
- A:氷河による直接の運搬・堆積/B:融氷水による運搬・堆積
- A:風による運搬・堆積/B:氷河による直接の運搬・堆積
答えと全選択肢の解説
正解:3 A:氷河による直接の運搬・堆積/B:融氷水による運搬・堆積
使う地理の知識:氷河が直接残す堆積物は粒径のそろい方が悪い。融氷水による堆積物は流水の選別を受け、層理や粒径の違いが生じやすい。
判断の手順:Aの粒径混在と擦痕、Bの河道状分布と層理を読み、氷そのものの運搬と融けた水の運搬へ対応させる。
- 選択肢1:不正解
氷河の直接堆積物Aは粒径が混じり淘汰が悪い。水流で運ばれたBには粒径ごとの層が発達しており、両者の対応が逆である。 - 選択肢2:不正解
Aは正しいが、Bには流水で動き得る砂礫と河道沿いの層が見られる。風成の砂丘などの粒子の選別とは堆積場所・粒径が異なる。 - 選択肢3:正解
Aは氷河が運んだ岩屑を残すモレーンなどの直接堆積物で、粒径が混在する。Bは融氷水によって粒子が選別されながら堆積したものと考えられる。 - 選択肢4:不正解
風では巨礫まで一緒に運搬しにくい。Aの粘土から巨礫までの混在を風成堆積物とするのは不適切で、Bの層理も直接の氷河堆積とは合わない。
復習のポイント:氷河の周辺でも、氷が直接運んだのか融氷水が運んだのかを堆積構造で分ける。
関連する一次資料:国土地理院:氷河・周氷河作用による地形
GE043 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
海底拡大と海洋地殻の年代
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
海の下にある左右のプレートが中央から離れる向きに動く断面図。中央の下から高温物質が上昇している。
図の中央を境として左右へ同じ速さで海底が広がったとする。中央からの距離と海洋地殻の年代の対応、さらに海底堆積物の厚さの一般的な傾向として適切なものはどれか。大きな堆積速度の地域差はないものとする。
- 中央ほど新しい/中央ほど堆積物が厚い。
- 中央ほど新しい/中央から離れるほど堆積物が厚い。
- 中央ほど古い/中央ほど堆積物が厚い。
- 中央ほど古い/中央から離れるほど堆積物が厚い。
答えと全選択肢の解説
正解:2 中央ほど新しい/中央から離れるほど堆積物が厚い。
使う地理の知識:海嶺では海洋地殻が形成されて両側へ移動する。海底の年代と堆積物の蓄積時間を結び付けて読む。
判断の手順:図の離れる運動から中央を新しい地殻の形成場所と判定し、距離と経過時間の関係を堆積物の厚さへ結び付ける。
- 選択肢1:不正解
中央の地殻が新しい点は正しい。堆積速度に大きな差がない条件では、古い地殻ほど堆積する時間が長く、遠い側で厚くなる。 - 選択肢2:正解
海嶺で生まれた地殻が左右へ移動するので、中央ほど新しい。遠いほど古く、堆積を受ける時間が長いため、堆積物は厚くなる傾向がある。 - 選択肢3:不正解
図は海嶺で新しい地殻が供給される発散境界である。中央が古いのではなく、中央ほど新しく堆積する時間も短い。 - 選択肢4:不正解
遠方で堆積物が厚くなる点は正しいが、地殻の年代は中央ほど新しい。海嶺を地殻が集まる消滅境界と混同している。
復習のポイント:プレート境界の運動から、地殻の年代分布と堆積の時間を推定する。
関連する一次資料:気象庁:地震発生のしくみ気象庁:火山噴火の仕組み
GE044 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
沈み込みと震源の分布
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
左の海洋プレートは右へ進み、右側の陸側プレートの下へ傾いて沈み込む。境界の地表近くに海溝、陸側に火山がある。
図の海溝から陸側へ離れた地点で震源の深さを調べる。図に対応する沈み込んだプレート内の地震を表す分布と、同じ種類の境界がある地域の組合せはどれか。
- 陸側へ深くなる/アンデス山脈の太平洋側
- 陸側へ浅くなる/アンデス山脈の太平洋側
- 陸側へ深くなる/大西洋中央海嶺
- 陸側へ浅くなる/大西洋中央海嶺
答えと全選択肢の解説
正解:1 陸側へ深くなる/アンデス山脈の太平洋側
使う地理の知識:沈み込むプレート内の地震は海溝から陸側へ深くなる帯状分布を示す。アンデスと中央海嶺では境界の種類が異なる。
判断の手順:図で海洋プレートが陸側の下へ傾くことを確認し、その傾きに震源を対応させる。世界の代表地域から同じ収束境界を選ぶ。
- 選択肢1:正解
海洋プレートは海溝から陸側の地下へ傾いて沈むため、その内部の震源は陸側ほど深くなる。アンデスの太平洋側も海洋プレートの沈み込みに伴う境界である。 - 選択肢2:不正解
アンデスの地域対応は正しいが、陸側へ進むほど沈んだプレートの位置は深くなる。海溝からの向きと深さの関係が逆である。 - 選択肢3:不正解
陸側へ深くなる分布は合うが、大西洋中央海嶺はプレートが離れる発散境界である。沈み込む面に沿う深い地震分布とは異なる。 - 選択肢4:不正解
震源の深くなる向きが逆で、地域も発散境界を挙げている。断面のプレート運動と世界の地体構造を照合する。
復習のポイント:震源の深さの変化から沈み込みの向きを読み、地域のプレート境界と結び付ける。
関連する一次資料:気象庁:地震発生のしくみUSGS:Nazca Plate and South Americaの地震活動
GE045 / 300地図・GIS・地形事例判断標準演習
山脈・地溝とプレート境界
地殻変動の観察記録(学習用の設定)| 地域 | 地殻変動の記録 |
|---|
| A | 両側が大陸地殻。圧縮で地層が褶曲し、地殻が厚くなる。 |
| B | 大陸地殻が引き伸ばされ、正断層に挟まれた細長い凹地ができる。 |
A・Bの観察記録を、形成が続く地域の代表例と結び付ける。最も適切な組合せはどれか。
- A:アンデス山脈/B:ヒマラヤ山脈
- A:東アフリカ大地溝帯/B:アンデス山脈
- A:ヒマラヤ山脈/B:アンデス山脈
- A:ヒマラヤ山脈/B:東アフリカ大地溝帯
答えと全選択肢の解説
正解:4 A:ヒマラヤ山脈/B:東アフリカ大地溝帯
使う地理の知識:大陸衝突は褶曲と地殻の肥厚、大陸の伸張は正断層と地溝を伴う。ヒマラヤ・東アフリカ・アンデスの成因を区別する。
判断の手順:Aの圧縮と大陸地殻の肥厚、Bの引張りと陥没という二組の特徴を読み、それぞれの地体構造の代表地域に当てはめる。
- 選択肢1:不正解
アンデスは海洋プレートの沈み込みを伴うためAの大陸同士という条件に合わない。ヒマラヤもBの引張り・地溝とは異なる。 - 選択肢2:不正解
東アフリカはAの圧縮ではなく引張り、アンデスはBの大陸分裂ではなく収束境界である。プレート運動の向きが逆になる。 - 選択肢3:不正解
Aは正しいが、Bの正断層と地溝は引張りを示す。アンデスの海洋プレート沈み込みによる圧縮と火山帯とは区別する。 - 選択肢4:正解
Aは大陸同士の衝突で地殻が厚くなるヒマラヤに対応する。Bは大陸地殻が引き伸ばされる東アフリカ大地溝帯の成因と合う。
復習のポイント:高い山や火山があるという共通点だけでなく、地殻が押されるか引かれるかで地域を判定する。
関連する一次資料:気象庁:地震発生のしくみUSGS:The Himalayas: Two continents collideUSGS:Seismicity of the Earth, East African Rift
GE046 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
横ずれ境界と地震・地殻の生成
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
縦の境界線の左がA、右がB。Aの矢印は上向き、Bは下向きで、両者は境界線に平行に反対方向へ進む。
図のような境界に伴う地殻の生成・消滅と地震の特徴の組合せとして適切なものはどれか。図は境界での相対運動だけを示す。
- 地殻の生成・消滅を伴わない/浅い地震が境界に沿って分布する。
- 地殻を沈み込ませる/浅い地震が境界に沿って分布する。
- 海洋地殻を生成する/境界直下に深い地震帯が延びる。
- 地殻の生成・消滅を伴わない/陸側へ深くなる地震帯が延びる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 地殻の生成・消滅を伴わない/浅い地震が境界に沿って分布する。
使う地理の知識:横ずれ境界ではプレートが境界に平行に移動し、発散・沈み込みとは地殻の収支が異なる。地震は浅い領域に生じやすい。
判断の手順:図の矢印が境界と平行であることから横ずれ境界と判定し、地殻の生成・消滅と震源の深さの特徴を対応させる。
- 選択肢1:正解
両側は境界に沿って水平にすれ違い、この相対運動自体では地殻を新たに作ったり消滅させたりしない。地震は主として浅い断層に沿う。 - 選択肢2:不正解
横ずれ境界で浅い地震が起こる点は正しいが、図ではプレートが境界に向かって沈み込む運動はない。 - 選択肢3:不正解
地殻の生成は主として発散境界で起こる。図は境界に平行な横ずれで、深い沈み込み地震帯の形成も示さない。 - 選択肢4:不正解
地殻の生成・消滅を伴わない点は合うが、陸側へ傾いて深くなる震源分布は沈み込み帯の特徴である。
復習のポイント:プレート運動の向きから境界の種類を決め、地形だけでなく地震分布も確認する。
関連する一次資料:気象庁:地震発生のしくみ
GE047 / 300地図・GIS・地形地図読解標準演習
火山列の年代とプレート移動速度
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
東が右、西が左。東端に0百万年前の火山、その西に2百万年前、さらに西に4百万年前の火山。地下供給源は東端に固定している。
資料(学習用モデル値)| 形成後の年代 | 現在の供給源からの位置 |
|---|
| 0百万年 | 0km |
| 2百万年 | 西へ200km |
| 4百万年 | 西へ400km |
図と表の火山列が、位置の固定したマグマ供給源の上をプレートが一定方向へ移動してできたとする。プレートの移動方向と平均速度の組合せはどれか。年代は火山形成後の経過時間である。
- 西向き/約10cm/年
- 東向き/約10cm/年
- 東向き/約1cm/年
- 西向き/約1cm/年
答えと全選択肢の解説
正解:1 西向き/約10cm/年
使う地理の知識:固定したホットスポット上でできた火山はプレートとともに移動するので、年代の古い側が移動方向を示す。
判断の手順:東の0百万年から西の2・4百万年への並びを読む。隣接する火山の距離200kmを年代差200万年で割る。
- 選択肢1:正解
供給源上の新しい火山から古い火山が西へ並ぶためプレートは西へ移動する。200km/200万年=0.1m/年=10cm/年となる。 - 選択肢2:不正解
速度10cm/年は正しいが、プレートは供給源から離れる古い火山の側へ動く。新しい火山の側を移動先とした向きが逆である。 - 選択肢3:不正解
移動方向も速度の桁も異なる。新しい火山から古い火山へ年代順にたどり、距離と時間の単位をそろえる必要がある。 - 選択肢4:不正解
古い火山が西にあるため移動方向は合うが、200kmは2000万cm。200万年で割ると10cm/年であり、1cm/年ではない。
復習のポイント:火山列では年代の並びで向きを、距離と年代差で速度を別々に求める。
関連する一次資料:気象庁:火山噴火の仕組みUSGS:What is a hotspot and how do you know it is there?
GE048 / 300地図・GIS・地形知識確認標準演習
地形の形成作用の対応
次の地形のうち、侵食による地形と堆積による地形を正しく並べたものはどれか。
- 侵食:モレーン・砂嘴/堆積:カール・海食台
- 侵食:カール・海食台/堆積:モレーン・砂嘴
- 侵食:モレーン・海食台/堆積:カール・砂嘴
- 侵食:カール・砂嘴/堆積:モレーン・海食台
答えと全選択肢の解説
正解:2 侵食:カール・海食台/堆積:モレーン・砂嘴
使う地理の知識:一つの作用主体にも侵食・運搬・堆積の働きがある。地形名と形成物質・形を関連付けて区別する。
判断の手順:氷河地形のカール・モレーンをまず削る/積もるで分け、波・沿岸流の海食台・砂嘴でも同様に区分する。
- 選択肢1:不正解
モレーンと砂嘴はいずれも堆積、カールと海食台はいずれも侵食によるため、全ての対応が逆になっている。 - 選択肢2:正解
カールは氷河が削る椀状のくぼみ、海食台は波が削る平坦面。モレーンは氷河が残す岩屑、砂嘴は沿岸漂砂が積もる細長い地形である。 - 選択肢3:不正解
海食台と砂嘴は正しいが、氷河の侵食地形カールと堆積地形モレーンが逆である。同じ作用主体でも侵食・堆積を区別する。 - 選択肢4:不正解
氷河地形の区分は正しいが、海食台は波の侵食、砂嘴は砂の堆積による。沿岸地形の分類が逆になっている。
復習のポイント:地形名は「何が」「削ったか積もらせたか」の二軸で整理する。
関連する一次資料:国土地理院:氷河・周氷河作用による地形国土地理院:日本の典型地形・海の作用による地形
GE049 / 300地図・GIS・地形事例判断標準演習
旧版地図と微地形の照合
新旧地図と標高の観察(学習用の設定)| 資料 | Xで確認したこと |
|---|
| 旧版地図 | 蛇行する川がXの位置を通る |
| 現在の地図 | 内陸平野で川は直線化され、Xから離れている |
| 標高データ | Xは周囲よりやや低い帯状地として続く |
平野のXについて表の資料を得た。地形の解釈と、追加調査でその解釈を確かめる方法として適切なものはどれか。
- 自然堤防/Xが両岸より高く砂質の微高地かを調べる。
- 旧河道/蛇行した流路の形と地下の河川堆積物を照合する。
- 河岸段丘/Xを現在の川より高い連続した平坦面として追跡する。
- 砂州/Xと現在の海岸に沿う漂砂の移動方向を照合する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 旧河道/蛇行した流路の形と地下の河川堆積物を照合する。
使う地理の知識:旧河道は過去の川の跡で周囲より低い帯状地になりやすい。旧版地図と現在の標高・地層を照合することで地形形成を検証する。
判断の手順:旧版の流路と現在の低地が重なることから旧河道の仮説を立て、その形と地層という別の資料で確かめる。
- 選択肢1:不正解
自然堤防は河道沿いの微高地である。Xは旧流路そのものと一致し周囲より低いため、微高地を主とする解釈は資料に合わない。 - 選択肢2:正解
旧地図の流路が現在の低い帯状地と重なるため、旧河道と解釈できる。蛇行形の連続性や埋積した河川堆積物を追加確認すれば根拠を強められる。 - 選択肢3:不正解
河岸段丘は離水して現在の氾濫原より高く残る平坦面であり、旧流路に沿う低い帯というXの形と合わない。 - 選択肢4:不正解
Xは内陸平野の旧流路と一致している。現在の海岸の漂砂と関連させるには別の証拠が必要で、提示資料は河川由来を支持する。
復習のポイント:新旧地図で位置の一致を確かめ、微地形や地層という独立した証拠で解釈を補強する。
関連する一次資料:国土地理院:地形分類国土地理院:GISとは
GE050 / 300地図・GIS・地形地図読解複合演習
河川沿いの堆積物と土地利用
大規模な用水路・暗渠排水・盛土などによる改変前の一般的な条件を考える。特定地域の農業を断定する設問ではない。
学習用模式図(架空の地域・条件)図の内容を文章で確認
北が上。西の山地から出た川は谷口Aで扇状の低地へ入り、東へ流れて海に注ぐBで分流する。Aは谷口、Bは河口。
地点P・Qの調査記録(学習用の設定)| 地点 | 主な地表堆積物 | 地下水と表流水 |
|---|
| P | 礫と粗い砂 | 地下水面は深めで、河川水が浸透して減る区間がある |
| Q | 細かな砂と泥 | 地下水面が浅く、排水の悪い場所が広い |
図のA周辺の扇状に広がる地形とB周辺の河口低地に、表の調査地点P・Qを対応させる。資料と地形の知識から判断した組合せとして適切なものはどれか。
- A:Q、B:P/Aでは水田、Bでは果樹園の立地と整合しやすい。
- A:Q、B:P/Aでは果樹園、Bでは水田の立地と整合しやすい。
- A:P、B:Q/Aでは果樹園、Bでは水田の立地と整合しやすい。
- A:P、B:Q/Aでは水田、Bでは果樹園の立地と整合しやすい。
答えと全選択肢の解説
正解:3 A:P、B:Q/Aでは果樹園、Bでは水田の立地と整合しやすい。
使う地理の知識:河川が運ぶ粒子は下流ほど細かくなる傾向があり、谷口の扇状地と河口低地では透水性・地下水・利用条件が違う。
判断の手順:図から谷口Aと河口Bを判読し、粗粒で浸透しやすいPと細粒で地下水の浅いQを対応させる。次に水の条件を農地利用へ結び付ける。
- 選択肢1:不正解
粒径と地形の位置も、自然の水条件に対応する土地利用も逆。A・Bを同じ河川の上下流として物質の選別と排水条件を結び付ける。 - 選択肢2:不正解
土地利用の組合せは典型例と合うが、P・Qの対応が逆。粗い砂礫で浸透しやすいPを谷口Aへ、泥質のQを河口Bへ対応させる。 - 選択肢3:正解
谷口の扇状地Aには粗い砂礫と地下への浸透を持つP、河口低地Bには細かな泥と浅い地下水を持つQが対応する。排水性の差は果樹園と水田の立地条件と整合する。 - 選択肢4:不正解
P・Qの対応は正しいが、用水・排水を大規模に改良しない条件では、一般にAは水田用水、Bは果樹園の排水で制約を受けやすい。
復習のポイント:地形の位置→堆積物→水の動き→土地利用の順に、複数資料をつないで判断する。
関連する一次資料:国土地理院:地形分類国土地理院:日本の典型地形・河川の作用による地形
気候・自然環境 50問雨温図・気候区分・風と降水・植生・土壌
GE051 / 300気候・自然環境雨温図標準演習
雨温図から大陸東西の違いを読む
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 4 | 5 | 9 | 14 | 19 | 23 | 26 | 27 | 23 | 17 | 11 | 6 |
| 降水量(mm) | 50 | 55 | 80 | 100 | 120 | 150 | 160 | 130 | 170 | 120 | 75 | 50 |
地点Pは緯度30〜40度の低地にある。雨温図に合う半球・大陸内の位置・夏の水蒸気の供給の組合せを選べ。
- 南半球の大陸東岸/低緯度の海洋から湿った空気が入りやすい
- 南半球の大陸西岸/夏に偏西風に伴う低気圧が頻繁に通る
- 北半球の大陸西岸/夏に偏西風に伴う低気圧が頻繁に通る
- 北半球の大陸東岸/低緯度の海洋から湿った空気が入りやすい
答えと全選択肢の解説
正解:4 北半球の大陸東岸/低緯度の海洋から湿った空気が入りやすい
使う地理の知識:温帯では大陸東岸と西岸で降水の季節配分が異なる。半球は気温の季節変化から読む。
判断の手順:最暖期が7〜8月であることから北半球と判断する。次に夏の降水が多いことを、大陸東岸に湿った空気が流入するしくみと結び付ける。
- 選択肢1:不正解
大陸東岸の夏季多雨は合うが、南半球の夏は12〜2月なので気温曲線と合わない。 - 選択肢2:不正解
南半球なら最暖期が逆になり、さらにこの緯度の西岸は夏の低気圧より亜熱帯高圧帯の影響を受けやすい。 - 選択肢3:不正解
半球は合うが、この緯度の大陸西岸では夏に亜熱帯高圧帯の影響が強くなり、冬に比べ乾燥しやすい。 - 選択肢4:正解
7〜8月が高温なので北半球である。夏にも雨が多く、温帯の大陸東岸で海洋から湿った空気が入る条件と整合する。
復習のポイント:気温で半球を確かめてから、降水の季節配分を大陸の東西と照合する。
関連する一次資料:Beck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表NOAA|Global Atmospheric Circulations
GE052 / 300気候・自然環境雨温図標準演習
南アメリカ低緯度の雨季と植生
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 27 | 27 | 26 | 24 | 22 | 21 | 20 | 22 | 24 | 26 | 27 | 27 |
| 降水量(mm) | 260 | 240 | 200 | 90 | 30 | 10 | 5 | 10 | 25 | 80 | 170 | 280 |
南アメリカ内陸の低緯度にある地点Pについて、乾季の季節と自然植生の組合せを選べ。植生は伐採・放牧の影響を受ける前を考える。
- 冬に乾燥/草原に樹木が点在するサバナ
- 夏に乾燥/草原に樹木が点在するサバナ
- 冬に乾燥/針葉樹が優占するタイガ
- 夏に乾燥/小さく硬い葉をもつ硬葉樹林
答えと全選択肢の解説
正解:1 冬に乾燥/草原に樹木が点在するサバナ
使う地理の知識:サバナは熱帯の雨季・乾季の交替と関係する。南半球の低温期は6〜8月に当たる。
判断の手順:気温が低い6〜8月が少雨期と重なることを読む。全月の高温と明瞭な乾季を合わせ、冬季乾燥とサバナを選ぶ。
- 選択肢1:正解
6〜8月は気温が低く少雨なので南半球の冬の乾季である。全月高温で雨季と乾季が分かれる条件はサバナの分布と整合する。 - 選択肢2:不正解
サバナは合うが、6〜8月は南半球の冬である。日本と同じ月を夏と扱うと季節を逆にする。 - 選択肢3:不正解
乾季の季節は合うが、タイガは冬の寒さが厳しい冷帯の代表的な植生であり、この高温の年変化とは合わない。 - 選択肢4:不正解
硬葉樹林は温帯の夏季乾燥への適応を示す。図は高温の時期に雨が多いので地中海性の配分ではない。
復習のポイント:「何月が少雨か」を「どの季節が少雨か」に直して植生を判断する。
関連する一次資料:Beck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表NASA|Mission: Biomes
GE053 / 300気候・自然環境雨温図複合演習
高温多雨な低地の自然環境
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 26 | 26 | 27 | 27 | 27 | 26 | 26 | 26 | 26 | 27 | 27 | 26 |
| 降水量(mm) | 190 | 160 | 200 | 220 | 210 | 150 | 120 | 130 | 180 | 240 | 250 | 220 |
雨温図の地点Pは低地で、古い地表に自然林が広がる。気候と、森林を長期間伐採した際に注意すべき土壌の性質の組合せを選べ。
- Af/分解が低温で抑えられ、厚い腐植が地中に長く蓄積しやすい
- Af/有機物の分解や溶脱が進みやすく、森林の繁茂と土壌の肥沃さは同じではない
- Cfb/冬に広葉樹が落葉し、腐植の蓄積と鉱物の風化がほぼ停止する
- Aw/乾季に枯れた草の根が蓄積し、厚い黒色表層が形成されやすい
答えと全選択肢の解説
正解:2 Af/有機物の分解や溶脱が進みやすく、森林の繁茂と土壌の肥沃さは同じではない
使う地理の知識:熱帯雨林気候は年中高温多雨である。高温多湿な古い地表では化学的風化と溶脱が進む。
判断の手順:全月の気温と最少雨月の降水量からAfを判断する。その環境での分解・溶脱を考え、植生量と土壌養分を区別する。
- 選択肢1:不正解
Afの判定はよいが低温による分解抑制は寒冷地の話である。熱帯雨林の豊かな植生から厚い腐植を推定してはいけない。 - 選択肢2:正解
全月高温で、最少雨月も60mmを大きく上回るためAfである。高温多湿下では分解・溶脱が進み、栄養分の多くが植生に保持される場合がある。 - 選択肢3:不正解
最寒月も26℃あり温帯ではない。また温帯の冬でも土壌形成過程が一律に停止するわけではない。 - 選択肢4:不正解
乾季が明瞭ではないのでAwとは読めない。厚い黒色腐植層は中緯度草原のチェルノーゼムなどとの混同である。
復習のポイント:雨温図による気候の判定を、植生と土壌の形成過程へつなぐ。
関連する一次資料:Beck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表FAO|Lecture Notes on the Major Soils of the World — FerralsolsNASA|Mission: Biomes
GE054 / 300気候・自然環境計算標準演習
年較差と大陸性
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | -12 | -9 | -2 | 7 | 15 | 21 | 24 | 22 | 15 | 7 | -2 | -9 |
| 降水量(mm) | 20 | 20 | 25 | 35 | 50 | 70 | 90 | 75 | 55 | 40 | 30 | 25 |
資料(学習用モデル値)| 地点 | 最寒月平均気温 | 最暖月平均気温 |
|---|
| Q | 6℃ | 18℃ |
図は地点P、表は地点Qの資料である。P・Qは北緯45度前後で標高差は小さい。Pの年較差と、Qより年較差が大きい主な背景の組合せを選べ。
- 36℃/Pは海洋から離れ、陸面の加熱・冷却の影響が強い
- 12℃/Pは海洋から離れ、陸面の加熱・冷却の影響が強い
- 36℃/Pは海洋の影響が強く、冬の熱供給と夏の冷却を受ける
- 24℃/Pは海洋の影響が強く、冬の熱供給と夏の冷却を受ける
答えと全選択肢の解説
正解:1 36℃/Pは海洋から離れ、陸面の加熱・冷却の影響が強い
使う地理の知識:海洋は陸地より温まりにくく冷めにくいため、海洋性の気候では気温年較差が小さくなりやすい。
判断の手順:Pの最暖月24℃と最寒月−12℃から36℃を求める。Qの12℃と比較し、緯度・標高以外の海陸配置の違いを考える。
- 選択肢1:正解
Pは24−(−12)=36℃、Qは18−6=12℃である。同緯度・同標高の条件では、内陸の大陸性がPの大きな年較差を説明する。 - 選択肢2:不正解
12℃はQの年較差である。Pは冬の負の気温を含むので、24から−12を引く必要がある。 - 選択肢3:不正解
36℃は正しいが、海洋の熱的な影響は一般に冬を暖かく夏を涼しくし、年較差を小さくする方向に働く。 - 選択肢4:不正解
24℃はPの最暖月平均気温であり年較差ではない。海洋の影響が強い条件も、大きな年較差の説明にならない。
復習のポイント:年較差を計算した後、緯度・標高が同じなら海からの距離や風向を検討する。
関連する一次資料:NOAA|How does the ocean affect climate and weather?NOAA|Climate Zones
GE055 / 300気候・自然環境計算複合演習
年降水量が同じ二つの季節配分
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 5 | 6 | 9 | 14 | 18 | 22 | 26 | 27 | 23 | 17 | 11 | 7 |
| 降水量(mm) | 40 | 50 | 70 | 80 | 100 | 150 | 180 | 160 | 140 | 110 | 70 | 50 |
資料(学習用モデル値)| Qの指標 | 値 |
|---|
| 最寒月/最暖月 | 8℃/25℃ |
| 年降水量 | 1,200mm |
| 7月降水量(夏の最少雨月) | 5mm |
| 12月降水量(冬の最多雨月) | 250mm |
| 12〜2月/6〜8月の各月降水量 | 冬は各月200mm以上/夏は各月20mm未満 |
図のPと、表のQは北半球の温帯低地で、乾燥帯には属さない。Pの年降水量と、Qに適した気候の説明の組合せを選べ。
- 1,200mm/Qは温暖湿潤気候で、暖かい時期に降水が集中する
- 1,200mm/Qは地中海性気候で、暖かい時期に水分不足が生じやすい
- 900mm/Qは地中海性気候で、寒い時期に水分不足が生じやすい
- 900mm/Qは温暖湿潤気候で、寒い時期に降水が集中する
答えと全選択肢の解説
正解:2 1,200mm/Qは地中海性気候で、暖かい時期に水分不足が生じやすい
使う地理の知識:地中海性気候では夏季の高温と少雨が重なる。年降水量だけでは季節的な乾燥を判定できない。
判断の手順:Pの月降水量を合計してQと年量が等しいことを確かめる。Qの最暖期の少雨と冬の多雨を組み合わせて夏季乾燥を判断する。
- 選択肢1:不正解
年量は正しいが、Qでは高温期に降水が集中していない。年量が同じでもPとQの水分条件は異なる。 - 選択肢2:正解
Pの12か月を合計すると1,200mmでQと等しい。Qは夏の最少雨月が5mm、冬の最多雨月が250mmで、夏季乾燥の地中海性気候に合う。 - 選択肢3:不正解
Pの年量は1,200mmである。Qの水分不足は、多雨の冬より高温・少雨となる夏に生じやすい。 - 選択肢4:不正解
年量の集計が違い、温暖湿潤気候という判定も合わない。Qの強い夏季乾燥を見落としている。
復習のポイント:年量が同じ地点でも、気温と降水量の季節的な重なりを比べる。
関連する一次資料:Beck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表NOAA|Global Atmospheric Circulations
GE056 / 300気候・自然環境計算標準演習
夏季降水割合と東アジアの季節風
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 7 | 8 | 11 | 15 | 20 | 24 | 27 | 28 | 24 | 18 | 13 | 9 |
| 降水量(mm) | 40 | 40 | 50 | 60 | 90 | 180 | 220 | 200 | 120 | 80 | 60 | 60 |
図は東アジアの温帯低地を想定したPである。6〜8月の降水が年量に占める割合と、この季節に多雨となる背景の組合せを選べ。
- 60%/大陸内部からの乾いた季節風と下降気流
- 50%/大陸内部からの乾いた季節風と下降気流
- 60%/海洋からの湿った空気と前線の活動
- 50%/海洋からの湿った空気と前線の活動
答えと全選択肢の解説
正解:4 50%/海洋からの湿った空気と前線の活動
使う地理の知識:東アジアの季節風は季節で向きや水蒸気量が変わる。降水割合の分母は12か月の合計である。
判断の手順:180+220+200=600mmを年量1,200mmで割る。次に夏の降水増加を、海洋からの湿った空気と前線の活動に対応させる。
- 選択肢1:不正解
割合の計算が違い、夏の多雨を冬型に近い大陸側の乾いた空気で説明している点も合わない。 - 選択肢2:不正解
割合は正しいが、大陸からの乾いた季節風や下降気流は、東アジア低地の夏季多雨を説明しない。 - 選択肢3:不正解
しくみは合うが、600÷1,200は50%である。夏以外の降水を除いた分母にすると過大になる。 - 選択肢4:正解
6〜8月は600mm、年量は1,200mmなので50%である。東アジアの暖候期には湿った空気の流入や前線の活動が多雨に関係する。
復習のポイント:計算結果に合う数字だけで選ばず、その季節の気圧配置と風も確認する。
関連する一次資料:気象庁:日本の気候
GE057 / 300気候・自然環境雨温図標準演習
大陸西岸の降水と季節変化
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 9 | 10 | 12 | 15 | 19 | 24 | 27 | 27 | 23 | 18 | 13 | 10 |
| 降水量(mm) | 90 | 80 | 70 | 40 | 20 | 8 | 3 | 5 | 20 | 55 | 85 | 100 |
北緯35度前後の大陸西岸にあるPの雨温図である。降水の季節変化を説明する組合せを選べ。
- 夏:亜熱帯高圧帯の影響/冬:熱帯収束帯の影響
- 夏:偏西風帯の低気圧の影響/冬:亜熱帯高圧帯の影響
- 夏:熱帯収束帯の影響/冬:亜熱帯高圧帯の影響
- 夏:亜熱帯高圧帯の影響/冬:偏西風帯の低気圧の影響
答えと全選択肢の解説
正解:4 夏:亜熱帯高圧帯の影響/冬:偏西風帯の低気圧の影響
使う地理の知識:大気の循環帯は季節に応じて南北へ移動する。地中海性気候の夏の乾燥には亜熱帯高圧帯が関係する。
判断の手順:6〜8月の少雨と12〜2月の多雨を読む。北緯35度という位置を踏まえ、亜熱帯高圧帯と偏西風帯の季節移動を対応させる。
- 選択肢1:不正解
夏は合うが、北緯35度前後の冬季多雨を赤道付近の熱帯収束帯で説明するのは位置が合わない。 - 選択肢2:不正解
夏冬の支配を取り違えている。低気圧が多く通る季節は図の多雨期である冬に対応する。 - 選択肢3:不正解
熱帯収束帯の上昇気流が主因なら夏季多雨を予想する。Pの夏の少雨とは逆である。 - 選択肢4:正解
夏の高温・少雨と冬の多雨を示す。夏に亜熱帯高圧帯が極側へ張り出し、冬に偏西風帯の低気圧の影響を受ける説明が合う。
復習のポイント:雨季・乾季を、同じ緯度で季節により変わる大気循環の支配と結び付ける。
関連する一次資料:NOAA|Global Atmospheric CirculationsBeck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表
GE058 / 300気候・自然環境雨温図標準演習
気候の季節性と世界の分布
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 24 | 24 | 22 | 18 | 15 | 12 | 11 | 12 | 14 | 17 | 20 | 23 |
| 降水量(mm) | 8 | 10 | 20 | 45 | 85 | 110 | 120 | 100 | 65 | 35 | 20 | 10 |
Pの年変化をもつ気候がみられる地域と、その自然植生の組合せを選べ。図は実測値ではなく、特定都市を同定するものではない。
- 北アメリカのカリフォルニア沿岸/硬葉樹の低木群落
- 南アフリカ北東部の夏雨地域/サバナ
- 南アフリカ南西端の冬雨地域/硬葉樹の低木群落
- 南アメリカの赤道付近の低地/熱帯雨林
答えと全選択肢の解説
正解:3 南アフリカ南西端の冬雨地域/硬葉樹の低木群落
使う地理の知識:地中海性気候は地中海周辺以外にも緯度30〜40度付近の大陸西岸に分布する。硬葉樹は夏の乾燥に適応する。
判断の手順:最暖期から南半球と判断する。暖かい時期の少雨をCsの季節配分と読み、南半球西岸の地域と植生を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
植生と夏季乾燥は合うがカリフォルニアは北半球であり、気温・降水の月ごとの季節が逆になる。 - 選択肢2:不正解
同じ南半球でも夏雨地域なら1〜2月の降水が多くなる。雨季の時期がPと逆である。 - 選択肢3:正解
1〜2月に高温・少雨、6〜8月に低温・多雨なので南半球の地中海性気候である。南アフリカ南西端の冬雨地域と硬葉樹の組合せが合う。 - 選択肢4:不正解
赤道付近の低地は全月高温で、Pの最寒月11℃や夏季乾燥型とは合わない。
復習のポイント:似た気候を世界で探すときは、半球・大陸の東西・雨季を合わせる。
関連する一次資料:Beck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表NOAA|Global Atmospheric CirculationsNASA|Mission: BiomesWits University|Scientists split on South Africa’s winter and summer rainfall zones
GE059 / 300気候・自然環境雨温図基礎確認
少雨地域の位置と大気循環
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 20 | 22 | 26 | 31 | 35 | 38 | 40 | 39 | 36 | 31 | 23 | 19 |
| 降水量(mm) | 4 | 3 | 4 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 3 |
Pは北緯25〜30度、低地にある。雨温図に合う気候と、その緯度帯で広い乾燥地域が形成される主な大気の動きの組合せを選べ。
- ステップ気候/熱帯収束帯での上昇気流
- 砂漠気候/亜熱帯高圧帯での下降気流
- 砂漠気候/偏西風帯での前線性上昇気流
- サバナ気候/亜熱帯高圧帯と熱帯収束帯の交替
答えと全選択肢の解説
正解:2 砂漠気候/亜熱帯高圧帯での下降気流
使う地理の知識:亜熱帯高圧帯の下降気流は世界の砂漠分布の一因である。砂漠・ステップ・サバナでは水分条件が異なる。
判断の手順:月別降水を見て雨季がないことを確かめる。北緯25〜30度という条件を大気大循環の下降域と結び付ける。
- 選択肢1:不正解
ステップは砂漠より降水が多い側の乾燥帯である。また熱帯収束帯の上昇気流は一般に雨をもたらす。 - 選択肢2:正解
年降水量は20mmときわめて少なく砂漠気候に合う。緯度25〜30度付近では大規模な下降気流が雲の発達を抑える。 - 選択肢3:不正解
砂漠という判定は合うが、前線性上昇気流は雲や降水を生むため、広域の少雨の主因として逆になる。 - 選択肢4:不正解
サバナ気候なら雨季にまとまった降水がみられる。Pは高温期にも雨季がなく、年中著しい少雨である。
復習のポイント:乾燥地域は少雨という結果と、その位置で上昇・下降のどちらが卓越するかを組み合わせる。
関連する一次資料:NOAA|Global Atmospheric CirculationsNOAA|Climate Zones
GE060 / 300気候・自然環境雨温図標準演習
大陸内部の気温と水分条件
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | -12 | -8 | 0 | 10 | 18 | 24 | 27 | 25 | 18 | 9 | 0 | -8 |
| 降水量(mm) | 8 | 7 | 10 | 12 | 15 | 12 | 8 | 10 | 12 | 12 | 10 | 9 |
Pはアジア大陸内部の低地にある。気候区分と年間を通じた少雨の背景の組合せを選べ。この地点の乾燥限界Rは概数で312mmとし、年降水量がR/2未満ならBW、R/2以上R未満ならBSとする。乾燥帯に該当するかを、気温によるC・Dの区分より先に判定する。
- Df/湿った海洋性の空気が届きにくく、水蒸気の供給が少ない。
- BW/冬の低温で蒸発散が抑えられることが、夏の降水も減らす。
- Df/冬の低温で蒸発散が抑えられることが、夏の降水も減らす。
- BW/湿った海洋性の空気が届きにくく、水蒸気の供給が少ない。
答えと全選択肢の解説
正解:4 BW/湿った海洋性の空気が届きにくく、水蒸気の供給が少ない。
使う地理の知識:乾燥帯の判定は気温による温帯・冷帯の区分に優先する。海洋からの水蒸気が届きにくい大陸内部では、冬の厳しい冷え込みと少雨が両立する。
判断の手順:12か月の降水量を合計し125mmと求め、乾燥限界の半分156mmより少ないためBWと判定する。その上で内陸という位置から、水蒸気の供給条件を判断する。
- 選択肢1:不正解
海から遠いという原因は合うが、乾燥帯の基準を満たすためBWを優先する。最寒月が低いという一点だけでDfに分類してはならない。 - 選択肢2:不正解
BWの判定は合うが、冬の蒸発散が少ないことから夏の降水量は決まらない。年間の少雨には、水蒸気の供給や大気の循環を考える。 - 選択肢3:不正解
乾燥帯を優先する分類手順と、少雨の因果の両方が異なる。冬季の低温と少雨が併存しても、低温が夏の少雨の直接の原因とは限らない。 - 選択肢4:正解
年降水量は125mmでR/2の156mm未満なのでBWとなる。内陸では海からの水蒸気が届きにくく、冬の低温を伴う砂漠気候が成立しうる。
復習のポイント:寒い冬の有無だけで冷帯とせず、乾燥帯の判定と少雨の地理的背景を先に確認する。
関連する一次資料:NOAA|Climate ZonesBeck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表
GE061 / 300気候・自然環境雨温図標準演習
乾燥限界と植生の変化
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 4 | 6 | 10 | 15 | 20 | 24 | 27 | 26 | 21 | 15 | 9 | 3 |
| 降水量(mm) | 25 | 25 | 30 | 35 | 40 | 30 | 15 | 15 | 20 | 25 | 25 | 15 |
Pの乾燥限界Rは440mmである。年降水量をP年としたとき、P年<R/2ならBW、R/2≦P年<RならBSとする。気候区分と、同じ緯度帯のさらに乾燥した場所へ向かったときの植生変化を選べ。
- BS/草原から連続した針葉樹林へ移り変わる
- BW/草原から連続した針葉樹林へ移り変わる
- BW/草の被覆が疎になり、裸地の割合が大きくなる
- BS/草の被覆が疎になり、裸地の割合が大きくなる
答えと全選択肢の解説
正解:4 BS/草の被覆が疎になり、裸地の割合が大きくなる
使う地理の知識:ステップ気候は砂漠気候より水分条件がよい乾燥帯である。草原と砂漠の移行には水分の差が関係する。
判断の手順:12か月の降水を合計して300mmと求め、R/2=220mmとR=440mmの間に位置付ける。次に乾燥が進む方向の植生被覆を考える。
- 選択肢1:不正解
BSの判定は合うが、より乾燥する方向に連続した森林へ移るという説明は水分制約と逆である。 - 選択肢2:不正解
年量300mmはBWの条件を満たさない。さらに乾燥する方向への針葉樹林への移行も合わない。 - 選択肢3:不正解
乾燥する方向の植生変化は合うが、BWは220mm未満である。年量を乾燥限界Rとだけ比べると区分を誤る。 - 選択肢4:正解
年量は300mmで220≦300<440となるのでBSである。水分制約が強まるほど草の連続した被覆は維持しにくくなる。
復習のポイント:乾燥帯内の分類と、連続する植生の密度の変化を結び付ける。
関連する一次資料:Beck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表NASA|Mission: Biomes
GE062 / 300気候・自然環境雨温図複合演習
モンスーン気候と熱帯雨林気候の区別
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 25 | 26 | 28 | 29 | 29 | 28 | 27 | 27 | 27 | 27 | 26 | 25 |
| 降水量(mm) | 30 | 20 | 40 | 80 | 180 | 420 | 480 | 420 | 360 | 220 | 100 | 50 |
地点Pの気候区分と、雨季に降水が集中する背景の組合せを選べ。熱帯でAfに当たらない場合、最少雨月降水量が100−年降水量/25(mm)以上ならAm、未満ならAwとする。
- Am/暖候期に亜熱帯高圧帯の下降が強まる
- Af/暖候期に海洋から湿った季節風が流入する
- Aw/寒候期に偏西風帯の低気圧が集中する
- Am/暖候期に海洋から湿った季節風が流入する
答えと全選択肢の解説
正解:4 Am/暖候期に海洋から湿った季節風が流入する
使う地理の知識:熱帯気候の区分では年量と最少雨月を合わせて読む。モンスーンは季節的な風向の変化と降水配分を結び付ける。
判断の手順:最寒月25℃と最少雨月20mmを確認し、Afを除く。年量2,400mmからAm下限を計算し、6〜9月の多雨を湿った季節風に対応させる。
- 選択肢1:不正解
分類は合うが、下降気流の強まりは雲の発達を抑えるため、雨季の多雨を説明しない。 - 選択肢2:不正解
雨の多い時期の説明は合うが、2月は20mmでAfの全月60mm以上を満たさない。年量の多さだけでAfにはならない。 - 選択肢3:不正解
最少雨月20mmはAmの下限4mm以上なのでAwではない。雨季も寒候期ではなく6〜9月を中心とする。 - 選択肢4:正解
年量は2,400mmでAmの下限は4mm、最少雨月は20mmである。Afの全月60mm以上は満たさず、雨季に湿った季節風が入る説明が合う。
復習のポイント:年降水量の多さだけで熱帯雨林気候とせず、乾季の強さを確認する。
関連する一次資料:Beck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表NOAA|Global Atmospheric Circulations
GE063 / 300気候・自然環境雨温図標準演習
低緯度の乾季と気圧帯
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 22 | 24 | 27 | 29 | 29 | 28 | 27 | 27 | 27 | 26 | 24 | 22 |
| 降水量(mm) | 5 | 5 | 10 | 40 | 100 | 180 | 240 | 250 | 180 | 80 | 20 | 10 |
Pは北緯10〜15度の低地にある。図のように12〜2月に少雨となる主な背景を選べ。
- 偏西風帯が北へ移り、この地点で温帯低気圧の通過が増える
- 熱帯収束帯が北へ移り、この地点で湿った空気の収束が強まる
- 南半球の冬が始まり、海洋から吹く南東季節風の影響が強まる
- 熱帯収束帯が南へ移り、亜熱帯高圧帯からの乾いた空気の影響が強まる
答えと全選択肢の解説
正解:4 熱帯収束帯が南へ移り、亜熱帯高圧帯からの乾いた空気の影響が強まる
使う地理の知識:熱帯収束帯は太陽高度の高い側へ季節的に移動する。熱帯の周辺部ではその影響の有無が雨季と乾季を生む。
判断の手順:図から高温が続く一方で12〜2月が少雨と読む。北緯10〜15度の冬に熱帯収束帯がどちらへ離れるかを考える。
- 選択肢1:不正解
北緯10〜15度の乾季を偏西風帯の温帯低気圧で説明するのは緯度帯と合わない。通過増加も少雨の理由にはならない。 - 選択肢2:不正解
冬の移動方向が逆であり、湿った空気の収束が強まれば一般に降水が増えるので少雨も説明できない。 - 選択肢3:不正解
12〜2月は南半球の夏である。季節の取り違えに加え、海洋からの湿った流入はPの乾季を説明しにくい。 - 選択肢4:正解
北半球の冬には熱帯収束帯が南側へ移るため、この低緯度域は雨を生む上昇域から外れやすい。図の乾季と合う。
復習のポイント:低緯度の乾季は、寒さではなく上昇域の季節移動から説明する。
関連する一次資料:NOAA|Global Atmospheric CirculationsNOAA|Inter-Tropical Convergence Zone
GE064 / 300気候・自然環境雨温図標準演習
海に近い中緯度の年変化
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 5 | 6 | 8 | 9 | 13 | 16 | 18 | 18 | 15 | 12 | 8 | 6 |
| 降水量(mm) | 80 | 60 | 55 | 50 | 60 | 65 | 70 | 75 | 80 | 90 | 85 | 80 |
Pは北緯50度付近、海に近い低地である。この雨温図に合う大陸内の位置と、気温年較差が比較的小さい背景を選べ。
- 大陸東岸/偏西風で海洋上の空気が入り、海洋の熱的影響を受ける
- 大陸西岸/偏西風で海洋上の空気が入り、海洋の熱的影響を受ける
- 大陸西岸/冬の大陸性高気圧からの冷気が長期間卓越する
- 大陸内陸/冬の大陸性高気圧からの冷気が長期間卓越する
答えと全選択肢の解説
正解:2 大陸西岸/偏西風で海洋上の空気が入り、海洋の熱的影響を受ける
使う地理の知識:中緯度の偏西風は西から東へ吹き、大陸西岸に海洋性の影響を及ぼす。Cfbは夏が比較的冷涼で乾季がない。
判断の手順:最寒月5℃・最暖月18℃と年中の降水を確認する。北緯50度の風系を思い出し、海洋からの空気を受ける岸を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
偏西風は西から東へ吹くので、通常、大陸東岸では海洋より大陸側の空気を運ぶ。東西の位置関係を逆にしている。 - 選択肢2:正解
冬5℃、夏18℃で年較差13℃と小さく、年中降水がある。中緯度の西岸は偏西風により海洋の影響を受けやすい。 - 選択肢3:不正解
西岸という位置は合うが、冬の冷たい大陸性空気の長期卓越は、温和な冬と小さな年較差の説明として合わない。 - 選択肢4:不正解
大陸内部の強い冬季冷却は大きな年較差をもたらしやすい。Pの冬の温和さを説明しにくい。
復習のポイント:海洋性を判断するときは、海への近さに加えて卓越風の向きを使う。
関連する一次資料:NOAA|Global Atmospheric CirculationsBeck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表NOAA|How does the ocean affect climate and weather?
GE065 / 300気候・自然環境雨温図基礎確認
冷帯と寒帯を分ける夏の気温
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | -15 | -12 | -5 | 5 | 13 | 19 | 22 | 20 | 13 | 5 | -4 | -12 |
| 降水量(mm) | 30 | 25 | 30 | 40 | 55 | 65 | 80 | 75 | 65 | 50 | 40 | 35 |
Pの区分と、自然植生として森林が成立しうる理由の組合せを選べ。乾燥帯には属さず、この設問ではCとDの境界を最寒月−3℃、DとEの境界を最暖月10℃とする。
- ET/冬は厳しいが、夏に樹木の生育が可能な暖かさとなる
- Df/冬は厳しいが、夏に樹木の生育が可能な暖かさとなる
- Cfb/最寒月が低くても、夏の気温が22℃なら温帯になる
- Df/冬に氷点下となる月があるため、成木の生育が妨げられる
答えと全選択肢の解説
正解:2 Df/冬は厳しいが、夏に樹木の生育が可能な暖かさとなる
使う地理の知識:寒帯と冷帯の重要な違いは夏の暖かさである。冷帯には寒い冬に適応する森林が広がる。
判断の手順:最寒月でC/Dを区分し、最暖月でD/Eを区分する。夏に10℃を超える期間があることと樹木の生育を結び付ける。
- 選択肢1:不正解
ETは最暖月も10℃未満の気候である。冬の厳しさだけで寒帯と判定すると、夏に森林が生育できる点を見落とす。 - 選択肢2:正解
最寒月−15℃でD、最暖月22℃でEではない。明瞭な乾季がないのでDfで、夏の温暖さは森林成立を支える。 - 選択肢3:不正解
温帯と冷帯の境界はここでは最寒月で判定する。またCfbの夏は22℃未満なので、この記号とも合わない。 - 選択肢4:不正解
区分は正しいが、冷帯の樹木は厳しい冬に適応している。冬に氷点下になるだけで森林が成立しなくなるわけではない。
復習のポイント:気候区分は冬の寒さと夏の暖かさを別々の役割で使う。
関連する一次資料:NOAA|Climate ZonesBeck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表NASA|Mission: Biomes
GE066 / 300気候・自然環境雨温図標準演習
高緯度低地の夏の自然環境
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | -20 | -21 | -18 | -12 | -4 | 3 | 8 | 7 | 2 | -6 | -13 | -18 |
| 降水量(mm) | 15 | 15 | 15 | 15 | 20 | 25 | 35 | 35 | 25 | 20 | 20 | 15 |
図は北半球高緯度の海岸低地Pである。氷河に覆われていない場所の夏の地表と、気候区分の組合せを選べ。
- ET/短い夏に低い草本やコケ類が生育し、地表近くが融ける場所がある。
- Df/夏の生育期間が長く、耐寒性の針葉樹を主体とする高木林が広がる。
- Df/短い夏に低い草本やコケ類が生育し、地表近くが融ける場所がある。
- ET/夏の生育期間が長く、耐寒性の針葉樹を主体とする高木林が広がる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 ET/短い夏に低い草本やコケ類が生育し、地表近くが融ける場所がある。
使う地理の知識:ツンドラ気候では夏の暖かさが森林成立を制約する。永久凍土と夏に融ける表層は両立する。
判断の手順:最暖月8℃からETと判定する。夏の低温を低い植生に、0℃を超える時期を表層の融解に結び付ける。
- 選択肢1:正解
最暖月8℃は0℃以上10℃未満なのでETである。短い夏には低い植物が生育し、永久凍土がある地域でも表層が季節的に融けることがある。 - 選択肢2:不正解
最暖月8℃なのでDfではない。耐寒性の針葉樹林が広がるタイガと、夏の温度が森林限界を下回るツンドラを区別する。 - 選択肢3:不正解
植生・地表の説明は図の条件に合うが、最暖月が10℃未満なのでDfではなくETとなる。冬の低温だけでDfと判定しない。 - 選択肢4:不正解
気候記号ETは合うが、夏の低温と短い生育期間が高木林の成立を制約する。冬への耐寒性だけで森林の成立は決まらない。
復習のポイント:年中の凍土の有無と、夏に植物が生育する表層の状態を区別する。
関連する一次資料:Beck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表NASA|Mission: BiomesNSIDC|Frozen Ground and Permafrost
GE067 / 300気候・自然環境雨温図基礎確認
寒冷地域の気温と半球
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | -2 | -4 | -10 | -18 | -25 | -28 | -30 | -29 | -24 | -16 | -9 | -3 |
| 降水量(mm) | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 |
Pの気温の年変化から判断できる半球と、寒帯内の区分を選べ。EFは最暖月0℃未満、ETは最暖月0℃以上10℃未満とする。
- 南半球/ET
- 南半球/EF
- 北半球/EF
- 北半球/ET
答えと全選択肢の解説
正解:2 南半球/EF
使う地理の知識:寒帯の下位区分には最暖月気温を使う。南半球では北半球と高温期が半年ずれる。
判断の手順:最も気温が高い月を探して半球を判断する。その月でも0℃を下回ることからEFを選ぶ。
- 選択肢1:不正解
半球は正しいが、ETには最暖月が0℃以上の条件が必要である。Pの夏も月平均では氷点下である。 - 選択肢2:正解
最暖月は1月の−2℃、最寒月は7月の−30℃である。高温期が12〜2月側なので南半球、最暖月も0℃未満なのでEFとなる。 - 選択肢3:不正解
EFは正しいが、高温期が12〜2月側にある点を見落としている。北半球の夏は6〜8月側である。 - 選択肢4:不正解
高温期から判断する半球も、最暖月から判断する寒帯内の区分も逆になっている。
復習のポイント:寒い地域でも、最も暖かい月の時期と気温を分けて読む。
関連する一次資料:Beck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表
GE068 / 300気候・自然環境雨温図標準演習
低緯度高地の気候を分解する
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 15 | 15 | 16 | 16 | 16 | 15 | 14 | 14 | 15 | 15 | 15 | 15 |
| 降水量(mm) | 50 | 80 | 140 | 190 | 170 | 90 | 50 | 45 | 70 | 150 | 160 | 85 |
Pは東アフリカの北緯2度・標高2,500mにある。全月15℃前後で年較差が小さい特徴の説明として正しい組合せを選べ。
- 低い平均気温:高緯度/小さい年較差:寒流
- 低い平均気温:標高/小さい年較差:低緯度
- 低い平均気温:低緯度/小さい年較差:標高
- 低い平均気温:寒流/小さい年較差:高緯度
答えと全選択肢の解説
正解:2 低い平均気温:標高/小さい年較差:低緯度
使う地理の知識:気温の水準には緯度と標高が、年較差には日射の季節差や海陸配置が関係する。
判断の手順:位置から低緯度・高標高の二つを取り出す。低い平均気温と小さい年較差を別の指標として、それぞれ標高と緯度に対応させる。
- 選択肢1:不正解
北緯2度は高緯度ではない。寒流はこの内陸高地の小さな年較差の主因でもない。 - 選択肢2:正解
低緯度でも標高が高いと平均気温は低くなる。一方、赤道付近では日射の季節差が小さいため年較差も小さい。 - 選択肢3:不正解
要因が逆である。低緯度は低温の理由ではなく日射の年変化が小さい理由で、標高は主に気温の水準を下げる。 - 選択肢4:不正解
内陸高地の低温を寒流で説明するのは適切でない。また高緯度ほど日射の季節差が大きくなる。
復習のポイント:一つの要因で雨温図全体を説明せず、平均気温と年較差を分けて考える。
関連する一次資料:NOAA|Climate ZonesNOAA|Global Atmospheric Circulations
GE069 / 300気候・自然環境雨温図標準演習
赤道付近で雨季が二度現れる理由
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 26 | 27 | 27 | 27 | 26 | 25 | 25 | 26 | 27 | 27 | 26 | 26 |
| 降水量(mm) | 80 | 110 | 210 | 260 | 190 | 100 | 60 | 80 | 180 | 250 | 200 | 100 |
Pは赤道近くの低地で、春と秋に降水の山がある。この年変化の説明に適したものを選べ。
- 北半球の偏西風帯が東西に往復し、この地点付近を年に二度通る
- 熱帯収束帯が南北に移動し、この地点付近を年に二度通る
- 亜熱帯高圧帯の下降が春と秋に強まり、雨をもたらす
- 南半球の冬の季節風が春と秋に交替し、同じ方向から吹き続ける
答えと全選択肢の解説
正解:2 熱帯収束帯が南北に移動し、この地点付近を年に二度通る
使う地理の知識:熱帯収束帯の南北移動は、赤道付近の降水に二つの極大をもたらす場合がある。
判断の手順:3〜4月と9〜11月に降水が増えることを読む。赤道付近という位置から、北上・南下する収束帯の二度の通過を考える。
- 選択肢1:不正解
偏西風帯は中緯度の風系で、季節移動を東西への往復とみる点も合わない。 - 選択肢2:正解
赤道付近では、熱帯収束帯が北上する時期と南下する時期に上昇気流の影響を受け、二つの雨季が生じる場合がある。 - 選択肢3:不正解
下降気流の強まりは雲の発達を抑える方向に働く。雨の山には収束・上昇などのしくみを考える。 - 選択肢4:不正解
南半球の冬は6〜8月側であり、春秋に二度の雨の山が現れることをこの説明では結び付けられない。
復習のポイント:雨季の回数と、その地点を上昇域が通過する回数を対応させる。
関連する一次資料:NOAA|Global Atmospheric CirculationsNOAA|Inter-Tropical Convergence Zone
GE070 / 300気候・自然環境雨温図標準演習
日本の冬の降水の地域差
地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)。左右の軸と単位に注意。地点Pの月別平均気温・降水量(学習用モデル値)/月別の値| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|
| 平均気温(℃) | 1 | 2 | 5 | 11 | 16 | 20 | 24 | 25 | 21 | 15 | 9 | 4 |
| 降水量(mm) | 240 | 180 | 140 | 110 | 110 | 140 | 180 | 120 | 180 | 180 | 230 | 280 |
図は日本海側の低地を想定したPである。冬の降水が多いしくみについて、風向・水蒸気源・山地の働きが正しいものを選べ。
- 南東季節風/太平洋から水蒸気を得る/山地の風上で上昇する
- 北西季節風/日本海から水蒸気を得る/山地の風上で上昇する
- 北西季節風/大陸内部で水蒸気を得る/山地の風下で上昇する
- 南東季節風/日本海から水蒸気を得る/山地の風下で下降する
答えと全選択肢の解説
正解:2 北西季節風/日本海から水蒸気を得る/山地の風上で上昇する
使う地理の知識:日本の冬の季節風は海上で水蒸気を受け取り、日本海側と太平洋側に異なる天候を生む。
判断の手順:12〜2月の多雨を確かめ、冬の風向を北西とする。その空気が日本海を渡り山地に達する経路をたどる。
- 選択肢1:不正解
南東からの湿った風は暖候期の太平洋側多雨などを考える場合に適する。日本海側の冬の特徴とは季節と風向が合わない。 - 選択肢2:正解
冬の北西季節風は日本海を渡る際に熱と水蒸気を受け取り、日本海側で雲を発達させ、山地に沿う上昇も降水に関係する。 - 選択肢3:不正解
風向は合うが、冷たく乾いた大陸内部が主な水蒸気源ではない。山地で強制上昇するのはまず風上側である。 - 選択肢4:不正解
風向と水蒸気源の位置関係が合わず、下降気流も冬の多雨を説明する主な働きではない。
復習のポイント:風の出発地の湿り具合だけでなく、途中で通る海と山地を確かめる。
関連する一次資料:気象庁:日本の気候
GE071 / 300気候・自然環境統計読解複合演習
三つの気候資料と世界の位置
資料(学習用モデル値)| 地点 | 最暖月 | 最寒月/最暖月気温 | 年降水量 | 雨の配分 |
|---|
| X | 7月 | 6℃/18℃ | 900mm | 年中降水 |
| Y | 1月 | 8℃/19℃ | 1,100mm | 年中降水 |
| Z | 7月 | −10℃/26℃ | 250mm | 春にやや多い |
X・Y・Zは、それぞれ西ヨーロッパの大西洋沿岸、ニュージーランド、中央アジアの内陸のいずれかにある低地を想定したモデルである。対応として正しいものを選べ。
- X:ニュージーランド/Y:西ヨーロッパ/Z:中央アジア
- X:中央アジア/Y:ニュージーランド/Z:西ヨーロッパ
- X:西ヨーロッパ/Y:ニュージーランド/Z:中央アジア
- X:西ヨーロッパ/Y:中央アジア/Z:ニュージーランド
答えと全選択肢の解説
正解:3 X:西ヨーロッパ/Y:ニュージーランド/Z:中央アジア
使う地理の知識:地域比較では最暖月の時期から半球を判断し、年較差と降水から海洋性・大陸性を判断する。
判断の手順:まず1月が最暖のYを南半球に置く。次に北半球のXとZを、気温年較差と降水量の違いから沿岸と内陸に分ける。
- 選択肢1:不正解
XとYはともに海洋性だが最暖月が逆である。西ヨーロッパは北半球、ニュージーランドは南半球に位置する。 - 選択肢2:不正解
Xの小さな年較差は中央アジア内陸に合いにくい。Zの厳冬と少雨は西ヨーロッパ大西洋沿岸の海洋性とは異なる。 - 選択肢3:正解
Xは北半球で小年較差・年中湿潤、Yは南半球で小年較差・年中湿潤、Zは北半球で大年較差・少雨となり、各地域の位置と整合する。 - 選択肢4:不正解
Yは最暖月が1月なので南半球であり中央アジアには合わない。Zの大きな年較差と少雨もニュージーランドの海洋性とは合わない。
復習のポイント:地域を照合するときは、半球で候補を減らし海陸の影響で確かめる。
関連する一次資料:NOAA|Climate ZonesNOAA|Global Atmospheric CirculationsNOAA|How does the ocean affect climate and weather?
