難民キャンプで撮影されたアフガン難民の少女
少女のまなざしからどのような思いを読み取るか、また、その思いが自分自身とどのように関わるかを論じる形式だったと報告されています。
順天堂大学医学部の小論文は、写真や絵、図などの視覚資料を観察し、人物の立場や、資料の背後にある社会を考える独特の試験です。2027年度の公式入試要項と医学部の教育方針を確認し、過去問ごとに「何を見ようとした問題なのか」をLOGIQAが分析しました。
順天堂大学の小論文は、医療知識を並べる試験ではありません
大学は、小論文や面接によって、受験生の感性、医師・医学者となるべき人物、識見、教養を見極めると説明しています。一枚の写真をどのように観察し、他者をどのように理解し、そこから発見した問いをどう言葉にするかが重要です。
順天堂大学医学部の小論文で重要なのは、写真から「正解の意味」を当てることではありません。
観察した事実と、自分が推測したことを区別し、他者の立場を想像しながら、設問の複数の要求へ筋道立てて答えることが中心です。
2027年度の正式な入学試験要項では、一般選抜A方式、前期共通テスト利用選抜、地域枠選抜、研究医特別選抜などで70分の小論文試験が行われます。
| 選抜方式 | 2027年度の形式 | 小論文の扱い |
|---|---|---|
| 一般選抜A方式 | 2027年2月3日実施 小論文70分 |
小論文の評価は一次試験合格者の選抜には使用せず、二次試験合格者の選抜時に使用。未受験の場合は一次試験の選抜対象外。 |
| 前期共通テスト利用選抜 | 2027年2月3日実施 小論文70分 |
共通テストの成績、小論文、面接などをもとに、最終的な合格者を選抜。 |
| 地域枠選抜 | 2027年2月3日実施 小論文70分 |
学力試験と同日に受験し、小論文、面接、一次試験結果などを総合して判定。 |
| 研究医特別選抜 | 2027年2月3日実施 小論文70分 |
小論文、面接、プレゼンテーション、一次試験結果などをもとに選抜。 |
| 一般選抜B方式 | 2027年3月2日実施 小論文・英作文を合わせて120分 |
小論文問題と英作文問題が同時に配付され、120分以内に両方を解答。 |
| 共通テスト・一般併用選抜 後期共通テスト利用選抜 |
2027年3月2日実施 小論文・英作文を合わせて120分 |
一般選抜B方式と同じ時間帯で、小論文と英作文の両方を完成させる。 |
※試験時間と選抜方法は、順天堂大学「2027年度 医学部入学試験要項」に基づきます。過去問で多く見られる「800字以内」は過年度の出題実績であり、2027年度の制限字数が事前に保証されているわけではありません。
順天堂大学公式サイトでは、医学部小論文の問題本文や使用写真を継続的には公開していません。以下は、過去問題集、受験者による入試報告を照合し、著作権に配慮して設問の概要をまとめたものです。
過去問の概要と、出題意図の分析は分けています
写真や設問の概要は、複数の過去問情報を確認して整理しています。一方、この後に掲載する「考えられる出題意図」は、順天堂大学医学部の公式方針と各設問の構造をもとに、LOGIQAが分析した内容です。
少女のまなざしからどのような思いを読み取るか、また、その思いが自分自身とどのように関わるかを論じる形式だったと報告されています。
少女の写真とWHOによる健康についての説明を踏まえ、少女の生涯の健康へ影響する社会的要因と、それに対して医師として何ができるかを800字以内で論じる問題でした。
1970年代の米国で撮影された、黒人と白人の子どもが握手をしている写真を見て、写真の2人の言葉として、現代の私たちへのメッセージを800字以内で表現する問題でした。
特攻隊員が写る写真を見て、その中の一人になったつもりで家族への手紙を書き、さらに、手紙を書いているときの心情を説明する問題でした。
将来形成されると予測される超大陸「パンゲア・プロキシマ」の図や資料を見て、そこにどのような世界が広がっていると思うかを800字以内で論じる問題でした。
人の姿が消えた港にいるアザラシの写真を見て、自分がそのアザラシだったら何を思うかを表現する問題が報告されています。
家出した少年と警察官が食堂のカウンターに並んで座る絵を見て、感じたこと、考えたことを述べる問題でした。
耳の聞こえない写真家・井上孝治が撮影した子どもたちの写真を見て、感じたこと、考えたことを論じる問題でした。
写真に写る子猫になったつもりで、何を思うかを書く問題でした。
