史記の故事成語「背水之陣・鶏鳴狗盗・刎頸之交・和氏之璧」定期テスト対策
史記の故事成語「背水之陣・鶏鳴狗盗・刎頸之交・和氏之璧」定期テスト対策
史記に由来する4つの故事成語を、人物関係・あらすじ・重要語句・書き下し・現代語訳・行動理由までスマホで確認できます。意味だけでなく、「誰が、どこで、なぜその行動をしたのか」を整理しましょう。
まずは単元別10問チェック
テスト範囲に合わせて、下のタブから単元を選んでください。各単元30問のうち、最初は優先度の高い10問が出題されます。終了後に、追加の10問へ進めます。
このページで確認する4つの故事成語
「背水の陣」「刎頸の交わり」のような現代語表記だけでなく、漢文では背水之陣・刎頸之交などの形で出題されます。故事成語の意味と、出典となった人物・場面・行動理由を結びつけて確認しましょう。
テスト前に見る要点まとめ
問題を解く前後に、各単元の人物関係、出来事の順序、問われやすい本文表現を確認しておきましょう。
背水之陣|水辺の軍・伏兵・赤幟を組み合わせた韓信の作戦
背水之陣は、漢の名将・韓信が張耳とともに趙を攻めた井陘の戦いに由来します。水を背にして兵士を必死に戦わせただけではなく、伏兵、偽装退却、趙の砦の奪取、旗の交換を組み合わせた作戦でした。
韓信は井陘口から約三十里手前で軍を止め、軽騎二千人に一人一本ずつ漢の赤幟を持たせ、間道から趙軍の砦の近くへ伏せます。韓信の主力軍は大将の旗鼓を掲げて進み、水を背にして陣を取ります。趙軍が出撃すると、漢軍は旗鼓を捨てて水辺の軍へ退くふりをし、趙軍を砦の外へ誘い出しました。砦が空になると、伏兵が入り、趙の旗を抜いて漢の赤幟に替えます。戻った趙軍は砦が漢の旗で埋まっているのを見て混乱し、水辺の漢軍と伏兵に挟撃されました。
| 韓信 | 漢の名将。兵士の心理と趙軍の行動を読み、複数の仕掛けを組み合わせる。 |
|---|---|
| 張耳 | 韓信とともに趙を攻めた人物。 |
| 趙王歇・成安君陳余 | 趙側の中心人物。陳余は李左車の策を採用せず、正面から韓信軍を迎え撃つ。 |
| 軽騎二千人 | 赤幟を持って間道に伏せ、趙軍が砦を空にした隙に砦を奪う。 |
| 水を背にした軍 | 退路のない状況で必死に戦い、趙軍の主力を引きつける。 |
| 故事成語の意味 | 退路を断ち、後のない状況で全力を尽くすこと。 |
韓信は兵士を死地に置いて必死に戦わせる一方、趙軍を砦の外へ誘い出し、伏せていた軽騎兵に砦を奪わせました。背水之陣は、精神論だけではなく、味方と敵の心理、伏兵、旗の交換、挟撃を組み合わせた作戦です。
『史記』本文では「背水陳」と書かれる箇所があります。「陳」は軍を並べることを表し、故事成語としては一般に「背水之陣」と表記されます。
鶏鳴狗盗|狐白裘・幸姫・函谷関
鶏鳴狗盗は、斉の孟嘗君・田文が秦で危機に陥り、ふだんは低く見られる技能を持つ食客に助けられて脱出した話です。
秦の昭王は孟嘗君を重く用いようとしますが、のちに疑って捕らえ、殺そうとします。孟嘗君は昭王の幸姫に助命の口添えを求めます。幸姫が望んだのは狐白裘でしたが、孟嘗君はすでに秦王へ献上していました。そこで、犬のように忍び込んで盗むことのできる食客が秦の蔵から狐白裘を盗み、幸姫へ渡します。幸姫の口添えで釈放された孟嘗君は急いで秦を脱出しますが、夜半に函谷関へ着きます。関所は鶏が鳴いてから旅人を通す規則だったため、鶏の鳴きまねができる食客が鳴くと、周囲の鶏も一斉に鳴き、門が開きました。