GE072 / 300気候・自然環境統計読解標準演習
収束帯の移動と二地点の降水ピーク
資料(学習用モデル値)| 月 | 収束帯の中心 |
|---|
| 1月 | 南緯5度 |
| 4月 | 北緯5度 |
| 7月 | 北緯15度 |
| 10月 | 北緯5度 |
北緯5度のAと北緯15度のBで、熱帯収束帯の中心に近い時期ほど雨が多いモデルを考える。表の位置の間を収束帯が滑らかに南北移動し、他の降水要因は一定とする。降水のピークが現れる時期と、収束帯での空気の動きの組合せはどれか。
- Aは夏、Bは春と秋/地表付近で空気が収束し、上昇する。
- Aは春と秋、Bは夏/上空から下降した空気が地表付近で発散する。
- Aは春と秋、Bは夏/地表付近で空気が収束し、上昇する。
- Aは夏、Bは春と秋/上空から下降した空気が地表付近で発散する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Aは春と秋、Bは夏/地表付近で空気が収束し、上昇する。
使う地理の知識:熱帯収束帯では地表付近の風が収束して空気が上昇する。季節により南北移動し、緯度によって降水のピークが現れる時期が異なる。
判断の手順:A・Bの緯度を各月の収束帯中心と照合し、Aは4月・10月、Bは7月に近づくと読む。次に収束帯の上昇気流と多雨を結び付ける。
- 選択肢1:不正解
地表での収束・上昇は正しいが、A・Bの緯度と表の中心位置の対応が逆である。Aに二つ、Bに夏のピークが対応する。 - 選択肢2:不正解
季節の対応は正しいが、下降・地表発散は高気圧側の動きであり、熱帯収束帯の上昇に伴う多雨の説明とは逆である。 - 選択肢3:正解
Aの北緯5度には4月・10月、Bの北緯15度には7月に中心が近づく。熱帯収束帯では地表付近の風が収束して上昇し、雲と雨が生じやすい。 - 選択肢4:不正解
中心位置と二地点の緯度の対応も、収束帯の空気の動きも逆である。気圧帯の位置と鉛直方向の運動を分けて照合する。
復習のポイント:収束帯の季節移動は、緯度ごとの降水ピークと上昇気流の仕組みを組み合わせて読む。
関連する一次資料:NOAA|Global Atmospheric CirculationsNOAA|Inter-Tropical Convergence Zone
GE073 / 300気候・自然環境事例判断基礎確認
低緯度の風と島の斜面
北緯20度の海洋に、南北に長い山地をもつ島がある。年間を通じて貿易風が卓越するとしたとき、風向と降水量が多くなりやすい斜面の組合せを選べ。
- 北東からの風/東側斜面
- 北東からの風/西側斜面
- 南西からの風/西側斜面
- 南東からの風/東側斜面
答えと全選択肢の解説
正解:1 北東からの風/東側斜面
使う地理の知識:北半球の貿易風は北東から吹く。湿った風を受ける山地の風上側では地形性降雨が生じやすい。
判断の手順:緯度と半球から北東貿易風を選ぶ。風の入ってくる側を島の東側に置き、上昇する斜面を判断する。
- 選択肢1:正解
北半球の貿易風は北東風である。海からの湿った風が山地の東側で上昇するので、東側が多雨になりやすい。 - 選択肢2:不正解
風向は合うが、北東風に対してまず上昇する風上は東側となる。西側は雨陰に入りやすい。 - 選択肢3:不正解
南西からの風は中緯度の偏西風や特定地域の夏季季節風などにみられる。北半球の貿易風とは異なる。 - 選択肢4:不正解
東側が風上となる点は合うが、南東貿易風は南半球の代表的な風向である。
復習のポイント:風向は風が来る方角で表し、その方角に面した斜面を風上として読む。
関連する一次資料:NOAA|Global Atmospheric Circulations米国気象局|Climate of Hawaiʻi:地形と降水
GE074 / 300気候・自然環境統計読解標準演習
低気圧の移動と中緯度の風
同時刻に記録した低気圧中心の位置(学習用モデル値)| 観測日 | 緯度 | 経度 |
|---|
| 1日目 | 北緯45度 | 東経120度 |
| 2日目 | 北緯45度 | 東経135度 |
| 3日目 | 北緯45度 | 東経150度 |
表の低気圧の移動に関係する大規模な風と、その風が大陸西岸の気候に与える影響の組合せを選べ。
- 貿易風/海洋の影響を内陸側へ運ぶ
- 偏西風/海洋の影響を内陸側へ運ぶ
- 偏西風/大陸内部の乾いた空気を西岸へ運ぶ
- 極偏東風/大陸内部の乾いた空気を西岸へ運ぶ
答えと全選択肢の解説
正解:2 偏西風/海洋の影響を内陸側へ運ぶ
使う地理の知識:中緯度では偏西風が低気圧の東進や大陸西岸の海洋性に関係する。
判断の手順:経度の増加から低気圧の東進を読む。北緯45度の風系を偏西風とし、大陸西岸に入る空気が海上由来か内陸由来かを考える。
- 選択肢1:不正解
海洋の影響という点は合うが、低緯度の貿易風は東寄りであり、この緯度帯の東進と対応しない。 - 選択肢2:正解
中心の経度が東へ変わり、北緯45度は偏西風帯に当たる。大陸西岸では西方の海洋から空気が流入するため海洋性の影響を受ける。 - 選択肢3:不正解
風の名称は合うが、大陸西岸では西側に海がある。偏西風が運ぶ空気の出発側を逆にしている。 - 選択肢4:不正解
極偏東風はより高緯度の東寄りの風である。北緯45度付近で東進する低気圧の説明には合わない。
復習のポイント:低気圧の移動と海からの空気の流入を、同じ卓越風で説明する。
関連する一次資料:NOAA|Global Atmospheric Circulations
GE075 / 300気候・自然環境事例判断複合演習
南アジアの降水の東西差
インド半島西岸で6〜9月に降水が増え、同緯度でも西ガーツ山脈の西側が東側より多雨となる。この特徴に合う説明を選べ。
- 南西からの湿った季節風がアラビア海から入り、西斜面で上昇する
- 南西からの季節風が大陸内部から入り、西斜面で下降する
- 北東からの湿った季節風がベンガル湾から入り、西斜面で上昇する
- 北東からの季節風がアラビア海から入り、西斜面で下降する
答えと全選択肢の解説
正解:1 南西からの湿った季節風がアラビア海から入り、西斜面で上昇する
使う地理の知識:南アジアの夏季季節風は海洋から湿った空気を運ぶ。山地の配列によって同緯度でも降水量に大きな差が生じる。
判断の手順:6〜9月を北半球の夏季と置く。アラビア海から西岸へ吹く風と南北方向の西ガーツ山脈の位置関係から風上を判断する。
- 選択肢1:正解
インドの夏季には南西季節風が海から水蒸気を運ぶ。西ガーツ山脈の西側が風上となり、地形性降雨が多くなる。 - 選択肢2:不正解
南西という風向は合うが、西岸へ入る空気はアラビア海を通る。多雨を起こす山地の働きも下降ではなく上昇である。 - 選択肢3:不正解
北東季節風は主として冬季の風である。ベンガル湾からなら半島東側が先に湿った空気を受け、提示した西岸の夏雨とは合わない。 - 選択肢4:不正解
北東風が西岸へ向かうときの上流側は半島側であり、アラビア海から入るという位置関係にならない。
復習のポイント:季節風は風向・通過する海・山地の向きを一続きの経路として読む。
関連する一次資料:India Meteorological Department|Frequently asked Questions on MonsoonIMD MAUSAM|Influence of the Western Ghats on the Monsoon Rainfall
GE076 / 300気候・自然環境事例判断標準演習
海陸風と日変化
資料(学習用モデル値)| 時刻 | 陸面温度 | 海面温度 |
|---|
| 午後 | 32℃ | 25℃ |
| 明け方 | 17℃ | 22℃ |
北側が海、南側が陸の海岸で、晴天・弱い一般風の日に表の温度を観測した。午後と明け方の地表付近の局地風の組合せを選べ。
- 午後:北風/明け方:北風
- 午後:南風/明け方:南風
- 午後:南風/明け方:北風
- 午後:北風/明け方:南風
答えと全選択肢の解説
正解:4 午後:北風/明け方:南風
使う地理の知識:陸は海より日中温まりやすく夜間冷えやすい。風向は風が来る方角を用いる。
判断の手順:表で海陸の温度差が昼夜で逆転することを確認する。海風・陸風の向きを決め、北側が海という配置に合わせて風向名に直す。
- 選択肢1:不正解
午後の海風は正しいが、明け方は陸面が冷え、局地風は陸から海への南風に変わる。 - 選択肢2:不正解
明け方の陸風は正しいが、午後は温まる陸に向かって海から北風が入りやすい。 - 選択肢3:不正解
海陸の加熱・冷却による風向を逆にしている。風向名は向かう方角ではなく来る方角で表す。 - 選択肢4:正解
午後は陸が海より温まり海から陸へ吹くので北風、明け方は陸が海より冷えて陸から海へ吹くので南風となる。
復習のポイント:海風・陸風を暗記するだけでなく、地図の海陸配置に応じて方角へ直す。
関連する一次資料:気象庁|海風と陸風
GE077 / 300気候・自然環境事例判断標準演習
山脈両側の降水量
資料(学習用モデル値)| 地点 | 位置 | 標高 | 年降水量 |
|---|
| P | 山地西側 | 500m | 2,000mm |
| Q | 山地東側 | 500m | 400mm |
南アメリカ南部の南緯45度付近を、西の太平洋側から東の内陸側へ調べた。表の降水差に合う説明を選べ。
- 南東貿易風が東斜面で上昇し、西側は雨陰となる
- 偏西風が東斜面で上昇し、西側は雨陰となる
- 北東貿易風が西斜面で上昇し、東側は雨陰となる
- 偏西風が西斜面で上昇し、東側は雨陰となる
答えと全選択肢の解説
正解:4 偏西風が西斜面で上昇し、東側は雨陰となる
使う地理の知識:南半球中緯度にも偏西風帯がある。南アメリカ南部ではアンデス山脈が東西の降水差に関係する。
判断の手順:南緯45度から偏西風を選ぶ。表の西側2,000mm・東側400mmの差を、海側の風上と内陸側の雨陰に対応させる。
- 選択肢1:不正解
南東貿易風はより低緯度の風系である。この説明なら東側多雨を予想するが表は西側多雨となっている。 - 選択肢2:不正解
偏西風の方向は西から東なので、西斜面が先に上昇する風上となる。東西の斜面を取り違えている。 - 選択肢3:不正解
北東貿易風は北半球低緯度の風系であり、南緯45度の条件と合わない。 - 選択肢4:正解
南緯45度付近は偏西風帯である。海からの湿った西風が山地の西側で雨を降らせ、東側へ越えると乾燥しやすい。
復習のポイント:山地の雨陰は「東が乾燥」と固定せず、その緯度の卓越風から判断する。
関連する一次資料:NOAA|Global Atmospheric Circulations気象庁|フェーン現象
GE078 / 300気候・自然環境計算複合演習
山を越える空気の温度と湿度
学習用の仮定:未飽和の空気は100m上昇で1.0℃低下、飽和後は100m上昇で0.5℃低下する。標高1,200mで凝結が始まり、凝結水は降水として除かれる。山頂からQまでは未飽和で100m下降ごとに1.0℃上昇する。混合や外部からの水蒸気補給はない。
資料(学習用モデル値)| 位置 | 標高 | 気温 |
|---|
| P | 200m | 20℃ |
| 雲底 | 1,200m | 計算する |
| 山頂 | 2,200m | 計算する |
| Q | 200m | 計算する |
表の空気塊がPから山頂を越えてQへ移動する。Qの気温と、Pに比べた相対湿度の変化の組合せを選べ。
- 30℃/低くなる
- 25℃/低くなる
- 20℃/高くなる
- 25℃/高くなる
答えと全選択肢の解説
正解:2 25℃/低くなる
使う地理の知識:未飽和と飽和の空気では上昇時の気温変化が異なる。凝結水を失った空気が下降すると高温・低湿になりやすい。
判断の手順:上昇経路を未飽和の1,000mと飽和の1,000mに分けて山頂気温を求める。そこから未飽和で2,000m下降させ、水分損失と昇温から湿度を判断する。
- 選択肢1:不正解
Pから山頂まで全区間を飽和として計算すると30℃になる。標高1,200mまでは未飽和である点を区別する必要がある。 - 選択肢2:正解
Pから雲底まで10℃、雲底から山頂まで5℃下がり山頂は5℃となる。Qまで20℃上がって25℃となり、水蒸気の減少と昇温で相対湿度は低くなる。 - 選択肢3:不正解
20℃は凝結・降水による効果を考えず上昇下降を打ち消した値である。相対湿度も高くなるのではなく低くなる。 - 選択肢4:不正解
気温は合うが、風上で水分を失った空気が下降して昇温すると相対湿度は低下する。
復習のポイント:雲底の高さで計算区間を分け、気温の計算後に水蒸気量と相対湿度を確認する。
関連する一次資料:気象庁|フェーン現象
GE079 / 300気候・自然環境事例判断複合演習
ヨーロッパ西岸の冬の温和さ
資料(学習用モデル値)| 地点 | 位置 | 冬季平均気温 |
|---|
| P | ヨーロッパ大西洋沿岸 | 5℃ |
| Q | 北アメリカ大陸東岸 | −8℃ |
同じ北緯50度前後の低地で、Pはヨーロッパの大西洋沿岸、Qは北アメリカ大陸東岸を想定する。表の冬季の差を説明する組合せを選べ。
- Pは陸風で内陸の熱を受け取り、Qは海風で外洋の冷気を受けやすい
- Pは暖流の影響を受ける海から空気が入り、Qは大陸からの冷気を受けやすい
- Pは寒流の影響を受ける海から空気が入り、Qは暖流上の空気を受けやすい
- Pは北東貿易風で低緯度の空気が入り、Qは南東貿易風で寒気を受けやすい
答えと全選択肢の解説
正解:2 Pは暖流の影響を受ける海から空気が入り、Qは大陸からの冷気を受けやすい
使う地理の知識:同緯度の冬の気温には海流だけでなく卓越風と大陸内の位置が影響する。
判断の手順:PがQより冬に暖かいことを読む。偏西風の上流に海と大陸のどちらがあるかを比べ、暖流の熱の影響を加える。
- 選択肢1:不正解
海陸風は主に一日の温度差に伴う局地風である。大陸規模の冬の平均気温差の主因とは異なる。 - 選択肢2:正解
偏西風の下流に当たるPには暖流の影響を受けた大西洋上の空気が入る。大陸東岸Qは同じ西寄りの風でも大陸内部の寒気を受けやすい。 - 選択肢3:不正解
P付近の暖流とQ側の条件を逆にしている。風が海から来るか陸から来るかも冬の気温差に重要である。 - 選択肢4:不正解
北緯50度は貿易風帯ではない。また北半球の二地点を南東・北東貿易風に分ける根拠もない。
復習のポイント:暖流という名称だけで説明を終えず、その熱を運ぶ風の経路まで考える。
関連する一次資料:NOAA|Global Atmospheric CirculationsNOAA|How does the ocean affect climate and weather?NOAA|What is a current?
GE080 / 300気候・自然環境事例判断複合演習
海上の霧と露点
露点は、水蒸気量を変えずに空気を冷やしたときに飽和する温度である。地形による上昇と他の空気との混合は考えない。
海上へ流れ込む空気の条件(学習用モデル値)| 項目 | 値 |
|---|
| 流入する空気の気温 | 20℃ |
| 流入する空気の露点 | 16℃ |
| 移動先の海面水温 | 12℃ |
北太平洋北部で、南からの湿った空気が寒流域へ移動した。表の条件で霧ができる過程と、同じ水蒸気量のまま暖流域へ進んだ場合の相対湿度の変化を選べ。
- 寒流域で海面からの蒸発量が増える/暖流域で昇温すると相対湿度が下がる
- 寒流域で海面からの蒸発量が増える/暖流域で昇温すると相対湿度が上がる
- 寒流域で空気が露点まで冷える/暖流域で昇温すると相対湿度が上がる
- 寒流域で空気が露点まで冷える/暖流域で昇温すると相対湿度が下がる
答えと全選択肢の解説
正解:4 寒流域で空気が露点まで冷える/暖流域で昇温すると相対湿度が下がる
使う地理の知識:移流霧は湿った空気が冷たい面で冷却されて生じる。相対湿度は水蒸気量だけでなく気温でも変わる。
判断の手順:海面水温と露点を比べて、冷却による飽和が可能と判断する。次に水蒸気量固定の条件で昇温した場合の相対湿度を考える。
- 選択肢1:不正解
相対湿度の変化は合うが、主な霧の形成は冷たい海面による空気の冷却である。暖かい水面から蒸発して生じる蒸気霧と混同している。 - 選択肢2:不正解
冷たい海面上の移流霧を蒸発増加で説明する点と、同じ水蒸気量での昇温時の相対湿度を逆にする点が誤りである。 - 選択肢3:不正解
霧の形成は合うが、水蒸気量が変わらなければ暖かい空気ほど飽和に対する割合が小さくなる。 - 選択肢4:正解
海面12℃は露点16℃より低く、移流してきた空気が冷やされると飽和・凝結に達する。水蒸気量が同じなら昇温で相対湿度は下がる。
復習のポイント:霧の原因を水蒸気の追加と空気の冷却に分け、露点との関係で判定する。
関連する一次資料:米国気象局|How Fog Forms
GE081 / 300気候・自然環境統計読解標準演習
同緯度の東西比較
資料(学習用モデル値)| 地点 | 最寒月平均気温 | 最暖月平均気温 |
|---|
| P | 5℃ | 20℃ |
| Q | −15℃ | 25℃ |
P・Qは北緯50度前後の同程度の標高にある。海洋からの距離と卓越風を踏まえると、表に合う組合せはどれか。
- P:海から遠い内陸/Q:海から偏西風が入る西岸
- P:寒流に沿う西岸/Q:暖流に沿う西岸
- P:高山の風上斜面/Q:高山の風下斜面
- P:海から偏西風が入る西岸/Q:海から遠い内陸
答えと全選択肢の解説
正解:4 P:海から偏西風が入る西岸/Q:海から遠い内陸
使う地理の知識:同緯度・同標高の比較では、海洋からの距離と海からの風の有無が年較差の主要な手掛かりになる。
判断の手順:最暖月から最寒月を引いて年較差を比べる。Pは冬暖かく夏涼しいという両方の特徴を海洋の熱的な働きに結び付ける。
- 選択肢1:不正解
同じ緯度・標高なら、内陸のほうが大きな年較差になりやすい。表と位置の対応を逆にしている。 - 選択肢2:不正解
暖寒流は気温の水準に影響するが、Qの厳冬と大きな年較差を、同じ西岸の暖流沿岸として説明するのは合わない。 - 選択肢3:不正解
表の差は気温の季節変化であり、標高差も小さい。高山の風上・風下だけでは、海洋性と大陸性ほどこの年較差の違いを説明できない。 - 選択肢4:正解
Pの年較差15℃はQの40℃より小さい。海からの風を受けるPの海洋性と、夏冬に陸面の影響が強いQの大陸性が差を説明する。
復習のポイント:年較差の小ささを、冬の温和さと夏の涼しさの両側から確かめる。
関連する一次資料:NOAA|How does the ocean affect climate and weather?NOAA|Global Atmospheric Circulations
GE082 / 300気候・自然環境統計読解複合演習
低緯度高地と中緯度沿岸
資料(学習用モデル値)| 地点 | ある晴天日の最高/最低 | 最暖月平均/最寒月平均 |
|---|
| X | 25℃/5℃ | 16℃/14℃ |
| Y | 22℃/14℃ | 18℃/5℃ |
表のX・Yは、東アフリカの赤道付近の高地と、西ヨーロッパの海岸低地のいずれかを想定する。地域と気温変化の説明が正しいものを選べ。
- Xが赤道付近の高地、Yが西ヨーロッパ沿岸/Xは日射の季節差が小さく、晴れた夜の放射冷却で昼夜差が大きくなりうる。
- Xが赤道付近の高地、Yが西ヨーロッパ沿岸/Xは日射の季節差が大きく、晴れた夜の放射冷却が昼夜差を小さくする。
- Xが西ヨーロッパ沿岸、Yが赤道付近の高地/Xは日射の季節差が大きく、晴れた夜の放射冷却が昼夜差を小さくする。
- Xが西ヨーロッパ沿岸、Yが赤道付近の高地/Xは日射の季節差が小さく、晴れた夜の放射冷却で昼夜差が大きくなりうる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 Xが赤道付近の高地、Yが西ヨーロッパ沿岸/Xは日射の季節差が小さく、晴れた夜の放射冷却で昼夜差が大きくなりうる。
使う地理の知識:日較差と年較差は異なる時間尺度である。低緯度高地は年中の温和さと晴天日の大きな昼夜差が両立する。
判断の手順:X・Yの年較差を2℃と13℃、観測日の日較差を20℃と8℃と求める。緯度による季節差と標高・晴天日の昼夜差を分けて地域を照合する。
- 選択肢1:正解
Xの年較差は2℃、観測日の日較差は20℃。赤道付近では日射の季節差が小さい一方、高地の晴天日には夜間の冷却により昼夜差が大きくなりうる。 - 選択肢2:不正解
地域対応は合うが、赤道付近の日射の季節差は中緯度より小さい。夜の放射冷却は最低気温を下げ、晴天日の昼夜差を大きくする方向に働く。 - 選択肢3:不正解
地域の対応が逆であり、放射冷却が昼夜差を小さくするとする因果も逆。日射の年変化と一日の熱収支を区別する必要がある。 - 選択肢4:不正解
説明した特徴自体はXと合うが、Xの年較差2℃は候補の低緯度高地に対応する。西ヨーロッパ沿岸は低緯度ほど年中の日射条件が一定ではない。
復習のポイント:一年の変化が小さいことを、一日の変化も小さいと読み替えない。
関連する一次資料:NOAA|Climate ZonesNOAA|How does the ocean affect climate and weather?
GE083 / 300気候・自然環境統計読解標準演習
都市の夜の気温と土地被覆
都市中心部と郊外の気温(学習用モデル値)| 時刻帯 | 都市中心部(℃) | 郊外(℃) |
|---|
| 昼 | 32 | 31 |
| 夜 | 26 | 22 |
同緯度・同標高の都市中心部と郊外で、風が弱く晴れた日に表の結果を得た。夜の差を説明する土地被覆と熱の働きを選べ。
- 都市の舗装や建物が蒸散を増やし、夜の冷却を弱める
- 都市の舗装や建物が昼の熱を蓄え、夜に放出しやすい
- 郊外の植生が昼の熱をより蓄え、夜の冷却を強める
- 郊外の裸地が人工排熱を増やし、都市への移流を強める
答えと全選択肢の解説
正解:2 都市の舗装や建物が昼の熱を蓄え、夜に放出しやすい
使う地理の知識:ヒートアイランドには人工排熱、蒸発散の減少、建物・舗装の蓄熱、都市形状などが関係する。
判断の手順:昼夜の都市・郊外差を比べ、夜に差が拡大することを読む。昼に蓄えた熱の放出と土地被覆の違いで説明する。
- 選択肢1:不正解
舗装や建物への置換は一般に植生・土壌からの蒸発散を減らす。蒸散増加を都市の高温化の原因とする点が逆である。 - 選択肢2:正解
都市と郊外の差は昼1℃、夜4℃である。建物・舗装の蓄熱と夜間の放熱、人工排熱などが都市の冷えにくさに関係する。 - 選択肢3:不正解
郊外の低い夜間気温を、都市より多い蓄熱で説明するのは逆である。植生の蒸発散は日中の昇温を抑える側に働く。 - 選択肢4:不正解
人工排熱は人間の活動に伴う熱であり、郊外の裸地自体が増やす熱ではない。表から都市への移流増加も示されていない。
復習のポイント:都市の気温差は気温の数値だけでなく、昼夜の変化と熱の蓄積・放出から考える。
関連する一次資料:気象庁:ヒートアイランド現象の要因
GE084 / 300気候・自然環境計算複合演習
標高補正で二地点を比べる
数値は学習用モデル値で、単一日の気温ではなく平均的な状態を扱う。実際の気温減率は一定ではない。
資料(学習用モデル値)| 地点 | 標高 | 観測した平均気温 |
|---|
| P | 300m | 21℃ |
| Q | 1,800m | 13℃ |
同緯度のPとQの平均気温を、標高0mに換算して比較する。100m高くなると0.6℃低下するモデルを使うとき、換算後の差と判断として正しいものを選べ。
- Qが17℃低い/観測気温の差は標高補正でさらに広がる
- Qが1℃高い/観測気温の差の大部分は標高差で説明できる
- 両者は同じ/標高以外の気候要因の差は生じていない
- Pが1℃高い/観測気温の差の大部分は標高差で説明できる
答えと全選択肢の解説
正解:2 Qが1℃高い/観測気温の差の大部分は標高差で説明できる
使う地理の知識:標高による気温低下を補正すると、同緯度の地点の海陸配置など別の要因を比較しやすくなる。
判断の手順:両地点を同じ標高へ換算しP22.8℃・Q23.8℃と求める。観測差8℃と補正後の差1℃を比べ、標高差の寄与を判断する。
- 選択肢1:不正解
海面へ下げる換算では気温を加算する。高いQからさらに気温を引くと補正の向きが逆になる。 - 選択肢2:正解
Pは21+1.8=22.8℃、Qは13+10.8=23.8℃となる。観測差8℃に対し標高差の効果は9℃なので、標高差が差の大部分を説明する。 - 選択肢3:不正解
換算後には1℃の差が残る。またモデルで一致しても、海流や海陸配置など標高以外の要因がないとは証明できない。 - 選択肢4:不正解
標高差が大きく影響するという判断はよいが、換算後はQが1℃高い。補正後の大小関係を逆にしている。
復習のポイント:高度の違う地点を比較するときは、同じ標高へそろえて残る差を見る。
関連する一次資料:NOAA|Climate Zones
GE085 / 300気候・自然環境統計読解複合演習
盆地の明け方の鉛直気温
資料(学習用モデル値)| 地表からの高さ | 気温 |
|---|
| 2m | 3℃ |
| 50m | 5℃ |
| 100m | 7℃ |
| 300m | 5℃ |
盆地で晴天・弱風の明け方に表を得た。地表付近の露点は3℃である。起こりやすい現象とその過程の組合せを選べ。
- フェーン/風下へ下降した空気が冷え、飽和に達する
- 海風/冷えた盆地底から周辺斜面へ空気が上昇する
- 移流霧/暖かく湿った空気が寒流上へ移動して飽和する
- 放射霧/地表近くが冷え、下層の空気が飽和に達する
答えと全選択肢の解説
正解:4 放射霧/地表近くが冷え、下層の空気が飽和に達する
使う地理の知識:晴天・弱風の夜には放射冷却で地表付近が強く冷え、接地逆転や放射霧が生じやすい。
判断の手順:下層ほど気温が低い逆転を表から読む。地表付近の気温と露点が等しいことから飽和を判断し、天候条件と合わせて放射霧を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
フェーンの下降空気は一般に断熱的に昇温し、相対湿度が低下する。冷えて飽和するという説明が逆である。 - 選択肢2:不正解
海陸の温度差による風の場面ではない。また夜間には冷気が斜面を下り盆地にたまりやすい。 - 選択肢3:不正解
寒流上への水平移動という条件は示されていない。晴れた盆地で下層から冷える鉛直分布は放射冷却による霧と対応する。 - 選択肢4:正解
地表付近3℃に対して上空100mは7℃で逆転層がある。地表付近が露点3℃まで冷えており、放射冷却による霧が生じうる。
復習のポイント:霧は水平移動による冷却か、夜間の地表からの冷却かを条件から分ける。
関連する一次資料:気象庁|放射冷却米国気象局|How Fog Forms
GE086 / 300気候・自然環境事例判断標準演習
気候区分に使う資料の期間
ある北半球の温帯地域で、1年だけ7月降水量が5mmとなった。その地域を地中海性気候へ分類し直すか検討するとき、最も必要な追加資料を選べ。
- 近隣の一都市における過去最高気温と最低気温
- 同じ基準期間における12か月の平均気温と平均降水量
- その年の最大24時間降水量と雷の発生日数
- その年の7月に記録した最高気温と最少湿度
答えと全選択肢の解説
正解:2 同じ基準期間における12か月の平均気温と平均降水量
使う地理の知識:気候と一時的な天候を区別し、気候区分には同じ期間の月平均気温・降水量を用いる。
判断の手順:一度の少雨を長期的な夏季乾燥と区別する。気温条件と雨の季節配分の両方を確かめられる資料を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
近隣都市の気温極値だけでは、対象地点の降水の季節配分も平均気温も判定できない。 - 選択肢2:正解
気候は長期間の平均的な状態を扱う。温帯か、暖候期の乾燥が持続的な季節特徴かを調べるには、そろえた基準期間の月別気温・降水量が必要である。 - 選択肢3:不正解
大雨や雷の極端現象を調べる資料で、暖候期と寒候期の平均降水配分や気温条件を直接比較できない。 - 選択肢4:不正解
一か月の極端な値はその年の天候の特徴であり、地域の年間の平均的な気候区分を判断する資料として不足する。
復習のポイント:気候を比較する資料は、地点・期間・平均か極値かをそろえる。
関連する一次資料:NOAA|Climate vs. Weather気象庁|平年値の更新
GE087 / 300気候・自然環境統計読解複合演習
東西岸の降水配分を比較する
資料(学習用モデル値)| 地点 | 12〜2月 | 3〜5月 | 6〜8月 | 9〜11月 |
|---|
| P | 600mm | 300mm | 30mm | 270mm |
| Q | 90mm | 270mm | 600mm | 240mm |
P・Qは北緯35度前後の低地で、年平均気温と年降水量は等しい。表の季節配分から、大陸の東西と夏の水分条件について正しいものを選べ。
- Pが東岸型、Qが西岸型/夏の気温が同程度ならPのほうが水分不足になりやすい
- Pが西岸型、Qが東岸型/夏の気温が同程度ならPのほうが水分不足になりやすい
- Pが東岸型、Qが西岸型/年降水量が等しいため夏の水分条件も等しい
- Pが西岸型、Qが東岸型/年降水量が等しいため夏の水分条件も等しい
答えと全選択肢の解説
正解:2 Pが西岸型、Qが東岸型/夏の気温が同程度ならPのほうが水分不足になりやすい
使う地理の知識:温帯の大陸西岸と東岸は雨季が異なる。水分条件は年降水量と降水の季節配分を合わせて考える。
判断の手順:Pは6〜8月、Qは12〜2月が少雨と読み、北半球の季節に直す。大陸東西の特徴に対応させ、暖候期の水分供給を比較する。
- 選択肢1:不正解
夏に少雨となるPが西岸型、夏雨のQが東岸型である。水分不足の方向はよいが、東西の配置が逆である。 - 選択肢2:正解
Pは冬雨・夏乾燥、Qは夏雨であり、この緯度帯の西岸と東岸の典型に対応する。同程度の夏の気温なら少雨のPで季節的な不足が大きくなりやすい。 - 選択肢3:不正解
地域対応も逆であり、年量が等しいことから季節の水分条件まで等しいとすることもできない。 - 選択肢4:不正解
地域対応は正しいが、年量が同じでも夏の降水量は大きく違う。暖かい時期に雨が少ないPで不足が生じやすい。
復習のポイント:年降水量が等しいときほど、雨の季節と高温の季節の重なりを読む。
関連する一次資料:NOAA|Global Atmospheric CirculationsBeck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表
GE088 / 300気候・自然環境統計読解標準演習
同じ降水量でも異なる乾燥の程度
同じ年降水量の2地点(学習用モデル値)| 地点 | 年平均気温(℃) | 年降水量P(mm) | 乾燥限界R(mm) |
|---|
| X | 25 | 450 | 640 |
| Y | 5 | 450 | 240 |
年降水量Pが乾燥限界R未満ならB、R/2未満ならBW、R/2以上R未満ならBSとする。表の判定と背景の組合せを選べ。
- XはBS、YはBに当たらない/高温では大気の水分要求が大きくなりやすい
- XはBに当たらず、YはBS/低温では蒸発散が大きくなりやすい
- XはBW、YはBに当たらない/高温では大気の水分要求が大きくなりやすい
- XもYもBS/年降水量が等しければ乾燥区分も等しくなる
答えと全選択肢の解説
正解:1 XはBS、YはBに当たらない/高温では大気の水分要求が大きくなりやすい
使う地理の知識:乾燥の程度には降水量だけでなく蒸発散に関係する気温と雨の季節配分が影響する。
判断の手順:各地点で年量をRおよびR/2と比べる。その違いを年平均気温25℃と5℃の差に結び付ける。
- 選択肢1:正解
Xは320≦450<640なのでBS、Yは450≧240なので非Bである。高温ほど蒸発散の可能量が大きくなりやすく、同じ雨量でも水分条件は異なる。 - 選択肢2:不正解
X・Yの大小関係を逆にしている。一般に高温のほうが大気の水分要求が大きくなりやすい。 - 選択肢3:不正解
背景は合うが、Xの年量450mmはR/2=320mm以上なので砂漠のBWではなくBSとなる。 - 選択肢4:不正解
年量は同じでも乾燥限界が異なる。降水量だけを固定した閾値で区分すると、気温による水分条件を見落とす。
復習のポイント:乾燥帯は雨量の少なさだけで決めず、その土地の水分要求との関係で読む。
関連する一次資料:Beck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表NOAA|Climate Zones
GE089 / 300気候・自然環境事例判断標準演習
三地域の自然植生
3地域の気候条件(学習用モデル値)| 地域 | 気温 | 降水の特徴 |
|---|
| P | 全月25℃以上 | 全月150mm以上 |
| Q | 全月20〜25℃ | 年量1,000mmで夏に集中、冬の4か月は各10mm未満 |
| R | 最暖月7℃ | 少雨で低温の期間が長い |
土地利用の影響を受ける前の植生を考える。表のP・Q・Rに対応する植生の組合せを選べ。
- P:硬葉樹林/Q:サバナ/R:タイガ
- P:熱帯雨林/Q:サバナ/R:ツンドラ
- P:熱帯雨林/Q:硬葉樹林/R:タイガ
- P:サバナ/Q:熱帯雨林/R:ツンドラ
答えと全選択肢の解説
正解:2 P:熱帯雨林/Q:サバナ/R:ツンドラ
使う地理の知識:植生の違いには冬の寒さだけでなく、夏の暖かさと水分の季節配分が関係する。
判断の手順:P・Qは高温条件が共通なので乾季の有無で分ける。Rは最暖月7℃から森林の成立が難しい寒帯の植生と判断する。
- 選択肢1:不正解
Pは年中多雨なので夏季乾燥の硬葉樹林と合わない。Rは夏も7℃で、タイガより高緯度側のツンドラに対応する。 - 選択肢2:正解
Pは年中高温多雨、Qは全月高温で長い冬の乾季、Rは最暖月7℃である。それぞれ熱帯雨林、サバナ、ツンドラの気候条件と対応する。 - 選択肢3:不正解
Pは合うが、硬葉樹林は温帯の夏季乾燥に適応する植生でQの冬季乾燥と違う。Rは夏が森林成立に十分暖かくない。 - 選択肢4:不正解
Rは合うが、Pにはサバナを特徴づける明瞭な乾季がない。Qでは冬の長い乾季が熱帯雨林の連続的な生育を制約する。
復習のポイント:似た気温の地点は雨季で、寒冷地は夏の気温で植生を区別する。
関連する一次資料:NASA|Mission: Biomes
GE090 / 300気候・自然環境事例判断標準演習
高緯度の森林の境界
シベリアを南から北へ進むと、針葉樹林の広い地域から、低い草本やコケ類の多い地域へ移る。この変化と最も直接に関係する気候指標を選べ。
- 最暖月の平均気温と、樹木が成長できる期間
- 最寒月の最低気温と、強い風が吹いた日の回数
- 年降水量だけと、最も雨の多い日の降水量
- 年間の降雪量だけと、冬の日の出の時刻
答えと全選択肢の解説
正解:1 最暖月の平均気温と、樹木が成長できる期間
使う地理の知識:北半球高緯度のタイガとツンドラの境界は、樹木の生育期の熱条件と深く関係する。
判断の手順:植生の変化を森林限界と捉える。厳冬に耐える樹木でも夏に成長する必要があるため、最暖月と生育期間を選ぶ。
- 選択肢1:正解
森林の極限付近では、夏の暖かさと生育期間の短さが樹木の生育を大きく制約する。冷帯のタイガからツンドラへの変化に対応する。 - 選択肢2:不正解
冬の寒さも関係するが、厳寒に耐える針葉樹もある。森林の北限を考える中心的な手掛かりは夏の暖かさである。 - 選択肢3:不正解
水分は植生に重要だが、ここでは高緯度へ向かう森林限界の問題である。年量と一日の大雨だけでは夏の低温を捉えられない。 - 選択肢4:不正解
降雪や日照も関係しうるが、冬だけの指標では生育期の熱の不足を直接比較できない。
復習のポイント:森林限界を冬の厳しさだけで説明せず、夏に成長できるかを問う。
関連する一次資料:NASA|Mission: Biomes
GE091 / 300気候・自然環境事例判断標準演習
葉の特徴と季節的乾燥
温帯のAでは夏に少雨、Bでは冬に低温となり、Aの樹木は硬い葉を保ち、Bの広葉樹の多くは冬に葉を落とす。適応と地域例の組合せを選べ。
- A:冬の低温への適応・赤道低地/B:夏の乾燥への適応・地中海沿岸
- A:夏の乾燥への適応・地中海沿岸/B:冬の低温への適応・西ヨーロッパ内陸
- A:冬の低温への適応・地中海沿岸/B:夏の乾燥への適応・西ヨーロッパ内陸
- A:夏の乾燥への適応・赤道低地/B:冬の低温への適応・地中海沿岸
答えと全選択肢の解説
正解:2 A:夏の乾燥への適応・地中海沿岸/B:冬の低温への適応・西ヨーロッパ内陸
使う地理の知識:硬葉樹と夏緑樹は、葉を維持するのが難しい季節が異なる。気候の季節性と葉の性質を結び付ける。
判断の手順:Aの制約を夏の水分不足、Bの制約を冬の低温と分ける。各制約が代表的な地域の気候と一致するか確認する。
- 選択肢1:不正解
赤道低地に冬の低温への適応を置く点も、地中海沿岸の特徴を夏緑樹の冬落葉とする点も合わない。 - 選択肢2:正解
Aの小さく硬い葉は夏の水分損失を抑える適応と関係する。Bの夏緑樹の落葉は冬の低温期を越す性質で、温帯の異なる制約を示す。 - 選択肢3:不正解
地域例は合うが、Aは夏の乾燥、Bは冬の低温という制約を逆にしている。 - 選択肢4:不正解
Aの適応の説明は合うが、年中多雨の赤道低地は夏季乾燥の典型ではない。Bの冬季落葉の例を地中海性気候の代表にするのも合わない。
復習のポイント:葉が硬い・葉を落とすといった特徴を、何の季節的制約に応じるかで覚える。
関連する一次資料:NASA|Mission: BiomesNASA|Mission: Biomes — Shrubland
GE092 / 300気候・自然環境事例判断標準演習
湿潤地域の土壌断面
南アメリカの湿潤熱帯で、古く安定した地表の土壌を調べた。赤色で深い風化層があり、溶けて移動しやすい成分は少ない。この特徴の形成過程を選べ。
- 強い化学的風化と溶脱が進み、鉄やアルミニウムの酸化物が相対的に残る
- 乾燥による蒸発が卓越し、地表近くに可溶性塩類が集積する
- 酸性の浸透水が上層を灰白色にし、その下に集積層を形成する
- 草の根に由来する腐植が集まり、表層に黒い厚い層が形成される
答えと全選択肢の解説
正解:1 強い化学的風化と溶脱が進み、鉄やアルミニウムの酸化物が相対的に残る
使う地理の知識:湿潤熱帯の古い地表では強い風化と溶脱が進み、ラトソルなどの赤色系の土壌がみられる。
判断の手順:気候と地表が長く安定していた条件から強い化学的風化を考える。赤色と可溶成分の乏しさを酸化物の残留と溶脱に対応させる。
- 選択肢1:正解
高温と豊富な水分は化学的風化を進め、溶けやすい成分を運び出す。残りやすい酸化物が赤色などに関係する。 - 選択肢2:不正解
可溶性塩類の集積は乾燥地域で水が蒸発しやすい条件と関係する。多雨で溶脱が進む資料の条件とは逆である。 - 選択肢3:不正解
灰白色の溶脱層と下方の集積はポドゾル化の特徴である。提示された深い赤色の風化層とは形成過程が違う。 - 選択肢4:不正解
草の根に由来する厚い黒色腐植層はチェルノーゼムなどの草原土壌に対応する。深い赤色風化層の主な説明とは異なる。
復習のポイント:土壌名を色だけで決めず、気候・有機物・水の移動のしくみと照合する。
関連する一次資料:FAO|Lecture Notes on the Major Soils of the World — Ferralsols
GE093 / 300気候・自然環境事例判断標準演習
草原の表層と土壌形成
ユーラシア中緯度の草原で、厚く黒い表層と豊富な腐植をもつ土壌を観察した。名称と、湿潤熱帯の赤色土壌との違いを説明する組合せを選べ。
- ラトソル/草の根からの有機物供給と分解・溶脱の釣合いで、腐植の多い表層が形成される。
- チェルノーゼム/草の根からの有機物供給と分解・溶脱の釣合いで、腐植の多い表層が形成される。
- ラトソル/可溶性成分が強く溶脱し、鉄やアルミニウムの酸化物が相対的に残留する。
- チェルノーゼム/可溶性成分が強く溶脱し、鉄やアルミニウムの酸化物が相対的に残留する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 チェルノーゼム/草の根からの有機物供給と分解・溶脱の釣合いで、腐植の多い表層が形成される。
使う地理の知識:チェルノーゼムは中緯度草原で形成される腐植に富む土壌で、植生からの供給と分解・水による移動の関係が重要である。
判断の手順:草原と厚い黒色腐植層から名称を対応させる。湿潤熱帯の強い分解・溶脱と比べ、腐植が残る形成条件を考える。
- 選択肢1:不正解
草原の腐植形成の説明は合うが、ラトソルは湿潤熱帯の強い化学的風化・溶脱を特徴とする土壌で、観察地点の名称と合わない。 - 選択肢2:正解
中緯度草原の根などに由来する有機物と、分解・溶脱の条件により、腐植の多い厚い黒色表層が形成される。チェルノーゼムの特徴である。 - 選択肢3:不正解
名称と過程の組合せ自体は湿潤熱帯の土壌として整合するが、設問は中緯度草原の厚い黒色腐植層を示している。地域と観察条件に合わない。 - 選択肢4:不正解
土壌名は合うが、示した過程は湿潤熱帯の赤色土壌の特徴である。チェルノーゼムの黒色表層では鉄の酸化物より腐植の蓄積に着目する。
復習のポイント:黒色土の学習では、色に対応する物質とその供給源を確認する。
関連する一次資料:FAO|Lecture Notes on the Major Soils of the World — Chernozems
GE094 / 300気候・自然環境事例判断標準演習
森林の土壌断面と物質移動
土壌断面の上から下への順序(学習用モデル値)| 層 | 観察 |
|---|
| 地表付近 | 落葉などの有機物 |
| その下 | 灰白色の層 |
| さらに下 | 鉄・アルミニウムや有機物を含む暗褐色の集積層 |
北ヨーロッパの冷涼な森林で表の断面を観察した。土壌名と、上層から下層への物質移動の組合せを選べ。
- ラトソル/草の根の分解で黒い腐植が厚くなり、灰白色層を覆う
- チェルノーゼム/上層から鉄・アルミニウムや有機物が運ばれ、下層に集積する
- ポドゾル/上層から鉄・アルミニウムや有機物が運ばれ、下層に集積する
- ポドゾル/地下水の上昇で塩類が表層へ運ばれ、黒色の層に集積する
答えと全選択肢の解説
正解:3 ポドゾル/上層から鉄・アルミニウムや有機物が運ばれ、下層に集積する
使う地理の知識:ポドゾルは上層の溶脱と下層の集積が特徴で、色の違いを物質の移動として理解する。
判断の手順:地表から下への層序を読み、灰白色層では物質が失われ、その下では集まっていると判断する。その組合せをポドゾルに対応させる。
- 選択肢1:不正解
ラトソルの主な特徴は湿潤熱帯の強い風化・溶脱である。草原の腐植形成とポドゾルの灰白色層を混ぜている。 - 選択肢2:不正解
移動の説明は合うが、チェルノーゼムは中緯度草原の厚い黒色腐植層が特徴で、この灰白色層との対応とは違う。 - 選択肢3:正解
灰白色の溶脱層と、その下の有機物・鉄などの集積層はポドゾルの特徴である。水による上から下への物質移動と対応する。 - 選択肢4:不正解
土壌名は合うが、塩類が上昇して表層に集まる説明は乾燥地域などの塩類集積である。資料の上層溶脱・下層集積と逆向きになる。
復習のポイント:断面図は上層と下層を対にし、物質がどちらへ動いたかを追う。
関連する一次資料:FAO|Lecture Notes on the Major Soils of the World — Podzols
GE095 / 300気候・自然環境事例判断複合演習
気候が同じでも違う土壌
資料(学習用モデル値)| 地点 | 母材 | 排水・観察 |
|---|
| P | 火山灰 | 水が抜けやすく、有機物を含む黒い土 |
| Q | 河川の細粒堆積物 | 地下水位が高く、灰色の層がある |
同じ気候・植生の地域でPには黒い火山灰土、Qには地下水位の高い低地の灰色の土がみられた。Pの黒色とQの灰色を、それぞれ説明する主な過程を選べ。
- P:蒸発に伴う塩類の表層への集積/Q:酸素が乏しい条件での鉄の還元
- P:母材の性質による腐植の保持/Q:酸素が豊富な条件での鉄の酸化
- P:母材の性質による腐植の保持/Q:酸素が乏しい条件での鉄の還元
- P:蒸発に伴う塩類の表層への集積/Q:酸素が豊富な条件での鉄の酸化
答えと全選択肢の解説
正解:3 P:母材の性質による腐植の保持/Q:酸素が乏しい条件での鉄の還元
使う地理の知識:土壌の黒色は腐植、赤褐色や灰色は鉄の酸化還元の状態などと関係する。母材と排水条件によって同じ気候でも土壌が異なる。
判断の手順:Pの火山灰由来の母材と黒色を腐植の保持に結び付ける。Qでは地下水位が高く酸素が乏しい条件を読み、鉄の還元と灰色化に対応させる。
- 選択肢1:不正解
Qの説明は合うが、Pの黒色は腐植と関係する。塩類の表層集積は乾燥地などでみられ、黒色腐植層を説明する過程ではない。 - 選択肢2:不正解
Pの説明は合うが、Qは高い地下水位で酸素が乏しい条件である。鉄の酸化による赤褐色化と還元による灰色化を逆にしている。 - 選択肢3:正解
火山灰由来の鉱物は有機物を保持し、黒い表層の形成に関係する。排水不良で酸素が乏しい低地では、鉄が還元され灰色を示す土層ができやすい。 - 選択肢4:不正解
Pは腐植の保持、Qは排水不良に伴う還元が適切である。乾燥地の塩類集積と排水良好な場所の酸化をそれぞれ当てはめている。
復習のポイント:共通する条件を固定して、異なる母材や排水が何を変えるかを調べる。
関連する一次資料:FAO|Lecture Notes on the Major Soils of the World:Introduction(土壌形成要因)FAO|Lecture Notes on the Major Soils of the World — Andosols(火山灰土と有機物)FAO|Lecture Notes on the Major Soils of the World — Gleysols(還元と灰色化)
GE096 / 300気候・自然環境統計読解標準演習
高緯度の地温と水の動き
過去3年間の地温の範囲(学習用モデル値)| 地表からの深さ(m) | 最低地温(℃) | 最高地温(℃) |
|---|
| 0.2 | −10 | 8 |
| 1.5 | −6 | −1 |
| 10 | −3 | −2 |
表は高緯度の平坦な土地の地温である。深さ0.2mでは毎夏融解・毎冬凍結し、1.5m以下は3年間0℃以下だった。夏に地表付近が湿地化しやすい理由を選べ。
- 凍った深部の層は水を通しやすいため、地下から水が上昇し続ける
- 表層の地温が0℃を超えると深部の凍土も消え、地下水の流出が増える
- 融ける表層の下に凍った層が残り、下向きの排水が妨げられる
- 夏には永久凍土全体が毎年融け、その水が冬まで地表を流れ続ける
答えと全選択肢の解説
正解:3 融ける表層の下に凍った層が残り、下向きの排水が妨げられる
使う地理の知識:永久凍土の上に季節的に融解する活動層があり、凍った層は排水や土地利用に影響する。
判断の手順:深さごとの最高地温を比べ、融ける表層と融けない深部を分ける。平坦な地形と下層の凍結から排水の制約を考える。
- 選択肢1:不正解
凍結した層は一般に下向きの浸透を妨げる側に働く。水を通しやすいため上昇し続けるという説明ではない。 - 選択肢2:不正解
表層が融けても、深部の地温は0℃以下に保たれている。表層と深部の状態を区別する必要がある。 - 選択肢3:正解
夏に融ける活動層の下には永久凍土が残る。平坦な場所では下方への排水が制約され、融雪水や降水が表層にたまりやすい。 - 選択肢4:不正解
毎年融けるのは活動層であり、永久凍土は少なくとも2年連続で0℃以下の地盤を指す。
復習のポイント:地表の夏の状態だけで深部を判断せず、深さごとの地温と水の経路を見る。
関連する一次資料:NSIDC|Frozen Ground and Permafrost
GE097 / 300気候・自然環境計算複合演習
月別の土壌水分を追う
可能蒸発散量Eは水が十分あれば蒸発・蒸散しうる量。地下や他地域からの流入、表面流出は考えず、貯留の上限は100mmとする。数値は水分収支を学ぶためのモデル値である。
夏に向かう月別の水分条件(学習用モデル値)| 月 | 降水量P(mm) | 可能蒸発散量E(mm) |
|---|
| 5月 | 80 | 100 |
| 6月 | 70 | 140 |
| 7月 | 40 | 170 |
| 8月 | 90 | 160 |
北半球の地中海沿岸を想定した資料である。5月初めの土壌水分貯留は100mm。各月にP−Eを加え、0mmを下回る分は不足量とする。このモデルで初めて不足が生じる月と、その背景を選べ。
- 7月/冬の偏西風による多雨と蒸発散量の減少が重なる
- 7月/夏の少雨と大きい可能蒸発散量が重なる
- 6月/夏の少雨と大きい可能蒸発散量が重なる
- 8月/秋の気温低下と土壌水分の回復が重なる
答えと全選択肢の解説
正解:2 7月/夏の少雨と大きい可能蒸発散量が重なる
使う地理の知識:地中海性気候では暖候期の降水不足と蒸発散が重なる。月の水分収支と土壌に残る水を区別する。
判断の手順:毎月のP−Eを前月末の貯留に順番に加える。初めて0を下回る7月を求め、その時期が夏季乾燥に当たることを確認する。
- 選択肢1:不正解
7月という計算は合うが、地中海沿岸の夏の不足を冬の多雨で説明することはできない。 - 選択肢2:正解
5月末80mm、6月末10mm、7月は10+40−170=−120mmとなり初めて不足が生じる。夏の乾燥と高い蒸発散要求が原因である。 - 選択肢3:不正解
6月のP−Eは−70mmだが、5月からの80mmがあるので月末10mm残る。月の収支が負でも直ちに不足とはならない。 - 選択肢4:不正解
7月に貯留が尽きるので8月を待たない。気温低下は蒸発散を減らす方向であり、不足開始の原因とは逆である。
復習のポイント:月単独の赤字と、それまでの貯留を使い切る時期を区別する。
関連する一次資料:NOAA|Climate ZonesBeck et al.(NOAA収蔵)|High-resolution Köppen–Geiger maps:分類基準表
GE098 / 300気候・自然環境事例判断基礎確認
二つの半球の日射の季節
緯度の絶対値と標高が等しい北緯35度のPと南緯35度のQを比べる。6月の昼の長さと南中高度の組合せとして正しいものを選べ。
- Pのほうが昼が長く、太陽の南中高度は低い
- Qのほうが昼が長く、太陽の南中高度は低い
- Qのほうが昼が長く、太陽の南中高度も高い
- Pのほうが昼が長く、太陽の南中高度も高い
答えと全選択肢の解説
正解:4 Pのほうが昼が長く、太陽の南中高度も高い
使う地理の知識:地軸の傾きによって太陽高度と昼の長さが季節変化し、南北半球の季節は反対になる。
判断の手順:6月を北半球の夏側と位置付ける。同じ絶対緯度で、昼の長さと南中高度の両方を比べる。
- 選択肢1:不正解
昼の長さは合うが、北半球では6月に太陽の南中高度も高い。二つの効果がともに夏の日射を増やす。 - 選択肢2:不正解
南中高度がQで低い点は合うが、昼の長さもQのほうが短い。日射の二つの要素を別の季節にしている。 - 選択肢3:不正解
6月の南半球は冬側なので、同じ絶対緯度ならQの昼は短く太陽高度も低い。 - 選択肢4:正解
6月には北半球が太陽に向く側へ傾くため、同じ絶対緯度なら北半球のPが長い昼と高い南中高度をもつ。
復習のポイント:季節の日射量は、太陽の高さと照らされる時間の二つから考える。
関連する一次資料:国立科学博物館|季節はどうしてできるのですか
GE099 / 300気候・自然環境事例判断複合演習
太平洋赤道域の東西差
資料(学習用モデル値)| 観察項目 | 平常時との比較 |
|---|
| 太平洋赤道域の東風 | 弱い |
| 中部・東部の海面水温 | 高い |
太平洋赤道域で、表の状態が数か月以上続いている。平常時からの変化として整合する組合せを選べ。
- 西へ海水を押す力が強まり、暖水域と活発な対流域が西へ縮む
- 西へ海水を押す力が弱まり、暖水域と活発な対流域が東へ広がる
- 東へ海水を押す力が弱まり、冷水の湧昇と東部の対流がともに強まる
- 東へ海水を押す力が強まり、東部の海面水温が下がり対流が弱まる
答えと全選択肢の解説
正解:2 西へ海水を押す力が弱まり、暖水域と活発な対流域が東へ広がる
使う地理の知識:太平洋の貿易風、暖水の西への集積、東部の湧昇、対流の位置は互いに関連する。
判断の手順:表から東風の弱化と東部の高水温を読む。暖水の移動・湧昇・対流を因果順にたどって整合する説明を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
これは貿易風が強まるラニーニャ時の方向に近い。表は東風が弱いことと中・東部の高水温を示している。 - 選択肢2:正解
東風が弱まると西へ暖水を寄せる働きが弱まり、暖水が東へ広がる。東部の湧昇も弱まり、対流の活発な海域が東へ移るというエルニーニョの典型と合う。 - 選択肢3:不正解
貿易風は平常時に海水を西へ押す。向きが逆であり、表の東部高水温は冷水湧昇の強化とも合わない。 - 選択肢4:不正解
東への暖水の広がりは東部の高水温に関係する。海面水温低下と対流弱化という部分が表の状態とは逆になる。
復習のポイント:エルニーニョは名称だけで覚えず、風→海水→水温→対流の順で追う。
関連する一次資料:気象庁|エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
GE100 / 300気候・自然環境事例判断複合演習
三地域の雨の成因を比べる
資料(学習用モデル値)| 地域 | 観察された特徴 |
|---|
| P | 赤道付近の低地。晴れた朝の後、午後に積乱雲が発達する |
| Q | 太平洋の島。湿った貿易風を受ける斜面で雨が多い |
| R | 日本の初夏。暖かく湿った空気と冷たい空気の境界に沿って雨域が長く延びる |
P・Q・Rの多雨を説明する主なしくみを対応させたものを選べ。
- P:対流性/Q:前線性/R:地形性
- P:前線性/Q:地形性/R:対流性
- P:対流性/Q:地形性/R:前線性
- P:地形性/Q:対流性/R:前線性
答えと全選択肢の解説
正解:3 P:対流性/Q:地形性/R:前線性
使う地理の知識:降水には空気の上昇と冷却が必要で、加熱・地形・前線は異なる上昇の原因となる。
判断の手順:各資料から午後の加熱、山地の風上、寒暖気団の境界を取り出す。それぞれが空気を上昇させる方法に対応させる。
- 選択肢1:不正解
Pは合うが、Qの斜面の差は地形性上昇、Rの境界付近の広域雨は前線性上昇と対応する。 - 選択肢2:不正解
Qは合うが、Pに継続的な寒暖気団の境界は示されず、Rには前線の停滞が与えられている。対流性と前線性を逆にしている。 - 選択肢3:正解
Pは赤道低地の午後の加熱による対流、Qは海からの風を受ける斜面の地形性上昇、Rは暖気と寒気の境界に沿う前線性上昇が主な説明となる。 - 選択肢4:不正解
Rは合うが、Pは低地で午後に発達する対流、Qは山地の風上という地形条件が主要な手掛かりである。
復習のポイント:雨の種類は地域名だけで決めず、上昇を起こす条件を特定する。
関連する一次資料:NOAA|Air Masses and Fronts仙台管区気象台|雲ができる仕組み米国気象局|Climate of Hawaiʻi:地形と降水
産業・資源・流通 50問農林水産業・エネルギー・工業立地・貿易・輸送
GE101 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
モンスーン地域の作付け
インド北部の農業を考える資料・実測値ではない(学習用モデル値)| 季節 | 平均気温 | 降水の特徴 | 農地の水管理 |
|---|
| 雨季(6〜9月) | 約28℃ | 季節風による降水が多い | 低地の水田を利用 |
| 乾季(11〜3月) | 約14℃ | 降水が少ない | 河川・地下水によるかんがい |
インド北部の平野を想定した資料で、雨季と乾季に組み合わせる穀物と、その作付けを支える条件として適切なものを選べ。
- 雨季も乾季も米。用水を確保すれば、冬の気温が低いことは水稲の生育を制約しない。
- 雨季は小麦、乾季は米。小麦の登熟に高温多雨を利用し、米の登熟には冬の低温を利用する。
- 雨季も乾季も小麦。水稲より湛水に強い小麦を利用し、低地の排水条件を補う。
- 雨季は米、乾季は小麦。季節風の雨と、かんがいを利用する比較的冷涼な冬作を組み合わせる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 雨季は米、乾季は小麦。季節風の雨と、かんがいを利用する比較的冷涼な冬作を組み合わせる。
使う地理の知識:南アジアでは夏の季節風の雨を利用する米と、比較的冷涼な乾季にかんがいで作る小麦などを組み合わせる地域がある。水と気温の条件を作物別に区別する。
判断の手順:夏の高温多雨と湛水する低地を米に対応させる。冬の比較的低い気温を小麦に結び付け、少雨の季節に必要なかんがいを確認する。
- 選択肢1:不正解
用水を確保しても水稲の生育に必要な温度の制約は残る。熱帯低地の二期作を、冬の冷涼な地域へそのまま当てはめている。 - 選択肢2:不正解
米は高温と十分な水を要し、小麦の成熟・収穫には比較的乾燥した条件が適する。高温多雨と冬の低温への対応が逆である。 - 選択肢3:不正解
小麦は水田稲作のような湛水栽培を行う作物ではない。米と麦の水条件を取り違えている。 - 選択肢4:正解
夏季の高温と季節風の雨を水田稲作に利用し、冬は比較的冷涼な条件で小麦を作る。冬の少雨にはかんがいが重要となる。
復習のポイント:年降水量だけでなく、作物ごとの生育温度・水条件を季節に合わせて判断する。
関連する一次資料:農林水産省「1.水稲」FAO「Crop water needs」FAO「Fisheries in irrigation systems of arid Asia」インドの雨季・乾季の作付けとかんがい
GE102 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
斜面と低地の農地利用
斜面の棚田Pと沖積低地の水田Qを比較した。地形と水利用の関係について、適切な説明を選べ。
- Pでは畦を低くして田面の傾斜を残すことで湛水を安定させ、Qでは後背湿地ほど排水がよい。
- Pでは田面を水平に区切って湛水し、Qでは細粒物の多い後背湿地ほど自然排水しやすい。
- Pでは地下水位の低さを利用して畦を省き、Qでは自然堤防より後背湿地で畑地を確保しやすい。
- Pでは田面を水平に区切って湛水し、Qでは微高地と後背湿地で排水条件が異なる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Pでは田面を水平に区切って湛水し、Qでは微高地と後背湿地で排水条件が異なる。
使う地理の知識:棚田の田面と畦は水を保つ役割を持つ。沖積平野の自然堤防と後背湿地には標高・粒径・排水性の違いがある。
判断の手順:斜面では田面を水平にする意味を考える。低地では洪水時の堆積物の粒径と微地形を結び付ける。
- 選択肢1:不正解
棚田では斜面を段状にして水平な田面と畦で水を保つ。後背湿地は自然堤防より低く、排水が悪いことが多い。 - 選択肢2:不正解
棚田の説明は正しいが、後背湿地の細粒土は透水性が低く、周囲より低い位置とも重なって排水不良になりやすい。 - 選択肢3:不正解
水田には湛水のための畦などが必要で、地下水位が低いことだけでは水を保てない。畑地は一般に低湿な後背湿地より自然堤防の排水条件が有利である。 - 選択肢4:正解
棚田は斜面に平坦面を設けて湛水する。沖積低地では自然堤防は比較的排水がよく、後背湿地は低湿になる。
復習のポイント:農地の外見だけでなく、標高差・堆積物・水の流れを結ぶ。
関連する一次資料:農林水産省「1.水稲」
GE103 / 300産業・資源・流通計算標準演習
穀物農場の生産性
比較資料(学習用モデル値)| 農場 | 耕地面積ha | 収穫量t | 労働時間 |
|---|
| P | 10 | 60 | 6000 |
| Q | 100 | 400 | 10000 |
同じ穀物を作る農場P・Qについて、土地生産性と労働生産性の比較、および経営の説明がともに適切なものを選べ。労働時間は農場全体の年間合計である。
- Qは土地生産性、Pは労働生産性が高く、Pでは面積拡大が省力化をもたらしている。
- Pは土地・労働の両生産性が高く、大区画の機械化による省力化が表れている。
- Pは土地生産性、Qは労働生産性が高く、Qは広い土地を少ない労働で耕作している。
- Qは土地・労働の両生産性が高く、単位面積への労働投入もPを上回っている。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Pは土地生産性、Qは労働生産性が高く、Qは広い土地を少ない労働で耕作している。
使う地理の知識:集約的農業は土地面積当たりの投入が多い。大規模・機械化農業では単収が最大でなくても労働生産性が高くなり得る。
判断の手順:面積当たりと労働時間当たりを別に計算する。次に1ha当たり労働時間を比べ、集約度と省力化の違いを確かめる。
- 選択肢1:不正解
土地生産性と労働生産性の大小がともに逆である。Pの単収が高いことを労働の効率と取り違えている。 - 選択肢2:不正解
Pの単収は6t/haで高いが、労働1時間当たりは0.01tでQの0.04tより低い。面積当たりと労働当たりは別の尺度である。 - 選択肢3:正解
Pは60÷10=6t/ha、Qは400÷100=4t/ha。労働生産性はPが0.01t/時、Qが0.04t/時で、Qの省力的な経営と整合する。 - 選択肢4:不正解
Qは単収が低く、労働投入も100時間/haでPの600時間/haより少ない。規模が大きいだけで全指標は高くならない。
復習のポイント:農業の生産性は分母をそろえ、土地と労働の二軸で判断する。
関連する一次資料:農林水産省「豪州 小麦」FAO「Mixed farming systems and the environment」
GE104 / 300産業・資源・流通事例判断基礎確認
作付け暦の読み取り
比較資料(学習用モデル資料)| 体系 | 春〜夏 | 秋〜冬 | 地域条件 |
|---|
| X | 水稲 | 小麦 | 温帯、冬は低温 |
| Y | 水稲 | 水稲 | 熱帯、乾季にかんがい |
資料のX・Yの呼び方と、それを可能にする条件の組合せを選べ。
- Xは二期作で乾季に小麦を作り、Yは二毛作で雨季にイネを作る。
- Xは二毛作で冬にもイネが育ち、Yは二期作で小麦の収穫を増やす。
- Xは二期作で冬の低温を利用し、Yは二毛作で年間の高温を利用する。
- Xは二毛作で冬に小麦を作り、Yは二期作で乾季にも用水を確保する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Xは二毛作で冬に小麦を作り、Yは二期作で乾季にも用水を確保する。
使う地理の知識:二毛作は同じ耕地で異なる作物を年2回作ること、二期作は同じ作物を年2回作ることである。
判断の手順:まず作物名で二毛作と二期作を区別する。その後、冬の低温と乾季の水不足がどちらの制約かを判定する。
- 選択肢1:不正解
Xでは水稲を年2回収穫しない。Yの乾季作も水稲であり、作物の区別を確認する必要がある。 - 選択肢2:不正解
Xの冬作は小麦である。温帯では冬の低温が水稲栽培を制約し、小麦などの裏作と組み合わせる。 - 選択肢3:不正解
Xは水稲と小麦という異なる作物なので二毛作。Yは水稲を二度作る二期作で、呼び方が逆である。 - 選択肢4:正解
Xは異なる二作物の二毛作、Yは同一作物の二期作である。Yの乾季作には高温に加え用水確保が必要となる。
復習のポイント:作付け回数だけでなく、作物の種類と季節的制約を読む。
関連する一次資料:農林水産省「1.水稲」FAO「Crop water needs」
GE105 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
地中海沿岸の作物と水利用
地中海沿岸の産地で、冬小麦と夏季出荷の野菜を栽培する。降水の季節性と作物の違いを踏まえた説明を選べ。
- 冬小麦は夏の乾燥を避けて生育し、夏野菜は根域の水供給を減らすほど収量を高めやすい。
- 冬小麦は冬の降水を利用し、夏野菜は点滴かんがいによって地表全体を湿らせ蒸発を増やす。
- 冬小麦は乾いた冬のかんがいに依存し、夏野菜は季節風がもたらす夏の降水を利用する。
- 冬小麦は冷涼で雨の多い時期を利用し、夏野菜の点滴かんがいは蒸発などによる損失を抑える。
答えと全選択肢の解説
正解:4 冬小麦は冷涼で雨の多い時期を利用し、夏野菜の点滴かんがいは蒸発などによる損失を抑える。
使う地理の知識:地中海性気候は冬季湿潤・夏季乾燥である。点滴かんがいは作物の根域へ水を供給する。
判断の手順:降水の多い季節と各作物の生育期を重ねる。夏に不足する水を、どの方法なら損失を抑えて補えるか考える。
- 選択肢1:不正解
冬小麦の説明は合うが、夏の乾燥下で根域への供給を減らすほど収量が高まるとはいえない。節水は不要な損失を減らし必要な水を供給することである。 - 選択肢2:不正解
冬小麦の季節は合っているが、点滴かんがいは主に根域へ少量ずつ送水する方式である。地表全体を湿らせる散水と区別する。 - 選択肢3:不正解
地中海沿岸では一般に冬に降水が多く、夏に乾燥する。東アジアの季節風地域の季節性を当てはめている。 - 選択肢4:正解
冬の降水は冬小麦の生育を支える。夏作の野菜は乾燥期に水が必要となり、根域へ送水する方法は節水につながる。
復習のポイント:気候の年平均ではなく作期と降水期の重なりを確認する。
関連する一次資料:FAO「Crop water needs」FAO「Drip irrigation」
GE106 / 300産業・資源・流通統計読解複合演習
農地面積と延べ作付面積
比較資料(学習用モデル値)| 項目 | 整備前 | 整備後 |
|---|
| 耕地面積ha | 100 | 100 |
| 延べ作付面積ha | 100 | 150 |
| 年間収穫量t | 500 | 750 |
| 総労働時間 | 20000 | 18000 |
ある地区で圃場整備とかんがい整備が行われた。表から読み取れる変化と、農業の変化の説明として適切なものを選べ。
- 土地生産性は変わらず、延べ作付面積当たり収量の上昇だけで収穫量が増えた。
- 土地生産性と延べ作付面積当たり収量がともに50%上昇し、耕地の拡大が進んだ。
- 土地生産性は低下したが、延べ作付面積当たり収量が増加し、作付けの集約度が下がった。
- 土地生産性は上昇したが、延べ作付面積当たり収量は変わらず、複数回の作付けが増えた。
答えと全選択肢の解説
正解:4 土地生産性は上昇したが、延べ作付面積当たり収量は変わらず、複数回の作付けが増えた。