※2026年度は受験者からの聞き取りに基づく情報を含みます。設問の正確な文言、写真の説明、制限字数などについては、今後公開される正規の過去問題集でも確認してください。
以下は大学公式の採点基準ではありません。
順天堂大学医学部が求める「相手の立場に立つ思いやり」「豊かな感性と教養」「課題を発掘する主体性」「国際的な視点」と、各年度の設問が受験生へ要求した作業を照らし合わせ、LOGIQAが予想/分析した出題意図です。
難民の少女を見て、「悲しそうだ」「かわいそうだ」と書くだけでは、写真を外側から評価したことにしかなりません。
「あなた自身とどのような関わりがあるか」という要求は、難民問題についての知識量だけでなく、自分の生活、価値観、情報への接し方を振り返る力を見ようとしたものと考えられます。
少女と自分が同じ経験をしていると主張する必要はありません。むしろ、生活基盤を奪われた人の経験を完全には理解できないことを認めたうえで、無関心でいないために自分ができることを考える方が誠実です。
少女の健康を考えるとき、栄養不足や感染症だけを挙げればよいわけではありません。住居、衛生、教育、貧困、紛争、差別、医療へのアクセスなど、健康を左右する要因は本人の身体の外側にもあります。
出題意図として考えられるのは、医師の仕事を「病院で病気を診断して治すこと」だけに限定していないかを見ることです。
医師には、診療のほか、予防活動、健康状態の調査、行政や教育機関との連携、社会への発信などもできます。一方で、医師一人が貧困や紛争を解決できるわけではありません。他職種、行政、地域社会、国際機関と協働する現実的な視点が必要です。
人種の異なる子どもが握手する写真を見て、外側から「差別はいけない」と論評するのではなく、写真の子どもたちの言葉としてメッセージを作る問題です。
大人が作った人種上の区分や偏見と、目の前の相手と自然に関わろうとする子どもの姿を対比させられるかが、一つのポイントだったと考えられます。
同時に、写真を「昔の米国で起きた差別」として閉じず、現在の社会に残る偏見、分断、無意識の決めつけまで考えられるかも問われています。
特攻隊員になったつもりで家族への手紙を書く問題では、文章表現の巧さだけでなく、戦争の中に置かれた一人の若者の立場を考える力が問われます。
家族への愛情、死への恐怖、任務への責任感、周囲からの圧力、家族を安心させたい思いは、互いに矛盾しながら存在し得ます。
一つの感情へ単純化せず、本人にも整理できない複雑さを残せるかが重要です。また、手紙本文と「手紙を書いているときの心情」の両方へ答えなければなりません。
約2億5000万年後の地球には、確認できる正解がありません。しかし、自由に好きな未来を書く問題でもありません。
大陸の結合によって気候、海流、生態系、人類の居住環境がどう変わるかを考え、その変化から未来の世界を組み立てる必要があります。
順天堂大学が掲げる「科学者の視点」と「感性豊かな教養人」の両方を、医学知識とは異なる題材で見ようとした問題と考えられます。
アザラシの立場から考えることで、人間を世界の中心に置く見方をいったん外す問題です。
動物になりきった物語を書くこと自体が目的ではありません。人間がいなくなった場所、残された建造物や廃棄物、生態系の変化などを、別の存在の視点から捉え直すことが重要です。
医療でも、自分にとって当然の環境や説明が、患者からどう見えるかを考える必要があります。自分の常識を一度離れる力につながる問題です。
『Runaway』には、家出した少年、警察官、店員が描かれています。絵の中には会話文がなく、少年がなぜ家出したのかも説明されていません。
警察官が少年を立たせて問い詰めるのではなく、隣に座り、同じ高さで関わっている点から、対話、安心感、信頼関係について考えられます。
相手を指導や処置の対象として見る前に、まず隣に座り、話を聞く。その姿勢は、患者との関係にも通じます。ただし、無理に「医師も同じだ」と結論づけるのではなく、絵から読み取った関係を丁寧に説明することが先です。
子どもたちの日常を写した写真では、大きな事件や分かりやすい社会問題が前面に出ているとは限りません。
耳の聞こえない写真家が、音ではなく表情、動き、距離、光景を通して子どもたちの世界を捉えている点も、考察の入口になります。
当たり前に見える日常を見過ごさず、一人ひとりの生活の価値を発見できるか。医療以前に、人間へ関心を持てるかを見ようとした問題と考えられます。