| 孟嘗君・田文 | 斉の有力者。多くの食客を抱えていた人物。 |
|---|---|
| 秦昭王 | 孟嘗君を捕らえ、殺そうとする秦の王。 |
| 昭王の幸姫 | 狐白裘を受け取り、孟嘗君のために口添えする。 |
| 狗盗 | 秦の蔵へ忍び込み、すでに献上されていた狐白裘を盗み出す。 |
| 鶏鳴 | 函谷関で鶏の鳴きまねをし、周囲の鶏を鳴かせて門を開かせる。 |
| 意味の幅 | 本来は取るに足らない技能や小人物を指す一方、そのような技能でも場面によって役立つという説明にも使われる。 |
狗盗が盗んだものは狐白裘、口添えをしたのは秦昭王の幸姫、鶏鳴が役立った場所は夜半の函谷関です。狗盗と鶏鳴の役割を逆にしないようにしましょう。
刎頸之交|引車避匿・先国家之急・肉袒負荊
刎頸之交は、趙の将軍・廉頗と、秦との交渉で功績を立てた藺相如が、対立を乗り越えて命を預け合うほどの深い友情を結ぶ話です。
藺相如が上卿となり、その位が廉頗より上になると、廉頗は「自分は攻城野戦の功があるのに、藺相如は口舌の働きだけで自分より上位になった」と不満を持ち、会えば辱めると宣言します。藺相如は病気と称して朝廷を避け、外出中に廉頗を見かけると車を引き返して身を隠しました。舎人たちは臆病だと考えますが、藺相如は、強大な秦が趙へ攻め込まないのは廉頗と自分の二人がいるからであり、二人が争えば「二頭の虎がともに闘う」ように趙が弱くなると説明します。そして、国家の危機を先にし、個人的な恨みを後にしているのだと述べます。その真意を知った廉頗は、上半身を脱ぎ、いばらを背負って謝罪しました。
| 位在廉頗之右 | 藺相如の位が廉頗より上になったことを表す。 |
|---|---|
| 引車避匿 | 藺相如が車を引き返し、廉頗との衝突を徹底して避ける。 |
| 孰与秦王・不若也 | 廉頗と秦王のどちらが恐ろしいかを比べ、廉頗は秦王に及ばないと確認する。 |
| 両虎共闘 | 廉頗と藺相如が争えば、趙を支える二人がともに無事では済まないというたとえ。 |
| 先国家之急而後私讎 | 国家の急務を先にし、個人的な恨みを後にするという藺相如の判断。 |
| 肉袒負荊 | 廉頗が上半身を脱ぎ、いばらを背負って罰を受ける覚悟を示し、謝罪する。 |
藺相如が廉頗を避けたのは、恐れていたからではありません。趙を支える二人が私的に争えば秦につけ込まれるため、個人の面子より国益を優先したのです。その真意を知った廉頗は自分の誤りを認め、行動で謝罪しました。
和氏之璧|十五城・璧有瑕・怒髪上衝冠・完璧帰趙
和氏之璧は、趙の恵文王が持つ宝玉を、秦の昭王が十五城との交換で求めたことから始まる、秦王と藺相如の緊迫した交渉の話です。
秦王は和氏の璧と十五城を交換したいと申し出ます。趙は、要求を断れば秦に攻められる恐れがあり、璧を渡しても城を得られない恐れがあるため迷います。使者となった藺相如は璧を持って秦へ向かい、章台で秦王に差し出します。しかし秦王は璧を美人や側近へ回して見せるだけで、城を渡す意思を示しません。藺相如は「璧に傷がある」と言って璧を取り戻し、後ずさりして柱に寄りかかり、秦王が約束を守らなければ自分の頭と璧を柱へ砕くと迫ります。さらに秦王へ五日間の斎戒と九賓の礼を求め、その間に従者へ粗末な服を着せ、璧を懐に入れて間道から趙へ返しました。
| 趙恵文王 | 和氏の璧を所有する趙の王。 |
|---|---|