使う地理の知識:耕地面積は土地の実面積、延べ作付面積は同じ土地の複数回利用を重複して数える。二期作や二毛作は土地利用率を高める。
判断の手順:耕地面積と延べ作付面積を区別して単収を求める。次に年間収穫量が増えた原因を1作当たり収量と作付回数に分ける。
- 選択肢1:不正解
分母を耕地面積にすると土地生産性は上がる。1作当たりの収量が上がったのではなく年間の延べ作付が増えた。 - 選択肢2:不正解
耕地は100haで変わらない。延べ作付面積の増加を、新たに開墾した土地の面積と混同している。 - 選択肢3:不正解
延べ作付面積÷耕地面積は100%から150%へ上がる。土地の年間利用度は低下ではなく上昇している。 - 選択肢4:正解
耕地1ha当たり収穫量は5tから7.5tに増える。一方、延べ作付面積当たりは両年5tで、作付回数の増加が総収穫を押し上げている。
復習のポイント:同じ「ha」でも実面積と延べ面積を区別する。
関連する一次資料:農林水産省「1.水稲」FAO「Mixed farming systems and the environment」
GE107 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
二つの酪農地域
比較資料(学習用モデル値)| 指標(1戸平均) | P | Q |
|---|
| 飼料作物面積ha | 60 | 3 |
| 購入飼料割合(乾物重量)% | 35 | 85 |
| 生乳の飲用向け割合% | 25 | 90 |
| 大消費地までの道路距離km | 700 | 40 |
P・Qは、北海道東部の草地型酪農地域と大都市近郊の酪農地域の特徴を単純化したものである。対応と立地の説明として適切なものを選べ。
- Pは北海道東部で飼料生産基盤が広く、Qは大都市近郊で飲用乳市場に近い。
- Qは大都市近郊で、夏の冷涼さがPより低い飲用向け割合を説明する。
- Qは北海道東部で、広い草地と低い地価が購入飼料への高い依存を説明する。
- Pは大都市近郊で、飲用乳需要の近さが飼料作物の広い面積を説明する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 Pは北海道東部で飼料生産基盤が広く、Qは大都市近郊で飲用乳市場に近い。
使う地理の知識:北海道の酪農は広い飼料生産基盤を持つ。都市近郊酪農は飲用乳市場との近さを生かす一方、飼料を外部に依存しやすい。
判断の手順:飼料作物面積と購入飼料割合から経営基盤を判定する。次に飲用向け割合と市場距離を照合して地域を対応させる。
- 選択肢1:正解
Pは自給粗飼料の基盤が広い北海道東部、Qは飲用乳の需要地に近い大都市近郊に対応する。 - 選択肢2:不正解
Qの飲用向けは90%でPより高い。市場への近さと保存・流通条件を読むべきで、夏の冷涼さに結び付けるのは不適切。 - 選択肢3:不正解
Qは狭い飼料作物面積と高い購入飼料依存を示す。北海道の草地基盤の広さを説明したことにはならない。 - 選択肢4:不正解
Pは飼料作物面積が広く、市場からも遠いので北海道東部に対応する。大都市近郊は土地確保が制約されやすい。
復習のポイント:酪農の立地は気候・飼料用地・市場を合わせて判断する。
関連する一次資料:農林水産省「国産飼料の生産動向」北海道農政事務所「順調に進む一番牧草の刈り取り」
GE108 / 300産業・資源・流通統計読解標準演習
野菜産地の出荷時期
比較資料(学習用モデル値)| 産地 | 主な出荷月 | 8月平均気温 | 市場までkm |
|---|
| P | 12〜4月(施設栽培) | 27℃ | 600 |
| Q | 7〜9月(露地栽培) | 19℃ | 250 |
| R | 5〜6月・10〜11月(露地栽培) | 27℃ | 30 |
表は同じ野菜を作る三つの産地の例である。P・Q・Rの立地と出荷の説明として適切なものを選べ。
- Pは温暖な沿岸、Qは高冷地であり、通常の露地作と時期をずらして大都市へ出荷している。
- Qは都市近郊、Rは高冷地であり、Qは短い輸送距離を生かして夏に出荷している。
- PとQは都市近郊であり、出荷時期の違いは市場までの距離だけで生じている。
- Pは高冷地、Qは温暖な沿岸であり、Pは低温を利用して出荷を早めている。
答えと全選択肢の解説
正解:1 Pは温暖な沿岸、Qは高冷地であり、通常の露地作と時期をずらして大都市へ出荷している。
使う地理の知識:促成栽培は出荷を早め、冷涼地の作型は平地の暑い時期にも栽培できる。遠郊園芸は気候差と輸送条件を利用する。
判断の手順:主な出荷月を露地作Rと比較する。Pの冬季、Qの夏季という特徴を気候・標高と結び付ける。
- 選択肢1:正解
Pは冬春の温暖さ、Qは夏の冷涼さを利用する。大市場から遠くても出荷時期をずらすことと輸送網により園芸産地が成り立つ。 - 選択肢2:不正解
Qの距離は250km、Rは30kmなので近郊はRに対応する。Qの夏季出荷には冷涼な気候が関わる。 - 選択肢3:不正解
P・QはRより市場から遠い。距離だけでは月別出荷の違いを説明できず、気候と栽培施設を見る必要がある。 - 選択肢4:不正解
冬春に出荷するPは温暖な沿岸で保温・加温を利用する促成的な作型に対応する。高冷地は夏季の出荷が典型となる。
復習のポイント:園芸産地は「どこへ」に加えて「いつ出荷するか」を読む。
関連する一次資料:農林水産省「ナスができるまで」
GE109 / 300産業・資源・流通事例判断複合演習
施設園芸の費用と立地
同量当たり費用(共通単位)、燃料高騰前(学習用モデル値)| 産地 | 冬の気候 | 暖房燃料費 | 輸送費 |
|---|
| P | 温暖 | 10 | 30 |
| Q | 寒冷 | 30 | 10 |
同一品質・同一収量のトマトを冬に出荷するP・Q産地を比較する。燃料単価だけが2倍になったとき、収益が高い産地とその理由の組合せを選べ。販売収入と表以外の費用は等しい。
- Q。市場に近いことで輸送費が減り、暖房費が増えても総費用はPより小さいため。
- P。燃料単価の上昇で輸送費の差が縮まり、冬の気候条件の影響が小さくなるため。
- P。暖房費と輸送費がともにQより小さく、燃料単価の変化に影響されないため。
- P。温暖な気候による暖房費の小ささが、市場から遠いことによる輸送費を上回るため。
答えと全選択肢の解説
正解:4 P。温暖な気候による暖房費の小ささが、市場から遠いことによる輸送費を上回るため。
使う地理の知識:暖地の施設園芸には暖房費を抑える利点があるが、市場からの距離は輸送費を増やす。立地の有利さは費用の構成で変わる。
判断の手順:燃料単価の変化を暖房費だけに反映する。変更後の総費用を比べ、気候上の優位と輸送上の不利を評価する。
- 選択肢1:不正解
Qは輸送費が20小さいが暖房費が40大きい。市場への近さだけでなくエネルギー費との合計を比べる必要がある。 - 選択肢2:不正解
Pが有利という結論は同じでも、輸送費は変わっていない。増えたのは暖房費の差で、気候条件の影響は大きくなっている。 - 選択肢3:不正解
Pの輸送費はQより高く、暖房費も倍増している。どちらの費用も小さいという説明は表に合わない。 - 選択肢4:正解
燃料費倍増後の計はPが20+30=50、Qが60+10=70。温暖地の暖房費の優位が輸送費の不利を上回る。
復習のポイント:地理的な有利・不利を費用の項目に分け、条件変化後に比較する。
関連する一次資料:農林水産省「ナスができるまで」FAO「Crop water needs」
GE110 / 300産業・資源・流通計算複合演習
商品作物への依存と交易
当初輸出額を合計100とする(学習用モデル値)| 品目 | 当初の輸出額 |
|---|
| コーヒー | 80 |
| その他 | 20 |
P国はコーヒーに輸出を依存し、食料を輸入する。コーヒーの輸出量は変わらず価格が20%下落、その他の輸出額は不変だった。同時に輸入穀物の単価が25%上昇した。輸出収入の全額で買える穀物量は以前の何%になるか。
- 105%。輸入価格の上昇が輸出収入の下落を相殺し、穀物の購買力が高まる。
- 67.2%。輸出収入の減少と輸入価格の上昇が重なり、穀物の購買力が低下する。
- 80%。主力輸出品の価格が下がった割合が、そのまま穀物購入量の減少率となる。
- 64%。コーヒー価格だけを輸出収入に反映し、輸入価格の変化を考慮しない。
答えと全選択肢の解説
正解:2 67.2%。輸出収入の減少と輸入価格の上昇が重なり、穀物の購買力が低下する。
使う地理の知識:一次産品に偏る輸出構造では、その価格変動が輸入品の購買力に影響する。輸出と輸入の相対価格の変化を交易条件として考える。
判断の手順:輸出品構成で重み付けして収入の変化を求める。次に輸入価格指数で割り、穀物量に換算する。
- 選択肢1:不正解
輸入品の値上がりは同じ輸出収入で買える量を減らす。輸出価格低下と逆方向に相殺するものではない。 - 選択肢2:正解
輸出収入は80×0.8+20=84。穀物価格は1.25倍なので、購入可能量は84÷1.25=67.2となる。 - 選択肢3:不正解
20%下落するのは輸出全体ではなくコーヒー部分だけ。また輸入穀物の価格上昇も購買力に影響する。 - 選択肢4:不正解
コーヒー収入は80から64になるが、その他20を加えると輸出全体は84。さらに輸入価格が上がるため64%ではない。
復習のポイント:輸出額の増減と、輸入品を買える量の増減を区別する。
関連する一次資料:農林水産省「第138号 ドイトンコーヒー」WTO「Trade in value added: what is the country of origin in an interconnected world?」
GE111 / 300産業・資源・流通事例判断複合演習
耕種と畜産の結び付き
比較資料(学習用モデル値)| 年間窒素量(共通単位) | 前期 | 後期 |
|---|
| 購入飼料に含まれる窒素 | 30 | 50 |
| 購入肥料に含まれる窒素 | 20 | 20 |
| 販売した作物・畜産物に含まれる窒素 | 35 | 35 |
畑作と畜産を組み合わせた農場で、家畜頭数は変えず購入飼料を増やした。表に示す外部投入と農産物による搬出を比較した窒素収支について、適切な説明を選べ。表以外の投入・搬出条件は変わらないとする。
- 購入飼料の増加は畑への投入を減らすため、農地面積が同じでも窒素の過剰は解消する。
- 混合農業では堆肥を農地に戻すため、外部からの窒素投入が増えても農場内の余剰は増えない。
- 堆肥の循環があっても、外部投入の増加に搬出が追いつかなければ窒素余剰が増える。
- 購入飼料の増加分は家畜体内で消費されるため、畜産物として搬出される窒素だけが減る。
答えと全選択肢の解説
正解:3 堆肥の循環があっても、外部投入の増加に搬出が追いつかなければ窒素余剰が増える。
使う地理の知識:混合農業は飼料作物と家畜ふん尿を循環させるが、購入飼料や肥料による養分の過剰投入を自動的に解消するわけではない。
判断の手順:農場の外との出入りと、農場内の循環を区別する。両時点の外部投入−搬出を求めて余剰を比較する。
- 選択肢1:不正解
購入飼料は家畜を通して農場へ窒素を持ち込む。肥料投入が不変なので、購入飼料の増加だけでは余剰は解消しない。 - 選択肢2:不正解
堆肥は農場内部の循環であり、外から入る窒素を減らすわけではない。外部投入と外部搬出の差を見る必要がある。 - 選択肢3:正解
表に示す投入は50から70、農産物による搬出は35で不変なので、その差は15から35へ増える。堆肥の内部循環があっても、外部投入に応じた養分管理が必要である。 - 選択肢4:不正解
購入飼料に含まれる窒素の一部は排せつ物になる。表では畜産物などによる搬出量は変わっていない。
復習のポイント:資源循環を見るときは、地域の内側の矢印と外側からの流入を分ける。
関連する一次資料:FAO「Mixed farming systems and the environment」
GE112 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
熱帯林地域の土地利用
熱帯林地域の移動耕作で、同じ区画の作付けは2年間のまま、休閑期間が12年から3年になった。この変化の説明として適切なものを選べ。
- 同じ区画の利用間隔が長くなり、焼畑の灰による養分供給の回数が減る。
- 休閑は作物を収穫しない期間なので、短縮すると土壌の養分が蓄積しやすくなる。
- 作付けの年数が同じなので、地域全体の土地利用の強さは変わらない。
- 年間に作付けされる土地の割合が増え、植生を介して養分が回復する時間が短くなる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 年間に作付けされる土地の割合が増え、植生を介して養分が回復する時間が短くなる。
使う地理の知識:移動耕作の持続性は作付期間だけでなく、休閑中の植生・地力回復に依存する。熱帯の強い降雨では養分の溶脱も起こりやすい。
判断の手順:作付けと休閑を合わせた周期を比べる。再利用の頻度上昇を、植生回復と養分循環に結び付ける。
- 選択肢1:不正解
利用間隔は短くなる。再利用の頻度が増すことと、十分な植生が育つ前に焼くことが地力に影響する。 - 選択肢2:不正解
休閑中には植生の再生や有機物の供給が進む。収穫をしないことを養分回復に無意味と捉えるのは誤り。 - 選択肢3:不正解
1回の作付け年数は同じでも、再び使うまでの周期は14年から5年へ短くなるので、土地利用は強まる。 - 選択肢4:正解
作付け割合は2/14から2/5へ増える。休閑中に植生や有機物が回復する時間が減り、従来の循環を維持しにくくなる。
復習のポイント:農業の集約度は作付年数だけでなく、再利用までの周期で判断する。
関連する一次資料:FAO「Mixed farming systems and the environment」
GE113 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
乾燥地のかんがいと土壌
比較資料(学習用モデル値)| 条件 | 数値・観察 |
|---|
| 年降水量 | 200mm |
| 年蒸発散要求量 | 1,200mm |
| 地下水位(地表下) | 3.0m→0.8m |
| かんがい水 | 微量の塩類を含む |
| 位置 | 海岸から600km以上の内陸 |
中央アジアの乾燥地を想定した圃場で、かんがい開始後に地下水位が上昇し、地表付近の塩分濃度が増えた。表から考えられる主な過程と対策の組合せを選べ。
- 地下水の毛管上昇で塩類が集まるため、地下水位を地表近くに保って根へ水を供給する。
- かんがい水の塩類が原因なので、排水を変えず取水量を増やして地下水位を上げる。
- 地下水の毛管上昇と蒸発が原因で、排水を改善して地下水位を下げる。
- 地下水の上昇が地表の塩類を深部へ溶脱するため、対策は地表の蒸発を増やすことである。
答えと全選択肢の解説
正解:3 地下水の毛管上昇と蒸発が原因で、排水を改善して地下水位を下げる。
使う地理の知識:乾燥地では蒸発が降水を上回りやすく、排水不良のかんがい地で塩類集積が起こる。海から遠い場所でも発生する。
判断の手順:気候から溶脱と蒸発のどちらが優勢かを考える。地下水位の上昇と地表塩分の増加を結び付けて対策を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
塩類の供給経路は合っているが、地下水位を高く保つと毛管上昇が起こりやすく、蒸発による地表の塩類集積を助長する。 - 選択肢2:不正解
塩を含むかんがい水も供給源となるが、排水不良のまま水を増やすと地下水位がさらに上がる。洗脱には塩を含む水が根域外へ排出される経路が必要である。 - 選択肢3:正解
浅い地下水から水が上昇し、蒸発で塩類が地表付近に残る。排水によって地下水位を管理し、必要な洗脱も検討する。 - 選択肢4:不正解
毛管上昇と溶脱では水の移動方向が異なる。強い蒸発は塩を水とともに除くのではなく、地表付近に残す働きを持つ。
復習のポイント:地下水位・毛管上昇・蒸発・排水を結び付けて塩類集積の過程を説明する。
関連する一次資料:国際農研「高地下水位条件下における圃場レベルの塩害軽減対策のガイドライン」
GE114 / 300産業・資源・流通計算標準演習
圃場と流域の水収支
比較資料(学習用モデル値)| 年間水量(共通単位) | 変更前 | 変更後 |
|---|
| 河川からの取水 | 100 | 60 |
| 河川へ戻り下流で再利用可能な水 | 30 | 10 |
かんがい方式の変更後、作物の収穫量は変わらなかった。取水のうち下流に戻る水は再利用でき、その他はこの流域外へ失われるとする。圃場の節水量と流域全体の水消費削減量の組合せを選べ。
- 圃場の取水は20減り、流域の水消費は40減る。
- 圃場の取水は40減り、流域の水消費も40減る。
- 圃場の取水は60減り、流域の水消費は20減る。
- 圃場の取水は40減り、流域の水消費は20減る。
答えと全選択肢の解説
正解:4 圃場の取水は40減り、流域の水消費は20減る。
使う地理の知識:かんがいの取水量と蒸発散などによる水消費は異なる。戻り水が下流で再利用される流域では、圃場単位と流域単位の効果が一致しない。
判断の手順:圃場の取水の差を求める。次に各時点で戻り水を差し引き、流域から失われる水の差を求める。
- 選択肢1:不正解
取水は100から60なので40減る。流域の水消費は取水から再利用可能な戻り水を差し引いて求める。 - 選択肢2:不正解
取水は40減るが、下流へ戻る水も20減る。取水削減をそのまま流域全体の節水とみなすことはできない。 - 選択肢3:不正解
後期の取水量60を削減量と取り違えている。節水量は変更前と変更後の差で判断する。 - 選択肢4:正解
取水削減は100−60=40。水消費は前期100−30=70、後期60−10=50で、削減は20となる。
復習のポイント:節水の効果は対象範囲と、戻り水の行き先を確認して評価する。
関連する一次資料:FAO「Drip irrigation」FAO「Crop water needs」
GE115 / 300産業・資源・流通知識確認基礎確認
食料自給率の二つの指標
日本の食料自給率について、供給熱量ベースと生産額ベースの違いを踏まえた説明として適切なものを選べ。
- 野菜の国内生産額が高ければ、供給熱量ベースでも穀物より大きな重みを持つ。
- 国産野菜などの高付加価値化は、生産量が同じでも生産額ベースの指標に影響する。
- 国内で飼育した畜産物は、飼料の原産地に関係なく熱量全量を国産に算入する。
- 生産額ベースの自給率が上昇すれば、国産食料の供給熱量も同じ割合で増えている。
答えと全選択肢の解説
正解:2 国産野菜などの高付加価値化は、生産量が同じでも生産額ベースの指標に影響する。
使う地理の知識:食料自給率は何を重みとして合算するかで値が異なる。国内生産と、飼料も含めた国内資源への依存度は区別する。
判断の手順:各指標の分子・分母の単位を確認する。数量が同じでも金額が変化する例を考え、熱量と価格を混同しない。
- 選択肢1:不正解
熱量ベースはカロリーが重みである。金額が高い野菜でも、熱量の大きい穀物と同じ重みにはならない。 - 選択肢2:正解
数量が同じでも国産品の価格・付加価値が変われば国産生産額が変わる。熱量ベースとの違いを示している。 - 選択肢3:不正解
供給熱量ベースでは畜産物の飼料自給率を反映する。国内飼育の事実だけで国産熱量の全てになるわけではない。 - 選択肢4:不正解
生産額は数量に加えて価格の影響を受ける。生産額ベースの上昇から熱量の同率増加は導けない。
復習のポイント:割合を比べる前に、熱量・重量・金額のどれで集計したかを確かめる。
関連する一次資料:農林水産省「食料自給率とは」
GE116 / 300産業・資源・流通計算複合演習
森林の蓄積と年齢構成
比較資料(学習用モデル値)| 指標 | P | Q |
|---|
| 年間成長量m³ | 1000 | 1000 |
| 年間伐採量m³ | 800 | 800 |
| 林齢構成 | 成熟林に偏る | 若齢〜成熟林に分散 |
二つの人工林地区について、今後10年間の木材供給を考える。年末蓄積の増減と、供給継続の評価の組合せとして適切なものを選べ。立木材積の増減は成長と伐採だけで決まる。
- 両地区の蓄積は200m³増える。Qは若齢林の割合が高いほど大径材の当面の供給力も高くなるため、若齢林への転換を急ぐ。
- 両地区の蓄積は200m³増える。Pは成熟林を伐採した後に供給適齢の林分が不足する場合があるため、更新と齢級構成を確認する。
- 両地区の蓄積は200m³増える。Pは成熟林が多いので伐採量を成長量以下に保てば、今後10年の供給量も同じに維持できる。
- 両地区の蓄積は200m³増える。Qは齢級が分散しているため、今後10年間の供給可能量は毎年の純増200m³に一致する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 両地区の蓄積は200m³増える。Pは成熟林を伐採した後に供給適齢の林分が不足する場合があるため、更新と齢級構成を確認する。
使う地理の知識:森林蓄積は森林内の立木材積を指し、森林面積とは異なる。木材供給の持続性には成長・伐採・再造林と齢級構成が関わる。
判断の手順:まず成長量から伐採量を引く。次に齢級構成を読み、同じ純増でも伐採可能な木材と更新の状況が違うことを確かめる。
- 選択肢1:不正解
純増の計算は正しいが、若齢林は成長途上である。若齢林が多いことを、当面の大径材の供給力の高さと同一視できない。 - 選択肢2:正解
どちらも1,000−800=200m³増えるが、供給に適する林齢の分布は異なる。Pで成熟林を伐った後の更新と、続いて伐採する林分の量が持続的供給の検討に必要である。 - 選択肢3:不正解
純増が正でも、伐採適齢の林分の不足や更新後の成長待ちが起こり得る。総量の収支条件だけでは年ごとの供給継続を保証しない。 - 選択肢4:不正解
純増200m³は成長1,000から伐採800を引いた量で、伐採可能量そのものではない。齢級の分散は供給の平準化に役立つが、この等式は成り立たない。
復習のポイント:森林は面積・蓄積・年齢構成を分けて評価する。
関連する一次資料:林野庁「第1章 森林の整備・保全」
GE117 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
東部太平洋沿岸の変化
ペルー沖の過程を考える資料・実測値ではない(学習用モデル値)| 観測指標 | 平常期 | 変化期 |
|---|
| 表面水温℃ | 19 | 25 |
| 表層の栄養塩濃度(指数) | 100 | 35 |
| 植物プランクトン量(指数) | 100 | 45 |
ペルー沖を想定した観測値を示す。平常期から変化期への移行を、エルニーニョ現象と沿岸の生産力の関係から説明したものを選べ。
- 暖水の東向きの移動が弱まり、冷たい水の湧昇量が増えて表層の栄養塩が減少した。
- 偏西風の南下で寒流が強まり、冷たい表層水が沈み込んで栄養塩が減少した。
- 貿易風の弱まりに伴い冷たい深層水の供給が弱くなり、表層の栄養塩が減少した。
- 貿易風の強まりで湧昇が強くなり、表層へ暖かい栄養塩の多い水が供給された。
答えと全選択肢の解説
正解:3 貿易風の弱まりに伴い冷たい深層水の供給が弱くなり、表層の栄養塩が減少した。
使う地理の知識:ペルー沖では湧昇による栄養塩供給が豊かな漁場を支える。エルニーニョに伴う海洋・大気の変化はこの供給を弱める場合がある。
判断の手順:水温上昇と栄養塩低下を一組として読む。湧昇水の性質と貿易風・東部太平洋の変化を結び付ける。
- 選択肢1:不正解
エルニーニョでは暖水が東へ広がる。冷たく栄養塩の多い水の湧昇が強まるなら、表の水温上昇・栄養塩低下とは整合しない。 - 選択肢2:不正解
ペルー沖の変化を偏西風の南下と寒流強化で説明するのは不適切。寒流・湧昇の強化なら表の水温上昇と整合しない。 - 選択肢3:正解
エルニーニョ時は東部赤道太平洋の暖水域の広がりや躍層の変化などで沿岸湧昇の栄養塩供給が弱まり、生産力が低下し得る。 - 選択肢4:不正解
強い湧昇は一般に冷たく栄養塩の多い水を表層へ供給する。表では温暖化と栄養塩低下が起きており、この説明とは逆。
復習のポイント:豊かな漁場の理由は海水温の低さだけでなく、表層への栄養塩供給で説明する。
関連する一次資料:NOAA「What is upwelling?」NOAA PMEL「What is El Niño?」
GE118 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
養殖方式と湾の環境
比較資料(学習用モデル資料)| 地点 | 養殖対象 | 海水交換 | 観察 |
|---|
| P | カキ | 比較的大きい | 底質変化は小さい |
| Q | ブリ | 比較的小さい | 残餌を含む堆積物が増加 |
同じ湾内のP・Qで養殖が行われている。Qで有機物の堆積が増えやすい理由として、資料と養殖方式の違いに合うものを選べ。
- Qでは海水交換が少ないほど、底層へ酸素が供給され有機物の分解が速くなる。
- Qでは給餌による外部投入があり、海水交換が弱い場所では残餌や排せつ物が滞留しやすい。
- Pではカキが海水をろ過するため、底層へ沈む有機物が生じないことがQとの違いである。
- Pではカキに配合飼料を与えるため、外部から入る有機物がQより多くなる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Qでは給餌による外部投入があり、海水交換が弱い場所では残餌や排せつ物が滞留しやすい。
使う地理の知識:魚類の給餌養殖と貝類の無給餌養殖では、外からの飼料投入が異なる。湾の静穏さは作業上の利点になるが海水交換も重要である。
判断の手順:養殖対象から給餌の有無を判定する。次に海水交換の強弱を読み、有機物の投入・滞留・分解を結ぶ。
- 選択肢1:不正解
海水交換が弱いと酸素供給も制約されやすい。有機物の分解による酸素消費に補給が追いつかない場合がある。 - 選択肢2:正解
Qは飼料を外から投入し、残餌やふんが沈む。弱い海水交換と重なることで、海底環境への負荷が増えやすい。 - 選択肢3:不正解
カキでもふんや偽ふんが生じる。無給餌であることと、有機物が底に沈まないことは同じではない。 - 選択肢4:不正解
カキ養殖は通常、海中の植物プランクトンなどを利用する無給餌養殖である。魚類の給餌養殖と取り違えている。
復習のポイント:養殖は対象生物・給餌・海水交換を組み合わせて考える。
関連する一次資料:水産庁「給餌養殖と無給餌養殖の違い」水産庁「我が国周辺の水産資源」
GE119 / 300産業・資源・流通計算複合演習
漁獲統計と資源評価
比較資料(学習用モデル値)| 期間 | 漁獲量t | 延べ操業隻日 |
|---|
| 前期 | 1000 | 500 |
| 後期 | 1200 | 800 |
同じ魚種について、1隻1日当たり漁獲量を比べる。後期には魚群探知機の性能が向上した。表に合い、資源評価として妥当な説明を選べ。
- 単位努力当たり漁獲量は2tから1.5tへ減った。探知性能の向上が漁獲効率を低下させたと評価する。
- 単位努力当たり漁獲量は2tから1.5tへ減った。分母が操業隻日なので、探知性能が変わっても資源量は25%減と評価する。
- 単位努力当たり漁獲量は2tから1.5tへ減った。総漁獲量は増えたため、資源量も増加したと評価する。
- 単位努力当たり漁獲量は2tから1.5tへ減った。資源量の変化率を推定するには、探知性能の変化を調整する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 単位努力当たり漁獲量は2tから1.5tへ減った。資源量の変化率を推定するには、探知性能の変化を調整する。
使う地理の知識:漁獲量は資源量だけでなく操業努力・技術・海況に左右される。単位努力当たり漁獲量も同条件で比較する必要がある。
判断の手順:各期の延べ操業隻日を分母として計算する。次に漁獲技術が一定でないという条件から、資源量との対応の限界を判断する。
- 選択肢1:不正解
魚群探知機の改良は通常、魚群の発見と操業効率を高める方向に働く。漁獲効率の低下を直接引き起こしたとする説明は適切でない。 - 選択肢2:不正解
隻日で割ると操業量の違いは調整できるが、1隻1日の漁獲能力の変化までは除けない。25%という低下率を資源量へそのまま移せない。 - 選択肢3:不正解
1隻1日当たりは2tから1.5tへ下がる。総漁獲量の増加には操業努力の増加が含まれ、総量の大小だけで資源量の増減を決められない。 - 選択肢4:正解
前期1,000÷500=2、後期1,200÷800=1.5。探知機の改良によって同じ資源量でも漁獲効率が変わるため、技術の影響を調整して資源の変化を推定する。
復習のポイント:漁獲の総量・努力量・技術条件を分けて読む。
関連する一次資料:水産庁「我が国周辺の水産資源」
GE120 / 300産業・資源・流通事例判断複合演習
魚粉の供給地域と海洋環境
供給地域Pは南アメリカ大陸西岸の南緯12度付近、Qはアフリカ大陸南西岸の南緯22度付近にある。両地域では天然の小型魚を原料に魚粉を製造する。位置は地域の特徴を考える学習用設定で、特定企業の調達実績ではない。
東アジアの養殖業者が、魚粉の供給地域P・Qの海洋環境を調べた。両地域の漁場の背景と、東部太平洋でエルニーニョに伴う変化が進んだ場合の説明として適切なものを選べ。
- Pは寒流、Qは暖流の沿岸にある。Pの変動は天然漁業の問題なので、給餌養殖の原料調達とは切り分けて評価する。
- P・Qとも寒流と沿岸湧昇が漁場を支える。Pで表層への栄養塩供給が弱まると、遠隔地の養殖飼料の調達にも影響し得る。
- P・Qとも暖流が低緯度から栄養塩を運ぶ。Pで海面水温が上がると、湧昇の強化によって魚粉原料の供給が増えやすい。
- P・Qとも同じ太平洋の寒流域にある。Pで起きる貿易風と湧昇の変化を、そのままQの漁獲変化の根拠にできる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 P・Qとも寒流と沿岸湧昇が漁場を支える。Pで表層への栄養塩供給が弱まると、遠隔地の養殖飼料の調達にも影響し得る。
使う地理の知識:南アメリカ西岸のペルー海流とアフリカ南西岸のベンゲラ海流は寒流で、沿岸湧昇による栄養塩供給が漁場を支える。天然魚の魚粉は養殖飼料とも結び付く。
判断の手順:大陸・緯度・海岸側からPとQを世界地図に位置付ける。寒流と湧昇の性質を確認し、Pの海況変化から魚粉を介した供給網への影響をたどる。
- 選択肢1:不正解
Qのアフリカ南西岸も寒流域である。また養殖が天然魚を飼料に使う場合、養殖と天然漁業の資源利用は結び付いている。 - 選択肢2:正解
Pはペルー沖、Qはベンゲラ海流が流れるアフリカ南西岸に対応し、寒流域の湧昇が栄養塩を供給する。Pの生産力の変動は魚粉を介して離れた養殖地域へ伝わり得る。 - 選択肢3:不正解
両地域とも暖流域ではなく寒流・湧昇域である。エルニーニョ時の東部太平洋では、表面水温上昇と栄養塩供給の低下が同時に起こり得る。 - 選択肢4:不正解
Pは太平洋、Qは大西洋に面し、同じ海域ではない。Qへの影響はその地域の観測で判断すべきで、Pの局地的な変化をそのまま当てはめられない。
復習のポイント:大陸西岸の海流と湧昇を、遠隔地へつながる飼料の供給網と結び付ける。
関連する一次資料:NOAA「What is upwelling?」NOAA PMEL「What is El Niño?」FAO Fisheries Circular No. 920:南東大西洋・ベンゲラ湧昇域水産庁「令和3年度 養殖業の成長産業化」
GE121 / 300産業・資源・流通計算標準演習
エネルギー源の構成と自給
比較資料(学習用モデル値)| 供給源(同じ熱量単位) | P | Q |
|---|
| 輸入石油 | 50 | 50 |
| 輸入天然ガス | 20 | 120 |
| 国産石炭 | 10 | 10 |
| 国内水力・風力など | 20 | 20 |
P・Qの一次エネルギー供給を比較する。表以外のエネルギーは利用せず、輸出・在庫変動はない。自給率の比較とエネルギー構成の説明がともに適切なものを選べ。
- 自給率はP30%・Q15%。QはPより石油の構成比が小さいため、化石燃料全体の構成比も低い。
- 自給率はP30%・Q15%。QはPより石油の構成比が小さいが、輸入燃料全体への依存度は高い。
- 自給率はP30%・Q15%。QはPより石油の構成比が小さく、石油輸入の絶対量も半分である。
- 自給率はP30%・Q15%。QはPと国産水力・風力などの量が等しいため、その構成比も等しい。
答えと全選択肢の解説
正解:2 自給率はP30%・Q15%。QはPより石油の構成比が小さいが、輸入燃料全体への依存度は高い。
使う地理の知識:石油・石炭・天然ガスはいずれも化石燃料である。石油依存度の低下、エネルギー源の多様化、国内資源による自給率の上昇は別の変化である。
判断の手順:国産供給30をそれぞれの総供給100・200で割る。次に石油と輸入燃料全体の比率を別々に計算し、天然ガスも輸入資源であることを確認する。
- 選択肢1:不正解
天然ガスも石炭も化石燃料である。化石燃料の割合はP80%、Q90%となり、石油の割合が低いことだけで判断できない。 - 選択肢2:正解
国産供給はいずれも30で、Pは30/100、Qは30/200。石油の比率は50%から25%へ下がるが、輸入燃料の比率は70%から85%へ上がる。 - 選択肢3:不正解
自給率は正しいが、石油輸入量は両国50で同じ。Qの石油構成比25%がPの50%の半分なのは総供給量が大きいためである。 - 選択肢4:不正解
国産水力・風力などの量はともに20だが、構成比はP20%、Q10%で異なる。絶対量と総供給に占める割合を区別する。
復習のポイント:どこで発電したかと、元のエネルギー資源がどこで得られたかを分ける。
関連する一次資料:資源エネルギー庁「エネルギー白書2024 エネルギー需給の概要」
GE122 / 300産業・資源・流通統計読解標準演習
電源構成とエネルギー全体
架空の島国の構成・各行の分母は異なる(学習用モデル値)| 構成比% | 水力・地熱 | 石油 | その他 |
|---|
| 発電電力量 | 90 | 5 | 5 |
| 一次エネルギー供給 | 55 | 40 | 5 |
ある島国では発電の大部分を水力・地熱が占める一方、船舶や航空機には輸入石油を使っている。表の読み取りとして適切なものを選べ。
- 電力を国内で作る国では、輸送用に輸入した石油も国産エネルギーとして自給率に算入する。
- 電源構成と一次エネルギー構成は対象が異なり、輸送部門の燃料が全体の輸入依存を残す。
- 電力の国産割合が90%なので、一次エネルギー全体の国産割合も90%となる。
- 一次エネルギーに石油が40%あるため、発電電力量でも石油の割合が40%となる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 電源構成と一次エネルギー構成は対象が異なり、輸送部門の燃料が全体の輸入依存を残す。
使う地理の知識:水力・地熱に恵まれる地域でも、電化されていない輸送用途に化石燃料を使う場合がある。一次エネルギーと発電電力量の構成は異なる。
判断の手順:二つの表の分母を確認する。次に電力へ変換されず使われる石油の用途を見つける。
- 選択肢1:不正解
国内で消費するという意味の国内供給と、国内資源で賄う国産供給は違う。輸入石油は自給分にならない。 - 選択肢2:正解
表は電源構成と一次エネルギー構成で分母が異なる。水力・地熱が豊富でも、非電力の輸送需要で輸入石油を使う場合がある。 - 選択肢3:不正解
発電はエネルギー利用の一部である。輸送用などの燃料を含む一次エネルギー全体へ電源構成の割合を移すことはできない。 - 選択肢4:不正解
石油が船舶・航空など発電以外に使われているため、一次エネルギー構成から電源構成は直接求められない。
復習のポイント:電源の再エネ割合を、エネルギー全体の自給率と読み替えない。
関連する一次資料:資源エネルギー庁「エネルギー白書2024 エネルギー需給の概要」JOGMEC「自然エネルギー大国の展望(アイスランド)」
GE123 / 300産業・資源・流通地図読解標準演習
原油輸送の海峡
海域の接続を示す学習用模式図(距離・形状は表さない)図の内容を文章で確認
ペルシア湾からX、アラビア海・インド洋、Y、南シナ海、日本の順に航路がつながる。
図はペルシア湾から日本への航路の一例である。X・Yの名称と、供給地域の分散について適切な組合せを選べ。迂回航路は考えない。
- Xはマラッカ、Yはホルムズ。アラビア海沿岸からの輸入もXを通過する。
- Xはバブ・エル・マンデブ、Yはマラッカ。ペルシア湾内で供給国を増やすとXを回避できる。
- Xはホルムズ、Yはスエズ。東南アジア産に切り替えるとYへの集中が増える。
- Xはホルムズ、Yはマラッカ。ペルシア湾内で供給国を増やしてもXへの集中は残る。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Xはホルムズ、Yはマラッカ。ペルシア湾内で供給国を増やしてもXへの集中は残る。
使う地理の知識:原油輸送では狭い海峡や運河がチョークポイントとなる。供給国を分散しても、共通航路にリスクが集中する場合がある。
判断の手順:湾と海域の位置関係からX・Yを同定する。次に供給国を変えても共通する海峡がどこかを確認する。
- 選択肢1:不正解
名称が逆である。ホルムズ海峡はペルシア湾と外海を結び、マラッカ海峡はインド洋側と南シナ海側を結ぶ航路上にある。 - 選択肢2:不正解
バブ・エル・マンデブ海峡は紅海の南の出口である。図のペルシア湾出口とは異なり、供給国数を増やしても航路集中は残る。 - 選択肢3:不正解
スエズ運河は紅海と地中海を結ぶ。日本へ向かう図の東向き航路のYはマラッカ海峡である。 - 選択肢4:正解
ペルシア湾出口はホルムズ海峡、マレー半島とスマトラ島の間がマラッカ海峡である。湾内の供給国を増やすだけでは出口の共通性は解消しない。
復習のポイント:供給国の数と、独立した輸送経路の数は分けて数える。
関連する一次資料:資源エネルギー庁「エネルギー白書2023 世界の一次エネルギーの動向」
GE124 / 300産業・資源・流通事例判断基礎確認
天然ガスの輸送体系
比較資料(学習用モデル資料)| 方式 | 輸送に使う施設 | 経路の特徴 |
|---|
| P | 連続する管路・圧縮設備 | 産地と市場を固定経路で接続 |
| Q | 液化基地・専用船・受入基地 | 寄港先を組み合わせて海上輸送 |
資料のP・Qは天然ガス輸送の方式を表す。方式の対応と立地条件の説明として適切なものを選べ。
- QはLNG輸送で、液化・再ガス化設備を要するが海上輸送で遠隔市場を結べる。
- Pはパイプライン輸送で、輸出港の液化設備がないため気体を船内で圧縮する。
- PはLNG輸送で、国境を越える長距離の管路と圧縮設備が輸送の中心となる。
- Qはパイプライン輸送で、液化基地と専用船があれば海上での航路変更ができる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 QはLNG輸送で、液化・再ガス化設備を要するが海上輸送で遠隔市場を結べる。
使う地理の知識:パイプラインは連続した固定経路、LNGは液化・専用船・再ガス化による輸送である。天然ガス産地と消費地の距離・海陸配置が方式に関わる。
判断の手順:資料の設備と輸送経路を区別する。液化基地・船・受入基地の組合せをLNGと対応させる。
- 選択肢1:正解
天然ガスは冷却して液化すると体積が小さくなる。基地設備への投資が必要だが、管路で結ばれていない市場も海上で結べる。 - 選択肢2:不正解
Pの名称は正しいが、パイプライン輸送は専用船を使わない。管路内を送る方式と船内輸送を混同している。 - 選択肢3:不正解
連続した管路で輸送するPはパイプライン方式である。LNGは冷却・液化して専用船で運ぶ方式である。 - 選択肢4:不正解
Qの記述はLNG方式の特徴である。海底を通す場合もパイプラインは固定した管路に沿って輸送する。
復習のポイント:輸送の状態変化と、必要なインフラを対応させる。
関連する一次資料:資源エネルギー庁「LNGを安定的に供給するための取り組み」
GE125 / 300産業・資源・流通統計読解標準演習
風力資源と消費地の位置
比較資料(学習用モデル値)| ある時間帯の条件 | 電力MW |
|---|
| 既存風力の発電 | 180 |
| 地域内需要 | 100 |
| 他地域へ送れる電力の総上限(この時間帯) | 80 |
| 追加設備の発電見込み | 50 |
北海道北部の風況がよい地域を想定して風力発電を増やす。資料の時間帯に、他地域へ送れる電力の上限を増やさず設備だけを追加した場合の説明として適切なものを選べ。蓄電・他電源との調整は考えない。
- 既存発電だけで地域内需要と送電可能量の上限の合計に達するため、追加分には出力抑制が生じる。
- 地域内需要と送電可能量の上限の差20MWが現在の余剰なので、追加分50MWのうち30MWを送れる。
- 送電可能量の上限80MWが追加分50MWを上回るので、既存発電の配分を変えず追加分を送れる。
- 既存発電から地域内需要を引くと80MW余るので、追加分50MWも送電可能量の上限内に収まる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 既存発電だけで地域内需要と送電可能量の上限の合計に達するため、追加分には出力抑制が生じる。
使う地理の知識:風力資源に恵まれる地域と電力の大消費地は一致しない。発電設備量だけでなく地域間送電の容量が導入を制約する。
判断の手順:地域内で消費できる量と他地域へ送れる量を合計する。既存と追加の発電を比較し、自然条件と送電条件のずれを判断する。
- 選択肢1:正解
地域内需要100と送電可能量の上限80で利用可能量は180。既存発電180で達しており、追加分を利用するには送電・蓄電・需要調整などが必要。 - 選択肢2:不正解
地域内需要と送電可能量の上限を引いた20MWは余剰発電ではない。余剰は発電量から地域内需要を引いて求める。 - 選択肢3:不正解
送電可能量の上限は既存の余剰発電80MWで使われる。追加分だけを80MWと比較すると既存発電からの送電を見落とす。 - 選択肢4:不正解
既存の余剰80MWが送電可能量の上限80MWを使い切る。すでに送る予定の量と追加設備の発電量を別々に同じ余力へ割り当てることはできない。
復習のポイント:再エネの適地評価は、資源量から消費地までのつながりを含める。
関連する一次資料:資源エネルギー庁「系統容量の確保に向けた現状・課題・対応策」
GE126 / 300産業・資源・流通計算標準演習
太陽光発電と夕方の需給
比較資料(学習用モデル値)| 時間帯 | 需要MW | 太陽光MW |
|---|
| 昼 | 80 | 60 |
| 夕方 | 85 | 10 |
太陽光以外で賄う電力を「需要−太陽光発電」とする。表の昼から夕方への変化量と、それに対応する方法の組合せとして適切なものを選べ。
- 55MW増えるため、充電など時間を移せる需要を夕方から昼へ移す。
- 75MW増えるため、太陽光の設備を増やすだけで夕方の不足を解消する。
- 5MW増えるため、昼の余力を利用した蓄電より夕方の充電を優先する。
- 50MW減るため、太陽光発電の減少分だけ調整電源を停止する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 55MW増えるため、充電など時間を移せる需要を夕方から昼へ移す。
使う地理の知識:太陽光は日射の時間変化を受ける。需要が同じでも発電が減れば、他電源・蓄電・需要調整の役割が大きくなる。
判断の手順:二つの時間帯の残余需要をそれぞれ計算する。その差を求め、昼と夕方の需要移動の方向を判定する。
- 選択肢1:正解
昼は80−60=20MW、夕方は85−10=75MWで55MW増。時間を移せる需要を昼へ動かすことは変動の緩和につながる。 - 選択肢2:不正解
75MWは夕方の必要量で増加量ではない。夕方は日射が弱くなるため、太陽光の設備増設だけで常に対応できるとはいえない。 - 選択肢3:不正解
需要だけなら5MW増だが、太陽光は50MW減る。夕方の充電を増やすと太陽光以外に必要な電力はさらに増える。 - 選択肢4:不正解
太陽光の減少は残りの供給必要量を増やす。50MWという太陽光の差を、調整電源の減少と逆に捉えている。
復習のポイント:需要の山と発電の山を別に読み、差の時間変化を見る。
関連する一次資料:資源エネルギー庁「ディマンド・リスポンスとは?」
GE127 / 300産業・資源・流通計算複合演習
水力発電と季節流量
比較資料(学習用モデル値)| 地点 | 有効落差m | 雨季流量m³/s | 乾季流量m³/s |
|---|
| P | 50 | 20 | 2 |
| Q | 20 | 12 | 8 |
貯水池を持たない二地点P・Qで水力発電を比べる。出力は流量×有効落差に比例し、効率は同じ、雨季・乾季は同じ長さである。年間発電量の比較と地理的な解釈を選べ。
- Pが大きい。落差が大きければ、乾季の流量低下は年間の発電量に影響しない。
- Qが大きい。乾季に流量が多い地点は、落差にかかわらず年間でも有利になる。
- P・Qは等しい。年間の水量が同じなら、落差の違いは運転費だけに影響する。
- Pが大きい。ただし乾季出力はQより小さく、年間量と供給の季節安定性は異なる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Pが大きい。ただし乾季出力はQより小さく、年間量と供給の季節安定性は異なる。
使う地理の知識:水力発電は河川の流量と落差を利用する。貯水による調整がない場合、降水・融雪などに伴う流量の季節変化が出力に表れる。
判断の手順:季節ごとに流量×落差を計算し、同じ長さなので合計を比べる。次に乾季だけを比較して年間量との違いを確認する。
- 選択肢1:不正解
年間はPが大きいが、乾季流量は出力を直接制約する。Pの乾季出力指数は50×2=100でQの20×8=160より小さい。 - 選択肢2:不正解
Qは乾季には有利でも、年間指数は20×(12+8)=400。Pの50×(20+2)=1,100を下回る。 - 選択肢3:不正解
PとQの水量も等しくなく、発電は落差にも依存する。流量だけで年間量を決めることはできない。 - 選択肢4:正解
年間指数はPが1,100、Qが400。乾季はP100・Q160なので、年間の大きさと渇水期の供給力を区別する必要がある。
復習のポイント:水力は落差と流量の組合せに加え、渇水期の条件を見る。
関連する一次資料:資源エネルギー庁「日本の環境に適した小水力発電は、地域の活力を生みだすもとになる」
GE128 / 300産業・資源・流通事例判断基礎確認
地下資源とプレート境界
アイスランドと日本は、プレート境界の型は異なるが地熱の利用が見られる。両国の地下熱源と立地上の共通点を説明したものを選べ。
- アイスランドは発散境界、日本は沈み込み帯に関わり、火山活動に伴う地下の熱を利用する。
- 両国とも活発な火山帯にあるが、発電は主に地下浅層の季節的な温度差を利用する。
- 両国は安定陸塊にあり、厚い堆積層の浅い地下水に蓄えられた熱を利用する。
- アイスランドは収束境界、日本は発散境界にあり、火山活動に伴う地下の熱を利用する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 アイスランドは発散境界、日本は沈み込み帯に関わり、火山活動に伴う地下の熱を利用する。
使う地理の知識:地熱発電は地下深部の熱を利用し、火山地域に資源が多い。火山活動は沈み込み帯だけでなく発散境界にも見られる。
判断の手順:両国のプレート上の位置を対応させる。境界の型の違いを保ちつつ、火山活動による地下熱という共通点を探す。
- 選択肢1:正解
アイスランドは大西洋中央海嶺上、日本はプレートの沈み込みに関連する火山帯にあり、地下の熱資源を利用する。 - 選択肢2:不正解
発電で利用する主な熱源は地下深部の熱である。比較的浅い地下の安定した温度を空調などに使う地中熱利用と区別する。 - 選択肢3:不正解
アイスランドは大西洋中央海嶺、日本は沈み込み帯に関係する火山地域で、安定陸塊ではない。地下深部の熱を利用する地熱発電を考える。 - 選択肢4:不正解
境界の対応が逆である。アイスランドはプレートが離れる大西洋中央海嶺、日本はプレートの沈み込みに関連する。
復習のポイント:共通する資源があっても、その地質的な成因を地域ごとに区別する。
関連する一次資料:JOGMEC「地熱発電とは?その仕組みからメリット・デメリットまで解説」JOGMEC「自然エネルギー大国の展望(アイスランド)」
GE129 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
鉱石処理と輸送の分業
資料:銅鉱山では銅の割合が低い鉱石を掘り出し、鉱山付近の施設で精鉱にする。精鉱の一部を船で東アジアへ運び、臨海製錬所で銅を取り出す。
南米の銅鉱山と東アジアの臨海製錬所を例に、工程を分担する理由を考える。資料の立地に合う説明を選べ。
- 鉱山付近の選鉱で不要な鉱物を除く。この減量効果が大きいほど、選鉱施設を鉱山から輸入港へ移す方が海上輸送量を減らせる。
- 鉱山付近の選鉱で銅の割合を高める。精鉱は鉱石より重くなるため、製錬も鉱山地域に集める方が海上輸送量を減らせる。
- 鉱山付近の選鉱で純銅を取り出す。東アジアの製錬所では、輸入した純銅を精鉱へ加工して消費地へ出荷する。
- 鉱山付近の選鉱で不要な鉱物を除き、輸送重量を減らす。製錬は港湾・技術などの条件により輸入地域にも立地する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 鉱山付近の選鉱で不要な鉱物を除き、輸送重量を減らす。製錬は港湾・技術などの条件により輸入地域にも立地する。
使う地理の知識:鉱石の品位は有用成分の割合で、選鉱と製錬は別工程である。重量を減らす工程と、エネルギー・技術を要する工程では立地条件が違う。
判断の手順:鉱石中の不要物の量を考え、選鉱が輸送重量を減らす効果を確認する。次に製錬の条件を採掘の地質条件と区別する。
- 選択肢1:不正解
選鉱の減量効果が大きいほど、長距離輸送の前に鉱山側で選鉱する効果が大きい。輸入港へ移すと、取り除く不要物まで海上輸送することになる。 - 選択肢2:不正解
含有割合が高くなるのは不要物を除くためであり、精鉱の重量が元の鉱石より増えることを意味しない。品位と総重量を区別する。 - 選択肢3:不正解
選鉱は有用鉱物を分離・濃縮する工程で、純銅を得る製錬・精製とは異なる。原料から製品へ進む工程の順序を逆にしている。 - 選択肢4:正解
鉱山近くで不要物を除けば、同じ量の銅を送るのに運ぶ総重量を減らせる。製錬の立地では港湾・エネルギー・設備や技術などの別の条件も関わる。
復習のポイント:資源産業は採掘・選鉱・製錬の各段階を分けて立地を考える。
関連する一次資料:USGS「Critical minerals in subduction-related magmatic-hydrothermal systems of the United States」USGS「Japan」
GE130 / 300産業・資源・流通計算複合演習
原料と製品の重量変化
数量・距離は学習用モデル値。工場内の移動、同一地点内の移動、加工費・地価・人件費の差は考慮しない。
原料産地Rと市場Mは100km離れる。X工場は原料2tから製品1t、Y工場は原料0.2tに現地で得る水を加えて製品1tを作る。原料・製品の運賃は同じトンキロ当たり料金、水は両地点で同費用で得られる。輸送費だけで有利な立地を選べ。
- X・YともM。完成品を市場へ運ぶ距離がゼロなら原料輸送費は比較しなくてよい。
- X・YともR。工場は原料の使用量の多少にかかわらず原料産地に近づける。
- XはM、YはR。原料の使用量が多い製品ほど市場へ近づける。
- XはR、YはM。Xは減量前の原料、Yは増量後の製品の長距離輸送を避ける。
答えと全選択肢の解説
正解:4 XはR、YはM。Xは減量前の原料、Yは増量後の製品の長距離輸送を避ける。
使う地理の知識:重量減少型の加工は原料指向になりやすく、現地で普遍原料を加える重量増加型は市場指向になりやすい。
判断の手順:製品1t当たりに運ぶ原料量をそろえる。R立地・M立地の輸送トンキロをXとYで別々に比較する。
- 選択肢1:不正解
市場に立地しても原料の輸送費は発生する。Xでは原料の方が製品より重いため、R立地が有利である。 - 選択肢2:不正解
Yは現地の水で重量が増えるため、軽い原料をMへ運ぶ方が費用を抑えられる。原料指向を全工業へ一般化できない。 - 選択肢3:不正解
XをMに置くと原料200トンキロ、Rなら製品100トンキロ。原料の方が重い場合はRが有利となる。 - 選択肢4:正解
XはRで100、Mで200トンキロ。YはRで製品100、Mで原料20トンキロ。重量変化の方向が立地を分ける。
復習のポイント:工業立地は原料と製品のどちらを重く長く運ぶかを比べる。
関連する一次資料:経済産業省「産業立地」
GE131 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
原料産地と金属生産地
比較資料(学習用モデル資料)| 地域 | 自然・資源条件 | 産業活動 |
|---|
| P | 低緯度で風化の進んだ地層 | ボーキサイトを採掘・輸出 |
| Q | 高緯度の火山島、水力・地熱を利用 | アルミナを輸入し地金を製造 |
表の地域P・Qのような分業が成り立つアルミニウム産業について、Qにおける地金製造の立地を説明したものを選べ。P・Qは工程を考えるための地域モデルである。
- 製錬は水の添加で重量が増すため、地金の大消費地へ工場を近づけることが有利になる。
- 製錬は鉱石の金属分を選り分けるため、鉱山と選鉱施設を同じ地域にまとめることが有利になる。
- 製錬はコークスで金属を還元するため、原料炭の輸入基地へ工場を近づけることが有利になる。
- 製錬は電解の電力消費が大きいため、安価で安定した電力を利用できることが有利になる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 製錬は電解の電力消費が大きいため、安価で安定した電力を利用できることが有利になる。
使う地理の知識:ボーキサイトからアルミナを作り、電解によってアルミニウムを得る。採掘・アルミナ製造・電解製錬の立地条件は同じではない。
判断の手順:Pの採掘資源とQの投入原料・エネルギーを区別する。電解製錬の性質を使って、鉱山のない地域での生産を説明する。
- 選択肢1:不正解
水を加えて重量が増える飲料などの市場指向を、アルミニウムの電解製錬に当てはめている。Qの立地はこの原理では説明できない。 - 選択肢2:不正解
鉱石から有用鉱物を分離・濃縮する選鉱と、アルミナから金属を得る電解製錬は別工程である。Qは鉱石採掘地ではない。 - 選択肢3:不正解
鉄鉱石をコークスで還元する高炉製鉄と混同している。アルミナから一次アルミニウムを得る工程は電解による製錬である。 - 選択肢4:正解
原料鉱床と電力資源の分布は一致しない。Qではアルミナの輸入費用を負担しても、大量に使う電力の条件が製錬立地を支え得る。
復習のポイント:金属の生産地を推定するときは、原料だけでなく製錬に必要なエネルギーを見る。
関連する一次資料:USGS「Bauxite and Alumina Statistics and Information」EIA「Energy needed to produce aluminum」JOGMEC「自然エネルギー大国の展望(アイスランド)」
GE132 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
製鉄所の立地条件の変化
立地変化を考える定性的モデル(学習用モデル資料)| 条件 | 前期 | 後期 |
|---|
| 鉄鉱石 | 輸入を利用 | 輸入を利用 |
| 原料炭 | 国内炭の比重が大きい | 輸入炭の比重が大きい |
| 輸送 | 小型船と鉄道 | 大型専用船の利用拡大 |
日本の高炉製鉄所の臨海立地を考える。資料の前期から後期への変化に対応する説明を選べ。
- 国内炭への依存が高まり、炭田からの鉄道輸送を臨海の高炉まで延ばす利点が増した。
- 輸入原料の比重が高まり、大型船の接岸と原料荷役を工場に直結できる臨海部の利点が増した。
- 製品が軽量化して輸送量が減り、原料港から工場までの陸上輸送の比重が高まった。
- 鉄鉱石から鉄スクラップへ全面転換したため、都市のスクラップ回収だけで高炉を稼働できた。
答えと全選択肢の解説
正解:2 輸入原料の比重が高まり、大型船の接岸と原料荷役を工場に直結できる臨海部の利点が増した。
使う地理の知識:高炉製鉄では鉄鉱石と原料炭を大量に使う。海外依存と船舶の大型化は、国内原料指向から臨海立地への変化を促す。
判断の手順:原料調達の場所と輸送手段の変化を読む。輸入港と工場を近接させることがどの輸送を減らすか考える。
- 選択肢1:不正解
表では国内炭から輸入炭へ比重が移っている。国内炭田への近接より、輸入港との接続が重視される方向である。 - 選択肢2:正解
海外から大量の鉄鉱石・原料炭を運ぶと、深い港湾と広い用地を持つ臨海部が有利になる。港と工場を結ぶ輸送の短縮が重要。 - 選択肢3:不正解
高炉製鉄は大量の原料・製品を扱う。表の変化は輸入原料と船舶の大型化であり、製品軽量化を示していない。 - 選択肢4:不正解
鉄スクラップを主原料とする電炉と、高炉による鉄鉱石の還元を混同している。表もスクラップへの全面転換は示さない。
復習のポイント:工場の立地変化は、原料調達先・輸送技術・工程を結び付ける。
関連する一次資料:経済産業省「鉄鋼分野のトランジション・ロードマップ」
GE133 / 300産業・資源・流通統計読解標準演習
三つの工場用地
架空の工場用地の定性比較(学習用モデル資料)| 用地 | 強み | 制約 |
|---|
| A | 安定電力・工業用水・技術者の集積 | 地価が高い |
| B | 労働力が豊富・賃金が比較的低い | 大規模工業用水が少ない |
| C | 石灰石鉱山に隣接・大型車用道路 | 熟練電子技術者が少ない |
A・B・Cに新設する工場を、半導体前工程、衣服の縫製、セメントの焼成から一つずつ選ぶ。各産業の特徴と資料の適合度が高い組合せはどれか。
- A=半導体、B=セメント、C=縫製
- A=セメント、B=縫製、C=半導体
- A=半導体、B=縫製、C=セメント
- A=縫製、B=半導体、C=セメント
答えと全選択肢の解説
正解:3 A=半導体、B=縫製、C=セメント
使う地理の知識:産業ごとに用水・労働力・原料・技術などの重要度が異なる。半導体前工程と労働集約的な縫製の立地要因は区別する。
判断の手順:Aの電力・用水・技能から半導体を対応させる。次にCの石灰石からセメントを判定し、Bの労働条件を縫製と照合する。
- 選択肢1:不正解
Aは半導体でよいが、Bには石灰石の条件がなく、Cの石灰石鉱山との近さがセメント焼成に有利となる。 - 選択肢2:不正解
Cの原料条件を半導体の立地と取り違えている。半導体の原料が岩石由来でも、一般的な石灰石鉱山への近さが決め手にはならない。 - 選択肢3:正解
半導体前工程は安定電力・用水・技術者、縫製は労働力、セメント焼成は重い原料である石灰石への近さを重視する。 - 選択肢4:不正解
Aの安定電力・用水・技術者集積は半導体前工程に適する。Bは豊富な労働力を生かす縫製向けであり、対応が逆。
復習のポイント:工業全体に同じ立地条件を当てはめず、工程が必要とする投入を見る。
関連する一次資料:経済産業省「半導体の生産拠点における水需要の高まり」経済産業省「産業立地」
GE134 / 300産業・資源・流通計算複合演習
海外生産の費用比較
同じ通貨単位による生産・輸送条件(学習用モデル値)| 拠点 | 時間賃金 | 1人1時間の生産数 | 1個当たり輸送費 |
|---|
| A | 20 | 2 | 4 |
| B | 30 | 5 | 5 |
| C | 40 | 8 | 10 |
同一品質の商品を同じ市場に納入する。表以外の費用が等しいとき、最も費用が低い拠点とその説明を選べ。1人が1時間に作る数量は、全労働投入を含めた平均である。
- C。製品1個当たりの労働費が最低なので、輸送費を加えた費用も最低となる。
- AとB。同じ市場へ輸送するため、時間賃金と輸送費の差は相殺される。
- B。時間賃金はAより高いが、生産性を考慮した労働費と輸送費の合計は最低となる。
- A。時間賃金が最低なので、製品1個当たりの労働費も最低となる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 B。時間賃金はAより高いが、生産性を考慮した労働費と輸送費の合計は最低となる。
使う地理の知識:生産移転では賃金の安さだけでなく、労働生産性を反映した単位費用と輸送費を考える。
判断の手順:時間賃金を1時間の生産数量で割る。1個当たりの輸送費を加え、総費用と立地要因を対応させる。
- 選択肢1:不正解
Cの労働費は40÷8=5で最低だが、輸送費10を加えると15。低い労働費だけでは最適立地にならない。 - 選択肢2:不正解
A14とB11で等しくない。市場が同じでも距離・交通網・輸送条件によって費用は異なる。 - 選択肢3:正解
Bは30÷5+5=11。Aは14、Cは15なのでBが最低であり、賃金水準だけでなく生産性と輸送条件を見る必要がある。 - 選択肢4:不正解
Aの労働費は20÷2=10、輸送費を足すと14。時間賃金が低くても1個作るのに必要な時間が長ければ単位費用は高くなる。
復習のポイント:賃金水準を、そのまま製品1個当たりの費用とみなさない。
関連する一次資料:WTO・IDE-JETRO「Trade Patterns and Global Value Chains in East Asia」
GE135 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
企業の集積と分業
資料:完成車工場の周囲に、金属部品・電子部品・樹脂成形・設備保守を担当する別々の企業が立地する。部品は一日に複数回納入され、試作品の修正も企業間で行われる。
自動車産業の集積地域について、立地の利点を説明するものを選べ。資料では同じ部品の大量生産と、異なる企業間の分業を区別する。
- 近隣に工場が集まると一社の生産規模も大きくなるため、社内の設備固定費が下がることを示す。
- 企業が近接すると各社の販売市場も地域内に限られ、完成車の輸出輸送が減る。
- 部品企業の集積は原料鉱山に近いことを示し、企業間の納入頻度とは関係が小さい。
- 近隣の専門企業との分業により、少量多頻度の部品納入や設計変更への対応がしやすくなる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 近隣の専門企業との分業により、少量多頻度の部品納入や設計変更への対応がしやすくなる。
使う地理の知識:産業集積では専門的な供給企業・技能・情報の近接が利点となる。企業内部の規模の経済と地域内の外部経済は区別する。
判断の手順:資料で各企業が違う工程を担うことを確認する。納入頻度や設計調整と近接の関係を考える。
- 選択肢1:不正解
一企業の規模の経済と、複数企業の集積による外部経済を混同している。地域に工場が増えても各社の生産規模が大きくなるとは限らない。 - 選択肢2:不正解
生産拠点の集積と販売市場の範囲は別である。集積地域で作った完成車を国内外の広い市場へ出荷できる。 - 選択肢3:不正解
完成車と部品の集積には納入・調整のしやすさが関わる。鉄鉱石などの鉱山との近接がそのまま示されるわけではない。 - 選択肢4:正解
近接は輸送時間・調整の負担を減らし、関連企業の専門性を使った分業を支える。産業集積の利点として説明できる。
復習のポイント:企業数の多さだけでなく、地域内で何を分業しているかを見る。
関連する一次資料:中小企業庁「これからの中小企業に期待される役割」WTO・IDE-JETRO「Trade Patterns and Global Value Chains in East Asia」
GE136 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
供給網の分散と輸送拠点
部品供給を2社へ分散したが、両社とも港Pから出荷している。目標を「港Pの長期閉鎖でも、少なくとも一方からの部品供給を続けること」としたとき、直接この目標を満たす再編案を選べ。他の港・工場は平常通り稼働する。
- 港Pから出荷する船会社を2社にし、出港便数を均等に分ける。
- 同じ港Pを使う供給会社を、同一国内の別都市にもう1社増やす。
- 2社から港Pまでの道路を増やし、港内の積替え時間を短縮する。
- 一方の供給会社を、港Qへの陸路と船便を持つ会社へ切り替える。
答えと全選択肢の解説
正解:4 一方の供給会社を、港Qへの陸路と船便を持つ会社へ切り替える。
使う地理の知識:国際分業の供給網には、複数の供給元が共有する港湾・交通路がある。場所の分散だけでは共通障害を除けない。
判断の手順:目標となる障害を港Pの閉鎖と特定する。各案の経路をたどり、Pを通らず市場へ届くものを選ぶ。
- 選択肢1:不正解
船会社が異なっても港Pから出港できないという制約は共通する。運送事業者の分散と経路の分散は異なる。 - 選択肢2:不正解
供給会社の都市を分散しても、港Pが共通なら港閉鎖時には同じ影響を受ける。供給元と輸送拠点の両方を見る必要がある。 - 選択肢3:不正解
道路や荷役の改善は平常時の効率化になるが、港P自体の長期閉鎖を回避することにはならない。 - 選択肢4:正解
港Pを通らない港Q経由の経路を持つ会社を選べば、Pの閉鎖時にも一方からの供給経路を残せる。
復習のポイント:供給元の住所だけでなく、途中で共有する港・橋・海峡を確認する。
関連する一次資料:国土交通省「国際コンテナ戦略港湾」WTO・IDE-JETRO「Trade Patterns and Global Value Chains in East Asia」
GE137 / 300産業・資源・流通事例判断基礎確認
都市圏の工場跡地
物流用地の比較(学習用モデル資料)| 用地 | 施設・敷地 | 接続する交通網 |
|---|
| P | 大型貨物船が接岸できる岸壁、広い平面用地 | 港湾と工場を結ぶ専用通路 |
| Q | トラックが多数発着できる床面、仕分け設備 | 複数都市へ分岐する高速道路の交点 |
工場跡地Pと内陸用地Qに物流施設を設ける。各用地の施設と交通条件を生かす主な機能として、適切な組合せを選べ。必要な土地利用手続は済んでいる。
- Pは輸入穀物のばら積み船からの受入れ、Qは幹線船から小型船への海上中継。