戦場にいる兵士と子猫という組み合わせには、戦争と日常、破壊と保護、武器を持つ人間と小さな動物という対照があります。
子猫の視点を借りることで、兵士を戦争を行う存在としてだけでなく、目の前の小さな命へ食事を与える一人の人間として見ることができます。
暴力的な状況の中にも残る思いやりや、人間の矛盾を捉えられるかが、考えられる出題意図です。
人物、動物、街、絵画などを見て、感じたことや考えたことを800字程度で表現する問題が多く見られました。
アザラシ、特攻隊員、写真の中の子どもなど、誰の立場で、誰に向けて書くかが指定される出題が続きました。
写真を観察するだけでなく、健康を左右する社会的要因、医師としての役割、自分自身との関係まで答えさせる形式が目立っています。
近年の変化は、写真問題が医療時事問題へ置き換わったという意味ではありません。
むしろ、従来から重視されてきた他者を見る感性に加えて、写真から課題を発見し、複数の問いを整理し、社会や自分の行動へつなげる論理的な処理まで求めるようになったと考えられます。
順天堂大学医学部は、医学・医療の知識や技能だけでなく、豊かな感性と教養を持ち、国際社会や地域社会へ貢献できる医師・医学者の育成を掲げています。
求める学生像としては、主に次の力が示されています。
写真を使った小論文は、これらを学力試験とは異なる角度から確認する試験と考えられます。
順天堂大学の小論文で必要な思考
観察する → 相手の立場を想像する → 背景にある課題を発見する → 複数の解釈を検討する → 自分の考えを整理する → 現実的な行動や解決へつなげる
写真に実際に写っている事実を、思い込みを入れずに確認する力です。表情だけでなく、視線、姿勢、服装、背景、人物同士の距離なども手がかりになります。
写真の人物を「かわいそうな人」「助けられる人」と固定せず、その人の希望、尊厳、迷い、主体性まで考えます。
貧困、教育、住居、衛生、安全、差別、環境など、写真の背景にある具体的な問題を見つけます。
写真を見る自分、写っている人物、家族、医師、社会など、複数の立場から考えます。
印象的な表現だけでは答案になりません。設問への答え、理由、具体的な考察、結論をつなぎ、800字程度を一つの文章として完成させます。
なぜその解釈をしたのか、別の見方はなかったのかを、面接でも説明できる内容にします。
誰の立場で、何について、誰に向けて、いくつ答えるのかを確認します。
表情、視線、姿勢、背景、物、人数、距離など、見える情報を書き出します。
一つの印象に決めつけず、別の感情や背景の可能性も検討します。
写真から何を問題として取り上げるか、答案の中心を一つに絞ります。
写真の説明で終わらず、人間、社会、医師、自分の行動へ考察を広げます。
「写真に写っている事実」と「自分が考えた背景」を区別して書くと、人物の事情を勝手に決めつける答案になりにくくなります。
2026年度の出題概要なら、主な要求は次の二つです。
2025年度なら、次の二つです。
答案の段落を、それぞれの要求に対応させます。
少女のまなざしを見て「悲しみ」と感じた場合も、すぐに決定しません。
複数の可能性を考えたうえで、写真の情報から最も説明しやすい解釈を選びます。
写真から何を拾えばよいか分からない、感想は浮かぶのに800字へまとめられない、医療の話へ無理につなげてしまう。順天堂大学の過去問を使い、観察、出題意図の分析、論点設定、構成、答案作成、面接での説明まで確認します。
順天堂大学医学部の小論文について相談する相談はZoomで実施します。保護者の方もご一緒に参加できます。
題名、撮影地、人物、背景など、確認できる事実を拾います。
動詞に線を引き、答えるべき項目を確認します。
結論と段落の役割を決め、字数を配分します。
57分前後までに本文を書き、残りで補足・修正・誤字確認をします。
一般選抜A方式では、理科、英語、数学を受けた後、17時30分から小論文が始まります。長時間の学力試験後でも、写真を丁寧に見て文章を組み立てる集中力が必要です。
一般選抜B方式は別の時間配分が必要です
B方式では、小論文と英作文の問題が同時に配付され、両方を120分で完成させます。小論文に時間を使いすぎないよう、英作文を含めた通し練習が必要です。
順天堂大学の問題は年度によって条件が変わるため、すべてを一つの型へ押し込むべきではありません。写真と社会課題を考察する問題では、次の構成を一つの目安にできます。