| 秦昭王 | 十五城との交換を申し出て、和氏の璧を求める。 |
| 章台 | 秦王が藺相如を引見し、璧を受け取った場所。 |
| 璧有瑕 | 藺相如が璧を秦王の手から取り戻すために使った機転。 |
| 怒髪上衝冠 | 激しい怒りと決死の覚悟で、髪が冠を突き上げるほど逆立つ様子。 |
| 従者衣褐・間道 | 従者を目立たない姿にし、璧を懐に入れて近道から趙へ戻らせる。 |
| 完璧帰趙 | 璧を傷つけず、完全なまま趙へ返すこと。「完璧」の由来とされる。 |
藺相如は秦王の欲と不誠実な態度を見抜き、礼と論理で趙の正当性を示しながら、璧を壊す覚悟まで見せました。機転だけでなく、趙への責任を負い、自分が処罰されることも覚悟して交渉した点が重要です。
史記の故事成語で問われやすい句形・表現
定期テストでは、故事成語の意味だけでなく、本文中の重要表現の書き下し・現代語訳・指示内容・行動理由が問われます。
| 陥之死地而後生 | 「これを死地に陥れてしかる後に生く」。逃げ場のない危険な状況に置いてこそ、生き残るために必死に戦うという背水之陣の説明。 |
|---|---|
| 置之亡地而後存 | 「これを亡地に置きてしかる後に存す」。前の句と対になり、韓信が兵士を水辺に置いた理由を示す。 |
| 方 | 「まさに・その時になって初めて」。鶏鳴狗盗の「関法、鶏鳴方出客」では、鶏が鳴いて初めて旅人を出すという関所の規則を表す。 |
| 孰与A | 二者を比較して、どちらが上かを問う形。刎頸之交では廉頗と秦王を比較する。 |
| 所以〜者 | 「〜する理由は」と訳す。秦が趙へ兵を出さない理由を説明する場面などで重要。 |
| 先A而後B | 「Aを先にし、Bを後にする」。藺相如の「国家の急務を先にし、私的な恨みを後にする」という価値判断を表す。 |
| 見A於B | 「BにAされる」という受身。和氏之璧の「見欺於王」は「王に欺かれる」と訳す。 |
| 況A乎 | 「ましてAはどうか、いやなおさら〜だ」という抑揚・反語の形。「布衣之交尚不相欺、況大国乎」で秦王へ約束を守るよう迫る。 |
| 衣褐 | 「粗末な服を着る」。「衣」は名詞ではなく動詞として用いられ、藺相如の従者が目立たず璧を運ぶための姿を表す。 |
人物名 → 場所・道具 → 行動の順序 → 行動理由 → 重要表現 → 故事成語の意味の順に整理すると、選択問題だけでなく、現代語訳や記述問題にも対応しやすくなります。
単元ごとのチェックポイント
テスト直前は、次のポイントだけでも確認しておきましょう。
| 背水之陣 | 軽騎二千人、赤幟、偽装退却、趙の砦の奪取、水辺の軍との挟撃、陥之死地而後生を確認。 |
|---|---|
| 鶏鳴狗盗 | 秦昭王の幸姫、狐白裘、秦の蔵、夜半の函谷関、狗盗と鶏鳴の役割、本来の否定的意味も確認。 |
| 刎頸之交 | 廉頗が不満を持った理由、引車避匿、孰与秦王、両虎共闘、先国家之急、肉袒負荊を確認。 |
| 和氏之璧 | 十五城、章台、璧有瑕、怒髪上衝冠、斎戒五日、九賓の礼、従者衣褐、完璧帰趙を確認。 |
漢文の定期テスト対策から、評定アップへ
漢文のテスト成績を上げることは、評定平均を上げることにもつながります。総合型選抜や学校推薦型選抜を考えている人は、ふだんの定期テスト対策も大切にしていきましょう。
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