- Pは海上貨物を受けず内陸配送だけに用い、Qは仕分けをせず出荷地別の貨物をそのまま各都市へ送る。
- Pは輸入穀物などの大量保管と積替え、Qは小口貨物の地域別仕分けと複数都市への配送。
- Pは宅配貨物の地域別仕分け、Qは輸入穀物のばら積み船からの直接受入れ。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Pは輸入穀物などの大量保管と積替え、Qは小口貨物の地域別仕分けと複数都市への配送。
使う地理の知識:港湾は船舶による大量貨物の荷役・保管・積替えを担う。道路交通の結節点には、小口貨物を配送先別に組み直す仕分け・配送機能が立地する。
判断の手順:Pの岸壁と広い用地を大量貨物の受入れに対応させる。Qは船との接続ではなく、仕分け設備と高速道路の分岐を組み合わせて用途を判断する。
- 選択肢1:不正解
Pの用途は適切だが、幹線船と小型船を結ぶ中継には港湾が必要である。Qの高速道路の交点は陸上配送の分岐に生かす。 - 選択肢2:不正解
Pを内陸配送だけに使うと岸壁との直結を生かせない。Qでは仕分けによって各配送先に必要な貨物を組み直すことが、結節点の機能となる。 - 選択肢3:正解
船舶の大量輸送には岸壁と広い保管用地が役立つ。配送先ごとの小口貨物は、仕分け設備と複数方向へ通じる道路を利用して送れる。 - 選択肢4:不正解
Pの岸壁を生かす主機能としては港湾貨物の荷役・保管が適する。Qには船の接岸設備がないため、ばら積み船から直接荷役できない。
復習のポイント:港湾の大量荷役と、内陸の仕分け・配送拠点の機能を区別する。
関連する一次資料:経済産業省「産業立地」国土交通省「国際コンテナ戦略港湾」
GE138 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
陶磁器産地の継続
資料:地域内には成形・焼成・絵付け・検査の企業がある。試作品を相互に持ち込み、工程条件を相談して修正する。完成品は国内外へ出荷される。
ある陶磁器産地では原料の一部を輸入するようになった後も、生産が続いている。地域の資料から説明できる継続要因を選べ。
- 工程を専門企業に分けたことで、製品の仕様を企業間で調整する必要が小さくなった。
- 原料採掘への依存が低下しても、工程別の専門企業と技能・取引関係の蓄積を利用できる。
- 原料の調達範囲が広がると、地場産業の販売先は原料を輸出する相手国に集中するようになる。
- 原料の輸入が増えたことで、立地の主な利点が技能の集積から地元の原料鉱床への近さへ移った。
答えと全選択肢の解説
正解:2 原料採掘への依存が低下しても、工程別の専門企業と技能・取引関係の蓄積を利用できる。
使う地理の知識:産業の立地は最初の原料条件だけでなく、形成後に蓄積した技能・企業間分業によって維持されることがある。
判断の手順:現在の原料供給と地域内に残った機能を分ける。原料の近さ以外に、生産を支える立地要因があるか考える。
- 選択肢1:不正解
分業では工程間で寸法・品質・納期を調整する必要がある。近接した専門企業の連携がその対応を助ける。 - 選択肢2:正解
原料指向の意味が弱まっても、技能・分業・信頼関係などの集積は残り得る。立地の継続を過去からの蓄積で説明できる。 - 選択肢3:不正解
原料の供給国と製品の販売市場は別に決まる。原料輸入が増えても、その相手国へ製品販売が集中するとは読み取れない。 - 選択肢4:不正解
輸入原料への依存が増えることは、地元鉱床への近さの重要性が高まることではない。残る利点は技能や工程分業などの蓄積である。
復習のポイント:産業の成立理由と、現在も存続する理由を分けて読む。
関連する一次資料:中小企業庁「これからの中小企業に期待される役割」
GE139 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
情報処理施設の立地
比較資料(学習用モデル値)| 地点 | 自然・社会条件 | 冷却費指数 | 大都市までの通信往復時間ms |
|---|
| P | 冷涼・大都市から遠い | 60 | 30 |
| Q | 温暖・大都市に近い | 100 | 3 |
データセンターの仕事Xは大量の画像を夜間にまとめて処理し、翌日納品する。仕事Yは大都市の利用者へ即時に応答する。電力・通信の信頼性は同じとすると、表の立地を使い分ける説明として適切なものを選べ。
- X・YともQ。大都市との通信時間が短ければ、冷却費の高さも通信費の低下で相殺できる。
- XはQ、YはP。まとめて処理するXでは通信時間を、即時応答するYでは冷却費を優先する。
- X・YともP。冷却費は処理量に影響するので、用途の違いより同じ立地を選ぶ利点が大きい。
- XはP、YはQ。納品まで余裕があるXは冷却費を、即時応答するYは通信時間を重視する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 XはP、YはQ。納品まで余裕があるXは冷却費を、即時応答するYは通信時間を重視する。
使う地理の知識:データセンターの立地には電力・冷却・通信網が関わる。情報の輸送にも時間がかかり、仕事内容によって時間距離の重要度が異なる。
判断の手順:XとYの納期・応答性の条件を区別する。Pの冷却費とQの通信時間の利点を、それぞれの用途に対応させる。
- 選択肢1:不正解
表に通信費はなく、通信時間が短いことから費用による相殺は判断できない。冷却費と通信時間は単位の違う条件である。 - 選択肢2:不正解
翌日納品のXより、即時応答のYで短い通信時間が重要になる。用途と重視する条件の組合せが逆である。 - 選択肢3:不正解
Pの冷却費は低いが、即時応答を要するYには長い通信時間が不利になる。用途による重視条件の違いを無視している。 - 選択肢4:正解
翌日納品のXは短い通信遅延より冷却費を重視しやすい。Yは大都市の利用者への通信時間が短いQの利点を生かせる。
復習のポイント:情報産業も、エネルギーと利用者への時間距離の両方で立地を見る。
関連する一次資料:経済産業省「半導体・情報通信産業」
GE140 / 300産業・資源・流通計算複合演習
集荷と配送の拠点配置
数量・距離は学習用モデル値。空車・復路・同地点内の輸送は含めず、水は各候補地で同費用で得られる。
輸送路の学習用模式図図の内容を文章で確認
一本道の左端に港A、中間にM、右端に市場Bがあり、AからMは30km、MからBも30kmである。
港Aと市場Bは一本道で60km離れ、中間点Mは両端から30kmである。倉庫はA・M・Bのいずれかに置く。毎日、港Aから倉庫へ原料2tを運び、倉庫で現地調達の水を加えて商品3tにし、市場Bへ全量運ぶ。最小の輸送トンキロと立地を選べ。
- A・120トンキロ。原料の到着地に倉庫を置けば製品輸送を考慮しなくてよい。
- B・120トンキロ。現地で加える水による増量後の商品輸送を短くする。
- M・150トンキロ。原料と商品の距離を等しくすれば合計も最小になる。
- B・180トンキロ。市場まで原料ではなく商品3tを運ぶ計算になる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 B・120トンキロ。現地で加える水による増量後の商品輸送を短くする。
使う地理の知識:物流拠点の立地では集荷と配送の双方を考える。現地で重量が増える加工は、市場側で行うと輸送量を抑えやすい。
判断の手順:各地点について原料の重量×距離と商品の重量×距離を求める。増量する工程をどこに置くと重い貨物の輸送が減るか比べる。
- 選択肢1:不正解
A立地は商品の3×60=180トンキロ。港で受け入れる原料の輸送はゼロでも、商品は市場まで運ぶ。 - 選択肢2:正解
Bなら原料2×60=120で、商品は同地点に納入できる。市場で増量すれば重い商品を長距離輸送せずに済む。 - 選択肢3:不正解
Mは2×30+3×30=150だが、Bの120より大きい。幾何学的な中点が輸送重量を考慮した最適点とは限らない。 - 選択肢4:不正解
Bでは商品を作る前の原料2tを運ぶので120となる。工程の前後で重量が違うことを反映する必要がある。
復習のポイント:中点を選ぶ前に、工程の前後で運ぶ重量を確認する。
関連する一次資料:経済産業省「産業立地」国土交通省「モーダルシフトとは」
GE141 / 300産業・資源・流通知識確認基礎確認
貨物輸送の規格化
コンテナ輸送の発達が港湾と内陸を結ぶ物流に与えた変化として、適切なものを選べ。
- 容器を統一すると鉄道とトラックの運賃体系も統一されるため、内陸の配送距離による費用差が小さくなった。
- 容器の規格化で大量の原油や鉄鉱石も主にコンテナで運ぶようになり、港の液体・ばら積み貨物専用設備の役割が小さくなった。
- 容器の規格化で港の水深やクレーンの条件がそろい、小規模港と大規模港の機能差が縮小した。
- 貨物ごとの形が異なっても同じ容器を単位として扱え、船・鉄道・トラック間の積替えを効率化した。
答えと全選択肢の解説
正解:4 貨物ごとの形が異なっても同じ容器を単位として扱え、船・鉄道・トラック間の積替えを効率化した。
使う地理の知識:コンテナ化は積替えの効率化と複合一貫輸送を支える。ばら積み貨物や液体貨物には別の輸送体系もある。
判断の手順:何が規格化されたのかを容器と貨物に分ける。次に輸送機関の変更時に省ける作業を考える。
- 選択肢1:不正解
規格化したのは容器や荷役の単位であり、輸送機関ごとの運賃や距離当たり費用が同じになるわけではない。 - 選択肢2:不正解
鉄鉱石はばら積み船、原油はタンカーなど専用の大量輸送が重要である。コンテナ化で全貨物が統一されたわけではない。 - 選択肢3:不正解
容器が規格化されても水深・岸壁・荷役設備は港ごとに違う。大型船への対応や内陸交通網が港の機能を分ける。 - 選択肢4:正解
規格化された容器を荷役単位にすることで、中身を一つずつ積み直す作業を減らせる。複数の輸送機関をつなぐ基盤となる。
復習のポイント:容器の規格化を、貨物の同質化や港湾条件の均一化と取り違えない。
関連する一次資料:国土交通省「国際コンテナ戦略港湾」
GE142 / 300産業・資源・流通統計読解標準演習
貨物の価値と輸送手段
大陸間輸送の判断用資料(学習用モデル資料)| 貨物 | 重量の規模 | 重量当たり価値 | 納期 |
|---|
| P:鉄鉱石 | 数万t | 低い | 数週間 |
| Q:電子部品 | 数十kg | 高い | 数日 |
| R:一般衣料 | 数十t | 中程度 | 数週間 |
同じ大陸間航路で貨物P・Q・Rを運ぶ。重量・価値・納期の違いを考え、主に選ばれやすい輸送手段の組合せを選べ。料金は重量当たりで航空が海運より高いとする。
- P=航空、Q=海運、R=海運
- P=海運、Q=航空、R=海運
- P=航空、Q=航空、R=海運
- P=海運、Q=海運、R=航空
答えと全選択肢の解説
正解:2 P=海運、Q=航空、R=海運
使う地理の知識:輸送手段は重量当たり価値、量、納期に左右される。航空は高価値・軽量・急送、海運は大量輸送で有利になりやすい。
判断の手順:貨物の単価と量を合わせて運賃負担を考える。さらに納期を加え、時間の価値が高い貨物を見分ける。
- 選択肢1:不正解
PとQの対応が逆である。高価値・小重量・短納期の貨物ほど高運賃でも航空を利用する合理性が高まる。 - 選択肢2:正解
Pは大量・低単価なので海運、Qは小重量・高価値・短納期なので航空、Rは納期に余裕がありコンテナ海運と対応する。 - 選択肢3:不正解
Qは航空が適するが、低い単価で大量に運ぶPの鉄鉱石を航空中心とするのは輸送費の負担が大きい。 - 選択肢4:不正解
Pの海運は適するが、Qは短納期なので航空の利点が大きい。Rは納期に余裕があり、航空を主に選ぶ根拠は弱い。
復習のポイント:速さだけでなく、商品の価値に対する輸送費の比率を考える。
関連する一次資料:国土交通省「国際コンテナ戦略港湾」国土交通省「モーダルシフトとは」
GE143 / 300産業・資源・流通計算標準演習
輸送量の指標と距離
比較資料(学習用モデル値)| 輸送機関 | 輸送重量(百万t) | 輸送量(百万トンキロ) |
|---|
| 自動車 | 100 | 5000 |
| 内航海運 | 20 | 10000 |
ある国の貨物輸送について、表のトンとトンキロから平均輸送距離を求め、輸送機関の特徴に合う説明を選べ。
- 自動車は500km、内航海運は50kmで、自動車は大重量を長距離に運ぶ中心となる。
- 自動車は100km、内航海運は100kmで、輸送距離の差は貨物重量の差からは求められない。
- 自動車は50km、内航海運は500kmで、内航海運は重量の割合以上に長距離輸送を担う。
- 自動車は50km、内航海運は500kmだが、トン数が少ない内航海運の輸送トンキロも小さい。
答えと全選択肢の解説
正解:3 自動車は50km、内航海運は500kmで、内航海運は重量の割合以上に長距離輸送を担う。
使う地理の知識:トンは貨物の重量、トンキロは重量に移動距離を加味した指標である。自動車の短距離配送と内航海運の長距離大量輸送を区別する。
判断の手順:トンキロをトンで割り、平均距離を算出する。重量シェアと輸送活動量のシェアが違う理由を説明する。
- 選択肢1:不正解
平均距離の計算が逆である。輸送トンキロを輸送トンで割り、重量単位をそろえて求める。 - 選択肢2:不正解
平均距離はトンキロ÷トンで求められる。どちらも100kmとする根拠は表にない。 - 選択肢3:正解
自動車は5,000/100=50km、内航海運は10,000/20=500km。海運は少ないトン数でも長距離を運び、大きなトンキロを担う。 - 選択肢4:不正解
距離の計算は正しいが、内航海運の輸送トンキロ10,000は自動車5,000より大きい。トン数の大小とは一致しない。
復習のポイント:輸送の「多さ」は重量で比べたのか、距離も含めたのかを確認する。
関連する一次資料:国土交通省「モーダルシフトとは」
GE144 / 300産業・資源・流通事例判断基礎確認
果実輸入と季節差
日本の春に、南半球のチリ産の生鮮ブドウを販売する例を考える。通常の露地栽培の季節と、生鮮品の遠隔地輸送を結び付けた説明として適切なものを選べ。長期貯蔵による季節調整は除く。
- チリの春の収穫を日本の春へつなぎ、低温で輸送中の呼吸や劣化を抑える。
- チリの秋の収穫を日本の春へつなぎ、収穫後の低温輸送によって国内での春の収穫を早める。
- チリの秋の収穫を日本の春へつなぎ、低温で呼吸や劣化を抑える輸送を利用する。
- チリの春の収穫を日本の春へつなぎ、冷蔵輸送によって輸送中の成熟を進める。
答えと全選択肢の解説
正解:3 チリの秋の収穫を日本の春へつなぎ、低温で呼吸や劣化を抑える輸送を利用する。
使う地理の知識:南北半球では季節が逆転する。生鮮品の国際流通は作物の季節性と低温物流を組み合わせて成立する。
判断の手順:日本の春を、南半球のチリの秋へ対応させる。次に生鮮果実と乾燥加工品を区別し、低温管理の役割を確認する。
- 選択肢1:不正解
低温輸送の説明は正しいが、チリの春と日本の春は同時期ではない。半球の違いによる季節の逆転を確認する。 - 選択肢2:不正解
季節の対応は合うが、低温輸送が働くのは収穫後の品質保持である。日本で収穫を早める施設栽培などの生産段階と混同している。 - 選択肢3:正解
日本とチリでは季節が逆転し、収穫時期を補完できる。適切な低温管理によって呼吸や劣化を抑え、遠隔地への生鮮輸送を可能にする。 - 選択肢4:不正解
日本の春は南半球の秋に当たる。また一般に冷蔵は果実の呼吸や劣化を抑えるためで、成熟を進めることを主目的としない。
復習のポイント:農産物の供給時期は半球・気候・輸送を組み合わせて読む。
関連する一次資料:USDA FAS「Spotlight: Australia’s Table Grapes」
GE145 / 300産業・資源・流通計算複合演習
輸出額の変化と産業構造
比較資料(学習用モデル値)| 当初輸出額(共通単位) | 銅 | その他 |
|---|
| P | 80 | 20 |
| Q | 20 | 80 |
銅に依存するP国と、銅以外の輸出も大きいQ国を比較する。銅の数量は両国とも10%減り、単価は20%上昇した。その他の輸出額は不変だった。適切な説明を選べ。
- 銅輸出額は両国とも8%増え、輸出全体ではPが6.4%増、Qが1.6%増となる。
- 銅輸出額は両国とも10%増え、輸出全体ではPとQがともに10%増となる。
- 銅輸出額は両国とも10%減るため、輸出全体ではPが8%減、Qが2%減となる。
- 銅輸出額は両国とも20%増え、輸出全体では依存度の低いQの増加率が大きい。
答えと全選択肢の解説
正解:1 銅輸出額は両国とも8%増え、輸出全体ではPが6.4%増、Qが1.6%増となる。
使う地理の知識:鉱産物輸出国の収入は数量と国際価格の両方に左右される。輸出構成の偏りは価格変動の影響を大きくする。
判断の手順:まず数量指数と単価指数を掛ける。次に各国の銅の構成比で重み付けし、輸出総額の変化を求める。
- 選択肢1:正解
銅輸出額は0.9×1.2=1.08倍。銅の構成比80%のPでは全体が6.4%、20%のQでは1.6%増える。 - 選択肢2:不正解
数量の−10%と価格の+20%を単純に足している。また銅以外の輸出は不変なので全体に一律適用はできない。 - 選択肢3:不正解
数量は減るが単価が上昇する。輸出金額は数量×単価なので、数量の減少率だけでは変化を求められない。 - 選択肢4:不正解
数量減少を無視している。価格変動による輸出全体への影響は銅の構成比が高いPの方が大きい。
復習のポイント:品目の金額変化を求めてから、輸出構成に戻して全体への影響を考える。
関連する一次資料:WTO「Trade in value added: what is the country of origin in an interconnected world?」
GE146 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
工程分業と地域間の結び付き
資料:A国で作った電子部品をB国へ送り、B国で組み立てた機器をC国へ輸出する。製品の設計とC国での販売はC国の企業が担当する。
資料の電子機器生産について、産業構造と貿易の読み取りとして適切なものを選べ。
- 部品の製造と組立が分かれ、中間財が国境を越えるため、完成品の輸出国だけでは生産全体を捉えられない。
- A国とB国はともに製造業を担うため、両国間の取引は同じ完成品の交換に限られる。
- B国は完成品を輸出しているため、その輸出額を国内で生み出した価値の全額とみなせる。
- C国が設計を担当しているため、製品を組み立てるB国への部品供給の変化は影響しにくい。
答えと全選択肢の解説
正解:1 部品の製造と組立が分かれ、中間財が国境を越えるため、完成品の輸出国だけでは生産全体を捉えられない。
使う地理の知識:国際分業は産業単位だけでなく工程単位でも進む。中間財・設計サービス・完成品の流れを区別して見る。
判断の手順:どの国で何の工程を担当しているか並べる。Bの完成品に他国からの投入が含まれることを確認する。
- 選択肢1:正解
Aの部品、Bの組立、Cの設計・販売が結び付いている。最終輸出国だけで原料・技術・価値の出所を判断するのは不十分。 - 選択肢2:不正解
同じ製造業内でも部品と完成品は異なる工程で、中間財の取引が起こる。産業名だけで分業の形は決まらない。 - 選択肢3:不正解
B国の完成品には輸入部品などの価値が含まれる。輸出総額とB国が付け加えた価値を区別する必要がある。 - 選択肢4:不正解
設計と部品供給は異なる役割である。Cの設計があってもAからの部品供給が止まればBの組立に影響し得る。
復習のポイント:最終組立国と、部品・技術・付加価値の出所を分ける。
関連する一次資料:WTO「Trade in value added: what is the country of origin in an interconnected world?」WTO・IDE-JETRO「Trade Patterns and Global Value Chains in East Asia」
GE147 / 300産業・資源・流通計算複合演習
加工貿易と付加価値
金額は同じ通貨単位の学習用モデル値。A国の素材40は他国からの投入を含まず、全てA国内の付加価値である。
A国が素材40をB国へ輸出し、B国は加工して部品70をC国へ輸出した。C国は完成品100をA国へ輸出した。各工程で他の中間投入はない。3国の国内付加価値の合計と、国境を越えた輸出額の合計を選べ。
- 国内付加価値210、輸出額合計100。国境を越えるたびに全額が新たな価値となる。
- 国内付加価値100、輸出額合計100。完成品に加工された時点で中間財の輸出額は消える。
- 国内付加価値60、輸出額合計210。A国で生まれた素材の価値は国内付加価値に含めない。
- 国内付加価値100、輸出額合計210。輸出統計では上流の価値が複数回含まれる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 国内付加価値100、輸出額合計210。輸出統計では上流の価値が複数回含まれる。
使う地理の知識:輸出総額は取引額、国内付加価値はその国内で新たに加わった価値である。工程分業では中間財が複数回国境を越える。
判断の手順:工程ごとに輸出額から輸入中間財を引く。3国分を足した値と、各国境の取引額の合計を別に求める。
- 選択肢1:不正解
国境を越えるたびに増えた価値は加工で付け加えた部分である。すでに含まれる素材価値まで新規の価値と数えない。 - 選択肢2:不正解
通常の輸出統計では各国境での取引額を記録する。最終完成品になっても以前の中間財輸出が統計から消えるわけではない。 - 選択肢3:不正解
60はBとCの付加価値だけを足した値である。最初のAの素材40も国内で生まれた価値に含む。 - 選択肢4:正解
A40、Bは70−40=30、Cは100−70=30で合計100。輸出額は40+70+100=210となり、部品に含まれる既存の価値が繰り返し計上される。
復習のポイント:工程の矢印ごとの金額と、各国内で増えた価値を区別する。
関連する一次資料:WTO「Trade in value added: what is the country of origin in an interconnected world?」
GE148 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
中継港と地域経済
比較資料(学習用モデル値)| 港Pの取扱量(同じ単位) | 前期 | 後期 |
|---|
| 国内発着貨物 | 20 | 20 |
| 外国間の中継貨物 | 30 | 80 |
シンガポールのような中継機能を持つ港Pを想定した。外国港から来て別の外国港へ積み替える貨物が増えたとき、表に合う説明を選べ。
- 増加分は中継貨物であり、航路の結節機能の拡大を示すが国内生産増と同一ではない。
- 取扱量の倍増は、P国の工場で生産された輸出品が倍増したことを示す。
- 中継貨物は国内で消費されないため、港湾の取扱量からは除いて比較する。
- 国内発着貨物が不変なので、港湾の荷役・保管需要も変化していない。
答えと全選択肢の解説
正解:1 増加分は中継貨物であり、航路の結節機能の拡大を示すが国内生産増と同一ではない。
使う地理の知識:ハブ港は複数の航路を結んで貨物を積み替える。港湾取扱量は、その国の生産・消費規模と必ずしも一致しない。
判断の手順:国内発着と中継のそれぞれの増分を求める。港の結節性の拡大を、国内工業生産の拡大と区別する。
- 選択肢1:正解
取扱総量は50から100に増えるが、増加50は全て中継分。立地する産業と航路の結節機能を区別して読む。 - 選択肢2:不正解
国内発着貨物は20で不変、中継が30から80へ増えている。港を通る貨物を国内工場の生産品とみなしてはならない。 - 選択肢3:不正解
この表の取扱量は中継も含む定義である。目的次第で分けて分析するが、定義を変えて中継をなかったことにはできない。 - 選択肢4:不正解
中継でも積替え・保管・船の接岸などが必要になる。国内消費されない貨物も港湾サービスの需要を生む。
復習のポイント:港を通過した量と、その背後地で生産・消費された量を分ける。
関連する一次資料:国土交通省「国際コンテナ戦略港湾」シンガポール海事港湾庁「Global Connectivity」
GE149 / 300産業・資源・流通統計読解複合演習
生産移転と排出統計
比較資料(学習用モデル値)| P国向け商品の生産時排出量 | P国内 | Q国内 |
|---|
| 前期 | 100 | 50 |
| 後期 | 40 | 140 |
P国の消費する商品をP・Qの二国で生産する。後期にP国の工場の一部をQ国へ移した。表の排出量は全てP国向け商品の生産に伴い、輸送時排出は含まない。適切な読み取りを選べ。
- 二国合計は20%増えたが、生産地が変わると排出の帰属先を区別できない。
- P国内の排出は減り、Pの消費に対応する二国合計も同じ60%減少した。
- P国内の排出は60%減ったが、Pの消費に対応する二国合計は20%増えた。
- Q国内の排出が増えたため、Q国民の消費に対応する排出も3倍に増えた。
答えと全選択肢の解説
正解:3 P国内の排出は60%減ったが、Pの消費に対応する二国合計は20%増えた。
使う地理の知識:生産地で数える排出と、輸入品を含め消費に対応させる排出は異なる。工場移転は排出の場所を変え、効率の違いで総量も変え得る。
判断の手順:国内排出の変化を計算する。次に同じ最終消費に対応する両国の排出を合計し、国内だけの評価と比較する。
- 選択肢1:不正解
生産地に基づく集計と消費地に基づく集計を区別できる。両者を分けることこそ、移転に伴う変化の理解に必要である。 - 選択肢2:不正解
P国内は100から40で60%減るが、二国合計は150から180へ増える。国内排出削減と消費に伴う排出削減は同じではない。 - 選択肢3:正解
国内は(100−40)/100=60%減。消費に対応する合計は150から180で20%増える。国際分業を含めると評価が変わる例である。 - 選択肢4:不正解
Qで作った分もPへ供給される条件である。生産地の排出増を、その国の住民の消費増と読み替えることはできない。
復習のポイント:国際分業の環境影響は生産地と消費地の二つの集計で見る。
関連する一次資料:WTO・IDE-JETRO「Trade Patterns and Global Value Chains in East Asia」資源エネルギー庁「エネルギー白書2024 エネルギー需給の概要」
GE150 / 300産業・資源・流通事例判断標準演習
原料調達を含む供給網
供給経路:鉱山M→精製工場R→部品工場Z→完成品工場X、および鉱山M→精製工場R→部品工場Z→完成品工場Y。XとYは別々の港から製品を輸出する。
完成品工場X・Yは異なる国にある。XとYの共通部品の供給網を示した資料について、「鉱山Mの停止が両工場へ及ぼす影響」を最も小さくできる案を選べ。新規の鉱山・工場は必要量を生産でき、品質・納期も満たすとする。
- 鉱山Mの原料を使う別の精製工場を、現在のRとは異なる国に設ける。
- 部品Zを使う完成品工場を、X・Yのいずれとも異なる第三の国に設ける。
- XとYからの完成品輸出を、異なる港と異なる船会社を利用する経路に分ける。
- 別の鉱山Nから精製・部品製造までつながる、Mを使わない調達経路を設ける。
答えと全選択肢の解説
正解:4 別の鉱山Nから精製・部品製造までつながる、Mを使わない調達経路を設ける。
使う地理の知識:供給網の分散では完成品工場だけでなく、原料採掘や精製までさかのぼって共通の依存先を調べる。
判断の手順:完成品工場から上流へ順にたどりMへの依存を確認する。各案がMを通らない供給経路を作るか判断する。
- 選択肢1:不正解
精製能力を増やしても鉱山Mに依存する点は同じである。加工拠点の分散だけで採掘源の停止を回避できない。 - 選択肢2:不正解
完成品工場の数が増えても部品Zへの依存は共通する。上流の供給源を変えなければ同じ障害が広がる。 - 選択肢3:不正解
完成品を運ぶ船会社を変えても、上流の鉱山Mが止まれば部品原料は不足する。下流輸送と上流供給を区別する。 - 選択肢4:正解
鉱山から部品までMを通らない供給経路を持つことで、M停止の影響が全完成品工場へ伝わることを抑えられる。
復習のポイント:工場の国が分かれていても、原料の供給源が共通していないか確認する。
関連する一次資料:USGS「Bauxite and Alumina Statistics and Information」WTO・IDE-JETRO「Trade Patterns and Global Value Chains in East Asia」
人口・都市・生活文化 50問人口指標・人口移動・都市構造・集落・生活文化
GE151 / 300人口・都市・生活文化計算基礎確認
地域人口の増減要因
資料(学習用モデル値)| 年初人口 | 出生 | 死亡 | 転入 | 転出 |
|---|
| 100,000人 | 600人 | 1,000人 | 3,200人 | 2,000人 |
大都市郊外のA市について、表の1年間の人口変化を説明する文として正しいものを選べ。境界変更はなく、出生・死亡・転出入以外の増減はない。
- 自然減を転入超過が補い、総人口は0.8%増加した。
- 出生超過を転出超過が相殺し、総人口は0.8%増加した。
- 自然増を転出超過が相殺し、総人口は2.0%減少した。
- 自然減を転入超過が補い、総人口は2.0%増加した。
答えと全選択肢の解説
正解:1 自然減を転入超過が補い、総人口は0.8%増加した。
使う地理の知識:人口増減は自然増減と社会増減に分かれる。郊外でも死亡が出生を上回りつつ、転入超過で人口が増える場合がある。
判断の手順:出生−死亡で−400人、転入−転出で1,200人を得る。両者を合計し、年初人口10万人で割る。
- 選択肢1:正解
自然増減は600−1,000=−400人、社会増減は3,200−2,000=1,200人で、純増800人は年初人口の0.8%である。 - 選択肢2:不正解
出生数は死亡数より少なく、転入数は転出数より多い。自然増減と社会増減の向きが逆である。 - 選択肢3:不正解
資料では自然減・社会増であり、総人口は増える。出生と死亡、転入と転出を区別して計算する必要がある。 - 選択肢4:不正解
1,200人の転入超過から400人の自然減を引くため、純増は800人となる。2.0%は転出人数を人口で割った値である。
復習のポイント:人口が増えた地域でも、自然増と社会増のどちらが支えているかを分けて調べる。
関連する一次資料:総務省統計局:人口推計 用語の解説
GE152 / 300人口・都市・生活文化計算標準演習
出生率・死亡率と人口構造
資料(学習用モデル値)| 地域 | 10年前→現在の出生率 | 現在の死亡率 | 年少人口指数(10年前→現在) |
|---|
| A | 39→40‰ | 25‰ | 80→84 |
| B | 32→23‰ | 8‰ | 65→48 |
| C | 13→11‰ | 6‰ | 35→30 |
| D | 22→18‰ | 12‰ | 50→44 |
人口移動の影響が小さい4地域を比べる。自然増加率が年1.5%で、人口転換に伴って生産年齢人口に対する年少人口の比重が低下している地域はどれか。出生率・死亡率の分母はその年の年央人口である。
- C
- D
- A
- B
答えと全選択肢の解説
正解:4 B
使う地理の知識:年少人口指数は15歳未満人口を15〜64歳人口で割り100を掛けた人口学的指標で、総人口に占める年少人口割合とは異なる。人口転換では死亡率低下に遅れて出生率が低下する。
判断の手順:出生率から死亡率を引き、15‰となるA・Bを残す。出生率の経年変化と年少人口指数の方向を照合してBを選ぶ。
- 選択肢1:不正解
Cは年少人口指数が低下しているが、自然増加率は11−6=5‰=0.5%である。 - 選択肢2:不正解
Dの自然増加率は18−12=6‰=0.6%であり、1.5%にはならない。 - 選択肢3:不正解
Aも自然増加率は1.5%だが、出生率も年少人口指数も上昇している。出生率低下が進む人口転換の局面とは対応しない。 - 選択肢4:正解
Bは23−8=15‰=1.5%である。出生率の低下とともに年少人口指数が65から48へ低下し、生産年齢人口に対する年少人口の比重も小さくなっている。
復習のポイント:扶養に関する人口構造を比べるときは、総人口ではなく生産年齢人口を分母にした指数を確認する。
関連する一次資料:総務省統計局:人口推計 用語の解説国連人口部:World Population Prospects 2024
GE153 / 300人口・都市・生活文化統計読解標準演習
人口密度の分母
資料(学習用モデル値)| 市 | 人口 | 総面積 | 可住地面積 |
|---|
| A | 10万人 | 500km² | 50km² |
| B | 8万人 | 200km² | 100km² |
日本の架空の2市について、総面積と可住地面積(総面積から林野・主要湖沼を除いた面積)で人口密度を比べる。資料に基づく説明として正しいものはどれか。
- 総面積で比べるとA市が低密度だが、可住地面積で比べるとA市が高密度である。
- どちらの分母でもA市が高密度であり、行政区域全体に人口が均等に分布する。
- 総面積で比べるとA市が高密度だが、可住地面積で比べるとA市が低密度である。
- どちらの分母でもA市が低密度であり、山林面積の違いは順位に影響しない。
答えと全選択肢の解説
正解:1 総面積で比べるとA市が低密度だが、可住地面積で比べるとA市が高密度である。
使う地理の知識:山地の多い日本では、行政区域全体の人口密度と生活空間への集中度は一致しない。可住地人口密度は人口を可住地面積で割る。
判断の手順:総面積で人口を割りA200・B400を得る。可住地面積で計算し直してA2,000・B800となることを確認する。
- 選択肢1:正解
総面積当たりはA200、B400人/km²だが、可住地当たりはA2,000、B800人/km²である。山地を広く含む行政区の単純比較には注意が必要である。 - 選択肢2:不正解
Aの総面積当たり密度はBより低い。また平均密度から市内に均等に人口が分布するとはいえない。 - 選択肢3:不正解
総面積当たりと可住地当たりの順位を逆にしている。人口をそれぞれの面積で割って比較する。 - 選択肢4:不正解
総面積での順位を可住地にも当てはめている。Aは可住地が総面積の1割なので、分母を変える影響が大きい。
復習のポイント:人口密度を比較するときは、区域の広さと山林などの土地利用を確認する。
関連する一次資料:総務省統計局:人口推計 用語の解説
GE154 / 300人口・都市・生活文化統計読解標準演習
高齢人口の変化を比べる
資料(学習用モデル値)| 地域 | 10年前人口 | 現在人口 | 10年前高齢化率 | 現在高齢化率 |
|---|
| A区 | 40万人 | 40万人 | 25% | 30% |
| B町 | 2万人 | 1.4万人 | 40% | 50% |
大都市のA区と山間部のB町の10年間の変化である。65歳以上人口の実数と、高齢化率の組合せから正しく説明したものはどれか。
- A区では高齢人口が2万人減り、B町では人口減少で高齢化率が低下した。
- A区では高齢人口が2万人増え、B町でも高齢化率上昇に伴い高齢人口が増えた。
- A区では人口増加で高齢化率が低下し、B町では高齢人口が1,000人減った。
- A区では高齢人口が2万人増え、B町では高齢人口が減ったが高齢化率は上昇した。
答えと全選択肢の解説
正解:4 A区では高齢人口が2万人増え、B町では高齢人口が減ったが高齢化率は上昇した。
使う地理の知識:都市部では高齢者の実数増、過疎地域では若い層の減少に伴う高齢化率上昇という異なる課題が生じうる。
判断の手順:人口×高齢化率で両時点の高齢人口を算出する。人数の増減と割合の増減を別々に照合する。
- 選択肢1:不正解
Aは高齢人口が増えている。Bは総人口が高齢人口より速く減少するため、高齢化率は上がる。 - 選択肢2:不正解
Bは分母の総人口が30%減り、高齢人口も12.5%減っている。率の上昇だけでは高齢人口の増加を意味しない。 - 選択肢3:不正解
Aの高齢化率は25→30%であり、総人口は40万人で変わらない。Bの人数の計算は正しいがAの説明が誤る。 - 選択肢4:正解
Aの高齢人口は10万→12万人で2万人増、Bは8,000→7,000人で減少する。Bの率は40→50%に上昇している。
復習のポイント:高齢化は割合と実数の二軸で捉え、地域ごとの人口規模も読む。
関連する一次資料:総務省統計局:人口推計 用語の解説国連人口部:Population Ageing
GE155 / 300人口・都市・生活文化計算標準演習
年齢構成と扶養負担
資料(学習用モデル値)| 地域 | 15歳未満 | 15〜64歳 | 65歳以上 |
|---|
| A | 40% | 55% | 5% |
| B | 22% | 70% | 8% |
| C | 12% | 50% | 38% |
| D | 20% | 65% | 15% |
出生率低下後の人口ボーナスが生じやすい年齢構成にあり、従属人口指数が最も低い地域はどれか。就業率の違いは考えない。
- B
- A
- D
- C
答えと全選択肢の解説
正解:1 B
使う地理の知識:人口ボーナスは、生産年齢人口の割合が相対的に高い時期の経済的な好条件を指す。年少人口減少後、高齢化がさらに進むまでの時期に現れやすい。
判断の手順:各地域の従属人口指数を求め、Bが最小と確認する。年少・高齢人口の内訳を人口転換の進展と結び付ける。
- 選択肢1:正解
Bは(22+8)÷70×100≒42.9で最小である。年少人口が減り高齢人口はまだ少ないため、生産年齢人口の割合が高い。 - 選択肢2:不正解
Aの指数は45÷55×100≒81.8で、年少人口の割合が高い。生産年齢人口に対する従属人口の比重はBより大きい。 - 選択肢3:不正解
Dは35÷65×100≒53.8であり、Bより高い。生産年齢人口割合が最大の地域を探す必要がある。 - 選択肢4:不正解
Cは高齢人口が多く、指数は50÷50×100=100となる。年少人口が少ないことだけで人口ボーナスとは判断できない。
復習のポイント:少子化だけでなく、高齢人口も含めた年齢構成から人口ボーナスを判断する。
関連する一次資料:総務省統計局:人口推計 用語の解説国連人口部:Population Ageing
GE156 / 300人口・都市・生活文化知識確認基礎確認
二つの出生指標
A国とB国の期間合計特殊出生率はともに1.6だが、人口1,000人当たりの年間出生数はA国の方が多い。この違いが生じうる理由を、指標の定義に照らして選べ。
- A国の平均寿命が長ければ、年齢構成にかかわらず出生率も高い。
- 出産年齢にある女性が総人口に占める割合が、A国で大きい。
- 期間合計特殊出生率が同じなら、各年齢の女性人数も同じである。
- 総人口がA国で大きければ、人口1,000人当たり出生数も大きい。
答えと全選択肢の解説
正解:2 出産年齢にある女性が総人口に占める割合が、A国で大きい。
使う地理の知識:期間合計特殊出生率は、その年の15〜49歳女性の年齢別出生率の合計である。粗出生率は年間出生数を総人口で割る。
判断の手順:二つの指標の分母を区別する。総人口に対する出産年齢女性の構成比が違うと、同じ合計特殊出生率でも出生数の率が異なると判断する。
- 選択肢1:不正解
寿命は死亡と生存に関係する指標で、長寿化が粗出生率を直接高める関係はない。年齢構成を確認する必要がある。 - 選択肢2:正解
期間合計特殊出生率は女性の年齢別出生率を合計する指標である。人口全体に占める出産年齢女性の割合が違えば、粗出生率は異なりうる。 - 選択肢3:不正解
同じ合計特殊出生率でも、年齢別の女性人口や各年齢別出生率の組合せは異なりうる。 - 選択肢4:不正解
人口1,000人当たりに換算済みなので、人口規模の大きさだけで率の大小は決まらない。
復習のポイント:出生数・粗出生率・合計特殊出生率は、分母と年齢構成への影響が異なる。
関連する一次資料:厚生労働省:合計特殊出生率について
GE157 / 300人口・都市・生活文化統計読解複合演習
死亡率の地域比較
資料(学習用モデル値)| 地域 | 0〜64歳 | 65歳以上 |
|---|
| A | 70% | 30% |
| B | 90% | 10% |
2地域で年齢別死亡率は等しく、0〜64歳が年2‰、65歳以上が年40‰である。表の年齢構成を用いて、粗死亡率とその解釈の正しい組合せを選べ。
- 両地域の粗死亡率は同じで、人口規模の違いだけが死亡数に影響する。
- AはBより粗死亡率が高く、全年齢で医療水準が低いことを示す。
- BはAより粗死亡率が高いが、年齢別にみた死亡リスクの差を示さない。
- AはBより粗死亡率が高いが、年齢別にみた死亡リスクの差を示さない。
答えと全選択肢の解説
正解:4 AはBより粗死亡率が高いが、年齢別にみた死亡リスクの差を示さない。
使う地理の知識:粗死亡率は年齢構成の影響を受ける。高齢化が進む地域の粗死亡率の高さを、そのまま医療水準の低さと同一視しない。
判断の手順:各年齢層の死亡率を人口割合で重み付けする。差が年齢構成だけで生じることを確認して解釈を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
年齢別死亡率が同じでも、その年齢層の重みが違えば全人口の粗死亡率は異なる。 - 選択肢2:不正解
高齢人口が多いだけでも粗死亡率は上がる。設問では年齢別死亡率を等しく設定しており、医療水準の差は読み取れない。 - 選択肢3:不正解
高齢人口割合はAの方が高いため、加重平均となる粗死亡率もAの方が高い。 - 選択肢4:正解
Aは0.7×2+0.3×40=13.4‰、Bは0.9×2+0.1×40=5.8‰となる。年齢別死亡率が同じなので、差は年齢構成から生じる。
復習のポイント:死亡率の国際・地域比較では、寿命や年齢構成も合わせてみる。
関連する一次資料:総務省統計局:人口推計 用語の解説国連人口部:World Population Prospects 2024
GE158 / 300人口・都市・生活文化統計読解標準演習
四つの時期の人口動態
資料(学習用モデル値)| 時期 | 出生率 | 死亡率 |
|---|
| P | 42‰ | 38‰ |
| Q | 10‰ | 9‰ |
| R | 38‰ | 12‰ |
| S | 22‰ | 8‰ |
人口移動のない地域の長期変化を、人口転換の一般的な過程として並べる。表の四つの時期の順序と、自然増加率が最大となる時期の組合せはどれか。
- 順序はQ→S→R→P、最大はP。
- 順序はP→S→R→Q、最大はR。
- 順序はP→R→Q→S、最大はS。
- 順序はP→R→S→Q、最大はR。
答えと全選択肢の解説
正解:4 順序はP→R→S→Q、最大はR。
使う地理の知識:人口転換は一般に多産多死→多産少死→少産少死と進む。出生率と死亡率の差が自然増加率になる。
判断の手順:出生率が高い二時期のうち死亡率の高いPを先にする。残る時期を出生率低下の順に並べ、出生率−死亡率を比較する。
- 選択肢1:不正解
一般的な人口転換は多産多死から少産少死へ進む。Pの自然増加率は4‰で、Rの26‰より低い。 - 選択肢2:不正解
Sは出生率がすでに低下した段階で、出生率の高いRより後に位置付けるのが一般的な人口転換である。 - 選択肢3:不正解
Qは出生・死亡とも低い段階で、出生率が比較的高いSより後である。差もSの14‰よりRの26‰が大きい。 - 選択肢4:正解
出生・死亡とも高いPから、死亡率が先行低下したR、出生率も下がるS、低出生・低死亡のQへ進む。差はRの26‰が最大である。
復習のポイント:人口転換は片方の率だけでなく、出生・死亡の水準と差を組み合わせる。
関連する一次資料:国連人口部:World Population Prospects 2024総務省統計局:人口推計 用語の解説
GE159 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
出生率低下後の人口
A国の一時点の女性人口(学習用モデル値)| 年齢層 | 女性人口 |
|---|
| 5〜14歳 | 180万人 |
| 15〜24歳 | 160万人 |
| 25〜34歳 | 120万人 |
| 35〜44歳 | 100万人 |
A国では移民が少なく、合計特殊出生率が低下した後も出生数が死亡数を上回っている。表の資料と人口構造の知識から、当面の人口増加を説明する文はどれか。
- 出生率低下で年少人口が減ると、翌年から高齢人口も減り、死亡数が減少している。
- 人口置換水準に近い出生率になれば、年齢構成によらず出生数と死亡数は直ちに等しくなる。
- 合計特殊出生率の低下は死亡率を同じ幅で下げるため、自然増加率が維持されている。
- 過去の多い出生数を反映した世代が出産年齢へ進み、人口増加の慣性が働いている。
答えと全選択肢の解説
正解:4 過去の多い出生数を反映した世代が出産年齢へ進み、人口増加の慣性が働いている。
使う地理の知識:人口増加の慣性は、過去に生まれた大きな世代が出産年齢を迎えることで生じる。出生率の低下と人口減少の開始には時間差がありうる。
判断の手順:若い世代の人数が上の世代より多いことを読む。これらが出産年齢へ入る効果を、女性一人当たり出生数の低下と区別する。
- 選択肢1:不正解
今の年少人口が高齢人口になるには長期間かかる。出生減少が翌年の高齢人口を減らすわけではない。 - 選択肢2:不正解
人口置換水準は長期的な世代交代に関する目安であり、短期の人口増減は既存の年齢構成にも左右される。 - 選択肢3:不正解
出生率低下と死亡率低下は独立した人口動態で、同じ幅で変わる関係はない。資料の若年層の厚さを考える必要がある。 - 選択肢4:正解
大きな若年世代が出産年齢に入れば、女性一人当たりの出生が減っても出生数は多くなりうる。年齢構成が過去の出生傾向を引き継ぐ現象である。
復習のポイント:現在の出生率に加え、これから出産年齢になる世代の大きさを見る。
関連する一次資料:国連人口部:Demographic Components of Future Population Growth厚生労働省:合計特殊出生率について
GE160 / 300人口・都市・生活文化統計読解複合演習
年齢集団の追跡
山間部のX町では、ある時点の10〜19歳人口が2,000人、その10年後の20〜29歳人口が1,250人だった。この集団の10年間の死亡は50人である。境界変更はない。純移動と、変化に対応する人口ピラミッドの特徴の組合せはどれか。
- 700人の転出超過で、若年成人層がくびれる。
- 750人の転出超過で、若年成人層がくびれる。
- 700人の転入超過で、年少層が広がる。
- 750人の自然減少で、高齢層がくびれる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 700人の転出超過で、若年成人層がくびれる。
使う地理の知識:コーホートは同時期に生まれた集団で、10年後には年齢が10歳上がる。地方からの進学・就職移動は年齢構成に特徴を残す。
判断の手順:初期人口から死亡を除き無移動時の人数を求める。その人数と実際の同一世代の人数を比較し、人口ピラミッド上の位置を特定する。
- 選択肢1:正解
移動がなければ1,950人になるはずだが、実際は1,250人なので純移動は−700人である。進学・就職期の転出は若年成人層のくびれにつながる。 - 選択肢2:不正解
人口差750人には死亡50人が含まれる。移動分はそこから死亡を分けた700人である。 - 選択肢3:不正解
実際の人口は無移動の場合より少ないため、転入超過ではなく転出超過である。追跡対象も年少層ではなく20歳代となる。 - 選択肢4:不正解
このコーホートの自然減少は死亡50人だけである。10年後の同じ世代を追うので、高齢層のくびれではない。
復習のポイント:同じ年齢区分の二時点比較と、同じ世代を追う比較を区別する。
関連する一次資料:総務省統計局:人口推計 用語の解説IOM:World Migration Report 2024 Chapter 2
GE161 / 300人口・都市・生活文化統計読解複合演習
年齢・男女別の人口
架空の湾岸産業都市の年齢・男女別人口(学習用模式図)図の内容を文章で確認
男性は0〜14歳8千、15〜29歳20千、30〜44歳24千、45〜59歳12千、60歳以上7千人。女性は同じ順に8千、9千、10千、10千、8千人。
図はペルシア湾岸の産業都市を参考に作った架空都市の人口である。過去30年間に戦争や大規模災害による男女別死亡率の大きな差はなかったとする。都市の人口構造を説明する要因として最も整合するものはどれか。
- 男女同程度の出生増加が15年間続いたことによる年少人口の増加。
- 若年男性の域外転出と、高齢女性の平均寿命の長期化。
- 生産年齢にある男性労働者を中心とした域外からの流入。
- 高齢の退職者夫婦を中心とした住宅地への流入。
答えと全選択肢の解説
正解:3 生産年齢にある男性労働者を中心とした域外からの流入。
使う地理の知識:人口ピラミッドは出生・死亡だけでなく、性別や年齢に偏る人口移動も反映する。資源開発などで労働者を受け入れる都市では成人男性が多くなる場合がある。
判断の手順:左右の性差が大きい年齢を確認する。出生増や高齢者流入で予想される形と比べ、成人男性の流入を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
出生増ならまず0〜14歳が男女とも広くなる。図の突出は成人男性に限られている。 - 選択肢2:不正解
若年男性の転出なら男性側が狭くなる。寿命の差だけでは30〜44歳男性の突出を説明できない。 - 選択肢3:正解
15〜59歳で男性が女性を大きく上回り、特に30〜44歳男性が多い。年少・高齢層では差が小さく、働く年齢の男性の選択的流入に合う。 - 選択肢4:不正解
退職者夫婦の流入なら主に高齢層が男女とも広がる。図で多いのは15〜59歳の男性である。
復習のポイント:ピラミッドのくびれや膨らみを、どの性・年齢に現れているかで説明する。
関連する一次資料:IOM:World Migration Report 2024 Chapter 2総務省統計局:人口推計 用語の解説
GE162 / 300人口・都市・生活文化統計読解標準演習
山村の年齢構成
資料(学習用モデル値)| 時点 | 65歳未満 | 65歳以上 |
|---|
| 10年前 | 7,000人 | 3,000人 |
| 現在 | 4,500人 | 3,000人 |
山村Aの10年間の人口変化である。この間、65歳未満の人口では転出が転入を大きく上回った。表とこの条件から説明できることはどれか。
- 高齢化率は30%から40%へ上がり、若い層の転出も割合上昇に寄与した。
- 高齢化率は30%にとどまり、高齢人口が一定なら年齢構成も変化しない。
- 高齢化率は30%から40%へ上がり、高齢人口の増加が変化の全てを説明する。
- 高齢化率は30%から35%へ上がり、高齢人口が500人増えたことを示す。
答えと全選択肢の解説
正解:1 高齢化率は30%から40%へ上がり、若い層の転出も割合上昇に寄与した。
使う地理の知識:高齢化は長寿化だけでなく、少子化や若い層の転出でも進む。地方の人口移動は高齢化の地域差を広げることがある。
判断の手順:両時点の高齢化率を計算する。高齢人口が一定であることと、65歳未満の転出超過という条件を結び付ける。
- 選択肢1:正解
高齢人口3,000人は一定だが、総人口は1万人から7,500人に減った。65歳未満の転出超過も分母の縮小を通じて高齢化率を押し上げる。 - 選択肢2:不正解
高齢人口が一定でも65歳未満が減れば年齢構成は変わり、高齢化率は上がる。 - 選択肢3:不正解
高齢人口の実数は表では一定である。高齢化率上昇の原因を高齢者の人数増加に限定できない。 - 選択肢4:不正解
現在の率は3,000÷7,500=40%である。高齢人口の増加も表にはない。
復習のポイント:高齢化率が上昇した理由を、分子の増加と分母の減少に分ける。
関連する一次資料:総務省統計局:人口推計 用語の解説国連人口部:Population Ageing
GE163 / 300人口・都市・生活文化計算複合演習
移動率と年齢構成
年初の年齢構成は両市で同じで、高齢化率はともに25%。年齢区分をまたぐ加齢の効果は比較から除く。
資料(学習用モデル値)| 市 | 年初人口 | 転入超過数 | うち20〜39歳 | うち65歳以上 |
|---|
| A | 100,000人 | 1,000人 | 800人 | 200人 |
| B | 50,000人 | 500人 | 100人 | 400人 |
A・B両市の年初人口と1年間の移動である。自然増減はなく、転入超過数の年齢内訳も表のとおりである。転入超過率と年齢構成への影響を正しく説明したものはどれか。
- 転入超過率はB市が高く、高齢化率を高める移動効果もB市で強い。
- 転入超過率はA市が高く、若い層の比率を高める移動効果もA市で強い。
- 転入超過率は両市とも1%で、高齢化率を高める移動効果はA市で強い。
- 転入超過率は両市とも1%で、若い層の比率を高める移動効果はA市で強い。
答えと全選択肢の解説
正解:4 転入超過率は両市とも1%で、若い層の比率を高める移動効果はA市で強い。
使う地理の知識:純移動率は転入超過を人口で割った値である。人口移動の年齢選択性によって、同じ純移動率でも年齢構成への影響は違う。
判断の手順:両市の純移動率を算出する。初期の年齢構成が同じという条件の下で、流入者の年齢内訳を比較する。
- 選択肢1:不正解
Bの転入超過率は1%でAと同じである。Bの高齢者中心の移動という説明だけは資料に合う。 - 選択肢2:不正解
Aの純流入人数は多いが、人口規模もBの2倍なので率は等しい。人数と率の区別が必要である。 - 選択肢3:不正解
Aの純流入の8割は20〜39歳であり、Bでは8割が65歳以上である。高齢化を進める方向の効果はBの方が強い。 - 選択肢4:正解
Aは1,000÷10万、Bは500÷5万でともに1%である。年初年齢構成が同じなら、若年成人中心のAの流入は高齢者中心のBより若返りに働く。
復習のポイント:移動の量だけでなく、人口に対する率と移動者の年齢を合わせてみる。
関連する一次資料:総務省統計局:人口推計 用語の解説
GE164 / 300人口・都市・生活文化統計読解標準演習
都市圏内部の住所移動
資料(学習用モデル値)| 期間 | C→S | S→C |
|---|
| 前期 | 4,000人 | 3,000人 |
| 後期 | 5,000人 | 5,500人 |
都心地区Cと郊外地区Sの間の住所移動を比べる。両地区の範囲は固定し、Cは行政上の中心市全体ではなく、業務集積を含む中心部に限定する。表以外の移動はない。各期間に卓越する現象の組合せを選べ。
- 前期・後期とも都心回帰。
- 前期・後期とも郊外化。
- 前期は郊外化、後期は都心回帰。
- 前期は都心回帰、後期は郊外化。
答えと全選択肢の解説
正解:3 前期は郊外化、後期は都心回帰。
使う地理の知識:郊外化は中心部から郊外への居住地などの拡大、都心回帰は中心部への居住人口回復を指す。双方への移動が存在しても純移動の向きを確認する。
判断の手順:前期の双方向移動の差を求める。後期も同様に計算し、純移動方向の反転を都市化の段階と結び付ける。
- 選択肢1:不正解
前期は都心地区から郊外市へ出る人の方が多い。都心地区との往来があるだけでは都心回帰とはいえない。 - 選択肢2:不正解
後期は都心地区Cへの流入が流出より多い。移動の総数が増えたことと郊外化の継続は別である。 - 選択肢3:正解
前期はC→SがS→Cを1,000人上回り、後期は逆にS→Cが500人上回る。居住人口の移動方向が中心から郊外、郊外から中心へ変わっている。 - 選択肢4:不正解
人口の純移動方向を逆に読んでいる。表の出発地と到着地を区別して差を取る必要がある。
復習のポイント:都市圏の変化は移動人数の総計ではなく、中心と郊外のどちらへ純移動するかで読む。
関連する一次資料:国土交通省:市街地整備に関する現状と課題IOM:World Migration Report 2024 Chapter 2
GE165 / 300人口・都市・生活文化統計読解標準演習
年齢別にみる転出
資料(学習用モデル値)| 年齢層 | 年初人口 | 年間転出者 |
|---|
| 18〜24歳 | 8,000人 | 1,600人 |
| 25〜39歳 | 30,000人 | 2,400人 |
| 40〜64歳 | 40,000人 | 1,200人 |
| 65歳以上 | 20,000人 | 200人 |
地方県からの転出を年齢層別に比べる。人数が多い層ではなく転出率が最も高い層を特定し、その層で生じやすい移動理由と組み合わせよ。
- 40〜64歳/企業内の転勤に伴う住所移動。
- 25〜39歳/県外への進学や初職への就職。
- 18〜24歳/県外への進学や初職への就職。
- 65歳以上/退職後の住み替えや家族との同居。
答えと全選択肢の解説
正解:3 18〜24歳/県外への進学や初職への就職。
使う地理の知識:進学・就職移動は若い年齢層に集中しやすい。年齢層ごとの人数が異なるため、転出の強さは率で比べる。
判断の手順:各年齢層の転出者をその層の人口で割る。最も高い層のライフステージと進学・就職の機会の地域差を結び付ける。
- 選択肢1:不正解
40〜64歳には転勤などの移動がありうるが、表の転出率は3%である。理由としてありうることと、最大率の層であることは別である。 - 選択肢2:不正解
25〜39歳の転出人数は多いが率は2,400÷30,000=8%であり、18〜24歳より低い。 - 選択肢3:正解
転出率は18〜24歳が1,600÷8,000=20%で最大である。高等教育への進学や初めての就職が集中する年齢と対応する。 - 選択肢4:不正解
高齢層にも退職後移住や同居に伴う移動はあるが、表の転出率は1%で最小である。年齢に合う理由だけで選ばず率を比較する。
復習のポイント:年齢選択的な移動は、実数と人口当たりの率を区別して読む。
関連する一次資料:IOM:World Migration Report 2024 Chapter 2総務省統計局:人口推計 用語の解説
GE166 / 300人口・都市・生活文化事例判断基礎確認
移住を生む条件
農村Rで農地の細分化により一戸当たりの農業所得が低下した。同時に都市Sで工場求人が増え、R出身者による住居・就職の紹介網が形成された。RからSへの移住を、押し出す要因・引き付ける要因・移動を助ける要因に対応させたものはどれか。
- 押し出し=農業所得低下/引き付け=出身者の紹介網/助ける要因=農地の細分化。
- 押し出し=農業所得低下/引き付け=工場求人/助ける要因=出身者の紹介網。
- 押し出し=出身者の紹介網/引き付け=工場求人/助ける要因=農業所得低下。
- 押し出し=工場求人/引き付け=農業所得低下/助ける要因=出身者の紹介網。
答えと全選択肢の解説
正解:2 押し出し=農業所得低下/引き付け=工場求人/助ける要因=出身者の紹介網。
使う地理の知識:農村から都市への移住にはプッシュ要因・プル要因が働く。移住者ネットワークは移動の情報費用や初期負担を軽くし、連鎖移住につながりうる。
判断の手順:各条件が出身地と移住先のどちらに属するかを分ける。その上で移動の動機と移動を実行しやすくする仕組みを区別する。
- 選択肢1:不正解
農地の細分化は出身地の経済条件であり、移動に必要な情報・住居を提供する働きではない。 - 選択肢2:正解
出身地の生計悪化がプッシュ、移住先の雇用機会がプルに当たる。既存の移住者とのつながりは情報や住居の探索費用を下げる。 - 選択肢3:不正解
紹介網は出身地の生活を悪化させる要因ではない。農業所得低下も移動手続きを助ける働きではなく、出身地を離れる動機となる。 - 選択肢4:不正解
出身地と移住先の条件を逆にしている。プッシュは出身地から離れる動機、プルは移住先を選ぶ誘因である。
復習のポイント:人口移動は出発地・到着地の条件と、両者を結ぶネットワークから説明する。
関連する一次資料:IOM:World Migration Report 2024 Chapter 2IOM教材:Migration and Development Resources
GE167 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
国際移動と地域経済
資料(学習用モデル値)| 項目 | Rの状況 |
|---|
| 出国前の20〜39歳人口 | 男性600人・女性600人 |
| 海外へ出国した20〜39歳人口 | 男性170人・女性30人 |
| 出国者の家族の居住地 | 主にR |
| 海外就労者から家族への送金 | 受取世帯の可処分所得の30% |
南アジアの農村Rから湾岸諸国への労働移動を考える。出国前後の20〜39歳人口の性比と、家族への送金の性質を正しく組み合わせたものはどれか。表以外の人口増減や加齢は考えない。
- 性比は低下し、送金額はRで新たに生産された付加価値として数えられる。
- 性比は低下し、送金はRで新たに生産された付加価値とは別の所得移転である。
- 性比は上昇し、送金額はRで新たに生産された付加価値として数えられる。
- 性比は上昇し、送金はRで新たに生産された付加価値とは別の所得移転である。
答えと全選択肢の解説
正解:2 性比は低下し、送金はRで新たに生産された付加価値とは別の所得移転である。
使う地理の知識:性比は女性100人に対する男性数であり、性別に偏った労働移動で変化する。海外からの家族送金は家計所得を支える一方、受取地域の生産とは区別される。
判断の手順:出国後の男性430人・女性570人を求め、性比の分母を女性人口として方向を判断する。次に、海外で得た所得の移転とR域内での生産を区別する。
- 選択肢1:不正解
性比の方向は合う。海外就労者がRの家族へ送るお金と、R域内で作られた財・サービスの付加価値は区別する。 - 選択肢2:正解
性比は女性100人に対する男性数なので、100から430÷570×100≒75.4へ低下する。送金は家計の購買力を支えるが、その受取額自体はR域内での新たな生産ではない。 - 選択肢3:不正解
男性170人・女性30人が出るため性比は低下する。また海外からの私的送金を、受取地域の生産額そのものへ計上する説明も誤る。 - 選択肢4:不正解
送金の説明は合う。男性の流出が多いので男性数を女性数で割る性比は低下する。女性の相対的な割合が増えることを性比上昇と取り違えている。
復習のポイント:国際労働移動では、人口の性別構成と所得移転を別々に確認する。受取家計の所得と地域内生産額は同じではない。
関連する一次資料:IOM:World Migration Report 2024 Chapter 2IOM教材:Migration and Development Resources
GE168 / 300人口・都市・生活文化事例判断基礎確認
避難経路と国境
紛争によってA国の都市Xから住居を追われた人々が、経路PではA国内の都市Yへ、経路Qでは国境を越えてB国へ移った。Qの人々はB国で庇護を申請し、まだ審査結果を受けていない。統計上の区分として適切な組合せはどれか。
- Pは国際移民、Qは国内避難民。
- Pは国内避難民、Qは庇護申請者。
- Pは国内避難民、Qは認定済み難民。
- Pは庇護申請者、Qは季節労働移民。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Pは国内避難民、Qは庇護申請者。
使う地理の知識:国内避難民は、自国の国境を越えずに強制的な移動をした人々である。国外で保護を申請した人は、その申請状況も区分上の手掛かりになる。
判断の手順:まず移動経路が国際国境を越えるかを確認する。国外へ移ったQについては、申請・審査中という条件を区分に反映する。
- 選択肢1:不正解
Pは国際国境を越えていない。Qは越えているので、A国内にとどまる国内避難民という区分ではない。 - 選択肢2:正解
Pは自国の国境内で強制移動したので国内避難民に当たる。Qは国外で保護を申請し未決定という条件なので庇護申請者として区分する。 - 選択肢3:不正解
国境を越えた事実と申請だけで、審査が完了し難民認定されたとはいえない。Qは条件上、審査中の庇護申請者である。 - 選択肢4:不正解
Pは国外で庇護を申請した事例ではない。Qの移動理由も季節的な就労ではなく紛争からの避難である。
復習のポイント:国境を越えたか、移動理由は何か、保護申請の状況はどうかを分けて読む。
関連する一次資料:UNHCR:IDP definitionUNHCR Refugee Data Portal:Population categories
GE169 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
国境を越える通勤
フランス側の住宅地Rからルクセンブルク側の都市Cへ通勤する架空の就業者を考える。住居はRにあり、毎日帰宅する。統計上、居住地と従業地を別々に集計するときの説明として正しいものはどれか。
- 夜間人口はR、従業地にもとづく昼間人口はCに関係し、国際的な住所移動として数える。
- 夜間人口はR、従業地にもとづく昼間人口はCに関係し、国際的な住所移動には数えない。
- 夜間人口はC、従業地にもとづく昼間人口はRに関係し、国際的な住所移動には数えない。
- 夜間人口はC、従業地にもとづく昼間人口はRに関係し、国際的な住所移動として数える。
答えと全選択肢の解説
正解:2 夜間人口はR、従業地にもとづく昼間人口はCに関係し、国際的な住所移動には数えない。
使う地理の知識:常住人口と昼間人口は地理的な集計基準が異なる。国境を越える移動にも通勤と居住地移動があり、国際移民と同一視しない。
判断の手順:住居と勤務先を特定する。常住地を変えない日帰り移動という条件を、夜間人口・昼間人口・移民統計に当てはめる。
- 選択肢1:不正解
昼夜間人口の対応は合うが、勤務先が国外というだけでは国際的な住所移動にならない。Rへ毎日帰宅する条件を確認する。 - 選択肢2:正解
常住地はRのままであり、従業地集計ではCの昼間人口に関係する。日帰りの国境通過は住所を移す移住とは異なる。 - 選択肢3:不正解
住所移動には数えない点は合う。夜間人口は住居のあるR、昼間の従業地はCなので、二つの人口の対応が逆である。 - 選択肢4:不正解
昼夜間人口の対応が逆であり、通勤を移住とする点も誤る。常住地と従業地、往復移動と定住移動を分ける。
復習のポイント:国境を越える事実だけでなく、常住地が変わるかを確認する。
関連する一次資料:総務省統計局:従業地・通学地集計 用語の解説IOM:World Migration Report 2024 Chapter 2