「悲しい」「怖い」を繰り返すより、なぜその感情が生じたのか、何を相手に伝えたいのかを具体化します。
どの写真が出ても「患者に寄り添う医師になりたい」と結ぶと、写真と主張の間に論理的なつながりがありません。
修正:写真のどの部分から、その考えに至ったのかを具体的に示します。
感情は出発点ですが、それだけでは考察になりません。
修正:なぜそう感じたか、写真の何がその感情を生んだか、そこから何を考えたかまで説明します。
少女の写真を見て、「両親を亡くし、食事も与えられていない」などと断定するのは危険です。
修正:直接確認できない内容は、「可能性がある」「考えられる」と推測であることを示します。
手紙や動物の視点を求める問題でも、文学的な情景描写だけでは考察が不足します。
修正:役になりきる部分と、写真の背景にある社会的・倫理的問題を両立させます。
写真の人物の心情を詳しく書いても、「自分との関わり」へ答えていなければ不十分です。
修正:設問を動詞ごとに分け、段落と字数をそれぞれ割り当てます。
貧困、教育、紛争、差別、衛生環境は、医師一人の診療だけでは解決できません。
修正:診療、多職種連携、行政との協働、研究、社会への発信などに役割を分けます。
70分で写真の観察、設問分析、構成、執筆、推敲まで行います。
自分の答案を直す前に、大学がどのような思考を求めた問題かを考えます。
写真の人物、家族、医師、撮影者、自分など、異なる立場から再検討します。
なぜその解釈を選んだのか、別の見方はなかったかを説明します。
一つの問題について、次の三段階で練習します。
週に1枚、報道写真を選び、次の五つをメモします。
医療ニュースだけでなく、戦争、難民、貧困、差別、障害、環境、子ども、教育、日常生活などの写真も扱います。
抽象的な考察へ進む前に、写真を正確に言葉へ変換する練習です。
写真を見ていない人が、どのような場面かを想像できるように説明します。写真そのものを説明できなければ、深い考察へ進むこともできません。
順天堂大学医学部の小論文は、奇抜な発想を競う試験ではありません。
一枚の写真を丁寧に見て、他者を勝手に決めつけず、そこから発見した問いを論理的に掘り下げられるかを見る試験です。近年は、写真を眺めて自由に感想を書く対策だけでなく、複数の設問条件へ正確に答える練習が必要になっています。
写真から何を拾えばよいか分からない、感想は浮かぶのに800字へまとめられない、医療の話へ無理につなげてしまう。順天堂大学の過去問を使い、観察、出題意図の分析、論点設定、構成、答案作成、面接での説明まで確認します。
順天堂大学医学部の小論文について相談する相談はZoomで実施します。保護者の方もご一緒に参加できます。
過去問題では800字以内の出題が中心です。ただし、2027年度の公式要項には事前の字数指定までは掲載されていません。実際の問題文の指定に従ってください。
一般選抜A方式、前期共通テスト利用選抜、地域枠選抜、研究医特別選抜は70分です。一般選抜B方式、共通テスト・一般併用選抜、後期共通テスト利用選抜は、小論文と英作文を合わせて120分です。
小論文の評価は、一次試験合格者を決める際には使用されず、二次試験合格者を決める際に使用されます。ただし、小論文を受験しなかった場合は一次試験の選抜対象になりません。
いいえ。このページの年度別の出題意図は、順天堂大学医学部のアドミッション・ポリシーと、各設問が要求した作業をもとにLOGIQAが分析したものです。大学公式の採点基準ではありません。
医療知識の量だけを競う試験ではありません。写真を丁寧に観察し、設問へ答えたうえで、必要な範囲で医療・社会の知識を使うことが重要です。
感じたことは重要ですが、近年は「誰の立場で書くか」「自分との関係」「医師としてできること」など、複数の条件が指定されています。自由な感想より先に、設問の要求を正確に確認します。
はい。なぜその写真をそのように解釈したのか、別の解釈はなかったのか、医師として本当に何ができるのかを口頭で説明できるようにします。
使用写真には著作権があるため、赤本、赤本オンライン、正規に提供されている過去問題集などを確認してください。
入試内容は変更される場合があります。出願・受験前には、必ず順天堂大学が公開する最新の入学試験要項をご確認ください。過去問題の設問は著作権に配慮して内容を要約しています。「年度ごとの考えられる出題意図」は、大学公式の採点基準ではなく、順天堂大学医学部の公式方針と設問構造をもとにしたLOGIQAの分析です。