史記「伯夷」定期テスト対策|天道是か非か・善悪と運命

漢文・史記|伯夷「天道是邪非邪」定期テスト対策

史記「伯夷」定期テスト対策|天道無親・顔淵・盗跖・天道是邪非邪

高校教科書で扱われることの多い「天道無親、常与善人」から「余甚惑焉。儻所謂天道、是邪非邪」までを中心に、書き下し・現代語訳・人物の対比・司馬遷の問題意識を確認します。

伯夷・叔斉 顔淵・回 盗跖 天道無親 余甚惑焉 天道是邪非邪 全20問・10問ずつ

まずは10問チェック

最初の10問では、天道無親、伯夷・叔斉、顔淵までを確認します。解き終わったら、盗跖・近世の例・天道是邪非邪を扱う追加10問へ進めます。

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高校教科書の本文で確認する論理

この教材は、伯夷・叔斉の詳しい伝記を覚えることよりも、善悪と運命が一致しない例を重ね、司馬遷が天道を疑うまでの論理を読むことが中心です。

一般に言われる天道 「天道は特定の人をひいきせず、いつも善人に味方する」とする考えが示されます。
善人なのに不幸 伯夷・叔斉は餓死し、孔子が好学と認めた顔淵も貧窮して若死にします。
悪人なのに長寿 盗跖は悪事を重ねながら天寿を全うし、近世にも悪人が栄える例があるとされます。
司馬遷の問い 善悪と報いが一致しない現実から、「天道は正しいのか」と深く疑います。

人物・呼び名を整理しよう

伯夷・叔斉 仁を積み、行いを清くした善人の例として挙げられるが、餓死した。
仲尼 孔子の字。弟子たちの中で、顔淵を特に好学の人物として挙げる。
顔淵・回 同じ人物。顔回のこと。学問を好んだが、たびたび貧窮し、若くして亡くなった。
盗跖 悪事を重ねながら長寿を保った例。善人の不幸と対比される。
余 ここでは作者の司馬遷。「余甚惑焉」で、自身の深い疑問を述べる。

本文の流れ

  1. 「天道は善人に味方する」と言われる
    「天道無親、常与善人」という一般論を提示します。
  2. 伯夷・叔斉の運命を考える
    仁を積み、行いを清くした二人が餓死した事実を示します。
  3. 顔淵の運命を重ねる
    孔子が好学と評価した顔淵も貧しく、粗末な食事さえ十分に得られず、若死にしました。
  4. 盗跖と近世の例を対置する
    悪人が長寿を保ち、現実にも悪人が栄え、公正な者が災難に遭う例が多いと述べます。
  5. 天道への疑問に至る
    司馬遷は「余甚惑焉」と述べ、天道は正しいのか、正しくないのかと問いかけます。

重要表現1|天道無親、常与善人。

本文の出発点となる一般論です。この考えと、その後に挙げられる人物の実際の運命とのずれを読み取ります。

天道無親、常与善人。
天道に親無し。常に善人に与す。
天の道は特定の人をひいきせず、いつも善人に味方する。
無親特定の人に私情を寄せて、えこひいきしない。
与す「くみす」と読み、味方する。

重要表現2|伯夷・叔斉

若伯夷・叔斉、可謂善人者非邪。積仁絜行如此而餓死。
伯夷・叔斉の若きは、善人と謂ふべき者か、非か。仁を積み、行ひの絜きこと此くの如くにして餓死せり。
伯夷・叔斉のような人は、善人と言うことのできる者なのか、そうでないのか。仁を積み、行いを清くすることがこのようでありながら、餓死した。
読むポイント
伯夷・叔斉の詳しい生涯ではなく、善人である二人が餓死したという事実が、天道への疑問の最初の根拠になっています。

重要表現3|顔淵

且七十子之徒、仲尼独薦顔淵為好学。然回也屢空、糟糠不厭、而卒蚤夭。
且つ七十子の徒、仲尼は独り顔淵を薦めて学を好むと為す。然るに回や屢空しく、糟糠すら厭かずして、卒に蚤夭せり。
さらに孔子の弟子たちの中で、孔子は顔淵だけを学問好きな人物として挙げた。しかし顔回はたびたび貧窮し、粗末な食事さえ満足に得られず、とうとう若死にした。
仲尼孔子の字。
回顔淵と同じ人物。顔回の名。
屢空たびたび貧しくなり、食物にも事欠く。
糟糠不厭酒かすや米ぬかのような粗末な食事さえ、満足に得られない。
蚤夭若くして死ぬ。
顔淵を入れる理由
善人が報われない例は伯夷・叔斉だけではない、と議論を重ねる役割があります。

重要表現4|盗跖と近世の例

司馬遷は善人の不幸に対して、悪人が長寿を保ち、富み栄える場合があることを示します。

盗跖日殺不辜、暴戻恣睢、聚党数千人、横行天下、竟以寿終。是遵何徳哉。
盗跖は日に不辜を殺し、暴戻恣睢、党を聚むること数千人、天下に横行するも、竟に寿を以て終はる。是れ何の徳に遵ふや。
盗跖は日々罪のない人を殺し、乱暴で勝手に振る舞い、数千人の仲間を集めて天下を横行したが、結局は天寿を全うした。これはいったいどのような徳に従った結果なのか。
近世への広がり
さらに、道に外れた者が富み栄える一方、公正な者が災難に遭う例は「不可勝数」、つまり数え切れないほどあると述べます。

重要表現5|余甚惑焉。儻所謂天道、是邪非邪。

善人と悪人の実際の運命を重ねた末に示される、本文全体の結論です。

余甚惑焉。儻所謂天道、是邪非邪。
余甚だ惑へり。儻は所謂天道、是か非か。
私は非常に迷っている。あるいは、いわゆる天道というものは正しいのか、正しくないのか。
記述問題の中心
伯夷・叔斉や顔淵のような善人が不幸になり、盗跖や近世の悪人が栄える現実から、司馬遷は善悪に応じた報いを与えるはずの天道を疑っています。

記述問題で問われやすいポイント

伯夷・叔斉と顔淵の共通点 善人・好学の人物として評価されながら、餓死や若死にという不幸な運命をたどったこと。
盗跖を挙げる目的 悪事を重ねた人物が長寿を保った例を示し、善人の不幸との矛盾を明確にするため。
近世の例の役割 善悪と運命の不一致が、古代の特定人物だけでなく、現実社会にも広く見られることを示す。
「余甚惑焉」の理由 天道は善人に味方すると言われるのに、善人が不幸になり、悪人が栄える例が多いから。
本文の中心 善悪と運命が一致しない現実を通して、善人に報いるとされる天道は本当に正しいのかを問うこと。

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教科書や学校プリントによって、句読点・表記・書き下しには違いがあります。このページでは、高校教科書で教材化されることの多い「天道無親」から「天道是邪非邪」までの範囲に限定しています。伯夷列伝前半の王位継承や武王への諫言などは、このチェック問題では扱いません。