GE170 / 300人口・都市・生活文化計算基礎確認
都市人口の伸び方
資料(学習用モデル値)| 国 | 10年前総人口 | 10年前都市人口 | 現在総人口 | 現在都市人口 |
|---|
| A | 100百万人 | 80百万人 | 100百万人 | 84百万人 |
| B | 60百万人 | 24百万人 | 80百万人 | 36百万人 |
都市地域の区分を固定して10年間を比べた。現在の都市人口率が高い国と、都市人口の増加率が高い国の組合せはどれか。
- 都市人口率はA、都市人口増加率はB。
- 都市人口率も都市人口増加率もA。
- 都市人口率はB、都市人口増加率はA。
- 都市人口率も都市人口増加率もB。
答えと全選択肢の解説
正解:1 都市人口率はA、都市人口増加率はB。
使う地理の知識:都市化の水準を示す都市人口率と、都市人口の増加速度は別の指標である。都市化の進んだ国でも都市人口の増加率が高いとは限らない。
判断の手順:現在の都市人口を総人口で割る。次に各国の都市人口の増分を10年前の都市人口で割って比較する。
- 選択肢1:正解
現在の都市人口率はAが84÷100=84%、Bが36÷80=45%である。一方、都市人口の増加率はA5%、B50%となる。 - 選択肢2:不正解
Aは都市人口率が高いが、都市人口は80→84で5%増にとどまる。Bの24→36は50%増である。 - 選択肢3:不正解
現在の都市人口割合と、過去からの都市人口の伸びを逆にしている。分母がそれぞれ異なる。 - 選択肢4:不正解
Bは都市人口の伸びが大きいが、都市人口率は45%でAの84%を下回る。
復習のポイント:都市人口率と都市人口増加率では、比べる対象と分母を変える。
関連する一次資料:国連人口部:World Urbanization Prospects 用語集
GE171 / 300人口・都市・生活文化統計読解標準演習
都市と農村の人口変化
資料(学習用モデル値)| 時点 | 都市人口 | 農村人口 |
|---|
| 10年前 | 30百万人 | 70百万人 |
| 現在 | 60百万人 | 80百万人 |
都市・農村の区分を固定したA国の人口である。都市人口率の変化と農村人口の変化を正しく説明したものはどれか。
- 都市人口率は上昇したが、農村人口の実数は増加した。
- 都市人口率は上昇し、農村人口の実数は減少した。
- 都市人口率は一定で、都市・農村人口は同じ率で増えた。
- 都市人口率は低下したが、都市人口の実数は増加した。
答えと全選択肢の解説
正解:1 都市人口率は上昇したが、農村人口の実数は増加した。
使う地理の知識:都市化は都市に住む人の割合の上昇を含む。自然増加の大きい国では、都市への流出があっても農村人口が増える場合がある。
判断の手順:各年の都市・農村人口を合計して都市人口率を求める。農村人口の実数と割合の動きを区別する。
- 選択肢1:正解
都市人口率は30%から約42.9%へ上昇する。農村人口も70→80百万人と増えており、都市化と農村人口減少は同義ではない。 - 選択肢2:不正解
都市化が進んでも国全体の人口が増えていれば農村人口も増える場合がある。表では10百万人増加している。 - 選択肢3:不正解
都市人口は2倍だが農村人口は約1.14倍である。同じ割合で増えたわけではない。 - 選択肢4:不正解
都市人口の増加率は100%で農村の約14.3%より高いため、都市人口率は上昇する。
復習のポイント:都市人口割合の上昇から、農村の人数減少を自動的に結論しない。
関連する一次資料:国連人口部:World Urbanization Prospects 用語集国連人口部:World Population Prospects 2024
GE172 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
都市区域の変更
ある国で都市人口が1年間に100万人から130万人へ増えた。このうち20万人は居住地を変えず、集落の区分変更により都市人口へ移された。都市の自然増加は4万人で、残りは農村から都市への転入超過である。移住と都市人口増加の関係として正しいものはどれか。
- 農村からの転入超過は6万人で、都市人口増加の最大要因は区分変更である。
- 農村からの転入超過は26万人で、都市人口増加の最大要因は人口移動である。
- 農村からの転入超過は10万人で、都市人口増加の最大要因は区分変更である。
- 農村からの転入超過は30万人で、都市人口増加の最大要因は人口移動である。
答えと全選択肢の解説
正解:1 農村からの転入超過は6万人で、都市人口増加の最大要因は区分変更である。
使う地理の知識:都市人口の増加には自然増加、農村からの純移動、都市区域の拡張・再分類が含まれる。行政市の拡大だけでも都市人口統計は変わる。
判断の手順:都市人口増加を3要因に分解する。残差として純移動を求め、最も大きい要因を比較する。
- 選択肢1:正解
30万人の増加から区分変更20万人と自然増4万人を除くと6万人である。都市人口増加は人口移動だけで生じるわけではない。 - 選択肢2:不正解
30万人から自然増4万人だけを除いており、区分変更20万人を移住者に含めている。 - 選択肢3:不正解
区分変更20万人は除いているが、自然増4万人を移住に含めている。転入超過は6万人となる。 - 選択肢4:不正解
都市人口増加の全てを住所移動とみなしている。統計区分の変更と出生・死亡による増減を分ける必要がある。
復習のポイント:都市化の統計を読むときは、人口移動と区域・定義の変更を分ける。
関連する一次資料:国連人口部:World Urbanization Prospects 用語集
GE173 / 300人口・都市・生活文化統計読解複合演習
市街地の連続性
基本単位区の人口と配置(学習用模式図)図の内容を文章で確認
各区面積0.25平方キロメートル。上段はP1100人・Q1300人・R900人、下段はS1400人・T1200人・U1500人の2行3列。隣接は辺の共有とする。
図のA市でDIDの原則を適用する。人口密度4,000人/km²以上の単位区が辺を共有して連続し、合計人口5,000人以上なら一つのDIDとする。施設用地などの特例はない。該当する区域はどれか。
- P・Q・R・S・T・Uで一つのDIDとなる。
- P・Q・S・Tだけが一つのDIDとなる。
- P・Qの群とS・T・Uの群が別々のDIDとなる。
- P・Q・S・T・Uで一つのDIDとなる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 P・Q・S・T・Uで一つのDIDとなる。
使う地理の知識:DIDは行政上の市そのものではなく、人口密度と連続性・人口規模により設定する市街地の統計区域である。
判断の手順:各区の密度基準を人口1,000人以上へ換算する。該当区の連続性を図でたどり、合計人口を確認する。
- 選択肢1:不正解
Rの密度は900÷0.25=3,600人/km²で原則の基準を下回る。全体平均が高くてもRを含めない。 - 選択肢2:不正解
Uも1,500÷0.25=6,000人/km²で基準以上であり、Tに接するので同じDIDへ含まれる。 - 選択肢3:不正解
PとS、QとTが辺で接しているため上下は分離していない。加えてP・Qだけでは合計5,000人に満たない。 - 選択肢4:正解
面積0.25km²なので基準人口は各1,000人である。Rを除く5区はTなどを通じ連続し、合計6,500人で基準を満たす。
復習のポイント:市街地判定では各区の密度、隣接、連続区域の人口の3条件を照合する。
関連する一次資料:総務省統計局:人口集中地区に関するQ&A
GE174 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
都市を数える範囲
資料(学習用モデル値)| 区域 | 範囲の基準 | 人口 |
|---|
| A | 行政市の境界 | 80万人 |
| B | 建物が連続する市街地 | 150万人 |
| C | 中心部への通勤による結び付き | 230万人 |
同じ都市について、行政市域A、連続市街地B、通勤圏Cの常住人口を集計した。三つの区域はA⊂B⊂Cで、調査時点は同じである。都市の範囲と集計人口について正しく説明したものはどれか。
- CとBの差80万人は、市街地外から中心部へ通勤する就業者数を表す。
- BとAの差70万人は、行政市域Aへ昼間に流入する通勤通学者数を表す。
- CとAの差150万人は、中心部に通勤せず地元で働く就業者数を表す。
- CとBの差80万人は、市街地外で通勤圏内に住む総人口を表す。
答えと全選択肢の解説
正解:4 CとBの差80万人は、市街地外で通勤圏内に住む総人口を表す。
使う地理の知識:行政市域、建物が連続する市街地、通勤で結ばれる都市圏は異なる範囲である。区域を設定する基準が通勤でも、区域内の常住人口は通勤者だけを数えるものではない。
判断の手順:三つの区域の包含関係から差分が表す場所を特定する。その場所の常住人口と、そこから出る通勤流動の人数を区別する。
- 選択肢1:不正解
通勤圏は通勤による結び付きで区域を設定するが、その区域の人口が全員通勤者という意味ではない。総人口と通勤者数を混同している。 - 選択肢2:不正解
B−Aは行政市域外の連続市街地に住む人口である。そこからAへの実際の通勤通学流入数はOD資料などがなければ分からない。 - 選択肢3:不正解
C−Aは行政市域外かつ通勤圏内の常住人口である。地元就業者に限らず、中心部への通勤者や非就業者も含む。 - 選択肢4:正解
包含関係からC−Bは連続市街地の外側で通勤圏に含まれる区域である。常住人口なので、通勤する就業者だけでなく子どもや非就業者なども含む。
復習のポイント:都市圏を決める基準と、その範囲で集計する人口の定義を分けて読む。
関連する一次資料:国連人口部:World Urbanization Prospects 用語集総務省統計局:従業地・通学地集計 用語の解説
GE175 / 300人口・都市・生活文化計算標準演習
昼夜の人口と都市機能
資料(学習用モデル値)| 市 | 夜間人口 | 市外へ流出 | 市外から流入 |
|---|
| A | 10万人 | 2万人 | 5万人 |
| B | 20万人 | 6万人 | 2万人 |
同じ都市圏にあるA・B両市の昼間人口を、夜間人口−流出通勤通学者+流入通勤通学者で求める。昼夜間人口比率と都市の役割の組合せとして正しいものはどれか。
- Aは70、Bは120で、Bに雇用・教育機能が相対的に集中する。
- Aは130、Bは80で、Aに雇用・教育機能が相対的に集中する。
- Aは130、Bは80で、Bに雇用・教育機能が相対的に集中する。
- Aは150、Bは110で、両市とも周辺へ就業者を送り出す。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Aは130、Bは80で、Aに雇用・教育機能が相対的に集中する。
使う地理の知識:昼夜間人口比率が高い地域には職場・学校などが集まりやすく、低い地域は住宅地としての性格が強い。
判断の手順:昼間人口を両市で算出し夜間人口で割る。100からの上下を、通勤通学の純流入・純流出と結び付ける。
- 選択肢1:不正解
通勤通学の流入と流出を逆に加減している。昼間人口では流入を足し流出を引く。 - 選択肢2:正解
Aの昼間人口は10−2+5=13万人、Bは20−6+2=16万人で、夜間人口を100とした比率は130・80となる。Aは流入超過である。 - 選択肢3:不正解
比率計算は合うが、役割の説明が逆である。Bは昼間に人口が減る住宅地としての性格が強い。 - 選択肢4:不正解
流出を差し引かずに計算している。さらに比率が100を超える市を、純流出する市とみなす説明は合わない。
復習のポイント:昼間人口の計算結果を、都市圏内の居住機能と就業・教育機能に対応させる。
関連する一次資料:総務省統計局:従業地・通学地集計 用語の解説
GE176 / 300人口・都市・生活文化統計読解複合演習
地区機能を指標から読む
地区別指標。地価はPを100とする(学習用モデル値)| 地区 | 昼夜間人口比率 | 商業地価指数 | 地区内就業者の製造業割合 |
|---|
| P | 420 | 100 | 3% |
| Q | 72 | 22 | 8% |
| R | 135 | 15 | 60% |
同じ大都市圏の地区P・Q・Rを、中心業務地区、郊外住宅地、外縁の工業地区に一つずつ対応させる。表から判断した組合せはどれか。
- P=中心業務地区、Q=郊外住宅地、R=工業地区。
- P=中心業務地区、Q=工業地区、R=郊外住宅地。
- P=工業地区、Q=郊外住宅地、R=中心業務地区。
- P=郊外住宅地、Q=中心業務地区、R=工業地区。
答えと全選択肢の解説
正解:1 P=中心業務地区、Q=郊外住宅地、R=工業地区。
使う地理の知識:中心業務地区は高地価・業務機能集積、郊外住宅地は通勤流出、工業地区は製造業就業の集積を示しやすい。
判断の手順:昼夜間人口比率で住宅地Qを見分ける。P・Rは地価と産業構成を比較して業務地区と工業地区を区別する。
- 選択肢1:正解
Pは高い地価と昼間人口、Qは低い昼夜間人口比率、Rは製造業雇用の多さが特徴である。単一指標ではなく3指標を重ねると一意に対応する。 - 選択肢2:不正解
Rは製造業が雇用の6割を占めるので工業地区に合う。Qは雇用集積が弱く、昼間人口も少ない。 - 選択肢3:不正解
Pは製造業比率が低く地価が高い。Rの工業雇用の多さを中心業務地区の特徴と取り違えている。 - 選択肢4:不正解
Pは就業者を集める地区、Qは昼間に常住者が流出する地区であり、住宅地と中心業務地区の対応が逆である。
復習のポイント:昼夜間人口比率が高い理由は、事務所・学校・工場などの機能指標で確かめる。
関連する一次資料:総務省統計局:従業地・通学地集計 用語の解説国土交通省:市街地整備に関する現状と課題
GE177 / 300人口・都市・生活文化統計読解標準演習
都市内の土地利用
資料(学習用モデル値)| 地区 | 主な土地利用 | 昼夜間人口比率 | 地価指数 | 交通 |
|---|
| A | 住宅床70% | 85 | 45 | 住宅駅 |
| B | 事務所床65% | 360 | 100 | 複数路線の結節点 |
| C | 工場・倉庫用地60% | 140 | 25 | 高速道路IC付近 |
| D | 農地・公園70% | 95 | 10 | 路線バス中心 |
同じ都市の4地区で土地利用を調べた。地代負担力と接近性の関係を踏まえ、中心業務地区に対応するものを選べ。
- B
- D
- C
- A
答えと全選択肢の解説
正解:1 B
使う地理の知識:中心業務地区では接近性を求める業務が高い地代を負担し、高層化など土地の集約的利用が進む。人口密度と業務集積は別である。
判断の手順:事務所床面積割合と交通結節性を読む。地価と昼夜間人口比率が同じ地区を支持するかを確認する。
- 選択肢1:正解
Bは公共交通の結節点で、事務所床面積割合と地価が高い。広い土地より対面接触や顧客への接近性を重視する業務が集積する条件に合う。 - 選択肢2:不正解
Dは公園・農地が多く地価も低い。低密度の外縁部として整合し、高度な業務集積ではない。 - 選択肢3:不正解
Cは倉庫・工場用地と道路輸送への適性が中心であり、業務の中心地区とは異なる。 - 選択肢4:不正解
Aは住宅利用が多く、夜間人口が昼間人口を上回る。高い居住密度だけでは中心業務地区と判断できない。
復習のポイント:中心部を夜間人口密度だけで判断せず、事務所・地価・交通の特徴を使う。
関連する一次資料:国土交通省:市街地整備に関する現状と課題総務省統計局:従業地・通学地集計 用語の解説
GE178 / 300人口・都市・生活文化地図読解複合演習
都市圏の人口配置の変化
都市圏の区域別人口増減率(学習用模式図)図の内容を文章で確認
同心円状の三区域。第1期は中心C−12%、内側郊外I+8%、外側郊外O+16%。第2期はC+10%、I−2%、O−5%。両期の区域は固定。
図は固定した三区域の人口増減率である。第2期には中心部で工場跡地の集合住宅への転換が進んだ。第1期と第2期の変化を説明する組合せはどれか。
- 第1期は郊外化、第2期は中心部の居住機能の空洞化。
- 第1期は都市圏全体の縮小、第2期は郊外住宅地の拡大。
- 第1期は郊外化、第2期は住宅再開発を伴う都心回帰。
- 第1期は都心回帰、第2期は自動車交通に支えられた郊外化。
答えと全選択肢の解説
正解:3 第1期は郊外化、第2期は住宅再開発を伴う都心回帰。
使う地理の知識:郊外化と都心回帰は都市圏内の人口配置の変化である。中心部の工場跡地などの住宅転換は都心回帰を支えることがある。
判断の手順:図の中心部・郊外の増減方向を期間ごとに読む。第2期の土地利用変化を居住人口回復の説明に結び付ける。
- 選択肢1:不正解
第2期の中心部人口は10%増であり、居住機能が空洞化したという説明と合わない。 - 選択肢2:不正解
第1期は基準人口が与えられていないため都市圏全体の純増減は確定しない。第2期の郊外人口は増加ではない。 - 選択肢3:正解
第1期は中心部が減少し郊外が増加する。第2期は中心部が増加し、住宅開発の条件とも合わせて都心への居住回復と説明できる。 - 選択肢4:不正解
中心部から郊外への分散と、中心部への回復を逆にしている。第2期の郊外人口は両区域で減少する。
復習のポイント:都市圏内部の分布変化と、都市圏全体の人口増減を分けて判断する。
関連する一次資料:国土交通省:市街地整備に関する現状と課題
GE179 / 300人口・都市・生活文化地図読解標準演習
都市の規模分布
架空国Xの主要都市(学習用模式図)図の内容を文章で確認
A800万人、B160万人、C120万人、D100万人。交通路はA−B、B−C、B−Dを結ぶ。位置は模式的で実距離を表さない。
図の4都市が主要都市である架空国Xでは、Aに中央政府機関、主要金融機関、全国企業の本社が集中している。都市規模分布の型と、順位・規模法則(ランクサイズルール)の理想的な分布との比較として正しいものはどれか。
- 首位都市型であり、AのBに対する人口比は理想的な順位・規模分布より大きい。
- 首位都市型であり、AのBに対する人口比は理想的な順位・規模分布に一致する。
- 順位・規模型であり、AのBに対する人口比は理想的な順位・規模分布に一致する。
- 多極分散型であり、道路結節点Bへの管理機能の集中が人口分布に対応する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 首位都市型であり、AのBに対する人口比は理想的な順位・規模分布より大きい。
使う地理の知識:首位都市型は最大都市が第2位以下に比べ突出する分布である。理想的な順位・規模法則では、第n位都市の人口は最大都市の約1/nとなる。現実の都市が必ず従う法則ではない。
判断の手順:AとBの人口比800÷160=5を求め、順位・規模法則での比2と比較する。管理機能もAに集まる条件と合わせて首位都市型を判断する。
- 選択肢1:正解
AはBの5倍で管理機能も集中し、首位都市の突出がみられる。理想的な順位・規模法則なら第2位は首位の2分の1で、首位/第2位は2である。 - 選択肢2:不正解
首位都市型という判断は合うが、A/B=800/160=5である。理想的な順位・規模分布の比2とは一致しない。 - 選択肢3:不正解
都市人口が順位順に減れば全て順位・規模法則に合うという意味ではない。第2位なら400万人となる理想的分布に対し、Bは160万人である。 - 選択肢4:不正解
Bが道路の結節点でも、管理機能の集中先は資料ではAである。人口もAが突出しており、多極分散型とは対応しない。
復習のポイント:都市人口の大小だけでなく、首位と第2位の隔たりと管理機能の集積先を確認する。
関連する一次資料:国連人口部:World Urbanization Prospects 用語集国土交通省:市街地整備に関する現状と課題
GE180 / 300人口・都市・生活文化地図読解標準演習
市街地の広がりと交通
二つの住宅地配置(学習用模式図)図の内容を文章で確認
Pは6つの住宅地が中央の道路の周辺にまとまる。Qは6つの住宅地が農地等を挟んで分散し、中央道路から枝道で結ばれる。黒が住宅地、緑が農地等。
同じ人口のP・Q地区を比べる。Qの道路延長はPの1.8倍であり、地形・道路幅などの条件と道路1km当たりの年間維持費は等しい。新しい商業・業務の中心はなく、図の黒い区画は住宅地である。Qの都市形態と住民1人当たり道路維持費の組合せはどれか。
- スプロールの特徴を持ち、維持費はPより約44%少ない。
- 都市機能の多核化の特徴を持ち、維持費はPより約44%少ない。
- 都心回帰の特徴を持ち、維持費はPより80%多い。
- スプロールの特徴を持ち、維持費はPより80%多い。
答えと全選択肢の解説
正解:4 スプロールの特徴を持ち、維持費はPより80%多い。
使う地理の知識:スプロールは市街地の不連続・低密度な外延化を指す。離れた住宅地を結ぶ道路等の延長が増えると、同じ人口でも施設の維持量が大きくなる。
判断の手順:図で住宅地の連続性と空地を挟んだ配置を読む。同人口・同じ単位費用という条件を適用し、道路延長比1.8を1人当たり維持費の増加率80%へ換算する。
- 選択肢1:不正解
都市形態は合う。約44%減はPをQと比べた1−1/1.8に当たり、QをPと比べる本問では大小を逆にしている。 - 選択肢2:不正解
住宅の飛び地が複数あるだけでは、商業・業務など都市機能の中心が複数成立する多核化とは区別する。また費用の比較方向も逆である。 - 選択肢3:不正解
費用は合うが、都心回帰は中心部への居住人口の回復である。外側へ不連続に広がる住宅配置を都心回帰とは呼ばない。 - 選択肢4:正解
農地等を挟む不連続な住宅開発はスプロールの特徴である。人口と1km当たり費用が等しいため、1人当たり維持費も1.8倍、すなわち80%増となる。
復習のポイント:住宅地の分散と都市機能の多核化は別の現象。施設延長を比べるときは人口と単位費用の条件も確認する。
関連する一次資料:UN-Habitat:Sustainable urbanizationUN-Habitat:Planned City ExtensionsUN-Habitat:Mobility and Transport
GE181 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
生活拠点の再配置
資料(学習用モデル値)| 現在の条件 | 目標 |
|---|
| 三つの鉄道駅周辺に既存商店街・住宅地 | 日常生活拠点の維持 |
| 駅・停留所まで歩きにくい新興住宅地が増加 | 公共交通への接近性向上 |
人口減少都市の再編案を比べる。コンパクト・プラス・ネットワークの考え方に合い、表の目標「日常生活拠点の維持」と「公共交通への接近性向上」の両方に対応する案はどれか。
- B:鉄道駅周辺の三拠点へ住宅・診療所を誘導し、拠点間のバスを維持する。
- A:市全体で宅地を均等に増やし、各住宅地に小規模商店を新設する。
- C:住宅を郊外の道路IC周辺へ集め、既存鉄道駅の診療所を統合する。
- D:既存市街地の住宅を維持し、病院・商業施設を外縁の広い敷地へ移す。
答えと全選択肢の解説
正解:1 B:鉄道駅周辺の三拠点へ住宅・診療所を誘導し、拠点間のバスを維持する。
使う地理の知識:コンパクト・プラス・ネットワークは複数拠点の維持と公共交通での連携を組み合わせる。単に施設を一か所へ集めることとは異なる。
判断の手順:二つの目標を分けて読む。住宅と生活サービスの位置、さらに拠点間の移動手段が両方合う案を選ぶ。
- 選択肢1:正解
複数の生活拠点へ居住とサービスを誘導し、公共交通で拠点を結ぶ案である。必ずしも一か所に全人口を集める考えではない。 - 選択肢2:不正解
人口減少下で住宅地を広く分散させる案は、一定の利用者密度を持つ拠点形成や公共交通沿線への誘導と合いにくい。 - 選択肢3:不正解
道路ICへの集中は自動車での接近性を重視する案で、資料の公共交通沿線人口を増やす目標との対応が弱い。 - 選択肢4:不正解
生活サービスを住宅地や公共交通拠点から離せば、徒歩や公共交通での利用が難しくなる方向に働く。
復習のポイント:都市再編は施設の集約先と、そこへ行く交通ネットワークをセットで評価する。
関連する一次資料:国土交通省:立地適正化計画とコンパクト・プラス・ネットワーク
GE182 / 300人口・都市・生活文化計算標準演習
距離と時間の隔たり
資料(学習用モデル値)| 住宅地 | Cまで実距離 | 駅まで徒歩 | 運行間隔 | 乗車時間 |
|---|
| A | 15km | 5分 | 30分 | 25分 |
| B | 30km | 10分 | 10分 | 20分 |
中心都市Cへの通勤について、A・B住宅地からの時間距離を比べる。駅までの徒歩と平均待ち時間を含め、平均待ち時間は運行間隔の半分とする。資料と鉄道の時間短縮効果を正しく説明したものはどれか。
- Bは乗車時間が短いが、平均待ち時間を含めるとAと同じになる。
- Aは駅まで近いため、運行頻度にかかわらず時間距離も短い。
- 物理的には遠いBが、運行頻度も含む時間距離では10分近い。
- 物理的に近いAが、乗車時間の差によって時間距離でも10分近い。
答えと全選択肢の解説
正解:3 物理的には遠いBが、運行頻度も含む時間距離では10分近い。
使う地理の知識:時間距離は実距離だけでなく交通機関の速度や頻度で変わる。高速・高頻度交通は離れた居住地を都市圏に結び付ける。
判断の手順:徒歩・平均待ち・乗車を合計して時間距離を求める。実距離の順位と比較し、逆転を生む交通条件を確認する。
- 選択肢1:不正解
平均待ち時間はA15分、B5分である。全行程を足すと10分差が残る。 - 選択肢2:不正解
駅までの徒歩はAが短いが、列車の待ち時間と乗車時間も必要である。接近性を一部分の時間で判定できない。 - 選択肢3:正解
Aは5+15+25=45分、Bは10+5+20=35分である。距離が長くても速い列車と高頻度運行で時間距離が短くなる。 - 選択肢4:不正解
Aは実距離が短いが、待ち時間の長さが総所要時間を増やす。物理距離と時間距離の順位は一致しない。
復習のポイント:交通への接近性は、距離や最高速度だけでなく待ち時間まで含めて比べる。
関連する一次資料:UN-Habitat:Mobility and Transport総務省統計局:従業地・通学地集計 用語の解説
GE183 / 300人口・都市・生活文化統計読解標準演習
医療施設の分布と到達圏
資料(学習用モデル値)| 地区 | 人口 | 施設数 | 車で30分以内の人口 | 公共交通で30分以内の人口 |
|---|
| A | 1万人 | 2 | 8,000人 | 8,000人 |
| B | 1万人 | 2 | 9,000人 | 4,000人 |
医療施設の配置を検討する。A・B地区の人口は同じだが、表の到達圏に差がある。非運転者のアクセシビリティを測る指標と、自動車利用者との到達可能性の差が大きい地区の組合せはどれか。
- 公共交通で30分以内に受診できる人口割合/B地区。
- 地区の総人口÷面積/B地区。
- 自動車で30分以内に受診できる人口割合/A地区。
- 地区内の施設数÷人口/A地区。
答えと全選択肢の解説
正解:1 公共交通で30分以内に受診できる人口割合/B地区。
使う地理の知識:アクセシビリティは目的地まで到達しやすい程度で、交通手段と所要時間を含む。施設数や直線距離だけでは測れない。
判断の手順:対象を非運転者と確認し、公共交通の到達圏を選ぶ。到達圏人口を地区人口で割り、A・Bの差を比較する。
- 選択肢1:正解
非運転者の実際の移動手段に合う到達圏人口が必要である。公共交通での到達可能割合はA80%、B40%でBが低い。 - 選択肢2:不正解
人口密度は交通サービスの条件に関係するが、個々の施設への到達可能性を直接測る指標ではない。 - 選択肢3:不正解
自動車による圏域は非運転者の条件に合わない。自動車ならBが有利でも、公共交通で同じとは限らない。 - 選択肢4:不正解
施設数は供給量の指標だが、地理的な配置や交通経路を含まない。両地区の施設数も同じである。
復習のポイント:サービス配置は施設数と交通手段別の到達圏を組み合わせて読む。
関連する一次資料:国土交通省:立地適正化計画とコンパクト・プラス・ネットワークUN-Habitat:Mobility and Transport
GE184 / 300人口・都市・生活文化統計読解複合演習
通勤の地域間結合
通勤OD表、単位:千人(学習用モデル値)| 居住地\勤務先 | C | S | T |
|---|
| C | 8 | 1 | 1 |
| S | 5 | 3 | 2 |
| T | 2 | 1 | 7 |
表は居住地を行、勤務先を列にしたOD表である。Cは中心市、S・Tは周辺市で、就業者は全員この3市内で居住・勤務する。SとTの都市機能を比較した説明として正しいものはどれか。
- Sは雇用の純流入があり、Tは雇用の純流出がある。
- TはCへの通勤依存が強く、SはTより職住の自立性が高い。
- SとTはCへの通勤割合が同じで、自市内就業割合も同じである。
- SはCへの通勤依存が強く、TはSより職住の自立性が高い。
答えと全選択肢の解説
正解:4 SはCへの通勤依存が強く、TはSより職住の自立性が高い。
使う地理の知識:通勤流動は中心都市への依存度や周辺都市の自立性を示す。OD表は出発地と到着地を区別し、居住就業者を分母に通勤先割合を求める。
判断の手順:SとTの行合計を求め、C勤務割合と自市内勤務割合を比較する。列合計も確認して雇用の純流入・純流出を区別する。
- 選択肢1:不正解
Sの市内勤務者は1+3+1=5千人で居住就業者10千人より少ない。Tは1+2+7=10千人で均衡している。 - 選択肢2:不正解
居住地別の行を読むとSのC依存が強い。勤務地別の列と取り違えると逆の理解になる。 - 選択肢3:不正解
同じ居住就業者数でも通勤先の内訳は異なる。C勤務と自市内勤務の両方で差がある。 - 選択肢4:正解
S居住者のC勤務は5÷10=50%、Tは2÷10=20%である。自市内勤務はS30%、T70%なのでTの職住自立性が高い。
復習のポイント:通勤圏の構造は単なる人口ではなく、どこに住みどこで働くかの結合で読む。
関連する一次資料:総務省統計局:従業地・通学地集計 用語の解説
GE185 / 300人口・都市・生活文化統計読解複合演習
交通手段と都市の成長
資料(学習用モデル値)| 時点 | 通勤者総数 | 自動車分担率 |
|---|
| 10年前 | 10万人 | 60% |
| 現在 | 15万人 | 50% |
ある都市では通勤者数と自動車分担率が表のように変化した。同期間に鉄道沿線への居住誘導が進んだ。資料から確実にいえる交通量の変化と、追加確認が必要な事項の組合せはどれか。
- 自動車通勤者は増えた/自動車分担率低下だけで道路渋滞の解消を確定できる。
- 自動車通勤者は増えた/居住誘導が自動車分担率低下を生んだかは追加確認が要る。
- 自動車通勤者は減った/居住誘導が自動車分担率低下を生んだかは追加確認が要る。
- 自動車通勤者は減った/沿線居住者の全員が自動車から鉄道へ転換したと確定できる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 自動車通勤者は増えた/居住誘導が自動車分担率低下を生んだかは追加確認が要る。
使う地理の知識:都市成長下では交通分担率が低下しても、その交通手段の利用者数が増える場合がある。都市形態と交通の因果には追加資料が必要である。
判断の手順:各時点の通勤者総数に自動車分担率を掛ける。確実な実数変化と、居住誘導の因果効果・渋滞への効果を分ける。
- 選択肢1:不正解
割合の低下だけでは道路利用の実数、経路や時間帯が分からず、渋滞解消は確定しない。 - 選択肢2:正解
自動車通勤者は10万×60%=6万人から15万×50%=7.5万人へ増えた。因果の特定には居住地別・個人別変化などが必要である。 - 選択肢3:不正解
分担率は下がったが通勤者総数が増えたため実数は増えている。割合と交通量を区別する。 - 選択肢4:不正解
実数計算が逆であり、集計値から個々の住民の手段変更も特定できない。新規流入者の交通選択なども考えられる。
復習のポイント:分担率を実数に戻し、政策の因果や渋滞の評価と区別する。
関連する一次資料:UN-Habitat:Mobility and Transport国土交通省:立地適正化計画とコンパクト・プラス・ネットワーク
GE186 / 300人口・都市・生活文化計算標準演習
地代と土地利用
都心からの距離と支払地代(学習用模式図)図の内容を文章で確認
都心から0・2・4・6kmで、業務の支払地代は120・80・40・0、住宅は85・65・45・25、農業は45・39・33・27。折れ線は各用途を結ぶ。
同じ面積の土地に支払える年間地代、単位:万円(学習用モデル値)| 距離 | 業務 | 住宅 | 農業 |
|---|
| 0km | 120 | 85 | 45 |
| 2km | 80 | 65 | 39 |
| 4km | 40 | 45 | 33 |
| 6km | 0 | 25 | 27 |
同じ広さの土地について、業務・住宅・農業の支払地代が都心からの距離で図表のように変わる。各用途が土地をめぐって競争し、用途規制などはないとする。付け値地代の考え方によれば、距離0km・4km・6kmで成立する用途の順序はどれか。
- 業務→住宅→農業。
- 業務→農業→住宅。
- 住宅→業務→農業。
- 農業→住宅→業務。
答えと全選択肢の解説
正解:1 業務→住宅→農業。
使う地理の知識:地代負担力は用途によって異なり、都心への接近性に敏感な業務は中心付近で高い地代を支払いやすい。地代曲線の上側が、その条件下で有利な用途になる。
判断の手順:指定された3地点で曲線または表の最大値を選ぶ。最大値を持つ用途が距離に応じて入れ替わることを確認する。
- 選択肢1:正解
0kmは業務120、4kmは住宅45、6kmは農業27が最高である。都心への接近性を強く求める業務ほど距離に伴う地代低下が大きいモデルである。 - 選択肢2:不正解
4kmでは住宅45が農業33より高く、6kmでは農業27が住宅25より高い。住宅と農業の位置が逆である。 - 選択肢3:不正解
都心では業務120が住宅85を上回る。住宅が高い人口密度を持つことと、地代負担力が最大であることは別である。 - 選択肢4:不正解
都心での接近性の便益を大きく受ける業務の曲線は外側ほど低くなる。用途の並びを逆にしている。
復習のポイント:地代の大小だけでなく、距離に伴う低下の傾きと交点に注目する。
関連する一次資料:国土交通省:市街地整備に関する現状と課題
GE187 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
購買行動と中心地の階層
需要の閾値とは店舗の経営が成り立つために必要な需要の規模、財の到達範囲とはその商品を買うために客が移動する範囲である。
二店舗の利用実態(学習用の架空調査)| 店舗 | 主な取扱い | 購入頻度 | 購入前の行動 |
|---|
| X | 食品・日用雑貨 | 週に数回 | 身近な店で繰り返し購入 |
| Y | 大型家具・専門的な調度品 | 数年に一度 | 複数店で品質や品ぞろえを比較 |
同じ平野内の店舗X・Yを比べる。YはXより専門設備や展示面積が大きく、年間固定費も高い。資料と中心地理論の一般的な関係を踏まえ、YでXより大きくなると考えられる「需要の閾値」と「財の到達範囲」の組合せを選べ。所得・人口密度・交通条件は同じとする。
- 需要の閾値は小さく、財の到達範囲も小さい。
- 需要の閾値は大きく、財の到達範囲も大きい。
- 需要の閾値は小さく、財の到達範囲は大きい。
- 需要の閾値は大きく、財の到達範囲は小さい。
答えと全選択肢の解説
正解:2 需要の閾値は大きく、財の到達範囲も大きい。
使う地理の知識:中心地理論の需要の閾値は機能の成立に必要な需要の規模、財の到達範囲は利用者がその財・サービスのために移動する範囲である。高次の機能は一般に広い商圏を必要とする。
判断の手順:Xは高頻度の日常的購買、Yは低頻度で比較選択される購買と読む。Yの高い固定費を支える需要規模と、買物のために移動する範囲を別々に中心地理論へ対応させる。
- 選択肢1:不正解
日常的な商品と低頻度の専門的な商品を逆に捉えている。Yは広い地域の需要を集める上位の中心地に立地しやすい。 - 選択肢2:正解
Yは低頻度の専門的な買物であり、商売を成立させるには広い範囲の需要を集める必要がある。利用者も品ぞろえを比較して遠方へ移動するので到達範囲が広い。 - 選択肢3:不正解
広い到達範囲の理解は合うが、高い固定費と低い購入頻度のYが少ない需要人口だけで成立するとは考えにくい。 - 選択肢4:不正解
低頻度の商品では近場の需要だけで店を支えにくい。専門性や品ぞろえを求める利用者が比較的遠くまで移動するため、到達範囲も大きい。
復習のポイント:中心地の階層では、機能を支える需要規模と利用者が移動する距離を区別して考える。
関連する一次資料:国土交通省:市街地整備に関する現状と課題国土交通省:立地適正化計画とコンパクト・プラス・ネットワーク
GE188 / 300人口・都市・生活文化地図読解標準演習
集落形態と生産の場
農村の家屋と耕地(学習用模式図)図の内容を文章で確認
Pは東西方向の一本道の北側に5戸が一列に並ぶ。Qは耕地の中の離れた位置に5戸が点在し、それぞれ屋敷林を表す薄緑の円に囲まれる。
図のP・Qを、道路沿いに家が並ぶ形態と、砺波平野で知られる形態に対応させる。Qの家屋周辺には各戸の耕地がまとまる。集落形態とQの特徴の組合せはどれか。
- Pは散村、Qは路村で、Qでは道路交通を使う商業機能が連続する。
- Pは環濠集落、Qは条坊都市で、Qでは都城の道路区画に家屋が従う。
- Pは路村、Qは集村で、Qでは家屋が一つの核に密集し耕地が外側に広がる。
- Pは路村、Qは散村で、Qでは自家の耕地に近い場所に住居が置かれる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Pは路村、Qは散村で、Qでは自家の耕地に近い場所に住居が置かれる。
使う地理の知識:路村は道路沿いに家屋が連なる形、散村は耕地の中に農家が分散する形である。砺波平野の散居村は散村の代表例として知られる。
判断の手順:図の家屋と道路・耕地の位置関係を読む。Qが家屋の密集地を持たず各戸の耕地に接することから散村を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
道路沿いのPと、耕地内に点在するQを逆にしている。Qの道路沿い商業集積という情報もない。 - 選択肢2:不正解
Pには周囲の堀、Qには条坊状の街路は示されていない。古代集落・都城の形態を混同している。 - 選択肢3:不正解
Qは家屋が一つの核に密集せず分散しているため、集村には当たらない。 - 選択肢4:正解
Pは道路に沿う線状配置なので路村、Qは耕地の中に家が点在する散村である。砺波の散居村では各戸の周囲に耕地や屋敷林がみられる。
復習のポイント:集落形態は家の数ではなく、道路・耕地に対する家屋の配置で判読する。
関連する一次資料:となみ散居村ミュージアム
GE189 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
山間地域のサービス変化
資料(学習用モデル値)| 指標 | 10年前 | 現在 |
|---|
| 人口 | 8,000人 | 6,000人 |
| 食料品店 | 8店 | 3店 |
| バス | 1日12便 | 1日5便 |
| 65歳以上に占める非運転者 | 40% | 55% |
山間地域で若年層の転出が続き、表のように人口と商業・交通が変化した。地域の縮小が生活サービスへ及ぼす作用を説明したものとして最も整合するのはどれか。
- 総需要の縮小で店舗・バスの維持が難しくなる一方、非運転者の移動制約が重くなる。
- バス利用者が減ったので、車を使えない住民の移動需要も同じ割合で減っている。
- 高齢者向け需要の拡大が人口減少を上回り、店舗の販売総額は増加したと判断できる。
- 人口が減ると住民1人当たりの施設は増えるため、サービスへの到達時間も短くなる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 総需要の縮小で店舗・バスの維持が難しくなる一方、非運転者の移動制約が重くなる。
使う地理の知識:過疎地域では需要密度の低下により商業や交通サービスが縮小し、それが居住条件をさらに弱める場合がある。利用実績と潜在的需要は区別する。
判断の手順:人口・店舗数・便数の変化を需要と供給に分ける。非運転者の割合の変化を、利用可能な交通手段と結び付ける。
- 選択肢1:正解
人口と店舗・便数が減り、車を使えない高齢者の割合が上昇している。採算上の供給縮小と、残る住民の到達可能性の悪化が並存しうる。 - 選択肢2:不正解
利用実績は便数や行き先の減少でも落ちる。移動したい需要がそのまま消えたことを意味しない。 - 選択肢3:不正解
高齢者向けに需要の種類が変わる可能性はあるが、販売総額や所得は示されていない。需要の拡大が人口減少を上回ったと確定する根拠はない。 - 選択肢4:不正解
施設が人口より速く減る場合もあり、位置が遠くなれば到達時間は増える。人口減少だけから改善は結論できない。
復習のポイント:人口減少地域のサービスは、採算を支える需要と残る住民の移動条件の両方で読む。
関連する一次資料:国土交通省:立地適正化計画とコンパクト・プラス・ネットワークUN-Habitat:Mobility and Transport
GE190 / 300人口・都市・生活文化計算複合演習
地域平均と都市化
資料(学習用モデル値)| 区域 | 1人当たり所得 | 前期人口割合 | 後期人口割合 |
|---|
| 都市部 | 400万円 | 40% | 70% |
| 農村部 | 200万円 | 60% | 30% |
A地域は都市部と農村部からなる。人口構成だけが表のように変わり、都市部・農村部それぞれの1人当たり所得は変化しなかった。A地域全体の平均所得の変化と解釈を選べ。全住民について同じ定義で所得を集計する。
- 280万円から340万円へ上昇したので、両区域の住民の所得が同じ率で増えた。
- 280万円から340万円へ上昇したが、各区域の平均所得が増えたことを意味しない。
- 300万円で変わらないので、都市化による人口構成の変化は平均に影響しない。
- 340万円から280万円へ低下したので、都市への移住が所得を押し下げた。
答えと全選択肢の解説
正解:2 280万円から340万円へ上昇したが、各区域の平均所得が増えたことを意味しない。
使う地理の知識:地域平均は人口構成によって変わる。都市化によって高所得地域に属する人口の割合が増えるだけでも、国・地域全体の平均所得は上がりうる。
判断の手順:区域平均に人口割合を掛けて合計する。区域内の所得水準が一定という条件から、平均上昇を構成比の効果として説明する。
- 選択肢1:不正解
地域平均の上昇は、所得水準の高い都市部の人口割合が増えたためである。各区域の所得増や全員の個人所得増を示さない。 - 選択肢2:正解
前期は400×0.4+200×0.6=280万円、後期は400×0.7+200×0.3=340万円である。区域内の所得水準は一定で、人口構成の変化が平均を押し上げている。 - 選択肢3:不正解
二つの区域平均を単純平均せず、それぞれの人口割合で重み付けする。人口構成が変わると地域全体の平均も変わる。 - 選択肢4:不正解
都市部の人口割合が40→70%へ増え、都市部の所得が農村より高いので、地域平均は上昇する。
復習のポイント:地域平均の変化は、区域内の水準変化と区域間の人口構成変化に分ける。
関連する一次資料:国連人口部:World Urbanization Prospects 用語集総務省統計局:人口推計 用語の解説
GE191 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
言語圏と国境
ここでいう主な言語圏は地域的分布のことで、各地域の全住民が一つの言語だけを使うという意味ではない。
スイス西部のジュネーブ周辺、北部のチューリヒ周辺、南部のティチーノ州の主な言語圏を、周辺国との位置関係も踏まえて対応させる。正しい組合せはどれか。
- ジュネーブ周辺=イタリア語/チューリヒ周辺=ドイツ語/ティチーノ=フランス語。
- ジュネーブ周辺=フランス語/チューリヒ周辺=ドイツ語/ティチーノ=イタリア語。
- ジュネーブ周辺=フランス語/チューリヒ周辺=イタリア語/ティチーノ=ドイツ語。
- ジュネーブ周辺=ドイツ語/チューリヒ周辺=フランス語/ティチーノ=イタリア語。
答えと全選択肢の解説
正解:2 ジュネーブ周辺=フランス語/チューリヒ周辺=ドイツ語/ティチーノ=イタリア語。
使う地理の知識:言語圏は国境と一対一には対応しない。スイスではドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語が国の言語として位置付けられる。
判断の手順:各都市・州のスイス国内の位置を確認する。隣接する言語圏と結び付け、西・北・南の対応を決める。
- 選択肢1:不正解
西部と南部の言語圏が逆である。スイス内の言語分布は国境を越えた周辺の言語圏との関係で捉える。 - 選択肢2:正解
西側のフランス、北側のドイツ、南側のイタリアとの文化的連続性が言語圏に反映される。スイスは一国内に複数の言語圏を持つ。 - 選択肢3:不正解
北部と南部の言語圏を逆にしている。ティチーノはイタリア語圏として知られる。 - 選択肢4:不正解
西部と北部の言語圏が逆である。ジュネーブはフランス語圏、チューリヒはドイツ語圏にある。
復習のポイント:多言語国家を覚えるときは、言語名と国内での地域分布を結び付ける。
関連する一次資料:スイス連邦外務省:Languageスイス連邦外務省:Multilingualism
GE192 / 300人口・都市・生活文化統計読解標準演習
言語の使用場面と地域差
家庭・職場での使用言語、複数回答(学習用モデル値)| 地区 | 家庭L | 家庭M | 職場L | 職場M |
|---|
| 都市部 | 80% | 30% | 45% | 75% |
| 農村部 | 95% | 10% | 90% | 25% |
インドの多言語社会を参考にした架空調査である。Lは家庭・地域で使う言語、Mは複数州にまたがる共通語として使われる言語とする。各地区で同じ就業者に家庭と職場の両方を尋ね、各場面で「使う」と答えた割合は複数回答である。表から支持される説明はどれか。
- 都市部では家庭でLを使う人が、職場でMを使うことは統計上認められない。
- 農村部のL使用率が高いため、Lが全国共通語でMが地域固有語である。
- 職場でのM使用率の高さから、都市部ではLを母語とする人が少数だと確定する。
- 都市部では家庭言語Lを使いながら、広域の職場でMを併用する機能分化がみられる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 都市部では家庭言語Lを使いながら、広域の職場でMを併用する機能分化がみられる。
使う地理の知識:母語・家庭言語・公用語・広域共通語は一致しない場合がある。多言語社会では教育・仕事・家庭の場面で言語が使い分けられる。
判断の手順:回答が複数回答であることを確認する。都市と農村、家庭と職場を交差して読み、地域語と広域共通語の役割を区別する。
- 選択肢1:不正解
複数回答であり同じ人が場面に応じ複数言語を使える。家庭言語と職場の言語は排他的な分類ではない。 - 選択肢2:不正解
言語の広域性と、ある地区での使用率は別である。Mの広域共通語という条件も問題文に示されている。 - 選択肢3:不正解
職場での使用言語は母語とは限らない。家庭でLを使う割合も高く、Mの職場使用率だけで母語構成を確定できない。 - 選択肢4:正解
都市部では家庭でLが80%、職場でMが75%と高い。場面ごとの使用が重なりうるので、共通語と地域語の併用という説明に合う。
復習のポイント:言語統計は「誰が話すか」に加え、「どの場面で使うか」を読む。
関連する一次資料:外務省:インド基礎データスイス連邦外務省:Multilingualism
GE193 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
東南アジアの文化分布
宗教と歴史の対応資料| 地域 | 文化的特徴 |
|---|
| P | 海上交易と関係するイスラム教の伝播。現在はイスラム教徒が多数。 |
| Q | スペイン統治の歴史があり、カトリックが広く信仰される。 |
次の二地域の宗教分布と歴史的つながりに対応する国の組合せはどれか。国全体の傾向を示し、国内の全住民に同じ信仰を当てはめるものではない。
- P=インドネシア、Q=フィリピン。
- P=タイ、Q=インドネシア。
- P=インドネシア、Q=タイ。
- P=フィリピン、Q=インドネシア。
答えと全選択肢の解説
正解:1 P=インドネシア、Q=フィリピン。
使う地理の知識:東南アジアでは大陸部の仏教、島嶼部のイスラム教、フィリピンのカトリックなど、交易・植民地支配の歴史と結び付いた分布がみられる。
判断の手順:主要宗教を手掛かりに候補を絞る。海上交易とスペイン統治という伝播・歴史の経路を照合する。
- 選択肢1:正解
インドネシアはイスラム教徒が多数を占め、海上交易を通じた伝播と関係する。フィリピンはスペイン統治の歴史を背景にカトリックが広くみられる。 - 選択肢2:不正解
タイでは上座部仏教が広く信仰される。Qのカトリックとスペイン統治の組合せもインドネシアには対応しない。 - 選択肢3:不正解
Pは合うが、タイの主要宗教はカトリックではなく仏教であり、Qのスペイン統治の条件にも合わない。 - 選択肢4:不正解
イスラム教とカトリックの主要な分布を逆にしている。両国とも島嶼部にあるが、宗教史は異なる。
復習のポイント:宗教の分布は現在の国名だけでなく、交易路や歴史的な交流と結び付けて学ぶ。
関連する一次資料:外務省:インドネシア基礎データ外務省:フィリピン基礎データUNESCO:About the Silk Roads
GE194 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
主食となる作物と環境
二つの作物の環境と伝播| 作物 | 伝統的な栽培地域の条件 | 普及後の利用 |
|---|
| P | 熱帯内の高地。低温になる夜間を利用した保存加工も行われる。 | ヨーロッパやアジアでも食用として広く栽培される。 |
| Q | 熱帯低地。比較的やせた土地や乾季のある地域でも栽培される。 | アフリカで食用、東南アジアででんぷん原料などに利用される。 |
表のP・Qはいずれもヨーロッパ人到来前のアメリカ大陸で栽培され、後に他大陸へ広がった根・塊茎作物である。伝統的な栽培地域の自然条件と現在の利用を手掛かりに、作物を対応させよ。
- P=ジャガイモ、Q=キャッサバ。
- P=タロイモ、Q=キャッサバ。
- P=ジャガイモ、Q=タロイモ。
- P=キャッサバ、Q=ジャガイモ。
答えと全選択肢の解説
正解:1 P=ジャガイモ、Q=キャッサバ。
使う地理の知識:ジャガイモはアンデス高地、キャッサバは熱帯アメリカ、タロイモはアジア方面の栽培化と関係する。作物の原産・栽培化地域と現在の普及地域は異なる。
判断の手順:まずPの冷涼な高地とQの高温な低地という条件から適応する作物を絞る。次に両方がアメリカ大陸から伝わったという条件でタロイモを除く。
- 選択肢1:正解
Pは冷涼なアンデス高地と結び付くジャガイモ、Qは熱帯アメリカから広がったキャッサバに対応する。現在の栽培地だけでなく、伝播前の地域と環境を合わせて読む。 - 選択肢2:不正解
Qは合うが、タロイモを冷涼なアンデス高地起源の作物とする点が誤りである。Pはジャガイモに対応する。 - 選択肢3:不正解
Pは合うが、タロイモはアジア方面に起源を持つ作物で、アメリカから他大陸へ伝わったというQの条件に合わない。 - 選択肢4:不正解
どちらもアメリカ大陸に起源を持つが、キャッサバは熱帯、ジャガイモは冷涼な高地と結び付く。適応環境が逆になっている。
復習のポイント:主食作物は、自然条件への適応と大陸間の伝播経路を組み合わせて区別する。
関連する一次資料:FAO:Roots, tubers, plantains and bananas in human nutritionFAO:The potato’s travel through ages and continents
GE195 / 300人口・都市・生活文化地図読解複合演習
文化が広がる経路
四都市の採用時期と結び付き(学習用模式図)図の内容を文章で確認
大都市Aが1期、大都市Bが2期、小都市a・bが3期に採用。Aとaは近くAとBは遠い。A−B間に広域情報交換があり、A−a・B−bも結ばれる。移住はない。
図の服飾様式は、発生地Aの近くにある小都市aより先に、遠い大都市Bで採用された。移住を伴わず、A・Bの企業間交流が確認されている。この初期の広がりを説明する概念はどれか。
- 都市の階層と情報網を通じる階層的な拡散。
- 担い手が住居を移すことで生じる移住による拡散。
- 距離の近い地域へ順に広がる近接的な拡散。
- 同じ気候への適応から各地で独立に生じる類似。
答えと全選択肢の解説
正解:1 都市の階層と情報網を通じる階層的な拡散。
使う地理の知識:文化の拡散には近隣への広がり、都市階層・ネットワークを通じる広がり、移住者が持ち込む広がりなどがある。
判断の手順:近いaと遠いBの採用時期を比較する。移住の有無と情報交換の経路を重ねて拡散の型を選ぶ。
- 選択肢1:正解
近隣の小都市より遠い大都市へ先に伝わり、企業間の交流もある。大都市間の結び付きを先に通る階層的拡散に対応する。 - 選択肢2:不正解
移住を伴わないと明示されており、担い手の定住移動による移転は説明にならない。 - 選択肢3:不正解
近接的拡散が支配的なら近いaへの早期伝播を想定するが、資料ではBの方が先である。 - 選択肢4:不正解
A・B間の情報交換と採用順序が示されているため、相互交流のない独立発生とみなす根拠がない。
復習のポイント:文化が伝わる順序を、距離・都市の規模・人の移動・情報網の違いから説明する。
関連する一次資料:UNESCO:About the Silk RoadsIOM:World Migration Report 2024 Chapter 2
GE196 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
住居の形と環境
Pは熱帯低地の河川・湿地周辺にある高床で開口の大きい木造住居、Qは夏の昼夜の気温差が大きい乾燥した内陸盆地にある厚い土壁の住居である。これらの構造が環境に対応する仕組みとして正しい組合せを選べ。
- P:床を離すことで地面への熱伝導を増やす/Q:壁の熱容量で室内の温度変化を遅らせる。
- P:床下の通風と増水時の浸水軽減/Q:壁の熱容量で室内の温度変化を遅らせる。
- P:床を離すことで地面への熱伝導を増やす/Q:薄い壁より蓄熱が少なく、室温を外気温へ素早く近づける。
- P:床下の通風と増水時の浸水軽減/Q:薄い壁より蓄熱が少なく、室温を外気温へ素早く近づける。
答えと全選択肢の解説
正解:2 P:床下の通風と増水時の浸水軽減/Q:壁の熱容量で室内の温度変化を遅らせる。
使う地理の知識:高床住居は水位変化や地表の湿気への対応と関係する。乾燥地の厚い土壁は大きな熱容量を持ち、昼夜の外気温変化が室内へ伝わる時間を遅らせる。
判断の手順:Pの床と地面の間の空間を通風・水位変化に結び付ける。Qでは日較差と壁の熱容量を結び付け、温度変化への即時追随と遅れを区別する。
- 選択肢1:不正解
Qの説明は合う。床を地面から離す構造を、地面との直接的な熱伝導を増やす仕組みとは説明できない。 - 選択肢2:正解
高床は居住部分を地表の湿気や増水から離し、床下の通風を確保する。厚い土壁は熱を蓄える容量が大きく、外気の温度変化が室内へ伝わるのを遅らせる。 - 選択肢3:不正解
Pは地面に接することで冷却する構造ではなく、高床の空間や通風に意味がある。Qも蓄熱が少なくなるのではなく、大きな熱容量を利用する。 - 選択肢4:不正解
Pの説明は合う。厚い土壁は同じ材料の薄壁より熱容量が大きく、外気温へ素早く追随させるための構造ではない。
復習のポイント:住居の形を地域名と暗記するだけでなく、水位・通風・壁の熱容量という働きまで説明する。
関連する一次資料:コロンビア政府・UNESCO暫定一覧:水上高床住居の文化的景観UNESCO:World Heritage Earthen Architecture Programme
GE197 / 300人口・都市・生活文化統計読解複合演習
地域格差を集計で読む
資料(学習用モデル値)| 市 | 区域 | 労働力人口 | 失業率 |
|---|
| A | 中心部 | 8万人 | 8% |
| A | 郊外 | 2万人 | 2% |
| B | 中心部 | 2万人 | 9% |
| B | 郊外 | 8万人 | 3% |
A市・B市の失業率を、同じ定義で都市中心部と郊外に分けて集計した。各区域の労働力人口と失業率は表のとおりである。市全体の失業率と解釈として正しいものはどれか。
- 両市の全体率は同じで、中心部と郊外の労働力人口の違いは影響しない。
- A市の全体率がB市より低く、中心部同士・郊外同士でもA市の方が低い。
- A市の全体率がB市より高いので、A市では中心部・郊外ともB市より高い。
- A市の全体率がB市より高いが、中心部同士・郊外同士ではA市の方が低い。
答えと全選択肢の解説
正解:4 A市の全体率がB市より高いが、中心部同士・郊外同士ではA市の方が低い。
使う地理の知識:地域の集計指標は区域別水準と人口構成に左右される。地域全体の順位が、その中の各区域の順位と逆転する場合がある。
判断の手順:各区域の失業者数を率×労働力人口で求め、市ごとに合計する。市全体の率と区域別の率の順位を比較する。
- 選択肢1:不正解
失業率は失業者数を労働力人口で割る加重平均である。人口構成が異なるため、区域率の単純平均では比較できない。 - 選択肢2:不正解
区域別ではAが低いが、労働力人口の構成比が異なるため、市全体では逆転する。単純に部分の順位を全体へ移せない。 - 選択肢3:不正解
市全体の率は区域別の人口構成にも影響される。表ではAは中心部8<9%、郊外2<3%と両方低い。 - 選択肢4:正解
Aは(8万×8%+2万×2%)÷10万=6.8%、Bは(2万×9%+8万×3%)÷10万=4.2%となる。Aは率の高い中心部の構成比が大きい。
復習のポイント:地域格差は集計単位を変えて確かめ、人口構成による見かけの差を見落とさない。
関連する一次資料:総務省統計局:人口推計 用語の解説国連人口部:World Urbanization Prospects 用語集
GE198 / 300人口・都市・生活文化事例判断標準演習
季節の移動と生活文化
アルプスのある谷で、牧畜に従事する家族の一部が、夏に家畜と高地の草地へ移り、冬は谷底の集落へ戻る。耕地と永住用住宅は谷底にあり、毎年ほぼ同じ場所を利用する。この形態と自然条件の説明の組合せはどれか。
- 移牧/低緯度の南北方向に移動する降水帯を追って草地を利用する。
- 遊牧/標高差による気温・草地の利用期間の違いを利用する。
- 遊牧/低緯度の南北方向に移動する降水帯を追って草地を利用する。
- 移牧/標高差による気温・草地の利用期間の違いを利用する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 移牧/標高差による気温・草地の利用期間の違いを利用する。
使う地理の知識:移牧は定住的な生活拠点を持ちながら、季節に応じて放牧地を移す形態である。山地の標高差による気温・積雪・草地利用期間の違いを生かす。
判断の手順:定住拠点があるか、何を目的に移動するかを確認する。夏の高地と冬の谷底の往復を垂直的な自然環境差に結び付ける。
- 選択肢1:不正解
移牧という形態は合うが、資料はアルプスの標高差を利用した往復である。低緯度の降水帯に対応する南北移動ではない。 - 選択肢2:不正解
自然条件の説明は合うが、本問では耕地と永住用住宅を持つ谷底の拠点から毎年往復する移牧に当たる。家畜と移動することだけで遊牧とは分類しない。 - 選択肢3:不正解
生活形態は定住拠点を持つ移牧であり、移動も谷底と高地の間である。降水帯の移動に応じた低緯度地域の遊牧と混同している。 - 選択肢4:正解
谷底の定住拠点と高地放牧地を季節的に往復するので移牧である。夏に利用可能となる高地草地など、標高差に伴う自然環境の違いを生かす。
復習のポイント:生活文化としての移動は、家畜・耕地・定住拠点・季節性を組み合わせて区別する。
関連する一次資料:UNESCO:Transhumance, the seasonal droving of livestock
GE199 / 300人口・都市・生活文化統計読解複合演習
人口推計の二つの経路
20〜39歳以外の人口移動の仮定は両案で同じである。
二つの条件付き人口推計(学習用モデル値)| 案 | 20年後総人口 | 20年後高齢化率 |
|---|
| X | 8,000人 | 42% |
| Y | 10,000人 | 33.6% |
A町の将来人口を推計した。基準人口、年齢別出生率、年齢別死亡率は両案で同じだが、案Yでは20〜39歳の男女の転入超過が案Xより多いと仮定した。転入した女性にも同じ年齢別出生率を適用する。表の差を説明するものはどれか。
- Yの高齢化率が低いので、Yでは年齢別死亡率をXより高く置いている。
- Yは流入人口の直接効果に加え、出産年齢女性の増加に伴う出生数の差も含みうる。
- 年齢別出生率が同じなので出生数も等しく、人口差は流入者本人の人数だけで決まる。
- 両案の年齢別出生率が同じなら、移動の仮定を変えても年齢構成は変わらない。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Yは流入人口の直接効果に加え、出産年齢女性の増加に伴う出生数の差も含みうる。
使う地理の知識:コーホート要因法では年齢別人口に出生・死亡・移動の仮定を適用する。人口移動は移動者本人だけでなく、その後の出生数にも影響する。
判断の手順:同じなのは率であり対象人数ではないと確認する。若年成人の流入が出産年齢人口と年齢構成に及ぼす効果を考える。
- 選択肢1:不正解
年齢別死亡率は同じと明記されている。高齢化率の差は若い層の流入とその後の年齢構成変化から生じうる。 - 選択肢2:正解
率が同じでも出産年齢女性の人数が増えると出生数は増えうる。若い流入者とその後の出生の両方が人口規模・構造に影響する。 表の65歳以上人口は両案とも3,360人であり、若い層とその子の人口が多いYでは高齢化率が低くなる。 - 選択肢3:不正解
出生数は年齢別出生率と各年齢女性人口の積から求める。率が同じでも対象人口が違えば出生数は異なる。 - 選択肢4:不正解
移動は年齢別人口へ直接影響する。若年成人中心の流入は、高齢者中心の流入と異なる年齢構成をもたらす。
復習のポイント:人口推計の違いは率・対象人口・移動者の年齢を区別して説明する。
関連する一次資料:国連人口部:Demographic Components of Future Population Growth国連人口部:World Population Prospects 2024厚生労働省:合計特殊出生率について
GE200 / 300人口・都市・生活文化統計読解複合演習
住宅地の世代と移動
Aは約40年前に30歳代の世帯が一斉入居した住宅地で、住宅更新が少ない。Bは多様な世代が住み、近年は退職者向け住宅が建設されている。表の年齢は調査時点の年齢を示す。
二時点の年齢別人口と10年間の人口動態(学習用モデル値)| 地区 | 10年前の55〜64歳 | 現在の55〜64歳 | 現在の65〜74歳 | 10年間の出生数 | 対象出生世代の10年間の死亡数 |
|---|
| A | 3,200人 | 1,600人 | 2,880人 | 600人 | 320人 |
| B | 1,000人 | 1,200人 | 1,400人 | 900人 | 100人 |
同じ大都市圏の住宅地A・Bについて、10年前の55〜64歳に当たる出生世代の純移動を調べる。表の死亡数は、この出生世代について期間中に各地区内で記録された人数である。境界変更・集計漏れはない。住宅地形成の情報も踏まえて、正しい説明を選べ。
- Aは1,280人の転出超過で説明でき、Bでは300人の転入超過がある。
- Aは600人の転出超過で説明でき、Bでは400人の転出超過がある。
- Aは当初の世代の加齢で説明でき、Bでは500人の転入超過がある。
- Aは320人の転出超過で説明でき、Bでは400人の転入超過がある。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Aは当初の世代の加齢で説明でき、Bでは500人の転入超過がある。
使う地理の知識:同じ出生世代を追うと年齢は時間とともに上がり、人数は死亡と移動で変わる。地区全体の出生数は、すでに生まれている特定世代の人数増加には加えない。
判断の手順:現在の年齢列から65〜74歳を選び、10年前55〜64歳と対応させる。現在人数−当初人数+期間死亡数で純移動を求め、Aの一斉入居世代の加齢とBの退職後転入を区別する。
- 選択肢1:不正解
現在も55〜64歳の人口を比較に使っている。この列は10年前より10年遅く生まれた別の世代で、同一コーホートの追跡には使えない。 - 選択肢2:不正解
対象世代の人数変化に期間中の出生600人・900人を差し引いた値である。新しく生まれた人は現在65〜74歳の集団には入らない。 - 選択肢3:正解
10年前55〜64歳は現在65〜74歳に対応する。Aは2880−3200+320=0人、Bは1400−1000+100=500人の純移動となる。期間中の出生はこの世代の人数に加えない。 - 選択肢4:不正解
Aの減少320人は記録された死亡数で説明できる。Bの400人は観測上の増加であり、死亡100人を補う転入分も加えて純移動を求める必要がある。
復習のポイント:二時点で同じ年齢を比べることと、同じ出生世代を追うことは異なる。出生・死亡・移動のうち対象世代の人数を変える要因を選ぶ。
関連する一次資料:国土交通省:市街地整備に関する現状と課題国連人口部:Population Ageing
世界の諸地域・日本 50問地域の自然・産業・生活を関連付ける比較
GE201 / 300世界の諸地域・日本地図読解標準演習
中国の河川と都市の位置
中国の河川沿いの都市(学習用模式図。位置関係を簡略化し、距離・形状は縮尺に対応しない)図の内容を文章で確認
