身近なものを、別の角度から捉え直す
2024年度はナイフやスプーンを面積の計測に用い、2025年度は毛髪やセロファンの伸縮を湿度の計測に利用しました。2026年度には、容器に閉じ込めた空気の体積変化を使って気圧計を作成しています。
共通しているのは、特別な研究機器を使うことではありません。身近な物や現象が持つ性質に目を向け、通常とは異なる目的にも利用できるかを確かめる課題になっています。
2027年度の事前課題は、カメラオブスキュラの製作、ピンホールの形状による像の比較、自作レンズによるピンホールの代替で構成されています。このページでは、2027年度課題の公式指定事項を確認するとともに、2022〜2026年度の過去問題を比較し、題材が変わっても繰り返し現れる出題の特徴を見ていきます。
PAST EXAMS & APPROACH
2022〜2026年度の公式事前課題を比較すると、題材が変わっても繰り返し現れる出題の特徴があります。以下は過去問題をもとにしたLOGIQAによる分析であり、大学が公表した採点基準ではありません。
2024年度はナイフやスプーンを面積の計測に用い、2025年度は毛髪やセロファンの伸縮を湿度の計測に利用しました。2026年度には、容器に閉じ込めた空気の体積変化を使って気圧計を作成しています。
共通しているのは、特別な研究機器を使うことではありません。身近な物や現象が持つ性質に目を向け、通常とは異なる目的にも利用できるかを確かめる課題になっています。
過去問では、初めからすべてを自由に考えさせるのではなく、まず指定された条件で現象を観察し、その後に受験生自身が方法や条件を考える構成が多く見られます。
2023年度は、指定された作業で時間感覚を測ったあと、自分で複数の作業を設定し、さらに時間感覚を正確にする方法を発案して検証する課題へ進みました。2024年度も、面積が既知の基本図形で方法を試したあと、公式では面積を求めにくい複雑な図形へ対象を広げています。
指示どおりに作業できるかだけでなく、そこで得た理解を別の対象や条件へ応用できるかも問う構成だと考えられます。
FACT選抜の公式説明では、観察した事象を主観や思い込みにとらわれずに捉え、客観的なデータに落とし込む力を重点的に確認するとされています。
過去問でも、「長く感じた」「湿度が高そうだった」「うまく測れた」といった印象だけで終わらず、試行を重ねて記録したり、公表されているデータと比較したりする課題が繰り返されています。数字を多く並べること自体ではなく、何を観察し、どのような記録として残したのかを読み手が追えることが重視されていると読めます。
2022年度は、サンプル数の増加によって面積の推定値がどう変化するかを考察し、発展問題では推定が過大になった方法の問題点を指摘する課題でした。2023年度には、条件による違いが生じた場合だけでなく、「違いが生じなかった場合」の理由も検討するよう求められています。
2025年度と2026年度には、自作した計測器の結果を気象台等の公表データと比較し、違いがあればその理由を考察する課題が置かれました。予想や公表値との一致だけを成功とせず、ずれやばらつきも観察対象として扱う点が複数年度に共通しています。
2023年度は、報告を読んだ他者が同じ実験を再現できるように記述することを求めています。2025年度と2026年度には、製作者以外の人が初めて使っても独力で正しく観測できるよう、取扱説明書を作成する課題が出されました。
FACT選抜が掲げる「5つの力」にも、対話・論理・表現・分析・省察が含まれています。自分が理解しただけではなく、方法や根拠を他者へ伝えられる形にすることも、事前課題の継続的な特徴だと考えられます。
題材だけを追うと年度ごとに別の入試に見えますが、課題全体には次のような共通した流れがあります。
過去問を読む際は、「その年度に何を作らせたのか」だけでなく、課題のどの段階で受験生自身の判断を求めているのかに注目すると、FACT選抜の出題設計が見えやすくなります。
2027 TASK
以下は公式課題に記載された見出しと指定事項の概要です。詳しい材料、手順、報告項目、考察項目は公式PDFで確認してください。
自作した装置でピンホールによる結像現象を観察し、装置の寸法・構造、像の写真、反転の説明、動作確認の結果、指定された考察を報告します。
直径の異なる円形ピンホール5種以上と、形状の異なるピンホール3種以上を用い、像の明るさ・鮮明さ等を比較します。定量的な比較、理論値との比較、測定誤差、発展課題も指定されています。
自作レンズとピンホールによる像を比較し、焦点距離、収差の観察・スケッチ、測定値を用いた樹脂の屈折率の算出等を行います。
OFFICIAL RULES
ここでは、公式文書に明記されている形式・提出上の注意のみをまとめています。
FAQ
公式課題では、生成AIの特性・限界・問題点を十分に理解した上で、レポート作成の「準備」に使用することは妨げないとされています。ただし、実験の遂行、レポートの構成・執筆は本人が主体的に行う必要があります。
科学的研究の手法一般に詳しい教員等へ助言を求めることは認められています。一方、実験の遂行、レポートの構成・執筆は出願者本人が自らの責任で主体的に行うよう求められています。
公式課題は、自身の評価基準を明示した上で述べるよう求めていますが、特定の評価方法は指定していません。このページでも、指標や計算方法の例は提示しません。