西から重慶P、武漢Q、上海Rが1本の河川で結ばれる。経度は約東経107度、114度、121度。
図は中国のある河川沿いに位置する3都市の東西関係を示す。河川名と、PからRへ大量の貨物を運ぶ際の地域的特徴の組合せとして正しいものはどれか。
- 珠江―華北平原の工業地域と南シナ海沿岸の港湾を結ぶ。
- 長江―内陸の工業地域と東シナ海沿岸の港湾を結ぶ。
- 黄河―内陸の工業地域と東シナ海沿岸の港湾を結ぶ。
- 長江―華北平原の工業地域と渤海沿岸の港湾を結ぶ。
答えと全選択肢の解説
正解:2 長江―内陸の工業地域と東シナ海沿岸の港湾を結ぶ。
使う地理の知識:中国の主要河川と沿岸海域、重慶・武漢・上海の位置を結び付ける。
判断の手順:まず3都市を長江流域に対応させる。次に上海の沿岸位置を東シナ海側と判断する。
- 選択肢1:不正解
珠江は華南を流れて南シナ海側へ注ぐ。図の3都市は珠江沿いではない。 - 選択肢2:正解
重慶・武漢・上海は長江の流域にあり、長江水運は内陸と上海周辺を結ぶ。 - 選択肢3:不正解
黄河は華北を流れて渤海に注ぐ。3都市を順に結ぶ河川ではない。 - 選択肢4:不正解
河川名は正しいが、長江下流の出口は渤海ではなく東シナ海側に位置する。
復習のポイント:まず3都市を長江流域に対応させる。次に上海の沿岸位置を東シナ海側と判断する。
関連する一次資料:外務省:中国基礎データ
GE202 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
中国東部の農業地域比較
中国東部を想定した学習用モデル値。実在都市の観測値ではない| 地域 | 1月平均気温 | 7月平均気温 | 年降水量 |
|---|
| P | −3℃ | 27℃ | 600 mm |
| Q | 8℃ | 28℃ | 1500 mm |
中国東部の平野部にあるP・Qのモデル資料を示す。自然条件と伝統的な主要穀物の組合せとして適切なのはどれか。
- Pは長江以南の米、Qは華北の小麦に対応する。
- Pは長江以南の小麦、Qは華北の米に対応する。
- Pは華北の小麦、Qは長江以南の米に対応する。
- Pは華北の米、Qは長江以南の小麦に対応する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Pは華北の小麦、Qは長江以南の米に対応する。
使う地理の知識:華北と長江以南では熱・水条件が異なり、小麦などの畑作と稲作の分布に差がある。
判断の手順:1月気温と年降水量を合わせて南北を判断し、各地域の主要穀物の傾向を照合する。
- 選択肢1:不正解
地域も穀物も取り違えている。稲作に必要な生育期の水・熱条件を確認する。 - 選択肢2:不正解
華北と長江以南の気候の対応が逆になっている。Qの温暖多雨条件は南方に近い。 - 選択肢3:正解
冬の低温と年降水量の少なさからPを華北、多雨で冬も比較的温暖なQを南方に対応させる。 - 選択肢4:不正解
地域の対応は正しいが、主要穀物の傾向が逆。華北は小麦などの畑作、南方は稲作が目立つ。
復習のポイント:1月気温と年降水量を合わせて南北を判断し、各地域の主要穀物の傾向を照合する。
関連する一次資料:外務省:中国基礎データ
GE203 / 300世界の諸地域・日本統計読解複合演習
東アジアの工程間分業
東アジアの分業を単純化した学習用事例。全企業に共通する経路ではない| 拠点 | 主な工程 | 次の移動先 |
|---|
| A(日本) | 材料・製造装置 | B・C |
| B(韓国) | 電子部品製造 | C |
| C(中国沿海部) | 組立・輸出 | 各国市場 |
ある電子機器の生産ネットワークを表に示す。貿易統計と立地の読み方として正しいものはどれか。
- Cからの製品輸出額には、A・Bから輸入した部品の価値も含まれる。
- A・BからCへの部品輸出額は、Cの国内総生産に同じ額だけ加算される。
- Cからの製品輸出額は、Cの組立工程が新たに生んだ価値に等しい。
- Cで組み立てた部品は、A・Bの輸出統計では輸出として数えられなくなる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 Cからの製品輸出額には、A・Bから輸入した部品の価値も含まれる。
使う地理の知識:工程間分業と総額貿易・付加価値の違いを理解する。
判断の手順:工程ごとの立地を読み、最終製品に含まれる輸入部品と組立国の付加価値を分ける。
- 選択肢1:正解
総額ベースの製品輸出には輸入部品の価値も入るため、輸出額と国内付加価値は一致しない。 - 選択肢2:不正解
輸入中間財自体の価値はA・Bなどで生み出された部分であり、CのGDPに全額加算しない。 - 選択肢3:不正解
組立国の付加価値は輸入中間財の価値を除いて考える。最終製品の輸出額全体ではない。 - 選択肢4:不正解
部品をCに輸出した取引はA・Bの輸出統計に残る。最終組立の場所によって過去の貿易が消えるわけではない。
復習のポイント:工程ごとの立地を読み、最終製品に含まれる輸入部品と組立国の付加価値を分ける。
関連する一次資料:外務省:中国基礎データ外務省:米国基礎データ
GE204 / 300世界の諸地域・日本統計読解複合演習
中国の沿海部と内陸部
中国の地域差を考える学習用モデル値。賃金は同一基準、輸送費も同一貨物・距離帯の比較| 地域 | 旧時点の賃金指数 | 新時点の賃金指数 | 港までの輸送費指数(旧→新) |
|---|
| 沿海P | 180 | 220 | 20→20 |
| 内陸Q | 100 | 130 | 80→35 |
中国の沿海部Pと内陸部Qを想定した資料から、工場の一部がPからQへ移る条件を考えた。資料と地域的背景に合う説明はどれか。
- 内陸の賃金が沿海より低いため、研究開発も技術者の集積より一般労働者の人数を重視する。
- 内陸では港への輸送の不利が縮まり、輸入鉱石を使う製鉄業は沿海より原料輸送費が安くなる。
- 内陸の賃金の沿海に対する比率が上がったため、地域間の賃金の絶対差も縮小している。
- 内陸では港への輸送の不利が縮まり、低い労働費を利用する組立工程を立地させやすくなる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 内陸では港への輸送の不利が縮まり、低い労働費を利用する組立工程を立地させやすくなる。
使う地理の知識:工場移転では労働費・輸送費・知識の集積の重みが工程によって異なる。指数の地域差は絶対差と比率を区別する。
判断の手順:Qの輸送費が低下してもPより高いことを確認する。賃金差が残ることと、労働費の重みが大きい組立工程を結び付ける。
- 選択肢1:不正解
研究開発では専門人材・大学・企業間の知識交流なども重要。一般的な賃金の低さだけでは集積の優位を置き換えられない。 - 選択肢2:不正解
Qの輸送費は改善しても35で、沿海Pの20より高い。輸入原料を大量に使う工業の港湾近接の利点は残る。 - 選択肢3:不正解
Q/Pは100/180から130/220へ上がるが、差P−Qは80から90へ拡大する。比率と絶対差を区別する。 - 選択肢4:正解
内陸Qの輸送費指数は80から35へ下がる。賃金は依然Pより低く、労働集約的な組立の移転条件が改善する。
復習のポイント:Qの輸送費が低下してもPより高いことを確認する。賃金差が残ることと、労働費の重みが大きい組立工程を結び付ける。
関連する一次資料:外務省:中国基礎データ
GE205 / 300世界の諸地域・日本事例判断基礎確認
内陸アジアの牧畜
モンゴルの乾燥した草原で、家族と家畜群が季節ごとに水場や牧草の状態を見て滞在地を変える事例を考える。この生業に該当するものはどれか。
- 移牧―村に生活の拠点を置き、夏の高地と冬の低地を往復する。
- 遊牧―草地・水場を季節的に使い分け、家畜を飼育する。
- 企業的牧畜―区画された大牧場に定住し、出荷用の家畜を飼育する。
- 混合農業―耕地の穀物・飼料作物と家畜飼育を組み合わせる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 遊牧―草地・水場を季節的に使い分け、家畜を飼育する。
使う地理の知識:遊牧・移牧・混合農業・企業的牧畜は、家畜の種類だけでなく移動、生活拠点、耕種との関係で区別する。
判断の手順:家畜だけでなく家族の生活拠点も移る点を読む。山地と低地の固定的往復や、耕地での飼料生産の説明と区別する。
- 選択肢1:不正解
夏の山地と冬の低地などを定住拠点から利用する移牧の説明。事例の家族全体の生活拠点の移動とは区別する。 - 選択肢2:正解
家族と家畜が牧草・水などに応じて生活拠点を移す事例は遊牧に対応する。移動の経路や形態は地域・家族によって異なる。 - 選択肢3:不正解
大牧場での定住経営は企業的牧畜の典型。生活拠点を牧草・水に応じて移す事例と異なる。 - 選択肢4:不正解
混合農業は耕種と畜産を同じ経営で結ぶ方式。事例には耕地で飼料を生産する条件がない。
復習のポイント:家畜だけでなく家族の生活拠点も移る点を読む。山地と低地の固定的往復や、耕地での飼料生産の説明と区別する。
関連する一次資料:外務省:モンゴル基礎データ
GE206 / 300世界の諸地域・日本事例判断標準演習
河口低地の季節的な水利用
メコンデルタ沿岸部を想定した学習用モデル値。流量は同じ地点の比較| 時期 | 月降水量 | 河川流量指数 | 取水地点の塩分 |
|---|
| P | 15 mm | 25 | 4‰ |
| Q | 260 mm | 100 | 0.2‰ |
メコンデルタ沿岸部の資料に基づき、米作への塩分の影響が大きくなりやすい時期と背景を選べ。
- Q期―雨季に河川流量が増え、土壌中の塩分が濃縮しやすい。
- P期―乾季に河川流量が減り、海側から塩水が入りやすい。
- Q期―乾季に河川流量が減り、土壌中の塩分が流されやすい。
- P期―雨季に河川流量が増え、海側から塩水が入りやすい。
答えと全選択肢の解説
正解:2 P期―乾季に河川流量が減り、海側から塩水が入りやすい。
使う地理の知識:熱帯モンスーン地域の雨季・乾季と、河口での淡水・海水の関係を理解する。
判断の手順:降水量からPを乾季と判定し、流量低下と高塩分を結び付けて米作への影響を考える。
- 選択肢1:不正解
Qは低塩分で、雨季の流量増加は淡水による塩分低下に働く。濃縮とは読めない。 - 選択肢2:正解
Pは少雨・少流量かつ高塩分である。乾季には河川の淡水が少なく、塩水遡上の影響を受けやすい。 - 選択肢3:不正解
Qの多雨・多流量は雨季型。資料の季節対応を逆にしている。 - 選択肢4:不正解
Pは乾季型の資料である。多雨による流量増加を塩水遡上の主因にしている点も逆。
復習のポイント:降水量からPを乾季と判定し、流量低下と高塩分を結び付けて米作への影響を考える。
関連する一次資料:JICA:ベンチェ省水管理事業
GE207 / 300世界の諸地域・日本事例判断標準演習
島嶼部の地形と農業
東南アジアの島の配置(学習用模式図。位置関係を簡略化し、距離・形状は縮尺に対応しない)図の内容を文章で確認
スマトラ島の東側、ボルネオ島の南側に細長い島Xがある。下側がインド洋側。
図の島Xでは、火山周辺の人口稠密な地域に灌漑水田や段々畑が見られる。Xと、その自然条件の組合せとして正しいものはどれか。
- ジャワ島―プレートが沈み込む境界に沿う島弧の火山活動が見られる。
- ボルネオ島―プレートが沈み込む境界に沿う島弧の火山活動が見られる。
- ボルネオ島―プレートが離れる境界の海嶺上で火山活動が見られる。
- ジャワ島―プレートが離れる境界の海嶺上で火山活動が見られる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 ジャワ島―プレートが沈み込む境界に沿う島弧の火山活動が見られる。
使う地理の知識:東南アジアの主要島の配置とインドネシアの島弧・火山の分布を知る。
判断の手順:スマトラ島・ボルネオ島との相対位置からXを判断し、ジャワ島の火山列を沈み込みに関連付ける。
- 選択肢1:正解
スマトラ島の東、ボルネオ島の南に位置するXはジャワ島。南側の沈み込み境界に関連する火山列がある。 - 選択肢2:不正解
島弧の火山活動という説明より先に位置を確かめる。ボルネオ島はXの北側に示された別の島である。 - 選択肢3:不正解
島の相対位置とプレート境界の種類をともに取り違えている。島の火山活動でも拡大境界と沈み込み境界は異なる。 - 選択肢4:不正解
島名は合うが、プレートが離れる海嶺上の火山活動はアイスランドなどの例。ジャワ島の成因とは異なる。
復習のポイント:スマトラ島・ボルネオ島との相対位置からXを判断し、ジャワ島の火山列を沈み込みに関連付ける。
関連する一次資料:外務省:インドネシア基礎データ
GE208 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
東南アジアの農産物と地域
地域の特徴を比較する学習用資料| 地域 | 位置の手掛かり | 農業の特徴 |
|---|
| P | チャオプラヤ川下流の平野 | 稲作が盛ん |
| Q | 半島部とボルネオ島北部 | 油やし栽培が盛ん |
| R | 紅河とメコン川のデルタを含む | 稲作とコーヒー栽培が盛ん |
表のP・Q・Rはタイ、マレーシア、ベトナムのいずれかである。地域の位置と生産の特徴を合わせた対応として正しいものはどれか。
- P=ベトナム、Q=マレーシア、R=タイ
- P=マレーシア、Q=タイ、R=ベトナム
- P=タイ、Q=ベトナム、R=マレーシア
- P=タイ、Q=マレーシア、R=ベトナム
答えと全選択肢の解説
正解:4 P=タイ、Q=マレーシア、R=ベトナム
使う地理の知識:似た農産物を生産する国を、河川・国土の位置で区別する。
判断の手順:まず流域・国土の広がりで3国を特定し、米・油やしなどの生産の特徴と照合する。
- 選択肢1:不正解
タイとベトナムはいずれも米の生産が盛んだが、流域・領域の位置を取り違えている。 - 選択肢2:不正解
タイはマレー半島とボルネオ島北部に分かれた国家ではない。作物だけで判断しない。 - 選択肢3:不正解
マレーシアの国土は半島部と島嶼部に分かれる。ベトナムの南北デルタとの対応が逆。 - 選択肢4:正解
チャオプラヤ川はタイ、マレー半島とボルネオ島北部はマレーシア、紅河・メコンの両デルタはベトナムに対応する。
復習のポイント:まず流域・国土の広がりで3国を特定し、米・油やしなどの生産の特徴と照合する。
関連する一次資料:外務省:タイ基礎データ外務省:マレーシア基礎データ外務省:ベトナム基礎データ
GE209 / 300世界の諸地域・日本事例判断基礎確認
海峡と中継貿易
シンガポールでは、国内で原油を大量に採掘していなくても石油精製・石油製品の輸出が発達している。その立地を説明する組合せはどれか。
- マラッカ海峡周辺の航路―輸入原油の精製と再輸出
- ホルムズ海峡周辺の航路―国内油田からの原油集積
- マラッカ海峡周辺の航路―国内油田からの原油集積
- ホルムズ海峡周辺の航路―輸入原油の精製と再輸出
答えと全選択肢の解説
正解:1 マラッカ海峡周辺の航路―輸入原油の精製と再輸出
使う地理の知識:シンガポールの海上交通上の位置と、産油国・精製国の違いを理解する。
判断の手順:シンガポールに近い海峡を選び、原油の採掘ではなく輸入・加工・再輸出に結び付ける。
- 選択肢1:正解
インド洋と南シナ海を結ぶ航路上の位置と港湾・精製設備が、輸入原油を使う産業を支える。 - 選択肢2:不正解
海峡の位置と原料の調達先の両方が合わない。採掘地と精製・中継地を区別する。 - 選択肢3:不正解
航路は合うが、シンガポールの精製業を大規模な国内油田の存在で説明できない。 - 選択肢4:不正解
ホルムズ海峡はペルシャ湾の出口で、シンガポールの位置ではない。
復習のポイント:シンガポールに近い海峡を選び、原油の採掘ではなく輸入・加工・再輸出に結び付ける。
関連する一次資料:外務省:シンガポール基礎データ
GE210 / 300世界の諸地域・日本統計読解複合演習
東南アジアの一次産品と工業
輸出構造を考える学習用モデル値。実測値ではなく、一次産品の範囲は両時点で同じ| 時点 | 総輸出額(共通単位) | 電子機器 | 一次産品 | その他 |
|---|
| 旧 | 100 | 20% | 50% | 30% |
| 新 | 300 | 30% | 20% | 50% |
表はマレーシアを想定した財輸出の学習用モデル値である。同国の代表的な農産原料の組合せと、新時点の一次産品輸出額を正しく組み合わせたものはどれか。
- 天然ゴム・パーム油―60(旧時点より増加)
- カカオ・コーヒー―60(旧時点より増加)
- 天然ゴム・パーム油―20(旧時点より減少)
- カカオ・コーヒー―20(旧時点より減少)
答えと全選択肢の解説
正解:1 天然ゴム・パーム油―60(旧時点より増加)
使う地理の知識:マレーシアの天然ゴム・パーム油などの一次産品生産と電子機器工業の併存を知る。構成比の低下と金額の減少は別である。
判断の手順:マレーシアの代表的な農産原料を対応させる。次に総輸出額と構成比から50→60を計算し、割合と額を区別する。
- 選択肢1:正解
マレーシアは天然ゴム・パーム油の生産で知られる。新時点の一次産品は300×0.20=60、旧時点は100×0.50=50である。 - 選択肢2:不正解
金額の計算は合うが、マレーシアを代表する農産原料の組合せは天然ゴム・パーム油。カカオ・コーヒーの代表的産地と区別する。 - 選択肢3:不正解
農産原料は合うが、20は構成比の数値。総輸出額300に20%を掛ける必要がある。 - 選択肢4:不正解
農産原料の地域対応と、構成比・金額の区別の双方が合わない。工業化しても一次産品の輸出額が減るとは限らない。
復習のポイント:マレーシアの代表的な農産原料を対応させる。次に総輸出額と構成比から50→60を計算し、割合と額を区別する。
関連する一次資料:外務省:マレーシア基礎データ
GE211 / 300世界の諸地域・日本事例判断標準演習
南アジアの都市と産業
地域の特徴を比較する学習用資料| 都市 | 位置 | 産業史の特徴 |
|---|
| P | デカン高原南部の内陸 | 研究機関・IT企業が集積 |
| Q | ガンジス川下流域西側の河川沿い | 港湾・ジュート工業が発展 |
表のP・Qはインドのベンガルールとコルカタのいずれかである。都市と産業立地の説明の組合せとして正しいものはどれか。
- P=ベンガルール、Q=コルカタ。Pでは技術者・研究機関の集積が立地要因となる。
- P=ベンガルール、Q=コルカタ。Pではジュート産地への近接が立地要因となる。
- P=コルカタ、Q=ベンガルール。Pではジュート産地への近接が立地要因となる。
- P=コルカタ、Q=ベンガルール。Pでは技術者・研究機関の集積が立地要因となる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 P=ベンガルール、Q=コルカタ。Pでは技術者・研究機関の集積が立地要因となる。
使う地理の知識:インド南部の情報産業と東部の歴史的な工業・河川港の分布を知る。
判断の手順:南部内陸と東部河川沿いを都市名に対応させ、IT産業に必要な人材・研究機関に着目する。
- 選択肢1:正解
南部内陸のベンガルールはIT産業集積で知られる。東部のコルカタでは河川交通やジュート産業の歴史が重要。 - 選択肢2:不正解
都市名は合うが、IT産業の集積をジュート原料への近接では説明できない。 - 選択肢3:不正解
都市の対応と産業立地の説明が合わない。情報産業と原料指向の工業を分ける。 - 選択肢4:不正解
位置の対応が逆で、コルカタはインド南部の内陸都市ではない。
復習のポイント:南部内陸と東部河川沿いを都市名に対応させ、IT産業に必要な人材・研究機関に着目する。
関連する一次資料:外務省:インド基礎データ
GE212 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
デルタ国家の輸出工業
地域の特徴を比較する学習用資料| 調査項目 | 対象国の特徴 |
|---|
| 主要河川 | ガンジス川・ブラマプトラ川の下流 |
| 衣類工場の原料 | 輸入綿花・糸も利用 |
| 工場の出荷先 | 海外市場が重要 |
ガンジス川・ブラマプトラ川の下流に位置する国の輸出工場を調べたところ、衣類の輸出が多く、綿花の多くを輸入していた。国名と工業の性格の組合せとして正しいものはどれか。
- バングラデシュ―輸入原料も利用する労働集約的な縫製業
- パキスタン―輸入原料も利用する労働集約的な縫製業
- パキスタン―国産綿花の大規模栽培に直接依存する紡績業
- バングラデシュ―国産綿花の大規模栽培に直接依存する紡績業
答えと全選択肢の解説
正解:1 バングラデシュ―輸入原料も利用する労働集約的な縫製業
使う地理の知識:南アジアの主要河川と、原料生産地・加工品輸出国の違いを知る。
判断の手順:2河川の下流から国を特定し、原料輸入と衣類輸出を工程間分業として解釈する。
- 選択肢1:正解
河川の位置からバングラデシュと分かる。原料輸入と衣類輸出の組合せは労働集約的な加工を示す。 - 選択肢2:不正解
パキスタンの主要河川はインダス川で、示された2河川の下流ではない。 - 選択肢3:不正解
パキスタンの綿花・繊維産業の特徴と、バングラデシュの河川・縫製業を混同している。 - 選択肢4:不正解
国名は正しいが、資料は綿花の輸入を示す。衣類輸出を国産綿花への依存で説明できない。
復習のポイント:2河川の下流から国を特定し、原料輸入と衣類輸出を工程間分業として解釈する。
関連する一次資料:外務省:バングラデシュ基礎データ
GE213 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
南アジアの作物と季節
北インド平野を想定した作期と降水の学習用モデル値| 時期 | モデル月降水量 | 作物 |
|---|
| 7月 | 250 mm | 稲 |
| 1月 | 15 mm | 小麦 |
北インドの平野で、雨季に稲、冬から春の比較的乾燥した時期に小麦を栽培するモデルを示す。この二毛作を支える条件として適切なのはどれか。
- 夏は北東モンスーンで水を得て、冬の小麦作では海から吹く南西季節風の降雨を主な水源とする。
- 夏は南西モンスーンで水を得て、冬の小麦作では灌漑で水不足を補う。
- 夏は北東モンスーンで水を得て、冬の小麦作では灌漑で水不足を補う。
- 夏は南西モンスーンで水を得て、冬の小麦作では海から吹く北東季節風の降雨を主な水源とする。
答えと全選択肢の解説
正解:2 夏は南西モンスーンで水を得て、冬の小麦作では灌漑で水不足を補う。
使う地理の知識:北インドの夏の南西モンスーンと冬の少雨、灌漑の役割を知る。冬に北東季節風の雨を受けるインド南東岸などとは地域条件が異なる。
判断の手順:夏の多雨を南西モンスーンに対応させる。次に北インドでの冬の少雨を読み、冬作の水を補う灌漑の役割を判断する。
- 選択肢1:不正解
夏と冬の季節風の向きを逆にしている。北インドで雨が多い夏の南西季節風と、冬の乾燥しやすい条件を区別する。 - 選択肢2:正解
北インド平野の夏の多雨には南西モンスーンが関係する。冬は水需要が夏より小さくても降水が少なく、灌漑が重要となる。 - 選択肢3:不正解
乾季の灌漑は合うが、北インドの夏の主な湿潤季節風は南西から吹く。冬の北東季節風と区別する。 - 選択肢4:不正解
夏の風向は合うが、北インドの冬の季節風は主に大陸側から吹き、乾燥しやすい。冬の北東季節風で雨を受けるインド南東岸などの条件と混同しない。
復習のポイント:夏の多雨を南西モンスーンに対応させる。次に北インドでの冬の少雨を読み、冬作の水を補う灌漑の役割を判断する。
関連する一次資料:外務省:インド基礎データ
GE214 / 300世界の諸地域・日本計算複合演習
ヒマラヤ周辺の輸送条件
港の位置は概略。距離・運賃は比較のための学習用モデル値で、実際の経路条件ではない| 港 | およその位置・海域 | 陸上距離 | 陸上費/t・km | 港・海上費/t |
|---|
| P | 北緯23度・東経88度/ベンガル湾側 | 1000 km | 0.14ドル | 40ドル |
| Q | 北緯39度・東経117度/渤海側 | 2000 km | 0.09ドル | 20ドル |
ネパールの工場(北緯28度・東経85度付近)が、港P・Qから原料を輸入する。P・Qはコルカタと天津のいずれかである。位置資料と費用を合わせ、最も安い経路の港名と1t当たり費用を選べ。両経路とも利用可能で、表以外の費用は考えない。
- 天津経由、200ドル/t
- 天津経由、180ドル/t
- コルカタ経由、180ドル/t
- コルカタ経由、200ドル/t
答えと全選択肢の解説
正解:3 コルカタ経由、180ドル/t
使う地理の知識:コルカタはベンガル湾側、天津は渤海側に位置する。内陸国の海港利用は国境を越える輸送と結び付く。
判断の手順:経緯度と海域からPをコルカタ、Qを天津に対応させる。距離×陸上単価に港・海上費を足し、180と200ドルを比較する。
- 選択肢1:不正解
Qは天津で費用200ドルだが、Pの180ドルより高い。単価の低さだけで最安とは判断できない。 - 選択肢2:不正解
最安の180ドルとなるPはベンガル湾側のコルカタ。天津はより北東で渤海側に位置するQである。 - 選択肢3:正解
北緯23度・東経88度付近のPはコルカタ。Pは40+1000×0.14=180、Qは20+2000×0.09=200でPが安い。 - 選択肢4:不正解
Pの港名は合うが、200ドルはQの経路費である。港・海上費と陸上費を経路別に合計する。
復習のポイント:経緯度と海域からPをコルカタ、Qを天津に対応させる。距離×陸上単価に港・海上費を足し、180と200ドルを比較する。
関連する一次資料:外務省:ネパール基礎データ世界銀行:South Asia Regional Integration
GE215 / 300世界の諸地域・日本事例判断複合演習
国境を越える流域の利用
ガンジス川の支流が流れるネパールの山地で、雨季の水を貯め乾季に放流する貯水池を考える。下流の平野・デルタに対する影響として適切な組合せはどれか。流域の降水量は同じで、貯水池に土砂がたまり、排砂は行わないとする。
- 乾季の水利用を支えやすくなる一方、下流へ運ばれる土砂は増えやすい。
- 年間の水量が同じなら乾季の水利用は変わらず、下流へ運ばれる土砂は増えやすい。
- 乾季の水利用を支えやすくなる一方、下流へ運ばれる土砂は減りやすい。
- 年間の水量が同じなら乾季の水利用は変わらず、下流へ運ばれる土砂は減りやすい。
答えと全選択肢の解説
正解:3 乾季の水利用を支えやすくなる一方、下流へ運ばれる土砂は減りやすい。
使う地理の知識:季節的降水が大きい流域では、水量の年合計に加えて流れる時期が重要。ダムの土砂捕捉は下流の堆積作用にも影響する。
判断の手順:雨季貯留・乾季放流が下流の季節別流量を変えることを読む。次に貯水池内に残る土砂と、下流へ出る土砂を分ける。
- 選択肢1:不正解
季節調節の読み方は合うが、貯水池内に土砂がたまれば、その分が下流へ流れにくくなる。 - 選択肢2:不正解
年合計と季節配分を混同し、貯水池にたまる土砂と下流へ通過する土砂の関係も逆にしている。 - 選択肢3:正解
貯留と放流は水が下流へ届く時期を調節する。土砂は貯水池に捕捉されるため、下流への供給が減る方向に働く。 - 選択肢4:不正解
年合計が同じでも季節配分が変われば乾季の利用可能量は変わる。土砂供給減少の方向は正しい。
復習のポイント:雨季貯留・乾季放流が下流の季節別流量を変えることを読む。次に貯水池内に残る土砂と、下流へ出る土砂を分ける。
関連する一次資料:外務省:ネパール基礎データ外務省:バングラデシュ基礎データ世界銀行:South Asia Regional Integration
GE216 / 300世界の諸地域・日本事例判断標準演習
乾燥地域の地下水の更新速度
サウジアラビア内陸で、灌漑農業の水源となる「化石地下水」の利用を調べている。この水を現在の降水で補給される浅い地下水と区別する説明として正しいものはどれか。
- 現在の雨季ごとに河川から浅い砂礫層へ入る水で、取水後は次の増水期に同程度の補給を受けやすい。
- 海岸の砂州に現在の雨水が浸透してできる淡水層で、取水量の増加により海水の侵入を受けやすい。
- 過去の湿潤な時期に蓄積した水で、現在の乾燥気候では補給が乏しく、取水は蓄えを減らしやすい。
- 石灰岩の割れ目を現在の降水が短期間で流れる水で、取水後の回復は近隣の降雨量に強く左右される。
答えと全選択肢の解説
正解:3 過去の湿潤な時期に蓄積した水で、現在の乾燥気候では補給が乏しく、取水は蓄えを減らしやすい。
使う地理の知識:化石地下水は過去に貯留され、現在の自然涵養が小さい。地下水全体を一律に再生可能と扱わない。
判断の手順:化石地下水の形成時期を現在の降水による補給と区別する。乾燥内陸という地域条件から、補給より蓄積の取り崩しが重要になると判断する。
- 選択肢1:不正解
これは現在の河川から涵養される浅い地下水の説明。水が深い地層にあることや、井戸から出ることだけで更新性を判断しない。 - 選択肢2:不正解
これは海岸や環礁の淡水レンズの説明。塩水化への注意は必要だが、内陸の化石地下水の由来・更新速度とは異なる。 - 選択肢3:正解
化石地下水は過去の気候条件で貯留され、現在の補給が極めて小さい水。利用には現存する水量を消費する面がある。 - 選択肢4:不正解
これは現在の降水が循環するカルスト地域の地下水の説明。化石地下水の『化石』は石灰岩中の化石を指す語ではない。
復習のポイント:化石地下水の形成時期を現在の降水による補給と区別する。乾燥内陸という地域条件から、補給より蓄積の取り崩しが重要になると判断する。
関連する一次資料:外務省:サウジアラビア基礎データFAO:Saudi Arabia groundwater and water policy
GE217 / 300世界の諸地域・日本地図読解標準演習
西アジアの海上輸送路
西アジアの海域接続(学習用模式図。位置関係を簡略化し、距離・形状は縮尺に対応しない)図の内容を文章で確認
海域Pの北東側にイラン、南西側にアラビア半島。Pは南東の狭い出口Xでインド洋側に続く。
図の海域Pから、日本へ原油を運ぶ船がマラッカ海峡経由の航路を取る。Pの出口Xと、Xを出た後に通る海域の組合せとして正しいものはどれか。
- バブエルマンデブ海峡―紅海
- ホルムズ海峡―アラビア海
- バブエルマンデブ海峡―アラビア海
- ホルムズ海峡―紅海
答えと全選択肢の解説
正解:2 ホルムズ海峡―アラビア海
使う地理の知識:ペルシャ湾・ホルムズ海峡・オマーン湾・アラビア海と、紅海・バブエルマンデブ海峡の配置を知る。
判断の手順:イランとアラビア半島の位置からPとXを判断する。アラビア半島の東を回り、インド洋から東へ向かう経路を確認する。
- 選択肢1:不正解
紅海の出口を示す別の経路と混同している。イランとアラビア半島に囲まれるPはペルシャ湾である。 - 選択肢2:正解
Pはペルシャ湾で、その出口はホルムズ海峡。オマーン湾からアラビア海・インド洋を経てマラッカ海峡へ向かう。 - 選択肢3:不正解
アラビア海を通る点は合うが、バブエルマンデブ海峡は紅海とアデン湾の間で、図のPの出口ではない。 - 選択肢4:不正解
海峡名は合うが、紅海はアラビア半島の西側。マラッカ海峡へ向かうこの航路では紅海へ入らない。
復習のポイント:イランとアラビア半島の位置からPとXを判断する。アラビア半島の東を回り、インド洋から東へ向かう経路を確認する。
関連する一次資料:外務省:サウジアラビア基礎データ外務省:イラン基礎データ
GE218 / 300世界の諸地域・日本事例判断標準演習
中央アジアの流域と湖
流入河川はアムダリヤ川とシルダリヤ川。周辺では綿花などの灌漑農業が拡大した。
中央アジアの湖Pでは、流入河川からの灌漑取水が拡大した時期に水面が大きく縮小した。湖名と、蒸発が続いて湖水量が減る際の塩分濃度の変化の組合せを選べ。湖に溶ける塩類の総量は同じとして考える。
- アラル海―塩分濃度が低くなる。
- アラル海―塩分濃度が高くなる。
- カスピ海―塩分濃度が高くなる。
- カスピ海―塩分濃度が低くなる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 アラル海―塩分濃度が高くなる。
使う地理の知識:アラル海の流入河川を知り、乾燥内陸湖では流入減少と蒸発が水量・塩分濃度に影響することを理解する。
判断の手順:河川名からアラル海を特定する。蒸発後も塩類が残る条件を使い、水量に対する塩類の比が増すと判断する。
- 選択肢1:不正解
湖名は合うが、蒸発で失われる水と、湖に残る塩類を区別する。塩類総量が同じなら水量減少で濃度は上がる。 - 選択肢2:正解
アムダリヤ川・シルダリヤ川の流入先はアラル海。塩類が残ったまま水量が減れば、濃度は高くなる。 - 選択肢3:不正解
濃度の方向は合うが、示された河川の流入先はカスピ海ではなくアラル海。内陸湖同士でも流域が異なる。 - 選択肢4:不正解
河川と湖の対応、塩類量と水量の比の双方を取り違えている。取水による流入減少は蒸発を補う水を減らす。
復習のポイント:河川名からアラル海を特定する。蒸発後も塩類が残る条件を使い、水量に対する塩類の比が増すと判断する。
関連する一次資料:FAO:Aral Sea basin water resources
GE219 / 300世界の諸地域・日本事例判断基礎確認
中央アジアの交通と資源
中央アジアの国Pはカスピ海に面し、中国と陸上国境を接する。原油の産出があり、中国西部へパイプラインで送る事例が見られる。Pはどの国か。
- キルギス
- ウズベキスタン
- カザフスタン
- トルクメニスタン
答えと全選択肢の解説
正解:3 カザフスタン
使う地理の知識:中央アジア諸国を、カスピ海沿岸か、中国と接するかという位置関係から区別する。
判断の手順:まずカスピ海に面するカザフスタン・トルクメニスタンを候補とする。さらに中国との陸上国境をもつ条件でカザフスタンに絞る。
- 選択肢1:不正解
キルギスは中国と国境を接するが、カスピ海に面さない。二つの位置条件のうち一つだけでは確定できない。 - 選択肢2:不正解
ウズベキスタンは中央アジアの内陸国だが、カスピ海にも中国にも直接面さない。中央アジアという地域名だけで選ばない。 - 選択肢3:正解
カザフスタンはカスピ海東岸から中国国境まで広がる。内陸国の資源輸送では、周辺国と結ぶ鉄道やパイプラインが重要になる。 - 選択肢4:不正解
トルクメニスタンはカスピ海に面し、天然ガスの生産でも知られるが、中国とは直接国境を接しない。
復習のポイント:まずカスピ海に面するカザフスタン・トルクメニスタンを候補とする。さらに中国との陸上国境をもつ条件でカザフスタンに絞る。
関連する一次資料:ADB:Ports and Logistics Scoping Study in CAREC Countries
GE220 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
西アジアの気候と農業の差
西アジアの2地域を比較する学習用モデル値。実在都市の観測値ではない| 地域 | 1月降水量 | 7月降水量 | 年降水量 |
|---|
| P | 180 mm | 5 mm | 1000 mm |
| Q | 10 mm | 0 mm | 80 mm |
表のP・Qはトルコの地中海沿岸とアラビア半島の内陸部を想定したモデルである。地域と農業の特徴の対応として適切なのはどれか。
- Pでは夏の多雨を生かす稲作、Qでは水源を確保したオアシス農業が見られる。
- Pでは冬雨を生かす地中海式農業、Qでは夏の季節風に依存する天水稲作が見られる。
- Pでは夏の多雨を生かす稲作、Qでは夏の季節風に依存する天水稲作が見られる。
- Pでは冬雨を生かす地中海式農業、Qでは水源を確保したオアシス農業が見られる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Pでは冬雨を生かす地中海式農業、Qでは水源を確保したオアシス農業が見られる。
使う地理の知識:地中海性気候と砂漠気候の降水季節性、果樹栽培・灌漑との関係を知る。
判断の手順:冬と夏の降水差からPを地中海沿岸に対応させ、Qの通年少雨から水源を確保する農業を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
Pは7月降水量が5mmで夏は乾燥する。モンスーンによる夏の多雨と取り違えている。 - 選択肢2:不正解
Pの対応は合うが、Qは年80mmの少雨で、夏のモンスーンに依存する天水稲作の条件ではない。 - 選択肢3:不正解
両地域を夏季多雨のモンスーン地域と取り違えている。年合計と月別の両方を確認する。 - 選択肢4:正解
Pは冬に雨が多い地中海性気候、Qは通年少雨の内陸乾燥地域。冬雨と灌漑という異なる水条件を読む。
復習のポイント:冬と夏の降水差からPを地中海沿岸に対応させ、Qの通年少雨から水源を確保する農業を選ぶ。
関連する一次資料:外務省:トルコ基礎データ外務省:サウジアラビア基礎データ
GE221 / 300世界の諸地域・日本地図読解標準演習
欧州の河川と海港
欧州の河川と港の接続(学習用模式図。位置関係を簡略化し、距離・形状は縮尺に対応しない)図の内容を文章で確認
北海沿岸の港Pから、河川Rが南東側のドイツ内陸工業地域に続く。
図のPは北海沿岸の大港湾であり、河川Rを通じてドイツ内陸の工業地域と結び付く。PとRの組合せとして正しいものはどれか。
- P=ロッテルダム、R=ライン川
- P=マルセイユ、R=ドナウ川
- P=ロッテルダム、R=ドナウ川
- P=マルセイユ、R=ライン川
答えと全選択肢の解説
正解:1 P=ロッテルダム、R=ライン川
使う地理の知識:ライン川・ドナウ川の流出海域と欧州の主要港湾を知る。
判断の手順:海域が北海であることから港を特定し、ドイツ内陸と結ぶライン川水運を対応させる。
- 選択肢1:正解
ロッテルダムはライン川水系の河口側にあり、ルール工業地域などへの内陸水運の拠点となる。 - 選択肢2:不正解
港の海域と川の流出海域のどちらも図と合わない。北海と黒海・地中海を区別する。 - 選択肢3:不正解
ドナウ川は黒海へ注ぐ。運河で水系は結ばれるが、北海の港へ直接下る図の河川とは異なる。 - 選択肢4:不正解
マルセイユは地中海沿岸の港であり、図の北海沿岸港ではない。
復習のポイント:海域が北海であることから港を特定し、ドイツ内陸と結ぶライン川水運を対応させる。
関連する一次資料:欧州委員会:Inland waterways
GE222 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
欧州の国際分業と国境
国境手続きの変化を考える学習用モデル値。特定年の実測値ではない| 同じ工場間の道路輸送 | 旧時点 | 新時点 |
|---|
| 走行時間 | 6時間 | 6時間 |
| 国境での待機時間 | 3時間 | 0.5時間 |
| 走行に要する費用 | 同額 | 同額 |
ドイツとその東側に位置するチェコ・ポーランドの工場間で、自動車部品を繰り返し運ぶ事例を考える。資料の変化が生産網に与える影響として適切なのはどれか。
- 道路輸送費が上昇したため、部品を国境越しに運ぶ回数を増やしやすくなる。
- 国境待ち時間が短縮され、組立国で鉄鉱石を産出することが以前より重要になる。
- 賃金差がなくなったため、研究開発と組立を異なる国に置く利益がなくなる。
- 国境待ち時間が短縮され、部品を工程ごとに国境越しに運ぶ分業が行いやすくなる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 国境待ち時間が短縮され、部品を工程ごとに国境越しに運ぶ分業が行いやすくなる。
使う地理の知識:EU域内の市場統合と、隣接する国の間での工程間分業を理解する。
判断の手順:国の隣接関係と部品輸送の経路を確認し、変化した待機時間が反復輸送に与える効果を考える。
- 選択肢1:不正解
資料では走行費は同じで、国境待ちが短くなっている。変化の方向を取り違えている。 - 選択肢2:不正解
国境手続きの改善は工程間物流の条件であり、組立国での鉄鉱石産出を必要条件にはしない。 - 選択肢3:不正解
賃金差の資料は示していない。分業の要因には人材・技術・集積・市場距離などもある。 - 選択肢4:正解
ドイツに隣接する東中欧では陸上生産網を形成できる。通関・待機負担の減少は反復輸送を支える。
復習のポイント:国の隣接関係と部品輸送の経路を確認し、変化した待機時間が反復輸送に与える効果を考える。
関連する一次資料:欧州委員会:Inland waterways
GE223 / 300世界の諸地域・日本事例判断標準演習
西ヨーロッパの園芸農業
オランダの施設園芸は、高緯度で冬の日射が少ないという条件の下でも輸出競争力を持つ。説明として適切なのはどれか。
- 冬の日射が強い自然条件と、加温への依存を小さくした施設での越冬栽培を組み合わせる。
- 夏の乾燥に適応するオリーブの露地栽培と、周辺の欧州市場に近い配送網を組み合わせる。
- 高地の冷涼な夏を使った露地栽培と、周辺地域より収穫を遅らせる作期を組み合わせる。
- 温室の加温・採光管理と、周辺の欧州市場に近い集荷・配送網を組み合わせる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 温室の加温・採光管理と、周辺の欧州市場に近い集荷・配送網を組み合わせる。
使う地理の知識:オランダの北海沿岸・低地という位置を知り、施設園芸の環境調節と、市場・物流の集積を結び付ける。
判断の手順:北海沿岸と地中海沿岸・高冷地の自然条件を区別する。自然条件を技術で補う費用と、市場へ素早く届ける流通条件の双方を見る。
- 選択肢1:不正解
冬の温暖さと強い日射を生かす地中海沿岸の施設園芸の条件を混同している。北海沿岸では冬の加温・日射不足への対応が課題となる。 - 選択肢2:不正解
欧州市場への近さは合うが、夏の乾燥とオリーブの露地栽培は地中海沿岸の地域像。オランダの施設園芸とは異なる。 - 選択肢3:不正解
高冷地の抑制栽培の地域像。低平な国土における施設での環境調節を、標高を利用する露地栽培と分ける。 - 選択肢4:正解
北海沿岸の自然条件を施設内の環境管理で補い、周辺の大きな市場と物流の集積が販売を支える。
復習のポイント:北海沿岸と地中海沿岸・高冷地の自然条件を区別する。自然条件を技術で補う費用と、市場へ素早く届ける流通条件の双方を見る。
関連する一次資料:オランダ政府:Agriculture and horticulture
GE224 / 300世界の諸地域・日本事例判断複合演習
北大西洋の島国のエネルギー
アイスランドでは地熱・水力を利用し、アルミニウム製錬も行われる。この地域の自然・資源・工業を結ぶ説明として正しいものはどれか。
- プレートが沈み込む境界の火山活動と、国産ボーキサイトの精錬が関係する。
- プレートが沈み込む境界の火山活動と、電力多消費型工業の立地が関係する。
- プレートが離れる境界の火山活動と、国産ボーキサイトの精錬が関係する。
- プレートが離れる境界の火山活動と、電力多消費型工業の立地が関係する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 プレートが離れる境界の火山活動と、電力多消費型工業の立地が関係する。
使う地理の知識:アイスランドの拡大境界と、アルミ製錬の電力指向性を関連付ける。
判断の手順:島の地体構造を海嶺と判断し、原料産地と製錬地が異なる理由を電力条件から説明する。
- 選択肢1:不正解
プレート境界と原料調達の双方を取り違えている。アルミ製錬の立地では電力に着目する。 - 選択肢2:不正解
アイスランドは沈み込み帯の島弧ではなく、プレートが広がる境界に位置する。 - 選択肢3:不正解
プレート境界の説明は合うが、製錬業は国内のボーキサイト大量産出に依存するものではない。 - 選択肢4:正解
アイスランドは大西洋中央海嶺に位置する。地熱・水力による電力供給は原料を輸入する製錬業の立地を支える。
復習のポイント:島の地体構造を海嶺と判断し、原料産地と製錬地が異なる理由を電力条件から説明する。
関連する一次資料:外務省:アイスランド基礎データUSGS:Mid-Atlantic Ridge
GE225 / 300世界の諸地域・日本事例判断標準演習
北欧の資源と地形
地域の特徴を比較する学習用資料| 地域 | 自然・資源の組合せ |
|---|
| P | 大西洋側のフィヨルド、海底油ガス田、豊富な水力 |
| Q | バルト海側の領域、北部の鉄鉱石、広い森林 |
表のP・Qはノルウェーとスウェーデンのいずれかである。国の対応と背景として適切なのはどれか。
- P=スウェーデン、Q=ノルウェー。Pは北大西洋からの偏西風による降水と山地の落差を水力に利用する。
- P=ノルウェー、Q=スウェーデン。Pは北大西洋からの偏西風による降水と山地の落差を水力に利用する。
- P=ノルウェー、Q=スウェーデン。Pはバルト海からの卓越した東風による降水と山地の落差を水力に利用する。
- P=スウェーデン、Q=ノルウェー。Pはバルト海からの卓越した東風による降水と山地の落差を水力に利用する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 P=ノルウェー、Q=スウェーデン。Pは北大西洋からの偏西風による降水と山地の落差を水力に利用する。
使う地理の知識:スカンディナビア半島の東西の資源・地形差と、偏西風による地形性降雨を知る。
判断の手順:海岸地形と資源からP・Qを特定する。西からの風に対するノルウェーの山地の位置を確認し、水量と落差を水力に結び付ける。
- 選択肢1:不正解
両国の位置・資源の対応が逆。大西洋側のノルウェーと、バルト海側のスウェーデンを区別する。 - 選択肢2:正解
大西洋側のフィヨルド・海底油ガス田はノルウェー。大西洋から来る偏西風の風上側の降水と山地の落差は水力を支える。 - 選択肢3:不正解
国名は合うが、中緯度のノルウェーでは北大西洋からの偏西風が重要。湿潤な空気の来る海域・風向を逆にしている。 - 選択肢4:不正解
国の対応と卓越風の向きが逆。偏西風は西から吹くため、山地の大西洋側が風上となりやすい。
復習のポイント:海岸地形と資源からP・Qを特定する。西からの風に対するノルウェーの山地の位置を確認し、水量と落差を水力に結び付ける。
関連する一次資料:外務省:スウェーデン基礎データ外務省:ノルウェー基礎データ
GE226 / 300世界の諸地域・日本統計読解複合演習
乾燥国の人口と耕地
計算用に人口を区域Aへ集中させた学習用モデル。実際のエジプトの人口分布・数値ではない| 項目 | モデル値 |
|---|
| 国土面積 | 100万 km² |
| 人口 | 1億人 |
| 人口が居住する区域Aの面積 | 4万 km² |
| 区域Aに居住する人口 | 1億人 |
エジプトを考えるためのモデル資料である。国土全体の人口密度と、人口が集中する区域Aの人口密度の組合せとして正しいものはどれか。
- 国土全体100人/km²、区域A 2500人/km²。サハラ内陸の高原への集中を表す。
- 国土全体100人/km²、区域A 2500人/km²。ナイル川沿いとデルタへの集中を表す。
- 国土全体2500人/km²、区域A 100人/km²。ナイル川沿いとデルタへの集中を表す。
- 国土全体2500人/km²、区域A 100人/km²。サハラ内陸の高原への集中を表す。
答えと全選択肢の解説
正解:2 国土全体100人/km²、区域A 2500人/km²。ナイル川沿いとデルタへの集中を表す。
使う地理の知識:エジプトのナイル川への人口・農地集中と、人口密度の分母の違いを理解する。
判断の手順:面積の異なる2区域で密度を計算し、高密度区域を乾燥国の灌漑可能なナイル沿いに対応させる。
- 選択肢1:不正解
密度計算は正しいが、居住・農業の集中をサハラ内陸高原で説明する地域判断が誤り。 - 選択肢2:正解
1億÷100万=100、1億÷4万=2500。エジプトでは砂漠が広く、水の得られるナイル沿いに集中しやすい。 - 選択肢3:不正解
広い国土を分母にした密度の方が小さくなる。2つの密度を逆にしている。 - 選択肢4:不正解
密度の分母と地域の対応をともに取り違えている。乾燥地では可住・耕作可能地の分布も見る。
復習のポイント:面積の異なる2区域で密度を計算し、高密度区域を乾燥国の灌漑可能なナイル沿いに対応させる。
関連する一次資料:FAO:Fertilizer use by crop in Egypt
GE227 / 300世界の諸地域・日本計算複合演習
西アフリカの換金作物
加工の学習用モデル値。原料費控除額は利益ではなく、労務・電力・設備費などは別途必要| 項目 | モデル値・条件 |
|---|
| 作物X | 高温湿潤な地域で栽培する樹木の種子 |
| 原料1 tの購入費 | 5000ドル |
| 加工後の製品量 | 0.8 t |
| 加工品の単価 | 10000ドル/t |
ガーナ南部の高温湿潤な地域で、主要な輸出用樹木作物Xの種子を加工するモデルである。Xと、加工後の原料費控除額の組合せとして適切なのはどれか。原料以外の費用は未計上とする。
- コーヒー―原料1t当たり3000ドル
- カカオ―原料1t当たり3000ドル
- カカオ―原料1t当たり5000ドル
- コーヒー―原料1t当たり5000ドル
答えと全選択肢の解説
正解:2 カカオ―原料1t当たり3000ドル
使う地理の知識:西アフリカの湿潤地域のカカオ生産と、一次産品の加工による価値の増加を理解する。
判断の手順:産地・用途から作物を特定し、加工歩留まりで売上を求めて原料費を控除する。
- 選択肢1:不正解
計算は合うが、ガーナを代表する輸出用樹木作物はカカオである。コーヒーの主要産地との混同を避ける。 - 選択肢2:正解
ガーナの代表的な輸出用樹木作物はカカオ。売上0.8×10000=8000から原料5000を控除すると3000ドル。 - 選択肢3:不正解
作物名は合うが、5000ドルは原料購入費であり、控除後の残額は3000ドルである。 - 選択肢4:不正解
作物と計算の両方が異なる。加工後の重量に単価を掛けてから原料費を控除する。
復習のポイント:産地・用途から作物を特定し、加工歩留まりで売上を求めて原料費を控除する。
関連する一次資料:外務省:ガーナ基礎データ
GE228 / 300世界の諸地域・日本事例判断標準演習
赤道周辺の高地農業
ケニアの赤道に近い標高約1800mの高地では、切り花を生産し、低温管理してヨーロッパへ航空輸送する事例が見られる。栽培を支える気温条件の説明として適切なのはどれか。
- 同じ緯度の低地より温暖で、同程度の標高の中緯度内陸地域より気温の年較差が小さい。
- 同じ緯度の低地より冷涼で、同程度の標高の中緯度内陸地域より気温の年較差が小さい。
- 同じ緯度の低地より温暖で、同程度の標高の中緯度内陸地域より気温の年較差が大きい。
- 同じ緯度の低地より冷涼で、同程度の標高の中緯度内陸地域より気温の年較差が大きい。
答えと全選択肢の解説
正解:2 同じ緯度の低地より冷涼で、同程度の標高の中緯度内陸地域より気温の年較差が小さい。
使う地理の知識:標高が高いと気温は低くなるが、赤道付近では季節による日射条件の変化が小さく、気温の年較差も小さい。
判断の手順:1800mという標高から低地より冷涼と判断する。次に赤道付近という緯度から、中緯度内陸より夏冬の気温差が小さいと判断する。
- 選択肢1:不正解
低緯度で年較差が小さい点は合うが、同緯度では一般に高地ほど冷涼になる。平均気温の高度差を逆にしている。 - 選択肢2:正解
標高は平均的な気温を下げる一方、赤道に近いため太陽高度・昼の長さの季節差が小さく、年較差は中緯度内陸より小さい。 - 選択肢3:不正解
標高による平均気温の変化と、緯度による季節差の双方を取り違えている。冷涼な気候が必ず大きな年較差を伴うわけではない。 - 選択肢4:不正解
標高による冷涼さは合うが、寒冷な高地であることと夏冬の気温差が大きいことは同じではない。年較差には緯度も関係する。
復習のポイント:1800mという標高から低地より冷涼と判断する。次に赤道付近という緯度から、中緯度内陸より夏冬の気温差が小さいと判断する。
関連する一次資料:外務省:ケニア基礎データ
GE229 / 300世界の諸地域・日本地図読解標準演習
西アフリカの内陸国と港
沿岸から内陸へ向かう輸送網(学習用模式図。位置関係を簡略化し、距離・形状は縮尺に対応しない)図の内容を文章で確認
北にQ、南にP。両地点は道路でつながり途中に国境がある。Pの南はギニア湾。
図は西アフリカの沿岸から内陸へ向かう輸送網で、Pはガーナの港、Qはその北側にあるブルキナファソの都市である。Qの国土の位置と、Pが面する海域の組合せとして正しいものはどれか。
- サハラ砂漠の南側―地中海
- サハラ砂漠の北側―地中海
- サハラ砂漠の南側―ギニア湾
- サハラ砂漠の北側―ギニア湾
答えと全選択肢の解説
正解:3 サハラ砂漠の南側―ギニア湾
使う地理の知識:ブルキナファソ・ガーナ・サハラ砂漠・ギニア湾の配置を知り、内陸国の外国港への接続を理解する。
判断の手順:ガーナとその北側のブルキナファソをサハラ南側に置く。図の港Pをギニア湾沿岸に対応させ、越境する陸上輸送を確認する。
- 選択肢1:不正解
ブルキナファソの位置は合うが、ガーナの港が面するのはギニア湾。地中海沿岸の港と取り違えている。 - 選択肢2:不正解
砂漠の南北と沿岸海域の双方が逆。内陸国とその貨物が通過する沿岸国を分けて位置を捉える。 - 選択肢3:正解
ブルキナファソはサハラ南側の内陸国。南方のガーナの港はギニア湾に面し、利用には陸路で国境を越える。 - 選択肢4:不正解
港の海域は合うが、ブルキナファソはサハラ北側のマグレブ地域ではない。砂漠南縁側の位置を確認する。
復習のポイント:ガーナとその北側のブルキナファソをサハラ南側に置く。図の港Pをギニア湾沿岸に対応させ、越境する陸上輸送を確認する。
関連する一次資料:外務省:ガーナ基礎データ外務省:ブルキナファソ基礎データ
GE230 / 300世界の諸地域・日本統計読解複合演習
アフリカの降水と植生
降水季節性を比較する学習用モデル値。実在都市の観測値ではない| 地域 | 1月降水量 | 7月降水量 | 年降水量 |
|---|
| P | 0 mm | 140 mm | 500 mm |
| Q | 140 mm | 130 mm | 1800 mm |
| R | 180 mm | 5 mm | 900 mm |
表のP・Q・Rはサヘル、コンゴ盆地、南部アフリカのサバナ地域を想定したモデルである。対応として正しいものはどれか。
- P=サヘル、Q=コンゴ盆地、R=南部アフリカのサバナ
- P=コンゴ盆地、Q=サヘル、R=南部アフリカのサバナ
- P=サヘル、Q=南部アフリカのサバナ、R=コンゴ盆地
- P=南部アフリカのサバナ、Q=コンゴ盆地、R=サヘル
答えと全選択肢の解説
正解:1 P=サヘル、Q=コンゴ盆地、R=南部アフリカのサバナ
使う地理の知識:アフリカの赤道低地とその南北の雨季・乾季、半球による季節差を知る。
判断の手順:通年多雨のQを赤道付近に対応させ、残る2地域の雨季を北半球・南半球の夏に結び付ける。
- 選択肢1:正解
Pは北半球夏に短い雨季、Qは通年多雨、Rは南半球夏に雨季をもつ。緯度帯と季節が一致する。 - 選択肢2:不正解
年間多雨のQをサヘル、短い雨季のPをコンゴ盆地としており、水条件が逆。 - 選択肢3:不正解
通年多雨のQと、南半球夏に雨が集中するRの違いを取り違えている。 - 選択肢4:不正解
南北半球の雨季を取り違えている。7月は北半球夏、1月は南半球夏である。
復習のポイント:通年多雨のQを赤道付近に対応させ、残る2地域の雨季を北半球・南半球の夏に結び付ける。
関連する一次資料:外務省:ケニア基礎データ外務省:ガーナ基礎データ
GE231 / 300世界の諸地域・日本計算複合演習
北米の農業地域と生産性
米国農業を考える学習用モデル値。人数換算は年間の総労働を共通の1人分労働時間で割った値| 農場 | 耕地面積 | 年間生産量 | 年間労働人数換算 |
|---|
| P | 200 ha | 1000 t | 10人 |
| Q | 800 ha | 1600 t | 8人 |
米国の中央部で、東側の湿潤な地域Pと、より西側の乾燥した地域Qのモデル農場を比較する。資料と農業地域の特徴に合う説明はどれか。
- Pは小麦、Qはトウモロコシ・大豆の生産地域を想定でき、Qの土地生産性はPの2倍となる。
- Pはトウモロコシ・大豆、Qは小麦の生産地域を想定でき、Qの土地生産性はPの2倍となる。
- Pはトウモロコシ・大豆、Qは小麦の生産地域を想定でき、Qの労働生産性はPの2倍となる。
- Pは小麦、Qはトウモロコシ・大豆の生産地域を想定でき、Qの労働生産性はPの2倍となる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Pはトウモロコシ・大豆、Qは小麦の生産地域を想定でき、Qの労働生産性はPの2倍となる。
使う地理の知識:米国中央部の東西の乾湿差と農業帯、土地生産性・労働生産性の違いを理解する。
判断の手順:東西の乾湿から主要作物を対応させ、次に生産量を人数・面積でそれぞれ割って指標を比較する。
- 選択肢1:不正解
作物の地域対応と、生産性の分母の両方を取り違えている。人と土地を分けて計算する。 - 選択肢2:不正解
地域対応は合うが、1 ha当たりはPが5、Qが2 tで、Qの土地生産性はPより低い。 - 選択肢3:正解
湿潤な中西部のトウモロコシ・大豆と、その西の小麦地域に対応する。1人当たりはPが100、Qが200 t。 - 選択肢4:不正解
計算は合うが、主要作物と乾湿の対応が逆。小麦はトウモロコシより乾燥した地域でも生産される。
復習のポイント:東西の乾湿から主要作物を対応させ、次に生産量を人数・面積でそれぞれ割って指標を比較する。
関連する一次資料:米国農務省:Feed Grains Sector at a Glance
GE232 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
北米の農業と水利用
地域の特徴を比較する学習用資料| 地域 | 位置 |
|---|
| P | 五大湖の南から南西にかけての内陸部 |
| Q | Pより西側のグレートプレーンズ |
| R | カリフォルニア州の中部の谷 |
米国の3地域P・Q・Rを表に示す。自然環境と農業の結び付きとして誤っているものはどれか。
- Pでは夏の温暖さと降水を背景に、トウモロコシと大豆の栽培が行われる。
- Qでは比較的乾燥した平原に大規模な小麦農場が見られる。
- Rでは冬雨と夏の乾燥に対応し、水を確保して商品作物を栽培する。
- Rでは夏の降水が多いため、果樹・野菜の栽培に灌漑がほとんど使われない。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Rでは夏の降水が多いため、果樹・野菜の栽培に灌漑がほとんど使われない。
使う地理の知識:米国中西部・グレートプレーンズ・カリフォルニアの農業と気候の違いを知る。
判断の手順:各地域を地図上に置き、Rの地中海性気候の夏乾燥と矛盾する記述を探す。
- 選択肢1:不正解
正しい。中西部の温暖な生育期と降水はトウモロコシ・大豆の栽培を支える。 - 選択肢2:不正解
正しい。グレートプレーンズでは大規模な小麦農業が発達する。灌漑地域もあるため無灌漑一律とはしない。 - 選択肢3:不正解
正しい。冬の降水を貯留するなどして夏の水需要に対応する点が重要となる。 - 選択肢4:正解
誤り。カリフォルニアの地中海性気候地域は夏が乾燥し、商品作物栽培では灌漑が重要である。
復習のポイント:各地域を地図上に置き、Rの地中海性気候の夏乾燥と矛盾する記述を探す。
関連する一次資料:米国農務省:Feed Grains Sector at a Glance外務省:米国基礎データ
GE233 / 300世界の諸地域・日本事例判断複合演習
米国の都市の位置・気候・産業
地域の特徴を比較する学習用資料| 手掛かり | 都市圏X |
|---|
| 位置 | 北緯37度・西経122度付近 |
| 降水季節性 | 夏は少雨、冬は相対的に雨が多い |
| 産業 | 技術系大学と情報産業・投資家が集積 |
表の特徴をもつ米国の都市圏Xはどれか。位置・気候と産業集積を合わせて判断せよ。
- デトロイトを中心とする五大湖周辺
- シアトルを中心とする北西部太平洋岸
- サンノゼを含むサンフランシスコ湾南部
- ヒューストンを中心とするメキシコ湾沿岸
答えと全選択肢の解説
正解:3 サンノゼを含むサンフランシスコ湾南部
使う地理の知識:米国の主要都市の位置、太平洋岸と内陸・メキシコ湾岸の気候差を知る。
判断の手順:経緯度から太平洋岸の中部を選ぶ。次に夏の少雨と技術系大学・情報産業の集積を照合する。
- 選択肢1:不正解
デトロイトはより東の五大湖周辺で、冬は寒冷。自動車工業集積の地域像と取り違えている。 - 選択肢2:不正解
シアトルにも情報産業は集積するが、北緯48度付近で、示された緯度・経度とは異なる。 - 選択肢3:正解
北緯37度・西経122度付近は湾南部に当たり、夏乾燥の気候と情報産業の集積が一致する。 - 選択肢4:不正解
ヒューストンは南部メキシコ湾岸にあり、夏は高温多湿。海岸の違いと降水季節性を確認する。
復習のポイント:経緯度から太平洋岸の中部を選ぶ。次に夏の少雨と技術系大学・情報産業の集積を照合する。
関連する一次資料:外務省:米国基礎データ
GE234 / 300世界の諸地域・日本事例判断標準演習
カナダの資源と製錬
カナダ東部のケベック州にアルミニウム製錬所が集積する理由を考える。地域の電源と原料調達の組合せとして適切なのはどれか。
- 西部の油砂を利用する火力中心の電力供給―州内のボーキサイト鉱山からの調達
- 河川の水力を利用する電力供給―州内のボーキサイト鉱山からの調達
- 西部の油砂を利用する火力中心の電力供給―ボーキサイト・アルミナの輸入
- 河川の水力を利用する電力供給―ボーキサイト・アルミナの輸入
答えと全選択肢の解説
正解:4 河川の水力を利用する電力供給―ボーキサイト・アルミナの輸入
使う地理の知識:ケベック州の水力とアルミ製錬の電力指向性を知る。カナダの製錬業は輸入ボーキサイト・アルミナを利用する。
判断の手順:電力を多く消費する工程をケベック州の水力と結び付ける。次に鉱石の採掘と製錬を分け、原料輸入との両立を判断する。
- 選択肢1:不正解
西部のエネルギー資源と東部の水力、鉱石採掘と製錬をともに混同している。原料を採掘しない国でも製錬が立地しうる。 - 選択肢2:不正解
電源は合うが、カナダには国内のボーキサイト鉱山がなく、原料を輸入する。鉄鉱石などの鉱山があることと混同しない。 - 選択肢3:不正解
原料輸入は合うが、西部の油砂を東部ケベック州の製錬電源の中心とする点が合わない。水力の地域的優位が重要。 - 選択肢4:正解
アルミ製錬は電力を多く使う。ケベック州の豊富な水力と輸送網は、原料を輸入して製錬する立地を支える。
復習のポイント:電力を多く消費する工程をケベック州の水力と結び付ける。次に鉱石の採掘と製錬を分け、原料輸入との両立を判断する。
関連する一次資料:外務省:カナダ基礎データ
GE235 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
北米の国境を越える製造業
北米の国際分業を考える学習用事例| 条件 | 工場の想定 |
|---|
| 出荷先 | 米国南部の自動車組立工場 |
| 納品 | 小口・高頻度 |
| 労働費 | 米国側より低い |
| 輸送 | 国境を越えるトラック輸送 |
表のような米国市場向けの工場がメキシコの米国国境地域に立地する事例を考える。工業化の型と、立地に関する説明の組合せとして適切なのはどれか。
- 輸入代替型―米国市場への近さと労働費の差を利用する。
- 輸出指向型―米国市場への近さと労働費の差を利用する。
- 輸入代替型―鉄鉱石を大量輸入するため深い港湾への近さを利用する。
- 輸出指向型―鉄鉱石を大量輸入するため深い港湾への近さを利用する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 輸出指向型―米国市場への近さと労働費の差を利用する。
使う地理の知識:輸出指向型と輸入代替型の工業化を市場の違いから区別する。部品生産の立地では労働費と組立工場への納入条件が重要になる。
判断の手順:主な出荷先が米国であることを輸出指向型に対応させる。次に小口・高頻度の陸上納品と労働費の差を国境立地の利点に結び付ける。
- 選択肢1:不正解
立地の説明は合うが、輸入代替型は従来輸入していた製品を国内市場向けに国産化する工業化。輸出先が米国という事例と分ける。 - 選択肢2:正解
外国市場向けに製品を生産するのは輸出指向型。国境地域は米国工場への陸上輸送の短さと労働費の差を利用できる。 - 選択肢3:不正解
工業化の型と立地要因を取り違えている。販売市場が国外か国内か、貨物が鉱石か部品かを別々に判断する。 - 選択肢4:不正解
工業化の型は合うが、輸入原料を大量に使う臨海製鉄業の立地条件を、トラックで部品を頻繁に納入する事例と混同している。
復習のポイント:主な出荷先が米国であることを輸出指向型に対応させる。次に小口・高頻度の陸上納品と労働費の差を国境立地の利点に結び付ける。
関連する一次資料:外務省:メキシコ基礎データ
GE236 / 300世界の諸地域・日本事例判断標準演習
ブラジルの地域差
地域の特徴を比較する学習用資料| 地域 | 主な特徴 |
|---|
| P | 赤道付近の大河川低地と広い熱帯林 |
| Q | 内陸高原のサバナと大豆などの農業開発 |
| R | サンパウロなど大都市と製造業の集積 |
表のP・Q・Rはブラジルのアマゾン低地、中西部のセラード、南東部のいずれかである。対応として正しいものはどれか。
- P=セラード、Q=アマゾン低地、R=南東部
- P=南東部、Q=セラード、R=アマゾン低地
- P=アマゾン低地、Q=南東部、R=セラード
- P=アマゾン低地、Q=セラード、R=南東部
答えと全選択肢の解説
正解:4 P=アマゾン低地、Q=セラード、R=南東部
使う地理の知識:ブラジルのアマゾン・セラード・南東部の自然と産業の違いを知る。
判断の手順:地形・降水季節性でPとQを判定し、大都市・工業の分布からRを南東部に対応させる。
- 選択肢1:不正解
アマゾンの低地・森林とセラードの高原・サバナを取り違えている。 - 選択肢2:不正解
ブラジルを一括せず、自然地域と経済活動の広がりを合わせて判断する必要がある。 - 選択肢3:不正解
サンパウロを含む南東部の都市工業集積と、中西部の農業開発を取り違えている。 - 選択肢4:正解
多雨の大河川低地、季節的乾燥のある内陸高原、大都市・工業集積の南東部を区別できる。
復習のポイント:地形・降水季節性でPとQを判定し、大都市・工業の分布からRを南東部に対応させる。
関連する一次資料:外務省:ブラジル基礎データFAO:Farming Systems and Poverty – Latin America and Caribbean
GE237 / 300世界の諸地域・日本地図読解標準演習
アンデスの高度と土地利用
高度帯と土地利用(学習用模式図。位置関係を簡略化し、距離・形状は縮尺に対応しない)図の内容を文章で確認
斜面の下部Pは標高約300m、中部Qは約1500m、上部Rは約3800m。熱帯アンデスの東斜面を想定する。
図は熱帯アンデスの東側斜面を高度帯で単純化したものである。P・Q・Rに適した土地利用の組合せはどれか。土地利用は傾斜・水条件でも異なることに留意する。
- P=ジャガイモ・家畜飼育、Q=コーヒーなど、R=カカオなど
- P=コーヒーなど、Q=カカオなど、R=ジャガイモ・家畜飼育
- P=カカオなど、Q=ジャガイモ・家畜飼育、R=コーヒーなど
- P=カカオなど、Q=コーヒーなど、R=ジャガイモ・家畜飼育
答えと全選択肢の解説
正解:4 P=カカオなど、Q=コーヒーなど、R=ジャガイモ・家畜飼育
使う地理の知識:低緯度の山地でも高度により気温・作物・牧畜の組合せが変わることを理解する。
判断の手順:P・Q・Rの高度順に気温が低くなることを確認する。熱帯低地のカカオ、中高度のコーヒー、寒冷高地のジャガイモ・家畜飼育を対応させる。
- 選択肢1:不正解
中高度Qは合うが、低地と高地の対応が逆。熱帯という緯度だけで高地にも低地作物が適すると考えない。 - 選択肢2:不正解
高地Rの対応は合うが、カカオとコーヒーの典型的な高度帯を逆にしている。カカオはより高温の低地に対応する。 - 選択肢3:不正解
低地Pは合うが、寒冷な3800mのRにコーヒーを置いている。中高度と寒冷な高地を区別する。 - 選択肢4:正解
高温の低地にカカオ、中高度の比較的穏やかな気温にコーヒー、寒冷な高地にジャガイモ・家畜飼育を対応させる。
復習のポイント:P・Q・Rの高度順に気温が低くなることを確認する。熱帯低地のカカオ、中高度のコーヒー、寒冷高地のジャガイモ・家畜飼育を対応させる。
関連する一次資料:外務省:ペルー基礎データFAO:Farming Systems and Poverty – Latin America and Caribbean
GE238 / 300世界の諸地域・日本事例判断基礎確認
南米の自然地域と農業
南米の農牧業地域について、対応が正しいものはどれか。
- アルゼンチンのパンパ―温帯の草原を背景にした穀物栽培と牛の飼育
- ブラジルのセラード―冷涼な高山草原を背景にしたリャマの飼育
- ペルーのアンデス高地―熱帯低地の気温を背景にした油やしの栽培
- チリ北部のアタカマ―多雨の常緑林を背景にした焼畑農業
答えと全選択肢の解説
正解:1 アルゼンチンのパンパ―温帯の草原を背景にした穀物栽培と牛の飼育
使う地理の知識:パンパ・セラード・アンデス・アタカマの自然環境を区別する。
判断の手順:地域を南米の地図上に置き、緯度・高度・乾湿と農牧業の組合せが合うかを確認する。
- 選択肢1:正解
パンパはアルゼンチン東部を中心とする温帯草原で、穀物と牧牛の重要地域である。 - 選択肢2:不正解
セラードはブラジルのサバナであり、アンデス高地の牧畜と取り違えている。 - 選択肢3:不正解
アンデス高地は高度によって冷涼で、熱帯低地作物の油やしと対応しない。 - 選択肢4:不正解
アタカマは乾燥地域であり、熱帯多雨林の焼畑環境ではない。寒流などの背景も確認する。
復習のポイント:地域を南米の地図上に置き、緯度・高度・乾湿と農牧業の組合せが合うかを確認する。
関連する一次資料:FAO:Farming Systems and Poverty – Latin America and Caribbean外務省:チリ基礎データ外務省:ペルー基礎データ
GE239 / 300世界の諸地域・日本計算複合演習
南米の資源輸出と価格
銅輸出を考える学習用モデル値。実際のチリの統計ではない| 時点 | 銅輸出数量指数 | 単価指数 |
|---|
| 旧 | 100 | 100 |
| 新 | 120 | 80 |
チリを想定した銅輸出のモデルである。数量・金額の変化と地域の自然条件の説明として正しいものはどれか。
- 数量は20%増、金額は20%増。太平洋岸の寒流と乾燥した北部という地域像に合う。
- 数量は20%増、金額は4%減。大西洋岸の暖流と多雨の北部という地域像に合う。
- 数量は20%増、金額は4%減。太平洋岸の寒流と乾燥した北部という地域像に合う。
- 数量は20%増、金額は20%増。大西洋岸の暖流と多雨の北部という地域像に合う。
答えと全選択肢の解説
正解:3 数量は20%増、金額は4%減。太平洋岸の寒流と乾燥した北部という地域像に合う。
使う地理の知識:チリの太平洋岸の位置・銅鉱業と、一次産品輸出の数量・価格・収入の関係を知る。
判断の手順:数量指数と価格指数を掛けて輸出額を求め、チリの位置と寒流・乾燥地域の特徴を照合する。
- 選択肢1:不正解
地域像は合うが、単価の20%下落を無視している。数量増だけで輸出収入は決まらない。 - 選択肢2:不正解
金額の計算は合うが、チリは南米太平洋岸である。大西洋側の自然条件と取り違えている。 - 選択肢3:正解
輸出額は100×100から120×80となり、指数96で4%減。チリ北部は太平洋側の乾燥地域で銅鉱業が盛ん。 - 選択肢4:不正解
単価変化と大陸の東西をともに取り違えている。資源輸出国は価格変動の影響も受ける。
復習のポイント:数量指数と価格指数を掛けて輸出額を求め、チリの位置と寒流・乾燥地域の特徴を照合する。
関連する一次資料:外務省:チリ基礎データ
GE240 / 300世界の諸地域・日本計算複合演習
農地所有の偏り
農地集中を考える学習用モデル値。ラテンアメリカ全体の実測値ではない| 区分 | 経営数 | 区分内の農地総面積 |
|---|
| 大経営 | 2 | 900 ha |
| 小経営 | 18 | 100 ha |
ラテンアメリカの土地所有構造を考えるモデル村の資料である。少数の大経営に対応する用語と、その大経営が所有する農地面積の割合を組み合わせたものはどれか。
- ミニフンディア―全農地の10%
- ラティフンディア―全農地の90%
- ラティフンディア―全農地の10%
- ミニフンディア―全農地の90%
答えと全選択肢の解説
正解:2 ラティフンディア―全農地の90%
使う地理の知識:ラテンアメリカでは大土地所有のラティフンディアと零細土地所有のミニフンディアの併存が土地集中を捉える概念となる。
判断の手順:大経営をラティフンディアに対応させる。900haを全農地1000haで割り、経営数の割合2/20と混同しないように比較する。
- 選択肢1:不正解
土地所有の用語と分母の双方が合わない。小経営は経営数では90%だが面積では10%となる。 - 選択肢2:正解
大土地所有のラティフンディアは、零細土地所有のミニフンディアと対比される。大経営の面積割合は900÷1000=90%。 - 選択肢3:不正解
用語は合うが、10%は大経営の経営数の割合2÷20である。面積の割合と経営数の割合を区別する。 - 選択肢4:不正解
面積割合は合うが、ミニフンディアは零細土地所有を指す。ラテンアメリカの土地集中を示す二つの用語を逆にしている。
復習のポイント:大経営をラティフンディアに対応させる。900haを全農地1000haで割り、経営数の割合2/20と混同しないように比較する。
関連する一次資料:FAO:Farming Systems and Poverty – Latin America and Caribbean
GE241 / 300世界の諸地域・日本地図読解標準演習
豪州の鉱産資源と港湾
オーストラリアの資源輸出地域(学習用模式図。位置関係を簡略化し、距離・形状は縮尺に対応しない)図の内容を文章で確認
西側Pはピルバラ地域でインド洋側、東側Qは太平洋側。国土輪郭を描かず東西関係のみ示す。
図のP・Qはオーストラリアの代表的な資源輸出地域を示す。PとQの主要な資源の組合せとして正しいものはどれか。
- P=鉄鉱石、Q=石炭
- P=ボーキサイト、Q=銅
- P=銅、Q=ボーキサイト
- P=石炭、Q=鉄鉱石
答えと全選択肢の解説
正解:1 P=鉄鉱石、Q=石炭
使う地理の知識:オーストラリアの西部鉄鉱石・東部石炭の大まかな分布と資源輸送を知る。
判断の手順:図の東西を確認し、ピルバラと東部の鉱産資源を港湾への輸送網に対応させる。
- 選択肢1:正解
西部ピルバラ地域の鉄鉱石と東部の石炭が代表的。鉱山と輸出港を鉄道などで結ぶ。 - 選択肢2:不正解
ボーキサイトや銅の産地を、西部鉄鉱石・東部石炭の輸送網と取り違えている。 - 選択肢3:不正解
豪州で銅やボーキサイトも産出するが、図の2つの代表的輸出地域の対応とは異なる。 - 選択肢4:不正解
鉄鉱石の主産地の西部と、石炭の主産地の東部を逆にしている。
復習のポイント:図の東西を確認し、ピルバラと東部の鉱産資源を港湾への輸送網に対応させる。
関連する一次資料:外務省:オーストラリア基礎データ
GE242 / 300世界の諸地域・日本事例判断標準演習
ニュージーランドの降水と牧畜
南島の東西差を考える学習用モデル値。実在地点の観測値ではない| 地域 | 年降水量 | 土地利用の例 |
|---|
| P 西側 | 3000 mm | 湿潤な草地を利用する酪農 |
| Q 東側 | 600 mm | 羊飼育、条件に応じた灌漑農業 |
ニュージーランド南島の同緯度帯にある、サザンアルプスの西側Pと東側Qを比較する。表を説明する自然条件として適切なのはどれか。
- 南東貿易風が山地を越える際、東側で多くの雨を降らせ、西側では降水が少なくなる。
- 偏西風が山地を越える際、東側で多くの雨を降らせ、西側では降水が少なくなる。
- 南東貿易風が山地を越える際、西側で多くの雨を降らせ、東側では降水が少なくなる。
- 偏西風が山地を越える際、西側で多くの雨を降らせ、東側では降水が少なくなる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 偏西風が山地を越える際、西側で多くの雨を降らせ、東側では降水が少なくなる。
使う地理の知識:南半球中緯度の偏西風と、山地の風上・風下による降水差を理解する。
判断の手順:南島の緯度を偏西風帯に対応させ、西側の多雨と東側の雨陰を資料に照合する。
- 選択肢1:不正解
風系も降水の方向も合わない。南半球だから風が東から吹くとは限らない。 - 選択肢2:不正解
偏西風は西から吹くため、西側が風上となる。表の降水差の方向と逆である。 - 選択肢3:不正解
風上・風下の結果は合うが、中緯度の南島を南東貿易風の卓越地域とする点が誤り。 - 選択肢4:正解
南島は中緯度の偏西風帯にあり、西側で地形性降雨が多く、東側は雨陰になりやすい。
復習のポイント:南島の緯度を偏西風帯に対応させ、西側の多雨と東側の雨陰を資料に照合する。
関連する一次資料:外務省:ニュージーランド基礎データ
GE243 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
太平洋の島の成り立ちと生活
太平洋の島を比較する学習用モデル| 島 | 標高・地質 | 地形 |
|---|
| P | 最高部5 m、サンゴ由来の砂礫 | 浅い礁湖を囲む細長い島々 |
| Q | 最高部1500 m、火山岩 | 山地から河川が海へ流れる |
太平洋の島P・Qの資料を示す。Pの成り立ちと、Pの地下の淡水・海水の位置関係を組み合わせたものはどれか。雨水が浸透して淡水がたまる場所を考える。
- 火山島―海水より密度の大きい淡水が、地下の海水の下側に分布する。
- 環礁―海水より密度の小さい淡水が、地下の海水の上側に分布する。
- 火山島―海水より密度の小さい淡水が、地下の海水の上側に分布する。
- 環礁―海水より密度の大きい淡水が、地下の海水の下側に分布する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 環礁―海水より密度の小さい淡水が、地下の海水の上側に分布する。
使う地理の知識:環礁の低平な地形とサンゴ由来の地質を知る。海水より密度の小さい淡水が地下の海水の上に淡水レンズを形成する。
判断の手順:標高・地質・礁湖からPを環礁と判断する。次に淡水と海水の密度差を使って、地下の淡水の位置を考える。
- 選択肢1:不正解
島の成因と地下水の密度関係をともに取り違えている。淡水レンズを過剰に取水すると塩水化の問題が生じうる。 - 選択肢2:正解
Pはサンゴ由来の低い島々が礁湖を囲む環礁。浸透した淡水は海水より密度が小さく、海水の上に淡水レンズを形成する。 - 選択肢3:不正解
淡水と海水の関係は合うが、火山岩からなる高い山地はQの特徴。標高だけでなく地質・礁湖の形も見る。 - 選択肢4:不正解
環礁という同定は合うが、淡水と海水の密度関係が逆。淡水が海水の下側に沈んでたまるわけではない。
復習のポイント:標高・地質・礁湖からPを環礁と判断する。次に淡水と海水の密度差を使って、地下の淡水の位置を考える。
関連する一次資料:外務省:ミクロネシア基礎データ
GE244 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
オセアニアの輸出と自然環境
両国の特徴を強調した学習用輸出構成モデル。実測値や国別順位ではない| 地域 | 鉄鉱石・石炭等 | 乳製品・肉類 | その他 |
|---|
| P | 55% | 10% | 35% |
| Q | 5% | 55% | 40% |
オーストラリアとニュージーランドの輸出構造を理解するため、表のP・Qを作った。国の対応と地域的背景として適切なのはどれか。
- P=ニュージーランド、Q=オーストラリア。Qでは海洋性気候を利用する牧畜が重要となる。
- P=オーストラリア、Q=ニュージーランド。Qでは広い乾燥内陸の鉱業が重要となる。
- P=オーストラリア、Q=ニュージーランド。Qでは海洋性気候を利用する牧畜が重要となる。
- P=ニュージーランド、Q=オーストラリア。Qでは広い乾燥内陸の鉱業が重要となる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 P=オーストラリア、Q=ニュージーランド。Qでは海洋性気候を利用する牧畜が重要となる。
使う地理の知識:豪州の鉱産資源輸出とNZの牧畜・農産物輸出、海洋性と内陸乾燥の差を知る。
判断の手順:輸出品目の組合せから国を対応させ、それぞれの自然条件が産業を支える関係を確認する。
- 選択肢1:不正解
両国の代表的な輸出構造を逆にしている。規模だけでなく、資源と農牧業の自然条件を照合する。 - 選択肢2:不正解
国名は合うが、NZの牧畜の背景を豪州の広大な乾燥内陸の特徴で説明している。 - 選択肢3:正解
鉱産資源の輸出比重が大きいPは豪州、乳製品・肉類の比重が大きいQはNZの特徴を表すモデルである。 - 選択肢4:不正解
国の対応が逆で、Qの乳製品・肉類の多さを鉱業で説明できない。
復習のポイント:輸出品目の組合せから国を対応させ、それぞれの自然条件が産業を支える関係を確認する。
関連する一次資料:外務省:オーストラリア基礎データ外務省:ニュージーランド基礎データ
GE245 / 300世界の諸地域・日本事例判断基礎確認
北海道の畑作地域
十勝地方のある畑で、毎年の主な作物を小麦、てんさい、豆類、ばれいしょの順に替える。この栽培方式の名称と、作物を替える目的の組合せとして適切なのはどれか。
- 輪作―同じ年に二つの作物を順に収穫し、温暖な期間を長く利用する。
- 二毛作―特定の作物に関係する病害や養分消耗の偏りを抑える。
- 輪作―特定の作物に関係する病害や養分消耗の偏りを抑える。
- 間作―同じ年に二つの作物を順に収穫し、温暖な期間を長く利用する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 輪作―特定の作物に関係する病害や養分消耗の偏りを抑える。
使う地理の知識:輪作・二毛作・間作を、作物の種類だけでなく年と季節の配置で区別する。十勝の冷涼な条件では大規模畑作と輪作が特徴となる。
判断の手順:作物が同じ年内ではなく年ごとに交替していることから輪作を選ぶ。次に連作障害や養分の偏りを軽減する目的に結び付ける。
- 選択肢1:不正解
名称は合うが、説明は二毛作の特徴。冷涼で生育期間が限られる十勝の年をまたぐ作物交替を読み取る。 - 選択肢2:不正解
目的は合うが、二毛作は同じ耕地で1年に異なる作物を二度栽培・収穫する方式。年ごとの交替とは異なる。 - 選択肢3:正解
年ごとに異なる作物を順番に栽培する輪作は、同じ作物の連作による病害や養分の偏りを抑える方法となる。 - 選択肢4:不正解
間作は主作物の間などで別の作物を栽培する方式。同じ年に順に収穫する二毛作とも、設問の年ごとの輪作とも異なる。
復習のポイント:作物が同じ年内ではなく年ごとに交替していることから輪作を選ぶ。次に連作障害や養分の偏りを軽減する目的に結び付ける。
関連する一次資料:北海道農政事務所:十勝地域の管内概要
GE246 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
標高と野菜の出荷時期
高冷地と低地を比較する学習用モデル値。実在産地の観測値ではない| 産地 | 標高 | 7月平均気温 | 主な出荷期 |
|---|
| P | 50 m | 27℃ | 春・秋 |
| Q | 1200 m | 19℃ | 夏・初秋 |
表はレタス産地P・Qの気温と出荷時期のモデルである。Qの栽培方法と立地の説明として適切なのはどれか。
- 抑制栽培―冬の温暖さを使い、低地より早く春に出荷する。
- 抑制栽培―高標高の冷涼さを使い、低地で生産しにくい夏に出荷する。
- 促成栽培―冬の温暖さを使い、低地より早く春に出荷する。
- 促成栽培―高標高の冷涼さを使い、低地で生産しにくい夏に出荷する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 抑制栽培―高標高の冷涼さを使い、低地で生産しにくい夏に出荷する。
使う地理の知識:高冷地野菜の抑制栽培と、暖地などで行う促成栽培の違いを理解する。
判断の手順:Qの標高と夏の気温から冷涼性を確認し、出荷を遅らせる抑制栽培に対応させる。
- 選択肢1:不正解
抑制という名称は合うが、Qの特徴は冬の温暖さではなく夏の冷涼さである。 - 選択肢2:正解
高冷地は夏も比較的涼しく、収穫を遅らせる抑制栽培で低地との出荷期をずらせる。 - 選択肢3:不正解
促成栽培の説明をQに当てはめている。高冷地の夏秋出荷と暖地の冬春出荷を区別する。 - 選択肢4:不正解
気候と出荷期は合うが、通常より早く出荷する促成栽培とは異なる。
復習のポイント:Qの標高と夏の気温から冷涼性を確認し、出荷を遅らせる抑制栽培に対応させる。
関連する一次資料:長野県:信州農産物
GE247 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
太平洋側の園芸と市場
高知の施設園芸を理解する学習用事例| 観察項目 | 特徴 |
|---|
| 出荷期 | 冬から春 |
| 生産施設 | 温室・ハウス |
| 出荷先 | 県外の大都市市場 |
| 流通 | 集荷・選果後に温度管理して輸送 |
高知県沿岸部で、施設野菜を一般的な露地栽培より早い冬から春に出荷し、主に京阪神・首都圏の市場へ送る事例を考える。栽培時期の調節と、市場との関係を表す用語の組合せとして正しいものはどれか。
- 促成栽培―輸送園芸
- 抑制栽培―輸送園芸
- 抑制栽培―近郊農業
- 促成栽培―近郊農業
答えと全選択肢の解説
正解:1 促成栽培―輸送園芸
使う地理の知識:促成・抑制は出荷時期の調節、近郊農業・輸送園芸は市場との位置関係を表す。両者は異なる分類軸である。
判断の手順:通常の露地栽培より出荷を早める点から促成を選ぶ。次に高知と京阪神・首都圏の位置関係から輸送園芸を選ぶ。
- 選択肢1:正解
自然の温暖さと施設によって出荷を早めるのは促成栽培。遠隔の大都市市場へ送る生産は輸送園芸に当たる。 - 選択肢2:不正解
遠隔市場へ送る点は合うが、出荷を早める促成と、遅らせる抑制を逆にしている。 - 選択肢3:不正解
出荷を早めることと遠隔市場への供給の双方が合わない。促成/抑制と近郊/輸送を別の軸で判断する。 - 選択肢4:不正解
促成は合うが、示された主な市場は産地に近い都市ではない。都市周辺に立地する近郊農業とは分ける。
復習のポイント:通常の露地栽培より出荷を早める点から促成を選ぶ。次に高知と京阪神・首都圏の位置関係から輸送園芸を選ぶ。
関連する一次資料:農林水産省:高知県からニッポンフードシフト気象庁:日本の気候
GE248 / 300世界の諸地域・日本事例判断標準演習
南九州の地形と畜産
台地の畜産と港湾の結び付き(学習用模式図。位置関係を簡略化し、距離・形状は縮尺に対応しない)図の内容を文章で確認
内陸の台地に養豚・養鶏農家、海側の港に飼料工場があり、飼料を内陸へ輸送する。台地は海側より高い。
図は南九州のシラス台地の畜産農家と、港の飼料工場を結ぶ関係を示す。シラス台地の成り立ちと地表の水の得やすさの説明として適切なのはどれか。
- 火砕流などの堆積物からなり、透水性が低い場所が広がるため台地上に水田用水がたまりやすい。
- 河川が運んだ砂礫の段丘堆積物からなり、透水性が高い場所では地表での水の確保が課題となる。
- 河川が運んだ砂礫の段丘堆積物からなり、透水性が低い場所が広がるため台地上に水田用水がたまりやすい。
- 火砕流などの堆積物からなり、透水性が高い場所では地表での水の確保が課題となる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 火砕流などの堆積物からなり、透水性が高い場所では地表での水の確保が課題となる。
使う地理の知識:シラス台地は火砕流などの堆積物からなり、透水性が高い場所では地表水・農業用水の確保が課題となる。
判断の手順:シラスの名称を火山性堆積物に対応させ、透水性と地表の水の得やすさを結び付ける。図の畜産が輸入飼料の流通にも支えられることを確認する。
- 選択肢1:不正解
成因は合うが、シラスの水が浸透しやすい性質と逆。台地の利用では用水路や貯水などの整備が必要となることがある。 - 選択肢2:不正解
透水性と用水の関係は合うが、河川の砂礫による段丘と、火砕流堆積物によるシラス台地の成因を混同している。 - 選択肢3:不正解
台地の成因と水の性質の双方が合わない。平らで高い地形でも、河成段丘か火山性台地かで地質が異なる。 - 選択肢4:正解
シラス台地は主に火砕流などの火山噴出物からなる。透水性が高く水が浸透しやすいため用水確保が課題となる場所がある。図の畜産は港湾からの飼料供給とも結び付く。
復習のポイント:シラスの名称を火山性堆積物に対応させ、透水性と地表の水の得やすさを結び付ける。図の畜産が輸入飼料の流通にも支えられることを確認する。
関連する一次資料:九州農政局:見たい!知りたい!九州農業2026
GE249 / 300世界の諸地域・日本統計読解標準演習
日本の地域と農業構成
地域の特徴を比較する学習用資料| 地域 | 作物・出荷の特徴 | 経営・施設の特徴 |
|---|
| P | 小麦・てんさい・ばれいしょ・豆類 | 比較的大きな畑で輪作 |
| Q | レタスなどを夏秋に出荷 | 高い標高の畑 |
| R | ピーマンなどを冬春に出荷 | 沿岸平野の温室・ハウス |
表のP・Q・Rは北海道の十勝、長野県の高冷地、高知県の沿岸部を想定したモデルである。対応として正しいものはどれか。
- P=十勝、Q=高知県沿岸部、R=長野県高冷地
- P=長野県高冷地、Q=十勝、R=高知県沿岸部
- P=十勝、Q=長野県高冷地、R=高知県沿岸部
- P=高知県沿岸部、Q=長野県高冷地、R=十勝
答えと全選択肢の解説
正解:3 P=十勝、Q=長野県高冷地、R=高知県沿岸部
使う地理の知識:北海道の畑作、高冷地の抑制栽培、太平洋側暖地の施設園芸を比較する。
判断の手順:主要作物からPを判定し、Q・Rは出荷期を夏の冷涼さと冬の温暖さに対応させる。
- 選択肢1:不正解
冬春の施設野菜と夏秋の高冷地野菜の産地が逆。気温条件を作期に結び付ける。 - 選択肢2:不正解
十勝の畑作と長野高冷地の夏秋野菜を取り違えている。作物と出荷期の両方を見る。 - 選択肢3:正解
畑作4品目と大規模経営は十勝、夏秋野菜は高冷地、冬春の施設野菜は高知沿岸の特徴に合う。 - 選択肢4:不正解
高知の施設園芸と十勝の大規模畑作を逆にしている。温暖さと経営規模は別の立地条件。
復習のポイント:主要作物からPを判定し、Q・Rは出荷期を夏の冷涼さと冬の温暖さに対応させる。
関連する一次資料:北海道農政事務所:十勝地域の管内概要長野県:信州農産物農林水産省:高知県からニッポンフードシフト
GE250 / 300世界の諸地域・日本事例判断複合演習
異なる地域に共通する農業立地
比較対象は、高知県沿岸の冬春の施設野菜を日本の大都市へ送る事例と、ケニア高地の切り花をヨーロッパへ送る事例である。
高知県沿岸の冬春の施設野菜と、ケニアの赤道高地の切り花を比較する。2地域の自然条件と、市場までの距離からみた農業立地の説明として適切なのはどれか。
- 高知は冬の温暖さ、ケニアは標高による冷涼さを利用し、両者とも輸送技術で遠隔市場と結び付く。
- 高知は冬の温暖さ、ケニアは標高による冷涼さを利用し、両者とも主要消費都市の近郊農業に当たる。
- 高知は夏の冷涼さ、ケニアは中緯度の大きな年較差を利用し、両者とも主要消費都市の近郊農業に当たる。
- 高知は夏の冷涼さ、ケニアは中緯度の大きな年較差を利用し、両者とも輸送技術で遠隔市場と結び付く。
答えと全選択肢の解説
正解:1 高知は冬の温暖さ、ケニアは標高による冷涼さを利用し、両者とも輸送技術で遠隔市場と結び付く。
使う地理の知識:促成栽培・高地の農業は気温条件、近郊農業・輸送園芸は市場との距離を表す。異なる分類軸を分けて地域を比較する。
判断の手順:高知の冬の温暖さとケニア高地の冷涼さを、それぞれ緯度・高度に結び付ける。次に資料の出荷先までの距離から遠隔市場への供給と判断する。
- 選択肢1:正解
高知の暖地の促成栽培と、低緯度でも比較的冷涼なケニア高地では利用する自然条件が異なる。ともに鮮度管理と輸送技術で遠い大市場に供給する。 - 選択肢2:不正解
自然条件は合うが、主要な消費市場の近くに立地する近郊農業とは異なる。施設園芸・切り花栽培という品目だけで近郊農業と決めない。 - 選択肢3:不正解
気温条件と市場までの距離の双方が合わない。品目が生鮮でも、輸送技術があれば遠隔地での産地形成が可能となる。 - 選択肢4:不正解
遠隔市場との関係は合うが、高知を高冷地の抑制栽培、ケニアを中緯度内陸の気候と混同している。低緯度高地の平均気温と年較差を分ける。
復習のポイント:高知の冬の温暖さとケニア高地の冷涼さを、それぞれ緯度・高度に結び付ける。次に資料の出荷先までの距離から遠隔市場への供給と判断する。
関連する一次資料:農林水産省:高知県からニッポンフードシフト外務省:ケニア基礎データ
防災・環境・地域調査 50問ハザードマップ・環境問題・観光・調査方法
GE251 / 300防災・環境・地域調査統計読解標準演習
低地の土地利用と浸水
資料(学習用モデル値)| 地区 | 川との位置 | 周囲との比高 | 古い土地利用 | 主な表層 | 湛水日数 |
|---|
| A | 川のすぐ沿い | +2m | 集落・畑 | 砂 | 1日 |
| B | Aの背後 | 0m | 水田 | 粘土・シルト | 5日 |
同じ河川沿いのA・B地区を調べた。堤防決壊後の水が流入したという条件で、資料と地形の性質を合わせた説明を選べ。
- Aは後背湿地、Bは自然堤防に対応し、Bでは砂質の堆積物が湛水の長期化に関係する。
- Aは自然堤防、Bは後背湿地に対応し、Bでは河川による侵食の強さが湛水の長期化に関係する。
- Aは自然堤防、Bは後背湿地に対応し、Bでは低く水はけの悪い地形が湛水の長期化に関係する。
- Aは河岸段丘、Bは扇状地に対応し、Bでは粗い礫の堆積が湛水の長期化に関係する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Aは自然堤防、Bは後背湿地に対応し、Bでは低く水はけの悪い地形が湛水の長期化に関係する。
使う地理の知識:自然堤防は河川沿いの微高地、後背湿地はその背後の低湿地である。集落や水田の分布は微地形と関係する。
判断の手順:川との位置と旧土地利用から地形を同定する。次に土の粒の細かさ・比高と湛水日数を結び付ける。
- 選択肢1:不正解
地形名が逆である。自然堤防は川沿いの微高地で、後背湿地より相対的に水はけがよい。 - 選択肢2:不正解
地形名は合うが、長く水が残る理由は低さと排水のしにくさである。侵食の強さを示す資料はない。 - 選択肢3:正解
川沿いの微高地に集落、背後の低地に水田という配置は自然堤防と後背湿地に対応する。後背湿地は細粒の堆積物が多く排水しにくい。 - 選択肢4:不正解
扇状地は山地の出口に形成される。この配置と細かな土は自然堤防・後背湿地の組合せに合う。
復習のポイント:浸水の深さだけでなく、微地形と排水条件から継続時間も考える。
関連する一次資料:国土地理院:土地条件図
GE252 / 300防災・環境・地域調査統計読解標準演習
観測地点による揺れの違い
資料(学習用モデル値)| 地点 | 震源距離 | 主な地盤 | 震度 |
|---|
| A | 35km | 硬い岩盤 | 5弱 |
| B | 42km | 厚い沖積層 | 6弱 |
| C | 80km | 硬い岩盤 | 4 |
M6.8の同一地震について、距離・地盤・震度を比較した。AとBの違いを説明する仮説として、資料と地震の知識に合うものを選べ。
- Bでは軟らかい地盤が地震波を吸収して揺れを減衰させたため、硬い岩盤のAより震度が大きくなった。
- Bの厚い沖積層による揺れの増幅を検討する。震源距離が大きい地点でも震度が大きくなることがある。
- BではMの値も大きかったと考える。沖積層では同じ地震の放出エネルギーが増えるためである。
- Aの硬い岩盤による揺れの増幅を検討する。Bとの差は距離による減衰を上回る岩盤の効果を表す。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Bの厚い沖積層による揺れの増幅を検討する。震源距離が大きい地点でも震度が大きくなることがある。
使う地理の知識:震度は各地点の揺れ、マグニチュードは地震の規模である。軟弱な地盤で揺れが増幅される場合がある。
判断の手順:同一地震なのでMを共通とする。Bが遠くても強く揺れたことを確認し、地盤条件の差に着目する。
- 選択肢1:不正解
軟らかい地盤による増幅と減衰を取り違えている。揺れを弱めるという説明では、Bで震度が大きい資料を説明できない。 - 選択肢2:正解
震度は地点の揺れで、距離以外に地盤の影響も受ける。Bの方が遠いのに震度が大きいので軟弱な地盤の増幅が検討対象になる。 - 選択肢3:不正解
Mは地震自体の規模であり、観測地点ごとに地盤に応じて別のMになるわけではない。 - 選択肢4:不正解
表では硬い岩盤のAの震度が小さい。ここで軟弱な沖積層の増幅と硬い岩盤の性質を逆にしている。
復習のポイント:揺れの強さを距離の一変数だけで説明せず、表層地盤も照合する。
関連する一次資料:気象庁:震度・マグニチュード・地震情報について
GE253 / 300防災・環境・地域調査事例判断基礎確認
造成地の履歴と地盤
同程度の強い揺れを受ける4地点のうち、砂質地盤の液状化を重点的に調べる条件が最もそろう地点はどれか。地盤改良はいずれも行われていない。
- A:段丘面の締まった砂礫層で、地下水面が地表から深い位置にある。
- D:低地の厚い粘土層で、地下水面が地表近くにある。
- C:丘陵を切り開いた岩盤上の平地で、地下水面が地表から深い位置にある。
- B:旧河道を砂で埋め立てた平地で、地下水面が地表近くにある。
答えと全選択肢の解説
正解:4 B:旧河道を砂で埋め立てた平地で、地下水面が地表近くにある。
使う地理の知識:液状化は地下水で満たされた緩い砂質地盤で起こりやすい。現在の地表だけでなく土地の履歴が重要になる。
判断の手順:まず旧河道・埋立地を探す。さらに土質と地下水面を照合し、Bを選ぶ。
- 選択肢1:不正解
砂礫を含むが、締まりと深い地下水位はBより典型的な液状化条件から遠い。砂という語だけでは決められない。 - 選択肢2:不正解
地下水位は高いが、粘土を緩い砂質地盤と同一視できない。液状化と軟弱地盤の沈下も区別する。 - 選択肢3:不正解
切土地の岩盤は緩い砂の埋立地と異なる。平らな地表でも地下の成り立ちは同じではない。 - 選択肢4:正解
緩い砂質地盤、高い地下水位、強い揺れが液状化の主要条件となる。旧河道の埋立地という履歴も手掛かりになる。
復習のポイント:低地かどうかに加え、土質・地下水位・造成履歴の三つを照合する。
関連する一次資料:国土地理院:東日本大震災における液状化被害と時系列地理情報の利活用
GE254 / 300防災・環境・地域調査統計読解標準演習
湾内外の津波記録
資料(学習用モデル値)| 地点 | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
|---|
| A | 0.6m | 0.9m | 0.7m |
| B | 1.4m | 2.6m | 1.8m |
同じ津波について、外海に開く海岸Aと、奥へ狭まり浅くなる湾の湾奥Bを比べた。表は平常潮位からの水位上昇で、両地点とも2回目の記録が最大だった。Bの増幅と、津波が浅い海へ進むときの伝播速度の組合せとして適切な説明を選べ。
- 湾の狭まりによる波の集中が増幅に関係し、浅い海では津波の伝播速度は遅くなる。
- 海岸での水位上昇は気圧低下による吸い上げを表し、浅い海では津波の伝播速度は遅くなる。
- 湾の狭まりによる波の集中が増幅に関係し、浅い海では津波の伝播速度は速くなる。
- 海岸での水位上昇は風による吹き寄せを表し、浅い海では津波の伝播速度は速くなる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 湾の狭まりによる波の集中が増幅に関係し、浅い海では津波の伝播速度は遅くなる。
使う地理の知識:津波の速度は水深に影響され、沿岸での高さは湾の形や海底地形によって変わる。後続波が高いこともある。
判断の手順:二地点の波高の差を湾の狭まりと結ぶ。次に津波の水深と伝播速度の関係を適用し、高潮の機構と区別する。
- 選択肢1:正解
津波は湾の奥で幅が狭まるなどの地形で高くなり得る。伝播速度は水深が浅いほど遅くなり、波高と速さは別に考える。 - 選択肢2:不正解
吸い上げは台風などの高潮を説明する機構である。地震などで生じる津波の湾内増幅と混同している。 - 選択肢3:不正解
湾の地形の効果は合うが、速度の変化が逆である。深い外洋で速く、浅い沿岸へ進むにつれて遅くなる。 - 選択肢4:不正解
吹き寄せは風による高潮の機構であり、この津波の増幅を説明していない。浅い海での伝播速度の変化も逆である。
復習のポイント:沿岸災害では波高と伝播速度を区別し、津波と高潮の成因を分ける。
関連する一次資料:気象庁:津波の特徴
GE255 / 300防災・環境・地域調査地図読解標準演習
低地の断面と水面
位置関係を表す学習用模式図。実在地域の地図ではない。図の内容を文章で確認
Aの地面より水面が1m高い。Aから低いBへ地表が下がり、さらに高いCの段丘面へ上がる横断面。AとBの水面は同じ高さ。
土地の履歴と標高(学習用モデル値)| 地点 | 古い土地利用 | 標高 |
|---|
| A | 集落・畑 | 5m |
| B | 水田 | 3m |
| C | 高い平坦面の畑 | 12m |
図のA・Bは同じ河川沿いの氾濫原にあり、同じ水面でつながって浸水している。Aは川のすぐ沿いの微高地、Bはその背後の低地である。Bの浸水深と、土地の成り立ちから考えられる排水の性質を組み合わせた説明を選べ。
- Bの浸水深は1m。後背湿地の細粒な堆積物が多い場所に当たり、浸透による排水が進みにくい。
- Bの浸水深は3m。後背湿地の細粒な堆積物が多い場所に当たり、浸透による排水が進みにくい。
- Bの浸水深は1m。自然堤防の砂質な堆積物が多い場所に当たり、浸透による排水が進みやすい。
- Bの浸水深は3m。扇状地の粗い礫が多い場所に当たり、浸透による排水が進みにくい。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Bの浸水深は3m。後背湿地の細粒な堆積物が多い場所に当たり、浸透による排水が進みにくい。
使う地理の知識:標高と浸水深は基準が異なる。川沿いの自然堤防の背後には、細粒な堆積物が多く排水しにくい後背湿地が分布する。
判断の手順:Aの標高と浸水深から水面標高を求め、Bの標高を引く。次に川との位置と旧土地利用からBの地形と排水性を判断する。
- 選択肢1:不正解
同じ水面でも地盤の高さが違えば浸水深は違う。Aより2m低いBでは、Aの1mより2m深い3mとなる。 - 選択肢2:正解
Aの標高5mに浸水深1mを加えると水面は標高6m。Bでは6−3=3mとなる。川沿いの微高地の背後にある旧水田は後背湿地に対応し、細粒の土は浸透しにくい。 - 選択肢3:不正解
深さをAと同じにしている。自然堤防は川沿いの微高地Aに対応し、背後の低地Bとは区別する。 - 選択肢4:不正解
深さは合うが、川沿いの微高地の背後という位置は後背湿地に対応する。扇状地は山地の出口に発達し、粗い礫は一般に水を通しやすい。
復習のポイント:共通の水面でも深さは地盤高で変わる。水の残りやすさは微地形と土質も使って考える。
関連する一次資料:国土地理院:土地条件図
GE256 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
低地市街地の排水
資料(学習用モデル値)| 条件 | 事例I | 事例II |
|---|
| 1時間雨量 | 60mm | 60mm |
| 河川水面と排水口の高低 | 河川が1m低い | 河川が1m高い |
| ポンプ能力 | 同一 | 同一 |
| 市街地の浸水面積 | 小 | 大 |
架空の河口低地で同量の雨が降った2事例を比較した。堤防の決壊・越水、海水の越波はいずれもなかった。事例IIで市街地の浸水が増えた説明として、地形と資料に合うものはどれか。
- 河川水位の上昇で堤防を越えた外水が入り、市街地の排水量が増加した。
- 河川水位の上昇で地下水面が下がり、雨水が地中へ浸透する割合が低下した。
- 河川水位の上昇で雨水を自然に排出しにくくなり、市街地に内水がたまった。
- 河口に近いため河川勾配が大きくなり、市街地からの自然排水が速くなった。
答えと全選択肢の解説
正解:3 河川水位の上昇で雨水を自然に排出しにくくなり、市街地に内水がたまった。
使う地理の知識:内水氾濫は域内の雨水を排出できないことによる。低地の自然排水は排出先との水位差に左右される。
判断の手順:雨量とポンプ能力が同じことを確認する。河川水位が排水口より高いIIで自然排水が妨げられると判断する。
- 選択肢1:不正解
決壊・越水はなかったという条件に反する。河川水が流入する外水氾濫と、雨水が排出できない内水氾濫を区別する。 - 選択肢2:不正解
河川水位の上昇が地下水面を下げるとはいえない。地下水面が低いこと自体を浸透低下の理由にするのも逆で、提示された比較では排水口と河川の水位差に着目する。 - 選択肢3:正解
河口低地では河川水位が高いと重力で排水しにくい。ポンプ能力も限られれば、域内に降った雨による内水氾濫が生じる。 - 選択肢4:不正解
河口低地は勾配が小さく、河川水位が上がれば自然排水の水位差は小さくなる。説明の方向が逆である。
復習のポイント:洪水原因は川から入った水か、域内から出せない水かを区別する。
関連する一次資料:国土交通省:下水道による浸水対策
GE257 / 300防災・環境・地域調査統計読解標準演習
都市化と流出の時間変化
最大流量(学習用モデル値)/数値は下表にも掲載。資料(学習用モデル値)| 指標 | 市街地拡大前 | 市街地拡大後 |
|---|
| 最大流量 | 40m³/秒 | 90m³/秒 |
| 降雨開始からピークまで | 3時間 | 1時間 |
| 総流出量 | 12万m³ | 21万m³ |
同一流域について、森林・農地が多かった時期と市街地拡大後を、同量・同じ時間分布の雨で比較した。表の変化を説明するものを選べ。
- 排水路の増加により、洪水時に使える流域の貯留量が増え、ピーク時刻が降雨開始に近づいた。
- 不浸透面と排水路の増加により、表面を流れる割合が高まり、河道まで届く時間が短くなった。
- 森林の減少により、樹木から大気へ戻る水が増え、河道まで届く表面流の割合が高まった。
- 不浸透面の増加により、地下水として流れる割合が高まり、地下の通水経路が短くなった。
答えと全選択肢の解説
正解:2 不浸透面と排水路の増加により、表面を流れる割合が高まり、河道まで届く時間が短くなった。
使う地理の知識:都市化は不浸透面の増加と排水経路の変化を通じて流出量・流出時間を変える。
判断の手順:ピーク時間の短縮と最大流量の増加を同時に読む。双方を説明する浸透・貯留の減少と排水路整備を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
速やかに排水する水路の機能と一時的に水をためる貯留の機能は違う。貯留量の増加は一般にピークを遅らせ緩める方向に働く。 - 選択肢2:正解
市街地の舗装は浸透を妨げ、排水路は水を河川へ速く集める。表面流の増加と移動時間の短縮が、早く高いピークを説明する。 - 選択肢3:不正解
森林減少では樹木による蒸発散は減る側に働く。流出が増える方向は合うが、水を大気へ戻す過程の変化が逆である。 - 選択肢4:不正解
不浸透面が増えると地下へ浸透する割合は低下する側に働く。地下水流出の増加で都市化後の速い流出を説明するのは適切でない。
復習のポイント:洪水流出は水量だけでなく、いつ集中するかまで比較する。
関連する一次資料:国土交通省:下水道による浸水対策国土交通省:流域治水の推進
GE258 / 300防災・環境・地域調査計算複合演習
土地被覆と貯留施設
40haの地区に100mmの雨が降る。流出率は森林時0.3、市街地化後0.7とする。市街地化による総流出量の増加分を一時的に受け入れる容量と、その治水上のねらいの組合せを選べ。1ha=10,000m²である。
- 16,000m³・河川へ流れ込む時刻を遅らせ、短時間への集中を弱める。
- 1,600m³・河川へ流れ込む時刻を遅らせ、短時間への集中を弱める。
- 28,000m³・河川の流下能力を増やし、下流への到達を早める。
- 16,000m³・河川の流下能力を増やし、下流への到達を早める。
答えと全選択肢の解説
正解:1 16,000m³・河川へ流れ込む時刻を遅らせ、短時間への集中を弱める。
使う地理の知識:雨量×面積×流出率で流出水量を概算できる。貯留施設は水量を一時的に受け止め流出の集中を緩める。
判断の手順:面積と雨量をm単位へ直す。流出率の差を掛けて増分を出し、貯留と排水促進の機能を区別する。
- 選択肢1:正解
降雨量は400,000×0.1=40,000m³。流出率の差0.4を掛けると増加分は16,000m³で、貯留は流出の時間分散をねらう。 - 選択肢2:不正解
100mmは0.1mである。単位換算か面積換算で一桁小さくなっている。増加率0.4を掛ける前の降雨総量を確認する。 - 選択肢3:不正解
28,000m³は市街地化後の総流出量であり増加分ではない。また貯留と河道の流下能力向上を取り違えている。 - 選択肢4:不正解
容量は正しいが、貯留のねらいを河道拡幅などと混同している。一時貯留は速やかな下流到達をねらうものではない。
復習のポイント:施設容量の計算では「総量か増加分か」と、施設が変える流出時刻を確認する。
関連する一次資料:国土交通省:下水道による浸水対策国土交通省:流域治水の推進
GE259 / 300防災・環境・地域調査地図読解複合演習
支流の合流と流量ピーク
位置関係を表す学習用模式図。実在地域の地図ではない。図の内容を文章で確認
上流Pと支流Qが合流点Rで合わさり下流へ流れる。Q側に貯留施設がある。線は河川。縮尺なし。
Rへ届く流量(m³/秒、学習用モデル値。12時前は0)| R到達時刻 | P由来 | Q由来 |
|---|
| 12時 | 20 | 20 |
| 13時 | 80 | 60 |
| 14時 | 40 | 20 |
| 15時 | 0 | 0 |
P・Qの水は合流点Rへ流れる。表はRへの到達時刻ごとの流量である。Qの貯留施設によりQ由来の流量を全体として1時間遅らせた場合、Rの最大合計流量はどう変わるか。途中の流入・損失はないモデルとする。
- 140から100m³/秒へ低下する。支流のピーク到達をずらすことが流域の治水につながる。
- 140から140m³/秒で変わらない。流域の総流出量が同じなら最大流量も変わらない。
- 100から60m³/秒へ低下する。合流後の最大流量は各支流の最大値の差で決まる。
- 140から180m³/秒へ上昇する。支流のピーク到達をずらすことで同時刻の流量が重なる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 140から100m³/秒へ低下する。支流のピーク到達をずらすことが流域の治水につながる。
使う地理の知識:流域の河川は合流し、同時に到達する流量が加算される。貯留で洪水ピークの重なりを弱めることができる。
判断の手順:まず同時刻のPとQを加える。次にQの列だけ1時間後へずらし、各時刻の合計を再比較する。
- 選択肢1:正解
遅延前は13時が80+60=140。Qを1時間遅らせると13時は80+20=100、14時は40+60=100で最大が低下する。 - 選択肢2:不正解
総水量が同じでも到達時間の分布が変わればピークは変わる。治水では量と時間の両方が重要である。 - 選択肢3:不正解
合流する水量は同時刻ごとに足す。最大値同士を引いて合流点の流量を計算することはできない。 - 選択肢4:不正解
遅らせるとPのピーク80とQのピーク60は別時刻になる。180m³/秒となる時刻は表から得られない。
復習のポイント:上流対策は下流への到達時間まで含めて評価する。
関連する一次資料:国土交通省:流域治水の推進
GE260 / 300防災・環境・地域調査事例判断基礎確認
斜面・谷の災害
山地の調査でPでは「急な崖の直下に崩れた岩塊」、Qでは「谷の出口の扇状の堆積地に、水と混ざって運ばれた巨礫」、Rでは「緩い斜面に連続する亀裂と、まとまって移動した地面」が記録された。対応する現象を選べ。
- P:がけ崩れ/Q:土石流/R:地すべり
- P:がけ崩れ/Q:地すべり/R:土石流
- P:土石流/Q:がけ崩れ/R:地すべり
- P:地すべり/Q:土石流/R:がけ崩れ
答えと全選択肢の解説
正解:1 P:がけ崩れ/Q:土石流/R:地すべり
使う地理の知識:がけ崩れ・土石流・地すべりは、地形と移動する物質・動き方によって区別する。
判断の手順:Pの傾斜と崖、Qの谷と水、Rの土塊のまとまりを読む。三つの名称をそれぞれ対応させる。
- 選択肢1:正解
急崖の崩壊、谷沿いを水と土砂が流下、斜面の土塊がすべり面に沿って移動という三つの特徴に対応する。 - 選択肢2:不正解
Qは水と巨礫が谷沿いに運ばれた土石流である。Rのまとまった地面の移動を流水の作用と混同している。 - 選択肢3:不正解
Pでは谷沿いの流れが示されず急崖の崩壊が示される。Qを崖直下の崩落だけで説明することはできない。 - 選択肢4:不正解
地すべりは比較的緩い斜面でも土塊がまとまって移動する。PとRの特徴を逆にしている。
復習のポイント:災害名を選ぶときは、斜面の傾き・谷との位置・水の関与を組み合わせる。
関連する一次資料:国土交通省:土砂災害とは
GE261 / 300防災・環境・地域調査地図読解標準演習
火山周辺の二つの移動
位置関係を表す学習用模式図。実在地域の地図ではない。図の内容を文章で確認
北が上。中央の火山の東側にP、南西側にQがある。上空の矢印は西から東へ向かう。火山から南西へ下る谷が描かれる。縮尺なし。
図の火山では、上空に達した細かい火山灰と、山腹の谷を流れる泥流を別々に検討する。上空は西風、山腹の主な谷は南西へ下る。各現象が広がる方向の組合せとして適切なものを選べ。
- 細かい火山灰:P側/谷沿いの泥流:Q側
- 細かい火山灰:P側/谷沿いの泥流:火口の北側
- 細かい火山灰:Q側/谷沿いの泥流:P側
- 細かい火山灰:火口の西側/谷沿いの泥流:Q側
答えと全選択肢の解説
正解:1 細かい火山灰:P側/谷沿いの泥流:Q側
使う地理の知識:細かい火山灰は上空の風に運ばれ、火山泥流は地表の谷に沿って流下する。風向は吹いてくる方角で表す。
判断の手順:西風を東向きに読み替える。次に泥流については上空の矢印から離れ、谷の下り方向を見る。
- 選択肢1:正解
西風は西から東へ吹くので、細かい灰は東側Pへ運ばれる。泥流は重力によって南西へ下る谷沿いのQへ向かう。 - 選択肢2:不正解
灰の方向はよいが、泥流が向かう方向は図の谷に対応させる。上空の風から泥流の行先は決められない。 - 選択肢3:不正解
上空の風と谷の下り方向を逆に割り当てている。空中の灰と地表の泥流は移動を支配する条件が違う。 - 選択肢4:不正解
西風は西へ向かう風ではない。風向は吹いてくる方角で呼ぶため、火山灰の風下は東側になる。
復習のポイント:火山災害は現象ごとに風と地形のどちらを読むか切り替える。
関連する一次資料:気象庁:火山防災の日・主な火山現象
GE262 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
積雪期と噴火後の降雨
火山地域の二つの記録を示す。Pは積雪期の噴火直後に、火口付近から水と土砂が混ざって谷を流下した。Qは無積雪期に厚い火山灰が降り積もり、その後の大雨で谷に大量の土砂が流れた。両者を説明する組合せを選べ。
- Pは高温ガスと火山灰が一体となる火砕流、Qは降雨で堆積物が再移動した土石流・泥流に対応する。
- Pは融雪を伴う火山泥流、Qは降雨で堆積物が再移動した土石流・泥流に対応する。
- Pは地盤の液状化による噴砂、Qは堆積した火山灰が高温ガスとともに動いた火砕流に対応する。
- Pは融雪を伴う火山泥流、Qは噴火後も地中のマグマが流れ出た溶岩流に対応する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Pは融雪を伴う火山泥流、Qは降雨で堆積物が再移動した土石流・泥流に対応する。
使う地理の知識:火山泥流は水と土砂の混合物が流れ、融雪や降雨が水を供給する。火砕流は高温の噴出物と火山ガス、溶岩流は溶融した岩石の流れである。
判断の手順:Pは積雪期の噴火、Qは無積雪期の降雨後と発生時点を区別する。水を含む土砂の流れという記録を、火砕流・溶岩流の構成物と比較する。
- 選択肢1:不正解
火砕流は高温の火山灰・岩塊と火山ガスが一体となって流下する現象で、水と土砂の混合物である泥流とは異なる。Qの説明は合う。 - 選択肢2:正解
Pは噴火時の熱による融雪が水を供給する火山泥流と考えられる。Qは降雨が火山灰などの堆積物を再移動させた現象で、噴火が続かなくても生じ得る。 - 選択肢3:不正解
Pの積雪期の噴火と水・土砂の流下を、砂質地盤の噴砂と取り違えている。Qも雨で再移動した土砂であって、高温ガスを伴う火砕流ではない。 - 選択肢4:不正解
Pは合うが、Qは降雨後に堆積物が動いている。溶融した岩石が火口などから流れ出る溶岩流と区別する。
復習のポイント:火山周辺の流れは、動く物質・水の供給源・発生時点を組み合わせて見分ける。
関連する一次資料:気象庁:火山防災の日・主な火山現象
GE263 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
異なる浸水想定の重ね合わせ
ある地点Xは河川洪水図では着色がなく、内水浸水図では着色がある。Xは川沿いの微高地の背後にある住宅地である。二つの地図が両立する理由として適切なものを選べ。
- 河川洪水図は川から離れた場所の浸水を対象外とし、内水浸水図は本流の堤防決壊を主に表示するため。
- 河川からの氾濫を受けない想定でも、背後の低地で雨水の排出が妨げられる想定が成り立つため。
- 河川洪水図は年平均の降水で、内水浸水図は短時間の降水で想定するため、前者では平地の雨水流出が小さくなる。
- 内水浸水図は流域から河川へ集まる水を、河川洪水図は市街地から海へ排水される水を主に表示するため。
答えと全選択肢の解説
正解:2 河川からの氾濫を受けない想定でも、背後の低地で雨水の排出が妨げられる想定が成り立つため。
使う地理の知識:河川洪水と内水氾濫は水の流入・排出過程が異なる。想定する現象と条件をそろえて地図を読む。
判断の手順:地図名から想定現象を分ける。次にXの背後低地という地形を、内水の排出困難と結び付ける。
- 選択肢1:不正解
河川洪水は決壊箇所から離れた場所にも及び得る。内水は本流決壊による外水ではなく、域内の排水過程を扱う。 - 選択肢2:正解
河川からあふれる外水と、地域内の雨水の排出不足による内水は異なる。背後の低地は内水がたまりやすい場合がある。 - 選択肢3:不正解
河川洪水の浸水想定は年平均雨量で描くものではない。各想定降雨の条件と河川・排水施設のモデルを確認する必要がある。 - 選択肢4:不正解
内水と外水を地形的な位置だけで入れ替えている。内水は域内雨水の排出不良、河川洪水は河川からの氾濫を扱う。
復習のポイント:無着色の意味は凡例と想定現象を確認し、別の災害図と比較する。
関連する一次資料:国土交通省:下水道による浸水対策国土地理院:土地条件図
GE264 / 300防災・環境・地域調査事例判断基礎確認
沿岸の土地履歴と災害記録
古い津波碑には「当時の浜から約300m内陸まで浸水」とある。同じ方向の旧版地図と現在図を重ねると、埋立てにより海岸線は約600m沖へ移っていた。碑の位置と内容は移されていない。読み取りとして適切なものを選べ。
- 埋立てによる海岸線の後退なので、当時の浸水到達点は現在の海岸から約300m海側に対応する。
- 埋立てによる海岸線の前進なので、当時の浸水到達点は現在の海岸から約300m内陸に対応する。
- 埋立てによる海岸線の後退なので、当時の浸水到達点は現在の海岸から約900m内陸に対応する。
- 埋立てによる海岸線の前進なので、当時の浸水到達点は現在の海岸から約900m内陸に対応する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 埋立てによる海岸線の前進なので、当時の浸水到達点は現在の海岸から約900m内陸に対応する。
使う地理の知識:埋立てで陸地が海側へ広がると海岸線は前進する。古い記録の距離は、記録当時の基準線を復元して読む。
判断の手順:旧海岸から現在海岸へは沖向き600m、旧海岸から到達点へは内陸向き300mと位置を置く。現在海岸から到達点までの900mを求める。
- 選択肢1:不正解
埋立てによる移動方向を逆にしている。旧浸水到達点は現在の海岸よりさらに内陸側に位置し、海側へ移るわけではない。 - 選択肢2:不正解
旧海岸を基準にした300mを、新海岸を基準にした距離として使っている。海岸線が前進した600mを加える必要がある。 - 選択肢3:不正解
距離は正しいが、陸地が海側へ広がる変化は海岸線の前進である。侵食などで陸側へ移る後退と区別する。 - 選択肢4:正解
海岸線が沖へ600m前進したので、旧海岸より内陸300mの到達点までの距離は600+300=900mとなる。これは昔の記録の位置復元で、現在の津波の到達範囲の予測とは別である。
復習のポイント:過去と現在の地図は基準点をそろえる。昔の到達点を復元した距離を、そのまま将来の浸水予測に使わない。
関連する一次資料:国土地理院:自然災害伝承碑国土地理院:土地条件図
GE265 / 300防災・環境・地域調査統計読解基礎確認
施設の指定と地形条件
架空市の指定状況(学習用)| 施設 | 立地 | 指定避難所 | 緊急:洪水 | 緊急:土砂災害 | 緊急:地震 |
|---|
| A | 河川近くの低地 | あり | なし | あり | あり |
| B | 段丘上・急斜面に隣接 | なし | あり | なし | あり |
表は架空市の施設の指定状況である。「被災後に滞在する施設」と「災害から緊急に退避する場所」の違いも踏まえて、適切な説明を選べ。実際の避難先を選ぶ問題ではない。
- Aの避難所指定から洪水時の緊急退避先とは判断できず、低地という立地も洪水の指定欄と合わせて読む。
- Aは避難所なので洪水時も緊急退避に使え、Bの洪水指定は長期滞在設備が整うことを示している。
- Bは洪水の緊急退避先なので土砂災害にも使え、段丘上という地形は災害種別による違いをなくす。
- Aの洪水不指定は地震時の退避にも不適という意味で、Bの段丘という地形は土砂災害の指定を補う条件になる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 Aの避難所指定から洪水時の緊急退避先とは判断できず、低地という立地も洪水の指定欄と合わせて読む。
使う地理の知識:指定緊急避難場所は災害種別に応じた退避先、指定避難所は被災者が滞在する施設である。
判断の手順:二つの指定の目的を区別する。次に洪水・土砂災害それぞれの欄と低地・斜面の立地を照合する。
- 選択肢1:正解
指定避難所と指定緊急避難場所は役割が違う。Aは避難所でも洪水の緊急避難場所ではなく、立地条件を災害別に読む必要がある。 - 選択肢2:不正解
避難所指定は洪水からの緊急退避の適否をそのまま保証しない。逆に緊急避難場所指定から長期滞在設備も判断できない。 - 選択肢3:不正解
Bは段丘上でも急斜面に隣接している。洪水への適否と土砂災害への適否は別で、表の土砂災害欄も不指定である。 - 選択肢4:不正解
指定は災害種別ごとであり、Aには地震の指定がある。Bの段丘面という位置だけで隣接斜面の危険を除くこともできない。
復習のポイント:施設名や一種類の指定だけで判断せず、災害種別と地形条件を読む。
関連する一次資料:内閣府:避難場所に関すること国土地理院:土地条件図
GE266 / 300防災・環境・地域調査地図読解基礎確認
交通網と共通する途絶地点
位置関係を表す学習用模式図。実在地域の地図ではない。図の内容を文章で確認
Xから橋Pと橋Qに分岐し、再び合流して区間Sを通りYに至る。別の代替路RはXからSを通らずYに至る。全道路は双方向。縮尺なし。
図ではXからYへ橋Pまたは橋Qを使って向かえるが、両経路は谷の道路区間Sを共通に通る。Sだけが土砂で通れない場合の接続と、代替路Rの役割の組合せを選べ。
- 橋PとQが残るのでXとYはつながり、Rは橋の数を増やさないため代替路にはならない。
- 橋が二つあってもXとYはつながらず、Sを通らないRはこの途絶に対する代替路になる。
- Sが途絶してもY側からXへはつながり、RはX側からだけ必要となる片方向の代替路になる。
- 橋P側だけが途絶しQ側はつながるため、RはSを通る経路を短縮する役割になる。
答えと全選択肢の解説
正解:2 橋が二つあってもXとYはつながらず、Sを通らないRはこの途絶に対する代替路になる。
使う地理の知識:災害時の道路の代替性は、本数だけでなく経路が共通の危険箇所を通るかで評価する。
判断の手順:XからP・Qの両経路をたどりSが共通と確認する。次にRがSを通らずYに達することを確認する。
- 選択肢1:不正解
橋の本数だけで経路の独立性は判断できない。共通の道路区間が途絶すれば二つの橋を使った経路も使えない。 - 選択肢2:正解
二つの橋の先に共通区間Sがあるため、そこが切れれば両方の既存経路が失われる。RはSを迂回して接続を確保する。 - 選択肢3:不正解
図の道路は双方向であり、途絶は往復どちらの接続にも影響する。進行方向で結論が変わる条件はない。 - 選択肢4:不正解
Qの経路もSを通るので同時に途絶する。図の分岐と合流を追い、橋ごとに独立だと決めつけない。
復習のポイント:複数の道があっても、共通して通る橋・谷・斜面を探す。
関連する一次資料:国土地理院:土地条件図国土交通省:コンパクト・プラス・ネットワーク
GE267 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
台風と湾の向き
北が上で南へ開く遠浅の湾を想定する。台風が湾の西側を北上したとき、湾奥の海面を押し上げやすい風と理由の組合せを選べ。低気圧による吸い上げ効果も加わるが、ここでは風の作用を問う。
- 北寄りの風・湾奥から湾口へ海水を吹き出すため。
- 北寄りの風・湾口側の海底が浅いほど海水が沖へ出にくいため。
- 南寄りの風・湾奥の海水を沖へ排出して水圧を下げるため。
- 南寄りの風・湾口から湾奥へ海水を吹き寄せるため。
答えと全選択肢の解説
正解:4 南寄りの風・湾口から湾奥へ海水を吹き寄せるため。
使う地理の知識:北半球の台風周辺では反時計回りの風が吹く。沖から湾奥へ向かう風は高潮の吹き寄せ効果を強める。
判断の手順:湾の西側を北上する台風に対して湾が東側に位置すると読む。南風と、南に開く湾の海水移動方向を合わせる。
- 選択肢1:不正解
北風はこの湾では沖へ向かう方向である。吹き寄せによる湾奥の海面上昇を説明する方向が逆である。 - 選択肢2:不正解
湾の開きと風向を合わせると北風は湾口へ向かう。遠浅で吹き寄せが強まりやすいことを風向を無視して使っている。 - 選択肢3:不正解
風向は合うが海水の移動方向が逆である。南からの風は湾口から湾奥へ吹く。 - 選択肢4:正解
南に開く湾で南から吹く風は、海水を北側の湾奥へ押す。台風の東側で南寄りの強い風となる配置と対応する。
復習のポイント:高潮は台風との位置関係、風向、湾が開く方向を一組で考える。
関連する一次資料:気象庁:台風に伴う高潮
GE268 / 300防災・環境・地域調査統計読解標準演習
時刻による都市の気温差
資料(学習用モデル値)| 時刻 | A:市街地 | B:郊外緑地 |
|---|
| 6時 | 25℃ | 23℃ |
| 14時 | 32℃ | 31℃ |
| 22時 | 29℃ | 25℃ |
同じ標高で海からの距離もほぼ等しい中心市街地Aと郊外緑地Bを、晴天・弱風日に比べた。資料と都市の熱環境に合う説明を選べ。
- 差が最も大きいのは6時で、都市の熱は標高差による気温減率で説明できる。
- 差が最も大きいのは22時で、人工被覆は緑地より日中の熱を失いやすいため市街地が高温になる。
- 差が最も大きいのは14時で、緑地の蒸発散は日中より夜間に強まるため昼の差が縮まる。
- 差が最も大きいのは22時で、人工被覆の蓄熱や建物による放射冷却の弱まりが夜の差に関係する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 差が最も大きいのは22時で、人工被覆の蓄熱や建物による放射冷却の弱まりが夜の差に関係する。
使う地理の知識:都市の人工被覆と建物の密集は蓄熱や放射冷却に影響する。ヒートアイランドの強さは時刻・天候で変わる。
判断の手順:各時刻の差を求める。夜の差が大きいことを、蓄熱と放射冷却の仕組みに結び付ける。
- 選択肢1:不正解
最大差は22時であり、両地点の標高もそろえている。高度差による低温を主因とする条件ではない。 - 選択肢2:不正解
時刻は合うが、蓄えた熱を夜も保持・放出することが市街地の高温に関係する。熱を失いやすいという説明が逆である。 - 選択肢3:不正解
最大差は14時ではない。緑地の蒸発散による冷却は日射がある日中に重要で、提示した因果も逆である。 - 選択肢4:正解
差は6時2℃、14時1℃、22時4℃。人工被覆が日中の熱を保持し、建物の密集も夜間の冷却を妨げる。
復習のポイント:気温差は一日の平均だけでなく、日中と夜間で分けて読む。
関連する一次資料:気象庁:ヒートアイランド現象の要因
GE269 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
都市気温の比較地点
海岸から内陸へ向けて地形が高くなる都市で、舗装の多い場所と緑地の土地被覆による気温差を調べたい。観測機器・高さ・日射を避ける条件をそろえることに加え、最も比較条件をそろえた計画はどれか。
- 海岸の舗装地と標高500mの内陸緑地で、同時刻の観測を繰り返す。
- 近接した二地点で、舗装地は正午、緑地は日没後に観測して比べる。
- 同じ標高の海岸舗装地と内陸緑地で、海風の入る時刻に限定して比べる。
- 標高と海からの距離が近い二地点で、同時刻の観測を繰り返す。
答えと全選択肢の解説
正解:4 標高と海からの距離が近い二地点で、同時刻の観測を繰り返す。
使う地理の知識:気温には土地被覆のほか標高・海陸位置・時刻が影響する。地域調査では比較したい要因以外をそろえる。
判断の手順:都市内の標高勾配と海陸差を確認する。それらと観測時刻が近い組合せを選ぶ。
- 選択肢1:不正解
標高差による気温低下が混ざるため、観測差を舗装・緑地の差だけに帰すことはできない。 - 選択肢2:不正解
場所が近くても観測時刻が異なると日変化を含む。市街地と緑地で同時刻に測ることが重要である。 - 選択肢3:不正解
標高はそろうが海からの距離が異なり、海風の影響も違い得る。土地被覆の比較に別の要因が強く混ざる。 - 選択肢4:正解
標高による気温差、海の影響、時刻の違いをできるだけそろえることで、土地被覆の差を検討しやすくなる。
復習のポイント:地域差を調べるときは、土地利用と自然条件の効果を混同しない。
関連する一次資料:気象庁:ヒートアイランド現象の要因総務省統計局 Data StaRt:相関と回帰
GE270 / 300防災・環境・地域調査統計読解基礎確認
農業地域の気候対策
架空の水稲栽培地域の計画(学習用)| 対策 | 内容 |
|---|
| P | 乾燥機の省エネ化で燃料使用とCO₂排出を減らす |
| Q | 登熟期の高温でも品質が低下しにくい品種を導入する |
水稲栽培地域がP・Qの対策を行う。主な目的に基づく「緩和」「適応」の分類を選べ。
- P:適応/Q:緩和
- P:緩和/Q:適応
- P:緩和/Q:緩和
- P:適応/Q:適応
答えと全選択肢の解説
正解:2 P:緩和/Q:適応
使う地理の知識:気候変動の緩和は温室効果ガス排出の削減など、適応は変化による影響を軽減する対応である。
判断の手順:Pが変えるのは排出量、Qが変えるのは高温被害への耐性と確認する。各主目的を緩和・適応に対応させる。
- 選択肢1:不正解
原因となる排出の削減と、影響への対応を逆にしている。対策の主目的を一つずつ読む。 - 選択肢2:正解
Pは燃料使用を減らして温室効果ガスの排出を抑える緩和、Qは高温による品質低下への対応である適応に当たる。 - 選択肢3:不正解
高温耐性品種の導入は高温影響を小さくする主目的であり、排出削減そのものを主目的とする対策ではない。 - 選択肢4:不正解
乾燥機の燃料削減はここでは排出削減が主目的である。影響への備えと原因物質の抑制を区別する。
復習のポイント:対策の名称ではなく、原因を減らすのか影響に備えるのかで分類する。
関連する一次資料:国立環境研究所 A-PLAT:気候変動適応とは
GE271 / 300防災・環境・地域調査計算複合演習
貿易と排出量の集計
資料(学習用モデル値)| 地域 | 人口:百万人 | 域内排出:百万t | 輸入品:百万t | 輸出品:百万t |
|---|
| A | 10 | 100 | 30 | 10 |
| B | 2 | 40 | 5 | 25 |
消費に対応する排出量を「域内排出+輸入品の生産時排出−輸出品の生産時排出」で求める教材モデルを用いる。表から得られる結果と、輸入・輸出を考慮する理由の組合せを選べ。
- 1人当たりはAが12t、Bが10tとなる。製造の域外移転で、生産地と消費地の排出の見え方が変わる。
- 1人当たりはAが120t、Bが20tとなる。消費に対応する排出では人口を使わず総量を比べる。
- 1人当たりはAが8t、Bが30tとなる。輸入を増やした地域の消費に対応する排出を差し引く。
- 1人当たりはAが10t、Bが20tとなる。輸入品の生産時排出は域内排出の数字に含まれている。
答えと全選択肢の解説
正解:1 1人当たりはAが12t、Bが10tとなる。製造の域外移転で、生産地と消費地の排出の見え方が変わる。
使う地理の知識:国際分業では製造する場所と消費する場所が離れる。排出量は集計範囲と人口などの分母をそろえて比較する。
判断の手順:輸入・輸出の排出を域内排出へ加減する。次に人口で割り、生産基準の場合と順位が変わる理由を考える。
- 選択肢1:正解
Aは(100+30−10)÷10=12、Bは(40+5−25)÷2=10。域内生産に伴う排出と、その製品を使う地域に対応する排出は異なる。 - 選択肢2:不正解
120と20は総量で、単位は百万tである。1人当たりのtへ直すには人口の百万人で割る。 - 選択肢3:不正解
輸入と輸出の符号が逆である。消費する輸入品を加え、域外で消費される輸出品を差し引く。 - 選択肢4:不正解
これは域内排出だけを人口で割った値である。輸入品の生産時排出は域外で生じるので、域内排出に含まれない。
復習のポイント:環境負荷の地域比較では、生産地基準か消費地基準かを先に確かめる。
関連する一次資料:OECD:CO₂ emissions embodied in international trade and domestic final demand
GE272 / 300防災・環境・地域調査計算複合演習
電源構成と総排出量
ある地域の発電量は基準年の100から比較年の140へ増え、火力の割合は50%から35%になった。火力の発電1単位当たりCO₂排出は一定、その他の電源の発電時排出は0とする。比較年の発電時総排出量と説明の組合せを選べ。
- 基準年より10%増える。発電量の40%増から火力比率の30%減を引いて求める。
- 基準年より30%減る。火力比率が50%から35%へ下がった割合が総排出量の変化となる。
- 基準年より15%減る。火力比率の差15ポイントが総排出量の削減率となる。
- 基準年より2%減る。火力比率の低下と総発電量の増加を合わせて判断する必要がある。
答えと全選択肢の解説
正解:4 基準年より2%減る。火力比率の低下と総発電量の増加を合わせて判断する必要がある。
使う地理の知識:電源構成の比率と発電の総量は別の指標である。排出係数が同じなら火力発電量の変化が排出量の変化に対応する。
判断の手順:両年の火力発電量を総量×構成比で求める。基準年の50を分母として比較年49への変化率を出す。
- 選択肢1:不正解
増減率は引き算では結び付けられない。比較年の火力発電量は総量と構成比を掛けて求める。 - 選択肢2:不正解
30%は火力の構成比の相対的な減少率である。総発電量が増えているので、そのまま総排出量には使えない。 - 選択肢3:不正解
15ポイントは構成比の差であって排出削減率ではない。割合の差と総量の変化を分けて考える。 - 選択肢4:正解
火力発電量は100×0.5=50から140×0.35=49へ変わる。排出係数一定なら総排出量も1÷50=2%減となる。
復習のポイント:環境改善は比率だけで判断せず、経済活動の総量も掛け合わせる。
関連する一次資料:国立環境研究所 A-PLAT:気候変動適応とは
GE273 / 300防災・環境・地域調査計算複合演習
食料の生産地と輸送
野菜1kg当たりkg-CO₂(学習用モデル値)| 経路 | 生産段階 | 輸送段階 |
|---|
| A:近郊・暖房栽培 | 1.80 | 0.03 |
| B:海外・露地栽培 | 0.60 | 0.20 |
同じ品質・重量の野菜1kgを同じ市場に届ける二経路を比較する。地域Aは市場近くで暖房栽培、Bは暖かい海外で露地栽培し船で運ぶ。Aの生産段階の排出を70%減らせた場合の評価を選べ。その他の条件は変わらない。
- 改善後のAは1.29kg-CO₂でBの0.80を上回る。生産段階の排出が元の70%残るとして比較する。
- 改善後のAは0.57kg-CO₂でBの0.80を下回る。輸送距離に加えて栽培時のエネルギーを比較する必要がある。
- 改善後のAは0.549kg-CO₂でBの0.80を下回る。生産と輸送の合計を70%削減する条件で比べる。
- 改善後のAは0.57kg-CO₂でBの0.80を下回る。主な差は生産地と市場の距離が短くなった効果である。
答えと全選択肢の解説
正解:2 改善後のAは0.57kg-CO₂でBの0.80を下回る。輸送距離に加えて栽培時のエネルギーを比較する必要がある。
使う地理の知識:食料の環境負荷には生産方法、輸送手段・距離など複数段階が関係する。近さだけで負荷の大小は決まらない。
判断の手順:削減対象がAの生産段階であることを確認する。各経路の生産・輸送を合計して改善前後を比較する。
- 選択肢1:不正解
70%削減は元の30%が残ることを意味する。70%が残ると読み違えると1.80×0.70+0.03=1.29となる。 - 選択肢2:正解
Aは1.80×0.30+0.03=0.57、Bは0.60+0.20=0.80。距離だけではなく栽培方法と輸送方法の両方が比較に必要となる。 - 選択肢3:不正解
設問で改善するのはAの生産段階であり輸送段階ではない。合計1.83へ0.30を掛けると削減対象を広げてしまう。 - 選択肢4:不正解
大小関係は正しいが、Aの輸送距離と輸送排出は改善前後で変えていない。順位が逆転した主因は暖房栽培の生産段階の省エネである。
復習のポイント:地産地消などの取組を評価するときも、生産から輸送までの条件を具体的に比べる。
関連する一次資料:農林水産省:食生活と環境との関連
GE274 / 300防災・環境・地域調査統計読解標準演習
季節と発電資源
資料(学習用モデル値)| 地点 | 7月の発電量 | 1月の発電量 |
|---|
| P:太平洋側 | 120MWh | 95MWh |
| Q:日本海側 | 118MWh | 35MWh |
同じ設備容量の太陽光発電を日本の太平洋側Pと日本海側Qで比べた。両地点は同緯度・同標高で、設備故障はない。表の冬の違いを説明し、Qで冬の供給を補う候補を示すものを選べ。
- Qは冬の季節風が山を越えた風下に当たり、晴天が多い。冬の太陽光発電を夏並みに見込む。
- Qは冬の雲や降雪で日射が少なくなりやすい。冬の季節風を利用できる場所の風力発電が補完候補となる。
- Qは冬の雲や降雪で日射が少なくなりやすい。河川水が積雪として蓄えられる真冬の流れ込み式水力を最大供給源に見込む。
- Qは冬の雲や降雪で日射が少なくなりやすい。揚水発電を、揚水に使う電力を差し引かずに新たなエネルギー源として見込む。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Qは冬の雲や降雪で日射が少なくなりやすい。冬の季節風を利用できる場所の風力発電が補完候補となる。
使う地理の知識:日本海側は冬の季節風で雪雲が生じやすい。電源を組み合わせる際は季節性と、発電資源・蓄電機能の違いを区別する。
判断の手順:同緯度のP・Qの冬の差を季節風と山地の風上・風下で説明する。次に冬の風・河川流量と、揚水発電のエネルギー収支を区別して補完策を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
日本海側は冬の季節風の風上側で雪雲の影響を受けやすい。太平洋側の風下での乾燥・晴天と地域を逆にしている。 - 選択肢2:正解
同緯度なら太陽高度の季節変化はほぼ共通。日本海側の冬の曇天・降雪と、強い季節風という地域条件を合わせて判断する。 - 選択肢3:不正解
日射の説明はよいが、積雪の水が融雪して流出する時期と真冬を取り違えている。貯水池を持たない流れ込み式の供給を積雪量から直ちに最大と見込めない。 - 選択肢4:不正解
揚水発電は水をくみ上げる電力を使ってエネルギーを蓄える。需給の時間調整には役立つが、揚水に必要な電力を無視して独立のエネルギー供給源とは評価できない。
復習のポイント:再生可能エネルギーは年総量に加え、季節ごとの得意・不得意を比べる。
関連する一次資料:気象庁:日本の気候国立環境研究所 A-PLAT:気候変動適応とは
GE275 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
熱帯の斜面耕地
雨季のある熱帯の丘陵で森林が畑へ転換され、雨季に川の濁りが増えた。裸地の畝は斜面の上下方向に長く続いている。表土流出を抑えつつ既存農地を使う改善として、地形と降雨の作用に合うものはどれか。
- 等高線に沿う植生帯を設け、収穫後も地表を植物残渣などで覆う。
- 等高線に沿って植生帯を設ける一方、帯の間は収穫後に被覆物を除き、雨季の裸地を広げる。
- 斜面の上下方向の畝を長くつなぎ、雨水をまとめて速く流す。
- 下流の川幅を広げ、上流斜面の畝の方向と地表被覆は維持する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 等高線に沿う植生帯を設け、収穫後も地表を植物残渣などで覆う。
使う地理の知識:斜面の表土流出は強い降雨、地表被覆、傾斜方向の流れに影響される。森林除去後の裸地化は侵食を強め得る。
判断の手順:侵食が起こる場所を上流斜面と特定する。雨滴の衝撃と斜面流の両方を弱める対策を選ぶ。
- 選択肢1:正解
等高線方向の植生帯は斜面を流れる水の勢いを弱め、地表被覆は雨滴が土を直接たたく作用を抑える。既存耕地の表土保全につながる。 - 選択肢2:不正解
植生帯の方向はよいが、その間の裸地では雨滴の衝撃や表面流で土が流出しやすい。雨季にも地表被覆を保つ案の方が、発生源の表土を保護できる。 - 選択肢3:不正解
斜面方向に水を集中させると侵食を強め得る。速く排水することと表土を保全することを混同している。 - 選択肢4:不正解
下流の川幅の変更は上流畑の表土流出そのものを抑えない。発生源の斜面で水の流れと被覆を変える必要がある。
復習のポイント:流域の問題は下流の現象だけでなく、上流の土地利用にさかのぼって考える。
関連する一次資料:環境省:砂漠化対策国土交通省:流域治水の推進
GE276 / 300防災・環境・地域調査事例判断基礎確認
回収容器と地域の条件
Pは空き瓶を洗浄して同じ容器として再使用、Qは空き瓶を砕いて原料に戻し別の瓶に製造する。P・Qの分類と、Pの環境負荷を比べる際に必要な地域条件の組合せを選べ。
- P:リユース/Q:リデュース/回収先の分布と原料加工拠点までの輸送距離。
- P:リデュース/Q:リサイクル/回収先の分布と洗浄拠点までの輸送距離。
- P:リサイクル/Q:リユース/回収先の分布と洗浄拠点までの輸送距離。
- P:リユース/Q:リサイクル/回収先の分布と洗浄拠点までの輸送距離。
答えと全選択肢の解説
正解:4 P:リユース/Q:リサイクル/回収先の分布と洗浄拠点までの輸送距離。
使う地理の知識:リユースは製品の再使用、リサイクルは材料としての再資源化である。回収網の空間的な条件も環境負荷に関わる。
判断の手順:工程の違いから名称を対応させる。次に回収先が集中・分散する地域で輸送距離が変わることを考える。
- 選択肢1:不正解
Qは使用済みの瓶を原料に戻して再製造するリサイクルである。ごみの発生抑制というリデュースと工程を区別する。 - 選択肢2:不正解
Pは使った製品をそのまま再使用するリユースである。資源投入を減らす効果はあり得るが、示された工程の分類をリデュースとしない。 - 選択肢3:不正解
再使用と再資源化の名称が逆である。洗浄して同じ瓶を使う過程と、溶かし直す過程を分ける。 - 選択肢4:正解
形を保った再使用はリユース、原料として再資源化するのはリサイクルである。回収や洗浄の輸送条件も負荷に関係する。
復習のポイント:資源循環は処理方法の名称に加えて、回収と輸送の地理的条件も読む。
関連する一次資料:環境省:リユースの推進
GE277 / 300防災・環境・地域調査計算複合演習
観光地のごみ指標
人口1万人で1年365日の観光地に、年間73万人日の観光客滞在があった。住民と観光客が出すごみの合計は2,190tである。人口は一定、1人日とは1人が1日滞在する量である。住民・観光客の合計滞在人日で割った値と、その意義を選べ。
- 3,000g/人日となり、観光客だけで割った値と同じである。ごみの発生主体は観光客として集計される。
- 600g/人日となり、住民人口だけで割る値と同じである。観光客は定住者でないので分母に入らない。
- 500g/人日となり、住民人口だけで割る600g/人日より小さい。観光客の活動を分母に含めた比較になる。
- 600g/人日となり、観光客の年延べ人数を年間日数で割らず定住人口へ足すことで比較条件がそろう。
答えと全選択肢の解説
正解:3 500g/人日となり、住民人口だけで割る600g/人日より小さい。観光客の活動を分母に含めた比較になる。
使う地理の知識:観光地では定住人口と実際に活動する人口が異なる。1人当たり指標は分子に対応した分母で作る。
判断の手順:住民と観光客の延べ滞在人日を合計する。単位をgに直して割り、定住人口のみの場合と比較する。
- 選択肢1:不正解
3,000gは観光客73万人日だけで割った値である。資料のごみ量は住民と観光客の合計なので対象が合わない。 - 選択肢2:不正解
600gは2,190tを住民の365万人日だけで割った値である。設問では観光客の滞在も分母へ加える。 - 選択肢3:正解
住民365万人日と観光客73万人日で438万人日。2,190,000,000g÷4,380,000=500gとなり、活動量に近い分母へ変わる。 - 選択肢4:不正解
観光客の73万人日は延べ滞在量であり、1万人という人口へそのまま足すと単位が異なる。分母は住民と観光客の人日でそろえる。
復習のポイント:地域負担を人口で割るときは、観光客や通勤者の活動も分子と対応させる。
関連する一次資料:観光庁:日本版持続可能な観光ガイドライン総務省統計局:全数調査・標本調査
GE278 / 300防災・環境・地域調査計算複合演習
乾燥地域の灌漑と取水
乾燥地域で農業取水60のうち作物に有効に使われる水は18、その他の用途の取水は40である。作物への有効水量18を保ち、有効利用率を30%から45%へ高めると、総取水は何%減るか。あわせて乾燥地の灌漑で留意する土壌問題を選べ。
- 総取水は15%減る。塩類集積への対策では、土中の塩を水に溶かして排出する排水経路も検討する。
- 総取水は20%減る。塩類集積への対策では、土壌表面からの蒸発を促して表層の塩を下層へ移す。
- 総取水は20%減る。塩類集積への対策では、土中の塩を水に溶かして排出する排水経路も検討する。
- 総取水は30%減る。塩類集積への対策では、土壌表面からの蒸発を促して表層の塩を下層へ移す。
答えと全選択肢の解説
正解:3 総取水は20%減る。塩類集積への対策では、土中の塩を水に溶かして排出する排水経路も検討する。
使う地理の知識:乾燥地では灌漑水の蒸発によって塩類集積が起こり得る。取水量と作物が使う有効水量も区別する。
判断の手順:一定の有効水量を改善後の利用率で割る。他用途を足して削減率を求め、塩類と水の移動を区別する。
- 選択肢1:不正解
排水に関する説明は合うが、15ポイントは有効利用率の差である。作物へ必要な水量18を改善後の率で割って取水量を求める。 - 選択肢2:不正解
削減率は正しいが、表面からの蒸発は地下から上向きの水移動と塩類の表層への集積につながり得る。下方へ洗い流す過程と逆である。 - 選択肢3:正解
農業取水は18÷0.45=40で、総取水は100から80へ20%減。灌漑で入る塩などを溶かして排出する経路が塩類集積対策の検討対象になる。 - 選択肢4:不正解
削減率は農業取水だけでも30%ではなく約33.3%、総取水なら20%である。蒸発促進と下方への塩の溶脱も逆にしている。
復習のポイント:節水の量的評価と、乾燥地の土壌・排水条件を同時に考える。
関連する一次資料:環境省:砂漠化対策
GE279 / 300防災・環境・地域調査地図読解複合演習
湾に流れ込む負荷
位置関係を表す学習用模式図。実在地域の地図ではない。図の内容を文章で確認
河川AとBが閉鎖性の湾に流れ込む。経路を表す線の長さは流量や距離に対応しない。
資料(学習用モデル値)| 河川 | 窒素濃度 | 流量 |
|---|
| A | 2mg/L | 10m³/秒 |
| B | 4mg/L | 3m³/秒 |
図の河川A・Bが閉鎖性の湾へ流れ込む。表の濃度と流量は同時に測ったモデル値で、湾までの途中で窒素の出入りはない。窒素負荷の比較と、過剰な栄養塩がもたらし得る現象を選べ。
- AとBを合わせた濃度は3mg/Lとなる。湾への負荷の比較では河川ごとの濃度を等しい重みで平均する。
- Bの窒素負荷がAより大きい。濃度が高い河川ほど流量によらず負荷が大きい。
- Aの窒素負荷がBより大きい。植物プランクトン増殖後の分解が底層の酸素を消費し得る。
- Aの窒素負荷がBより大きい。植物プランクトンの死骸の分解は底層へ酸素を供給する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 Aの窒素負荷がBより大きい。植物プランクトン増殖後の分解が底層の酸素を消費し得る。
使う地理の知識:汚濁負荷量は濃度と流量を掛けて考える。閉鎖性海域では過剰な栄養塩と有機物分解による酸素消費が問題になる。
判断の手順:二河川の濃度×流量を比べる。次に栄養塩増加、プランクトン増殖、分解時の酸素消費を順に結ぶ。
- 選択肢1:不正解
混合後の濃度は流量で重み付けする必要があり、(2×10+4×3)÷13=約2.46mg/Lとなる。単純平均3mg/LではAの大きな流量を反映しない。 - 選択肢2:不正解
濃度はBが高いが流量はAが大きい。負荷の大小には両者の積が必要で、濃度だけでは比較できない。 - 選択肢3:正解
負荷は濃度×流量に比例し、Aは2×10=20、Bは4×3=12でAが大きい。有機物の分解は酸素を消費する。 - 選択肢4:不正解
負荷の比較は正しいが、分解で酸素を消費する過程を逆にしている。底層の酸素不足につながり得る。
復習のポイント:水質濃度と流れ込む総量を区別し、流域から湾内までの過程を追う。
関連する一次資料:環境省:閉鎖性海域の水質保全対策
GE280 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
湿地と炭素の動き
冷涼で常時水を含む湿地には、分解されにくい植物遺体が厚く積もっている。排水路を掘って地下水面を下げた後、地表面の沈下とCO₂放出の増加が観測された。この変化を説明するものを選べ。
- 水面が下がって泥炭中の酸素が減り、有機物の分解が進んで炭素が放出された。
- 排水で有機物の分解が遅くなり、泥炭の堆積が抑えられたため、蓄えられた炭素が放出された。
- 地下水が抜けたことによる地盤の圧密が、そのまま有機炭素をCO₂へ変える反応となった。
- 空気に触れる泥炭が増えて有機物の分解が進み、蓄えられていた炭素が放出された。
答えと全選択肢の解説
正解:4 空気に触れる泥炭が増えて有機物の分解が進み、蓄えられていた炭素が放出された。
使う地理の知識:泥炭湿地では低温や水に満たされた条件で植物遺体の分解が遅れ、炭素が蓄積する。排水はこの条件を変える。
判断の手順:分解を妨げていた湿潤条件を確認する。地下水面低下で酸素に触れる部分が増え、分解・炭素放出へつながると考える。
- 選択肢1:不正解
地下水面が下がれば空気に触れる部分が増える。酸素が減ることを分解促進の理由にしている点が逆である。 - 選択肢2:不正解
排水で空気に触れる部分では有機物の分解が進みやすくなる。新たな堆積が減ることだけでは、既に泥炭中にある炭素の放出増加を説明できない。 - 選択肢3:不正解
排水による圧密は沈下に関係する場合があるが、物理的に体積が小さくなることと、有機物が分解されCO₂になることは別の過程である。 - 選択肢4:正解
水で満たされ酸素が少なかった泥炭が排水で空気に触れると分解が進み、炭素放出と体積の減少に関係する。
復習のポイント:湿地保全では水の貯留や生息地に加え、土壌に蓄えた炭素も考える。
関連する一次資料:UNEP:Global Peatlands Assessment 2022
GE281 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
乾燥地域の植生変化
資料(学習用モデル値)| 放牧地 | 家畜密度 | 植生被覆率:前→後 | 飛散する土砂 |
|---|
| A | 高い | 65%→30% | 増加 |
| B | 低い | 64%→60% | 大きな変化なし |
半乾燥地域の二つの放牧地を同じ期間に調べた。両地点は降水量と季節分布・土質・風の条件が近い。表から検討すべき土地劣化の仕組みを選べ。
- Aでは植生の減少が地表付近の風を弱め、風に運ばれる土砂が増えた可能性を検討する。
- Aでは踏圧によって土壌の隙間と浸透量が増え、地表からの水の流出が増えた可能性を検討する。
- Aでは採食に伴って表土の有機物が増え、土粒子が細かく分かれたことが風食を強めた可能性を検討する。
- Aでは採食や踏圧が植生の回復を上回り、根や地上部による地表保護が弱まった可能性を検討する。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Aでは採食や踏圧が植生の回復を上回り、根や地上部による地表保護が弱まった可能性を検討する。
使う地理の知識:砂漠化は乾燥・半乾燥地域などの土地劣化を指す。過放牧による植生減少は土壌侵食を強める場合がある。
判断の手順:自然条件が近いことを確認する。家畜密度と植生変化を比べ、植生による地表保護の機能を適用する。
- 選択肢1:不正解
植生が減ると地表を風から保護する作用は弱まる。地表付近の風を弱めることを飛散量の増加の理由にするのは向きが逆である。 - 選択肢2:不正解
踏圧は土を締め固めて隙間や浸透を減らす側に働く。浸透の増加を表面流出の増加の理由にする説明も逆である。 - 選択肢3:不正解
過度の採食は地表に戻る植物体を減らし得る。植生の減少から有機物の増加を前提にすることはできず、有機物は一般に土粒子を団粒として結び付ける働きにも関わる。 - 選択肢4:正解
自然条件が近い二地点で、家畜密度が高いAの植生減少と土砂飛散が大きい。過放牧に伴う地表保護の低下という仮説を、採食量・回復速度などの追加調査で検討できる。
復習のポイント:乾燥地の変化は雨量だけで説明せず、土地利用の強度も比較する。
関連する一次資料:環境省:砂漠化対策
GE282 / 300防災・環境・地域調査地図読解標準演習
生息地の連結と道路
位置関係を表す学習用模式図。実在地域の地図ではない。図の内容を文章で確認
森林AとBを細い樹林帯が結ぶが、中央の舗装道路で切れている。切断部がX、森林Aの外側がY、森林B内部がZ。縮尺なし。
図の対象種は樹林内を移動しやすく、幅の広い舗装道路を横断しにくい。森林A・Bの連結を改善する案として、図の空間関係に合うものを選べ。
- 森林Bの内部Zへ樹林を増やし、AとBの間の裸地と道路は維持する。
- Xの道路に沿って両側の樹林帯を延ばし、道路をまたぐ施設は設けない。
- 既存の樹林帯が道路で切れるXに、植生を連続させる横断施設を設ける。
- 森林Aの道路と反対側Yへ樹林を広げ、Xの道路による分断は維持する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 既存の樹林帯が道路で切れるXに、植生を連続させる横断施設を設ける。
使う地理の知識:生態系ネットワークでは生息地の面積だけでなく、生物が移動できる経路の連続性も重要になる。
判断の手順:対象種が利用する樹林をAからBまでたどる。道路で切れるXを特定し、その障壁を越える案を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
B内部の生息環境の改善と、離れたAへの移動経路の連結は別の課題である。Xの横断しにくさが残る。 - 選択肢2:不正解
道路沿いの生息環境は増やせるが、A側からB側へ道路を横断する障壁は残る。道路に沿う連続性と、道路を越える連続性を区別する。 - 選択肢3:正解
A・Bを結ぶ樹林帯の切断部Xをつなぐことが、対象種の移動経路の連続性を直接改善する。 - 選択肢4:不正解
面積を増やす効果は考えられるが、AとBを隔てるXの分断を解消しないため設問の目的への直接性は低い。
復習のポイント:生息地保全は面積の足し算に加え、分断箇所と対象種の移動条件を読む。
関連する一次資料:環境省:自然を活用した解決策
GE283 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
沿岸の漂着物と季節
日本海側の同じ海岸を調べると、河口付近では強い雨の直後にごみが増え、河口から離れた場所では冬季に増える傾向があった。二つの過程を区別して確かめる調査として適切なものを選べ。
- 河川水位と流域内のごみ流出を降雨前後に調べ、離れた海岸では風向・海流・漂着日の関係を比べる。
- 河口では降雨直後を、離れた海岸では冬の平常時をそれぞれ毎年調べ、時期の違う二地点の量差を発生源の差とする。
- 雨の前後は海底地形だけを調べ、冬の海岸では容器の外国語表示を捨てられた場所と対応させる。
- 河口では上流の降雨量を継続観測し、離れた海岸では冬の陸から海へ吹く風の日だけを集計して海からの漂着を説明する。
答えと全選択肢の解説
正解:1 河川水位と流域内のごみ流出を降雨前後に調べ、離れた海岸では風向・海流・漂着日の関係を比べる。
使う地理の知識:漂着物は流域から河川を通るものや海流・風で運ばれるものがある。日本海側では冬の季節風との関係も検討する。
判断の手順:河口での増加を降雨・河川流出と結ぶ。離れた地点の冬季増加を風と海流の条件で比較する。
- 選択肢1:正解
降雨後は流域から河川を通る流出、冬季は季節風や海流による輸送を検討できる。複数の経路が同じ海岸へ到達し得る。 - 選択肢2:不正解
各地点の継続観測にはなるが、地点と調査時期が同時に違うため、量差が位置・季節・降雨のどれに対応するか分けにくい。 - 選択肢3:不正解
海底地形だけでは降雨に伴う陸からの流出を捉えられない。表示言語は製造・流通の手掛かりでも廃棄場所を確定しない。 - 選択肢4:不正解
上流の降雨量は河川流出の検討に役立つ。一方、海から浜へ運ばれる過程には海から陸へ吹く風との関係も必要で、沖向きの風の日だけを選ぶと条件が偏る。
復習のポイント:発見場所や容器の表示を発生源と同一視せず、輸送経路を調べる。
関連する一次資料:環境省:海洋プラスチックごみに関する各種調査ガイドライン等環境省:漂着ごみ組成調査に係るQ&A集
GE284 / 300防災・環境・地域調査事例判断複合演習
国際河川の季節配分
源流域には冬に積雪があり氷河も残る。Uの貯水池の年間放流水量には上限があり、Dには季節を越す大きな貯水施設がない。Dは冬にUへ電力を供給できる。実在国の取水割当を再現した資料ではない。
源流域の気候(学習用モデル値)| 時期 | 平均気温 | 月降水量 |
|---|
| 1月 | −12℃ | 25mm |
| 7月 | 8℃ | 35mm |
中央アジアの水利用を参考に、上流国Uの高山から乾燥した下流国Dへ流れる河川を考える。Uは暖房用電力の不足を冬の水力発電で補う案を持ち、Dでは露地の綿花栽培が行われる。自然流量の季節性と、両国で調整すべき利用の組合せを選べ。
- 暖候期の増水は主に熱帯のモンスーン豪雨による。夏にDの電力でUの発電放流を抑え、冬の綿花の灌漑水を確保する。
- 暖候期の増水には雪氷の融解が関係する。冬の発電放流を増やし、Dがその水を夏の綿花に使う計画にする。
- 暖候期の増水には雪氷の融解が関係する。冬はDの電力でUの発電放流を抑え、春夏の灌漑水を確保する。
- 冬の増水には源流域の融雪が関係する。冬はDの電力でUの発電放流を抑え、春夏の灌漑水を確保する。
答えと全選択肢の解説
正解:3 暖候期の増水には雪氷の融解が関係する。冬はDの電力でUの発電放流を抑え、春夏の灌漑水を確保する。
使う地理の知識:中央アジアの高山では雪氷の融解が暖候期の河川流量を支える。下流の綿花灌漑の需要期と上流の暖房用水力発電の需要期がずれることがある。
判断の手順:気温の季節差から源流域の雪氷が融ける時期を考える。綿花の暖候期の灌漑と冬の発電需要を照合し、電力交換で放流時期を調整する案を選ぶ。
- 選択肢1:不正解
中央アジアの高山からの流れを熱帯モンスーン河川と取り違えている。降水表も夏の豪雨を示さず、露地の綿花を寒い冬の灌漑作物とする点も逆である。 - 選択肢2:不正解
流量の季節性は合うが、Dに季節を越す貯水施設がない条件では冬に流れ去った水を夏へ持ち越せない。水力発電の放流時期と下流の灌漑需要期を合わせる必要がある。 - 選択肢3:正解
源流域では冬の低温で雪氷が蓄えられ、暖候期に融解が進む。露地の綿花は暖かい栽培期に水を必要とするため、冬の電力供給との交換で水を春夏へ回す調整が考えられる。 - 選択肢4:不正解
表の冬の平均気温は−12℃で、季節的な融雪による増水を冬に置くのは逆である。雪氷が融ける暖候期に自然流量が増えやすい。
復習のポイント:国際河川の水利用は年間の総量だけでなく、自然流量・栽培・発電の季節の組合せで考える。
関連する一次資料:UNECE:Syr Darya Basin Water–Food–Energy–Ecosystems Nexus
GE285 / 300防災・環境・地域調査統計読解標準演習
観光の季節性と水需要
資料(学習用モデル値)| 観光地 | 1月降水量 | 7月降水量 | 1月宿泊者 | 7月宿泊者 |
|---|
| P | 90mm | 10mm | 1万人 | 6万人 |
| Q | 60mm | 110mm | 5万人 | 2万人 |
北半球の地中海沿岸の観光地Pと、北半球の内陸山地のスキー観光地Qを比較する。Pの7月の降水特性を生む大気循環と、水需給に関する説明の組合せを選べ。表は学習用モデル値である。
- Pの夏はシベリア高気圧からの乾いた季節風の影響を受けやすい。大陸が強く冷えて少雨となり、宿泊客増加と水不足が重なる。
- Pの夏は赤道低圧帯の上昇気流の影響を受けやすい。地表付近で空気が発散するため少雨となり、宿泊客増加と水不足が重なる。
- Pの夏は偏西風帯の低気圧の影響を受けやすい。低気圧の上昇気流が少雨をもたらし、宿泊客増加と水不足が重なる。
- Pの夏は亜熱帯高圧帯の下降気流の影響を受けやすい。少雨と宿泊客増加が重なり、水供給の季節差を考える必要がある。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Pの夏は亜熱帯高圧帯の下降気流の影響を受けやすい。少雨と宿泊客増加が重なり、水供給の季節差を考える必要がある。
使う地理の知識:地中海性気候の夏の乾燥には、亜熱帯高圧帯の季節的な移動と下降気流が関係する。観光の繁忙期が自然の水供給の少ない時期と重なることがある。
判断の手順:Pの7月の少雨を大気大循環の知識で説明する。次に7月の宿泊数を確認し、夏の水供給と需要の重なりを読む。
- 選択肢1:不正解
シベリア高気圧はユーラシア大陸が冷える冬の現象である。地中海沿岸の7月の少雨を冬の東アジアの循環で説明している。 - 選択肢2:不正解
赤道低圧帯では地表付近の空気が収束し、上昇に伴う降水が生じやすい。地中海沿岸の夏季乾燥を説明する帯ではない。 - 選択肢3:不正解
地中海沿岸で偏西風に伴う低気圧の通過が重要になるのは主に冬で、上昇気流は雲や降水を生む側に働く。夏の少雨の説明としては合わない。 - 選択肢4:正解
地中海性気候の夏は亜熱帯高圧帯の影響が強まり、下降気流のもとで乾燥しやすい。Pではその時期に宿泊客が多く、自然の水供給と観光需要が逆方向に動く。
復習のポイント:観光地の水不足は、気候の成因と月別の利用需要を結び付けて考える。
関連する一次資料:観光庁:日本版持続可能な観光ガイドライン国立環境研究所 A-PLAT:気候変動適応とは
GE286 / 300防災・環境・地域調査統計読解基礎確認
観光客の集中する時間
資料(学習用モデル値)| 時刻 | 駅→歴史地区の需要 | 同方向の輸送力 |
|---|
| 9時台 | 20人 | 100人 |
| 10時台 | 180人 | 100人 |
| 11時台 | 40人 | 100人 |
駅から歴史地区へのバスが、10時に到着する観光列車の到着後に混雑する。駅からのバス予約を別の時間帯へ移す案を検討する。各時間帯の輸送力は変えず、利用者は予約時刻まで駅で待てるものとする。表の範囲で10時台の超過需要を全て別の時間帯へ移すことはできるか。
- 11時台へ80人を移すと、10時台も11時台も需要が輸送力以内になり、増便は必要ない。
- 9時台の空席80人分を10時台の需要に充てると、到着後の180人を同じ便数で運べる。
- 11時台へ60人を移しても10時台に20人の超過が残る。10時台の供給増加なども組み合わせる必要がある。
- 9~11時台の総需要は総輸送力より60人少ないので、列車到着後も時間帯ごとの配分を変える必要はない。
答えと全選択肢の解説
正解:3 11時台へ60人を移しても10時台に20人の超過が残る。10時台の供給増加なども組み合わせる必要がある。
使う地理の知識:交通供給は時間と方向を伴う。利用できない時刻の空席は、混雑する時刻の輸送力にはならない。
判断の手順:10時台の超過80人と11時台の空席60人を比べる。列車到着前へは移せない条件を加え、20人分が残ると判断する。
- 選択肢1:不正解
11時台は既に40人が利用するため、80人を足すと120人となり輸送力100人を超える。空席分と総座席数を区別する。 - 選択肢2:不正解
10時に到着する客を到着前の9時台へ移せない。過去の空席は後の時間帯へ繰り越せないため、利用可能な時刻との対応が必要である。 - 選択肢3:正解
10時台の超過は180−100=80人だが、11時台の余裕は100−40=60人。到着前の9時台へ移すことはできないので、表の時間帯の予約変更だけでは20人を吸収できない。 - 選択肢4:不正解
総需要240人は総輸送力300人より少ないが、9時台の未利用座席は10時以後に使えない。日総量だけでは集中する時間の混雑を評価できない。
復習のポイント:時間別の需要と供給を比較し、需要を移せる時刻の制約も確認する。
関連する一次資料:観光庁:日本版持続可能な観光ガイドライン国土交通省:コンパクト・プラス・ネットワーク
GE287 / 300防災・環境・地域調査計算複合演習
観光消費と地域内の循環
資料(学習用モデル値)| 計画 | 来訪客数 | 1人当たり消費 | 域外支払率 |
|---|
| A | 1,000人 | 10,000円 | 60% |
| B | 500人 | 20,000円 | 30% |
二つの観光計画のうち、地域内に直接残る額が大きいものを選び、その理由も答えよ。地域内に残る額は「客数×1人当たり消費額×(1−域外への支払率)」とする。同じ期間のモデルで、波及効果は含めない。
- A:600万円。域外への支払率を掛けた額が地域内に残る額である。
- B:700万円。客数は少ないが、消費単価と地元調達の割合が高い。
- A:1,000万円。客数が多いので、域外への支払いを引いても地域内に最も多く残る。
- B:300万円。域外への支払率を掛けた額が地域内に残る額である。
答えと全選択肢の解説
正解:2 B:700万円。客数は少ないが、消費単価と地元調達の割合が高い。
使う地理の知識:観光の売上の一部は域外の仕入れ・サービスへ流出する。地域内調達の程度で地域経済への残り方は変わる。
判断の手順:客数と単価から消費総額を出す。域外支払いを除き、客数と地域内収入の順位が異なることを確認する。
- 選択肢1:不正解
600万円はAから域外へ支払われる額である。地域内に残る割合は1−0.6=0.4となる。 - 選択肢2:正解
Aは1,000×10,000×0.4=400万円、Bは500×20,000×0.7=700万円。Bは地元での仕入れや賃金等へ残る割合が大きい。 - 選択肢3:不正解
Aの1,000万円は消費総額であり、域外へ60%支払う分を引いていない。総売上と地域内に残る額は異なる。 - 選択肢4:不正解
300万円はBの域外支払いである。Bでは70%が地域内に残るので700万円となる。
復習のポイント:観光の経済効果は客数だけでなく、単価と地域内調達の割合を比較する。
関連する一次資料:観光庁:日本版持続可能な観光ガイドライン
GE288 / 300防災・環境・地域調査統計読解標準演習
生活施設への到達しやすさ
資料(学習用モデル値)| 地区 | Hまでの直線距離 | 道路距離 | 地形・交通 | バス所要時間・便数 |
|---|
| A | 2km | 12km | 尾根を迂回 | 55分・2往復/日 |
| B | 5km | 6km | 平野・市境を越える直通路 | 20分・10往復/日 |
病院を同じ拠点Hへ集約する案を検討している。表は自家用車を使わない高齢者についての資料である。施設までの近さと交通網を踏まえた判断を選べ。
- Bは直線距離が長いので利用頻度を下げ、Aへの公共交通は直線距離に応じて少なく設定する。
- Bは市境を越えるため到達しにくく、バス所要時間が短くてもAより利用条件が悪いと判断できる。
- Aは直線距離が短いので実際の到達もBより速く、施設を集約すれば交通の差は小さくなる。
- Aは直線距離が短くても尾根と道路網で移動に時間がかかり、集約と合わせた交通手段の検討が必要である。
答えと全選択肢の解説
正解:4 Aは直線距離が短くても尾根と道路網で移動に時間がかかり、集約と合わせた交通手段の検討が必要である。
使う地理の知識:アクセシビリティは距離だけでなく道路網・地形・交通手段・運行頻度に左右される。施設の集約と交通網は関連させて考える。
判断の手順:直線距離と道路距離のずれを確認する。次に非運転者のバス所要時間・便数を合わせてAの課題を読む。
- 選択肢1:不正解
直線距離だけで交通を設定すると地形による迂回や非運転者の条件を見落とす。到達時間と便数を含めて判断する。 - 選択肢2:不正解
行政境界を越えること自体で到達のしやすさは決まらない。Bは直通バスがあり、この表ではAより所要時間が短い。 - 選択肢3:不正解
直線2kmでも道路距離は12kmで、表の所要時間も長い。施設集約だけで既存の地形・交通条件は解消しない。 - 選択肢4:正解
Aは尾根を迂回しバスも少ないため、直線距離の近さが到達時間の短さを意味しない。拠点の集約には地域間交通との連携が必要になる。
復習のポイント:地域拠点へのアクセスは直線距離より実際の経路と利用できる交通で比べる。
関連する一次資料:国土交通省:コンパクト・プラス・ネットワーク
GE289 / 300防災・環境・地域調査統計読解複合演習
市街地更新と災害条件
架空の候補地(学習用)| 案 | 現況 | 地形 | 駅まで |
|---|
| A | 水田 | 後背湿地 | 4km |
| B | 旧工場跡地 | 段丘面 | 400m |
| C | 農地 | 河口の干拓地 | 5km |
| D | 旧住宅地 | 埋め立てた旧河道 | 300m |
同じ床面積の施設を整備する四案を比べる。既存交通を利用し、農地転用と新たな洪水リスクへの曝露を抑えるという方針に最も合う案を、土地の成り立ちも踏まえて選べ。いずれも土砂災害の想定区域外である。
- B:段丘面の旧工場跡地で、土壌の必要な対策を完了し、既存駅から徒歩圏に立地させる。
- C:河口の干拓農地を転用し、駅から離れた平地へ駐車場を多く設けて立地させる。
- A:河川の後背湿地の水田を転用し、新しい幹線道路の整備と合わせて立地させる。
- D:河川沿いの旧河道を埋めた市街地で、既存駅から徒歩圏に立地させる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 B:段丘面の旧工場跡地で、土壌の必要な対策を完了し、既存駅から徒歩圏に立地させる。
使う地理の知識:既成市街地の再利用は農地転用を抑え得る。洪水への曝露は現在の土地利用だけでなく微地形に関係する。
判断の手順:土地利用の転換量と既存交通を比較する。残る候補について段丘・旧河道などの成り立ちを照合する。
- 選択肢1:正解
既に改変された跡地の再利用で農地転用を避け、既存交通を使える。河川低地より高い段丘面という条件も洪水曝露を抑える方向に合う。 - 選択肢2:不正解
干拓地は低平な土地で、農地の転用と自動車依存を伴う。平らさだけを安全や利便性と同一視できない。 - 選択肢3:不正解
後背湿地は低く排水しにくい地形で、農地転用と新規道路整備も必要になる。提示方針との適合がBより低い。 - 選択肢4:不正解
既存交通は使えるが、旧河道という土地履歴は洪水などの条件を慎重に見る必要がある。段丘面と同等とはいえない。
復習のポイント:開発用地は空き地の有無だけでなく、交通網と地形の履歴を重ねて比べる。
関連する一次資料:国土交通省:コンパクト・プラス・ネットワーク国土地理院:土地条件図
GE290 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
上流施設と海岸の変化
大河川上流のダム完成後、下流の洪水ピークと河口へ届く土砂量が減り、河口の三角州海岸で後退が観測された。海面上昇や沿岸構造物の条件は同じとする。資料に合う因果関係を選べ。
- 洪水ピークの低下は水の貯留、海岸後退は河川からの砂の補給増加と海岸での堆積の収支で説明する。
- 洪水ピークの低下は水の貯留、海岸後退は河川からの土砂補給減少と波による搬出の収支で説明する。
- 洪水ピークの低下は水の貯留、海岸後退は三角州が水による侵食地形であることを前提に説明する。
- 洪水ピークの低下は上流の侵食量増加、海岸後退は河口を通る土砂量の増加による河道の延伸で説明する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 洪水ピークの低下は水の貯留、海岸後退は河川からの土砂補給減少と波による搬出の収支で説明する。
使う地理の知識:河川は土砂を運んで三角州を形成する。上流での貯留・土砂捕捉は洪水と沿岸の土砂収支の双方に影響する。
判断の手順:洪水ピークの変化を水の貯留と結ぶ。土砂量の変化を三角州への補給減少と結び、波との収支を見る。
- 選択肢1:不正解
水の貯留は合うが、観測では河口へ届く土砂が減っている。また堆積が優勢なら海岸は一般に海側へ前進する。 - 選択肢2:正解
ダムで水と土砂が貯留・捕捉されると洪水ピークを下げる一方、河口への土砂補給は減る。波による搬出に補給が追い付かないと海岸が後退し得る。 - 選択肢3:不正解
三角州は河川が運ぶ土砂の堆積によってできる地形である。侵食地形と取り違えると上流からの供給減少の意味を捉えられない。 - 選択肢4:不正解
洪水ピークは水の流量であり侵食量の増加から低下を説明できない。河口の土砂量も増加ではなく減少している。
復習のポイント:河川整備は上流から河口・海岸まで、水と土砂の二つの流れを追う。
関連する一次資料:国土交通省:総合的な土砂管理
GE291 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
地区構成と標本調査
山間集落と中心市街地を含む市で、非運転者の買い物交通を調べる。駅前だけの調査では中心市街地の回答が多かった。市全体の需要を推定し、地区差も把握する計画を選べ。
- 山間集落だけから抽出し、交通が不便な地区の結果をそのまま市全体の構成として集計する。
- 居住者名簿などから地区別に無作為抽出し、地区の人口構成を踏まえた集計と地区別集計を行う。
- 駅前で各曜日の同じ時間帯に回答数を増やし、駅を利用しない山間住民の需要も同じ構成として推定する。
- 既存の買い物バス車内で利用者を地区別に抽出し、その居住地構成を市民全体の需要構成として集計する。
答えと全選択肢の解説
正解:2 居住者名簿などから地区別に無作為抽出し、地区の人口構成を踏まえた集計と地区別集計を行う。
使う地理の知識:地域調査では生活圏の違いによって調査地点に現れる人が偏る。標本抽出と地区人口の構成を区別して扱う。
判断の手順:誰が調査場所に来ないかを確認する。全居住地区へ抽出枠を広げ、地区別と人口構成を反映した全体集計を分ける。
- 選択肢1:不正解
山間地区の詳しい把握には役立つが、中心市街地を含む市全体の構成にはならない。地区人口の違いが必要になる。 - 選択肢2:正解
調査地点に来ない住民も抽出対象にでき、地区の偏りを調整しながら市全体と地域差の両方を把握しやすい。 - 選択肢3:不正解
回答数を増やしても駅前に来ない人が含まれないという偏りは残る。標本数と対象の代表性を区別する。 - 選択肢4:不正解
バス利用者の空間分布は把握できるが、利用できない住民や別の交通を使う住民は含まれない。利用者の地区構成と市民の地区構成は一致するとは限らない。
復習のポイント:交通の調査は利用者だけでなく、利用できない住民が対象に入るかを確かめる。
関連する一次資料:総務省統計局:全数調査・標本調査国土交通省:コンパクト・プラス・ネットワーク
GE292 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
建物の階と土地利用
駅前の店舗減少を調べる。旧調査は「1階の路面店数」、新資料は「建物の全階を合わせた店舗数」である。駅前では1階店舗が住宅へ変わる一方、上層階に飲食店が入る例もあった。路面商業の変化を検証できる方法を選べ。
- 両年の同じ範囲について1階の路面店舗を数え直し、上層階の用途は別項目として記録する。
- 両年の建物棟数を比較し、一棟内の階ごとの用途の変化を店舗数の増減へ換算する。
- 旧年の1階店舗数と新年の全階店舗数を比較し、その差を路面商業の増減として扱う。
- 新年の全階店舗数を総階数で割り、各階の店舗数が等しいとして旧年の路面店数と比べる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 両年の同じ範囲について1階の路面店舗を数え直し、上層階の用途は別項目として記録する。
使う地理の知識:都市の土地利用は平面的な区画だけでなく建物の階層でも異なる。時系列比較では集計範囲と用途分類をそろえる。
判断の手順:旧年と新年の「店舗」の定義が違うことを見つける。同じ1階用途で比較し、上層階の変化を別に追う。
- 選択肢1:正解
比較する空間範囲と用途の定義をそろえる。階ごとの用途変化を別に記録すれば、路面の衰退と建物全体の動きを区別できる。 - 選択肢2:不正解
同じ建物でも複数店舗が入ったり用途が変わったりする。棟数の変化を店舗数へそのまま換算できない。 - 選択肢3:不正解
1階だけと全階では対象が異なる。全階の店舗が増えても1階の路面店舗は減っている場合がある。 - 選択肢4:不正解
階ごとの店舗数が等しい根拠がなく、上層階への店舗移動という事実も示されている。平均化で路面店数は復元できない。
復習のポイント:商業調査では棟数・店舗数・延べ床面積と、対象階を区別する。
関連する一次資料:国土地理院:土地条件図総務省統計局:全数調査・標本調査
GE293 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
集計区域と人口密度
資料(学習用モデル値)| 地区 | 人口 | 面積 |
|---|
| 中心部 | 12,000人 | 2km² |
| 周辺部 | 4,000人 | 8km² |
同じ市の人口を、市全体で塗り分けた地図と、中心部・周辺部に分けた地図で表した。人口も境界も同じ年のものである。表を踏まえ、地図の印象が変わる理由を選べ。
- 全市図と地区別図で同じ階級区分を使えば、中心部への集中の位置はどちらの図でも同じ詳しさで分かる。
- 全市密度を面積比で中心部と周辺部に分ければ、各地区の人口密度を復元できる。
- 中心部と周辺部の密度を単純平均すれば全市密度になるため、二分した地図の色を等しい重みで平均できる。
- 市全体では内部の密度差が平均化され、中心部と周辺部を分けると人口集中の位置が表れる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 市全体では内部の密度差が平均化され、中心部と周辺部を分けると人口集中の位置が表れる。
使う地理の知識:地図の集計単位が大きいと内部の地域差が平均化される。密度の統合では人口と面積の合計を用いる。
判断の手順:地区ごとの人口密度を出す。全市密度と比べ、広域集計で人口集中の場所が見えにくくなることを確かめる。
- 選択肢1:不正解
階級区分をそろえても集計区域の大きさは違う。全市を一色で示す図では中心部6,000と周辺部500の位置の違いは表せない。 - 選択肢2:不正解
全市平均は内部の人口配置を表さない。地区面積だけでは中心部へ何人集中しているか分からず、各地区の人口の情報が必要である。 - 選択肢3:不正解
地区密度の単純平均は(6,000+500)÷2=3,250で、全市1,600と異なる。密度を統合するには面積による重み、または人口合計÷面積合計を用いる。 - 選択肢4:正解
全市は16,000÷10=1,600人/km²だが、中心部6,000、周辺部500で大きく異なる。広い単位の平均は内部差を隠し得る。
復習のポイント:主題図の地域差は、何をどの大きさの区域で集計したかと一緒に読む。
関連する一次資料:国土地理院:土地条件図総務省統計局:全数調査・標本調査
GE294 / 300防災・環境・地域調査統計読解標準演習
駅距離と商業の分布
資料(学習用モデル値)| 地区 | 駅から直線距離 | 人口密度 | 店舗数 | 駅との位置関係 |
|---|
| A | 1km | 4,000人/km² | 24 | 同じ川岸 |
| B | 1km | 4,100人/km² | 10 | 川の対岸 |
| C | 3km | 2,000人/km² | 9 | 同じ川岸 |
| D | 5km | 900人/km² | 5 | 同じ川岸 |
同じ都市の4地区を比較した。店舗数の違いについて、「駅からの距離が同じでも歩いて行ける経路が違う」という仮説を直接検討する組合せと追加資料を選べ。
- BとC・各地区の道路沿いの店舗床面積と業種構成を示す地図。
- CとD・各地区の住宅開発年と駅の開業年を示す地図。
- AとB・歩行者が利用できる橋と道路の接続を示す地図。
- AとD・市全体の中心地からの直線距離と地区別住宅地価の地図。
答えと全選択肢の解説
正解:3 AとB・歩行者が利用できる橋と道路の接続を示す地図。
使う地理の知識:直線距離が同じでも河川や鉄道による分断、橋や踏切の位置で実際の到達距離は変わる。
判断の手順:駅距離の等しいA・Bを選んで比較条件をそろえる。次に河川横断などのネットワークを追加して仮説を検討する。
- 選択肢1:不正解
店舗の床面積や業種は商業機能を調べる資料だが、BとCは駅距離が異なる。等しい駅距離で経路差を見るという比較条件に合わない。 - 選択肢2:不正解
開発・開業の時期は商業形成の歴史には役立つが、CとDでは駅距離が違う。現在の橋や歩道による到達経路の差も直接示さない。 - 選択肢3:正解
A・Bは直線距離が同じだが店舗数が違う。河川を渡る橋や歩道の接続を見ることで、実際の歩行距離という仮説を検討できる。 - 選択肢4:不正解
住宅地価と中心地からの距離は商業立地に関係し得るが、AとDでは駅距離も異なる。同距離の歩行経路差という仮説の直接検証にはA・Bと道路網が適する。
復習のポイント:相関の背景を調べるときは、似た条件の地区を選び実際の移動経路を確認する。
関連する一次資料:国土交通省:コンパクト・プラス・ネットワーク総務省統計局 Data StaRt:相関と回帰
GE295 / 300防災・環境・地域調査事例判断基礎確認
周遊観光と延べ人数
市内の観光施設P・Qを同じ日に調査した。Pの入場者は1,000人、Qは800人で、そのうち500人は両施設を訪れていた。各施設内での重複入場はない。この二施設を訪れた実人数と、観光調査上の注意を選べ。
- 1,800人・異なる施設への入場なので、同じ人が訪れても市内観光客の実人数へ重複なく加えられる。
- 1,300人・施設別の人数を足すと周遊客を重複して数えるため、移動経路も確認する。
- 800人・両施設の共通客を各施設から一度ずつ引けば、市内で訪問した人全員の実人数となる。
- 1,550人・共通客は二施設を巡るため500人を半分に分け、施設別合計から250人を差し引く。
答えと全選択肢の解説
正解:2 1,300人・施設別の人数を足すと周遊客を重複して数えるため、移動経路も確認する。
使う地理の知識:周遊観光では同じ人が複数の施設・地域で数えられる。延べ利用と実来訪は区別する。
判断の手順:二施設の合計が共通客を二度含むと確認する。重複を一度引いて、何を一人と数える統計かを確かめる。
- 選択肢1:不正解
1,800は施設入場の延べ合計で、両施設の500人を二度含む。地域としての実人数では一度だけ数える。 - 選択肢2:正解
1,000+800−500=1,300人である。複数地点を巡る行動があるため、施設利用の延べ人数と地域来訪の実人数は違う。 - 選択肢3:不正解
共通の500人を二度引くと、その人たちを一人も数えないことになる。和集合は重複分を一度だけ引く。 - 選択肢4:不正解
合計1,800人には共通の500人が二度含まれ、一回分の500人を引く。訪問施設数で重複人数を半分にすると、250人分の二重計上が残る。
復習のポイント:観光統計を比較するときは、人数の名称より計測地点と重複の扱いを確認する。
関連する一次資料:観光庁:日本版持続可能な観光ガイドライン総務省統計局:全数調査・標本調査
GE296 / 300防災・環境・地域調査地図読解複合演習
道路沿いの商業と商圏
市Mの人口は2万人、小売販売額は120億円。県の1人当たり小売販売額は50万円である(同年の学習用モデル値)。Rへの来店者を調べる際には、市境外からの来店も記録する。
位置関係を表す学習用模式図。実在地域の地図ではない。図の内容を文章で確認
北が上。旧道上に西からPとQがある。南側に東西のバイパスがあり、南北道路との交差点にR、その東にSがある。縮尺なし。
同じ観察地点の記録(学習用)| 地点 | 以前 | 現在 |
|---|
| P | 営業店舗20・空き店舗2 | 営業店舗10・空き店舗12 |
| Q | 住宅地 | 住宅地 |
| R | 農地 | 大型店と駐車場 |
| S | 農地 | 農地と新しい住宅 |
図は市Mの旧道とバイパス沿いの調査地点である。Rでは家具・家電を扱う大型店が増えた。市Mの小売吸引力を「市の1人当たり小売販売額÷県の1人当たり小売販売額」とする。市Mの指数と、Rの主な品目の分類・商圏調査の組合せを選べ。
- 指数約0.83・家具や家電は最寄品に当たり、同じ品目でも購入頻度が低いほど近隣の徒歩圏だけを調べる。
- 指数約0.83・家具や家電は買回品に当たり、周辺市町村を含めた居住地と自動車での所要時間を調べる。
- 指数1.2・家具や家電は買回品に当たり、周辺市町村を含めた居住地と自動車での所要時間を調べる。
- 指数1.2・家具や家電は最寄品に当たり、同じ品目でも購入頻度が低いほど近隣の徒歩圏だけを調べる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 指数1.2・家具や家電は買回品に当たり、周辺市町村を含めた居住地と自動車での所要時間を調べる。
使う地理の知識:最寄品と買回品では購入頻度や比較行動が異なり、商圏の広がりにも差が生じる。小売販売額を人口で基準化した指数は、商業集積を調べる手掛かりになる。
判断の手順:市Mの販売額を人口で割り、県の1人当たり販売額と比べる。家具・家電を買回品と分類し、Rの幹線道路接続から行政境界を越えた来店範囲を調べる。
- 選択肢1:不正解
指数の分子・分母が逆で、家具・家電を最寄品とする分類も違う。徒歩圏だけを調べると、幹線道路を使う市外からの来店を捉えられない。 - 選択肢2:不正解
品目と調査範囲は合うが、県と市の販売額の比が逆である。指定された指数は市60万円÷県50万円=1.2となる。 - 選択肢3:正解
市の1人当たり販売額は120億円÷2万人=60万円で、指数は60÷50=1.2。家具・家電は比較して購入する買回品で、幹線道路沿いの店では広い範囲からの来店を調べることが重要となる。 - 選択肢4:不正解
指数は合うが、家具・家電は食料品などの日常的な最寄品とは区別される。購入頻度が低い買回品では、比較のためにより遠くまで出向く行動も考える。
復習のポイント:商圏は行政境界と一致するとは限らない。品目・来店手段と、人口規模をそろえた商業指標を組み合わせる。
関連する一次資料:国土交通省:コンパクト・プラス・ネットワーク国土地理院:土地条件図各務原市:都市機能特性(小売吸引力指数の定義)
GE297 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
集計地図で見える範囲
高齢者が買い物に使う道路を調査し、個人を識別できないよう人数を地区単位で集計して公開する。川の両岸を一つの地区にまとめた地図で「徒歩圏の店がある地区」と判定された。地図の読み方として適切なものを選べ。
- 地区内に店があっても、橋の位置で対岸からの到達距離が変わるため、全住民が同じ徒歩圏にいるとは限らない。
- 店を中心とする直線半径500mに住宅が含まれれば、橋の位置にかかわらず道路距離も500m以内と推定できる。
- 地区の中心点から店までの道路距離を全住民に適用すれば、地区内の人口分布による到達距離の差を補正できる。
- 地区が徒歩圏と判定されれば、川の両岸に住む高齢者の所要時間は同じと推定できる。
答えと全選択肢の解説
正解:1 地区内に店があっても、橋の位置で対岸からの到達距離が変わるため、全住民が同じ徒歩圏にいるとは限らない。
使う地理の知識:地区単位の集計は内部の位置差を隠す場合がある。生活圏の評価には河川・橋・道路の接続も重要である。
判断の手順:地区としての判定と個人の到達距離を分ける。次に河川横断の経路を考え、地区内部の差を確認する。
- 選択肢1:正解
行政・集計区域の内部にも河川などによる分断がある。地区全体の属性を各住民へそのまま当てはめないことが重要である。 - 選択肢2:不正解
直線距離が500m以内でも橋への迂回で道路距離は長くなり得る。円形の距離圏と道路網に沿った到達圏を区別する。 - 選択肢3:不正解
中心点は各住宅の位置を代表するとは限らず、川のどちら側に住むかも失われる。道路距離を使っても、一点の値を全員に当てはめると内部差は補正できない。 - 選択肢4:不正解
地区内の位置と道路経路は人によって違う。地区として店があるということと、各人の所要時間が同じことは別である。
復習のポイント:地域の平均や分類を、そこに住む一人ひとりの条件と同一視しない。
関連する一次資料:国土交通省:コンパクト・プラス・ネットワーク総務省統計局:全数調査・標本調査
GE298 / 300防災・環境・地域調査事例判断標準演習
空中写真の季節と農地
同じ低地の区画について、5月の空中写真では水面、8月の写真では植生、11月の写真では裸地が見える。区画の形と畦は維持され、周辺は日本の水田地域である。時系列の土地利用調査で、最初に検証する解釈と追加資料の組合せを選べ。
- 冬作小麦の作付周期を候補にし、5月の湛水を播種、8月の植生を冬季の生育として作付記録と比べる。
- 水面から陸地への恒久的な転換を候補にし、撮影月の異なる写真の水面面積の差を年次転換面積とする。
- 休耕地の自然植生を候補にし、区画内に緑色がある8月の一枚だけで作付けの有無を確定する。
- 水田の作付周期を候補にし、同じ季節の別年写真と作付記録で、恒久的な用途転換かを調べる。
答えと全選択肢の解説
正解:4 水田の作付周期を候補にし、同じ季節の別年写真と作付記録で、恒久的な用途転換かを調べる。
使う地理の知識:水田の湛水・稲の生育・収穫後は撮影季節によって異なって見える。土地利用と瞬間的な土地被覆を区別し、撮影条件をそろえて比較する。
判断の手順:5月・8月・11月の変化を日本の稲作暦に対応させる。畦と区画が続くことを確認し、同季節の別年写真や作付記録で恒久変化の有無を検証する。
- 選択肢1:不正解
日本の冬作小麦は秋に播き冬を越して生育する。5月の水張りと夏の植生を、冬作小麦の播種・冬季生育に対応させることはできない。 - 選択肢2:不正解
異なる季節の水面の差には水田の水管理が含まれる。恒久的な埋立て・転用面積を求めるなら、同じ季節や用途記録との照合が必要である。 - 選択肢3:不正解
緑色だけでは稲などの作物か自然植生かを確定できない。畦の維持と水張りの記録を含め、季節の連続性や現地の作付情報で確かめる。 - 選択肢4:正解
水張り、稲の生育、収穫後という水田の周期と対応する。撮影季節の差を恒久的転用と取り違えないよう、同季節の別年写真や作付記録を照合する。
復習のポイント:時系列の画像比較では、位置・解像度に加えて季節をそろえる。
関連する一次資料:国土地理院:土地条件図
GE299 / 300防災・環境・地域調査計算複合演習
地区別の回答と人口構成
資料(学習用モデル値)| 地区 | 市人口に占める割合 | 回答者 | 利用したい人 |
|---|
| A:中心部 | 80% | 100人 | 60人 |
| B:周辺部 | 20% | 300人 | 120人 |
中心部Aと周辺部Bでバス利用意向を調べた。各地区内の標本は偏りがないものと仮定し、市全体を地区人口比で推計する。推計割合と、回答をそのまま合わせた割合の組合せを選べ。
- 人口比での推計50%/回答を単純に合算45%。地区が二つなので人口にかかわらず半分ずつ重み付けする。
- 人口比での推計45%/回答を単純に合算56%。中心部の標本が人口比より多いので結果が変わる。
- 人口比での推計56%/回答を単純に合算45%。周辺部の標本が人口比より多いので結果が変わる。
- 人口比での推計56%/回答を単純に合算50%。地区の利用意向の平均が回答全体の割合になる。
答えと全選択肢の解説
正解:3 人口比での推計56%/回答を単純に合算45%。周辺部の標本が人口比より多いので結果が変わる。
使う地理の知識:地区ごとの交通需要を市全体へ統合する際、地域の人口構成と調査回答の構成は区別する。
判断の手順:地区別の割合を求める。人口比80:20と回答数比100:300の二通りの重みでそれぞれ統合する。
- 選択肢1:不正解
50%は地区率の単純平均である。市全体の推計では各地区の人口規模80:20を反映する。 - 選択肢2:不正解
推計と標本の値が逆である。Bは人口20%に対して回答75%を占め、Bの低い利用意向が標本合計へ強く反映される。 - 選択肢3:正解
地区率はA60%、B40%。人口比なら0.8×60+0.2×40=56%。回答合算は(60+120)÷400=45%である。 - 選択肢4:不正解
標本全体は回答者数100:300で重み付けする。60%と40%の単純平均では回答の実数と一致しない。
復習のポイント:地域全体の推計では、地域ごとの率と人口・標本のどちらを重みにするか確認する。
関連する一次資料:総務省統計局:全数調査・標本調査国土交通省:コンパクト・プラス・ネットワーク
GE300 / 300防災・環境・地域調査事例判断複合演習
交通施策の効果を確かめる
資料(学習用モデル値)| 地区 | 実施前のバス利用割合 | 実施後 |
|---|
| A:増便あり | 20% | 35% |
| B:増便なし | 25% | 30% |
A地区で病院へのバスを増便し、B地区では運行を変えなかった。両地区では同じ時期に燃料価格上昇が起きた。人口構成・調査方法は同じ条件で比べられる。表から施策の効果を検討する説明として適切なものを選べ。
- Aは75%、Bは20%増なので、増便の効果は55ポイントとする。割合の相対変化とポイント差は同じ尺度である。
- Aは15ポイント、Bは5ポイント増なので、共通の変化を差し引くとAの増加は10ポイント大きい。その他の地区差も確認する。
- Aは15ポイント増なので、その全量を増便の効果とする。Bの5ポイント増は交通需要の比較に利用しない。
- AもBも増えたので増便には効果がないとする。施策を行わない地区の増加がAの増加を打ち消す。
答えと全選択肢の解説
正解:2 Aは15ポイント、Bは5ポイント増なので、共通の変化を差し引くとAの増加は10ポイント大きい。その他の地区差も確認する。
使う地理の知識:地域交通の前後比較では人口・燃料費・他の交通などの共通変化を考慮する。割合の増加率とポイント差も区別する。
判断の手順:A・Bの利用割合の前後差を出す。両者の差を比べ、施策以外の地域条件が残っていないか検討する。
- 選択肢1:不正解
75%と20%は各地区の元の割合を分母とする相対増加率。15・5ポイントという割合の差と混ぜて施策効果を表せない。 - 選択肢2:正解
Aの前後差15ポイントからBの前後差5ポイントを引くと10ポイント。共通要因を考慮する手掛かりになるが、未確認の地区差まで除けるとは限らない。 - 選択肢3:不正解
燃料価格など両地区に共通する変化がある。施策地区の前後差を全て増便の効果とすると、その影響も含めてしまう。 - 選択肢4:不正解
両地区が増えても増加幅は異なる。比較地区の変化を引く考え方であり、増加があったことだけで効果ゼロとはいえない。
復習のポイント:地域施策の評価は実施地区の前後だけでなく、比較地区の動きも見る。
関連する一次資料:総務省統計局 Data StaRt:相関と回帰国土交通省:コンパクト・プラス・ネットワーク